JP2016145432A - カツラ用止着具、およびこれを用いたカツラ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】2つの略コ字状部材を連結固定して、カツラ用止着具Sを構成する。各略コ字状部材は、櫛歯20が固定された櫛歯固定片と、櫛歯固定片の両端からほぼ直角に同一方向に延在する2つの湾曲弾性脚12、13とで構成される。2つの略コ字状部材は、互いの開放部を対向させて、互いの湾曲弾性脚を重ねた状態で、当該重ねられた各湾曲弾性脚の長手方向に沿って離散した複数の固定箇所において、互いに固定される。したがって、両部材は弾性変形性および一体性が高く、指でカツラ用止着具を反転させる操作をした場合に、一方の略コ字状部材が反転すれば、必ず他方の略コ字状部材も反転する(必ず、1回の反転操作で足りる)。
【選択図】図2
Description
さらには、頭部が櫛歯の延在方向に対して横に動いた場合に、櫛歯から頭部自毛が滑り易い。一方、頭部が櫛歯の延在方向と平行に動いた場合には、櫛歯によって頭部自毛が引っ張られて苦痛を感じ易く、さらに、同じ位置での長期間使用によって、頭部自毛の脱毛が進行する場合もある。
2つの略コ字状部材は、互いの開放部を対向させて、互いの湾曲弾性脚を重ねた状態で、当該重ねられた各湾曲弾性脚の長手方向に離散して位置する複数の固定箇所において、互いに固定されている。湾曲弾性脚の湾曲方向を反転させることで、「櫛歯が湾曲弾性脚から離れる方向に反り上がった開状態」と「櫛歯が湾曲弾性脚にほぼ沿って延在する閉状態」とに、選択的になり得る。
その結果、反転操作の際に、指の当て方や、力の入れ具合、方向に関して、使用者は細かい気を使うことなく、簡単な1回の反転操作だけで、カツラ用止着具を確実に反転させることができる(1回の反転操作だけで、簡単かつ確実に、カツラを取り外すことができる)。
略コ字状部材10は、櫛歯20が固定された櫛歯固定片11と、この櫛歯固定片11の両端からほぼ直角に同一方向に延在する2つの湾曲弾性脚12、13と、で構成されている。湾曲弾性脚12、13は、平坦部材ではなく、仮想的な湾曲面内に位置する形状を有していて、下に説明するように、選択的に「開状態」および「閉状態」になり得る(図2A、図2B)。
連結孔16、17においては、図には詳細に示してはいないが、例えばリベット等のかしめ部材を用いて、重なった湾曲弾性脚12、13同士を連結固定する。こうして、2つの略コ字状部材10を用いて、1つのカツラ用止着具Sが構成される。
略コ字状部材10および櫛歯20は、金属その他の弾性材料で構成されている。したがって、カツラ用止着具Sは、指先等で適当な外力を与えて反転させることで、図2Aの「開状態」および図2Bの「閉状態」に示したように、湾曲方向が異なる2つの状態を選択的にとり得る。なお、図2Bでは、2つの略コ字状部材同士の連結部分(図の中央領域)については、一点鎖線で簡略図示している。
換言すると、「片方の略コ字状部材10のみが反転し、結果的に2回の反転操作が必要となる」という事態は、起こり得ない。
図1、図2に示した実施形態では、略コ字状部材10の湾曲弾性脚12、13の長手方向に沿って、2箇所の固定箇所(連結孔16、17)が設けられている(1本の脚について2箇所であるから、固定箇所は合計で4箇所に存在する)。2つの略コ字状部材10の一体性を高めるという意味では、連結箇所が多い程好ましく、したがって、3以上の固定箇所を設けてもよい。一方、固定箇所の数が多過ぎると、良好な弾性変形性(カツラ用止着具Sの反転特性)が損なわれることになる。
以上を考慮して、固定箇所の数は、2以上の適当な数を適宜設定するが好ましい。
図1、図2に示した実施形態では、略コ字状部材10の2本の湾曲弾性脚12、13上に、内側に向かって互いに対向する突出領域6、7が設けられている。突出領域6、7に連結孔16、17が形成されていて、これらが、湾曲弾性脚同士の固定箇所として機能している。
その結果、固定箇所は、湾曲弾性脚12、13の本体よりも内側にオフセットされた位置に存在することになる。これには、次のような利点がある。これについて、図5を参照して説明する。
図5(B)は、連結孔16、17を外方に突出した突出領域(図示せず)に設けた場合を示している。この場合、外方に突出した部分に自毛が絡まったり、頭皮を傷付けることが想定され好ましくない。また、シリコンチューブ等の筒状部材30を取り付ける場合(図6を参照して後述)には、当該筒状部材30が破損し易くなるので、その意味でも好ましくない。
図5(C)は、湾曲弾性脚12、13自体の部材中に連結孔16、17が位置する場合を示している。この場合には、反転操作の繰返しによって、湾曲弾性脚12、13に掛かる負担が大きいので、耐久性という点で好ましくない。さらに、湾曲弾性脚12、13自体の弾性変形性を有効に利用できず、毛髪保持力が弱くなるという点でも好ましくない。
図1、図2に示した実施形態では、固定箇所として連結孔16、17が採用され、そこにリベット等のかしめ材を挿通および変形させて(図示せず)、当該固定箇所における固定が行われる。しかし、本発明では、湾曲弾性脚12、13の長手方向に沿って離散した複数の固定箇所において、重ね合わせた湾曲弾性脚12、13が何らかの態様で連結固定されていればよい。
例えば、連結孔16、17に対して糸材を巻き付けたり、ネジ部材を利用して固定することができる。また、連結孔を設けることなく、接着剤やスポット溶接により、離散した複数の箇所における固定を実現することもできる。
図6は、本発明の他の実施形態に係るカツラ用止着具S’を示している。このカツラ用止着具S’は、図1、2に示したカツラ用止着具Sに対して、筒状部材30を追加した点が異なり、他の構成は同じである。
筒状部材30は、互いに重ねて連結固定された湾曲弾性脚12、13の外側を周回するように外挿されている。筒状部材30が存在する場合、カツラ用止着具S’が図2Bに示したような「閉状態」となったときに、櫛歯20と筒状部材30との間に自毛を挟持する力が強くなり、その分だけ、カツラを安定して固定することができる。
図示した実施形態では、同一の(1種類の)略コ字状部材10を2つ用いて、両者を連結固定することで、カツラ用止着具を構成している。この場合、部材を1種類用意だけで足りるが故に、製造工程の簡素化およびコストダウンという点で有利である。
しかしながら、完全に同じ2つの略コ字状部材を使用する必要は無く、両者を組み合わせて、実質的にここまでに説明したのと同等のカツラ用止着具を構成できるのであれば、異なる略コ字状部材を使用することも、当然に可能である。
10 略コ字状部材
11 櫛歯固定片
12、13 湾曲弾性脚
15 開放部
16、17 連結孔
20 櫛歯
Claims (7)
- カツラの内側に取付けて、頭部自毛を挟持して当該カツラを頭部に固定するカツラ用止着具であって、
当該カツラ用止着具は、2つの略コ字状部材(10、10)を備えており、
各略コ字状部材は、櫛歯(20)が固定された櫛歯固定片(11)と、櫛歯固定片の両端からほぼ直角に同一方向に延在する2つの湾曲弾性脚(12、13)とで構成されていて、
2つの略コ字状部材(10、10)は、互いの開放部(15)を対向させて、互いの湾曲弾性脚(12、13)を重ねた状態で、当該重ねられた各湾曲弾性脚(12、13)の長手方向に離散して位置する複数の固定箇所において、互いに固定されていて、
湾曲弾性脚の湾曲方向を反転させることで、櫛歯(20)が湾曲弾性脚(12、13)から離れる方向に反り上がった開状態と、櫛歯(20)が湾曲弾性脚(12、13)にほぼ沿って延在する閉状態とに、選択的になり得ることを特徴とする、カツラ用止着具。
- 上記複数の固定箇所が2箇所である、請求項1記載のカツラ用止着具。
- 上記略コ字状部材(10、10)の2つの湾曲弾性脚(12、13)には、コ字状内側に突出した領域(6、7)が設けられていて、当該領域に上記固定箇所が位置している、請求項1記載のカツラ用止着具。
- 上記固定箇所においては、湾曲弾性脚(12、13)に形成した連結孔(16、17)をかしめ具で止めることで、湾曲弾性脚同士が固定されている、請求項1記載のカツラ用止着具。
- 上記2つの略コ字状部材(10、10)は同一の2つの部材である、請求項1記載のカツラ用止着具。
- 上記重ねられた状態の湾曲弾性脚(12、13)に対して、筒状部材(30)が外挿されている、請求項1記載のカツラ用止着具。
- 請求項1〜6のいずれか1つに記載のカツラ用止着具を備えてなる、カツラ。
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