JP2016146597A - 振動片の製造方法、振動片、振動子、発振器、リアルタイムクロック、電子機器、および移動体 - Google Patents

振動片の製造方法、振動片、振動子、発振器、リアルタイムクロック、電子機器、および移動体 Download PDF

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Abstract

【課題】2つの電極パッドが電気的に短絡する可能性を低減することができる振動片の製造方法を提供する。【解決手段】本発明に係る振動片の製造方法は、基部、一対の振動腕、および支持腕を形成する工程(S4)と、支持腕をエッチングして、支持腕の、第1方向と交差する第2方向と交差する側面に、切り欠き部を形成する工程(S5)と、基部、振動腕、および支持腕の表面に金属層を成膜する工程(S6)と、金属層の表面にレジスト層を塗布する工程(S7)と、レジストを露光する工程(S8)と、レジスト層をマスクとして金属層をエッチングする工程(S10)と、を含み、レジスト層を露光する工程(S8)では、支持腕の表面の垂線に対して傾斜した方向から光を照射して、切り欠き部内のレジスト層を斜め露光し、金属層をエッチングする工程(S10)では、第1駆動電極および第2駆動電極と、第1電極パッドおよび第2電極パッドと、を形成する。【選択図】図6

Description

本発明は、振動片の製造方法、振動片、振動子、発振器、リアルタイムクロック、電子機器、および移動体に関する。
HDD(ハード・ディスク・ドライブ)、モバイルコンピューター、あるいはICカード等の小型の情報機器や、携帯電話、自動車電話、またはページングシステム等の移動体通信機器等において、振動子や発振器等の電子デバイスが広く使用されている。
上記のような振動子や発振器として、パッケージに振動片を収容したものが知られている。このような振動片は、例えば、基部と、基部から延出している一対の振動腕と、基部から延出し一対の振動腕の間に位置する支持腕と、を有している。各振動腕には該振動腕を駆動するための2つの駆動電極が設けられており、各駆動電極は、支持腕の一方の主面に設けられた異極の2つの電極パッドのいずれか一方と、電気的に接続されている。このような振動片は、2つの電極パッドの部分において、導電性接合部材を介して、パッケージに固定される。駆動電極および電極パッドは、金属層を、フォトリソグラフィーおよびエッチングによってパターニングすることによって形成される。
上記のような振動片では、支持腕の側面において、金属層の表面に設けられたレジスト層を露光することができず、金属層をパターニングできない場合がある。そのため、振動片をパッケージに固定した際に、電極パッド周辺の支持腕の側面に設けられた金属層(パターニングできなかった金属層)と導電性接合部材とが接触し、2つの電極パッドが電気的に短絡してしまう場合がある。
例えば特許文献1では、2つの電極パッドの電気的な短絡を防ぐため、支持腕の側面に切り欠きを形成することが記載されている。
特開2014−22965号公報
しかしながら、上記のような振動片において、特に、支持腕の−X軸方向側の側面(水晶の結晶軸である電気軸としてのX軸の−X軸方向側の側面)は、支持腕の主面に対して傾斜し難く(主面に対して垂直になりやすく)、切り欠き部内の金属層を十分に除去できない場合がある。
本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、2つの電極パッドが電気的に短絡する可能性を低減することができる振動片の製造方法を提供することにある。また、本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、2つの電極パッドが電気的に短絡する可能性を低減することができる振動片、ならびに、該振動片を備えている振動子、発振器、リアルタイムクロック、電子機器、および移動体を提供することにある。
本発明は前述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態
様または適用例として実現することができる。
[適用例1]
本適用例に係る振動片の製造方法は、
圧電基板をエッチングして、基部、前記基部から第1方向に沿って延出し、前記第1方向と交差する第2方向に沿って並んでいる一対の振動腕、および前記基部から前記第1方向に沿って延出し一対の前記振動腕の間に設けられた支持腕を形成する工程と、
前記支持腕をエッチングして、前記支持腕の、前記第2方向と交差する側面に、切り欠き部を形成する工程と、
前記基部、前記振動腕、および前記支持腕の表面に金属層を成膜する工程と、
前記金属層の表面にレジスト層を塗布する工程と、
前記レジスト層を露光する工程と、
露光された前記レジスト層を現像する工程と、
現像された前記レジスト層をマスクとして前記金属層をエッチングする工程と、
を含み、
前記レジスト層を露光する工程では、
前記支持腕の主面の垂線に対して傾斜した方向から光を照射して、前記切り欠き部内の前記レジスト層を斜め露光し、
前記金属層をエッチングする工程では、
前記振動腕の表面に設けられた第1駆動電極および第2駆動電極と、
前記支持腕の主面に設けられ、前記切り欠き部よりも前記第1方向側に位置し、前記第1駆動電極と電気的に接続された第1電極パッドと、
前記主面に設けられ、前記切り欠き部よりも前記第1方向とは反対方向側に位置し、前記第2駆動電極と電気的に接続された第2電極パッドと、
を形成する。
このような振動片の製造方法では、2つの電極パッドが電気的に短絡する可能性を低減することができる。
[適用例2]
本適用例に係る振動片の製造方法において、
前記レジスト層を露光する工程では、
前記第1方向および前記第2方向と直交する第3方向から前記第1方向または前記第1方向とは反対方向に所定の角度傾いた方向から、斜め露光を行ってもよい。
このような振動片の製造方法では、振動腕によって露光のための光が遮られることなく、レジスト層を露光することができる。
[適用例3]
本適用例に係る振動片の製造方法において、
前記所定の角度は、0°より大きく50°より小さくてもよい。
このような振動片の製造方法では、切り欠き部内の第ジスト層84に、より確実に露光のための光を照射することができる。
[適用例4]
本適用例に係る振動片の製造方法において、
前記圧電基板は、水晶からなり、
前記第1方向は、
水晶の結晶軸である、電気軸をX軸、機械軸をY軸、光学軸をZ軸とし、前記X軸を回
転軸として、
前記Y軸を、+Y側を前記Z軸の+側に傾けるように回転させてY´軸とし、
前記Z軸を、+Z側を前記Y軸の−側に傾けるように回転させてZ´軸としたとき、
前記第1方向は、前記Y´軸の−Y´方向であり、
前記第2方向は、前記X軸の−X方向であってもよい。
このような振動片の製造方法では、切り欠き部の面を、Z´軸に対して傾斜させることができ、より確実に、切り欠き部内のレジスト層を露光することができる。
[適用例5]
本適用例に係る振動片の製造方法において、
前記切り欠き部を形成する工程は、ウェットエッチングによって行われてもよい。
このような振動片の製造方法では、切り欠き部の面を、Z´軸に対して傾斜させることができる。
[適用例6]
本適用例に係る振動片の製造方法において、
前記切り欠き部を形成する工程では、
前記切り欠き部が、
前記側面と平行な面であり、前記側面よりも前記第2方向とは反対方向側に位置する第1面と、
前記第1面に対して傾斜して前記第1面および前記側面に接続された第2面と、
前記第2面よりも前記第1方向側に位置し、前記第1面に対して傾斜して前記第1面および前記側面に接続された第3面と、
を有するように形成され、
前記第2面は、前記第1方向に向かうに従って前記第1方向および前記第2方向と直交する第3方向の幅が小さくなり、
前記第3面は、前記第1方向に向かうに従って前記第3方向の幅が大きくなってもよい。
このような振動片の製造方法では、2つの電極パッドが電気的に短絡する可能性を低減することができる。
[適用例7]
本適用例に係る振動片の製造方法において、
前記振動腕をエッチングして溝部を形成する工程を含み、
前記溝部を形成する工程と、前記切り欠き部を形成する工程とは、同じ工程で行われてもよい。
このような振動片の製造方法では、溝部を形成する工程と、切り欠き部を形成する工程と、を別々の工程で行う場合に比べて、工程の短縮化を図ることができる。
[適用例8]
本適用例に係る振動片は、
基部と、
前記基部から第1方向に沿って延出し、前記第1方向と交差する第2方向に並んでいる一対の振動腕と、
前記基部から前記第1方向に沿って延出し、一対の前記振動腕の間に設けられた支持腕と、
前記支持腕の、前記第1方向と直交する第2方向と交差する側面に設けられた切り欠き部と、
前記振動腕の表面に設けられた第1駆動電極および第2駆動電極と、
前記支持腕の主面に設けられ、前記切り欠き部よりも前記第1方向側に位置し、前記第1駆動電極と電気的に接続された第1電極パッドと、
前記主面に設けられ、前記切り欠き部よりも前記第1方向とは反対方向側に位置し、前記第2駆動電極と電気的に接続された第2電極パッドと、
を含み、
前記切り欠き部は、
前記側面と平行な面であり、前記側面よりも前記第2方向とは反対方向側に位置する第1面と、
前記第1面に対して傾斜して前記第1面および前記側面に接続された第2面と、
前記第2面よりも前記第1方向側に位置し、前記第1面に対して傾斜して前記第1面および前記側面に接続された第3面と、
を有し、
前記第2面は、前記第1方向に向かうに従って前記第1方向および前記第2方向と直交する第3方向の幅が小さくなり、
前記第3面は、前記第1方向に向かうに従って前記第3方向の幅が大きくなる。
このような振動片では、2つの電極パッドが電気的に短絡する可能性を低減することができる。
[適用例9]
本適用例に係る振動片において、
前記支持腕は、水晶からなり、
水晶の結晶軸である、電気軸をX軸、機械軸をY軸、光学軸をZ軸とし、前記X軸を回転軸として、
前記Y軸を、+Y側を前記Z軸の+側に傾けるように回転させてY´軸とし、
前記Z軸を、+Z側を前記Y軸の−側に傾けるように回転させてZ´軸としたとき、
前記第1方向は、前記Y´軸の−Y´方向であり、
前記第2方向は、前記X軸の−X方向であってもよい。
このような振動片では、2つの電極パッドが電気的に短絡する可能性を低減することができる。
[適用例10]
本適用例に係る振動片において、
前記振動腕は、前記基部に接続された腕部と、前記腕部に接続された錘部と、を有してもよい。
このような振動片では、熱弾性損失を低減することができる。
[適用例11]
本適用例に係る振動片において、
前記錘部の幅は、前記腕部の幅よりも大きくてもよい。
このような振動片では、熱弾性損失を低減することができる。
[適用例12]
本適用例に係る振動片において、
前記振動腕には、溝部が設けられていてもよい。
このような振動片では、屈曲振動によって発生する熱が拡散(熱伝導)することを抑制することができ、熱弾性損失を低減することができる。
[適用例13]
本適用例に係る振動子は、
本適用例に係る振動片と、
前記振動片が収容されているパッケージと、
を備えている。
このような振動子では、本適用例に係る振動片を備えているため、良好な電気特性を有することができる。
[適用例14]
本適用例に係る発振器は、
本適用例に係る振動片と、
前記振動片と電気的に接続されている発振回路と、
を備えている。
このような発振器では、本適用例に係る振動片を備えているため、良好な電気特性を有することができる。
[適用例15]
本適用例に係るリアルタイムクロックは、
本適用例に係る振動片と、
前記振動片と電気的に接続されている発振回路と、
前記発振回路から出力される信号に基づいて、日時データを生成する計時回路と、
を備えている。
このようなリアルタイムクロックでは、本適用例に係る振動片を備えているため、良好な電気特性を有することができる。
[適用例16]
本適用例に係る電子機器は、
本適用例に係る振動片を備えている。
このような電子機器では、本適用例に係る振動片を備えているため、良好な電気特性を有することができる。
[適用例17]
本適用例に係る移動体は、
本適用例に係る振動片を備えている。
このような移動体では、本適用例に係る振動片を備えているため、良好な電気特性を有することができる。
本実施形態に係る振動片を模式的に示す平面図。 本実施形態に係る振動片を模式的に示す平面図。 本実施形態に係る振動片を模式的に示す断面図。 本実施形態に係る振動片を模式的に示す斜視図。 本実施形態に係る振動片を模式的に示す側面図。 本実施形態に係る振動片の製造方法を説明するためのフローチャート。 本実施形態に係る振動片の製造工程を模式的に示す断面図。 本実施形態に係る振動片の製造工程を模式的に示す断面図。 本実施形態に係る振動片の製造工程を模式的に示す断面図。 本実施形態に係る振動片の製造工程を模式的に示す断面図。 本実施形態に係る振動片の製造工程を模式的に示す断面図。 本実施形態に係る振動片の製造工程を模式的に示す断面図。 本実施形態に係る振動片の製造工程を模式的に示す断面図。 本実施形態に係る振動片の製造工程を模式的に示す斜視図。 本実施形態の第1変形例に係る振動片を模式的に示す平面図。 本実施形態の第2変形例に係る振動片を模式的に示す平面図。 本実施形態の第3変形例に係る振動片を模式的に示す断面図。 本実施形態に係る振動子を模式的に示す平面図。 本実施形態に係る振動子を模式的に示す断面図。 本施形態に係る発振器を模式的に示す断面図。 本実施形態に係るリアルタイムクロックの機能ブロック図。 本実施形態に係る電子機器を模式的に示す平面図。 本実施形態に係る電子機器を模式的に示す斜視図。 本実施形態に係る電子機器を模式的に示す斜視図。 本実施形態に係る電子機器を模式的に示す斜視図。 本施形態に係る移動体を模式的に示す平面図。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1. 振動片
まず、本実施形態に係る振動片について、図面を参照しながら説明する。図1および図2は、本実施形態に係る振動片100を模式的に示す平面図である。図3は、本実施形態に係る振動片100を模式的に示す図1のIII−III線断面図である。
なお、図1〜図3および以下に示す図4,5,7〜図17では、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y´軸、およびZ´軸を図示している。ここで、水晶の結晶軸である、電気軸をX軸、機械軸をY軸、光学軸をZ軸とし、X軸を回転軸としたとき、Y´軸は、Y軸を、+Y側をZ軸の+側に傾けるように回転させてなる軸であり、Z´軸は、Z軸を、+Z側をY軸の−側に傾けるように回転させてなる軸である。なお、温度変化による共振周波数変化を小さくする観点から、前記回転させる傾きは−5度以上15度以下の範囲で行われる。
振動片100は、図1〜図3に示すように、Z´軸と直交する主面(互いに表裏の関係にある主面)101a,101bを有する水晶基板(圧電基板)101を含む。なお、図1は、振動片100を主面101a側から見た図であって、振動片100の主面101a側の構成を説明するための図である。図2は、振動片100を主面101a側から透かして見た図であって、振動片100の主面101b側の構成を説明するための図である。
振動片100は、図1〜図3に示すように、基部10と、一対の振動腕20a,20bと、支持腕30と、切り欠き部40と、駆動電極50a,50bと、引出電極52a,52bと、電極パッド54a,54bと、導電層60,62と、を含む。基部10、振動腕20a,20b、および支持腕30は、水晶基板101を構成している。
基部10は、略平板状の形状を有している。基部10のY´軸方向に沿う長さは、例えば、50μm以上300μm以下である。
振動腕20a,20bは、互いに並んで、基部10から−Y´軸方向(第1方向、Y´軸の−Y´方向)に沿って延出している。振動片20a,20bは、X軸方向(第1方向と交差する方向)に沿って並んでいる。図示の例では、支持腕30の+X軸方向側に第1振動腕20aが設けられ、支持腕30の−X軸方向側に第2振動腕20bが設けられている。振動腕20a,20bは、基部10に接続された腕部22と、腕部22に接続された錘部24と、を有している。
振動腕20a,20bの腕部22の主面101a,101bには、有底の溝部23が設けられている。溝部23は、平面視で(Z´軸方向からみて)、Y´軸に沿って延出している。図示の例では、溝部23の先端は、腕部22と錘部24との境に位置し、溝部23の基端は、基部10と腕部22との境界に位置している。腕部22は、図3に示すように、略H字状の断面形状を有している。溝部23と、振動腕20a,20bの側面22a,22b(内側面22a,外側面22b)と、の間の距離Wは、6μm以下であることが好ましい。さらに、溝部23の最大の深さをt、振動腕20a,20bの厚さ(Z´軸方向に沿う長さ)をTとしたとき、2t/Tで表されるηが0.6以上であることが好ましい。これにより、振動片100の等価直列抵抗、CI(Crystal Impedance)値を小さくすることができ、低消費電力化を図ることができる。図3に示す例では、側面22a,22bは、主面101a,101bに対して傾斜しているが、垂直であってもよい。
なお、溝部23のY´軸方向に沿った長さは特に限定されない。例えば、溝部23は、錘部24にも設けられていてもよいし、基部10にも設けられていてもよい。
振動腕20a,20bの錘部24は、図1および図2に示すように、略平板状の形状を有している。図示の例では、錘部24のX軸方向に沿う幅W1は、腕部22のX軸方向に沿う幅W2よりも大きい。幅W1に対する幅W2の比(W1/W2)は、2以上10以下であり、好ましくは5以上7以下である。これにより、熱弾性損失(屈曲振動する振動片の圧縮部と伸張部との間で発生する熱伝導により生じる振動エネルギーの損失)を低減させつつ、錘部が捻じれることによる振動漏れを抑制することができる。
振動腕20a,20bの錘部24の幅W1は、例えば、100μm以上400μm以下である。錘部24のY´軸方向に沿う長さは、例えば、50μm以上600μm以下である。第1振動腕20aの錘部24と第2振動腕20bの錘部24との間の距離は、例えば、20μm以上200μm以下である。腕部22の幅W2は、例えば、20μm以上50μm以下である。腕部22のY´軸方向に沿う長さは、例えば、300μm以上1000μm以下である。
なお、本発明に係る錘部は、腕部よりも単位長さ当たりの質量が大きければ、その形状は特に限定されない。例えば、錘部は、腕部の幅と同じ大きさの幅を有しており、腕部よりも厚い形状であってもよい。また、錘部は、錘部に該当する振動腕の表面や、凹部を形成してそこに金などの金属を設けることによって構成されていてもよい。さらに、錘部は、腕部よりも質量密度の高い物質から構成されていてもよい。すなわち、腕部と錘部にお
ける単位長さ(Y´軸方向長さ)当たりの質量を夫々Ma、Mbとした場合、総ての腕部、あるいは総ての錘部においてMa<Mbの関係を満たしていればよい。
支持腕30は、一対の振動腕20a,20bの間に設けられている。支持腕30は、基部10の−Y´軸方向側の(平面視で−Y´軸方向を向く)側面10aから−Y´軸方向に沿って延出している。支持腕30のY´軸方向の長さは、振動腕20a,20bのY´軸方向の長さよりも小さい。支持腕30の先端は、平面視で、振動腕20a,20bの先端よりも基部10側に位置している。図示の例では、第1振動腕20aの錘部24と、第2振動腕20bの錘部24と、の間には、支持腕30は設けられていない。
支持腕30と錘部24との間の距離Lgは、例えば、振動腕20a,20bの厚さをT(μm)としたとき、例えば、T×50/130≦Lg≦200μmの関係を満たし、好ましくは、T×70/130≦Lg≦100μmの関係を満たす。距離LgがT×50/130より小さいと、第2電極パッド44bに設けられた導電性接合部材(図示せず)と錘部24に設けられている駆動電極40a,40bが接触してしまう場合がある。さらに、平面視でY´軸と直交する面は主面101a,101bに対して傾斜しているため、距離LgがT×50/130より小さいと、ウェットエッチングによって振動腕20a,20bおよび支持腕30の外形を形成する際に、錘部24と支持腕30とがつながってしまう場合がある。距離Lgが200μmより大きいと、振動片の小型化を図ることが困難な場合がある。
支持腕30と腕部22との間の距離は、例えば、10μm以上200μm以下であり、好ましくは、50μm以上100μm以下である。支持腕30と腕部22との間の距離が10μmより小さいと、電極パッド54a,54bに設けられた導電性接合部材(図示せず)が腕部22に接触し腕部22の振動が阻害される場合がある。特に、導電性接合部材として樹脂バンプを用いる場合は、支持腕30と腕部22との間の距離は、50μm以上であることが好ましい。支持腕30と腕部22との間の距離が200μmより大きいと、振動片の小型化を図ることが困難な場合がある。
支持腕30は、例えば、基部10に接続されている括れ部32と、括れ部32に接続されている幅広部34と、を有している。括れ部32は、基部10と幅広部34との間に設けられ、幅広部34のX軸方向に沿う幅より小さい幅を有する部分である。括れ部32によって、振動片100では、X軸方向における同相の屈曲振動モード(一対の振動腕が同時に+X軸方向に変位し、次に−X軸方向に変位することを順次繰り返す屈曲振動モード)の共振周波数と、X軸方向における逆相の屈曲振動モード(一対の振動腕の一方が+X軸方向に変位し、他方が−X軸方向に変位し、次に一方が−X軸方向に変位し、他方が+X軸方向に変位することを順次繰り返す屈曲振動モード)の共振周波数と、を離すことができる。これにより、同相の屈曲振動モードと逆相の屈曲振動モードとの結合を抑制して、逆相の屈曲振動モードの振動姿態に同相の屈曲振動モードの振動姿態が混在することを低減することができ、振動漏れを低減することができる。
支持腕30の括れ部32のY´軸方向に沿う長さは、例えば、50μm以上500μm以下である。括れ部32の最小の幅(X軸方向に沿う幅)は、5μm以上200μm以下である。
支持腕30の幅広部34は、平面視において、矩形に切り欠き部40が設けられた形状を有している。幅広部34は、−X軸方向側の側面(平面視で−X軸方向を向く面)34aと、+X軸方向側の側面(平面視で+X軸方向を向く面)34bと、を有している。図3に示す例では、側面34a,34bは、主面101a,101bに対して傾斜しているが、垂直であってもよい。
支持腕30の幅広部34のY´軸方向に沿う長さは、例えば、100μm以上900μm以下である。幅広部34の、切り欠き部40が設けられていない部分の幅(X軸方向に沿う幅)は、例えば、30μm以上300μm以下である。
切り欠き部40は、幅広部34の−X軸方向(第2方向、X軸の−X方向)と交差する(具体的は平面視で直交する)側面34aに設けられている。側面34aは、幅広部34の−X軸方向側の面であり、平面視で、−X軸方向を向く面である。ここで、図4は、切り欠き部40周辺の支持腕30を模式的に示す斜視図である。図5は、切り欠き部40周辺の支持腕30を模式的に示す側面図である。
切り欠き部40は、図4および図5に示すように、第1面41と、第2面42と、第3面43と、第4面44と、第5面45と、第6面46と、第7面47と、を有している。面41〜47は、切り欠き部40の内面であり、切り欠き部40は、面41〜47によって規定されている。
切り欠き部40の第1面41は、側面34aと平行な面である。第1面41は、側面34aよりも+X軸方向側に位置している。図3に示す例では、第1面41は、主面101a,101bに対して傾斜しているが、垂直であってもよい。
切り欠き部40の第2面42は、図4に示すように、第1面41に対して傾斜して第1面41および側面34aに接続されている。第2面42は、−Y´軸方向に向かうに従ってZ´軸方向(第3方向)の幅D1が小さくなる。第2面42の−Y´軸方向側の端42aは、線(図示の例ではZ´軸に平行な直線)で構成されている。第2面42は、端42aにおいて第1面41と接続されている。第2面42は、図5に示すようにX軸方向からみて、例えば、台形の形状を有している。
切り欠き部40の第3面43は、第2面42よりも−Y´軸方向側に位置している。第3面43は、第1面41に対して傾斜して第1面41および側面34aに接続されている。第3面43は、−Y´軸方向に向かうに従ってZ´軸方向の幅D2が大きくなる。第3面43の+Y´軸方向側の端43aは、線(図示の例ではZ´軸に平行な直線)で構成されている。第3面43は、端43aにおいて第1面41と接続されている。図示の例では、第3面43の端43aは、第2面42の端42aと平行である。第3面43は、第2面42と離間している。端42aと端43aとの間の距離L1は、例えば、5μm以上20μm以下である。第3面43は、図5に示すようにX軸方向からみて、例えば、台形の形状を有している。
切り欠き部40の第4面44および第5面45は、第1面41および第2面42に接続されている。第4面44は、第5面45よりも+Z´軸方向側に位置している。面44,45は、図1および図2に示すようにZ´軸方向からみて、例えば、三角形の形状を有している。
切り欠き部40の第6面46および第7面47は、第1面41および第3面43に接続されている。第6面46は、第7面47よりも+Z´軸方向側に位置している。面46,47は、図1および図2に示すようにZ´軸方向からみて、例えば、三角形の形状を有している。
切り欠き部40のY´軸方向に沿う長さL2は、例えば、50μm以上200μm以下である。切り欠き部40のX軸方向に沿う長さL3は、例えば、5μm以上50μm以下である。
振動片100の基部10、振動腕20a,20b、および支持腕30(以下、「振動腕20a,20b等ともいう」)は、一体的に設けられている。具体的には、振動腕20a,20b等は、水晶の原石(ランバード)から所定の角度で切り出された(例えば、水晶のZ軸(光軸)を厚さ方向とするZ板を、X軸(電気軸)に関して0度から15度の範囲で回転させたものなど)1枚の水晶ウェハーに、フォトリソグラフィーやエッチングなどの技術を用いて形成される。すなわち、振動腕20a,20b等は、水晶からなる。
なお、振動腕20a,20b等は、水晶ウェハーに限定されず、例えば、窒化アルミニウム(AlN)や、ニオブ酸リチウム(LiNbO)、タンタル酸リチウム(LiTaO)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、四ホウ酸リチウム(Li)、ランガサイト(LaGaSiO14)などの酸化物基板や、ガラス基板上に窒化アルミニウムや五酸化タンタル(Ta)などの圧電体材料を積層させて構成された積層圧電体基板、あるいは圧電セラミックス基板から形成されてもよい。また、シリコン半導体材料などを用いて、振動腕20a,20b等を形成してもよい。
第1駆動電極50aおよび第2駆動電極50bは、図1および図2に示すように、振動腕20a,20bの表面に設けられている。具体的には、第1駆動電極50aは、第1振動腕20aの主面101a,101bに設けられた溝部23、第2振動腕20bの側面22a,22b、および第2振動腕20bの錘部24に設けられている。第2駆動電極50bは、第1振動腕20aの側面22a,22b、第1振動腕20aの錘部24、および第2振動腕20bの主面101a,101bに設けられた溝部23内に設けられている。
なお、図1および図2では、第1駆動電極50a、第1引出電極52a、および第1電極パッド54aを横線で示し、第2駆動電極50b、第2引出電極52b、および第2電極パッド54bを斜線で示している。また、図1および図2では、基部10、振動腕20a,20b、および支持腕30の側面に設けられている駆動電極50a,50b、引出電極52a,52b、電極パッド54a,54b、および導電層60,62を、太線で示している。
第1引出電極52aおよび第2引出電極52bは、基部10および支持腕30に設けられている。第1引出電極52aは、第1振動腕20aに設けられた第1駆動電極50aと、第2振動腕20bに設けられた第1駆動電極50aと、を接続している。さらに、第1引出電極52aは、第1駆動電極50aと第1電極パッド54aとを接続している。第2引出電極52bは、第1振動腕20aに設けられた第2駆動電極50bと、第2振動腕20bに設けられた第2駆動電極50bと、を接続している。さらに、第2引出電極52bは、第2駆動電極50bと第2電極パッド54bとを接続している。
第1電極パッド54aおよび第2電極パッド54bは、図1に示すように、支持腕30の主面101aに設けられている。第1電極パッド54aは、切り欠き部40よりも−Y´軸方向側に位置している。第1電極パッド54aは、第1引出電極52aを介して、第1駆動電極50aと電気的に接続されている。第2電極パッド54bは、切り欠き部40よりも+Y´軸方向側に位置している。第2電極パッド54bは、第2引出電極52bを介して、第2駆動電極50bと電気的に接続されている。電極パッド54a,54bは、Y´軸に沿って並んで設けられている。図示の例は、電極パッド54a,54bは、平面視において、矩形の形状を有しているが、これに限られるものではなく、角部が丸みを帯びていたり、楕円形状であったりしてもよい。
第1導電層60および第2導電層62は、支持腕30の側面に設けられている。第1導電層60は、第1電極パッド54aに接続されている。第2導電層62は、電気的に浮い
た状態である。図示の例では、第1導電層60は、幅広部34の側面34aの−Y´軸方向側と側面34bとに設けられている。第2導電層62は、幅広部34の側面34aの+Y´軸方向側に設けられている。導電層60,62は、切り欠き部40内には、設けられていない。さらに、導電層60,62は、基部10の側面10aには、設けられていない。
駆動電極50a,50b、引出電極52a,52b、電極パッド54a,54b、および導電層60,62としては、例えば、クロムやニッケルを下地層とし、該下地層の上に金や銀などの金属層を積層したものを用いる。
次に、振動片100の動作について説明する。
振動片100には、外部から電極パッド54a,54bを介して駆動電極50a,50bに印加される駆動信号(交番電圧)により電界が生じる。そして、水晶の逆圧電効果によって、振動腕20a,20bの根元部を支点として図1および図2に示す矢印A方向(振動腕20a,20bが互いに離れる方向)と矢印B方向(振動腕20a,20bが互いに近づく方向)とに交互に撓むように変位する屈曲振動が発生する(X軸方向において逆相の屈曲振動モードで振動腕20a,20bが振動する)。
なお、本発明に係る振動片の振動(駆動)方式は、圧電駆動に限定されない。例えば、本発明に係る振動片は、圧電基板を用いた圧電駆動型のもの以外に、静電気力を用いた静電駆動型や、磁力を利用したローレンツ駆動型などの振動片であってもよい。
振動片100は、例えば、以下の特徴を有する。
振動片100では、支持腕30の側面34aに設けられた切り欠き部40を含む。そのため、第2導電層62を電気的に浮いた状態にすることができる。具体的には、第1電極パッド54aと第2導電層62とを電気的に分離することができる。したがって、例えば、第2電極パッド54bに設けられる導電性接合部材と、第2導電層62とが接触したとしても、2つの電極パッド54a,54bが電気的に短絡する可能性を低減することができる。
振動片100では、切り欠き部40の第2面42の端42aおよび第3面43の端43aは、互いに平行な直線で構成されて、離間している。そのため、例えば振動片100に衝撃が加わった場合でも、第2面42および第3面43が破損することを抑制することができる。例えば第2面の端および第3面の端が角部であったり(尖がった形状を有しており)、第2面の端および第3面の端が互いに接触したりしている場合は、振動片に衝撃が加わると、大きな応力集中が発生して、第2面および第3面が破損する場合がある。
振動片100では、腕部22に接続された錘部24を有している。そのため、逆相の屈曲振動モードの共振周波数を高くすることなく、腕部22の幅(X軸方向の長さ)を広くすることができるので、屈曲振動時の屈曲変形に起因して発生する、腕部22における幅方向の熱伝導の経路を長くすることができるから、振動片100では、断熱的領域において熱弾性損失を低減することができる。
振動片100では、振動腕20a,20bには、溝部23が設けられている。そのため、振動片100では、屈曲振動によって発生する熱の経路が狭められるため、熱が拡散(熱伝導)することを抑制することができる。これにより、振動片100では、断熱的領域において熱弾性損失を低減することができる。
2. 振動片の製造方法
次に、本実施形態に係る振動片100の製造方法について、図面を参照しながら説明する。図6は、本実施形態に係る振動片100の製造方法を説明するためのフローチャートである。図7〜図13は、本実施形態に係る振動片100の製造工程を模式的に示す断面図であって、図3と同じ断面を示している。図14は、本実施形態に係る振動片100の製造工程を模式的に示す斜視図である。なお、便宜上、図14では、支持腕30以外の部材の図示を省略している。
図7に示すように、水晶基板101に第1金属層70を成膜する(S1)。第1金属層70は、例えば、スパッタ法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法により形成される。第1金属層70は、例えば、水晶基板101側からクロム層および金層を順に成膜して形成される。クロム層の厚さは、例えば、10nm程度である。金層の厚さは、例えば、50nm程度である。なお、第1金属層70を形成する前に、水晶基板101を硫酸およびバッファードフッ酸(BHF)によって洗浄してもよい。
図8に示すように、第1金属層70の表面に第1レジスト層80を塗布した後、第1レジスト層80を露光および現像し、第1レジスト層80を所定の形状に形成する(S2)。第1レジスト層80は、例えば、スピンコーターを用いて塗布される。次に、第1レジスト層80をマスクとして、第1金属層70をエッチングする。その後、第1レジスト層80を除去する。
図9に示すように、第1金属層70の表面に第2レジスト層82を塗布した後、第2レジスト層82を露光および現像し、第2レジスト層82を所定の形状に形成する(S3)。第2レジスト層82は、例えば、スピンコーターを用いて塗布される。
図10に示すように、第1金属層70および第2レジスト層82をマスクとして、水晶基板101をエッチング(例えばウェットエッチング)し、基部10、振動腕20a,20b、および支持腕30を形成する(S4)。エッチング時間は、水晶基板101の厚さを考慮して決定される。
図11に示すように、第2レジスト層82をマスクとして第1金属層70をエッチングし、次に振動腕20a,20bをエッチング(例えばウェットエッチング)して溝部23を形成し、さらに、支持腕30をエッチング(例えばウェットエッチング)して側面34aに、切り欠き部40を形成する(S5)。切り欠き部40は、−X軸方向側が開放されているので(−X軸方向側に支持腕30の面が存在しないので、)、切り欠き部40を形成するためのエッチング速度は、溝部23を形成するためのエッチング速度よりも大きい。その後、第2レジスト層82および第1金属層70を除去し、水晶基板101を例えば硫酸によって洗浄する。
なお、溝部23を形成する工程と、切り欠き部40を形成する工程は、上記のように同じ工程で行われてもよいし、別々の工程で行われてもよい。
図12に示すように、基部10、振動腕20a,20b、および支持腕30の表面に、第2金属層72を成膜する(S6)。第2金属層72は、例えば、スパッタ法、CVD法により形成される。第2金属層72は、例えば、振動腕20a,20b等側からクロム層および金層を順に成膜して形成される。クロム層の厚さは、例えば、20nm程度である。金層の厚さは、例えば、40nm程度である。
図13に示すように、第2金属層72の表面に第3レジスト層84を塗布する(S7)。第3レジスト層84は、例えば、スピンコーターを用いて塗布される。
次に、第3レジスト層84を露光する(S8)。本工程では、支持腕30の主面101a,101bの垂線に対して傾斜した方向から光を照射して、切り欠き部40内の第3レジスト層84を斜め露光する(図14参照)。具体的には、Z´軸方向から+Y´軸方向または−Y´軸方向に所定の角度θ傾いた方向から、斜め露光を行う。所定の角度θは、例えば、0°より大きく50°より小さく、好ましくは、5°以上45°以下であり、より好ましくは、10°以上20°以下である。切り欠き部40の面42〜47は、主面101a,101bに対して傾斜しているため、面42〜47に設けられた第2金属層72上の第3レジスト層84を、確実に露光することができる。
例えば図14に示す例では、Z´軸方向から−Y´軸方向に角度θ傾いた方向から斜め露光を行っている。第3レジスト層84を露光するための光は、図14に示すように、+Z´軸方向側および−Z´軸方向側の両側から照射されてもよい。
なお、第3レジスト層84を露光する工程(S8)は、主面101a,101bの垂線に対して傾斜した方向から光を照射する斜め露光と、主面101a,101bの垂線方向(Z´軸方向)から光を照射する露光と、を併用してもよい。
次に、露光された第3レジスト層84を現像する(S9)。次に、現像された第3レジスト層84をマスクとして第2金属層72をエッチングして、図1〜図3に示すように、駆動電極50a,50b、引出電極52a,52b、電極パッド54a,54b、および導電層60,62を形成する(S10)。その後、第3レジスト層84を除去する。
以上の工程により、振動片100を製造することができる。
なお、振動片100を製造した後に、等価直列抵抗を測定してもよい。また、錘部24の駆動電極50a,50b上に錘となる金属層(図示せず)を設け、該金属層を削ることによって、振動片100の共振周波数を調整してもよい。
振動片100の製造方法は、例えば、以下の特徴を有する。
振動片100の製造方法では、支持腕30の側面34aに切り欠き部40を形成する工程と、主面101a,101bの垂線に対して(Z´軸方向に対して)傾斜した方向から光を照射して、切り欠き部40内の第3レジスト層84を露光する工程と、を含む。そのため、切り欠き部40内の第3レジスト層84を確実に露光することができ、支持腕30の側面34aに設けられた第2金属層72を除去することができる。これにより、第2導電層62と第1電極パッド54aとを電気的に分離することができる。したがって、振動片100の製造方法では、例えば、第2電極パッド54bに設けられる導電性接合部材と、第2導電層62とが接触しても、2つの電極パッドが電気的に短絡する可能性を低減することができる。
振動片100の製造方法では、Z´軸方向から+Y´軸方向または−Y´軸方向に所定の角度θ傾いた方向から、斜め露光を行う。そのため、第2振動腕20bによって露光のための光が遮られることなく、第3レジスト層84を露光することができる。例えばZ´軸方向から−X軸方向に傾いた方向から斜め露光を行った場合は、第2振動腕によって光が遮られ、レジスト層を露光できない場合がある。さらに、特に、振動腕と支持腕と間の距離が小さい場合は、支持腕に設けられた金属層において露光のための光が反射し、反射された光によって振動腕の側面にも駆動電極が形成されない部分が大きく設けられてしまう場合がある。そのため、振動腕に電界を印加することができる駆動電極の大きさが小さくなり、等価直列抵抗が高くなってしまう場合がある。
振動片100の製造方法では、Z´軸方向から−Y´軸方向に所定の角度θ傾いた方向から斜め露光を行うことにより、基部10の−Y´軸方向側の側面10aに設けられた第2金属層72上の第3レジスト層84を、確実に露光することができる。そのため、第1導電層60と、第1振動腕20aの側面22aに設けられた第2駆動電極50bと、がつながって電気的に短絡することを抑制することができる。
振動片100の製造方法では、所定の角度θは、0°より大きく50°より小さい。そのため、切り欠き部40内の第3レジスト層84に、より確実に露光のための光を照射することができる。例えば所定の角度θが50°以上の場合は、露光のための光が振動片の部材に遮られ、切り欠き部内のレジスト層を露光することができない場合がある。
振動片100の製造方法では、切り欠き部40を、平面視で支持腕30の−X軸方向と直交する側面(−X軸方向側の側面)32aに形成する。そのため、切り欠き部40の面42〜47を、Z´軸に対して傾斜させることができ、より確実に、切り欠き部40内の第3レジスト層84を露光することができる。
振動片100の製造方法では、切り欠き部40を形成する工程は、ウェットエッチングによって行われる。そのため、切り欠き部40の面42〜47を、Z´軸に対して傾斜させることができる。
振動片100の製造方法では、溝部23を形成する工程と、切り欠き部40を形成する工程とは、同じ工程で行われる。そのため、振動片100の製造方法では、溝部23を形成する工程と、切り欠き部40を形成する工程と、を別々の工程で行う場合に比べて、工程の短縮化を図ることができる。
3. 振動片の変形例
3.1. 第1変形例
次に、本実施形態の第1変形例に係る振動片について、図面を参照しながら説明する。図15は、本実施形態の第1変形例に係る振動片200を模式的に示す平面図である。
以下、本実施形態の第1変形例に係る振動片200において、本実施形態に係る振動片100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。このことは、以下に示す本実施形態の第2,3変形例に係る振動片についても同様である。
上述した振動片100では、図1に示すように平面視で、切り欠き部40の輪郭は、角部(例えば90°をなす部分)を有していた。これに対し、振動片200では、図15に示すように平面視で、切り欠き部40の輪郭は、曲線部を有している。そのため、振動片200では、例えば振動片100に比べて、支持腕30に衝撃が加わった場合に応力が集中し難く、耐衝撃性を向上させることができる。
3.2. 第2変形例
次に、本実施形態の第2変形例に係る振動片について、図面を参照しながら説明する。図16は、本実施形態の第2変形例に係る振動片300を模式的に示す平面図である。
振動片300では、図16に示すように、支持腕30の側面34aは、−X軸方向側に突出した凸部340を有し、切り欠き部40は、凸部340に設けられている。そのため、振動片300では、切り欠き部40を設けることによって幅広部34のX軸方向に沿う幅が小さくなる部分を有さない。図示の例では、幅広部34の切り欠き部40が設けられ
ている部分の幅と、幅広部34の切り欠き部40が設けられていない部分の幅とは、同じである。これにより、振動片300では、例えば振動片100に比べて、耐衝撃性を向上させることができる。
3.3. 第3変形例
次に、本実施形態の第3変形例に係る振動片について、図面を参照しながら説明する。図17は、本実施形態の第3変形例に係る振動片400を模式的に示す断面図であって、振動片100を模式的に示す図3と同じ断面を示している。なお、便宜上、図17では、振動腕20a,20b以外の部材の図示を省略している。
上述した振動片100では、図3に示すように、振動腕20a,20bの主面101a,101bには、各々1つの溝部23が設けられていた。これに対し、振動片300では、図17に示すように、主面101a,101bには、各々2つの溝部23が設けられている。主面101a,101bの各々に設けられた2つの溝部23は、X軸に沿って並んで設けられている。なお、図示はしないが、主面101a,101bの各々には、3つ以上の溝部23が設けられていてもよい。
4. 振動子
次に、本実施形態に係る振動子について、図面を参照しながら説明する。図18は、本実施形態に係る振動子800を模式的に示す平面図である。図19は、本実施形態に係る振動子800を模式的に示す図18のXIX−XIX線断面図である。なお、便宜上、図18では、リッド814を省略して図示している。また、図18および図19では、振動片100を簡略化して図示している。
振動子800は、本発明に係る振動片を備えている。以下では、本発明に係る振動片として、振動片100を備えている振動子800について説明する。振動子800は、図18および図19に示すように、振動片100と、パッケージ(容器)810と、を備えている。
パッケージ810は、上面に開放する凹部811を有する箱状のベース812と、凹部811の開口を塞ぐようにベース812に接合されている板状のリッド814と、を有している。このようなパッケージ810は、凹部811がリッド814にて塞がれることにより形成された収納空間を有しており、該収納空間に、振動片100が気密的に収納、設置されている。すなわち、パッケージ810には、振動片100が収容されている。
なお、振動片100が収容される収納空間(凹部811)内は、例えば、減圧(真空)状態となっていてもよいし、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスが封入されていてもよい。これにより、振動片100の振動特性が向上する。
ベース812の材質は、例えば、セラミックグリーンシートを成形して積層し焼成した酸化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体、炭化珪素質焼結体、ガラスセラミックス焼結体などのセラミックス系の絶縁性材料、水晶、ガラス、シリコン(高抵抗シリコン)などである。リッド814の材質は、ベース812と同じ材料、または、コバール、42アロイなどの金属である。
ベース812とリッド814の接合は、ベース812上にシールリング813を設け、シールリング813上にリッド814を載置して、例えば抵抗溶接機を用いて、ベース812にシールリング813を溶接することによって行われる。なお、ベース812とリッド814の接合は、特に限定されず、接着剤を用いて行われてもよいし、シーム溶接によって行われてもよい。
ベース812の凹部811の内底面(内側の底面)815には、振動片100の電極パッド54a,54bに対向する位置に、内部端子816a,816bが設けられている。第1電極パッド54aは、第1導電性接合部材90aを介して内部端子816aに接合され、第2電極パッド54bは、第2導電性接合部材90bを介して内部端子816bに接合されている。
なお、導電性接合部材90a,90bは、例えば、金属フィラーなどの導電性物質が混合された、エポキシ系、シリコーン系、ポリイミド系、アクリル系、ビスマレイミド系などの導電性接着剤や、金、アルミニウム、半田バンプなどの金属バンプや、金属層や樹脂製のコア上に金属配線を形成した樹脂バンプである。
ベース812の内底面815と反対側の外底面(外側の底面)817には、電極端子818a,818bが設けられている。電極端子818a,818bは、図示しない内部配線により内部端子816a,816bと電気的に接続されている。具体的には、電極端子818aは内部端子816aと電気的に接続され、電極端子818bは内部端子816bと電気的に接続されている。内部端子816a,816bおよび電極端子818a,818bは、例えば、タングステン、モリブデンなどのメタライズ層に、ニッケル、金などの被膜がめっきなどにより積層された金属被膜である。
なお、図示はしないが、パッケージ810は、平板状のベース812と、凹部を有するリッド814と、を有していてもよい。また、パッケージ810は、ベース812およびリッド814の両方に凹部が設けられていてもよい。
振動子800では、例えば、電子機器のICチップ内に集積化された発振回路から、電極端子818a,818bを介して印加される駆動信号によって、振動片100が屈曲振動を励振されて所定の周波数で共振(発振)し、電極端子818a,818bから共振信号(発振信号)を出力する。
振動子800では、振動片100を備えているため、良好な電気的特性を有することができる。
5. 発振器
次に、本実施形態に係る発振器について、図面を参照しながら説明する。図20は、本実施形態に係る発振器900を模式的に示す断面図である。
以下、本実施形態に係る発振器900において、本実施形態に係る振動子800の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
発振器900は、本発明に係る振動片を備えている。以下では、本発明に係る振動片として、振動片100を備えている発振器900について説明する。発振器900は、図20に示すように、振動片100と、パッケージ810と、ICチップ910と、を備えている。
ベース812の内底面815には、凹状に形成された収容部912が設けられている。ICチップ910は、収容部912に収容されている。ICチップ910は、発振回路を内蔵している。ICチップ910は、収容部912の底面に、図示しない接着剤などによって固定されている。
ICチップ910は、金やアルミニウムなどのワイヤー914によって、収容部912の底面に設けられた内部接続端子916a,916bと接続されている。内部接続端子916a,916bは、例えば、タングステン、モリブデンなどのメタライズ層に、ニッケル、金などの被膜がめっきなどにより積層された金属被膜である。内部接続端子916a,916bは、図示しない内部配線を介して、電極端子818a,818bや内部端子816a,816bに接続されている。すなわち、ICチップ(発振回路)910は、振動片100と電気的に接続されている。
なお、図示はしないが、ICチップ910と内部接続端子916a,916bとの接続には、ワイヤー914を用いたワイヤーボンディングによる接続方向以外に、ICチップ910を反転させてフリップチップ実装による接続方法などを用いてもよい。また、ICチップ910は、ベース812の外底面817に設けられた凹部内に実装され、モールド材により封止されていてもよい。
発振器900では、ICチップ910から内部接続端子916a,916b、内部端子816a,816bなどを介して印加される駆動信号によって、振動片100が屈曲振動を励振されて所定の周波数で共振(発振)する。そして、発振器900は、この発振に伴って生じる発振信号をICチップ910、電極端子818a,818bなどを介して外部に出力する。
発振器900では、振動片100を備えているため、良好な電気的特性を有することができる。
6. リアルタイムクロック
次に、本実施形態に係るリアルタイムクロックについて、図面を参照しながら説明する。図21は、本実施形態に係るリアルタイムクロック1000の機能ブロック図である。
リアルタイムクロック1000は、本発明に係る発振器を備えている。以下では、本発明に係る発振器として、発振器900を備えているリアルタイムクロック1000について説明する。リアルタイムクロック1000は、図21に示すように、発振器900と、計時回路1010と、イベント検出回路1020と、メモリー1030と、制御回路1040と、を備えている。
発振器900は、振動片100と、振動片100と電気的に接続されている発振回路(ICチップ)910と、を有しており、振動片100は、発振回路910を介して電気信号が入力されることにより所定の周波数で振動する。そして、発振回路910は、振動片100から出力された信号を増幅して出力する。
計時回路1010には、発振器900が接続されており、発振器900から出力された信号を分周して1[Hz]の周波数を得ると、この1[Hz]の信号を利用して年、月、日、時、分、および秒の計時を各計時レジスタ(不図示)で行っている。すなわち、計時回路1010は、発振器900の発振回路910から出力される信号に基づいて、日時データを生成する。このような計時回路1010を持つことにより、時刻データを得ることができ、イベントが生じた際(イベント検出周期毎)の日時等をメモリー1030に記録することが可能となる。なお計時回路1010は設定により、上記年、月、日、時、分、および秒の他に、曜日についてのデータも記憶させるようにすることができる。
イベント検出回路1020は、リアルタイムクロック1000の外部端子であるイベント入力端子1022に接続されている。イベント検出回路1020は、イベント入力端子1022に対してイベントが発生した旨の電気信号が入力されると、イベント発生フラグ
を立てるように構成されている。このように、イベントの発生をフラグにより示すことで、当該フラグに基づいてイベントの有無を判断することができる。具体的には、イベント発生フラグに1を立てる(0から1に変更する)のである。
メモリー1030は、上述した時刻データやイベント発生に関するデータを記録する記憶手段である。
制御回路1040には、上述した計時回路1010、イベント検出回路1020、メモリー1030、および外部端子としての割り込み出力端子1042が接続されている。制御回路1040は、イベント検出回路1020から入力されたフラグ情報に基づいて、フラグが立てられている事を検出した時刻データを計時回路1010から読み出すことが可能に構成されている。
なお、割り込み出力端子1042は、任意のイベント入力の発生時に、時刻データやイベント発生に関するデータの記録と同時に、CPUに対して信号を割り込み出力させる役割を担う。
リアルタイムクロック1000では、振動片100を備えているため、良好な電気的特性を有することができる。
7. 電子機器
次に、本実施形態に係る電子機器について、図面を参照しながら説明する。本実施形態に係る電子機器は、本発明に係る振動片を備える。以下では、本発明に係る振動片として、振動片100を備える電子機器について、説明する。
図22は、本実施形態に係る電子機器として、スマートフォン1300を模式的に示す平面図である。スマートフォン1300は、図22に示すように、振動片100を有する発振器900を備えている。
スマートフォン1300は、発振器900を、例えば、基準クロック発振源などのタイミングデバイスとして用いる。スマートフォン1300は、さらに、表示部(液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等)1310、操作部1320、および音出力部1330(マイクロフォン等)を有することができる。スマートフォン1300は、表示部1310に対する接触検出機構を設けることで表示部1310を操作部として兼用してもよい。
なお、スマートフォン1300に代表される電子機器は、振動片100を駆動する発振回路と、振動片100の温度変化に伴う周波数変動を補正する温度補償回路と、を備えていることが好ましい。
これによれば、スマートフォン1300に代表される電子機器は、振動片100を駆動する発振回路と共に、振動片100の温度変化に伴う周波数変動を補正する温度補償回路を備えていることから、発振回路が発振する共振周波数を温度補償することができ、温度特性に優れた電子機器を提供することができる。
図23は、本実施形態に係る電子機器として、モバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピューター1400を模式的に示す斜視図である。パーソナルコンピューター1400は、図23に示すように、キーボード1402を備えた本体部1404と、表示部1405を備えた表示ユニット1406と、により構成され、表示ユニット1406は、本体部1404に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。このようなパーソナルコンピューター1400には、フィルター、共振器、基準クロック等として機能す
る振動片100が内蔵されている。
図24は、本実施形態に係る電子機器として、携帯電話機(PHSも含む)1500を模式的に示す斜視図である。携帯電話機1500は、複数の操作ボタン1502、受話口1504および送話口1506を備え、操作ボタン1502と受話口1504との間には、表示部1508が配置されている。このような携帯電話機1500には、フィルター、共振器等として機能する振動片100が内蔵されている。
図25は、本実施形態に係る電子機器として、デジタルスチルカメラ1600を模式的に示す斜視図である。なお、図25には、外部機器との接続についても簡易的に示されている。ここで、通常のカメラは、被写体の光像により銀塩写真フィルムを感光するのに対し、デジタルスチルカメラ1600は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子により光電変換して撮像信号(画像信号)を生成する。
デジタルスチルカメラ1600におけるケース(ボディー)1602の背面には、表示部1603が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、表示部1603は、被写体を電子画像として表示するファインダーとして機能する。また、ケース1602の正面側(図中裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCDなどを含む受光ユニット1604が設けられている。
撮影者が表示部に表示された被写体像を確認し、シャッターボタン1606を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、メモリー1608に転送・格納される。また、デジタルスチルカメラ1600においては、ケース1602の側面に、ビデオ信号出力端子1612と、データ通信用の入出力端子1614とが設けられている。そして、図示されるように、ビデオ信号出力端子1612にはテレビモニター1630が、データ通信用の入出力端子1614にはパーソナルコンピューター1640が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により、メモリー1608に格納された撮像信号が、テレビモニター1630や、パーソナルコンピューター1640に出力される構成になっている。このようなデジタルスチルカメラ1600には、フィルター、共振器等として機能する振動片100が内蔵されている。
電子機器1300,1400,1500,1600は、振動片100を備えているため、良好な電気的特性を有することができる。
なお、本発明の振動片を備えている電子機器は、上記の例に限定されず、例えば、インクジェット式吐出装置(例えばインクジェットプリンター)、ラップトップ型パーソナルコンピューター、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシュミレーター等に適用することができる。
8. 移動体
次に、本実施形態に係る移動体について、図面を参照しながら説明する。図26は、本実施形態に係る移動体1700として、自動車を模式的に示す平面図である。
本実施形態に係る移動体は、本発明に係る振動片を備えている。以下では、本発明に係る振動片として、振動片100を備えている移動体について、説明する。
本実施形態に係る移動体1700は、さらに、エンジンシステム、ブレーキシステム、キーレスエントリーシステム等の各種の制御を行うコントローラー1720、コントローラー1730、コントローラー1740、バッテリー1750、およびバックアップ用バッテリー1760を含んで構成されている。なお、本実施形態に係る移動体1700は、図26に示される構成要素(各部)の一部を省略または変更してもよいし、他の構成要素を付加した構成としてもよい。
このような移動体1700としては種々の移動体が考えられ、例えば、自動車(電気自動車も含む)、ジェット機やヘリコプター等の航空機、船舶、ロケット、人工衛星等が挙げられる。
移動体1700は、振動片100を備えているため、良好な電気的特性を有することができる。
上述した実施形態および変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば、各実施形態および各変形例を適宜組み合わせることも可能である。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
10…基部、10a…側面、20a…第1振動腕、20b…第2振動腕、22…腕部、22a,22b…側面、23…溝部、24…錘部、30…支持腕、32…括れ部、34…幅広部、34a,34b…側面、40…切り欠き部、41…第1面、42…第2面、42a…端、43…第3面、43a…端、44…第4面、45…第5面、46…第6面、47…第7面、50a…第1駆動電極、50b…第2駆動電極、52a…第1引出電極、52b…第2引出電極、54a…第1電極パッド、54b…第2電極パッド、60…第1導電層、62…第2導電層、70…第1金属層、72…第2金属層、80…第1レジスト層、82…第2レジスト層、84…第3レジスト層、90a…第1導電性接合部材、90b…第2導電性接合部材、100…振動片、101…水晶基板、101a,101b…主面、200,300…振動片、340…凸部、400…振動片、800…振動子、810…パッケージ、811…凹部、812…ベース、813…シールリング、814…リッド、815…内底面、816a,816b…内部端子、817…外底面、818a,818b…電極端子、900…発振器、910…ICチップ、912…収容部、914…ワイヤー、916a,916b…内部接続端子、1000…リアルタイムクロック、1010…計時回路、1020…イベント検出回路、1022…イベント入力端子、1030…メモリー、1040…制御回路、1042…割り込み出力端子、1300…スマートフォン、1310…表示部、1320…操作部、1330…音出力部、1400…パーソナルコンピューター、1402…キーボード、1404…本体部、1405…表示部、1406…表示ユニット、1500…携帯電話機、1502…操作ボタン、1504…受話口、1506…送話口、1508…表示部、1600…デジタルスチルカメラ、1602…ケース、1603…表示部、1604…受光ユニット、1606…シャッターボタン、1608…メモリー、1612…ビデオ信号出力端子、1614…入出力端子、1630…テレビモニター、1640…パーソナルコンピューター、1700…移動体、1720…コントローラー、1730…コントローラー、1740…コントローラー、1750…バッテリー、1
760…バックアップ用バッテリー

Claims (17)

  1. 圧電基板をエッチングして、基部、前記基部から第1方向に沿って延出し、前記第1方向と交差する第2方向に沿って並んでいる一対の振動腕、および前記基部から前記第1方向に沿って延出し一対の前記振動腕の間に設けられた支持腕を形成する工程と、
    前記支持腕をエッチングして、前記支持腕の、前記第2方向と交差する側面に、切り欠き部を形成する工程と、
    前記基部、前記振動腕、および前記支持腕の表面に金属層を成膜する工程と、
    前記金属層の表面にレジスト層を塗布する工程と、
    前記レジスト層を露光する工程と、
    露光された前記レジスト層を現像する工程と、
    現像された前記レジスト層をマスクとして前記金属層をエッチングする工程と、
    を含み、
    前記レジスト層を露光する工程では、
    前記支持腕の主面の垂線に対して傾斜した方向から光を照射して、前記切り欠き部内の前記レジスト層を斜め露光し、
    前記金属層をエッチングする工程では、
    前記振動腕の表面に設けられた第1駆動電極および第2駆動電極と、
    前記支持腕の主面に設けられ、前記切り欠き部よりも前記第1方向側に位置し、前記第1駆動電極と電気的に接続された第1電極パッドと、
    前記主面に設けられ、前記切り欠き部よりも前記第1方向とは反対方向側に位置し、前記第2駆動電極と電気的に接続された第2電極パッドと、
    を形成する、振動片の製造方法。
  2. 請求項1において、
    前記レジスト層を露光する工程では、
    前記第1方向および前記第2方向と直交する第3方向から前記第1方向または前記第1方向とは反対方向に所定の角度傾いた方向から、斜め露光を行う、振動片の製造方法。
  3. 請求項2において、
    前記所定の角度は、0°より大きく50°より小さい、振動片の製造方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、
    前記圧電基板は、水晶からなり、
    前記第1方向は、
    水晶の結晶軸である、電気軸をX軸、機械軸をY軸、光学軸をZ軸とし、前記X軸を回転軸として、
    前記Y軸を、+Y側を前記Z軸の+側に傾けるように回転させてY´軸とし、
    前記Z軸を、+Z側を前記Y軸の−側に傾けるように回転させてZ´軸としたとき、
    前記第1方向は、前記Y´軸の−Y´方向であり、
    前記第2方向は、前記X軸の−X方向である、振動片の製造方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項において、
    前記切り欠き部を形成する工程は、ウェットエッチングによって行われる、振動片の製造方法。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項において、
    前記切り欠き部を形成する工程では、
    前記切り欠き部が、
    前記側面と平行な面であり、前記側面よりも前記第2方向とは反対方向側に位置する第
    1面と、
    前記第1面に対して傾斜して前記第1面および前記側面に接続された第2面と、
    前記第2面よりも前記第1方向側に位置し、前記第1面に対して傾斜して前記第1面および前記側面に接続された第3面と、
    を有するように形成され、
    前記第2面は、前記第1方向に向かうに従って前記第1方向および前記第2方向と直交する第3方向の幅が小さくなり、
    前記第3面は、前記第1方向に向かうに従って前記第3方向の幅が大きくなる、振動片の製造方法。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項において、
    前記振動腕をエッチングして溝部を形成する工程を含み、
    前記溝部を形成する工程と、前記切り欠き部を形成する工程とは、同じ工程で行われる、振動片の製造方法。
  8. 基部と、
    前記基部から第1方向に沿って延出し、前記第1方向と交差する第2方向に並んでいる一対の振動腕と、
    前記基部から前記第1方向に沿って延出し、一対の前記振動腕の間に設けられた支持腕と、
    前記支持腕の、前記第1方向と直交する第2方向と交差する側面に設けられた切り欠き部と、
    前記振動腕の表面に設けられた第1駆動電極および第2駆動電極と、
    前記支持腕の主面に設けられ、前記切り欠き部よりも前記第1方向側に位置し、前記第1駆動電極と電気的に接続された第1電極パッドと、
    前記主面に設けられ、前記切り欠き部よりも前記第1方向とは反対方向側に位置し、前記第2駆動電極と電気的に接続された第2電極パッドと、
    を含み、
    前記切り欠き部は、
    前記側面と平行な面であり、前記側面よりも前記第2方向とは反対方向側に位置する第1面と、
    前記第1面に対して傾斜して前記第1面および前記側面に接続された第2面と、
    前記第2面よりも前記第1方向側に位置し、前記第1面に対して傾斜して前記第1面および前記側面に接続された第3面と、
    を有し、
    前記第2面は、前記第1方向に向かうに従って前記第1方向および前記第2方向と直交する第3方向の幅が小さくなり、
    前記第3面は、前記第1方向に向かうに従って前記第3方向の幅が大きくなる、振動片。
  9. 請求項8において、
    前記支持腕は、水晶からなり、
    水晶の結晶軸である、電気軸をX軸、機械軸をY軸、光学軸をZ軸とし、前記X軸を回転軸として、
    前記Y軸を、+Y側を前記Z軸の+側に傾けるように回転させてY´軸とし、
    前記Z軸を、+Z側を前記Y軸の−側に傾けるように回転させてZ´軸としたとき、
    前記第1方向は、前記Y´軸の−Y´方向であり、
    前記第2方向は、前記X軸の−X方向である、振動片。
  10. 請求項8または9において、
    前記振動腕は、前記基部に接続された腕部と、前記腕部に接続された錘部と、を有する、振動片。
  11. 請求項10において、
    前記錘部の幅は、前記腕部の幅よりも大きい、振動片。
  12. 請求項8ないし11のいずれか1項において、
    前記振動腕には、溝部が設けられている、振動片。
  13. 請求項8ないし12のいずれか1項に記載の振動片と、
    前記振動片が収容されているパッケージと、
    を備えている、振動子。
  14. 請求項8ないし12のいずれか1項に記載の振動片と、
    前記振動片と電気的に接続されている発振回路と、
    を備えている、発振器。
  15. 請求項8ないし12のいずれか1項に記載の振動片と、
    前記振動片と電気的に接続されている発振回路と、
    前記発振回路から出力される信号に基づいて、日時データを生成する計時回路と、
    を備えている、リアルタイムクロック。
  16. 請求項8ないし12のいずれか1項に記載の振動片を備えている、電子機器。
  17. 請求項8ないし12のいずれか1項に記載の振動片を備えている、移動体。
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