JP2016143725A - Printed wiring board and method of manufacturing the same - Google Patents
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Abstract
Description
本発明はプリント配線板およびその製造方法に関する。 The present invention relates to a printed wiring board and a manufacturing method thereof.
特許文献1には、パッケージ領域(製品領域)の周囲のダミー領域に種々の形状の銅パターンを形成することが開示されている。すなわち、図7に示されるように、製品領域90に平行な配線91と、製品領域90に垂直な配線92で形成されるダミー配線が形成されている。
Patent Document 1 discloses forming copper patterns of various shapes in a dummy region around a package region (product region). That is, as shown in FIG. 7, a dummy wiring formed by a
しかし、樹脂絶縁層の一面にダミー配線91が形成されていても、樹脂絶縁層を切断する場合には、樹脂絶縁層の厚さの全体に衝撃が加わる。そのため、表面のみならず、樹脂絶縁層の厚さの中間部からクラックが入り、そのクラックが水平方向および上下方向に延びる可能性がある。そのため、表面にダミー配線層が形成されていても、クラックが製品エリアに達して、製品が不良になってしまうことがある。
However, even if the
本発明の多数個取りプリント配線板は、複数のプリント配線板からなる製品エリア、および1または2以上の前記製品エリアの周囲に形成されるダミーエリアを有している。そして、本発明の多数個取りプリント配線板は、第1面と該第1面の反対面である第2面を有する樹脂絶縁層を有している。さらに前記製品エリアの各プリント配線板は、前記樹脂絶縁層の第1面側に一面のみが露出するように埋め込まれる第1導体層と、前記第1導体層と接続され、前記樹脂絶縁層を貫通して前記第2面側に端部が露出する導体ポストとを有し、前記ダミーエリアは、前記樹脂絶縁層の第1面に形成されるダミーパターンと、前記樹脂絶縁層を貫通し、前記第2面側に端部が互いに独立して露出するように前記ダミーパターンと接続されるダミーポストとを有し、前記ダミーポストの太さが、前記導体ポストの太さより小さくなるように形成されている。 The multi-cavity printed wiring board of the present invention has a product area composed of a plurality of printed wiring boards and a dummy area formed around one or more of the product areas. The multi-cavity printed wiring board of the present invention includes a resin insulating layer having a first surface and a second surface that is the opposite surface of the first surface. Furthermore, each printed wiring board in the product area is connected to the first conductor layer, the first conductor layer embedded so that only one surface is exposed on the first surface side of the resin insulation layer, and the resin insulation layer A conductor post that penetrates and has an end exposed on the second surface side, and the dummy area penetrates the dummy pattern formed on the first surface of the resin insulation layer and the resin insulation layer; A dummy post connected to the dummy pattern so that ends thereof are exposed independently of each other on the second surface side, and the thickness of the dummy post is smaller than the thickness of the conductor post Has been.
本発明の多数個取りのプリント配線板の製造方法は、複数のプリント配線板を含む製品エリア、および1または2以上の前記製品エリアの周囲に形成されるダミーエリアを有する多数個取りのプリント配線板の製造方法である。本発明の多数個取りのプリント配線板の製造方法は、金属膜を準備することと、前記金属膜上に、複数個の多数個取りプリント配線板用の前記第1導体層の配線パターンおよび前記ダミーパターンを形成することと、前記第1導体層の一部のパターンおよび前記ダミーパターンの上に導体ポストおよびダミーポストをそれぞれ形成することと、前記第1導体層の露出面ならびに前記導体ポストおよび前記ダミーポストの側面を被覆するように樹脂絶縁層を形成することと、前記樹脂絶縁層の第2面側を研磨することにより、前記導体ポストおよび前記ダミーポストの端部を露出させることと、前記支持板と前記金属膜を除去すること、および1または2以上の製品エリアを含む多数個取りプリント配線板に切断分離することを、いずれかを先に行う順番で行うことと、を含んでいる。そして、前記ダミーエリアは、前記導体ポストより細いダミーポストを有している。 A method for manufacturing a multi-piece printed wiring board according to the present invention includes a product area including a plurality of printed wiring boards, and a multi-piece printed wiring having a dummy area formed around one or more of the product areas. It is a manufacturing method of a board. The method of manufacturing a multi-piece printed wiring board according to the present invention includes preparing a metal film, a wiring pattern of the first conductor layer for a plurality of multi-piece printed wiring boards on the metal film, and the Forming a dummy pattern, forming a pattern of the first conductor layer and a conductor post and a dummy post on the dummy pattern, respectively, an exposed surface of the first conductor layer, and the conductor post and Forming a resin insulating layer so as to cover the side surface of the dummy post; and polishing the second surface side of the resin insulating layer to expose ends of the conductor post and the dummy post; Either removing the support plate and the metal film and cutting and separating into a multi-piece printed wiring board including one or more product areas. It includes and be carried out in order to do so, the. The dummy area has a dummy post that is thinner than the conductor post.
つぎに、本発明の一実施形態の多数個取りプリント配線板が図面を参照しながら説明される。図1Aに多数個取りプリント配線板を複数個有するパネルの平面説明図が示されており、その切断線D−Dで切断分離されることにより、短冊状の一実施形態の多数個取りプリント配線板100が複数個得られる。また、図1Bは製造途中工程の断面説明図である。なお、図1Bでは多数個取りプリント配線板の支持板80の両側の面に同じ回路パターンが形成されるプリント配線板の例が説明されているが、このような例に限定されるわけではなく、支持板80の両側に異なる回路パターンを有する配線板が形成されることも、また、一方の面だけに配線板が形成されることも可能である。また、図1Bは、図1Aの1B−1B断面の製造工程途中の説明図であって、後述されるように支持板80および金属膜81が除去される工程を経る前の状態を示している。そのため、支持板80の両面に金属膜81を介して多数個取りプリント配線板100が形成されている状態が示されており、多数個取りプリント配線板100の第1面SF1側が、中心側、すなわち、支持板80側に位置している。
Next, a multi-piece printed wiring board according to an embodiment of the present invention will be described with reference to the drawings. FIG. 1A shows a plan view of a panel having a plurality of multi-piece printed wiring boards, and the multi-piece printed wiring of one embodiment of a strip shape by being cut and separated along the cutting line DD. A plurality of
本実施形態の多数個取りプリント配線板100は、図1Aに示されるように、複数のプリント配線板1a、1b、1c・・・からなる製品エリア20、および1または2以上の製品エリア20の周囲にダミーエリア(ストリップエリア)10が形成されている中判の複合配線板であり、図1Bに示されるように、第1面SF1と第1面の反対面である第2面SF2とを有する樹脂絶縁層30を有している。製品エリア20には、樹脂絶縁層30の第1面SF1側に一面のみが露出するように埋め込まれて第1導体層21が形成され、その第1導体層21と接続されている導体ポスト25が、樹脂絶縁層30を貫通して第2面SF2側にその端部が露出するように形成されている(図4G参照)。そして、ダミーエリア10には、樹脂絶縁層30の第1面SF1側に、ダミーパターン11が製品エリア20を周回するように形成され、かつ、ダミーパターン11と接続して形成されるダミーポスト12が、樹脂絶縁層30を貫通し、第2面SF2側に端部が互いに独立して露出するように形成されている。そして、図1Eに示されるように、ダミーポスト12が導体ポスト25の太さよりも細く形成されている。図1Eは、ダミーポスト12がドットパターン状に配置される例である。なお、図1Aでは、わかりやすくするために、ダミーパターン11は大きく描かれているが、実際のダミーパターン11は、図1Eに例示されるダミーポスト12と同程度の細かいパターンで形成されている。
As shown in FIG. 1A, the multi-cavity printed
ここに製品エリアとは、製品となるプリント配線板が複数個並べられているエリアを意味し、また、ダミーエリアとは、製品となるプリント配線板が形成されない、1または2以上の製品エリアの周囲の領域であって、ストリップエリアとも称される、ダミーパターンが形成される部分である。また、導体ポスト25またはダミーポスト12のポストの太さとは、ポストの外形の大きさを意味し、ポストの断面が円形の場合はその直径を、その断面が矩形や多角形の場合はその対角線の最大の寸法を、断面が楕円形の場合は、その長径の寸法を意味する。
Here, the product area means an area where a plurality of printed wiring boards as products are arranged, and the dummy area means one or more product areas in which the printed wiring boards as products are not formed. It is a surrounding area and is a portion where a dummy pattern, also called a strip area, is formed. Further, the thickness of the post of the
すなわち、半導体装置のパッケージなどに用いられるプリント配線板では、1個当たりが1cm角程度であり、製造段階では複数個のプリント配線板がまとめて大判のパネルとして形成され、そのパネルから中判で短冊状の多数個取りプリント配線板にされて、半導体素子などが搭載された後に、個々のプリント配線板に個片化される。このパネルから短冊状の多数個取りプリント配線板に切断するには、ルーターや金型などで切断されるが、その切断の際に、樹脂絶縁層にクラックが走り、複数個のプリント配線板がまとめて不良になることがある。 That is, a printed wiring board used for a package of a semiconductor device has a size of about 1 cm square, and a plurality of printed wiring boards are formed as a large panel at the manufacturing stage. It is made into a strip-like multi-piece printed wiring board, and after semiconductor elements are mounted, it is separated into individual printed wiring boards. To cut from this panel into strip-shaped printed wiring boards, it is cut with a router or a mold, but at that time, a crack runs on the resin insulation layer, and multiple printed wiring boards are formed. It may become defective collectively.
本発明の一実施形態の目的は、複数のプリント配線板をまとめて製造する大判のパネルから中判の短冊状の多数個取りプリント配線板に切断する際に、クラックが入ってそのクラックが製品エリア内に延び、製品が不良になることが防止されることである。 An object of an embodiment of the present invention is that when a large-sized panel that collectively manufactures a plurality of printed wiring boards is cut into a medium-sized strip-shaped printed wiring board, the cracks are generated. It extends into the area and prevents the product from becoming defective.
また、他の目的は、特に、プリント配線板の樹脂絶縁層が、ガラス繊維などの芯材を含まない樹脂で形成され、また、樹脂絶縁層の一面のみに配線パターンが形成され、他面側には配線パターンが形成されない場合でも、切断時のクラックに伴う不良が防止されることである。さらに他の目的は、ダミーエリア内のクラックの進行を防ぐダミーポストが、製品エリアの導体ポストと共に電気めっき膜により数多く形成される場合に、各ポストの高さがほぼ均一に形成され、より製造が容易に為され得る構造の多数個取りプリント配線板およびその製造方法を提供することである。 Another object is that the resin insulation layer of the printed wiring board is formed of a resin that does not include a core material such as glass fiber, and the wiring pattern is formed only on one surface of the resin insulation layer. In this case, even when a wiring pattern is not formed, it is possible to prevent defects associated with cracks during cutting. Yet another object is that when a large number of dummy posts that prevent the progress of cracks in the dummy area are formed with electroplated films together with the conductor posts in the product area, the height of each post is formed to be substantially uniform and more manufactured. It is an object of the present invention to provide a multi-piece printed wiring board having a structure that can be easily made and a method for manufacturing the same.
ダミーパターン11は、たとえば図2Aに示されるように、樹脂絶縁層30(図1B参照)のダミーエリア10の第1面SF1上に、配線などにより連結されずに独立してドットパターン状に形成されている。しかしこれに限らず、後述のように、ダミーパターン11は連結されていてもよい。図2Aには、平面形状が六角形のダミーパターン11が示されているが、ダミーパターンの形状はこれに限定されるものではなく、三角形でも、矩形もしくは菱形でも、それ以上の多角形でも、十字形でも、また、円形または楕円形でも構わない。また、図2Aでは、全てのダミーパターン11が入り組んだ形に配置される例が示されている。すなわち、図2Aに示されるように、ダミーパターンが、隣接する2つのパターンの列でそれぞれ1/2ピッチずれたいわゆる千鳥状に配列されたり、また、パターン同士が相互に食い込むように配列されたりすることが好ましい。これは、このような配列により、ダミーパターン11の間隙部を通る直線が、どのような方向に向かおうとも、いずれかのダミーパターン11に突き当たり、ダミーエリア10を通過して製品エリアに延びないからである。その結果、大判のパネルから中判の短冊状の多数個取りプリント配線板100に切断する際に、その切断部でクラックが発生しても、端縁10a(図1A参照)に入ったクラックが、第1面SF1上をこの直線方向に沿って延びてダミーエリア10を通過して、製品エリア20(図1A参照)に入り込む可能性が阻止され得ると考えられる。しかし後述のようにダミーパターン11はこのような構造には限定されない。たとえば、ダミーパターン11は、不規則な配置でも、マトリックス状の規則的な配置でも構わない。
For example, as shown in FIG. 2A, the
パネル200から短冊状の中判の多数個取りプリント配線板100に切断する際に入るクラックは、特に樹脂絶縁層30の第1面SF1側に入ることが多い。そのため、このようなダミーパターン11が設けられることにより、クラックの製品エリア20側への侵入をそのダミーパターンで阻止しやすくなるので好ましい。しかし、樹脂絶縁層30の厚さ方向の中間部または第2面SF2側に入るクラックに対しては、必ずしも完全には製品エリア20へのクラックの侵入を阻止することができない可能性がある。そのため、本実施形態では、樹脂絶縁層30の第1面SF1上にダミーパターン11が形成されるだけでなく、ダミーパターン11と接続して形成されるダミーポスト12が、樹脂絶縁層30を貫通するように形成される。ダミーポスト12が樹脂絶縁層30を貫通して形成されることにより、クラックが樹脂絶縁層の厚さ方向のどの部分に入っても、クラックの侵入を阻止しやすくなると考えられる。したがって、クラックの製品エリア20側への侵入阻止効果がさらに向上され得る。
In many cases, cracks that enter when the
この観点からは、ダミーエリア10の樹脂絶縁層30を貫通するダミーポスト12は、ダミーパターンの径(幅)と同じ径(幅)で、できるだけ多く形成されることにより、多数個取りプリント配線板100の機械的強度は向上すると共に、クラックの侵入を阻止できると考えられる。一方、製品エリアでも、導体ポスト25が形成され、これらはともに同時に電気めっきで形成され得る。ダミーポスト12の数が増加し、全ダミーポスト12の合計の断面積が大きくなりすぎると、導体ポスト25の部分に比べて電気めっき時の電流密度が低下する。電流密度が低くなるとめっき膜の形成速度が遅くなるため、ダミーポスト12の高さと導体ポスト25の高さにバラツキが生じると考えられる。従って、ダミーエリア10の面積に対するダミーポスト12の全断面積の割合(残銅率)と製品エリア20の面積に対する全導体ポスト25の全断面積の割合(残銅率)がほぼ等しいことが好ましい。すなわち「残銅率」とは、その部分の全体の面積に対する導体ポストまたはダミーポストの断面積の総計の割合を意味するものであり、導体ポストまたはダミーポストの材料が銅でない場合も含む。
From this point of view, the dummy posts 12 penetrating the
ダミーポストおよび導体ポストの両端部は、樹脂絶縁層30の第2面SF2側に露出する必要があるので、めっき厚のバラツキにより、ポストの高さが異なりすぎると、短いポストの高さに合わせてポストの高さが高い導体ポストを研磨する必要が生じる。この場合、全ての導体ポスト25およびダミーポスト12の端面と樹脂絶縁層30の第2面SF2とを均一に揃えるための研磨工程は、両者の高さの違いが大きいほど長くなり、これにより、研磨工程のあいだの製品の損傷の可能性も高まる可能性がある。したがって、できるだけ、電気めっきの厚さ、すなわち、導体ポスト25とダミーポスト12との高さが一定になるようにすることが必要となる。そのため、製品エリア20の第2面SF2側の残銅率と、ダミーエリア10の第2面SF2側の残銅率との差が10%以下であることが好ましく、その観点からこのダミーポスト12の太さが決定されるのが好ましいと考えられる。前述のように、クラックの直線的な進行を阻止するには、ダミーポスト12も入り組んだ配置パターンで数多く形成されるのが好ましいことがある。一方、導体ポスト25は、プリント配線板内の電気回路に応じて必要数しか設けられない。そこで、本実施形態では、ダミーポスト12を数多く形成しながら、製品エリア20とダミーエリア10との残銅率の差を少なくするため、ダミーポスト12が導体ポスト25の太さより小さく形成される。なお、ダミーエリア10自体の樹脂絶縁層の第2面側の残銅率は、5〜30%であることが好ましい。
Since both ends of the dummy post and the conductor post need to be exposed to the second surface SF2 side of the
本実施形態のプリント配線板は、樹脂絶縁層30の第2面SF2側に端部が互いに独立して露出するように、ダミーパターン11と接続して形成されるダミーポスト12を有し、ダミーポスト12の太さが、製品エリア20のプリント配線板の導体ポスト25の太さより小さくされている。図1Eには、図1Aに示されている多数個取りプリント配線板100の樹脂絶縁層30の第2面SF2における導体ポスト25およびダミーポスト12の配置の一例が部分的に示されている。図1Eに示される例では、ダミーポスト12の略円形の端部が、ドットパターン状の配列で樹脂絶縁層30の第2面SF2に露出している。導体ポスト25の配置やダミーポスト12の形状等は、もちろんこれらに限定されず、後述のように種々に形成され得るが、ダミーポスト12の太さは、導体ポスト25の太さより小さくされる。これにより、ダミーエリア10の残銅率が製品エリア20の残銅率に近いものとなり、多数個取りのプリント配線板のためのクラックの製品エリア20への侵入阻止およびプリント配線板の強度強化の効果を有しながら、均一な高さの導体ポスト25およびダミーポスト12が電気めっきにより形成され得る。すなわち、ダミーポスト12により、多数個取りプリント配線板100に所望の機械強度およびクラック防止効果を提供し、かつ、製造工程での樹脂絶縁層の研磨工程を短時間で済ませることができることがある。なお、ダミーエリア10の残銅率を高すぎないものとするという点から、好ましくは、ダミーポスト12の1本の断面積が、導体ポスト25の1本の断面積の30〜85%であることが望ましい。全てのダミーポスト12の断面積がこの範囲内であることが好ましいが、これに限定されず、たとえば、一部に30%未満または85%を超えるものが含まれていてもよい。
The printed wiring board according to the present embodiment includes dummy posts 12 that are formed in connection with the
図1Aに示される例では、ダミーパターン11は、前述のように独立したドット状に形成されている。このように、ダミーパターン11が、配線のように連続したパターンではなく、個々に独立したパターンで形成されると、製造段階で加熱される際に樹脂などから発生するガスが、連続したパターンでダミーパターン11が形成される場合に比べて抜けやすい。また、製造時におけるプリント配線板の反りや撓みの発生といった問題も回避されやすい。ダミーパターン11の平面形状は、前述のとおり種々の形状が採用され得る。図2Aでは、例としてダミーパターン11は六角形状のドットパターンである。その場合、ダミーポスト12の端部側は、図1E、ならびに図2Bに拡大して示されるように、円形状のドットパターンであってよい。このように、ダミーポスト12の形状は、ダミーパターン11の形状に拘わらず、円形、矩形、角型(多角形)、楕円、長方形など、種々の形状に形成され得るが、いずれの場合も、樹脂絶縁層30の第2面SF2に、それぞれ独立して露出するように形成され、たとえば、ドットパターン状に配置される。また、ダミーポスト12は、大判のパネル200から、中判の多数個取りプリント配線板100に切断する際にクラックが発生しても、そのクラックの製品エリア20側への侵入を阻止しやすいように、たとえば2列以上に形成され、2列間で半ピッチずらせた位置に設けられる、いわゆる千鳥状(千鳥足状)に配列され得る。そして、その全てのダミーポスト12の断面の面積のダミーエリア10の全面積に対する割合である残銅率が、製品エリア20における導体ポスト25の残銅率と、好ましくは10%以内になるように形成される。この結果、電気めっきにより導体ポスト25およびダミーポスト12の両方が同時に形成されても、その両方の高さが略同じに形成され、これらの端部25aおよび12bが樹脂絶縁層30の第2面SF2に露出するように樹脂絶縁層を研磨する量が少なくなることがある。
In the example shown in FIG. 1A, the
ダミーパターン11は、図2Aに示される例と異なり、独立したパターンが連結されたパターンでも、或いは、一定の範囲に亘って連続するパターンであってもよい。図2Cおよび図2Eには、そのようなダミーパターン11の他の例がそれぞれ示されており、図2Dおよび図2Fには、それぞれ、図2Cまたは図2Eに例示されるダミーパターン11に接続されるダミーポスト12の例が示されている。図2Cに示される例では、ダミーパターン11は、独立した略正方形の形状の個別パターン11bが縦横に整列してマトリックス状に形成され、各個別パターン11bが連結パターン11cで連結されて全体が構成されている。ダミーパターン11が図2Cに示されるように形成されると、クラックがダミーエリア10のいずれの部分で生じても、ダミーパターン11によりクラックのいずれの方向への進行も発生個所の近傍で阻止され得る。さらに、ダミーパターン11が形成されていない部分ダミーエリア10の全域にわたって存在するため、多数個取りプリント配線板100の反りも生じ難いと考えられる。このダミーパターン11に接続して形成されるダミーポスト12は、たとえば、図2Dに示されるように、個別パターン11bに対応する位置に、すなわち個別パターン11に接続して形成される。或いは、個別パターン11bと接続するダミーポスト12に代えて、または加えて、連結パターン11cと接続するダミーポスト12が形成されてもよい。
Unlike the example shown in FIG. 2A, the
また、図2Eには、製品エリア20を囲むように連続するダミーパターン11dの例が示されている。たとえば、多数個取りプリント配線板100に反りなどが生じるといった問題がない場合は、ダミーパターン11dがこのように連続的に形成されると、クラックの進行する余地がさらに少なくなるため好ましいことがある。図2Eに例示されるダミーパターン11に接続して形成されるダミーポスト12の配置は、ダミーパターン11上の位置であれば特に限定されないが、たとえば、図2Fに示されるように、ダミーパターン11dに沿って列状に、1列または複数列形成されてよい。複数列で形成される場合、前述のように、千鳥状の配置とされてよい。図2Dおよび図2Fのいずれに示される例においても、ダミーポスト12は、それぞれ独立して樹脂絶縁層30の第2面上に露出するように形成され、製品エリア20内の導体ポスト25の太さより小さく形成される。なお、図2Dおよび図2Fは、端部が略円形のダミーポスト12の例であるが、前述のように、ダミーポスト12は他の任意の形状であってよい。
In addition, FIG. 2E shows an example of a
プリント配線板の構造としては、種々の構造のものに適用できる。たとえば、図1Bに製造工程途中のパネルの状態の図1Aの1B−1B断面説明図が示される構造に適用できる。この構造では、ダミーパターン11がダミーエリア10の樹脂絶縁層30の第1面SF1に、製品エリア20の各プリント配線板1a、1b、1cに形成される、図示しない半導体素子などが搭載される第2パターン21bや、導体ポスト25が形成される第1パターン21aなどを有する第1導体層21と同時に形成される。また、樹脂絶縁層30の第1面SF1と反対面である第2面SF2または第2面SF2上に積層される積層樹脂絶縁層31(図6参照)の最外層である最外層樹脂絶縁層の露出面には配線パターンが形成されないで、第1導体層21側の導体層と接続される導体ポスト25(図4G参照)の端部25aのみが露出している。そして、ダミーエリア10のダミーパターン11と接続して、ダミーポスト12が形成されている。このダミーパターン11とダミーポスト12との関係は、前述の通りで、ダミーパターン11の形状に関わらず、ダミーポスト12の端面それぞれが独立して第2面SF2側に露出している。理想的には、このダミーポスト12が、その間隙部を直線が通過して製品エリアに抜けないように形成されていることが望ましいが、そうでなくても、発生する大部分のクラックを阻止することができれば、製品エリアのプリント配線板の不良品化を避けることができるため、大きな効果がある。ダミーポスト12の数を多くすれば、阻止する確率は高くすることができるが、前述の残銅率が、製品エリア20の残銅率より大きくなりすぎると、ポストの高さがばらつくという問題が生じやすいので、両者の兼ね合いで決定される。
The printed wiring board can be applied to various structures. For example, FIG. 1B can be applied to a structure in which a 1B-1B cross-sectional explanatory view of FIG. In this structure, the
すなわち、前述のように、樹脂絶縁層30の一面にのみ配線パターンが形成されて、他面側には導体ポスト25のみが露出する構造のプリント配線板の方が、端縁10aで入ったクラックが製品エリア20まで延びやすいので、その例が示されている。なお、このような樹脂絶縁層30の第2面SF2側は、マザーボードなどと導体ポスト25を介して接続される。しかし、前述のように、本実施形態のダミーポスト12を有する構造が適用されるプリント配線板は、このような片面にのみ配線パターンが形成されるプリント配線板には限定されない。なお、このプリント配線板100の製造方法は後で詳述されるが、このパネルから短冊状の多数個取りプリント配線板100に切断されるタイミングは、2通りの方法があるので、その説明がされる。
That is, as described above, the printed wiring board having a structure in which the wiring pattern is formed only on one surface of the
まず、図1Bにほぼ製造の終盤工程の状態で、図1Aの1B−1B断面の説明図が示されている。すなわち、完全な断面図ではなく、一部省略された主要部のみの図であると共に、ダミーパターン11およびダミーポスト12の部分は一列のみで示されている。前述のように、支持板80上に金属膜81を介して第1導体層21および樹脂絶縁層30が積層され、最終的に支持板80が除去されてプリント配線板が形成される。この支持板80は、たとえばダミー基板80a(図4A参照)に、たとえばキャリア銅箔80b付き金属膜81のキャリア銅箔80b側がダミー基板80aに貼り付けられている。そして、その金属膜81上に第2パターン21bなどを含む第1導体層21がダミーパターンと共に形成され、さらに図示されていない導体ポストと共に、ダミーポスト12が形成されて、樹脂絶縁層30により埋め込まれる構造になっている。
First, FIG. 1B shows an explanatory diagram of the 1B-1B cross section of FIG. 1A in the state of the final manufacturing process. That is, it is not a complete cross-sectional view, but is a view of only a main part partially omitted, and the
その後、支持板80を剥離すると、支持板80の両面に形成された大判のパネルが得られる。その大判のパネル200にした状態で前述のD−D線で切断されるのが第1の方法である。図1Cは、このように支持板80が剥離され、さらに金属膜81が除去された後に、切断された状態が示されている。このようにすれば、切断は容易であるが、薄い大判のパネル200を取り扱わなければならないので、注意しながら作業を進める必要がある。
Thereafter, when the
一方、図1Bの状態から支持板80の剥離前に切断されるのが第2の方法である。その様子を示したのが、図1Dである。すなわち、図1Bの状態で切断分離された状態が図1Dに示されている。この後で、短冊状の多数個取りプリント配線板100が支持板80から剥がされ、それぞれの多数個取りプリント配線板100になる。この後で、後述される金属膜81のエッチング除去などが行われる。この方法であれば、切断作業時の取り扱いは容易であるが、多数個取りプリント配線板100を支持板80から剥がす作業および金属膜81の除去をそれぞれの多数個取りプリント配線板100の中判サイズで行う必要があるので、工数がかかる。
On the other hand, the second method is to cut from the state of FIG. This is shown in FIG. 1D. That is, FIG. 1D shows a state of being cut and separated in the state of FIG. 1B. Thereafter, the strip-shaped multi-cavity printed
また、樹脂絶縁層30も特に限定されないが、前述のように、ガラス繊維などの芯材が入っていない方が、クラックが延びやすい。これは芯材があればクラックは止まりやすいが、芯材が無いと止まるところがなく、クラックが進行するからと考えられる。従って、本実施形態では、芯材が入っていない樹脂が用いられる場合に特に有効である。芯材が入っていない樹脂としては、層間絶縁用の樹脂フィルム(無機フィラーと樹脂組成物のみで形成されたフィルム)とか、モールド用の樹脂(型内に流し込んで固める樹脂)などがあるが、そのいずれでも構わない。しかし、本実施形態がこの芯材の入っていない樹脂に限定されるものでは無く、芯材入りの樹脂でも、本実施形態の効果は及ぶ。なお、樹脂絶縁層30に含浸される無機フィラーは、70〜90重量%含まれることが好ましい。また、モールド用の樹脂が用いられる場合は、熱膨張率が3〜120ppm/℃、かつ、弾性率が0.01〜30GPaのモールド成形用樹脂材料が用いられると、プリント配線板100に実装される電子部品などの接合部などに大きな熱応力が生じ難くなるため好ましい。
Also, the
以上のように、本実施形態では、ダミーパターン11がダミーエリア10に形成されると共に、さらにダミーポスト12が、製品エリア20の導体ポスト25と比較してその太さがより小さくなるように形成されることにより、パネル200から多数個取りのプリント配線板100に切断する際に、たとえば多数個取りのプリント配線板100の端縁10aにクラックが入った場合でも、そのクラックが製品エリア20に侵入するのを抑制することができると共に、均一な高さの導体ポスト25およびダミーポスト12がより少ない工程時間で製造され得ると考えられる。
As described above, in this embodiment, the
この多数個取りプリント配線板100を構成する個々のプリント配線板1のパターンの一例が図3A〜3Bに示される。すなわち、図3Aには、プリント配線板1の導体ポスト25の樹脂絶縁層30の第2面SF2における配置例が、図3Bには樹脂絶縁層30の第1面SF1の配置例が示されている。図3Aに示されるように、複数の導体ポスト25が一方向に並べて形成されてなる導体ポスト列26が、プリント配線板1の各辺に沿って2列並置して形成されていてもよい。導体ポスト列26は3列以上並置されてもよく、図3Aに示されるように、各辺に沿って形成されている導体ポスト列26と一定の間隔を空けて、さらに中心部に格子状に導体ポスト25が配置されてもよい。また、たとえば、樹脂絶縁層30の第2面SF2の全面に亘って格子状に形成されてもよい。図3Aには示されていないが、これらの導体ポスト25と同時に、前述のダミーエリア10のダミーポスト12も形成される。
An example of the pattern of each printed wiring board 1 constituting the multi-cavity printed
図3Aに示される個々のプリント配線板1の樹脂絶縁層30の第1面SF1側の第1導体層21には、たとえば、図3Bに示されるように、第1および第2パターン21a、21b、および、第1パターン21aと第2パターン21bとを接続する配線パターン21dが形成され得る。すなわち、第1パターン21aそれぞれの図3Bに示されている面(第1面SF1)の反対側の面(第2面SF2)上には、図3Aに示される導体ポスト25が形成されている。第2パターン21bは、図3Bに示される例では、図示されていない半導体素子が接続される接続パッド21cであり、たとえば、ICチップなどの電極とハンダバンプやボンディングワイヤなどにより電気的に接続される。図3Bは、矩形状の外形の4辺それぞれに電極が配置されている半導体素子と接続される接続パッド21cの例であり、接続パッド21cが一定のピッチで配列されてなる4つの接続パッド列が、全体として矩形をなすように配置されている。また、接続パッド21c(第2パターン21b)と、その周囲に形成されている第1パターン21aとは、配線パターン21dにより接続されている。これにより、図示されない半導体素子の電極が、導体ポスト25を介して、図示されないマザーボードなどの他の配線板と電気的に接続され得る。なお、図3Bに示されている第1導体層21の各パターンは一例に過ぎず、プリント配線板1内に形成される電気回路に応じて、任意の導体パターンが形成されてよい。
The
次に、前述の樹脂絶縁層30の第1面SF1に第1導体層21が形成され、第2面SF2側には、導体ポスト25だけが露出するプリント配線板で、製品エリア20の外周部に設けられるダミーエリア10にダミーパターン11とダミーポスト12が形成される例で、図4A〜4Gを参照して製造方法が説明される。なお、図4A〜4Gの両サイドが主要部で、中心部は省略されると共に、第1導体層21も簡略化して示されており、ダミーパターン11およびダミーポスト12も両サイドに1つずつ示されている。
Next, the
まず、図4Aに示されるように、金属膜81が準備される。具体的には、出発材料として、ダミー基板80aとキャリア銅箔80bとからなる支持板80および金属膜81が用意され、ダミー基板80aの両面にキャリア銅箔80bが積層され、加圧および加熱されて接合されることにより、支持板80とされ、この支持板80のキャリア銅箔80bに金属膜81が接着される。キャリア銅箔80bが予め金属膜81に接着され、そのキャリア銅箔80b付き金属膜81のキャリア金属箔80b側が支持板80のダミー基板80aに貼り付けられてもよい。支持板80には、好ましくは、ガラスクロスなどの芯材に無機フィラーを含むエポキシなどの絶縁性樹脂を含浸させた材料などからなる半硬化状態のプリプレグ材などが用いられるが、これに限定されず、他の材料が用いられてもよい。金属膜81の材料は、表面上に、第1導体層21が形成され得る材料が用いられ、好ましくは、1〜3μm程度の厚さの銅箔が用いられる。また、キャリア銅箔80bは、たとえば、15〜30μm程度、好ましくは18μm程度の厚さの銅箔が用いられる。しかしながら、キャリア銅箔80bの厚さは、これに限定されず、他の厚さにされてもよい。
First, as shown in FIG. 4A, a
キャリア銅箔80bと金属膜81との接合方法は、特に限定されないが、たとえば、両者の貼り付け面の略全面において図示されない剥離し易い熱可塑性の接着剤により接着されてもよく、あるいは、第1導体層21の導体パターンが設けられない外周付近の余白部において、接着剤または超音波接続により接合されてもよい。なお、たとえば、支持板80に両面銅張積層板が用いられ、表面の銅箔をキャリア銅箔80bとして、その上に単体の金属膜81が前述の方法などを用いて接合されてもよい。
The method for joining the
なお、図4A〜4Eには、支持板80の両面に金属膜81が接合され、それぞれの面において、第1導体層21、導体ポスト25、ダミーポスト12および樹脂絶縁層30が形成される製造方法の例が示されている。このような方法で製造されれば、第1導体層21や導体ポスト25、ダミーポスト12などが2つ同時に形成されるという点で好ましい。しかしながら、支持板80の一方の面だけに第1導体層21などが形成されてもよく、また、両側で互いに異なる回路パターンの導体層などが形成されてもよい。以下の説明は、両面に同じ回路パターンが形成される例で説明されるため、一方の面だけについて説明され、他面側に関しての説明は省略され、各図面における他面側の符号も一部省略されている。
4A to 4E, the
つぎに、この金属膜81上に、複数個の多数個取りプリント配線板用の第1導体層21の配線パターン21a、21bおよびダミーパターン11が形成される。第1導体層21の各配線パターン21a、21bおよびダミーパターン11の形成方法は特に限定されないが、たとえば、電気めっき法が用いられる。この場合、まず、金属膜81上にレジスト材(図示せず)が全面に塗布または積層され、パターニングされることにより第1導体層21およびダミーパターン11が形成される部分以外の所定の領域にめっきレジスト膜(図示せず)が形成される。続いて、めっきレジスト膜が形成されていない金属膜81の露出面に、金属膜81を電気めっきのシード層(給電層)として、たとえば、電気めっきによるめっき層が形成される。その後、めっきレジスト膜が除去される。その結果、図4Bに示されるように、第1パターン21a(導体ポスト25が形成されるパターン)、および第2パターン21b(半導体素子などが搭載されるパッドなど)などが形成されている第1導体層21、およびダミーパターン11が所定の回路パターンで金属膜81上に形成される。第1導体層21は、好ましくは後述の導体ポスト25やダミーポスト12と同じ材料で形成され、好ましくは銅で形成される。また、第1導体層21およびダミーパターン11は、好ましくは5〜30μm程度の厚さに形成され得るが、これに限定されない。
Next,
つぎに、図4Cに示されるように、第1導体層21の一部のパターン21aおよびダミーパターン11上に導体ポスト25およびダミーポスト12がそれぞれ形成される。具体的には、第1導体層21の第1パターン21a上に導体ポスト25が、また、ダミーパターン11上に導体ポスト25と比較してその太さがより小さいダミーポスト12が形成される。すなわち、まず、第1導体層21およびダミーパターン11の金属膜81と接している側の面と反対側の面(露出面)であって、導体ポスト25およびダミーポスト12が形成される部分を除く部分および第1導体層21やダミーパターン11に覆われずに露出している金属膜81上に図示しないめっきレジスト膜が形成される。導体ポスト25と比較してその太さがより小さいダミーポスト12を形成するために、ダミーポスト12形成のためのダミーパターン11上のめっきレジスト膜の開口部は、第1パターン21a上の導体ポスト25形成のための開口部よりも小さく形成される。めっきレジスト膜は少なくとも10〜150μm程度の厚さに形成される。続いて、第1パターン21aおよびダミーパターン11上のめっきレジスト膜の開口部に、金属膜81を電気めっきのシード層(給電層)として、電気めっきによるめっき層が形成される。その後、めっきレジスト膜が除去される。その結果、図4Cに示されるように、第1パターン21aの露出面上に電気めっき層からなる導体ポスト25が形成され、同様にダミーパターン11の露出面上に導体ポスト25と比較してより小さい太さのダミーポスト12が形成される。導体ポスト25およびダミーポスト12は、好ましくは第1導体層21と同じ材料で形成され、好ましくは銅で形成される。また、導体ポスト25およびダミーポスト12は、好ましくは10〜150μm程度の厚さに形成され得るが、これに限定されない。本実施形態では、ダミーポスト12の太さが導体ポスト25の太さよりも小さく形成されているので、前述のように、製品エリア20の第2面SF2側の残銅率と、ダミーエリア10の第2面SF2側の残銅率との差が小さく、好ましくは10%以下となり、電気めっきによって同時に形成される導体ポスト25およびダミーポスト12の高さが略同じとなる。この結果、後述の、導体ポスト25およびダミーポスト12の端部を露出させるための樹脂絶縁層30の研磨工程の時間が短くなり得る。
Next, as shown in FIG. 4C, the conductor posts 25 and the dummy posts 12 are respectively formed on the
導体ポスト25およびダミーポスト12が形成された後、図示されていないが、好ましくは、後述の樹脂絶縁層30との密着性を高めるために、導体ポスト25およびダミーポスト12の側面および第1導体層21の側面、並びに導体ポスト25およびダミーポスト12が形成されていない部分の露出面に粗化処理が行われる。粗化処理の方法は、特に限定されないが、たとえば、ソフトエッチング処理や、黒化(酸化)−還元処理などが例示される。粗化される各面は、好ましくは、算術平均粗さで0.1〜1μmの表面粗さに処理される。また、粗化処理が行われる場合は、めっきレジスト膜85の除去と粗化処理との間に、粗化を安定させるために電気めっき銅の結晶を成長させるアニール処理が行われてもよい。
Although not shown in the figure after the conductor posts 25 and the dummy posts 12 are formed, the side surfaces of the conductor posts 25 and the dummy posts 12 and the first conductors are preferably used in order to improve the adhesion to the
次に、図4Dに示されるように、第1導体層21の露出面、導体ポスト25の側面およびダミーポスト12の側面を被覆するように樹脂絶縁層30が形成される。具体的には、図示されていないが、導体ポスト25およびダミーポスト12上に、シート状またはフィルム状の絶縁材(プリプレグ)が積層され、支持板80側に向かって加圧されると共に加熱される。加熱により絶縁材が軟化し、第1パターン21aと第2パターン21bとの間、第2パターン21b同士の間、および導体ポスト25やダミーポスト12同士の間に流れ込み、半硬化の状態となる。その後、さらに加熱されることにより絶縁材が完全に硬化し、図4Dに示されるように、樹脂絶縁層30が形成され、第1パターン21a、第2パターン21b、導体ポスト25およびダミーポスト12が樹脂絶縁層30に埋め込まれる。このように、シート状またはフィルム状の絶縁材を積層して樹脂絶縁層30を形成する方法は、一般的なプリント配線板の製造設備により樹脂絶縁層30が形成され得る点で好ましい。樹脂絶縁層30が形成された後、好ましくは、バフ研磨が行われ、樹脂絶縁層30の形成時に生じたバリが除去される。
Next, as illustrated in FIG. 4D, the
つぎに、図4Eに示されるように、樹脂絶縁層30の第2面SF2側を研磨することにより、導体ポスト25およびダミーポスト12の端部が露出される。具体的には、樹脂絶縁層30の金属膜81側と反対側(露出面側)において、好ましくは全ての導体ポスト25およびダミーポスト12の先端が樹脂絶縁層30の第2面SF2側に露出するまで、バフ研磨、または、化学機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)などにより研磨される。より好ましくは、さらに所定の高さまで研磨される。この際、導体ポスト25およびダミーポスト12の高さが不揃いであると、一番短い導体ポスト25の端部が露出し、かつ、所定の高さとなる迄の研磨量(研磨長)が増えるため、長い研磨時間が必要となると考えられる。一方、前述のように、本実施形態では、ダミーエリア10の第2面SF2側の残銅率が製品エリア20の第2面SF2側の残銅率に近づいているので、高さの揃った導体ポスト25およびダミーポスト12が電気めっきにより形成されている。そのため研磨工程は短くてすみ、製造コストが低減されると共に、研磨のあいだの損傷の可能性が低減されることがある。
Next, as shown in FIG. 4E, the ends of the conductor posts 25 and the dummy posts 12 are exposed by polishing the second surface SF2 side of the
つぎに、支持板80を剥離し、さらに、金属膜81を除去すること、および1または2以上の製品エリアを含む多数個取りプリント配線板に切断分離することが、いずれかが先に行われ、支持板80および金属膜81が除去されると共に、図1AのD−D線で切断分離される。すなわち、パネル200から多数個取りプリント配線板100に切断する時期は、前述の図1Cおよび図1Dを参照して説明されたように2通りあるが、いずれかの方法により行われる。支持板80の分離が先に行われる場合は、たとえば図4Fに示されるように、まず、支持板80と、金属膜81とが分離される。具体的には、たとえば工程途上のプリント配線板の全体が加熱され、支持板80のキャリア銅箔80bと金属膜81とを接合している図示しない熱可塑性接着剤が軟化している状態で、支持板80のキャリア銅箔80bに、金属膜81との界面に沿う方向の力が加えられ、キャリア銅箔80bと金属膜81とが引き離される。あるいは、前述のように、両者が外周付近の余白部において接着剤または超音波接続により接合されている場合は、接合箇所よりも内周側で、支持板80および金属膜81が樹脂絶縁層30などと共に切断され、接着剤などによる接合箇所が切除されることによりキャリア銅箔80bと金属膜81とが分離されてもよい。その結果、中心部の支持板80の両側に形成された工程途上のプリント配線板のパネル200が2個得られる。図4Fには、その状態が示されており、図4Eにおいて支持板80の下面側に示されているパネル200の工程途上品だけが示されている。
Next, the
続いて、図4Gに示されるように、金属膜81が、たとえばエッチングなどにより除去される。前述のように、金属膜81、第1導体層21、導体ポスト25およびダミーパターン11、ダミーポスト12に全て銅が用いられている場合には、それぞれの構成材料がいずれも同じエッチング液に溶解される。このため、金属膜81のエッチングの際に、導体ポスト25およびダミーポスト12の樹脂絶縁層30の第2面SF2側に露出する面がエッチング液に晒されることにより、金属膜81と共に導体ポスト25およびダミーポスト12の先端部分もエッチングされる。そして、金属膜81が全て除去された後も、金属膜81の除去により樹脂絶縁層30の第1面SF1に露出する第1導体層21およびダミーパターン11の露出面、ならびに、導体ポスト25の先端部25aおよびダミーポスト12の先端部12bがエッチング液に晒されることにより、エッチングされる。この結果、図4Gに示されるように、第1導体層21の露出面およびダミーパターン11の露出面が樹脂絶縁層30の第1面SF1よりも凹み、導体ポスト25の端部25aおよびダミーポスト12の端部12bが樹脂絶縁層30の第2面SF2よりも凹み、かつ、導体ポスト25の端部25aの樹脂絶縁層30の第2面SF2からの凹みの方が、第1導体層21の樹脂絶縁層30の第1面SF1からの凹みよりも大きくなる。パネル200から多数個取りのプリント配線板100への切断は、図4Fに示される金属膜81の残っている状態で行ってもよいし、図4G後の金属膜81が除去された後に行われてもよい。この方法が、前述の図1Cに示される方法である。なお、図1Cでは、樹脂絶縁層30の第1および第2面SF1、SF2からの第1導体層21の表面や導体ポスト25の端面25aなどの凹みは省略されている。
Subsequently, as shown in FIG. 4G, the
一方、図1Dに示される方法は、図4Eの工程の後に、図1AのD−D線で切断され、その後に、支持板80の除去、金属膜81のエッチング除去、が順次行われることにより、多数個取りのプリント配線板100が得られる。
On the other hand, in the method shown in FIG. 1D, the step of FIG. 4E is followed by cutting along the line DD in FIG. 1A, and thereafter, the
金属膜81の除去後に、好ましくは、表面保護膜28(図5A参照)が、第1導体層21およびダミーパターン11の露出面および導体ポスト25の端部25aやダミーポスト12の端部12bに形成される。表面保護膜28の形成は、Ni/Au、Ni/Pd/Au、またはSnなどの複数または単一の金属膜をめっき法により形成することにより行われてよい。また、液状の保護材料内への浸漬や保護材料の吹付けなどによりOSPが形成されてもよい。表面保護膜28は、第1導体層21の露出面と導体ポスト25の端部25aとの両方に形成されてよく、いずれか一方だけに形成されてもよい。また、ダミーパターン11の表面またはダミーポスト12の端部12bには表面保護膜28は形成されなくてもよい。さらに、第1導体層21の露出面と導体ポスト25の端部25aとで、異なる材料の表面保護膜が形成されてもよい。
After the removal of the
また、表面保護膜の形成に加えて、または表面保護膜が形成されずに、導体ポスト25の端部25a上に、導体ポスト25と外部のマザーボードなどとを接合する接合材からなる接合材層27(図5B参照)が形成されてもよい。接合材層27の材料には好ましくはハンダが用いられ、ペースト状のハンダの塗布やハンダボールを配置して一旦溶融後硬化させたり、めっき法を用いたりして形成され得る。しかしながら、接合材層の材料や形成方法は、特に限定されず、他の材料および方法が用いられ得る。
Further, in addition to the formation of the surface protective film, or without the surface protective film being formed, a bonding material layer made of a bonding material for bonding the
以上の工程を経ることにより、図1AのD−D線により切断された多数個取りのプリント配線板100が完成する。すなわち、ダミーエリア10に、樹脂絶縁層30の第1面SF1に形成されるダミーパターン11と、樹脂絶縁層30を貫通し、第2面SF2側に端部12bが互いに独立して、たとえばドット状に露出するようにダミーパターン11と接続された、導体ポスト25の太さより小さい太さをもつダミーポスト12とが形成された中判の多数個取りプリント配線板が得られる。
By passing through the above process, the multi-piece printed
第1導体層21は、一面が樹脂絶縁層30の第1面SF1側に露出するように、樹脂絶縁層30の第1面SF1側に全体が埋め込まれている。すなわち、第1導体層21と樹脂絶縁層30とは、第1導体層21の他面だけではなく、第1導体層21の側面、具体的には、第1導体層21に形成されている第1パターン21aや第2パターン21bの側面においても接している。このため、第1パターン21aや第2パターン21bがファインピッチで形成され、第1導体層21の一面の面積が小さくなっても、第1導体層21と樹脂絶縁層30との密着性が維持され得る。また、第1導体層21が樹脂絶縁層30内に埋め込まれていることによって、プリント配線板1自体が薄くされ得る。
The
第1導体層21には、前述のように、第1パターン21aおよび第2パターン21bが形成されている。本実施形態では、第1パターン21aは、樹脂絶縁層30の第2面SF2側で、このプリント配線板1と接続される他のプリント配線板(図示せず)などと電気的に接続される配線パターンである。ここで、他のプリント配線板とは、プリント配線板1が用いられる電子機器などのマザーボードであってよく、または、プリント配線板1と共に多層配線板を構成する、絶縁層と導体層との積層体であってもよい。また、第2パターン21bは、たとえば半導体素子(図示せず)などが接続される接続パッドであってもよい。さらに、ダミーパターン11は、前述のダミーエリア10に形成されるもので、ダミーポスト12が形成される場合の基部にもなる。また、第1導体層21には、第1および第2のパターン21a、21b以外の配線パターンが形成されていてもよい。たとえば、第2パターン21bに接続される半導体素子の電極のうち外部と電気的に接続されるものは、第2パターン21bと第1パターン21aとを接続するように第1導体層21に形成される配線パターン21d(図3B参照)を介して、第1パターン21aおよび導体ポスト25と電気的に接続される。
As described above, the
前述の図4A〜4Gに示される例は、絶縁層が1層だけの片面に第1導体層21が形成された例であるが、この樹脂絶縁層30の第2面SF2側にさらに導体層と樹脂絶縁層とが積層され、最外層(最下層)の樹脂絶縁層の下端側に導体層が形成されない場合でも、同様にクラックが樹脂絶縁層内を走りやすい。そのため、樹脂絶縁層が多層に積層される場合でも、最下層の樹脂絶縁層のダミーエリアには、ダミーポストが形成されることが好ましい。この場合、最下層以外の樹脂絶縁層には、片面だけに導体層が形成されたものでも両面に導体層が形成されたものでもよく、要は、樹脂絶縁層の1つの面には、導体層が形成されないで、導体ポストのみが露出している樹脂絶縁層には、その外周のダミーエリアにダミーポストが形成されていることが好ましい。勿論、両面に導体層が設けられている場合の樹脂絶縁層でも、導体ポストや導体パターンが設けられていることが好ましい。
The example shown in FIGS. 4A to 4G is an example in which the
図6に、樹脂絶縁層30の第2面SF2側に第2導体層22が形成され、さらにその表面に第2樹脂絶縁層31が形成され、その第2樹脂絶縁層31を貫通して第2導体層22と接続するように、第2導体ポスト29および第2ダミーポスト12aが形成された、導体層が2層で、最外層である第2樹脂絶縁層31の露出面SF3側には導体層が形成されないで、第2ポスト29だけが露出するプリント配線板が示されている。
In FIG. 6, the
このようなプリント配線板を製造するには、前述の図4Eの工程に続いて、たとえば樹脂絶縁層30の第2面SF2上に無電解めっき法により金属被膜が形成され、さらに、たとえばアディティブ法により電気めっき膜により第2導体層22のパターンおよび第2導体ポスト29と第2ダミーポスト12aが形成され、その上に図4Dおよび4Eに示される方法と同様に第2樹脂絶縁層31が形成され、その後は図4Fと同様に、支持板80が除去され、さらに金属膜81が除去され、その支持板80および金属膜81の除去の前か後にパネル状態から中判の基板に切断されることにより形成される。
In order to manufacture such a printed wiring board, following the process of FIG. 4E described above, for example, a metal film is formed on the second surface SF2 of the
なお、製造方法に関しては、この方法に限定されるものでは無く、種々の方法が採用され得る。たとえば樹脂絶縁層30の形成の際に、銅箔などの金属箔と樹脂フィルムとを圧接加熱して形成されてもよく、また、第2導体ポスト29や第2ダミーポスト12aの形成が、第2樹脂絶縁層31が形成された後に、開口部が形成されて、その開口部内に第2導体ポスト29や第2ダミーポスト12aが埋め込まれるように形成されてもよい。さらに、多層のプリント配線板が形成される場合には、これらの工程が繰り返されることにより、所望の多層プリント配線板が形成され得る。
In addition, regarding a manufacturing method, it is not limited to this method, A various method can be employ | adopted. For example, when the
1 プリント配線板
10 ダミーエリア
11 ダミーパターン
12 ダミーポスト
12b ダミーポストの端部
20 製品エリア
21 第1導体層
21a 第1パターン
21b 第2パターン
25 導体ポスト
25a 導体ポストの端部
27 接合材層
28 表面保護膜
30 樹脂絶縁層
80 支持板
80a ダミー基板
80b キャリア銅箔
81 金属膜
SF1 樹脂絶縁層の第1面
SF2 樹脂絶縁層の第2面
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Printed
Claims (19)
第1面と該第1面の反対面である第2面を有する樹脂絶縁層を有し、さらに
前記製品エリアの各プリント配線板は、前記樹脂絶縁層の第1面側に一面のみが露出するように埋め込まれる第1導体層と、前記第1導体層と接続され、前記樹脂絶縁層を貫通して前記第2面側に端部が露出する導体ポストとを有し、
前記ダミーエリアは、前記樹脂絶縁層の第1面に形成されるダミーパターンと、前記樹脂絶縁層を貫通し、前記第2面側に端部が互いに独立して露出するように前記ダミーパターンと接続されるダミーポストとを有し、
前記ダミーポストの太さが、前記導体ポストの太さより小さい。 A multi-piece printed wiring board having a product area composed of a plurality of printed wiring boards and a dummy area formed around one or more of the product areas,
A resin insulation layer having a first surface and a second surface opposite to the first surface, and each printed wiring board in the product area is exposed only on the first surface side of the resin insulation layer. A first conductor layer embedded so as to have a conductor post connected to the first conductor layer and penetrating through the resin insulating layer and having an end exposed on the second surface side;
The dummy area includes a dummy pattern formed on the first surface of the resin insulating layer, the dummy pattern penetrating through the resin insulating layer, and having end portions exposed independently of each other on the second surface side. A dummy post to be connected,
The thickness of the dummy post is smaller than the thickness of the conductor post.
金属膜を準備することと、
前記金属膜上に、複数個の多数個取りプリント配線板用の前記第1導体層の配線パターンおよび前記ダミーパターンを形成することと、
前記第1導体層の一部のパターンおよび前記ダミーパターンの上に導体ポストおよびダミーポストをそれぞれ形成することと、
前記第1導体層の露出面ならびに前記導体ポストおよび前記ダミーポストの側面を被覆するように樹脂絶縁層を形成することと、
前記樹脂絶縁層の第2面側を研磨することにより、前記導体ポストおよび前記ダミーポストの端部を露出させることと、
前記支持板と前記金属膜を除去すること、および1または2以上の製品エリアを含む多数個取りプリント配線板に切断分離することを、いずれかを先に行う順番で行うことと、
を含み、
前記ダミーエリアは、前記導体ポストより細いダミーポストを有している。 A method of manufacturing a multi-piece printed wiring board having a product area including a plurality of printed wiring boards and a dummy area formed around one or more of the product areas,
Preparing a metal film,
Forming a wiring pattern of the first conductor layer and a dummy pattern for a plurality of multi-cavity printed wiring boards on the metal film;
Forming a conductor post and a dummy post on the partial pattern of the first conductor layer and the dummy pattern, respectively;
Forming a resin insulating layer so as to cover the exposed surface of the first conductor layer and the side surfaces of the conductor post and the dummy post;
Polishing the second surface side of the resin insulating layer to expose the ends of the conductor post and the dummy post;
Removing the support plate and the metal film, and cutting and separating into a multi-piece printed wiring board including one or two or more product areas, in the order in which one is performed,
Including
The dummy area has a dummy post that is thinner than the conductor post.
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