JP6575382B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、搬送中のシートに形成された画像を、ヒーターにより加熱された定着部材を用いて熱定着させた後、排出口から排出する画像形成装置に関する。
プリンターなどの画像形成装置は、シートにトナーなどの画像を形成し、形成された画像を、定着部のヒーターにより加熱された定着部材を用いて熱定着させる。
このような熱定着を行う構成では、画像形成の実行指示を待っている待機中に、定着部材の温度が熱定着に必要な定着温度やこれよりも低い節電温度などの目標温度に維持されるように定着部のヒーターへの供給電力の制御が行われることが多い。
この制御を用いれば、待機中にヒーターへの供給電力を完全に遮断する構成よりも、待機中に画像形成の実行指示を受け付けてから定着部材の温度が定着温度に昇温するまでに要する時間を短縮でき、それだけ画像形成のジョブを早く開始することができる。
特開2009−58756号公報
ところで、近年、会社などのオフィスで使用されているプリンターなどの画像形成装置は、小型軽量化が進み、例えばデスクの横、ディスプレイの上の棚、受付カウンターの横やキャスター付の台車の上など場所を選ばなくても気軽に配置できるようになってきている。このように配置場所を選ばなくなったことから、画像形成装置がエアコンや窓の近くに配置され、エアコンや窓などの外部からの風(以下、「外気」という。)が画像形成装置に吹き付けられるケースが多くなった。
一方、画像形成装置は、小型軽量化かつコスト低減のために、画像形成装置の外装が簡素化され、画像形成装置内(機内)のシート搬送路もできるだけ短くなるように設計されていることが多い。このため定着部からシートの排出口までのシート搬送路も短くなっていることが多く、外気が待機中の画像形成装置の例えば排出口から機内に流入すると、その短いシート搬送路を通って定着部にまで至ることが生じ易くなっている。
定着部には、通常、定着部材やヒーターに加えて、定着部材の熱を感知して定着部材の温度を検出するセンサーが配置されており、センサーによる定着部材の温度検出結果に基づきヒーターへの電力供給の制御が実行される構成になっている。
このセンサーとしては、定着部材とは接触しない非接触式のものを用いる構成が多い。
これは、定着部材がローラーやベルトなどの回転体の場合に接触式のセンサーを用いると、ローラーやベルト表面のうちセンサーとの接触部分がその回転に伴って徐々に摩耗していき、定着部材の寿命が短くなり易いからである。
非接触式のセンサーは、定着部材から一定の間隔をあけた位置に配されるので、接触式よりも対流による熱の影響を受け易く、例えば定着部への外気の流入の有無によりセンサー自体が外気により冷やされているときと冷やされていないときとで、センサー自体の温度が変動し易い。
センサー自体の温度が変動すると、定着部材の温度が一定でもセンサーによる温度検出結果に変動が生じ易くなる。例えば、定着部材の温度が本来の目標温度に保たれている状態で、外気が定着部に流入してセンサーが冷やされ、センサー自体の温度が低下すると、その温度低下に応じた分、センサーからは定着部材の温度が目標温度よりも低下したことを示す誤った結果が出力されることが生じ易い。このようになると、目標温度との差分を取り戻すべく、ヒーターの加熱により定着部材が目標温度からさらに昇温されてしまう。
定着部材の温度が目標温度よりも高くなると本来の目標温度での制御よりもヒーターへの消費電力が無駄に多くなり、過昇温になると熱劣化により定着部材の短寿命に繋がる。
上記では非接触式のセンサーの例を説明したが、これに限られない。例えば、接触式のセンサーでも外部からの風の影響を受けてセンサーの検出温度が変動することにより定着部材の温度が目標温度よりも高くなる状態が続けば、ヒーターへの無駄な電力消費が多くなったり、定着部材の熱劣化が進んだりすることが生じ得る。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、待機中に機内に外気が入り込み、定着部材の温度が外気の入り込んでいないときよりも上がった状態になることにより、定着部材の短寿命化や無駄な電力消費を招くことを防止可能な画像形成装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明に係る画像形成装置は、搬送中のシートに形成された画像を、ヒーターにより加熱された定着部材を用いて熱定着させた後、排出口から排出する画像形成装置であって、前記定着部材の温度を検出する検出手段と、画像形成の実行待機中に、前記定着部材の温度が前記実行待機中の目標温度に維持されるように、前記検出手段の検出結果に基づいて前記ヒーターへの供給電力を制御する温調制御手段と、前記制御中に前記排出口から当該画像形成装置内に流入した外気による前記検出手段の冷却の程度を示す指標値が所定値を超えたことを判断すると、当該画像形成装置の設置環境を前記外気による前記検出手段の冷却が抑制されるようになる環境に変更すべき旨の警告を出力する警告手段と、を備えることを特徴とする。
また、前記検出手段は、前記定着部材と非接触のセンサーであり、前記指標値は、前記目標温度から前記センサーの検出温度を差し引いた値であり、前記所定値は、前記目標温度と当該目標温度よりも低い所定の閾値との差であるとしても良い。
さらに、前記検出手段は、前記定着部材と非接触のセンサーであり、前記指標値は、前記センサーの検出温度の単位時間当たりにおける温度変化の絶対値であるとしても良い。
ここで、前記センサーは、サーミスタであるとしても良い。
また、前記流入した外気の風速、風量または風圧を計測する計測手段を備え、前記指標値は、前記計測手段の計測値であるとしても良い。
さらに、前記警告手段は、前記判断を行うと、さらに前記ヒーターへの電力供給を遮断して画像形成の実行を禁止し、当該禁止後、ユーザーによる所定の解除操作の実行を判断すると、前記警告出力を中止し、画像形成の実行禁止の解除および前記ヒーターへの電力供給の再開を行うとしても良い。
また、前記外気は、前記定着部材から前記排出口までの間のシート搬送路を、当該画像形成装置の外から前記排出口を通ってシート搬送方向とは逆方向に前記定着部材に向かって流れる風であり、前記警告手段は、前記画像形成の実行待機中に前記風が前記搬送路を通って前記定着部材に向かうのを阻止する阻止手段を備え、前記判断を行うと、さらに前記阻止手段に前記阻止を実行させるとしても良い。
ここで、前記阻止手段は、前記シート搬送路の途中の分岐位置から分岐しており、前記排出口とは別の排出口と繋がる通風路と、前記分岐位置を挟んで前記シート搬送路をシート搬送方向上流側の第1部分経路とシート搬送方向下流側の第2部分経路とに分けたとき、前記第1部分経路と前記第2部分経路とが繋がり当該シート搬送路を形成する第1状態と、前記第2部分経路と前記通風路とが繋がり、前記第1部分経路が塞がれる第2状態とを切り換える切換手段と、を備え、前記警告手段は、前記判断を行うと、前記阻止の実行として、前記切換手段に前記第1状態から前記第2状態に切り換えさせるとしても良い。
また、前記阻止手段は、前記排出口を遮蔽する遮蔽手段を備え、前記警告手段は、前記判断を行うと、前記阻止の実行として、前記遮蔽手段に前記排出口を遮蔽させるとしても良い。
ここで、前記警告手段は、前記判断を行っても、前記温調制御手段に前記制御を継続させるとしても良い。
また、前記警告手段は、前記警告の出力として、前記警告を表示部に表示する、または、ネットワークを介して接続されている外部の端末装置に前記警告を送信するとしても良い。
さらに、前記警告は、当該画像形成装置の設置場所の変更を促すもの、当該画像形成装置の向きの変更を促すもの、および前記排出口を塞ぐための閉塞部材の装着を促すもののうち、少なくとも一つであるとしても良い。
また、前記外気は、前記定着部材から前記排出口までの間のシート搬送路を、当該画像形成装置の外から前記排出口を通ってシート搬送方向とは逆方向に前記定着部材に向かって流れる風であり、前記警告は、前記排出口に吹き付けられる風の風量もしくは風速の変更を促すもの、または前記排出口に吹き付けられる風の向きの変更を促すものであるとしても良い。
上記のようにすれば、画像形成の実行待機中に、画像形成装置内に流入した外気に起因して定着部材の温度が上がりすぎる状態になる前に警告を出力することができ、その警告を受けたユーザーが画像形成装置の設置環境として、例えば画像形成装置をエアコンからの風が直接当たらない場所に移動させることにより、外気の影響による定着部材の短寿命化などを防止することが可能になる。
画像形成装置の全体構成を示すブロック図である。 全体制御部の構成を示すブロック図である。 (a)は、用紙搬送路のうち定着部のニップから排出口までの湾曲状の経路部分を拡大して示す図であり、(b)は、排出ローラー対を図3(a)の矢印Aで示す方向から見たときの図である。 (a)は、エアコンからの風が画像形成装置に吹き付けられている様子を示す模式図であり、(b)は、窓からの風が画像形成装置に吹き付けられている様子を示す模式図である。 外気が画像形成装置に当たっていない状態でウォームアップが開始され、ウォームアップの終了後に待機中に遷移する場合における定着ローラーの表面温度についての目標温度と検出温度と補正後温度のグラフを示す図である。 (a)は、待機中において風が画像形成装置に当たっていない通常時における目標温度と検出温度と補正後温度とローラー温度のグラフを示す図であり、(b)は、(a)に示す検出温度と補正後温度のそれぞれにおける単位時間当たりの温度変化量のグラフを示す図である。 待機中において風が排出口に当たっていない場合と当たっている場合とで定着ローラーの表面温度と温度検出センサーによる検出温度との差がどのように変化するかの実験結果を比較して示す図である。 (a)は、待機中の通常時に風速が1.99(m/秒)という比較的強い風が数十秒に亘って排出口に当たり続けた場合の検出温度と補正後温度とローラー温度の推移の様子を示す図であり、(b)は、(a)に示す検出温度と補正後温度のそれぞれにおける単位時間(1秒)当たりの温度変化量のグラフを示す図である。 (a)は、待機中、印字中、ウォームアップ中のそれぞれにおける検出温度と補正後温度と温度差の関係を示す図であり、(b)は、待機中、印字中、ウォームアップ中のそれぞれにおける検出温度と補正後温度の単位時間当たりの温度変化量の関係を示す図である。 通常時の待機中と印字中と印字直後時間における目標温度と検出温度と補正後温度の推移の様子を示す図である。 待機中の警告制御の内容を示すフローチャートである。 操作部のディスプレイに表示される警告表示の例を示す図である。 警告が発せられた後に実行される警告後制御の内容を示すフローチャートである。 排出口の近傍に風速計を配置した変形例の構成を示す図である。 排出口の遮蔽と開放を切り換えるシャッターを設けた変形例の構成を示す図である。 シャッターを備える構成における警告制御の内容を示すフローチャートである。 排出口から機内に入り込んだ外気を用紙搬送路とは別の通風路に送る変形例の構成を示す図である。 (a)と(b)は、接触式の温度検出センサーを用いた構成において、待機中に風が排出口に当たることにより余計な電力消費が生じることを説明するための図である。
以下、本発明に係る画像形成装置の実施の形態を、図面を参照して説明する。
(1)全体構成
図1は、画像形成装置10の全体構成を示すブロック図である。
同図に示すように、画像形成装置10は、周知の電子写真方式により画像を形成するものであり、画像読取部1と、画像プロセス部2と、中間転写部3と、給送部4と、定着部5と、全体制御部6と、操作部7とを備える。
画像形成装置10は、原稿画像を読み取るスキャンジョブ、スキャンジョブによる画像データに基づいてイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)色からなるカラーの画像形成を実行するコピージョブ、外部の端末装置(不図示)からネットワーク(例えばLAN)を介して受け付けた指示に基づきカラーの画像形成を実行するプリントジョブなどの各種ジョブを実行する機能を有する複合機(MFP:Multiple Function Peripheral)である。
画像読取部1は、搬送される原稿を読取位置で読み取って、原稿の画像データを得る公知のスキャナーからなる。
画像プロセス部2は、Y〜K色のそれぞれに対応する作像部20Y〜20Kを備えている。作像部20Yは、矢印で示す方向に回転する感光体ドラム21と、その周囲に配設された帯電部22、露光部23、現像部24、一次転写ローラー25、感光体ドラム21の表面を清掃するためのクリーナー26などを備えており、画像読取部1で読み取られた原稿の画像データまたは外部の端末装置から送られて来た画像データに基づき、公知の帯電、露光、現像工程を経て感光体ドラム21上にY色のトナー像を作像する。この構成は、他の作像部20M、20C、20Kについても同様であり、同図では符号が省略されているが、対応する色のトナー像が感光体ドラム21上に作像される。
中間転写部3は、駆動ローラーと従動ローラーに張架されて矢印方向に循環走行される中間転写ベルト31を備える。
カラーの画像形成を実行する場合には、作像部20Y〜20Kのそれぞれ毎に、対応する色のトナーが感光体ドラム21上に作像され、その作像されたトナー像のそれぞれが一次転写ローラー25の静電作用により中間転写ベルト31上に一次転写される。
このY〜Kの各色の作像動作は、各色のトナー像が、走行する中間転写ベルト31の同じ位置に重ね合わせて一次転写されるように上流側から下流側に向けてタイミングをずらして実行される。
給送部4は、給紙カセット41からシート、ここでは用紙Sを1枚ずつ用紙搬送路43上に繰り出して、繰り出された用紙Sを二次転写ローラー32に送る。
2次転写ローラー32に送られた用紙Sが二次転写ローラー32と中間転写ベルト31の間を通過する際に、中間転写ベルト31上に多重転写された各色トナー像が二次転写ローラー32の静電作用により用紙Sに一括して二次転写される。各色トナー像が二次転写された後の用紙Sは、定着部5まで搬送される。
定着部5は、搬送されて来る用紙Sを加熱、加圧して、用紙S上の各色トナー像を用紙Sに定着させるものであり、筒状の定着ローラー51(定着部材)と、加圧ローラー52と、定着ヒーター53と、温度検出センサー54と、サーモスタット55を備える。
定着ローラー51と加圧ローラー52とは相互に圧接される。
定着ヒーター53は、例えば細長状のハロゲンヒーターであり、筒状の定着ローラー51に挿通され、電源60(図2)からの電力供給により点灯して発熱する。
定着ローラー51は、定着ヒーター53から発せられる熱により加熱され、同図の矢印で示す方向に回転する。この定着ローラー51と加圧ローラー52との圧接部59(定着ニップ:搬送方向長さ(ニップ幅)が例えば7mm)を用紙Sが通過する際に、用紙S上の各色トナー像が定着ローラー51の熱によりシートSに熱定着される。
温度検出センサー54は、定着ローラー51の表面温度の熱を感知して、定着ローラー51の表面温度を検出するための非接触センサーであり、定着ローラー51の真上かつ所定距離(例えば、2.5mm)だけ離れた位置に温度検出素子としてのサーミスター54aが位置するように配置されている。サーミスター54aは、サーミスター自体の温度が低下(変動)することにより、温度検出対象である定着ローラー51の表面温度に変化がなくても、その低下前に対して温度検出結果に変動(ばらつき)が生じる特性を有する。サーミスター54aによる温度検出結果は、全体制御部6に送られる。
サーモスタット55は、定着ローラー51から所定距離だけ離れた位置に配置され、定着ローラー51の異常高温の際に定着ヒーター53への電力供給を遮断するためのものであり、例えばバイメタルまたは温度ヒューズが内蔵されているものが用いられる。
定着部5を通過後の用紙Sは、排出ローラー対33を介して、装置筐体10aに設けられた排出口48から排出され、排出トレイ47に収容される。なお、感光体ドラム11、中間転写ベルト31、二次転写ローラー32、定着ローラー51、排出ローラー対33などの各回転部材は、駆動モーター9の回転駆動力により回転する。
操作部7は、ユーザーが画像形成装置10の前に立ったときに操作し易い位置、ここでは装置筐体10aの前面に配されており、ユーザーからのスキャンジョブやコピージョブなどの各種ジョブの実行指示を受け付けるスタートキーや、コピー枚数の指示などを受け付けるテンキー、実行すべきジョブの選択指示を受け付ける選択キーなどを有する。また、操作部7には、全体制御部6からの指示に基づく各種ジョブに関する画面や後述の警告などを表示するディスプレイ7aも備えられている。
ディスプレイ7aの表示面上には、各ジョブの機能選択などのユーザーによる各種指示を受け付けるタッチパネルが設けられており、操作部7は、各種キーやディスプレイ7a上のタッチパネルを介してユーザーによるジョブの実行指示や機能選択指示などの各種入力を受け付ける。操作部7で受け付けられた入力情報は、全体制御部6に送られる。
全体制御部6は、ユーザーによる操作部7の入力情報などに基づき、画像読取部1〜定着部5を統括的に制御して、スキャンジョブ、コピージョブ、プリントジョブなどを円滑に実行させる。また、後述の定着温調制御や警告制御を実行する。
(2)全体制御部の構成
図2は、全体制御部6の構成を示すブロック図である。
同図に示すように全体制御部6は、通信インターフェース(I/F)部61と、CPU62と、ROM63と、RAM64と、定着制御部65を備え、それぞれが相互に通信可能になっている。
通信I/F部61は、ネットワーク、ここではLANカード、LANボードといったLANに接続するためのインターフェースであり、LANを介して外部(不図示)からのプリントジョブのデータを受信する。
CPU(Central Processing Unit)62は、ROM(Read Only Memory)63から必要なプログラムを読み出して、画像読取部1、画像プロセス部2などの動作を制御して、コピーやプリントなどの各ジョブを円滑に実行させる。また、CPU62は、操作部7からの入力情報に基づきコピージョブの開始等の制御を行う。さらに、CPU62は、画像形成時には、駆動モーター9を回転駆動させて、感光体ドラム11や定着ローラー51などを回転させる制御と、画像形成を行っておらず画像形成の実行指示を待っている間(画像形成の実行待機中:以下、「待機中」という。)には、駆動モーター9の回転を停止させる制御を行う。
RAM(Random Access Memory)64は、CPU62のワークエリアを提供する。
定着制御部65は、定着ローラー51の表面温度が所定の目標温度(例えば、待機中について185℃など)に維持されるように、温度検出センサー54の温度検出結果に基づき定着ヒーター53のオン(点灯)とオフ(消灯)を切り換える温調制御を行う。
具体的には、本実施の形態では定着ヒーター53とスイッチ(SW)58とサーモスタット55とが直列接続されてなる回路に電源60が接続される構成になっている。スイッチ58としては、例えばトライアックが用いられる。
定着制御部65は、スイッチ58をオン(導通)状態にすることにより、電源60からの電力が定着ヒーター53に供給されて、定着ヒーター53を点灯(発熱)させることができ、スイッチ58をオフ(非導通)状態にすることにより、電源60から定着ヒーター53への電力供給が遮断されて、定着ヒーター53を消灯させる(発熱させなくする)ことができる。
(3)排出口に吹き付けられる外気が定着温調制御に及ぼす影響について
図3(a)は、用紙搬送路43のうち定着部5の定着ニップ59から排出口48までの湾曲状の経路部分45を拡大して示す図であり、図3(b)は、排出ローラー対33を図3(a)の矢印Aで示す方向から見たときの図であり、排出ローラー対33の一部分だけを示している。
図3(a)に示すように経路部分45には、間隔を空けて対向配置されたガイド部材45a、45bが含まれる。排出ローラー対33は、上側の排出ローラー33aと下側の排出ローラー33bからなる。図3(b)に示すように排出ローラー33aは、回転軸301に複数個のローラー本体302のそれぞれが軸方向に一定の間隔をあけて設けられてなり、排出ローラー33bは、回転軸311において、排出ローラー33aの各ローラー本体302と対向するそれぞれの位置にローラー本体312が一つずつ軸方向に一定の間隔をあけて設けられてなる。ローラー本体302、312のそれぞれは、対応するもの同士の周面が相互に接した状態になっている。
図3(a)において画像形成動作中に定着部5を通過した後の用紙Sは、ガイド部材45a、45bに挟まれた状態でガイド部材45a、45bにより排出ローラー対33に向けて案内され、排出ローラー対33に至ると、排出ローラー33a、33bにより挟持搬送されて機外に排出される。
一方、待機中には、ガイド部材45a、45bの間を用紙Sが搬送されていない。このため、例えば図4(a)や(b)の模式図に記載の例のようにエアコンや窓からの風(外気)が画像形成装置10の排出口48に当たると、図3(a)に記載のように外気8(破線)が排出口48から装置筐体10aの内部(機内)に流入する。
機内に入り込んだ外気8は、排出ローラー対33に至るが、排出ローラー対33には、図3(b)に示すように隣り合う2つのローラー本体302の間や隣り合う2つのローラー本体312の間に存在する空間35を通過する。
排出ローラー対33を通過した外気8は、図3(a)に示すように用紙などの障害物が何も存在しないガイド部材45a、45bの間の空間を通って定着部5に流入し、温度検出センサー54のサーミスター54aの周辺にも流れる。
排出口48に吹き付けられる外気8の温度は、通常、室温程度の温度であり、定着ローラー51の周辺温度(例えば100℃以上)よりもはるかに低い。また、外気8の温度や風量が常に同じとは限らない。このため外気8がサーミスター54aの周辺にも流れ込むようになると、それまで外気8が流れ込んでいなかったときに比べてサーミスター54aの周辺温度(雰囲気温度)が変動し易い状況になる。
待機中では温度検出センサー54の検出結果に基づき定着ローラー51の表面温度が所定の目標温度に維持されるように温調制御が実行されているが、サーミスター54aの周辺に流れ込んできた外気8によりサーミスター54aが冷却され、サーミスター54a自身の温度変動が大きくなると、上記の「発明が解決しようとする課題」の項で説明したように、定着ローラー51の表面温度に変動がなくても、サーミスター54aによる温度検出結果に変動が生じ易くなる。
この変動により、例えばサーミスター54a自身の温度低下に応じた分、温度検出センサー54から、定着ローラー51の表面温度が目標温度よりも低下したことを示す誤った結果が出力されると、その温度低下分を取り戻すべく、定着ヒーター53の加熱により定着ローラー51が目標温度からさらに昇温されて過昇温になるおそれが生じる。
このような問題に対し、例えば、画像形成装置をエアコンや窓からの風が直接当たらない場所に設置してほしい旨が記載されたチラシを新品の画像形成装置に同梱して、ユーザーに注意を喚起することも可能である。ところが、そのようなチラシは新品の設置時にだけユーザーに見られることがほとんどであり、その後、忘れられてしまえば、問題の解決に至らない。
そこで、本実施の形態では、外気8が定着温調制御に及ぼす結果により定着ローラー51が過昇温になることなどを防止できるようにするため、次の警告制御を実行する。
まず、待機中に温度検出センサー54の検出結果を取得する。この取得は、例えば一定周期(0.1秒間隔など)ごとに繰り返し実行される。
温度検出センサー54の検出結果を取得する度に、その検出結果に基づき定着ローラー51の温度を求め、求めた温度が目標温度よりも低い所定の閾値Tb(サーミスター54aの周辺の雰囲気温度が低下しても定着ローラー51の過昇温にまでは至らないと想定されると当該雰囲気温度の許容範囲の下限値)をさらに下回ったか否かを判断する。
求めた温度が閾値Tbを下回ったことを判断すると、画像形成装置10に風8が当たらない設置環境に変えるべき旨の警告をユーザーに発し、かつ定着ヒーター53への電力供給を遮断する。
以下、温度検出センサー54による検出温度が外気8によりどのように変化し、その変化により定着ローラー51の表面温度がどのように変動するのかについて具体的に説明し、続いて待機中に警告制御を実行すべき理由および警告制御の内容について説明する。
(4)外気による温度検出センサーと定着ローラーの表面温度の変動について
図5は、外気8が画像形成装置10に当たっていない状態で画像形成装置10の電源スイッチ(不図示)のオン(商用電源の投入)からウォームアップが開始され、ウォームアップの終了後に待機中に遷移する場合における定着ローラー51の表面温度についての目標温度と検出温度と補正後温度のグラフを示す図である。
ここでウォームアップとは、電源オンにより定着ヒーター53への電力供給を開始して、定着ヒーター53の発熱により、定着ローラー51の表面温度が目標温度(同図の例では185℃)まで昇温するように定着ローラー51を加熱する動作である。
待機中は、駆動モーター9が回転停止状態で用紙Sの搬送が行われず、定着ローラー51の表面温度が目標温度(同図の例では185℃)に維持されるように定着ヒーター53を制御しながら、画像形成動作の開始指示を待っている状態である。
検出温度のグラフは、温度検出センサー54による定着ローラー51の表面温度の検出結果(実測値)を示すが、温度検出センサー54が定着ローラー51とは非接触なので、定着ローラー51とサーミスター54aとの間隔に応じた分、定着ローラー51の実際の表面温度よりも低めの温度が検出される。
この温度差を補正するための補正式が予め決められており、温度検出センサー54の検出結果にその補正を施した後の温度が補正後温度のグラフになる。
補正後温度が定着ローラー51の実際の表面温度に略等しくなり、この補正後温度に基づき定着温調制御が実行される。例えば、待機中では補正後温度が目標温度以上になると定着ヒーター53を消灯させ、目標温度未満になると定着ヒーター53を点灯させる。定着ヒーター53の点灯と消灯の繰り返しにより定着ローラー51の表面温度が目標温度に収束するようになるが、補正後温度のグラフを見ると判るように、実際には定着ローラー51の表面温度がある程度の幅の範囲内で上下動しながら安定した状態で推移する。
本実施の形態では発熱量のかなり大きな定着ヒーター53を用いているので、定着ヒーター53の点灯開始とともに定着ローラー51の表面温度が直ぐに昇温され易い。このため、補正後温度が目標温度未満になったことを検出した時点で、定着ヒーター53を消灯から点灯に切り換えることにより、定着ローラー51の表面温度の下降から昇温への切り換えが直ぐに行われ易い。このことから補正後温度(定着ローラー51の表面温度)は、ウォームアップ開始直後を除いて目標温度をほとんど下回ることなく、目標温度が下限になるように定着ローラー51の表面温度が制御される。
図6(a)は、待機中において風が画像形成装置10に当たっていない状態(通常時)における目標温度と検出温度と補正後温度とローラー温度のグラフを示す図である。
同図の目標温度と検出温度と補正後温度のグラフは、図5の待機中における各グラフと略等しい。ローラー温度は、接触式のセンサーを別途用いて、定着ローラー51の表面温度を直接測定した結果を示している。図6(a)に示す補正後温度のグラフとローラー温度のグラフが略一致しており、補正後温度が定着ローラー51の表面温度に略等しいことが判る。
同図の検出異常判定ラインと補正後異常判定ラインは、画像形成装置10の設置環境を変更すべき旨の警告を行うか否かを判断するための閾値である。この判断は、検出温度と補正後温度のいずれを用いても実行できる。例えば、検出温度を用いる場合、検出温度が検出異常判定ライン以上であれば警告を行わず、検出異常判定ラインを下回ると警告を行い、補正後温度を用いる場合、補正後温度が補正後異常判定ライン以上であれば警告を行わず、補正後異常判定ラインを下回ると警告を行う構成とすることができる。
検出異常判定ラインは、目標温度よりも所定温度、ここでは25℃だけ低い温度(160℃)であり、補正後異常判定ラインは、目標温度よりも所定温度、ここでは15℃だけ低い温度(170℃)である。各温度は、予め決め実験などにより設定される。
図6(b)は、図6(a)に示す検出温度と補正後温度のそれぞれにおける単位時間(1秒)当たりの温度変化量のグラフを示す図である。
検出温度の温度変化量(℃/秒)は、次の方法により算出される。
すなわち、0.1秒単位で検出温度をサンプリングしつつ、1秒単位で、現在から過去に1秒間遡った時点Txまでの間における平均温度(10回分の検出温度を平均した値)をTp、過去の時点Txからさらに過去に1秒間遡った時点Tyまでの間における平均温度(10回分の検出温度を平均した値)をTqとしたとき、(Tp−Tq)で表される。
1秒単位で算出された温度変化量の値をプロットしたグラフが図6(b)に示す検出温度の温度変化量のグラフになる。補正後温度の温度変化量も同様の方法により算出される。なお、単位時間当たりの温度変化量が判れば良く、別の算出方法を用いても良い。
図6(a)と(b)を比較すると、検出温度と補正後温度のそれぞれについて、図6(a)に示すグラフの温度変化が大きくなる時間に図6(b)に示すグラフのピークが表れていることが判り、単位時間当たりの温度変化量は、検出温度よりも補正後温度の方が大きくなっていることが判る。
図7は、待機中において外気8が排出口48に当たっていない場合と当たっている場合とで定着ローラー表面温度(図6のローラー温度に相当)とサーミスター検出温度(温度検出センサー54による実測値)との差がどのように変化するかの実験結果を比較して示す図である。
排出口風速は、排出口48に当たっている外気8の風速を示しており、排出口風速が0の場合、外気8が排出口48に当たっていない通常時を示している。定着ローラー表面温度とサーミスター検出温度の各値は、異なる風速のそれぞれごとに、待機中のある同時点での検出結果を示す。
排出口風速が0である通常時の場合、定着ローラー表面温度とサーミスター検出温度との差(以下、「温度差α」という。)が−15.5℃になっており、この温度差αは、図6(a)に示すローラー温度と検出温度との差に略等しい。
排出口風速(m/秒)が0.90の場合、定着ローラー表面温度が通常時より上がり、サーミスター検出温度が通常時より下がっていることが判る。サーミスター検出温度が通常時より下がっているのは、上記のように定着部5に流入した外気8がサーミスター54aの周辺にも流入して、その流入した外気8がサーミスター54aを冷却したことにより、サーミスター54a自体の温度が下がったことに起因する。
サーミスター検出温度が低下すると、定着制御部65では、その温度低下分だけ定着ローラー51の表面温度が下がったと判断して、定着ローラー51をさらに昇温するべく、定着ヒーター53を点灯させる。この結果、定着ローラー51の表面温度が通常時よりも高くなる。風速(m/秒)が0.90の場合、待機中のある時点で、温度差αが−27.4になっていることが判り、絶対値で見ると温度差αが通常時よりも大きくなる。
排出口風速が大きくなるとサーミスター54aの冷却の程度が高まり、サーミスター54a自体の温度低下が大きくなって、その分、定着ローラー51の表面温度が高くなり、その結果、温度差α(絶対値)が大きくなる。このようになると、サーミスター検出温度が目標温度から大きく低下する。この温度低下量(=目標温度−サーミスター検出温度)が外気8によるサーミスター54a自体の冷却の程度を示す指標値となる。
外気8が排出口48に吹き付ける状態が長時間続くと、定着ローラー51の表面温度が通常時よりも高くなっている状態が長時間続くことになり、過昇温、例えば通常時よりも20℃以上の高温域に至ることが起き易くなる。
定着ローラー51が過昇温になると、定着ローラー51や加圧ローラー52の熱劣化が進み易くなり、過昇温が長時間続くと、例えば定着ローラー51や加圧ローラー52に含まれる弾性層(具体的にはゴムなど)が溶融し始めることが生じ得る。
図8(a)は、待機中の通常時に風速(m/秒)が1.99という比較的強い風が数十秒に亘って排出口48に当たり続けた場合の検出温度と補正後温度とローラー温度の推移の様子を示す図である。
同図に示すように、風が当たり始めた直後に検出温度および補正後温度が急激に下がり、これに伴ってローラー温度が急激に上昇していることが判る。
図8(b)は、図8(a)に示す検出温度と補正後温度のそれぞれにおける単位時間(1秒)当たりの温度変化量のグラフを示す図である。図8(b)に示すように検出温度と補正後温度のそれぞれについて風が当たり始めてから以降の温度変化量(℃/秒)が通常時を示す図6(b)に比べて大きく変動していることが判る。図8(b)でも図6(b)と同様に温度変化量が検出温度よりも補正後温度の方が大きくなっている。
風が当たり始めてから以降にローラー温度が220〜230℃を超える状態が継続して、サーモスタット55の動作温度Ts(例えば、通常時よりも50℃以上)に達すれば、異常高温としてサーモスタット55が通電を遮断する。これ以降、サーモスタット55の交換までの間、定着ヒーター53への電力が遮断されたままになってジョブも実行できないトラブル発生状態になり、いわゆるサービスマンによる点検が必要になる。
従って、待機中に定着ローラー51の表面温度が外気8の影響を受けて通常時よりも上昇しても、定着ローラー51や加圧ローラー52の寿命に影響を与えるような高温域よりも低ければ上記の警告を行わず、その高温域に至れば警告を行うようにすれば、多少の温度上昇を許容しつつ、定着ローラー51などの寿命に影響を与えることなくサーモスタット55の動作前に、ユーザーに画像形成装置10の設置環境を外気8が当たらない環境に変えてもらうことができる。
警告をすべき所定の条件は、上記のように待機中におけるサーミスター検出温度が閾値Tbを下回った場合という条件とすることができる。この条件とする理由を図9により具体的に説明する。
(5)待機中に警告制御を実行すべき理由について
図9(a)は、待機中、印字中(画像形成動作中)、WU(ウォームアップ)中のそれぞれにおける検出温度と補正後温度を測定したときの実験結果の例を示す図である。待機中の目標温度が185℃の例を示し、印字中の目標温度が190℃の例を示し、ウォームアップ中の目標温度が180℃の例を示している。検出温度と補正後温度のそれぞれは、最小値から最大値までの変動幅を示し、温度差βは、補正後温度と目標温度との差の最小値から最大値までの変動幅を示している。
一方、図9(b)は、図9(a)と同じ条件において待機中、印字中、ウォームアップ中の検出温度と補正後温度のそれぞれについて単位時間(1秒)当たりの温度変化量の変動幅を測定したときの実験結果の例を示す図である。
図9(a)に示すように待機中において画像形成装置10の排出口48に風が当たっていない場合と風速が1.99(m/秒)の風が当たっている場合のそれぞれの温度差βの変動幅を比べると、風なしの場合よりも風ありの場合の方がかなり大きくなっている。特に、温度差βの最小値が大きく下がっており、この下がり方が顕著であることから、外気8の影響を受けていることの判断を行い易い。
図9(b)に示す温度変化量も、待機中の検出温度と補正後温度のそれぞれについて変動幅の最小値が風なしの場合よりも風ありの場合の方がかなり大きく下がっていることが判り、その下がり方が顕著であることから、図9(a)に示す温度と同様に外気8の影響を受けていることの判断を行い易いといえる。
また、図9(a)に示すように待機中は、風なしの場合に検出温度と補正後温度(ローラー温度と略等しい)の最小値同士の差と最大値同士の差がそれぞれ20℃以内の範囲内であり、温度挙動が安定している。
これは、次の理由による。すなわち、待機中には用紙Sが定着部5に搬送されず、印字中には用紙Sが搬送される。印字中では、搬送中の用紙Sが定着ニップ59を通過する際にその用紙Sに熱を奪われて定着ローラー51の温度が低下すると、定着ヒーター53により加熱して定着ローラー51の温度を上昇させる動作を1枚の用紙Sごとに繰り返す。
このため印字中では検出温度と補正後温度のそれぞれが変動し易くなるが、待機中には用紙Sが搬送されないことから、印字中のように用紙Sに熱が奪われることによる温度変動が生じない。
また、印字中では待機中よりも単位時間当たりの定着ヒーター53の点灯時間が長くなる。上記のように定着ヒーター53の発熱量がかなり大きいので、点灯時間が長い分、定着ローラー51の温度が低下していても目標温度まで直ぐに上がり易いが、オーバーシュートにより目標温度を大きく超えて高くなることも生じ易い。
一方、印字中に定着ヒーター53の消灯後、定着ニップ59を通過中の用紙Sに熱を奪われると、定着ローラー51の温度が目標温度よりも大きく下がること(アンダーシュート)が生じ易くなり、その温度差がかなり大きくなる。
これに対し、用紙Sを搬送しない待機中では、印字中よりも単位時間当たりの定着ヒーター53の点灯時間が短くなるので、オーバーシュートが生じても定着ローラー51の温度が目標温度を大きく超えることが生じ難い。また、待機中では用紙Sに熱を奪われることがないので、定着ヒーター53の消灯後、定着ローラー51の温度低下が緩やかになり、印字中よりも定着ローラー51の温度変化の幅の大きさが小さくなるからである。
なお、図9(a)では印字中について風ありの場合の温度差βを記載していないが、風なしの場合とあまり変わらなかった。これは、上記のように印字中にガイド部材45a、45bの間を排出口48に向かって搬送される用紙Sが障害物となって、風が排出口48から用紙Sの搬送方向とは逆方向に定着部5まで至り、サーミスター54a自身の温度を大きく低下させることがあまりからと考えられる。
また、ウォームアップ中は、風なしの場合でも検出温度の最小値と最大値の差がかなり大きく、風ありの場合との区別を行い難い。これらの理由により、印字中とウォームアップ中については待機中よりも外気8の影響を受けていることの判断を行うのは難しい。
上記のことから本実施の形態では、外気8による待機中の定着ローラー51の温度変化に着目し、警告制御を具体的に次のような制御内容とした。
まず、待機中に外気8の影響を受けてサーミスター検出温度が目標温度からどれだけ低下したときに定着ローラー51の温度がどれだけ上がり、熱劣化による定着ローラー51や加圧ローラー52の寿命にどれだけ影響を及ぼすかについて予め実験やシミュレーションなどで把握する。
この結果から、待機中に定着ローラー51の温度が上がっても寿命に影響を及ぼすことがないと想定される温度域の上限、例えば200℃など(<サーモスタット55の動作温度Ts)を求め、待機中に外気8の影響を受けた場合にサーミスター検出温度が目標温度からどれだけ低下したときに定着ローラー51の温度がその上限に達するかを求める。
そして、目標温度からその求めた温度低下量(所定値)を差し引いた値を上記の閾値Tbとして、待機中にサーミスター検出温度が閾値Tbをさらに下回った場合に警告を行う。これにより、外気8の影響により定着ローラー51の温度が上昇し易い待機中に、ユーザーに対して警告を出力することができる。
この処理は、待機中に、温度検出センサー54の検出結果により得られた定着ローラー51の表面温度が目標温度(185℃など)まで昇温するように定着ヒーター53による加熱を行う定着温調制御において、待機中に機内に流入した外気8による温度検出センサー54の冷却の程度を示す指標値(=目標温度から検出温度を差し引いた値)が所定値を超えたことを判断すると、警告を出力する処理に等しい。この所定値は、目標温度(185℃など)と、目標温度よりも低い所定の閾値(160℃)との差(25℃など)とすることができる。
なお、上記では待機中を画像形成の実行指示を待っている状態としたが、具体的にはウォームアップの終了から最初のプリントまたはコピージョブ(以下、「ジョブ」と略す。)の開始までの間や、一つのジョブ終了から次のジョブ開始までの間などになる。
ジョブ開始は、例えば定着ローラー51の回転開始時とすることができ、ジョブ終了は、例えば定着ローラー51の回転停止時とすることができる。なお、ジョブを終了してもジョブ終了直後のローラー温度がオーバーシュートにより上がって温度変動幅が大きくなる場合があり、このオーバーシュートが収まるのに要する所定時間(例えば、3〜5秒)を待機中から除くとしても良い。具体的には、ジョブ終了からこの所定時間の経過までの間(以下、「印字直後時間」という。)が待機中から除かれる。
図10は、通常時の待機中と印字中と印字直後時間における目標温度と検出温度と補正後温度の推移の様子を示す図であり、印字中と待機中の間に印字直後時間が挿入されている。印字直後時間では目標温度が印字中の目標温度よりも20℃程度低い温度に設定されている。これは、ジョブ終了直後のローラー温度のオーバーシュートをできるだけ抑えるようにするためである。なお、2回目の印字中では目標温度が時間経過に伴って変化している。これは、実行されるジョブの用紙枚数や用紙種類などに応じて予め決められた目標温度に段階的に切り換わっていく様子を示したものである。
(6)待機中の警告制御の内容について
図11は、待機中の警告制御の内容を示すフローチャートである。この警告制御は、定着制御部65により実行される。ここでは、画像形成装置10全体を制御する不図示のメインルーチンが別途あり、警告制御は、そのメインルーチンにおいて所定間隔(例えば0.1秒)でコールされる度に繰り返し実行される。
同図に示すように待機中であるか否かを判断する(ステップS1)。待機中ではないと判断すると(ステップS1で「No」)、リターンする。待機中であることを判断すると(ステップS1で「Yes」)、温度検出センサー54の検出温度Taを取得する(ステップS2)。検出温度Taの取得は、現在の検出値を取得するとしても良いし、現在から過去、例えば0.5秒前までの間の平均値を取得するなどとしても良い。
そして、検出温度Ta<閾値Tbの状態が1秒以上継続したか否かを判断する(ステップS3)。ここで、閾値Tbは、待機中の目標温度Tcから所定値、ここでは25を差し引いた値に設定されている。例えば待機中の目標温度Tcが185℃の場合、閾値Tbは、160℃(図6(a)の検出異常判定ラインに相当)になる。
否定的な判断であれば(ステップS3で「No」)、警告を出力すべき所定の条件を満たしていないとしてステップS4に進む。
ステップS4では、補正後温度Tcを取得する。この補正後温度Tcの取得は、ステップS2で取得した検出温度Taから上記算出式により補正後温度Tcを求めることにより行われる。
そして、補正後温度Tc<目標温度Tdの関係が満たされているか否かを判断する(ステップS5)。肯定的な判断であれば(ステップS5で「Yes」)、定着ヒーター53を消灯から点灯に切り換えて(ステップS6)、リターンする。一方、否定的な判断であれば(ステップS5で「No」)、定着ヒーター53を点灯から消灯に切り換えて(ステップS7)、リターンする。定着制御部65は、ステップS5〜S7を実行する場合に定着ローラー51の温度が目標温度まで昇温するように定着ヒーター53を制御する温調制御手段の機能を有するといえる。
メインルーチンにリターン後、再度、警告制御がコールされると上記のステップS1以降の処理が実行される。
ステップS3で肯定的な判断であれば(ステップS3で「Yes」)、警告を出力すべき所定の条件を満たしたとして、設置環境を変更すべき旨の警告を出力し(ステップS8)、定着ヒーター53への電力供給を遮断した後(ステップS9)、リターンする。
この電力供給の遮断により、定着ヒーター53が消灯して定着ローラー51の加熱が停止される。これにより、サーモスタット55の動作前に定着ローラー51が昇温し続けるのを停止できる。
図8(a)の例では風が当たり始めてからローラー温度が急上昇するが、上記のステップS3、S8、S9の実行により、検出温度Ta<閾値Tbの関係になってから1秒後に定着ヒーター53が強制的に消灯されるので、ローラー温度の上昇を200℃付近以下に抑えることができる。
ステップS8の警告は、操作部7のディスプレイ7aに図12に示す警告表示7bを表示させることにより行われる。この警告表示7bにより、これを見るユーザーに対して画像形成装置10の設置環境の変更を促すことができる。
警告表示7bの内容は、例えば画像形成装置10の設置場所の変更を促すもの、画像形成装置10の向きの変更を促すもの、排出口48に吹き付けられる風の風量または風速の変更を促すもの、および排出口48に吹き付けられる風の向きの変更を促すもののうち少なくとも一つとすることができる。
本実施の形態では、警告が出力された以降、警告解除(後述)が判断されるまでの間(警告発生中)、定着ヒーター53への電力供給とジョブの実行がそれぞれ禁止される。従って、待機中から警告発生中に遷移した以降にユーザーが新たなジョブを実行するには、警告解除のための所定の操作を行う必要がある。
所定の操作とは、警告解除のための解除キー(不図示)のユーザーによる入力操作、画像形成装置10の電源スイッチのユーザーによるオフ/オンの切換操作、画像形成装置10の外装カバー(不図示)のユーザーによる開閉操作などがある。
本実施の形態では、画像形成装置10の設置環境が変更されたことを画像形成装置10自身が検出する機能を有していないことから、ユーザーが画像形成装置10の設置環境を変更するために画像形成装置10の向きを変えたり別の場所に移動させたりする操作を行ったか否かが判らない。
そこで、警告表示7bの表示以降に、ユーザーによりジョブ指示などの通常の操作とは別の所定の操作が行われたことを判断した場合に、画像形成装置10の設置環境の変更がユーザーにより実施されたとみなして、警告解除を行う構成になっている。
所定の操作が行われたことの判断は、例えば解除キーのタッチ入力の有無の検出、電源スイッチのオフからオンによる画像形成装置10への商用電源の電力供給開始の検出、外装カバーの開閉検出用のスイッチなどからの検出結果の受付などにより行われる。
図13は、警告が出力された後に実行される警告後制御の内容を示すフローチャートであり、上記の警告制御と同様にコールの度に定着制御部65により実行される。
図13に示すように警告発生中であるか否かを判断する(ステップS11)。否定的な判断であれば(ステップS11で「No」)、リターンし、肯定的な判断であれば(ステップS11で「Yes」)、ステップS12に進む。
ステップS12では、ユーザーによる所定の操作が行われたか否かを判断する。所定の操作には、上記の解除キーの入力操作や電源スイッチのオフ/オンの切換操作などが含まれるが、いずれか一つだけを所定の操作としても良いし、複数のうちのいずれが実行されれば所定の操作があったと判断するとしても良い。
ユーザーによる所定の操作が行われていないことを判断すると(ステップS12で「No」)、リターンする。ユーザーによる所定の操作が行われたことを判断すると(ステップS12で「Yes」)、警告を解除する(ステップS13)。この警告の解除は、警告表示7bを消灯させ、および定着ヒーター53への電力供給の禁止とジョブの実行の禁止の両方を解除することにより行われる。
警告解除後、定着部5のウォームアップを開始して(ステップS14)、リターンする。ウォームアップ開始以降、定着ローラー51の温度が目標温度に達するとウォームアップが終了し、待機中に遷移してからユーザーによるジョブの実行指示が受け付けられるとそのジョブが実行される。
なお、警告解除後、ウォームアップを経て待機中に戻っても、仮にユーザーにより実際に画像形成装置10の設置環境が変更されていなければ、警告発生前と同様に外気8の影響を受ける状況にあることに変わりがない。このような場合、上記の警告制御により再度の警告の出力が繰り返されることになる。
以上説明したように本実施の形態では、待機中の警告制御において、例えば外気が画像形成装置に当たっていない場合や当たっていても定着ローラーの過昇温に至ることのない程度の弱い風速であるような場合には、画像形成装置の設置環境の変更を促す警告を出力せず、定着ローラーの過昇温に至るような風速の強い外気が当たっている場合には、サーモスタット55の動作前に警告を出力することができる。
その警告を受けたユーザーが画像形成装置の設置環境として、例えば画像形成装置をエアコンからの送風が直接当たらない場所に移動させることにより、外気による定着部材の過昇温などを防止することが可能になる。
また、警告を出力することに伴って定着ヒーター53への電力供給が遮断されるので、外気8の影響により定着ローラーの昇温が継続してサーモスタット55が動作してしまうことを防止できる。
特に、用紙搬送路43のうち定着部5の定着ニップ59から排出口48までの経路部分45の搬送方向長さが短い、例えば100mm以下のために、外気8が排出口48から経路部分45を通って定着部5まで至り易い小型の画像形成装置に有用になる。
また、定着温調制御に影響を及ぼす外気(風)8が定着部5に吹き込んでいることを判断するには、定着部5にできるだけ近い場所にこれを検出する検出器を配置することが望ましい。この点で、定着ローラー51の温度を検出する非接触の温度検出センサー54は、その風に対する感度があるので、本実施の形態では、別の検出器を設けなくても、元々配置されている温度検出センサー54を用いて警告制御を行うことができる。
さらに、上記の警告によりユーザーは画像形成装置10にエアコンなどからの外気8が当たっていることを認識できるので、省エネルギーの観点から室内の空調の向きを見直すきっかけにもなる。
なお、装置構成によっては、警告出力後、定着ローラーの温度がある程度は上昇するが、外気8の流入程度ではサーモスタット55の動作温度に達しないような場合もあり得る。このような画像形成装置の場合には、警告を出力してもそのまま定着ヒーター53への電力供給の制御を継続して(電力供給の遮断を禁止して)、ジョブの実行を可能とする構成をとることもできる。警告を見たユーザーが画像形成装置の設置環境を変更したことを判断すれば、警告出力が解除される。
本発明は、画像形成装置に限られず、待機中における警告制御方法であるとしてもよい。また、その方法をコンピュータが実行するプログラムであるとしてもよい。また、本発明に係るプログラムは、例えば磁気テープ、フレキシブルディスク等の磁気ディスク、DVD−ROM、DVD−RAM、CD−ROM、CD−R、MO、PDなどの光記録媒体、フラッシュメモリ系記録媒体等、コンピュータ読み取り可能な各種記録媒体に記録することが可能であり、当該記録媒体の形態で生産、譲渡等がなされる場合もあるし、プログラムの形態でインターネットを含む有線、無線の各種ネットワーク、放送、電気通信回線、衛星通信等を介して伝送、供給される場合もある。
(7)変形例
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例が考えられる。
(7−1)上記実施の形態では、図11に示す警告制御のステップS3においてサーミスター検出温度Taと閾値Tbとの大小関係に基づき警告を出力すべき所定の条件を満たしたか否かの判断を行うとしたが、これに限られない。
例えば、図6(b)と図8(b)に示すサーミスター検出温度の単位時間当たりの変化量(以下、「検出温度変化量」という。)を用いることもできる。
図6(b)に示すように待機中に風が排出口48に当たっていない通常時では、検出温度変化量の変動が大変小さいが、一方で図8(b)に示すように待機中に風が当たり始めた直後に、検出温度の急激な低下により検出温度変化量がマイナス側に大きく振れ、これに対応して図8(a)に示すようにローラー温度が急上昇する。
つまり、風が当たったことにより検出温度が低下すると検出温度変化量の値がマイナスになり、検出温度の低下が急激になるほど検出温度変化量(マイナス値)の絶対値が大きくなってローラー温度の急上昇に繋がる。
従って、待機中の検出温度Taと閾値Tbとの大小関係と同様に、待機中の検出温度変化量Q(マイナス値)が所定の負の閾値Qa、例えば図8(b)では−3を下回った場合、すなわちQ<Qaの関係になった場合に、警告を出力すべき条件を満たしたと判断することにより、検出温度Taを用いる構成と同様の警告制御を実行できる。
具体的に図11のステップS2、S3の間に、検出温度変化量Qを取得する処理を実行し、かつ、ステップS3においてQ<Qaの関係になったことを判断すると、ステップS8に進む処理を行う構成とすれば良い。
また、図8(b)に示す検出温度の温度変化量のグラフを見ると風が当たり始めた直後に温度変化量がマイナス側に大きく振れた後、反動するようにプラス側に大きく振れており、以降、マイナス側とプラス側に交互に変動していることが判る。
風が当たっているときの検出温度の温度変化量が図8(b)に示すような変動特性を示す場合、マイナス側だけでなくプラス側にも大きく振れることから、プラス側に大きく振れたことを風が当たっていることの判断条件とすることができる。
具体的には、温度変化量のプラス側のピーク値Qが所定の正の閾値Qb、図8(b)の例では5℃を上回った場合、すなわちQ>Qbの場合に、警告を出力すべき条件を満たしたと判断することもできる。
また、警告を出力すべき条件を満たしたか否かを判断するのにサーミスター検出温度(実測値)を用いる構成例を説明したが、これに限られず、例えば検出温度の変動に伴って変動する補正後温度を用いる構成をとることもできる。
具体的に、図11のステップS2、S3の検出温度Taを補正後温度Tcに代え、さらにステップS3の閾値Tbを、補正後温度を用いる場合に適した閾値Te、例えば(目標温度Tc−15℃)に代えることができる。目標温度Tcが185℃の場合、閾値Teは170℃(図6(a)の補正後異常判定ラインに相当)になる。補正後温度も実測値と同様に温度検出センサー54の検出温度に含まれる。
さらに、補正後温度の単位時間当たりの変化量(以下、「補正後温度変化量」という。)を用いることもできる。
具体的に、図8(b)に示すように待機中の補正後温度変化量U(マイナス値)が所定の負の閾値Ua、例えば図8(b)では−5を下回った場合、すなわちU<Uaの関係になった場合に、警告を出力すべき条件を満たしたと判断することにより、補正後温度Tdを用いる構成と同様の警告制御を実行することができる。
また、補正後温度変化量が図8(b)に示すような変動特性を示す場合、プラス側に大きく振れたときのピーク値Uが所定の正の閾値Ub、図8(b)の例では10を上回った場合、すなわちU>Ubの関係になった場合に、警告を出力すべき条件を満たしたと判断することもできる。上記の検出温度、検出温度変化量、補正後温度、補正後温度変化量のいずれか一つを用いることができる。
検出温度と補正後温度のそれぞれは、図8(a)の例では風が当たり始めた直後に急激に下がる波形になっており、検出温度では閾値Tb=160℃(検出異常判定ライン)以下になっている期間が約6秒間検出され、補正後温度では閾値Te=170℃(補正後異常判定ライン)以下になっている期間が約3秒間検出されている。
従って、警告を出力すべき条件を満たしたことの判断に検出温度または補正後温度を用いる場合には、最初に急激な温度低下があったときに、その低下した温度が検出異常判定ラインまたは補正後異常判定ラインを下回った状態がどれだけの時間継続したかに基づき風が当たり始めたか否かを判断できる。
一方、検出温度変化量と補正後温度変化量のそれぞれは、図8(b)に示すように検出温度変化量も補正後温度変化量も風が当たっている期間の全体に亘って上下に大きく変化した波形になっている。従って、警告を出力すべき条件を満たしたことの判断に検出温度変化量と補正後温度変化量を用いる場合には、風が当たり始めた時点だけではなく、風が当たっている期間内にそのピーク値(絶対値)の大きさに基づき、風が当たっているか否かを判断できる。
(7−2)上記実施の形態では、サーミスター検出温度Taが閾値Tbを下回った状態が1秒以上継続したことを、警告を出力すべき強い風が排出口48に当たっているとの判断とみなして、当該警告を出力する構成としたが、この判断は、温度検出センサー54の検出結果を用いる構成に限られない。
画像形成装置10の排出口48に吹き付けられる外気8の風速(m/秒)を直接、測定可能な風速計を別途、備える構成をとることもできる。
具体的に図14に示すように排出口48に吹き付けられた外気8のうち、排出口48から機内に入り込む外気8の速度を計測する風速計201を排出口48の近傍且つ用紙Sの搬送に支障がない位置に配置することができる。
予め、警告を出力するまでもない風速の範囲の上限値を所定値Tfとして実験などで決めておき、図11のステップS3において、待機中に風速計201で計測された風速値が所定値Tfを超えたことを判断すると、警告を出力すべき条件を満たしたとしてステップS8に進む構成をとることができる。風速計201としては、例えば白金を内蔵した風速素子などを備えるものを用いることができる。
風速が強くなるほどサーミスター54a自体の冷却の程度が高まり、定着ローラー51の温度が変動していなくても、その冷却に起因してサーミスター検出温度が変動してしまうという関係にある。このことから、風速計201の測定値(風速)は、外気8によるサーミスター54a自体の冷却の程度を示す指標値といえる。
なお、風速の計測に代えて、例えば風量(単位時間当たりに移動される空気量:m3/時間)や風圧(Pa)を測定する測定器などを計測手段として用い、その計測結果と所定値との大小関係から警告を出力するか否かの判断を行う構成とすることもできる。
このように待機中において、(a)サーミスター温度(実測値)または補正後温度が所定の閾値TbまたはTeを下回ったこと、(b)検出温度変化量(絶対値)が所定の閾値QaまたはQbを超えたこと、(c)補正後温度変化量(絶対値)が所定の閾値UaまたはUbを超えたこと、(d)外気8の風速や風量などが所定の閾値を超えたことのいずれの判断も、待機中に定着ローラー51の温度が目標温度(185℃など)になるように定着ヒーター53の温調制御が実行されている間に、外気8による温度検出センサー54の冷却の程度を示す指標値Zが所定値を超えた場合とすることができる。
例えば、サーミスター温度Taを用いる場合、(目標温度Td−Ta)が指標値Zになり、指標値Z>所定値(25℃など)の関係になる。同様に、補正後温度Tcを用いる場合、(目標温度Td−Tc)が指標値Zになり、指標値Z>所定値(15℃など)の関係になる。検出温度変化量Qを用いる場合、検出温度変化量Q(絶対値)が指標値Zになり、指標値Z(絶対値)>所定値(3℃または5℃など)の関係になる。
外気8の風速を用いる場合、風速の測定値が指標値Zになり、指標値Z>所定値Tfの関係になる。風量、風圧も同様である。
(7−3)上記実施の形態では、警告を出力してから警告解除までの警告発生中(以下、「警告中」と略する。)に、定着ローラー51の過昇温を防止するために、定着ヒーター53への電力供給を遮断してジョブ実行を禁止するとしたが、これに限られない。
例えば、排出口48を塞ぐシャッターなどの閉塞部材を設け、警告中に外気8が排出口48から機内に入り込むのを閉塞部材で阻止して、警告中でも定着ヒーター53への電力供給を遮断せずにジョブ実行を許可する構成をとることができる。
図15は、シャッター331を設けた構成例を示す図である。なお、同図は、排出ローラー対33を構成する各ローラーの軸方向に沿ってシャッター331を見たときの図であるので、シャッター331の形状が棒状に見えるが、実際にはシャッター331はローラーの軸方向に沿って長尺状なので板状部材になる。
同図に示すようにシャッター331は、支点332を中心に矢印で示す方向に揺動自在に支持部(不図示)により支持されており、同図の実線で示す退避位置と破線で示す遮蔽位置との間をモーターなどの駆動部333の駆動力により揺動されるように構成されている。退避位置は、シャッター331が排出口48を遮蔽しない位置であり、遮蔽位置は、シャッター331が排出口48を遮蔽する位置である。
図16は、シャッターを備える構成における警告制御の内容を示すフローチャートである。当該警告制御は、待機中に実行される。なお、当該警告制御のステップS21〜S27については、図11に示すステップS2〜S8と同じである。また、当該警告制御の開始時にはシャッター331が退避位置に位置しているものとする。
図16に示すように、温度検出センサー54の検出温度Taを取得し(ステップS21)、検出温度Ta<閾値Tbの状態が1秒以上継続していないことを判断すると(ステップS22で「No」)、補正後温度Tcを取得し(ステップS23)、補正後温度Tcと目標温度Tdの大小関係に基づき、定着ヒーター53を点灯または消灯させて(ステップS24〜S26)、ステップS29に進む。
ステップS29では、現在が警告中であるか否かを判断する。ここで、警告中でないことを判断すると(ステップS29で「No」)、ステップS33に進み、待機中が終了か否かを判断する。この判断は、ジョブの実行指示を受け付けたか否かにより行われる。
待機中が終了ではない、すなわち待機中が継続されることを判断すると(ステップS33で「No」)、現在が警告中であるか否かを判断する(ステップS37)。
警告中ではないことを判断すると(ステップS37で「No」)、ステップS21に戻り、ステップS21以降の処理を実行する。
ステップS22において、検出温度Ta<閾値Tbの状態が1秒以上継続したことを判断すると(ステップS22で「Yes」)、設置環境を変更すべき旨の警告を行う(ステップS27)。これにより現在が警告中になる。
そして、駆動部333を制御して、シャッター331を退避位置から遮蔽位置に移動させて(ステップS28)、ステップS23に進む。
警告中にシャッター331が排出口48を塞ぐことにより、外気8が排出口48から機内に入ることが阻止されるので、外気8に起因する定着ローラー51の過昇温のおそれがなくなる。このため本変形例では、定着ヒーター53への電力供給を遮断せず、ステップS23〜S26の処理で定着ヒーター53の点灯と消灯の切換制御が継続される。
ステップS29において現在が警告中であることを判断すると(ステップS29で「Yes」)、ユーザーによる所定の操作が行われたか否かを判断する(ステップS30)。この所定の操作は、上記の解除キーの入力操作または電源スイッチのオフとオンの切換操作などになる。
所定の操作が行われていないことを判断すると(ステップS30で「No」)、ステップS33に進む。ステップS33で待機中の継続が判断され(ステップS33で「No」)、現在が警告中であることを判断すると(ステップS37で「Yes」)、ステップS23に戻る。これによりステップS23以降の処理が実行される。警告中にステップS30により所定の操作が行われたことが判断されるまでの間、ステップS23〜S26、S29、S33、S37までの一連の処理が繰り返し実行される。
警告中に所定の操作が行われたことが判断されると(ステップS30で「Yes」)、警告を解除する(ステップS31)。この警告解除は、上記ステップS13と同じであり、警告表示7bの消灯が行われる。これにより、現在が警告中ではなくなる。
そして、駆動部333を制御して、シャッター331を遮蔽位置から退避位置に移動させて(ステップS32)、ステップS33に進む。
待機中が継続され(ステップS33で「No」)、現在が警告中でないことを判断すると(ステップS37で「No」)、ステップS21に戻り、ステップS21以降の処理を実行する。
待機中に再度、警告中に遷移すると(ステップS22で「Yes」、S27)、シャッター331が退避位置から遮蔽位置に移動される(ステップS28)。そして、待機中に警告解除されると(ステップS30で「Yes」、S31)、シャッター331が遮蔽位置から退避位置に戻される(ステップS32)。
待機中の終了を判断すると(ステップS33で「Yes」)、現在が警告中であるか否かを判断する(ステップS34)。警告中でないことを判断すると(ステップS34で「No」)、当該警告制御を終了する。
一方、警告中に待機中の終了を判断すると(ステップS34で「Yes」)、警告を解除し(ステップS35)、シャッター331を遮蔽位置から退避位置に戻した後(ステップS36)、当該警告制御を終了する。
この場合、待機中に警告が発せられていてもユーザーが所定の操作を行っておらず、画像形成装置10の設置環境の変更が実施されていない蓋然性が高いといえる。画像形成装置10の設置環境が変更されていなければ、ジョブ実行後、再度、待機中に戻った場合にその待機中に当該警告制御において再度の警告が発せられることになる(ステップS22で「Yes」、S27)。
このように本変形例のシャッター331を設ける構成をとれば、待機中に定着ヒーター53への電力供給を継続してジョブの実行が可能になるので、ユーザーに警告を発する必要がないようにも思われる。しかし、警告を出力しなければユーザーは、エアコンなどからの風が画像形成装置10に直接当たっていることに気付くことができない。
風が画像形成装置10に当たっていることにより室内に行き渡ることが妨げられていれば、風が妨げられない場合よりも室内の冷暖房が行われ難くなりエアコンの無駄な電力消費にも繋がる。
このことから、画像形成装置10に吹き付ける必要のないエアコンなどからの風が当たったままになっている旨をユーザーに警告で知らせるべきであり、その警告によりユーザーが画像形成装置10の設置環境を変更すれば、変更前よりも室内の冷暖房が行われ易くなり、エアコンの無駄な電力消費が防止されて省エネルギーにも資することができる。
なお、上記では警告中におけるシャッター331の遮蔽位置から退避位置への移動(ステップS32)の条件を、警告中にユーザーによる所定の操作が行われたとき(ステップS30)としたが、これに限られない。例えば、所定の操作に関係なく、警告が出力されてから所定時間(例えば、5分)経過時にシャッター331を遮蔽位置から退避位置に戻す構成をとることもできる。
この場合、シャッター331が退避位置に戻ることにより排出口48が開放され、外気8が再度、排出口48から機内に入り込むこともあるが、警告を出力すべき条件を満たすと(ステップS22で「Yes」)、再度、シャッター331が退避位置から遮蔽位置に移動されるので(ステップS28)、以降、外気8が機内に入り込むことがない。つまり、警告後、ユーザーが画像形成装置10の設置環境の変更を行わなければ、待機中にシャッター331の位置が退避位置と遮蔽位置とに交互に切り換わることになる。
このようにシャッター331の位置を退避位置と遮蔽位置とに交互に切り換えるようにすれば、待機中かつ警告中でありながらシャッター331が退避位置に位置している時間が存するようにできる。例えば、この時間中に待機中が終了してジョブが開始される場合を想定すると、待機中の終了時点でシャッター331が退避位置に位置しているので、排出口48が開放されており、用紙Sを排出口48から排出できる状態にあり、待機中の終了から直ぐにジョブを開始できる。
一方、待機中かつ警告中にシャッター331が常時、遮蔽位置に位置していれば、待機中の終了時点でシャッター331により排出口48が塞がれており、用紙Sを排出口48から排出できない状態になる。このため、待機中の終了からシャッター331を退避位置に戻す動作を行い、この動作後にジョブを開始する必要が生じ、その動作時間の分、ジョブの実行開始タイミングが遅くなる。
このことから、待機中かつ警告中にシャッター331の位置を遮蔽位置と退避位置とに交互に切り換える制御により、シャッター331が退避位置に位置しているときに待機中が終了した場合、シャッター331を遮蔽位置から退避位置に戻す動作を行わなくて済む分、ジョブの実行開始タイミングを早められ、それだけプリントの生産性を向上できる。
なお、上記の所定時間は、排出口48に風が吹き付けたことにより警告を出力すべき条件を満たした場合に(ステップS22で「Yes」)、定着ローラー51の温度がある程度上がっていても(図8(a))に、その温度が目標温度まで下がって安定するまでに要すると想定される時間が予め実験などにより設定される。
上記では駆動部333を制御してシャッター331を移動させる構成例を説明したが、これに限られない。警告中に外気8が排出口48から機内に入り用紙搬送路45を通って定着ローラー51に向かうのを阻止する阻止手段であれば良い。
例えば、ユーザーが手動でシャッター331の位置を退避位置と遮蔽位置とに交互に切り換え可能な構成をとることもできる。この構成の場合、警告表示7bに、ユーザーに対してシャッターの位置を退避位置から遮蔽位置に切り換えてほしい旨のメッセージを追加表示させることで、ユーザーにその旨を知らせることができる。
また、シャッター331の揺動機構の例を説明したが、シャッター331の姿勢が排出口48を塞ぐ閉塞位置(遮蔽位置に相当)と開放する開放位置(退避位置に相当)との間を変更可能な機構であれば良く、例えばシャッター331を上下方向にスライドする機構などを用いることもできる。
さらに、シャッター331を設ける構成に代えて、例えば排出口48を塞ぐための閉塞部材をユーザーが筐体10aに着脱可能なように構成して、この閉塞部材の装着をユーザーに促す表示や通知などをユーザーに対する警告とすることもできる。
(7−4)また、シャッター331を設ける構成に代えて、例えば図17に示すように排出口48から機内に入り込んだ外気8の行先を用紙搬送路45から別の通風路351に変えることにより、定着部5に向かうのを阻止する構成をとることもできる。
すなわち、図17に示すように定着ニップ59から排出口48までの間の用紙搬送路45の途中であり、排出ローラー対33の用紙搬送方向上流側かつ近傍の位置350から分岐する分岐路(通風路)351を設ける。この分岐路351の一方端は分岐位置350であり、他方端は装置筐体10aの横側面10bに設けられた排出口354に繋がっている。そして、分岐位置350に支点353を中心に上下に揺動する切換爪352を設ける。
切換爪352は、定着ローラー51の軸方向に沿って長尺な板状部材であり、実線の第1姿勢と破線の第2姿勢とに姿勢変更が可能であり、例えばソレノイドなどのアクチュエーターの駆動力により姿勢変更される。
用紙搬送路45を、分岐位置350を挟んで用紙搬送方向上流側の第1部分経路451と用紙搬送方向下流側の第2部分経路452とに分けたとき、切換爪352の第1姿勢は、第1部分経路451と第2部分経路452との連通により第1部分経路451と第2部分経路452とで用紙搬送路45が形成される第1状態のときの姿勢であり、第2姿勢は、第2部分経路452と分岐路351とが繋がり、第1部分経路451が塞がれる第2状態のときの姿勢である。
このような構成において待機中以外のジョブ実行中や待機中に警告が出力されていないときには、切換爪352が第1姿勢(実線)になり、用紙Sの搬送が可能な状態になる。
一方、待機中に警告が出力されるとその警告解除までの間、切換爪352が第2姿勢(破線)に遷移する。これにより、排出口48から機内に入り込んだ外気8を第2部分経路452から分岐位置350を介して分岐路351に導き、分岐路351を通過させて排出口354から機外に排出させることができる。
従って、待機中に排出口48から機内に入り込んだ外気8が定着部5に向かうことが防止され、シャッター331を設ける構成と同様に、警告中でも定着ヒーター53の点灯と消灯制御を継続しつつ、外気8による定着ローラー51の過昇温を防止できる。
(7−5)上記実施の形態では、画像形成装置10の設置環境を変更する旨の警告メッセージを含む警告表示を操作部7に表示させるとしたが、警告の出力は、メッセージ表示に限られない。
例えば、警告の音声出力や警告ランプの点灯としたり、画像形成装置10において警告メッセージを用紙Sに印字して出力したり、ネットワークを介して画像形成装置10と接続されている外部のユーザーの端末装置にその警告を送信したりするなど、ユーザーに警告できるものであれば良い。警告は、待機中に排出口48から機内に流入した外気8による温度検出センサー54の冷却が抑制されるようになる環境に変更すべき旨の警告とすることができる。
(7−6)上記実施の形態では、定着ローラー51に対して非接触の温度検出センサー54を用いる構成例を説明したが、温度検出手段はこれに限られない。例えば、定着ローラー51に接触する接触式の温度検出センサーを用いる場合でも、外気8の影響により検出温度にばらつきが生じる構成に適用できる。
図18(a)と(b)は、接触式の温度検出センサーを用いた構成において、待機中に風が排出口48に当たることにより余計な電力消費が生じることを説明するための図であり、実験により得られた結果の一例を示している。
図18(a)は、待機中に風が排出口48に当たっていないとき(風なし)、風が排出口48に当たっている場合にその風速(m/秒)が1.8のとき、2.8のとき、3.6のときのそれぞれにおけるローラー温度、検出温度、補正後温度、装置電力の関係を示す。ここで、装置電力(W)は、待機中の画像形成装置の消費電力に相当し、装置電力が大きいほど、定着ヒーター53への供給電力が多いことを示す。
図18(b)は、図18(a)と同じ条件におけるローラー温度、検出温度、補正後温度、ヒーターリモート信号の関係を示す。ここでヒーターリモート信号は、待機中における定着ヒーター53の点灯と消灯の切換信号であり、Hレベルが定着ヒーター53の点灯指示、Lレベルが消灯指示を示し、単位時間当たりにヒーターリモート信号がHレベルになる回数が多いほど定着ヒーター53への供給電力が多いことを示す。
図18(a)と(b)に示すように、接触式の温度検出センサーを用いた構成の場合、非接触式のように待機中の風によりローラー温度が急激に上昇することは生じていない。
ところが、風の風速が強くなるに伴って、図8(a)の例と同様に、図18(a)の例もローラー温度と補正後温度との乖離が大きくなり、定着ローラー51の温度がある程度上昇しつつ、図18(b)に示すように単位時間当たりにヒーターリモート信号がHレベルになる回数が多くなって、定着ヒーター53への供給電力(消費電力)も多くなっていることが判る。待機中に定着温調制御を行っている間に、排出口48に吹き付ける風の風速が強くなるに伴って、ローラー温度が上がることは、それだけ定着ローラー51の熱劣化が進むことになり、無駄な電力が消費されていることになる。
そこで、接触式の温度検出センサーを用いる構成でも、上記の警告制御を適用することにより、ユーザーにより画像形成装置の設置環境が変更され、画像形成装置に風が当たらないようになれば、風が当たったままの場合よりも、定着ローラー51の熱劣化の進行を抑制でき、また無駄な電力消費を抑制することもできる。
(7−7)上記実施の形態では、定着部材として定着ローラー51と、加圧部材として加圧ローラー52を用いる構成例を説明したが、定着部材と加圧部材はローラーに限られず、例えば一方がベルトで他方がローラーの組み合わせや両方がベルトの組み合わせなどとすることもできる。また、温度検出センサー54にサーミスターを用いる構成例を説明したが、これに限られず、他の種類の温度検出素子でも良い。
また、画像形成装置としては、搬送中の用紙(シート)に形成された画像を、ヒーターにより加熱された定着部材を用いて熱定着させた後、排出口から排出する構成であれば、例えば複写機、プリンター、ファクシミリ装置等の画像形成装置一般に適用できる。さらに、上記の目標温度、所定値、閾値などが上記の値に限られず、装置構成に応じて適した値が決められる。
また、上記実施の形態及び上記変形例の内容をそれぞれ組み合わせるとしても良い。
本発明は、搬送中のシートに形成された画像を定着部材により熱定着させる画像形成装置に適用することができる。
5 定着部
6 全体制御部
7 操作部
8 外気(風)
43 用紙搬送路
48、354 排出口
10 画像形成装置
51 定着ローラー
53 定着ヒーター
54 温度検出センサー
65 定着制御部
201 風速計
331 シャッター
351 分岐路
352 切換爪
451 第1経路部分
452 第2経路部分

Claims (13)

  1. 搬送中のシートに形成された画像を、ヒーターにより加熱された定着部材を用いて熱定着させた後、排出口から排出する画像形成装置であって、
    前記定着部材の温度を検出する検出手段と、
    画像形成の実行待機中に、前記定着部材の温度が前記実行待機中の目標温度に維持されるように、前記検出手段の検出結果に基づいて前記ヒーターへの供給電力を制御する温調制御手段と、
    前記制御中に前記排出口から当該画像形成装置内に流入した外気による前記検出手段の冷却の程度を示す指標値が所定値を超えたことを判断すると、当該画像形成装置の設置環境を前記外気による前記検出手段の冷却が抑制されるようになる環境に変更すべき旨の警告を出力する警告手段と、
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記検出手段は、前記定着部材とは非接触のセンサーであり、
    前記指標値は、
    前記目標温度から前記センサーの検出温度を差し引いた値であり、
    前記所定値は、
    前記目標温度と当該目標温度よりも低い所定の閾値との差であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記検出手段は、前記定着部材とは非接触のセンサーであり、
    前記指標値は、
    前記センサーの検出温度の単位時間当たりにおける温度変化の絶対値であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 前記センサーは、サーミスタであることを特徴とする請求項2または3に記載の画像形成装置。
  5. 前記流入した外気の風速、風量または風圧を計測する計測手段を備え、
    前記指標値は、
    前記計測手段の計測値であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  6. 前記警告手段は、
    前記判断を行うと、さらに前記ヒーターへの電力供給を遮断して画像形成の実行を禁止し、当該禁止後、ユーザーによる所定の解除操作の実行を判断すると、前記警告出力を中止し、画像形成の実行禁止の解除および前記ヒーターへの電力供給の再開を行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記外気は、
    前記定着部材から前記排出口までの間のシート搬送路を、当該画像形成装置の外から前記排出口を通ってシート搬送方向とは逆方向に前記定着部材に向かって流れる風であり、
    前記警告手段は、
    前記画像形成の実行待機中に前記風が前記搬送路を通って前記定着部材に向かうのを阻止する阻止手段を備え、
    前記判断を行うと、さらに前記阻止手段に前記阻止を実行させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  8. 前記阻止手段は、
    前記シート搬送路の途中の分岐位置から分岐しており、前記排出口とは別の排出口と繋がる通風路と、
    前記分岐位置を挟んで前記シート搬送路をシート搬送方向上流側の第1部分経路とシート搬送方向下流側の第2部分経路とに分けたとき、前記第1部分経路と前記第2部分経路とが繋がり当該シート搬送路を形成する第1状態と、前記第2部分経路と前記通風路とが繋がり、前記第1部分経路が塞がれる第2状態とを切り換える切換手段と、を備え、
    前記警告手段は、
    前記判断を行うと、前記阻止の実行として、前記切換手段に前記第1状態から前記第2状態に切り換えさせることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 前記阻止手段は、
    前記排出口を遮蔽する遮蔽手段を備え、
    前記警告手段は、
    前記判断を行うと、前記阻止の実行として、前記遮蔽手段に前記排出口を遮蔽させることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
  10. 前記警告手段は、
    前記判断を行っても、前記温調制御手段に前記制御を継続させることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  11. 前記警告手段は、
    前記警告の出力として、前記警告を表示部に表示する、または、ネットワークを介して接続されている外部の端末装置に前記警告を送信することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  12. 前記警告は、
    当該画像形成装置の設置場所の変更を促すもの、当該画像形成装置の向きの変更を促すもの、および前記排出口を塞ぐための閉塞部材の装着を促すもののうち、少なくとも一つであることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  13. 前記外気は、
    前記定着部材から前記排出口までの間のシート搬送路を、当該画像形成装置の外から前記排出口を通ってシート搬送方向とは逆方向に前記定着部材に向かって流れる風であり、
    前記警告は、
    前記排出口に吹き付けられる風の風量もしくは風速の変更を促すもの、または前記排出口に吹き付けられる風の向きの変更を促すものであることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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