JP2016144260A - モーター制御装置および画像形成装置 - Google Patents

モーター制御装置および画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】モーターの駆動の間欠的な繰り返しにも、多様な負荷変動にもかかわらず、そのモーターの昇温量の推定精度を向上させることが可能なモーター制御装置を提供する。
【解決手段】制御部(311)はエンコーダー(340)を通してモーター(330)の回転数の実測値(Nms)を監視して、駆動回路(320)に指示すべき電圧指令(DTY)の算定に利用する。推測部(331)は、その電圧指令の表すデューティー値からモーターの電力損失の推測値(PLS)を算定する。LPF(332)はモーターの熱モデルを表す1次遅れシステムであり、電力損失の推測値を積分してそのモーターの昇温量の推定値(TRS)を算定する。この推定値が閾値を超えたとき、通知部(313)は主制御部(60)へ動作モードの切換要求(RQS)を送信する。
【選択図】図3

Description

本発明はモーターの制御技術に関し、特に画像形成装置に利用されるものに関する。
レーザープリンター等、電子写真方式の画像形成装置は様々な可動部材の駆動にモーターを利用する。たとえば、搬送ローラー群を回転させてシートを装置内で搬送する。感光体ドラムを回転させてその外周面に、帯電、露光、現像、転写、およびクリーニング等の画像形成プロセスの各工程を順番に施す。現像ローラーを回転させてその外周面にトナーを吸着させ、それらのトナーを感光体ドラムへ付着させる。中間転写ベルトを回転させてその表面に感光体ドラムからトナー像を転写させ、そのトナー像をシートへ転写させる。
近年の画像形成装置については、モーターから駆動回路、特に制御回路(具体的にはプリドライブIC)を分離して装置本体の制御回路と統合する技術が開発されている。この技術はモーターを過熱から次のように保護する。
制御回路はモーターからの分離に伴い、そのモーターの実際の昇温量(周囲との温度差)を検出することができない。制御回路はまたそのモーターの電流量も、センサーを新設しない限り検出することができない。したがって、従来の構成のままでモーターを過熱から保護する目的で、制御回路はそのモーターの入力値からその昇温量を推定する。たとえば特許文献1に開示された制御回路は、パルス幅変調(PWM)制御におけるデューティー値(すなわち、モーターに入力するパルス電流またはパルス電圧のパルス幅が1周期に占める割合)が閾値を超えた回数から、モーターの昇温量を推定する。特許文献2に開示された制御回路はモーターの電流量からその発熱量を推定する。昇温量または発熱量の推定値からモーターの過熱の危険性を検知した場合、制御回路はそのモーターの回転数を下げ、または駆動間隔を空ける。それと共に、装置本体の制御回路と連携して、そのモーターの駆動対象の動作タイミングに他の可動部材の動作タイミングを整合させる。これにより制御回路は、そのモーターを過熱させることなく、装置にジョブを続行させる。
このようにこの技術は、一般的な制御回路に組み込まれた過熱保護回路とは異なり、モーターから過熱の危険性を検知したときにもそのモーターへの通電を強制的に遮断することはしない。したがって、そのモーターが急制動を受けないので、搬送ローラー、感光体ドラム等、駆動対象の可動部材が突然停止することはない。こうして、過熱保護動作に起因するシートの紙詰まり(ジャム)および感光体ドラム等の表面の損傷が防止される。
特開2008−012850号公報 特開2003−079186号公報
画像形成装置本体の制御回路にモーターの制御回路を統合する技術において、モーターを過熱から保護する機能の信頼性を更に向上させるには、モーターの昇温量の推定精度を更に向上させねばならない。しかし、これは以下の理由により容易ではない。
たとえば、特許文献1に開示された技術のように、PWM制御におけるデューティー値が閾値を超えた回数からモーターの昇温量を推定する技術では、そのモーターの停止期間中での放熱量と、動作の再開時におけるそのモーターの蓄熱量とがいずれも考慮されていない。したがって、複数のジョブが間欠的に処理される場合、それらのジョブの処理期間の全体にわたってモーターの昇温量を正確に推定することが難しい。
一方、特許文献2に開示された技術のように、モーターの電流量と発熱量との関係を予めテーブル化して昇温量の推定に利用する技術では、テーブル化可能な負荷変動の種類に限りがあるので、あらゆる負荷変動に対応しきることが難しい。
本発明の目的は上記の課題を解決することであり、特に、モーターの駆動の間欠的な繰り返しにも、多様な負荷変動にもかかわらず、そのモーターの昇温量の推定精度を向上させることが可能なモーター制御装置を提供することにある。
本発明の1つの観点におけるモーター制御装置は、システムに搭載されたモーターの出力値と、そのシステムの動作モードに応じた目標値とに基づいて、そのモーターの入力値を算定してそのモーターの駆動回路に指示するためのモーター制御装置であり、モーターの熱モデルを利用してそのモーターの入力値からそのモーターの昇温量を推定する推定部と、その推定部による推定値を閾値と比較し、その推定値がその閾値を超えた場合にシステムへ動作モードの切換要求を送信する通知部とを備えている。
このモーター制御装置は、モーターの出力値としてそのモーターの回転速度を検出する検出部と、その検出部が検出したモーターの回転速度の実測値とシステムの動作モードに応じたそのモーターの回転速度の目標値との差に基づいて、そのモーターの駆動回路からそのモーターへ入力すべきパルスの幅をそのモーターの入力値として算定する速度制御部とを更に備えてもよい。この場合、推定部は、速度制御部の算定したパルス幅からモーターの電力損失を推測する推測部と、モーターの熱モデルを利用して推測部によるモーターの電力損失の推測値を積分することによりそのモーターの昇温量を推定するローパスフィルター(LPF)とを含んでもよい。それとは別に、推定部は、モーターの熱モデルを利用して、速度制御部の算定したパルス幅を積分することによりそのモーターの昇温量を推定するLPFを含んでもよい。
推定部が推定値を更新する周期は、モーターの入力値が更新される周期よりも長くてもよい。また、推定部はモーターの熱モデルとして発熱時用と放熱時用との2種類を含み、モーターの出力値または入力値がそのモーターの駆動を示す間は発熱時用を利用し、そのモーターの停止を示す間は放熱時用を利用してもよい。その他に、システムの動作モードの中にはモーターの平均的な電力損失が異なるものが複数含まれており、通知部は、そのシステムへの動作モードの切換要求によってそのシステムに切り換えさせるべき動作モードの順序を、モーターの平均的な電力損失が段階的に低減するように設定してもよい。
本発明の1つの観点における画像形成装置は、シートを給送しながらそのシートに画像を形成する画像形成装置であり、ユーザーから受け付けたジョブに応じて動作モードを指定する主制御部と、シートの給送と画像の形成とに利用される複数のモーターと、各モーターへ電力を入力する駆動回路と、各モーターの出力値に基づいてそのモーターの入力値を算定してそのモーターの駆動回路へ指示する上記のモーター制御装置とを備えている。この画像形成装置は、モーター制御装置において通知部が動作モードの切換要求を主制御部へ送信することを特徴とする。
主制御部は通知部からの動作モードの切換要求に応じ、現時点で処理中のジョブが完了するまでの時間に合わせて、切り換えるべき動作モードを選択してもよく、シートの給送間隔が拡がるように、またはシートの給送速度が下がるように動作モードを切り換えてもよく、複数のモーターのうち、推定部による推定値が閾値を超えたモーターが待機し、またはそのモーターの平均的な駆動時間が短縮するように動作モードを切り換えてもよい。
この画像形成装置は、その少なくとも一部を冷却するためのファンを更に備えていてもよい。この場合、主制御部は通知部からの動作モードの切換要求に応じて、そのファンの回転速度が変わるように動作モードを切り換えてもよい。
本発明の1つの観点におけるモーター制御装置は上記のとおり、モーターの熱モデルを利用して、駆動回路へ指示するそのモーターの入力値からそのモーターの昇温量を推定する。この熱モデルにはモーターの蓄熱と放熱とが考慮されているので、推定部はそのモーターの停止期間中でも昇温量の推定値を計算可能である。また、モーターの入力値には駆動回路とそのモーターとの状態、および負荷の変動がフィードバックされている。これにより、この装置は、モーターの駆動の間欠的な繰り返しにも、多様な負荷変動にもかかわらず、そのモーターの昇温量の推定精度を向上させることができる。
本発明の実施形態1による画像形成装置の内部構造を示す正面図である。 図1の示す画像形成装置の含む制御系統のブロック図である。 図2の示す駆動部に共通する構成のブロック図である。 (a)は、PWM制御がモーターの回転数Nを2000rpmに保つときにおけるそのデューティー値とそのモーターの入力電力、出力電力、および電力損失との関係を示すグラフである。(b)は、そのモーターのトルク−電流特性を示すグラフである。(c)は、PWM制御がそのモーターの回転数Nを2000rpm、1000rpmに保つときにおけるそのモーターのトルク−デューティー値特性を示すグラフである。 (a)は、図3の示すLPFのブロック図であり、(b)は、そのLPFが入力する電力損失の推測値の経時的変化の一例を示すグラフであり、(c)は、(b)の示す推測値の変化に伴うLPFの出力、すなわちモーターの昇温量の推定値の経時的変化を示すグラフである。 (a)は、回転数N=2400rpm、1200rpm、600rpmの別にモーターのトルク−デューティー値特性を示すグラフであり、(b)、(c)、(d)は順に、PWM制御がそのモーターの回転数Nを2400rpm、1200rpm、600rpmに保つときにおけるそのデューティー値とそのモーターの入力電力PI、出力電力PO、および電力損失PLとの関係を示すグラフである。 図3の示す構成によるモーター制御のフローチャートである。 本発明の実施形態2によるLPFが入力に利用する、PWM制御におけるデューティー値とモーターの電力損失の近似値との関係を表すグラフである。 本発明の実施形態3によるLPFのブロック図である。 本発明の実施形態4によるモーター制御のフローチャートである。 本発明の実施形態5によるモーター制御のフローチャートである。 本発明の実施形態6によるモーター制御のフローチャートである。 (a)、(b)は、図12の示すステップS121のサブルーチンに対する2種類のフローチャートである。 本発明の実施形態7によるモーター制御のフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
《実施形態1》
[画像形成装置の内部構造]
図1は、本発明の実施形態1による画像形成装置100の内部構造を模式的に示す正面図である。この画像形成装置100はカラーレーザープリンターである。図1にはこのプリンター100の内部の要素が、あたかも筐体の前面を透かして見えているように描かれている。図1を参照するにプリンター100は、給送部10、作像部20、定着部30、および排紙部40を含む。これらの要素10−40がプリンター100の画像形成部を構成する。
−給送部−
給送部10は、給紙カセット11から作像部20までのシートの搬送路に沿って設置された搬送ローラー群12、13、14を回転させることにより、給紙カセット11からシートSHTを1枚ずつ作像部20へ給送する。「シート」とは、紙またはフィルム樹脂等の薄い膜状または板状の材料または物品をいう。給紙カセット11に収容可能なシートSHTの紙種は、普通紙、上質紙、カラー用紙、または塗工紙であり、サイズは、A3、A4、A5、またはB4である。搬送ローラー群の中で最も作像部20に近いタイミングローラー14はジョブの実行中でも一般には停止しており、後述の主制御部からの駆動信号に応じて回転する。その駆動信号が示すタイミングでタイミングローラー14はシートSH2を作像部20へ送り出す。
−作像部−
作像部20は、給送部10から送られたシートSH2の上にトナー像を形成する。
具体的には、4つの作像ユニット21Y、21M、21C、21Kのそれぞれがまず、感光体ドラム25Y、25M、25C、25Kを回転させながらその表面を帯電器26に対向させる。これにより、その対向した部分が均一に帯電する。
各作像ユニット21Y、…は次に感光体ドラム25Y、…の帯電部分に露光部27からのレーザー光を照射する。露光部27はポリゴンミラー271をモーター272で回転させることによってレーザー光で各感光体ドラム25Y、…の表面を走査する。このとき、露光部27は更にレーザー光量を、画像データが表すイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の階調値に基づいて変調する。これにより、感光体ドラム25Y、…の表面には各色の画像を表す静電潜像が生じる。
各作像ユニット21Y、…は続いて、現像ローラー28を回転させることにより、その表面をY、M、C、Kの各色のトナーで覆った上で感光体ドラム25Y、…の表面に接触させる。これにより、感光体ドラム25Y、…の表面上の静電潜像が各色のトナーで現像される。こうして、画像データの表す4色の画像が4つの感光体ドラム25Y、…の各表面に1色ずつのトナー像として再現される。
作像部20は、1次転写ローラー22Y、22M、22C、22Kと駆動ローラー23L、23Rとを回転させることによって中間転写ベルト23を回転させて、その表面を4つの感光体ドラム25Y、…に接触させる。このとき、感光体ドラム25Y、…の表面上の4色のトナー像は1次転写ローラー22Y、…と感光体ドラム25Y、…との間の電界により、感光体ドラム25Y、…の表面から順番に中間転写ベルト23の表面の同じ位置へ重ねて転写される。その結果、その位置に1つのカラートナー像が構成される。
作像部20は更に駆動ローラー23Rに合わせて2次転写ローラー24を回転させることによって中間転写ベルト23の表面を、給送部10から両者23R、24の間のニップへ通紙されたシートSH2に接触させる。このとき、中間転写ベルト23上のカラートナー像は中間転写ベルト23と2次転写ローラー24との間の電界により、そのシートSH2の表面へ転写される。その後、作像部20は2次転写ローラー24の回転により、そのシートSH2を定着部30へ送り出す。
作像部20はまたドラムクリーナー29とベルトクリーナー23Cとを使って感光体ドラム25Y、…と中間転写ベルト23との各表面から、転写後にも残存するトナーを除去する。ドラムクリーナー29は、1次転写ローラー22Y、…と帯電器26との間に設置されたブレードまたはブラシであり、中間転写ベルト23に接触した直後の感光体ドラム25の表面部分に接触してその部分からトナーを掻き取る。ベルトクリーナー23Cは、中間転写ベルト23の回転方向において4つの作像ユニット21Y、…よりも上流側に設置されたブレードまたはブラシであり、2次転写ローラー24に接触した後の中間転写ベルト23の表面部分に接触してその部分からトナーを掻き取る。
−定着部−
定着部30は、作像部20から送り出されたシートSH2の上にトナー像を熱定着させる。具体的には、定着部30は定着ローラー31と加圧ローラー32とを回転させながら両者の間のニップにそのシートSH2を通紙する。このとき、定着ローラー31はそのシートSH2の表面へ内蔵のヒーターの熱を加え、加圧ローラー32はそのシートSH2の加熱部分に対して圧力を加えて定着ローラー31へ押し付ける。定着ローラー31からの熱と加圧ローラー32からの圧力とにより、トナー像がそのシートSH2の表面に定着する。定着部30は更に定着ローラー31と加圧ローラー32との回転により、そのシートSH2を排紙部40へ送り出す。
−排紙部−
排紙部40は、トナー像が定着したシートSH3をプリンター100の筐体の外へ排紙する。具体的には、まずシートSH3が定着部30の上部からガイド板41に沿って、プリンター100の筐体に開けられた排紙口42へ向かって移動してくる。このとき排紙部40は、排紙口42の内側に配置された排紙ローラー43を回転させ、その周面でそのシートSH3を排紙口42の外へ送り出す。これによりこのシートSH3は、プリンター100の上面の含む排紙トレイ44に収容される。
[画像形成装置の電子制御系統]
図2は、プリンター100の電子制御系統の構成を示すブロック図である。図2を参照するに、この電子制御系統では、画像形成部10−40に加えて操作部50と主制御部60とがバス90を通して互いに通信可能に接続されている。
−操作部−
操作部50はユーザーの操作または外部の電子機器との通信を通してジョブの要求と、画像等、処理対象のデータとを受け付けてそれらを主制御部60へ伝える。図2を参照するに操作部50は、操作パネル51、メモリーインタフェース(I/F)52、およびネットワーク(LAN)I/F53を含む。操作パネル51は、押しボタン、タッチパネル、およびディスプレイを含む。操作パネル51は、操作画面および各種パラメーターの入力画面等のGUI画面をディスプレイに表示する。操作パネル51はまた、ユーザーが操作した押しボタンまたはタッチパネルの位置を識別し、その識別に関する情報を操作情報として主制御部60へ伝える。メモリーI/F52はUSBポートまたはメモリーカードスロットを含み、それらを通してUSBメモリーまたはハードディスクドライブ(HDD)等の外付けの記憶装置から直に処理対象のデータを取り込む。LAN・I/F53は外部のネットワークNTWに有線または無線で接続され、そのネットワークNTWに接続された他の電子機器から処理対象のデータを受信する。
−主制御部−
主制御部60は1枚の基板の上に実装された電子回路であり、その基板はプリンター100の内部に設置されている。図2を参照するに主制御部60は、CPU61、RAM62、およびROM63を含む。CPU61はファームウェアに従って、バス90に接続された他の要素10、20、…を制御する。RAM62は、CPU61がファームウェアを実行する際の作業領域をCPU61に提供すると共に、操作部50が受け付けた処理対象のデータを保存する。ROM63は書き込み不可の半導体メモリー装置と、EEPROM等の書き換え可能な半導体メモリー装置またはHDDとを含む。前者はファームウェアを格納し、後者はCPU61に環境変数等の保存領域を提供する。
CPU61が各種ファームウェアを実行することにより、主制御部60は操作部50からの操作情報に基づき、まずプリンター100内の他の要素を制御する。具体的には、主制御部60は操作部50に操作画面を表示させてユーザーによる操作を受け付けさせる。この操作に応じて主制御部60は、稼動モード、待機モード、スリープモード等の動作モードを決定し、その動作モードを他の要素へ駆動信号で通知して、その動作モードに応じた処理を各要素に実行させる。
たとえば操作部50がユーザーから印刷ジョブを受け付けたとき、主制御部60はまず操作部50に印刷対象の画像データをRAM62へ転送させる。主制御部60は次に、そのジョブの示す印刷条件に従って、給送部10には給送すべきシートの種類とその給送のタイミングとを指定し、作像部20には形成すべきトナー像を表す画像データを提供し、定着部30には、維持すべき定着ローラー31の表面温度を指定する。
[モーターの制御系統]
図2を更に参照するに、画像形成部の各要素10、20、30、40は、それぞれが利用する可動部材、たとえば、搬送ローラー群12−14、中間転写ベルト23、感光体ドラム25Y、…、現像ローラー28、定着ローラー31、排紙ローラー43を駆動するモーターを制御するための駆動部10D、20D、30D、40Dを含む。
図3は、駆動部10D−40Dに共通する構成300のブロック図である。図3を参照するにこの構成300は、モーター制御装置310、駆動回路320、モーター330、およびエンコーダー340を含む。この構成300のうち、モーター制御装置310以外の要素320、330、340はモーター1台あたりに1組ずつ設けられている。
モーター制御装置310は、特定用途向け集積回路(ASIC)またはプログラム可能な集積回路(FPGA)等、1枚の基板の上に実装された電子回路であり、その基板はプリンター100の内部に設置されている。モーター制御装置310は、図2の示すバス90を通して主制御部60または他の駆動部10D、…、40Dのモーター制御装置と通信する。好ましくはモーター制御装置310は主制御部60と同じ基板に統合されている。モーター制御装置310はモーター330の目標の回転数(「回転速度」と同義である。)と実際の回転数とに基づいて、そのモーター330に対して印加すべき電圧の平均値を算定する。モーター制御装置310は更にこの値に基づいて駆動回路320に対するPWM制御を行う。
駆動回路320はパワートランジスタ(FET)等のスイッチング素子で構成されたインバーターであり、プリンター100の電源部(図示されていない。)から出力される直流電圧を利用してモーター330に対してパルス電圧を印加する。駆動回路320は特にモーター制御装置310からの制御信号CTSに応じてスイッチング素子をオンオフさせてパルス電圧の幅を変更する。これにより、モーター330に対して印加される電圧の平均値が、モーター制御装置310の算定した値に一致する。
モーター330は直流ブラシレス(BLDC)モーターであり、一般に正逆両方向に回転可能である。エンコーダー340は光学式または磁気式であり、モーター330の本体に実装されている。エンコーダー340は、モーター330の実際の回転数に応じた周波数の交流信号FGPを生成してモーター制御装置310へ送出する。
図3を更に参照するに、モーター制御装置310は、制御部311、推定部312、および通知部313を含む。これらの機能部311−313は、ASIC、FPGA等の電子回路に専用のハードウェアとして組み込まれている。
−制御部−
制御部311はモーター330の出力値を利用して、駆動回路320に指示すべきモーター330の入力値を算定するためのフィードバック制御を行う。ここで、モーター330の出力値としては回転数が利用され、入力値としてはモーター330に対して印加すべき電圧の平均値が利用される。図3を参照するに、制御部311は、速度制御部321、PWM部322、および検出部323を含む。
速度制御部321は、モーター330の回転速度の実測値と目標値との差に基づいてモーター330の入力値を算定する。具体的には、速度制御部321はまず、主制御部60からの駆動信号DRVが示す動作モードに応じてモーター330の回転数の目標値Ntgを設定する。速度制御部321は次に、その目標値Ntgとモーター330の回転数の実測値Nmsとの差に基づいて電圧指令DTYを算定する。電圧指令DTYは、モーター330に対して印加すべき電圧の平均値をPWM制御におけるデューティー値で表す。すなわち、電圧指令DTYの表すデューティー値dは、モーター330に対して印加されるパルス電圧を1周期あたりで平均した値Vavの電源電圧Vccに対する割合に等しい:d=Vav/Vcc。
PWM部322は、速度制御部321の算定したモーター330の入力値に基づいて駆動回路320に対するPWM制御を行う。具体的には、PWM部322は駆動回路320に制御信号CTSを送り、スイッチング素子のオンオフのタイミングを指示する。これによりPWM部322は駆動回路320に、モーター330に対して印加するパルス電圧のデューティー値、すなわち1周期に対する割合で表されたパルス幅を、電圧指令DTYの表す値dに一致させる。
検出部323はエンコーダー340の出力信号FGPを監視して、その周波数からモーター330の回転数を実測する。得られた実測値Nmsは速度制御部321へフィードバックされて電圧指令DTYの算定に利用される。
−推定部−
推定部312はモーター330の熱モデルを利用して、制御部311が駆動回路320に指示するそのモーター330の入力値からそのモーター330の昇温量を推定する。モーターの「昇温量」とは、そのモーターのコイルの温度またはその駆動回路のスイッチング素子の温度と、そのモーターまたは駆動回路の周囲の空気温度、すなわち周囲温度との差をいう。
図3を参照するに、推定部312は推測部331とローパスフィルター(LPF)332とを含む。推測部331は、電圧指令DTYの表すデューティー値からモーター330の電力損失を推測する。得られた推測値PLSはLPF332へ入力される。デューティー値が“0”であること、または主制御部60からの駆動信号DRVからモーター330の停止を検知した場合、推測部331は推測値PLSを“0”に設定する。LPF332はデジタルフィルター、特に無限インパルス応答(IIR)フィルターで構成された1次遅れシステムであり、モーター330の熱モデルを表現している。モーターの「熱モデル」とは、熱容量、熱抵抗等、そのモーターと環境との間での熱交換を特徴付けるパラメーターを用いてその熱交換に伴うそのモーターの温度変化を数式化したものをいう。LPF332は次に、その熱モデルを利用して推測部331によるモーター330の電力損失の推測値PLSを積分することにより、そのモーター330の昇温量を推定する。得られた推定値TRSは通知部313へ渡される。
−通知部−
通知部313は、推定部312からモーター330の昇温量の推定値TRSを受け取る度にその値TRSを閾値と比較する。この閾値は次の条件を満たす。「モーター330の周囲温度が許容上限に保たれている環境下においても、モーター330の昇温量がこの閾値以下であれば、モーター330はコイルまたは駆動回路320のスイッチング素子を焼損することなく安全に使用可能である。」すなわち、この閾値は、モーター330が真に過熱状態に陥るときの昇温量(以下、「昇温量の上限」という。)よりも十分に小さく設定されている。特にこの閾値と上限との差、すなわち余裕量は推定値TRSの標準的な誤差よりも十分に大きく確保されている。また、モーター330および駆動回路320が過熱状態に陥る温度はそれらの周囲温度に依らず一定であると見なせる一方、多くの場合に周囲温度はその許容上限よりも十分に低い。したがって、多くの場合、昇温量の上限はこの閾値の設定時に想定された値よりも更に大きい。それ故、昇温量の推定値TRSがこの閾値以下に保たれている限り、実際の昇温量が上限に達する危険性、すなわちモーター330が過熱状態に陥る危険性はない。仮に推定値TRSがこの閾値を超えたとしても、その時点ではまだモーター330の昇温量には上限との間に余裕があると見なせる。
昇温量の推定値TRSがこの閾値を超えたとき、通知部313は主制御部60のCPU61へ動作モードの切換要求RQSを送信する。これにより、通知部313は主制御部60に、モーター330が過熱するよりも前に動作モードを切り換えさせて、その過熱を未然に防ぐことができる。
[デューティー値からのモーターの電力損失の推測]
推測部331は、電圧指令DTYの表すデューティー値dを次の2次方程式(1)に代入することにより、モーター330の電力損失の推測値PLを算定する:
Figure 2016144260
ここで、定数Vccは電源電圧を表し、定数Ktはモーター330のトルク定数を表す。パラメーターNはモーター330の回転数を表す。パラメーターA[N]、d[N]は一般に回転数Nの関数であり、モーター330のトルク−デューティー値特性を表す。
トルク定数KtとパラメーターA[N]、d[N]とは、モーター330の設計値から算定され、または実験によって決められている。したがって、式(1)の係数c2[N]、c1[N]、c0[N]は、モーター330の回転数Nが決まれば算定可能である。推測部331はこれらの係数c2[N]、…を、速度制御部321の設定した回転数の目標値Ntgから算定する。
−式(1)の導出−
図4の(a)は、PWM制御がモーター330の回転数Nを2000rpmに保つときにおけるデューティー値dとモーター330の入力電力PI、出力電力PO、および電力損失PLとの関係を示すグラフである。図4の(a)を参照するに、入力電力PIはデューティー値dの2次曲線で表され、出力電力POは1次曲線、すなわち直線で表される。したがって、両者の差である電力損失PLはデューティー値dの2次曲線で表される。入力電力PIと出力電力POとがこのような関数形であることは以下のように説明される。
図4の(b)は、モーター330のトルク−電流特性を示すグラフである。図4の(b)を参照するに、この特性は原点を通る直線で表される。これはモーター330がDCモーターであることに起因する。DCモーターでは一般に、トルクTrqがコイルまたは駆動回路のスイッチング素子(以下、「コイル等」と略す。)の電流量Iに比例する:Trq=Kt×I。この比例係数Ktはモーター330のトルク定数Ktである。図4の(b)の示す直線の傾きはこの比例係数Ktの逆数に等しいので、モーター330の回転数Nには依らない。
図4の(c)は、PWM制御がモーター330の回転数Nを2000rpm、1000rpmに保つときにおけるモーター330のデューティー値−トルク特性を示すグラフである。図4の(c)を参照するにこれらの特性は直線で表される。これはモーター330がDCモーターであることに起因する。DCモーターでは一般に、回転数Nがコイル等の受ける電圧Vとそのコイル等の抵抗Rによる電圧降下量IRとの差に比例する:N=Ki(V−IR)。この比例係数Kiはモーター330の誘起電圧定数の逆比である。一方、駆動回路320がモーター330に対してパルス電圧をデューティー値dで印加するときにモーター330がそのパルス電圧の1周期、すなわちPWM周期あたりに受ける平均電圧Vavは、電源電圧Vccとデューティー値dとの積に等しい:Vav=Vcc×d。電流量IはトルクTrqに比例するので、デューティー値dとトルクTrqとは次の1次方程式(2)を満たす:
Figure 2016144260
ここで、係数A、d[N]は上記のパラメーターA[N]、d[N]に等しい。このように、モーター330がDCモーターである場合、デューティー値d−トルクTrq特性は直線で表され、その直線の傾きと切片とをパラメーターA[N]、d[N]は表す。特に傾きA[N]は回転数Nに依らないが、切片d[N]は回転数Nに比例する。
モーター330の入力電力PIは平均電圧Vavと電流量Iとの積に等しい:PI=Vav×I。平均電圧Vavはデューティー値dに比例し、電流量IはトルクTrqに比例し、トルクTrqは式(2)からデューティー値dの1次式で表される:Trq=(d−d[N])/A。したがって、入力電力PIはデューティー値dの2次式(3)で表される:
Figure 2016144260
モーター330の出力電力POは負荷に対する仕事率に等しいので、回転数NとトルクTrqとの積に比例する:PO=2πN×Trq。トルクTrqは式(2)からデューティー値dの1次式で表される:Trq=(d−d[N])/A。したがって、出力電力POはデューティー値dの1次式(4)で表される:
Figure 2016144260
式(3)、(4)の差から電力損失PL=PI−POの表式(1)は導かれる。
パラメーターA、d[N]は式(2)のとおり、モーター330に固有の定数Kt、Ki、およびコイル等の抵抗Rで決まる。したがって、それらの値は、モーター330の設計値から算定され、または実験によって決定され、推測部331と共にASICまたはFPGA等の電子回路に組み込まれたメモリーに記憶されている。ここで、回転数Nに依存するパラメーターd[N]はモーター330の回転数に比例するので、メモリーにはその値がモーター330の回転数ごとに保存されている。
[LPFによるモーターの昇温量の推定原理]
−LPFの構成−
図5の(a)はLPF332のブロック図である。図5の(a)を参照するに、LPF332は入力端子501と出力端子502との間に、3つの乗算器510、511、521、2つの遅延器531、532、および2つの加算器541、542を含む。
入力端子501は推測部331から一定の周期Tsでモーター330の電力損失の推測値PL[i](整数i=0、1、2、…。)をサンプリングする。すなわち、(i+1)番目のサンプルPL[i]は、サンプリングの開始から周期Tsのi倍の時間iTsが経過した時点での電力損失の推測値を表す。
出力端子502は同じ周期Tsでモーター330の昇温量の推定値、すなわちそのコイル等の温度の推定値Tm[i]と周囲温度Taとの差Tr[i]=Tm[i]−Taを通知部313へ送出する。すなわち、(i+1)番目の推定値Tr[i]は、最初の推定値Tr[0]の出力から周期Tsのi倍の時間iTsが経過した時点で出力される。
第1乗算器510は入力端子501からサンプルPL[i]を受信する度に、それに第1フィルター係数a0を乗算して第2加算器542へ渡す。第1遅延器531は入力端子501からサンプルPL[i]を受信する度に、それをサンプリング周期=1Tsの間保持して第2乗算器511へ渡す。第2乗算器511は第1遅延器531から1周期1Ts前のサンプルPL[i−1]を受信する度に、それに第2フィルター係数a1を乗算して第1加算器541へ渡す。
第2遅延器532は出力端子502から昇温量の推定値Tr[i]を受信する度に、それを1周期1Tsの間保持して第3乗算器521へ渡す。第3乗算器521は第2遅延器532から1周期1Ts前の推定値Tr[i−1]を受信する度に、それに第3フィルター係数b1を乗算して第1加算器541へ渡す。
第1加算器541は第2乗算器511の出力a1×PL[i−1]と第3乗算器521の出力b1×Tr[i−1]との和を求めて第2加算器542へ渡す。第2加算器542はその和a1×PL[i−1]+b1×Tr[i−1]と第1乗算器511の出力a0×PL[i]との和を求めて推測値PL[i]として出力端子502へ渡す。
以上の構成によりLPF332は、サンプリングの開始から周期Tsのi倍の時間iTsが経過したときの昇温量の推定値Tr[i]をサンプル群、すなわち電力損失の推測値PL[・]から次式(5)で算定する:
Figure 2016144260
この式(5)はモーター330の熱モデルの離散的な表現である。3つのフィルター係数a0、a1、b1はモーター330のコイル等の熱容量と熱抵抗とで表される数値であり、特にモーター330の熱応答の速度(時定数の逆比)で決まる。これらの値は予め実験またはシミュレーションによって決定され、LPF332と共にASICまたはFPGA等の電子回路に組み込まれたメモリーに記憶されている。
熱モデル(5)による再帰演算をサンプリング周期Tsで繰り返すことにより、LPF332は電力損失の推測値PL[i]の総和をフィルター係数a0、a1、b1による重み付きで求める。この総和が電力損失PLの積分に相当し、昇温量の推定値Trを表す。
−式(5)の導出−
モーター330の駆動時、コイル等からの発熱量は電力損失PL、すなわち入力電力PIから、負荷へのトルクの伝達によって失われた仕事量POを除いた残り全部のエネルギーに等しいと見なせる。この発熱量PLのうち、一部はモーター330のコイル等に蓄積されてそれらを昇温させる一方、残りは周囲へ散逸する。モーター330の蓄熱量はコイル等の熱容量Chとその温度Tmの時間tによる微分との積で表され、モーター330の放熱量はコイル等の熱抵抗Rhに対するその温度Tmと周囲温度Taとの差Tr=Tm−Taの比で表される。したがって、モーター330の熱モデルは次式(6)で表される:
Figure 2016144260
一方、昇温量の推定値Trのサンプリング周期1Tsにおける変化をその時間微分dTr/dtの積分で表し、さらにその積分を離散的な数値の和で近似すると、次式(7)が得られる:
Figure 2016144260
式(6)、(7)から式(5)が次のように導かれる。特に、時刻t=iTsでの変数Tr、PLの値をi番目のサンプルTr[i]、PL[i]と同一視すると、フィルター係数a0、a1、b1が次式(8)で表される:
Figure 2016144260
角周波数ωAはモーター330のコイル等の熱抵抗Rhと熱容量Chとの積の逆比、すなわちモーター330の熱モデルの時定数τA=RhChの逆比で定義され、モーター330の熱応答の速度を表す。さらに、この角周波数ωAから式(8)によりLPF332の遮断角周波数ωD、すなわちLPF332の時定数τD=1/ωDが決まる。
−LPFによる推定の効果−
熱モデル(5)には式(6)が示すとおり、モーター330の蓄熱と放熱とが考慮されている。したがって、LPF332はモーター330の停止期間においても、その蓄熱量が放熱に伴って停止前の値からどのように減少するかを推定することができる。
図5の(b)は、LPF332が入力する電力損失の推測値PLの経時的変化の一例を示すグラフである。図5の(b)を参照するに、モーター330が起動時刻t0から停止期間BRTを挟んで連続動作を2回繰り返すのに伴い、推測部331は起動時刻t0以降でのモーター330の電力損失PLを次のように推測する。最初の動作期間DR1と次の動作期間DR2とではいずれもモーター330が回転数を同じ目標値に保つのに伴って電力損失PLが同じ値PLTに維持される。一方、それらの間に挟まれた停止期間BRTではモーター330が回転を止めるので電力損失PLが“0”に維持される。
図5の(c)は、図5の(b)の示す推測値PLの変化に伴うLPF332の出力、すなわちモーター330の昇温量の推定値Trの経時的変化を示すグラフである。図5の(c)を参照するに、実線のグラフGr1が示すとおり、LPF332による推定値Trは次のように変化する。最初の動作期間DR1ではモーター330が電力損失PL、すなわち発熱量を一定値PLTに保つので、起動時刻t0から最初の動作期間DR1の終了時刻t1にかけて昇温量の推定値Trは初期値“0”からピーク値Tr1まで上昇する。この変化は、モーター330の(コイル等の)温度Tmが周囲温度Taから高さTr1上昇することを表す。停止期間BRTではモーター330が電力を損失せず、すなわち発熱しないので、その放熱に伴って昇温量の推定値Trはピーク値Tr1から極小値Tr2まで下降する。この変化は、モーター330の温度Tmが最初の動作期間DR1の終了時刻t1での温度Ta+Tr1から高さTr1−Tr2下降することを表す。次の動作期間DR2ではモーター330が電力損失PLを再び一定値PLTに保つので、次の動作期間DR2の開始時刻t2以降昇温量の推定値Trは極小値Tr2から再び上昇する。この変化は、モーター330の温度Tmが停止期間BRTの終了時刻t2での温度Ta+Tr2から上昇することを表す。
このように、図5の(c)に実線のグラフGR1で示される昇温量の推定値Trには次の2つの事項が反映している。1.モーター330の停止期間BRTでは放熱に伴ってモーター330の温度Tmが下降する。2.動作の再開時t2、モーター330に残存する蓄熱量に起因してモーター330の温度Tmと周囲温度Taとの間に差Tr2が生じる。
一方、図5の(c)には、2回目の動作期間DR2の開始時刻t2に昇温量の推定値Trを“0”に初期化した場合における推定値Trのその後の経時的変化が破線のグラフGR2で示されている。このグラフGR2が示すとおり、推定値Trは2回目の動作期間DR2においても最初の動作期間DR2と同じ変化を示す。特に、破線のグラフGR2の示す推定値は実線のグラフGR1の示す値よりも低い。このことから、昇温量の推定に上記2つの事項1、2を反映させることにより、モーター330の過熱の危険性をより早く、すなわちより正確に検知できることがわかる。
図5の(b)には示されていないが、実際には、モーター330が回転数を一定に保つ場合においてもその電力損失の推測値PLは変動成分を含む。これは、負荷変動に抗して回転数を一定に保つためにモーター330が消費する電力の変動を表す。この変動は制御部311により、電圧指令DTYの示すデューティー値dの変動にフィードバックされるので、その変動を通して電力損失の推測値PLに動的に反映し、さらに、LPF332によるモーター330の昇温量の推定値Trにも動的に反映する。
こうして、モーター330の負荷がどのように変動したとしても、LPF332によるモーター330の昇温量の推定値Trにはその変動が動的に反映するので、その推定値Trの精度を負荷変動にかかわらず高く維持することができる。
[モーターの昇温量の推定頻度]
モーター330の温度変化は、駆動回路320がモーター330に対して印加するパルス電圧の変化よりも十分に遅い。実際、パルス電圧の周期すなわちPWM周期は一般に、1/(可聴周波数の上限)≒1/二十数kHz≒10-5秒以下であるので、モーター330の熱モデル(6)の時定数τAすなわち角周波数ωAの逆数に対して無視できるほど短い。
したがって、推測部331は電圧指令DTYの表すデューティー値を所定時間ごとに平均して電力損失PLの推測に利用する。具体的には、推測部331はまず電圧指令DTYからデューティー値を、PWM周期の整数倍に等しい周期で、好ましくは制御部311がデューティー値を更新する周期(PWM周期の数倍〜十数倍)の整数倍に等しい周期でサンプリングする。推測部331は次に、デューティー値のサンプルを2以上の所定数蓄積する度にそれらを平均し、得られた平均値からモーター330の電力損失を推測する。
こうして、推測部331は複数のデューティー値の平均値を電力損失PLの推測に利用することにより、その推測に必要な計算量を抑えることができる。また、デューティー値の平均値はデューティー値そのものよりもばらつきが小さいので、電力損失の推測誤差を低減することもできる。
ただし、推測部331はデューティー値のサンプリング周期をモーター330の負荷変動の周期とは一致しないように調整して、負荷変動に伴う推測精度の低下を防ぐ。具体的には、推測部331はまずデューティー値のサンプリング周波数の初期値を、想定される負荷変動の周波数帯域よりも十分に高い値に設定する。この周波数帯域は、搬送ローラー等、モーター330が駆動すべき可動部材、およびモーター330からその可動部材へ駆動力を伝達するギア、ベルト等の機構の機械的特性から実験またはシミュレーションを利用して予測される。推測部331は次に、その初期値の周波数に応じた周期でサンプリングされたデューティー値の変動から実際の負荷変動の周期を検出し、検出された値およびその整数倍のいずれからも十分に離れているようにデューティー値のサンプリング周期を調整する。
[動作モードの切り換えによるモーターの過熱からの保護]
モーター330の昇温量の推定値TRSが閾値を超えたとき、モーター330はまだ過熱状態にこそ陥ってはいないものの、その危険性は生じていると見なせる。このとき、通知部313は主制御部60のCPU61へ動作モードの切換要求RQSを送信して、モーター330の過熱を未然に防ぐことができるように動作モードを切り換えさせる。具体的には動作モードを、モーター330が回転数をより低く保つものへ移行させる。これは以下の理由による。
図6の(a)は、回転数N=2400rpm、1200rpm、600rpmの別にモーター330のトルク−デューティー値特性を示すグラフである。図6の(a)を参照するに、これらの特性は直線で表される。これは、図4の(c)と同様にモーター330がDCモーターであることに起因する。特に式(2)が示すとおり、これらの直線の傾きAは回転数Nに依らないが、切片d[N]は回転数Nに比例する。
プリンター100におけるモーター330の利用では一般に、モーター330が負荷に対して加えるべきトルクはその回転数に依らず一定である。したがって、図6の(a)が示すように、回転数Nが高いほどデューティー値dが高い。たとえばトルクTrq=40mNmに対し、回転数N=2400rpm、1200rpm、600rpmの順にデューティー値d≒82%、52%、38%である。
図6の(b)、(c)、(d)は順に、PWM制御がモーター330の回転数Nを2400rpm、1200rpm、600rpmに保つときにおけるそのデューティー値dとモーター330の入力電力PI、出力電力PO、および電力損失PLとの関係を示すグラフである。図6の(b)、(c)、(d)を順に参照するに、デューティー値d=82%、52%、38%に対しては電力損失PL≒6.4W、5.4W、5.0Wである。
このように、プリンター100におけるモーター330の利用では、モーター330の回転数Nが高いほどその電力損失PLが高いのでその発熱量も大きい。それ故、その発熱量を削減するにはモーター330の回転数Nを下げればよい。
モーター330の昇温量が閾値を超えた時点でその回転数Nを下げた場合、その発熱量の減少に伴ってその昇温速度が低下もしくは停滞し、または降温に転じる。したがって、モーター330が回転数をより低く保つ動作モードほど、モーター330の昇温量が閾値以下に留まる時間が長い。
モーター330の昇温量の推定値が閾値を超えたとき、通知部313は動作モードの切換要求により、モーター330が回転数をより低く保つ動作モードへの移行を主制御部60に要求する。この移行に伴ってモーター330の発熱量が減少するので、移行後の動作モードでは移行前のものよりも、昇温量が閾値以下に留まる時間が長い。したがって、プリンター100にモーター330を利用した動作を継続させることができる。
[モーター制御における処理の流れ]
図7は、図3の示す共通の構成300によるモーター制御のフローチャートである。この処理は、プリンター100の電源投入に応じて制御部311が制御対象のモーター330を起動させたときに開始される。
ステップS101では、制御部311は主制御部60から駆動信号DRVを受け、その信号DRVから動作モードを識別し、その動作モードに応じてモーター330の回転数の目標値Ntgを設定する。その後、処理はステップS102へ進む。
ステップS102では、制御部311はモーター330に対してPWM制御を行う。具体的には、速度制御部321が回転数の目標値Ntgと実測値Nmsとの間の差に基づいてデューティー値を算定し、電圧指令DTYとしてPWM部322へ入力する。その電圧指令DTYに応じてPWM部322は駆動回路320に制御信号CTSを送り、スイッチング素子のオンオフのタイミングを指示する。この制御信号CTSに応じて駆動回路320が、モーター330に流すパルス電流のデューティー値を電圧指令DTYの表す値に一致させる。検出部323はエンコーダー340の出力信号FGPの周波数からモーター330の回転数を実測し、その実測値Nmsを速度制御部321へフィードバックする。PWM制御におけるこれら一連の動作を制御部311は数回〜十数回繰り返す。好ましくは速度制御部321はデューティー値の更新を、制御部311がPWM制御を数回繰り返したときのみに制限する。その後、処理はステップS103へ進む。
ステップS103では、推測部331が、電圧指令DTYの表すデューティー値からモーター330の電力損失を推測する。具体的には、推測部331はそのデューティー値dを式(1)に代入して、モーター330の電力損失の推測値PLを算定する。特にデューティー値dが“0”であること等からモーター330の停止を検知した場合、推測部331は推測値PLを“0”に設定する。その後、処理はステップS104へ進む。
ステップS104では、LPF332がモーター330の熱モデル(5)を利用してモーター330の電力損失の推測値PLを積分することにより、そのモーター330の昇温量を推定する。具体的にはLPF332は、ステップS103で得られた推測値PLを用いてその熱モデル(5)による再帰演算を行い、その値PLをフィルター係数a0、a1、b1による重み付きの総和に加算する。LPF332は更にこの総和を昇温量の推定値Trとして通知部313へ渡す。その後、処理はステップS105へ進む。
ステップS105では、通知部313が昇温量の推定値Trを閾値Tthと比較し、その推定値Trが閾値Tth以下であるか否かを確認する。その推定値Trが閾値Tth以下であれば処理はステップS109へ進み、閾値Tthを超えていれば処理はステップS106へ進む。
ステップS106では、昇温量の推定値Trが閾値Tthを超えているので、通知部313は、切り換え可能な動作モードの中に、現時点での動作モードよりもモーター330の回転数を低く保つ動作モードがあるか否かを確認する。そのような動作モードがあれば処理はステップS107へ進み、なければ処理はステップS108へ進む。
ステップS107では、現時点での動作モードよりもモーター330の回転数を低く保つ動作モードがまだ残っている。たとえば3種類の動作モード、低速モードML、中速モードMM、高速モードMHがその順にモーター330の回転数を低く保ち、かつ現時点での動作モードが高速モードMHである場合を想定する。この場合、通知部313は動作モードの切換要求を主制御部60へ送信し、現時点での動作モードよりもモーター330の回転数が低い動作モード、たとえば中速モードMHへの移行を主制御部60に要求する。その後、処理はステップS109へ進む。
ステップS108では、現時点での動作モードよりもモーター330の回転数を低く保つ動作モードがもはや残っていない。たとえば現時点での動作モードが上記の低速モードMLである場合、通知部313は制御部311にデューティー値dを“0”に設定させる等でモーター330への通電を遮断させる一方、主制御部60へジョブの中断要求を送信する。こうして、モーター330を強制的に停止して過熱から保護する。その後、処理は終了する。
ステップS109では、昇温量の推定値Trが閾値Tth以下であるので、このままジョブが継続されてもモーターが過熱する危険性はない。したがって制御部311は主制御部60へ、プリンター100の電源をオフにする指示を受けたか否かを問い合わせる。その指示を主制御部60が受けていれば処理は終了し、まだ受けていなければ処理はステップS101から繰り返される。
以上の処理では、推測部331とLPF332とによる計算周期が制御部311によるPWM制御の周期よりも長いので、それらの計算量が抑えられる。実際、ステップS102では、制御部311がPWM制御を数回繰り返す度に速度制御部321がデューティー値を更新する。また、ステップS102において制御部311がPWM制御を数回〜十数回繰り返す度に、ステップS103において推測部331がデューティー値のサンプルの平均値から電力損失の推測値PLを計算し、ステップS104においてLPF332がモーター330の昇温量の推定値Trを計算する。したがって、推測部331によるデューティー値のサンプリング周期はPWM周期の整数倍であり、好ましくは制御部311によるデューティー値の更新周期の整数倍である。さらに、推測部331による電力損失の推測値PLの計算周期とLPF332による昇温量の推定値Trの計算周期とはいずれもPWM周期の数〜十数倍であり、(デューティー値のサンプリング周期)×(デューティー値の平均値1つあたりのサンプル数(≧2))以上である。
[実施形態1の利点]
本発明の実施形態によるモーター制御装置310は上記のとおり、駆動回路320がモーター330に対して印加するパルス電圧のデューティー値dからモーター330の電力損失を推測し、その推測値PL[i]からそのモーター330の熱モデル(5)を利用してそのモーター330の昇温量Trを推定する。このデューティー値dの変動には駆動回路320とモーター330との状態、および負荷の変動がフィードバックされている。また、その熱モデル(5)にはモーター330の蓄熱と放熱とが考慮されているので、LPF332はモーター330の停止期間中、電力損失の推測値PL[i]が“0”に維持されていても昇温量の推定値Tr[i]を計算可能である。したがって、このモーター制御装置310は、モーター330の負荷が変動しても、ジョブが間欠的に繰り返されても、ジョブの処理期間の全体にわたってモーター330の昇温量Trの推定精度を高く維持することができる。
モーター330の昇温量の推定値Tr[i]が閾値Tthを超えたとき、通知部313は動作モードの切換要求により、モーター330が回転数をより低く保つ動作モードへの移行を主制御部60に要求する。この移行に伴ってモーター330の発熱量が減少するので、その過熱の危険性が回避される。また、昇温速度が低下するので、昇温量の推定値Tr[i]が閾値以下に留まる時間が延長する。この間、プリンター100にモーター330を利用した動作を継続させることができる。こうしてこのモーター制御装置310は、モーター330を過熱状態に陥らせることなくその動作を継続させることができるので、ジョブの処理に対する信頼性と生産性とをいずれも高く維持することができる。
[変形例]
(A)本発明の実施形態1によるモーター制御装置310はレーザープリンター100に搭載されている。本発明によるモーター制御装置はその他に、インクジェット等の異なる方式のプリンター、コピー機、スキャナー、FAX、または複合機等の画像形成装置に搭載されてもよい。
さらに、画像形成装置に限らず、モーターの出力からそのモーターの温度を推定するシステムであれば、その推定処理への本発明によるモーター制御装置の利用は有利である。
(B)図3の示すモーター制御装置310の機能部311、312、313は電子回路に専用のハードウェアとして組み込まれている。これらの機能部311−313はその他に、モーター制御装置310に内蔵されたCPUが専用のファームウェアを実行することによって実現されてもよい。
(C)図3の示すモーター330はBLDCモーターである。しかし、本発明によるモーター制御装置はDCモーターであれば、ブラシ付きであっても有効である。また、同期モーター、誘導モーター等、DCモーター以外のモーターについても電力損失の推測さえ可能であれば、本発明のLPFによる昇温量の推定は有効である。
(D)推測部331は、PWM制御におけるデューティー値dとモーター330の電力損失の推測値PLとの関係式(1)の係数c2[N]、…を、速度制御部321の設定した回転数の目標値Ntgから算定する。推測部331はその他に、検出部323による回転数の実測値Nmsから、これらの係数c2[N]、…を算定してもよい。また、これらの係数c2[N]、…とモーターの回転数Nとの対応関係が予めテーブル化され、推測部331と同じ電子回路に組み込まれたメモリーに記憶されてもよい。
式(1)のパラメーターd[N]については、特定の回転数N0での値d[N0]だけがメモリーに保存されていてもよい。この場合、推測部331はその値d[N0]と、その特定の回転数N0に対する目標値Ntgまたは実測値Nmsの比とから、その値NtgまたはNmsでの値d[N=Ntg、Nms]を算定してもよい。
(E)推測部331は、電圧指令DTYの表すデューティー値を所定時間ごとに平均して電力損失の推測に利用する。その他に、デューティー値の所定時間ごとの総和を電力損失の推測に利用してもよい。また、負荷変動が十分に緩やかであって、それに伴う電力損失の推測値の変動が許容誤差の範囲内に留まるのであれば、推測部はデューティー値を平均することも足し合わせることもなく、単独のまま電力損失の推測に利用してもよい。さらに、推測部は、先にデューティー値から電力損失の推測値を計算し、計算結果を複数個蓄積した後にそれらの平均値または総和をLPF332へ入力してもよい。
(F)LPF332は熱モデル(5)を利用して昇温量の推定値Tr[i]を計算する。この推定値Tr[i]は昇温量そのものに対応する。しかし、LPFの出力は昇温量の1次関数、すなわち昇温量に比例する項と定数項との和でさえあればよい。この場合、LPFの出力から昇温量を換算することも、逆にその出力に対する閾値を昇温量の閾値から換算することも容易である。
一例として、LPFの出力は昇温量Trに代えて、それとモーター330の熱抵抗Rhとの比Tr/Rhを表してもよい。この場合、式(8)から明らかなとおり、第1フィルター係数a0と第2フィルター係数a1とはいずれも第3フィルター係数b1と同様に無次元量であり、かつ1未満の正の実数である。したがって、それらの計算は、固定小数点演算が利用可能である等によって簡単化が容易である。
(G)通知部313はモーターの昇温量の推定値を、モーターの周囲温度の許容上限とそのモーター自体の温度との差と見なす。その他に、プリンターに温度センサーが搭載されている場合であれば、その測定値と昇温量の推定値との和からモーターの温度そのものを推定してもよい。この場合、異なる周囲温度に対しては昇温量に異なる閾値を設定することが可能であるので、モーターの過熱の危険性を検知する精度を更に向上させることができる。特に、モーターを過熱させることなくその回転数を下げる頻度を低減することができるので、プリンターの生産性と共にその操作性を高く維持することができる。
(H)通知部313は、昇温量の推定値が閾値を超えたことに応じて主制御部60に動作モードの切り換えを要求する際、その切り換えを操作パネル51の表示等によってユーザーへ通知することも併せて要求してもよい。
通知部313は主制御部60に、昇温量の推定値が閾値を超えたことに関する履歴を、主制御部60のROM63に、またはメモリーI/F52を通して外付けの記憶装置に保存させてもよい。この履歴はプリンター1000のメンテナンスへの利用に有利である。さらに、昇温量の推定値が閾値を超えたことをその度に、またはそのことに関する履歴を定期的に、LAN・I/F53を通して外部ネットワークNTW上のサーバー等へ報告させてもよい。
《実施形態2》
本発明の実施形態2によるモーター制御装置は実施形態1によるもの310と同様に、カラーレーザープリンターに搭載されている。このモーター制御装置は実施形態1によるもの310とは推定部の構造のみが異なり、その他の要素は実施形態1のものと同様である。したがって、以下では推定部の相違点のみを説明し、同様な要素については実施形態1の説明を援用する。
実施形態1による推定部312は、PWM部321によるデューティー値dからモーター330の電力損失を推測部331に推測させ、得られた推測値PLをLPF332に積分させる。それに対し、実施形態2による推定部は以下に示すように、推測部を利用することなくデューティー値そのものをLPFに積分させる。
図8は、実施形態2によるLPFが入力に利用する、PWM制御におけるデューティー値dとモーター330の電力損失の近似値PMとの関係を表すグラフである。図8を参照するに、この関係は直線LTで表されており、この直線LTは、電力損失PLをより正確に表す2次曲線(式(1)参照)と点PTで接する。すなわち、デューティー値dとモーターの電力損失の近似値PMとは次式(9)を満たす:
Figure 2016144260
ここで、定数d0、PL0は接点PTでのデューティー値、電力損失を表す。また、係数c2[N]、c1[N]は式(1)のものと等しい。
一方、LPFは式(5)に代えて次式(10)をモーターの熱モデルとして利用して、デューティー値のサンプルd[i]からモーターの昇温量Trm[i]を推定する:
Figure 2016144260
第3フィルター係数b1は式(5)のものと等しい。第1フィルター係数am0、第2フィルター係数am1、および昇温量Trm[i]は、式(5)のフィルター係数と昇温量Tr[i]、および式(9)の係数C1、C0と次式(11)の関係を持つ:
Figure 2016144260
図8から明らかなとおり、接点PTの近傍では電力損失の近似値PMはより正確な推測値PLからのずれが小さい。したがって、LPFは接点PTでのデューティー値d0を、通常の動作時において最も使用頻度が高い値、図8の例では60%に設定する。負荷変動が十分に小さい場合、それに伴うデューティー値dの接点PTでの値d0(たとえば60%)からの変動量が十分に小さければ、式(10)から得られる昇温量Trm[i]の推定精度は利用可能な程度に高い。
[実施形態2の利点]
実施形態2によるモーター制御装置は上記のとおり、実施形態1によるもの310と同様、モーターの熱モデルを利用してその昇温量を推定するのでその推定精度が高い。したがって、モーターを過熱状態に陥らせることなくその動作を継続させることができる。その結果、ジョブの処理に対する信頼性と生産性とをいずれも高く維持することができる。
さらに、実施形態2による推定部は上記のとおり、LPFにモーターの熱モデル(10)を利用させてデューティー値dそのものを積分させる。これにより、実施形態1による推定部312とは異なり、デューティー値からモーターの電力損失を式(1)で計算する処理、すなわち推測部331を省くことができる。その結果、昇温量の推定に必要な演算処理および構成を更に簡単化することができる。
《実施形態3》
本発明の実施形態3によるモーター制御装置は実施形態1によるもの310と同様に、カラーレーザープリンターに搭載されている。このモーター制御装置は実施形態1によるもの310とはLPFの構造のみが異なり、その他の要素は実施形態1によるものと同様である。したがって、以下ではLPFの相違点のみを説明し、同様な要素については実施形態1の説明を援用する。
実施形態1によるLPF332は、式(8)の示すフィルター係数a0、a1、b1をモーター330の動作時と停止時とのいずれにおいても利用する。これは、それらのいずれにおいてもモーター330の熱モデル(6)の近似度が十分に高く、特にその時定数τA、すなわち熱抵抗Rhと熱容量Chとの積(τA=RhCh=1/ωA)が十分に近いことによる。それに対し、実施形態3によるLPFはモーター330の動作時と停止時とにおいて、以下に示すように、それぞれの状態で熱応答速度の違いに合わせて異なる熱モデル、特に異なるフィルター係数を使い分ける。
図9は、実施形態3によるLPF900のブロック図である。図9を参照するに、このLPF900は図5の(a)の示すもの332とは、各乗算器が倍増され、かつ3つのスイッチ941、942、943が追加されている点で異なる。図9の示す他の要素は図5の(a)の示すものと同様であるので、それらについては図5の(a)の示す符号と同じ符号を付して、図5の(a)の説明を援用する。
第1主乗算器911と第1副乗算器912とは第1フィルター係数の値a01、a02のみが異なる。いずれの乗算器911、912も、入力端子501からサンプルPL[i]を受信する度に、それに第1フィルター係数a01、a02を乗算して第1スイッチ941へ渡す。
第2主乗算器921と第2副乗算器922とは第2フィルター係数の値a11、a12のみが異なる。いずれの乗算器921、922も、第1遅延器531から1周期1Ts前のサンプルPL[i−1]を受信する度に、それに第2フィルター係数a11、a12を乗算して第2スイッチ942へ渡す。
第3主乗算器931と第3副乗算器932とは第3フィルター係数の値b11、b12のみが異なる。いずれの乗算器931、932も、第2遅延器532から1周期1Ts前の推定値Tr[i−1]を受信する度に、それに第3フィルター係数b11、b12を乗算して第3スイッチ943へ渡す。
3つのスイッチ941、942、943はいずれも、推測部によるモーターの電力損失の推測値が“0”であるか否かに応じてモーターの動作期間と停止期間とを識別する。各スイッチ941、…は、モーターの動作期間では主乗算器911、921、931の出力を選択し、停止期間中では副乗算器912、922、932の出力を選択する。さらに、選択した出力を、第1スイッチ941は第2加算器542へ渡し、第2スイッチ942と第3スイッチ943とは第1加算器541へ渡す。
以上の構成によりLPF900は、モーターの動作期間と停止期間とで昇温量の推定値Tr[i]を異なる熱モデルで算定する。動作期間での熱モデルは式(12)で表され、停止期間での熱モデルは式(13)で表される:
Figure 2016144260
各熱モデル(12)、(13)のフィルター係数a01、a11、b11、a02、a12、b12は、モーターの動作期間と停止期間とのそれぞれでの熱応答の時定数τA1、τA2から次式(14)で決まる:
Figure 2016144260
定数Rh1、Ch1はモーターの動作期間での熱抵抗と熱容量を表し、定数Rh2、Ch2はモーターの停止期間での熱抵抗と熱量量とを表す。定数τD1、τD2は、モーターの動作期間、停止期間におけるLPF900の時定数を表す。
[実施形態3の利点]
実施形態3によるモーター制御装置は上記のとおり、モーターの昇温量の推定にその動作時と停止時とで2つの熱モデル(12)、(13)を使い分ける。これにより、ジョブの間欠的な処理に伴ってモーターが動作と停止とを頻繁に繰り返しても、それらの期間の全体にわたってその昇温量の推定精度を高く維持することができる。したがって、モーターを過熱状態に陥らせることなくその動作を継続させることができる。その結果、ジョブの処理に対する信頼性と生産性とをいずれも高く維持することができる。
《実施形態4》
本発明の実施形態4によるモーター制御装置は実施形態1によるもの310と同様に、カラーレーザープリンターに搭載されている。このモーター制御装置は実施形態1によるもの310とはモーター制御の流れの一部のみが異なり、その他の要素は実施形態1によるものと同様である。したがって、以下ではその制御の流れの相違点のみを説明し、同様な要素については実施形態1の説明を援用する。
実施形態1によるモーター制御では図7の示すとおり、ステップS105において昇温量の推定値が閾値を超えていることを通知部313が確認した場合、処理は直ちにステップS106へ進み、現時点での動作モードよりもモーター330の回転数をより低く保つ動作モードの有無を通知部313が確認する。それに対し、実施形態4によるモーター制御では、昇温量の推定値が閾値を超えていても、モーターが実際に過熱状態に陥るまでに経過するであろう時間よりもジョブ完了までの残り時間が十分に短ければ、通知部に動作モードの切換要求を送信させることなく、モーターに動作をそのまま継続させる。
図10は実施形態4によるモーター制御のフローチャートである。この処理は図7の示す処理とは、ステップS105からステップS106へ進む間にステップS110を含む点でのみ異なり、その他のステップは実施形態1によるものと同様である。したがって、以下ではステップS110の相違点についてのみその詳細を説明し、同様なステップの詳細については実施形態1の説明を援用する。
ステップS101では、動作モードに応じてモーター330の回転数の目標値Ntgが設定される。その後、処理はステップS102へ進む。
ステップS102では、モーター330に対するPWM制御が数回〜十数回繰り返される。その後、処理はステップS103へ進む。
ステップS103では、電圧指令DTYの表すデューティー値からモーター330の電力損失が推測される。デューティー値が“0”である等、モーター330の停止が検知された場合、推測値は“0”に設定される。その後、処理はステップS104へ進む。
ステップS104では、LPF332がモーター330の熱モデル(5)を利用してモーター330の昇温量を推定する。その後、処理はステップS105へ進む。
ステップS105では、昇温量の推定値Trが閾値Tth以下であるか否かが確認される。その推定値Trが閾値Tth以下であれば処理はステップS109へ進み、閾値Tthを超えていれば処理はステップS110へ進む。
ステップS110では、昇温量の推定値Trが閾値Tthを超えているので、現時点からジョブ完了までの残り時間が猶予上限未満であるか否かを、通知部313が主制御部60に問い合わせて確認する。「猶予上限」は、昇温量の推定値Trが閾値Tthを超えた時点から、モーター330が実際に過熱状態に陥る時点までに経過することが予想される時間に、推定誤差に基づく余裕を付加した時間である。
主制御部60は通知部313からの問い合わせに応じて、ジョブが要求する印刷枚数のうち、現時点で未印刷である枚数を数え、その枚数と現時点での処理速度とからジョブ完了までの残り時間を予測して通知部313へ返答する。その残り時間が猶予上限未満であれば処理はステップS109へ進み、猶予上限以上であれば処理はステップS106へ進む。
なお、処理速度が動作モードによらず一定であれば、通知部313は猶予上限をその一定の処理速度で印刷可能な枚数に換算し、その換算された枚数を未印刷の枚数と比較してもよい。
ステップS106では、現時点からジョブ完了までの残り時間が猶予上限以上であるので、このままジョブの処理が継続されていれば、それが完了するよりも早くモーターが過熱状態に陥りかねない。したがって通知部313は、現時点での動作モードよりもモーターの回転数を低く保つ動作モードがあるか否かを確認する。そのような動作モードがあれば処理はステップS107へ進み、なければ処理はステップS108へ進む。
ステップS107では、現時点での動作モードよりもモーターの回転数を低く保つ動作モードがまだ残っているので、通知部313はその動作モードへの切り換えを主制御部60へ要求する。その後、処理はステップS109へ進む。
ステップS108では、現時点での動作モードよりもモーターの回転数を低く保つ動作モードがもはや残っていないので、通知部313は制御部311にはモーター330を停止させ、主制御部60にはジョブを中断させる。こうしてそのモーター330を過熱から保護する。その後、処理は終了する。
ステップS109では、昇温量の推定値Trが閾値Tth以下であるか、または現時点からジョブ完了までの残り時間が猶予上限未満である。したがって、このままジョブを続けても、モーターが過熱する危険性がないか、またはモーターが過熱状態に陥るより先にジョブが完了する見込みである。したがって、制御部311はプリンター100の電源をオフにする指示の有無を確認し、その指示があれば処理は終了し、なければ処理はステップS101から繰り返される。
[実施形態4の利点]
実施形態4によるモーター制御装置は実施形態1によるもの310と同様、モーターの熱モデルを利用してその昇温量を推定するのでその推定精度が高い。したがって、モーターを過熱状態に陥らせることなくその動作を継続させることができる。その結果、ジョブの処理に対する信頼性と生産性とをいずれも高く維持することができる。
実施形態4によるモーター制御装置は特に昇温量の推定値が閾値を超えたとき、その時点からジョブ完了までの残り時間が猶予上限未満であれば、動作モードの切換要求を送信することなく、モーターの動作をそのまま継続させる。すなわち、モーターが過熱状態に陥るよりも先にジョブを完了させられるときには、プリンターに動作モードを切り換えさせることなくそのままジョブの処理を継続させる。これにより、モーターを過熱状態に陥らせることなく、動作モードの切り換えに伴う処理の遅れを回避することができるので、生産性を更に高く維持することができる。
《実施形態5》
本発明の実施形態5によるモーター制御装置は実施形態1によるもの310と同様に、カラーレーザープリンターに搭載されている。このモーター制御装置は実施形態1によるもの310とはモーター制御の流れの一部のみが異なり、その他の要素は実施形態1によるものと同様である。したがって、以下ではその制御の流れの相違点のみを説明し、同様な要素については実施形態1の説明を援用する。
実施形態1によるモーター制御では、昇温量の推定値が閾値を超えていた場合、モーターの回転数が下がるように動作モードの切り換えが要求される。それに対し、実施形態5によるモーター制御ではその場合、給紙間隔が拡大するように動作モードの切り換えが要求される。
一般に、給紙間隔が長いほどモーターの平均的な負荷は軽い。たとえば、搬送ローラーはシートと接触していない時間が増える一方、そのローラーの駆動用モーターにかかる負荷はそのローラーがシートと接触している間にのみ重いので、その時間的な平均値が減少する。図6が示すとおり、モーターのトルクが低いほどその電力損失は低いので、平均的な負荷の軽減は平均的な発熱量の減少を意味する。
したがって、実施形態5によるモーター制御装置は、昇温量の推定値が閾値を超えた場合、現時点での動作モードをそれよりも給紙間隔が長い動作モードへ切り換える。これにより、モーターの平均的な発熱量を減少させて、その昇温速度を下げる。
図11は実施形態5によるモーター制御のフローチャートである。この処理は図7の示す処理とは、ステップS106、S107に代えてステップS116、S117を含む点でのみ異なり、その他のステップは実施形態1によるものと同様である。したがって、以下ではステップS116、S117についてのみその詳細を説明し、同様なステップの詳細については実施形態1の説明を援用する。
ステップS101では、動作モードに応じてモーター330の回転数の目標値Ntgが設定される。その後、処理はステップS102へ進む。
ステップS102では、モーター330に対するPWM制御が数回〜十数回繰り返される。その後、処理はステップS103へ進む。
ステップS103では、電圧指令DTYの表すデューティー値からモーター330の電力損失が推測される。デューティー値が“0”である等、モーター330の停止が検知された場合、推測値は“0”に設定される。その後、処理はステップS104へ進む。
ステップS104では、LPF332がモーター330の熱モデル(5)を利用してモーター330の昇温量を推定する。その後、処理はステップS105へ進む。
ステップS105では、昇温量の推定値Trが閾値Tth以下であるか否かが確認される。その推定値Trが閾値Tth以下であれば処理はステップS109へ進み、閾値Tthを超えていれば処理はステップS116へ進む。
ステップS116では、昇温量の推定値Trが閾値Tthを超えているので、通知部313が、切り換え可能な動作モードの中に、現時点での動作モードよりも給紙間隔が長い動作モードがあるか否かを確認する。そのような動作モードがあれば処理はステップS117へ進み、なければ処理はステップS108へ進む。
ステップS117では、現時点での動作モードよりも給紙間隔が長い動作モードがまだ残っている。したがって、通知部313は動作モードの切換要求を主制御部60へ送信して、現時点での動作モードよりも給紙間隔が長い動作モードへの移行を主制御部60に要求する。その後、処理はステップS109へ進む。
ステップS108では、現時点での動作モードよりも給紙間隔が長い動作モードがもはや残っていない。したがって、通知部313は、制御部311にはモーター330を停止させ、主制御部60にはジョブを中断させる。こうして、そのモーター330を過熱から保護する。その後、処理は終了する。
ステップS109では、昇温量の推定値Trが閾値Tth以下であるか、または、現時点からジョブ完了までの残り時間が猶予上限未満である。したがって、このままジョブを続けても、モーターが過熱する危険性がないか、またはモーターが過熱状態に陥るより先にジョブが完了する見込みである。したがって、制御部311はプリンター100の電源をオフにする指示の有無を確認し、その指示があれば処理は終了し、なければ処理はステップS101から繰り返される。
[実施形態5の利点]
実施形態5によるモーター制御装置は実施形態1によるもの310と同様、モーターの熱モデルを利用してその昇温量を推定するのでその推定精度が高い。
モーターの昇温量の推定値が閾値を超えたときに通知部313は、給紙間隔がより長い動作モードへの移行を主制御部60に要求する。この移行に伴ってモーターの発熱量が減少するのでその過熱の危険性が回避される。さらに、給紙間隔の拡大に伴って昇温速度が低下するので、昇温量の推定値が閾値以下に留まる時間が延長する。この間、プリンターにモーターを利用した動作を継続させることができる。こうして実施形態5によるモーター制御装置は、モーターを過熱状態に陥らせることなくその動作を継続させることができるので、ジョブの処理に対する信頼性と生産性とをいずれも高く維持することができる。
《実施形態6》
本発明の実施形態6によるモーター制御装置は実施形態1によるもの310と同様に、カラーレーザープリンターに搭載されている。このモーター制御装置は実施形態1によるもの310とはモーター制御の流れの一部のみが異なり、その他の要素は実施形態1によるものと同様である。したがって、以下ではその制御の流れの相違点のみを説明し、同様な要素については実施形態1の説明を援用する。
実施形態1によるモーター制御は図7の示すとおり、現時点での動作モードよりもモーターの回転数を低く保つ動作モードがなければ直ちにジョブを中断させて、処理を終了する。それに対し、実施形態6によるモーター制御はジョブの中断後も処理を継続し、その中断の継続時間が所定値に達したときに、またはモーターの昇温量の推定値が閾値以下まで下降したときにジョブを再開する。
図12は実施形態6によるモーター制御のフローチャートである。この処理は図7の示す処理とは、ステップS108からステップS109へ進む間にステップS121を含む点でのみ異なり、その他のステップは実施形態1によるものと同様である。したがって、以下ではステップS121についてのみその詳細を説明し、同様なステップの詳細については実施形態1の説明を援用する。
ステップS101では、動作モードに応じてモーター330の回転数の目標値Ntgが設定される。その後、処理はステップS102へ進む。
ステップS102では、モーター330に対するPWM制御が数回〜十数回繰り返される。その後、処理はステップS103へ進む。
ステップS103では、電圧指令DTYの表すデューティー値からモーター330の電力損失が推測される。デューティー値が“0”である等、モーター330の停止が検知された場合、推測値は“0”に設定される。その後、処理はステップS104へ進む。
ステップS104では、LPF332がモーター330の熱モデル(5)を利用してモーター330の昇温量を推定する。その後、処理はステップS105へ進む。
ステップS105では、昇温量の推定値Trが閾値Tth以下であるか否かが確認される。その推定値Trが閾値Tth以下であれば処理はステップS109へ進み、閾値Tthを超えていれば処理はステップS106へ進む。
ステップS106では、昇温量の推定値Trが閾値Tthを超えているので、通知部313が、現時点での動作モードよりもモーターの回転数を低く保つ動作モードがあるか否かを確認する。そのような動作モードがあれば処理はステップS107へ進み、なければ処理はステップS108へ進む。
ステップS107では、現時点での動作モードよりもモーターの回転数を低く保つ動作モードがまだ残っている。したがって、通知部313はその動作モードへの移行を主制御部60に要求する。その後、処理はステップS109へ進む。
ステップS108では、現時点での動作モードよりもモーターの回転数を低く保つ動作モードがもはや残っていない。したがって、通知部313は、制御部311にはモーター330への通電を遮断させ、主制御部60にはジョブを中断させる。こうして、そのモーター330を過熱から保護する。その後、処理はステップS121へ進む。
ステップS121では、ステップS108で中断したジョブの再開を通知部313が判断する。ここで、その再開のための条件には次の2種類がある。(A)中断の継続時間が所定値に達する。または、(B)中断の継続中にモーターの昇温量の推定値が閾値以下まで下降する。これらのいずれかの条件が満たされた場合、通知部313はそのジョブの再開要求を主制御部60へ送信する。その後、処理はステップS109へ進む。
ステップS109では、昇温量の推定値Trが閾値Tth以下であるので、ジョブを続けてもモーターが過熱する危険性はない。したがって、制御部311はプリンター100の電源をオフにする指示の有無を確認し、その指示があれば処理は終了し、なければ処理はステップS101から繰り返される。
図13の(a)は、図12の示すステップS121のサブルーチンにおいて、ジョブの再開条件として(A)「中断の継続時間が所定値に達すること」を採用したときのフローチャートである。
ステップSA1では、ジョブの中断時点からの経過時間を通知部313が計測し、その経過時間が所定値Twtを超えたか否かを確認する。この所定値Twtは、モーターが過熱状態から再駆動可能な状態まで冷えるのに必要な時間を表し、たとえば、モーターの昇温量がジョブの中断時の閾値Tthから許容誤差の範囲内で“0”まで下降する、すなわちモーターの温度が実質的に周囲温度まで下降するのに必要な時間に設定される。経過時間が所定値Twtを超えていれば処理はステップSA2へ進み、所定値Twt以下であれば処理はステップSA1を繰り返す。
ステップSA2では、ジョブの中断時点からの経過時間が所定値Twtを超えている。したがって、モーターは再駆動可能な状態まで冷えていると見なせるので、通知部313はジョブの再開要求を主制御部60へ送信する。その後、処理はサブルーチンを抜けて、図12の示すステップS109へ進む。
図13の(b)は、図12の示すステップS121のサブルーチンにおいて、ジョブの再開条件として(B)「中断の継続中にモーターの昇温量の推定値が閾値以下まで下降すること」を採用したときのフローチャートである。
ステップSB1では、通知部313が、ステップS108で停止させたモーターの昇温量に対し、そのモーターを再駆動可能な値を新たな閾値Tntとして設定する。この新たな閾値Tntはジョブの中断時の閾値Tth以下であり、たとえば次の条件を満たす。「仮にジョブが再開されても、その再開からそのジョブの完了までの間にモーターの昇温量はその新たな閾値Tntから、高くても、そのジョブの中断時の閾値Tthまでしか上昇しない。」その後、処理はステップSB2へ進む。
ステップSB2では、LPF332がモーターの熱モデル(5)を利用してそのモーターの昇温量を推定する。すなわち、LPF332はサンプリング周期Tsで熱モデルの入力値PL[・]=0を積分して、その結果を昇温量の推定値Trとして通知部313へ渡す。このサンプリング周期Tsは、モーターの放熱に伴う昇温量の変化を十分な精度で追跡可能な値、たとえばモーターの熱応答の時定数τA=RhCh程度の値に設定される。その後、処理はステップSB3へ進む。
ステップSB3では、通知部313が昇温量の推定値Trを新たな閾値Tntと比較して、その推定値Trが閾値Tnt以下であるか否かを確認する。その推定値Trが閾値Tnt以下であれば処理はステップSB4へ進み、閾値Tntを超えていれば処理はステップSB2から繰り返される。
ステップSB4では、昇温量の推定値Trが閾値Tnt以下であるので、仮にジョブが再開されても、その再開からそのジョブの完了までの間にモーターの昇温量が、そのモーターを停止させなければならない程度まで上昇する危険性はない。したがって、通知部313はジョブの再開要求を主制御部60へ送信する。その後、処理はサブルーチンを抜けて、図12の示すステップS109へ進む。
[実施形態6の利点]
実施形態6によるモーター制御装置は実施形態1によるもの310と同様、モーターの熱モデルを利用してその昇温量を推定するのでその推定精度が高い。したがって、モーターを過熱状態に陥らせることなくその動作を継続させることができる。その結果、ジョブの処理に対する信頼性と生産性とをいずれも高く維持することができる。
さらに、このモーター制御装置は、モーターの昇温量の推定値が閾値を超えたことに応じてそのモーターを停止させた場合、その停止後も経過時間を計測し、またはそのモーターの熱モデルを利用してその昇温量を推定する。経過時間が所定値Twtを超えたとき、またはモーターが再駆動可能であることを示す新たな閾値Tnt以下まで昇温量の推定値Trが下降したとき、このモーター制御装置はプリンターにジョブを再開させる。
こうして、実施形態6によるモーター制御装置は、モーターが過熱の危険から逃れて再駆動可能になったと見なせる場合には自動的にプリンターにジョブを再開させる。これにより、モーターの過熱に対する保護機能を損なうことなく、プリンターの操作性を向上させることができる。
《実施形態7》
本発明の実施形態7によるモーター制御装置は実施形態1によるもの310と同様に、カラーレーザープリンターに搭載されている。このモーター制御装置は実施形態1によるもの310とはモーター制御の流れの一部のみが異なり、その他の要素は実施形態1によるものと同様である。したがって、以下ではその制御の流れの相違点のみを説明し、同様な要素については実施形態1の説明を援用する。
実施形態1によるモーター制御は、モーターの昇温量の推定値Trが閾値Tthを超えたときにモーターの回転数を下げる。それに対し、実施形態7によるモーター制御は、昇温量の閾値Tthを、プリンターに装備されたファンでモーターを冷却することによって低減可能な昇温量の範囲の上限に設定し、その閾値Tthと昇温量の推定値Trとの差または比に応じてそのファンの回転数を変更する。
図14は実施形態7によるモーター制御のフローチャートである。この処理は図7の示す処理とは、ステップS106、S107に代えてステップS141−S144を含む点でのみ異なり、その他のステップは実施形態1によるものと同様である。したがって、以下ではステップS141−S144についてのみその詳細を説明し、同様なステップの詳細については実施形態1の説明を援用する。
ステップS101では、動作モードに応じてモーター330の回転数の目標値Ntgが設定される。その後、処理はステップS102へ進む。
ステップS102では、モーター330に対するPWM制御が数回〜十数回繰り返される。その後、処理はステップS103へ進む。
ステップS103では、電圧指令DTYの表すデューティー値からモーター330の電力損失が推測される。デューティー値が“0”である等、モーター330の停止が検知された場合、推測値は“0”に設定される。その後、処理はステップS104へ進む。
ステップS104では、LPF332がモーター330の熱モデル(5)を利用してモーター330の昇温量を推定する。その後、処理はステップS105へ進む。
ステップS105では、昇温量の推定値Trが閾値Tth以下であるか否かが確認される。その推定値Trが閾値Tth以下であれば処理はステップS141へ進み、閾値Tthを超えていれば処理はステップS108へ進む。
ステップS108では、昇温量の推定値Trが閾値Tthを超えているので、通知部313は、制御部311にはモーター330への通電を遮断させ、主制御部60にはジョブを中断させる。こうして、そのモーター330を過熱から保護する。その後、処理は終了する。
ステップS141では、昇温量の推定値Trが閾値Tth以下であるので、モーターにはまだ過熱の危険性はない。通知部313は更に、その推定値Trが第1レベル以下であるか否かを確認する。第1レベルは、モーターに対するファンの冷却能力、すなわちその回転数を上げるべき昇温量の範囲の下限、たとえば閾値Tthの0.9倍に等しい。推定値Trが第1レベル以下であれば処理はステップS142へ進み、第1レベルを超えていれば処理はステップS143へ進む。
ステップS142では、昇温量の推定値Trが第1レベル、たとえば閾値Tthの0.9倍以下であるので、ファンの回転数を上げる必要はない。通知部313は更にその推定値Trが第2レベル以上であるか否かを確認する。第2レベルは、モーターに対するファンの回転数を下げるべき昇温量の範囲の上限、たとえば閾値Tthの0.6倍に等しい。推定値Trが第2レベル以上であれば処理はステップS109へ進み、第2レベル未満であれば処理はステップS144へ進む。
ステップS143では、昇温量の推定値Trが第1レベル、たとえば閾値Tthの0.9倍を超えているので、このままではモーターの昇温量が閾値Tthまで上昇する危険性がある。したがって、通知部313は主制御部60に、ファンの回転数が上がるように動作モードを切り換えさせて、モーターまたはその周囲を更に冷却させる。その後、処理はステップS109へ進む。
通知部313はまた推測部331に、ファンの回転数の上昇に合わせて電力損失の推測値PL[・]を補正させる。この補正の必要性は次の理由による。ファンの冷却能力が上がるとモーターからの放熱量が増大するので、モーターの発熱量=蓄熱量+放熱量(式(6)参照)、すなわち電力損失が減少する。この減少を推測値PL[・]に反映させるには、たとえば推測値PL[・]に1未満の係数を一律に乗じればよい。この係数の値は予め実験またはシミュレーションによってファンの回転数ごとに決定され、推測部331と共にASICまたはFPGA等の電子回路に組み込まれたメモリーに記憶されている。
ステップS144では、昇温量の推定値Trが第2レベル、たとえば閾値Tthの0.6倍未満であるので、ファンの冷却能力が下がってもモーターの昇温量が閾値Tthまで上昇する危険性はない。したがって、通知部313は主制御部60に、ファンの回転数が下がるように動作モードを切り換えさせ、そのファンの消費電力と騒音とを低減させる。通知部313はまた推測部331に、ファンの回転数の下降に合わせて電力損失の推測値PL[・]に対する補正量を変更させる。たとえば推測値PL[・]に1未満の係数を一律に乗じる場合には、この係数を増加させる。その後、処理はステップS109へ進む。
ステップS109では、制御部311はプリンター100の電源をオフにする指示の有無を確認し、その指示があれば処理は終了し、なければ処理はステップS101から繰り返される。
[実施形態7の利点]
実施形態7によるモーター制御装置は実施形態1によるもの310と同様、モーターの熱モデルを利用してその昇温量を推定するのでその推定精度が高い。したがって、モーターを過熱状態に陥らせることなくその動作を継続させることができる。その結果、ジョブの処理に対する信頼性と生産性とをいずれも高く維持することができる。
さらに、このモーター制御装置は、モーターの昇温量の推定値と閾値との差または比に応じて、プリンターに装備されたファンの回転数を変更する。これにより、このモーター制御装置はそのファンにモーターを効率良く冷却させることができる。
本発明はモーターの制御技術に関し、上記のように、モーターの熱モデルを利用してその昇温量を推定する。このように、本発明は明らかに産業上利用可能である。
100 プリンター
60 主制御部
61 CPU
300 駆動部
310 モーター制御装置
311 制御部
312 推定部
313 通知部
321 速度制御部
322 PWM部
323 検出部
331 推測部
332 LPF
320 駆動回路
330 モーター
340 エンコーダー
DRV 駆動信号
DTY 電圧指令
FGP エンコーダーの出力信号
Nms モーターの回転数の実測値
Ntg モーターの回転数の目標値
PLS モーターの電力損失の推測値
TRS モーターの昇温量の推定値
RQS 動作モードの切換要求

Claims (13)

  1. システムに搭載されたモーターの出力値と、前記システムの動作モードに応じた目標値とに基づいて、前記モーターの入力値を算定して前記モーターの駆動回路に指示するためのモーター制御装置であり、
    前記モーターの熱モデルを利用して前記モーターの入力値から前記モーターの昇温量を推定する推定部と、
    前記推定部による推定値を閾値と比較し、当該推定値が当該閾値を超えた場合に前記システムへ動作モードの切換要求を送信する通知部と、
    を備えたモーター制御装置。
  2. 前記モーターの出力値として前記モーターの回転速度を検出する検出部と、
    前記検出部が検出した前記モーターの回転速度の実測値と前記システムの動作モードに応じた前記モーターの回転速度の目標値との差に基づいて、前記モーターの駆動回路から前記モーターへ入力すべきパルスの幅を前記モーターの入力値として算定する速度制御部と、
    を更に備えた請求項1に記載のモーター制御装置。
  3. 前記推定部は、
    前記速度制御部の算定したパルス幅から前記モーターの電力損失を推測する推測部と、
    前記モーターの熱モデルを利用して前記推測部による前記モーターの電力損失の推測値を積分することにより前記モーターの昇温量を推定するローパスフィルターと、
    を含む請求項2に記載のモーター制御装置。
  4. 前記推定部は、
    前記モーターの熱モデルを利用して、前記速度制御部の算定したパルス幅を積分することにより前記モーターの昇温量を推定するローパスフィルター
    を含む請求項2に記載のモーター制御装置。
  5. 前記推定部が推定値を更新する周期は、前記モーターの入力値が更新される周期よりも長いことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のモーター制御装置。
  6. 前記推定部は前記モーターの熱モデルとして発熱時用と放熱時用との2種類を含み、前記モーターの出力値または入力値が前記モーターの駆動を示す間は発熱時用を利用し、前記モーターの停止を示す間は放熱時用を利用することを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のモーター制御装置。
  7. 前記システムの動作モードの中には前記モーターの平均的な電力損失が異なるものが複数含まれており、
    前記通知部は、前記システムへの動作モードの切換要求によって前記システムに切り換えさせるべき動作モードの順序を、前記モーターの平均的な電力損失が段階的に低減するように設定する
    ことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のモーター制御装置。
  8. シートを給送しながら当該シートに画像を形成する画像形成装置であり、
    ユーザーから受け付けたジョブに応じて動作モードを指定する主制御部と、
    シートの給送と画像の形成とに利用される複数のモーターと、
    前記複数のモーターのそれぞれへ電力を入力する駆動回路と、
    前記複数のモーターのそれぞれの出力値に基づいて当該モーターの入力値を算定して当該モーターの駆動回路へ指示する請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載のモーター制御装置と、
    を備え、
    前記モーター制御装置において前記通知部が動作モードの切換要求を前記主制御部へ送信することを特徴とする画像形成装置。
  9. 前記主制御部は前記通知部からの動作モードの切換要求に応じて、現時点で処理中のジョブが完了するまでの時間に合わせて、切り換えるべき動作モードを選択することを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
  10. 前記主制御部は前記通知部からの動作モードの切換要求に応じて、シートの給送間隔が拡がるように動作モードを切り換えることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の画像形成装置。
  11. 前記主制御部は前記通知部からの動作モードの切換要求に応じて、シートの給送速度が下がるように動作モードを切り換えることを特徴とする請求項8から請求項10までのいずれか1項に記載の画像形成装置。
  12. 前記主制御部は前記通知部からの動作モードの切換要求に応じて、前記複数のモーターのうち、前記推定部による推定値が閾値を超えたモーターが待機し、または当該モーターの平均的な駆動時間が短縮するように動作モードを切り換えることを特徴とする請求項8から請求項11までのいずれか1項に記載の画像形成装置。
  13. 前記画像形成装置の少なくとも一部を冷却するためのファン
    を更に備え、
    前記主制御部は前記通知部からの動作モードの切換要求に応じて、前記ファンの回転速度が変わるように動作モードを切り換える
    ことを特徴とする請求項8から請求項12までのいずれか1項に記載の画像形成装置。
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