JP2016145055A - 蓋材用シーラントフィルム及び易開封性包装容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】容器A又は蓋材Bのいずれか一方の第一接着面となるポリエチレン層Asに対し、蓋材B又は容器Aの他方の第二接着面となるシール層10が中間層20を挟んで密着された状態で、蓋材Bを容器Aから引き剥がすことにより、メルトフローレートが30〜75g/10minで厚みが5〜10μmの低密度ポリエチレンからなるシール層10は、ポリエチレン層Asに接する密着部11を残したまま、密着部11の周囲部分が破断し、中間層20においてポリスチレンとスチレン系エラストマーとポリプロピレンの混合物からなる剥離面21aがシール層10の密着部11と層間剥離する。
【選択図】図1
Description
詳しく説明すると、易開封性複合フィルムは、シール層(A層)と基材層(B層)が積層された複合フィルムであって、A層は、融点が80〜115℃かつメルトフローレートが2〜50g/10minである低密度ポリエチレン70〜95wt%と、融点が70〜125℃かつメルトフローレートが1〜30g/10minであるポリブテン−1が30〜5wt%からなる層であり、B層は、A層の低密度ポリエチレンの融点以上の融点をもつポリエチレン系樹脂からなる層であり、かつ、A層の厚みが5μm以上である。
易開封性蓋付き紙容器は、容器の表面がポリエチレン系樹脂で被覆されてなる紙容器に、前記易開封性複合フィルムをシーラントとする蓋材のA層面が熱シールされ、紙容器のポリエチレン面側から複合フィルムのA層面側を剥離して、紙容器の蓋材が開封される。
[請求項1] 容器又は蓋材のいずれか一方の第一接着面となるポリエチレン層に対し、蓋材又は容器の他方の第二接着面となるシール層を易開封可能に密着させる蓋材用シーラントフィルムであって、
前記ポリエチレン層にヒートシールして密着される密着部を有るシール層と、
前記シール層及び前記蓋材の間に積層される中間層と、を備え、
前記シール層は、メルトフローレートが30〜75g/10minで且つ厚みが5〜10μmの低密度ポリエチレンで形成され、
前記中間層は、前記ポリエチレン層に対する前記密着部の接着強度よりも前記シール層との接着強度が低くなるようにポリスチレンとスチレン系エラストマーとポリプロピレンの混合物で形成され、前記密着部と対向して積層された剥離面を有することを特徴とする蓋材用シーラントフィルム。
したがって、ポリエチレン層にヒートシールされたシール層の密着部から中間層を層間剥離させて容器から蓋材を易開封で且つ十分な封緘強度を確保することができる。
その結果、凝集剥離タイプである従来のものに比べ、剥離時における糸引き現象が全く発生せず、容器の内容物への混入を完全に防止することができる。
特に、容器の内容物が食品である場合には、蓋材の開封に伴って異物が食品に混入することなく安全性に優れて有効である。
さらに、シール層としてメルトフローレートが50g/10minの低密度ポリエチレンを用いた場合には、低温雰囲気においても封緘強度の保持可能な低温シール性を得ることができる。そのため、例えばヨーグルトを含む乳製品のような低温食品などを収容する易開封性包装容器に有効である。
本発明の実施形態に係る蓋材用シーラントフィルムCは、図1(a)〜(c)に示すように、容器A又は蓋材Bのいずれか一方の表面に形成される第一接着面に対して、蓋材B又は容器Aの他方に形成される第二接着面を、手で簡単に剥がせる易開封(イージーピール)可能に密着させる複合フィルムである。
蓋材用シーラントフィルムCを用いて蓋材Bが容器Aに密封することにより、易開封性包装容器が構成される。例えばヨーグルトを含む乳製品のような低温食品などが収容される易開封性包装容器の場合には、紙などからなる容器Aの表面にポリエチレン(PE)をラミネートし、容器Aの開口縁(フランジ)A1において表面(第一接着面)となるポリエチレン層Asに対し、紙などで形成された蓋材Bの第二接着面となるシール層10を易開封可能に密着させたものがある。
詳しく説明すると、本発明の実施形態に係る蓋材用シーラントフィルムCは、容器A又は蓋材Bのいずれか一方の第一接着面となるポリエチレン層Asに対しヒートシール(熱接着)して密着するように蓋材B又は容器Aの他方の第二接着面に設けられるシール層10と、シール層10及び蓋材Bの間に積層して設けられる中間層20と、を主要な構成要素として備えている。
本発明の実施形態に係る蓋材用シーラントフィルムC及び易開封性包装容器の具体例として、容器Aの表面に第一接着面となるポリエチレン層Asを形成し、蓋材Bに第二接着面となるシール層10が設けられた場合を以下説明する。
シール層10は、溶液状態にある樹脂の流動性を示す尺度の一つであるメルトフローレート(MFR)が30〜75g/10minで比較的に柔らかく、且つ厚みが5〜10μmの比較的に薄い低密度ポリエチレン(LDPE)を主成分とする層に形成される。
詳しく説明すると、シール層10は、容器Aの表面となるポリエチレン層Asと十分に密着して所定の封緘強度が保持され、且つ容器Aのポリエチレン層Asに対する密着部11を残して密着部11の周囲部分が簡単に破断するように構成する必要がある。
すなわち、シール層10は、容器Aのポリエチレン層Asに接する密着部11と、容器Aからの蓋材Bの引き剥がし動作に伴って密着部11の周囲部分に形成される破断部12と、を有している。
このような理由から、シール層10となるLDPEにおいて少なくともMFRと厚みなどを所定範囲内に設定している。
特に、シール層10においてLDPEのMFRを35〜70g/10minに設定することで、容器Aの開口縁A1とシール層10との重ね合わせ部分の段差を埋めることが可能に構成することが好ましい。
さらに、シール層10においてLDPEのMFRを約50g/10minに設定することで、低温雰囲気においても封緘強度の保持可能な低温シール性が得られるように構成することが好ましい。
特に、シール層10においてLDPEの厚みを5〜9μmに設定することで、容器Aの開口縁A1とシール層10との重ね合わせ部分の段差を埋め、且つ蓋材Bの引き剥がし伴って密着部11の周囲部分を簡単に破断可能に構成することが好ましい。
さらに、シール層10においてLDPEの厚みを約5μmに設定することで、十分な封緘強度と密着部11の周囲部分のスムーズな破断を共に得られるように構成することが好ましい。
シール層10の具体例としては、宇部丸善ポリエチレン社製のUBEポリエチレン(LDPE) J5019(MFR:50g/10min、引張破壊強さ:8MPa、引張破壊伸び:250%)などが該当する。
ところで、シール層10に含まれるLDPEの配合割合としては、LDPEを100%とするか、又はLDPEを50%以上(好ましくは80%以上)に対し、メタロセン系のPEなどを添加して、シール層10の切れ性を良くしたり、容器Aの開口縁A1に対するシール層10の接着強度を向上させたり変更することも可能である。
中間層20は、少なくともシール層10の密着部11と対向する部分が、容器Aに対する蓋材Bの引き剥がしに伴って密着部11から層間剥離するように、ポリプロピレン(PP)を主成分としたポリスチレン(PS)アロイで構成され、シール層10の密着部11と対向する剥離面21aを有している。
さらに、中間層20は、剥離面21aが形成される第1中間層21と、第1中間層21及び(蓋材Bの)第二接着面の間に積層される第2中間層22と、を有することが好ましい。第2中間層22は、メタロセン系ポリマーで形成されることで、シール層10及び第1中間層21の層間強度よりも第1中間層21との層間強度が大きくなるように構成することが好ましい。
そして、蓋材Bが紙製である場合には、中間層20が、第2中間層22と紙製の第二接着面との間にラミネート層23を有し、第1中間層21と第2中間層22とラミネート層23を積層した三層構造体であることが好ましい。特に、中間層20にシール層10が含まれた四層を押出成形することが好ましい。
また、蓋材Bとして紙などの光透過率が高い材料を用いる場合には、中間層20の一部、詳しくは中間層20の第1中間層21又は第2中間層22のいずれか一方か、若しくは第1中間層21及び第2中間層22の両方に、光透過率を低減させるために顔料を添加することが好ましい。
顔料(乳白色)の具体例としては、三共化成工業社製のMA410W1や東京インキ社製のPEX6800Aなどが該当する。
第1中間層21においてPPの具体例としては、PEを添加した特殊なスーパーランダムポリプロピレン(SRPP)やランダムPPなどを用い、分散性を良くするためにMFRが3〜25g/10min(好ましくは4〜23g/10min)のものを選択することが好ましい。
PP(SRPP)の具体例としては、サンアロマー社製のサンアロマー(登録商標)PH943B(MFR:21g/10min)などが該当する。
第1中間層21においてPSの具体例としては、汎用ポリスチレン(GPPS)などを用い、分散性を良くするためにMFRがSRPPよりも低くて且つ押出成形が可能なものを選択することが好ましい。
PS(GPPS)の具体例としては、DIC社製のディックスチレンGPPS XC−535(MFR:2.4g/10min)などが該当する。
第1中間層21においてTPSの具体例としては、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)などを用い、分散性を良くするためにMFRがSRPPとの差が大きなものを選択することが好ましい。
TPS(SEBS)の具体例としては、クレイトン社製のクレイトン(登録商標)Gポリマー G1657(MFR:8g/10min)などが該当する。
第1中間層21におけるPP(SRPP)とPS(GPPS)とTPS(SEBS)の成分割合について、PP(SRPP)の配合比率は40未満であると、目的とする層間強度が得られずに接着強度が低下する。80重量%を越えると、層間強度が高くなり過ぎて、層内の凝集破壊がしづらくなり接着強度が必要以上に高くなる。PS(GPPS)の配合比率は30未満であると、層間強度が高くなり過ぎて、層内の凝集破壊がしづらくなり接着強度が高くなる場合があり、50重量%を越えると、分散性が不良となるとともに層内の凝集強度が下がって接着強度が低下する。TPS(SEBS)の配合比率は3未満であると、分散性が不良となるとともに層内の凝集強度が下がって接着強度が低下する場合があり、20重量%を越えると、PP(SRPP)とPS(GPPS)の相溶性が高くなることで海島構造を形成できず、層内の凝集力が高くなりシール層10(密着部11)との層間強度が上がって本来の層間剥離ができなくなる。
そのため、PP(SRPP)とPS(GPPS)とTPS(SEBS)の配合比率は、PP(SRPP)が40〜80重量%(好ましくは50〜70重量%)、PS(GPPS)が20〜50重量%(好ましくは30〜40重量%)、TPS(SEBS)が3〜20重量%(好ましくは5〜15重量%)に設定することが好ましい。
第2中間層22においてm−PPの具体例としては、日本ポリプロ社製のウィンテック(登録商標)WFX4TA(MFR:7g/10min)などが該当する。
第2中間層22においてm−LLDPEの具体例としては、宇部丸善ポリエチレン社製のUBEスーパーポリエチレン ユメリット(メタロセンL―LDPE)2040F(MFR:4g/10min)などが該当する。
第2中間層22におけるm−PPとm−LLDPEの成分割合について、m−PPの配合比率は20重量%未満であると、目的とする接着強度が得られない場合があり、50重量%を越えると、多層押出機での製膜時に溶融粘度の差が大きいため第1中間層21との合流が合わなくなりフローマークが発生し、厚み調整がしづらくなる。m−LLDPEの配合比率は20重量%未満であると、目的とするラミネート層23との層間強度が得られない場合があり、80重量%を越えると、第1中間層21との層間強度が得られない。
そのため、m−PPとm−LLDPEの配合比率は、m−PPが20〜50重量%(好ましくは25〜45重量%)、m−LLDPEが20〜80重量%(好ましくは25〜75重量%)に設定することが好ましい。
第2中間層22及び紙製蓋材Bの十分な層間強度とは、第1中間層21と第2中間層22との接着強度よりも第2中間層22と紙製蓋材Bの接着強度が高くなるように、m−LLDPEを用いることが好ましい。その具体例として、第1中間層21と第2中間層22との接着強度が11〜12N/15mmの場合には、第2中間層22と紙製蓋材Bの接着強度が12N/15mm以上になるように設定する。
ラミネート層23となるm−LLDPEの具体例としては、宇部丸善ポリエチレン社製のUBEスーパーポリエチレン ユメリット(メタロセンL―LDPE)1540F(MFR:4g/10min)などが該当する。
蓋材用シーラントフィルムCの製造方法としては、押出機(図示しない)を用いて、シール層10となるLDPE、中間層20の第1中間層21となるPSアロイ(PPとPSとTPSの混合樹脂)、第2中間層22となるメタロセン系ポリマー(m−PPとm−LLDPEの混合樹脂)、ラミネート層23となるメタロセン系ポリマー(m−LLDPE)を溶融して押出し、それぞれが所定の厚みとなるように重ね合わせ、冷却ロールでキャスト冷却固化して、四層の複合フィルムとする。
これに続いて、四層の複合フィルムをロール状に巻き取り、さらに所定の幅、長さにスリットすることで、蓋材用シーラントフィルムCとなる。
その後工程では、蓋材用シーラントフィルムCを蓋材Bに接着し一体化させて使用する。蓋材Bが紙製である場合には、中間層20のラミネート層23を紙製の蓋材Bに押出しラミネートにて貼り合わせる。
また、シール層10や中間層20の成形時には、各樹脂層に必要に応じて、各種の添加剤(紫外線吸収剤,光安定剤,酸化防止剤,滑剤,熱安定剤,着色剤,防曇剤,帯電防止剤等)を通常の量で配合させることができる。
それにより、図1(b)に示されるように、メルトフローレートが30〜75g/10minで厚みが5〜10μmの低密度ポリエチレンからなるシール層10は、容器Aのポリエチレン層Asに接する接着強度が高い密着部11を残したまま、密着部11の周囲部分が破断する。
これに続いて、図1(c)に示されるように、破断部12が徐々に拡がり、中間層20においてポリスチレンとスチレン系エラストマーとポリプロピレンの混合物からなる剥離面21aが、シール層10の密着部11と層間剥離して完全に分離される。
したがって、ポリエチレン層Asにヒートシールされたシール層10の密着部11から中間層20を層間剥離させて容器Aから蓋材Bを易開封で且つ十分な封緘強度を確保することができる。
その結果、剥離時における糸引き現象が全く発生せず、容器Aの内容物への混入を完全に防止することができる。
特に、容器Aの内容物が食品である場合には、開封に伴って異物が食品に混入することなく安全性に優れて有効である。
また、シール層10としてメルトフローレートが50g/10minの低密度ポリエチレンを用いた場合には、低温雰囲気においても封緘強度の保持可能な低温シール性を得ることができる。そのため、例えばヨーグルトを含む乳製品のような低温食品などを収容する易開封性包装容器に有効である。
この場合には、容器Aからの蓋材Bの引き剥がしに伴って、中間層20において第1中間層21と第2中間層22の層間が変化する前に、第二接着面と共に第1中間層21の剥離面21aがシール層10の密着部11から層間剥離して分離する。
したがって、シール層10の密着部11から第二接着面と共に第1中間層21の剥離面21aを確実に層間剥離させることができる。
その結果、容器Aに対する蓋材Bの封滅性と層間剥離による易開封性の両方を高精度に達成することができて、利便性に優れる。
この場合には、中間層20の第1中間層21、第2中間層22及びラミネート層23を挟んで紙製の第二接着面がシール層10と一体化される。
したがって、シール層10の密着部11から紙製の第二接着面を層間剥離させて易開封することができる。
その結果、容器Aから層間剥離して易開封する蓋材Bとして紙製のものを用いることができる。
また、シール層10及び中間層20の四層を一回の押出成形で製造した場合には、蓋材用シーラントフィルムCの生産性に優れるとともに、コストの低減化が図れる。
[実施例1〜6及び比較例1〜6]
表1に示す実施例1〜6と表2に示す比較例1〜6は、それらに記載された成分をそれぞれの割合で混合して、シール層10、中間層20となる第1中間層21、第2中間層22及びラミネート層23を、蓋材用シーラントフィルムC(四層)全体の厚みに対する各層の厚みバランス(層比)と、各層の厚みがそれぞれ設定寸法となるように加工したものである。
実施例1〜6及び比較例1〜6では、シール層10がLDPE100重量%の層であり、特に実施例1〜6及び比較例2〜6では、シール層10としてMFRが50g/10min、引張破壊強さが8MPa、引張破壊伸びが250%のLDPEを用いており、共通の構成にしている。
実施例1〜6及び比較例1〜6の第1中間層21は、SRPP(MFR:21g/10min)とGPPS(MFR:2.4g/10min)とSEBS(MFR:8g/10min)の混合体からなる層で、且つ全体の厚みに対する第1中間層21の層比が40%の16μmであり、共通の構成にしている。
実施例1〜6及び比較例1〜6の第2中間層22は、m−PP(MFR:7g/10min)とm−LLDPE(MFR:4g/10min)の混合体からなる層で、且つ全体の厚みに対する第2中間層22の層比が32.5%の13μmであり、共通の構成にしている。
実施例1〜6及び比較例1〜6のラミネート層23は、m−LLDPE100重量%の層であり、全体の厚みに対するラミネート層23の層比が15%の6μmであり、共通の構成にしている。
詳しく説明すると、実施例1〜5では、シール層10の厚みを全体の厚みに対する層比が12.5%の5μmにし、実施例6では、シール層10の厚みを全体の厚みに対する層比が20.5%の9μmにしたところが異なっている。
さらに、実施例1〜6では、第1中間層21をPP(SRPP)が51.2〜65.0重量%、PS(GPPS)が29.8〜30.2重量%、TPS(SEBS)が5〜6重量%の配合比率にし、第2中間層22をm−PPが17〜60重量%、m−LLDPEが40〜70重量%の配合比率にしている。
詳しく説明すると、実施例1では、第1中間層21をPP(SRPP)が65.0重量%、PS(GPPS)が30.0重量%、TPS(SEBS)が5重量%の配合比率にするとともに、第2中間層22をm−PPが30重量%、m−LLDPEが70重量%の配合比率にしている。
実施例2では、第1中間層21をPP(SRPP)が65.0重量%、PS(GPPS)が30.0重量%、TPS(SEBS)が5重量%の配合比率にするとともに、第2中間層22をm−PPが60重量%、m−LLDPEが40重量%の配合比率にしている。
実施例3では、第1中間層21をPP(SRPP)が64.0重量%、PS(GPPS)が30.0重量%、TPS(SEBS)が6重量%の配合比率にするとともに、第2中間層22をm−PPが60重量%、m−LLDPEが40重量%の配合比率にしている。
実施例4では、第1中間層21をPP(SRPP)が51.8重量%、PS(GPPS)が30.2重量%、TPS(SEBS)が5重量%、顔料(MA410W1)が13重量%の配合比率にし、第2中間層22をm−PPが17重量%、m−LLDPEが70重量%、顔料(PEX6800A)が13重量%の配合比率にしている。
実施例5及び実施例6では、第1中間層21をPP(SRPP)が51.2重量%、PS(GPPS)が29.8重量%、TPS(SEBS)が6重量%、顔料(MA410W1)が13重量%の配合比率にし、第2中間層22をm−PPが17重量%、m−LLDPEが70重量%、顔料(PEX6800A)が13重量%の配合比率にしている。
詳しく説明すると、比較例1では、シール層10としてMFRが20g/10min、引張破壊強さが9.5MPa、引張破壊伸びが350%のLDPE(宇部丸善ポリエチレン社製のUBEポリエチレン(LDPE) J2522)を用いたところが実施例5と異なっており、それ以外は実施例5と同じである。
比較例2では、シール層10の厚みを、全体の厚みに対する層比が10.3%の4μmにしたところが実施例5と異なっており、それ以外は実施例5と同じである。
比較例3では、シール層10の厚みを、全体の厚みに対する層比が23.9%の11μmにしたところが実施例5と異なっており、それ以外は実施例5と同じである。
比較例4では、第1中間層21が、PP(SRPP)を62.0重量%、PS(GPPS)を19.0重量%、PS(GPPS)を6重量%、顔料を13重量%の配合比率であるところが実施例5と異なっており、それ以外は実施例5と同じである。
比較例5では、第1中間層21が、PP(SRPP)を43.0重量%、PS(GPPS)を51.0重量%、PS(GPPS)を6重量%、顔料を0重量%の配合比率であるところが実施例5と異なっており、それ以外は実施例5と同じである。
比較例6では、第1中間層21として、第1中間層21が、PP(SRPP)を49.2重量%、PS(GPPS)を29.8重量%、PS(GPPS)を21重量%、顔料を0重量%の配合であるところが実施例5と異なっており、それ以外は実施例5と同じである。
表1及び表2に示される評価結果(封緘強度、開封強度、剥離形態、紙抜け割合)は、以下の指標に基づくものである。
封緘強度(mmHg)とは、封緘強度測定器(株式会社サン科学社製304−AW)を用いて、易開封性包装容器(容器A)の内部に一定の内圧をかけ、容器Aの開口縁A1と蓋材用シーラントフィルムCの間から漏れが発生した瞬間の内圧強度を測定した。封緘強度の測定値において極大と極小を除き、平均値を求めた。
開封強度(N/容器)とは、剥離強度測定器(東洋精機製作所社製ストログラフV1−D)を用いて、容器Aの開口縁A1から蓋材B及び蓋材用シーラントフィルムCが剥離する際の剥離強度を測定した。開封強度の測定値において極大と極小を除き、平均値を求めた。
剥離形態とは、容器Aの開口縁A1と蓋材用シーラントフィルムCとの剥離部分を目視で判断した。剥離形態の判断結果を4段階で評価した。
剥離形態の評価結果において、◎:シール層10が破断して第1中間層21の剥離面21aから完全に層間剥離したもの、○:シール層10の大部分が第1中間層21の剥離面21aから層間剥離するものの、シール層10の一部分が凝集剥離して膜状に残る「膜残り」を若干発生する、△:シール層10の大部分で「膜残り」が発生する、×:第1中間層21で凝集剥離する、のように評価した。
紙抜け割合とは、「紙抜け」を起こしている部分の長さ/容器Aの開口縁A1の周長である。
「紙抜け」とは、容器Aの開口縁A1となる紙材料から蓋材用シーラントフィルムCと共にラミネート層Asが剥がれて、容器Aとなる紙材料が露出する現象をいう。
実施例1〜6と比較例1〜6を比較すると、実施例1〜6は、封緘強度、開封強度、剥離形態、紙抜け割合の全てにおいて良好な評価結果が得られている。
この評価結果から明らかなように、実施例1〜6は、必要とする封緘強度が得られると同時に、容器Aにヒートシールされたシール層10の密着部11から中間層20を層間剥離させて蓋材Bを易開封できるとともに、十分な封緘強度の確保を可能にしている。
詳しく説明すると、比較例1は、シール層10においてLDPEのMFRが小さくなり過ぎて膜残りが発生するため、剥離形態で不良な評価結果になった。
比較例2は、シール層10においてLDPEの厚みが薄くなり過ぎて容器Aの開口縁A1との段差を埋めることが困難になるため、封緘強度で不良な評価結果になった。
比較例3は、シール層10においてLDPEの厚みが厚くなり過ぎて膜残りが発生するため、剥離形態で不良な評価結果になった。
比較例4は、第1中間層21においてPS(GPPS)の配合比率が少なくなり過ぎて層間強度が高くなり、層内の凝集破壊がしづらくなり接着強度が高くなるため、剥離形態で不良な評価結果になった。
比較例5は、第1中間層21においてPS(GPPS)の配合比率が多くなり過ぎて層内の層間強度が下がり、接着強度が低下するため、剥離形態で不良な評価結果になった。
比較例6は、第1中間層21においてTPS(SEBS)の配合比率が多くなり過ぎて凝集剥離するため、剥離形態で不良な評価結果になった。
この場合も同様に、容器Aの表面(第二接着面)となるシール層10に対して、蓋材Bの第一接着面となるポリエチレン層Asを易開封可能に密着させることができる。
さらに、本発明の実施形態では、カップ形に形成された紙製の容器Aの開口縁A1において表面となるポリエチレン層Asに対し、蓋材用シーラントフィルムCのシール層10を重ね合わせヒートシールして易開封性包装容器が作製される場合を説明したが、これに限定されず、カップ形以外の形状の容器にシール層10をヒートシールしても良い。
B 蓋材 C 蓋材用シーラントフィルム
10 シール層 11 密着部
20 中間層 21 第1中間層
21a 剥離面 22 第2中間層
23 ラミネート層
Claims (4)
- 容器又は蓋材のいずれか一方の第一接着面となるポリエチレン層に対し、蓋材又は容器の他方の第二接着面となるシール層を易開封可能に密着させる蓋材用シーラントフィルムであって、
前記ポリエチレン層にヒートシールして密着される密着部を有るシール層と、
前記シール層及び前記蓋材の間に積層される中間層と、を備え、
前記シール層は、メルトフローレートが30〜75g/10minで且つ厚みが5〜10μmの低密度ポリエチレンで形成され、
前記中間層は、前記ポリエチレン層に対する前記密着部の接着強度よりも前記シール層との接着強度が低くなるようにポリスチレンとスチレン系エラストマーとポリプロピレンの混合物で形成され、前記密着部と対向して積層された剥離面を有することを特徴とする蓋材用シーラントフィルム。 - 前記中間層が、前記剥離面が形成される第1中間層と、前記第1中間層及び前記第二接着面の間に積層される第2中間層と、を有し、前記第2中間層を、前記シール層に対する前記第1中間層の接着強度よりも前記第1中間層との接着強度が高くなるようにメタロセン系ポリプロピレンとメタロセン系低密度ポリエチレンの混合物で形成することを特徴とする請求項1記載の蓋材用シーラントフィルム。
- 前記中間層が、前記第2中間層と紙製の前記第二接着面との間に積層されるラミネート層を有し、前記第1中間層と前記第2中間層と前記ラミネート層を積層した三層構造体であることを特徴とする請求項1又は2記載の蓋材用シーラントフィルム。
- 請求項1、2又は3記載の蓋材用シーラントフィルムで前記蓋材が前記容器の開口縁に密封されることを特徴とする易開封性包装容器。
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