JP2016142731A - 培養細胞を用いた標準試料及びその製造方法 - Google Patents
培養細胞を用いた標準試料及びその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2016142731A JP2016142731A JP2015021657A JP2015021657A JP2016142731A JP 2016142731 A JP2016142731 A JP 2016142731A JP 2015021657 A JP2015021657 A JP 2015021657A JP 2015021657 A JP2015021657 A JP 2015021657A JP 2016142731 A JP2016142731 A JP 2016142731A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cell
- standard sample
- cells
- cell pellet
- frozen
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
- Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
Abstract
Description
細胞診断あたっては、細胞の形態を観察するだけでなく、細胞内の生体分子(タンパク質、DNA、RNA、多糖等)を検出することにより、より正確に判定を行うことができる。細胞内の生体分子を検出する手法としては、特定の生体分子に特異的な抗体を用いて染色(イメージング)をする、いわゆる免疫染色(免疫組織化学、Immunohistochemistry、IHC)や、核酸同士の相補的結合を利用して染色(イメージング)を行うin situ ハイブリダイゼーション(in situ hybridization、ISH)が一般的な手法となっている。
したがって、乳癌患者に対しては、免疫染色(免疫組織化学、IHC)やin situ ハイブリダイゼーション(ISH)により、HER2遺伝子/HER2タンパク質の検査を行うことが、予後の予測と治療方針の決定において重要となる。しかし、この判定は、病理医が染色強度などを見て主観的に診断しており、過去のHER2検査のうち20%程度が不正確なものであったとする見解もあり、その精度はまだ十分なものとはいえない。
細胞そのものを用いた標準試料としては、WO91/05263(特許文献3)には、標準となる培養細胞をゼラチン・寒天などに包埋してスライスした標準試料が開示されている。
このように、培養細胞は生体組織とは異なり固形化されていないため、これを染色して観察するための試料とするためには、ゼラチンや寒天、アガロースなどで固形化する必要があった。しかし、ゼラチンや寒天、アガロースなどは水を多量に含むものであるため、凍結すると氷晶の形成により細胞が破壊されてしまい、染色性が低下しているものであった。
また、特表2005−509870(特許文献4)は、凍結ブロックにおいて複数のピンを用いて複数のウェルを形成し、そのウェル内に細胞の懸濁液を充填した試料が記載されている。また、この試料のウェルの一部には内部標準試料となる細胞懸濁液を充填してもよいことが記載されている。
しかし、この標準試料においても、細胞懸濁液に水分が多く含まれているため、氷晶の形成により細胞が破壊されてしまい、染色性が低下しているものであった。
そこで、本発明は、上記従来の状況に鑑み、染色性の低下が少なく、長期保存が可能な、培養細胞を含む標準試料及びその製造方法を開発することを目的とする。
第1の発明の標準試料は、細胞ペレットと凍結組織包埋剤とを含む混合物が凍結された凍結ブロックからなり、その細胞ペレットは、アルギン酸のゲルとそのゲル中に分散された培養細胞を含み、細胞ペレット中の水分が脱水されて除かれていることを特徴とする標準試料である。
また、癌細胞由来の株化細胞の培養細胞を用いた場合、特定の種類の癌細胞に由来する第1の株化細胞の培養細胞を含む第1の細胞ペレットと、その特定の種類の癌細胞とは異なる種類の癌細胞に由来する第2の株化細胞の培養細胞を含む第2の細胞ペレットとを有し、第2の株化細胞は、第1の株化細胞の腫瘍マーカーとなるタンパク質のうち少なくとも一つを発現していない株化細胞である標準試料とすることが好ましい。
第1の発明の標準試料においては、培養細胞として、ヒトのタンパク質をコードする遺伝子を導入して形質転換された、非ヒト由来の培養細胞を用いることもできる。
また、上記標準試料においては、ホルムアルデヒドを含む溶液を用いて化学的に固定された培養細胞を用いた標準試料が好ましい。
さらに、上記標準試料を、薄く切断した切片とすることもできる。
次に、第2の発明は、培養細胞とアルギン酸の水溶性塩の溶液を混合するステップB)と、ステップB)により混合した溶液を遠心分離し、上清を取り除くことにより、沈殿を得るステップC)と、ステップC)により得られた沈殿に、2価のカチオンを含む溶液を滴下することにより、沈殿中のアルギン酸をゲル化させて細胞ペレットを作製するステップD)と、ステップD)により作製した細胞ペレットを脱水するステップE)と、ステップE)により脱水した細胞ペレットを、凍結ブロック作成容器内で凍結組織包埋剤に浸漬して、凍結ブロック作成容器ごと凍結させるステップF)とを有することを特徴とする、標準試料の製造方法を提供する。
第2の発明の製造方法では、ステップE)において、細胞ペレットを低級アルコールの溶液に浸漬して脱水を行う製造方法とすることが好ましい。
この場合において、低級アルコールの溶液としては、エタノールの溶液を用いることが好ましい。
また、これらの場合において、濃度の異なる複数の低級アルコールの溶液を用い、濃度の低い低級アルコールの溶液に細胞ペレットを浸漬して脱水を行った後に、濃度の高い低級アルコールの溶液に細胞ペレットを浸漬して脱水を行う製造方法とすることが好ましい。
また、ステップE)において低級アルコールの溶液を用いて脱水を行う場合、ステップF)において、細胞ペレットを容器内で凍結組織包埋剤に浸漬して、細胞ペレット中の低級アルコールを凍結組織包埋剤と置換した後に、細胞ペレットを容器内から取り出し、この細胞ペレットを凍結ブロック作成容器内で凍結組織包埋剤に浸漬し、凍結ブロック作成容器ごと凍結する製造方法とすることが好ましい。
上記製造方法では、アルギン酸の水溶性塩としてアルギン酸ナトリウムを用い、2価のカチオンを含む溶液として塩化カルシウムの溶液を用いる製造方法とすることが好ましい。
上記の製造方法においては、さらに、培養細胞を固定するステップA)を含む製造方法とすることが好ましい。
この場合においては、培養細胞を固定するために、ステップB)の前にステップA)を行い、そのステップA)は、ホルムアルデヒドを含む溶液中に培養細胞を浸漬することで、培養細胞のタンパク質を架橋して固定する製造方法とすることが好ましい。
第3の発明は、細胞内生体分子を検出し、又は細胞の判定をする検査方法を提供するものであり、第1の発明の標準試料と検査の対象となる被検細胞に対し、同一の染色処理を施す第1のステップと、染色処理を施した標準試料と被検細胞を比較する第2のステップとを含む検査方法を提供する。
最後に第4の発明の検査キットは、細胞内生体分子を検出し又は細胞の判定をするために用いる検査キットであって、第1の発明の標準試料と、その標準試料に含まれる培養細胞の発現する生体分子に特異的な抗体、又はその培養細胞が有する核酸分子にハイブリダイズする核酸を含む検査キットを提供する。
第2の発明の標準試料の製造方法においては、ゼラチンやアガロース等よりも粘度が低いアルギン酸の溶液中に培養細胞を混合し、これを遠心分離して沈殿を得て、この沈殿に2価のカチオンを含む溶液を滴下してアルギン酸をゲル化することにより、細胞ペレットを作製しているので、アルギン酸のゲルの中に高い密度で均一に細胞が分散された細胞ペレットを得ることができる。そして、この細胞ペレットは、アルギン酸のゲル中に高い密度で均一に細胞が分散されているので、細胞中のタンパク質等の抗原を大きく流出させることなく脱水することが可能であり、水分が十分に除かれた細胞ペレットとすることができる。そして、この水分が十分に除かれた細胞ペレットを凍結包埋剤に浸漬して凍結することにより標準試料を製造しているので、氷晶による細胞の破壊を防ぐことができ、染色性の低下が少なく、凍結状態で長期保存が可能な標準試料を製造することができるという効果を奏する。
第3発明の検査方法は、染色性の低下が少なく、長期保存が可能な第1発明の標準試料を用いているので、検査の精度を高めることができ、かつ、標準試料を新たに製造することなく凍結保存した標準試料をいつでも利用できるという効果を奏する。
第4発明の検査キットは、染色性の低下が少なく、長期保存が可能な第1発明の標準試料を用いているので、検査の精度を高めることができ、かつ、キットの使用期限を長期間にすることができるという効果を奏する。
本発明の標準試料は、細胞内生体分子の検出又は細胞の判定において参照するための標準として用いる標準試料であって、細胞ペレットと凍結組織包埋剤とを含む混合物が凍結された凍結ブロックからなり、その細胞ペレットは、アルギン酸のゲルとそのゲル中に分散された培養細胞を含み、細胞ペレット中の水分が脱水されて除かれていることを特徴とする標準試料である。
本発明の標準試料は、このような細胞内生体分子を、免疫染色やin situ ハイブリダイゼーション等の手法を用いて検出し、あるいは検査の対象とする細胞がどのような細胞であるかを判定するにあたり、含まれる生体分子や細胞の種類が既知のものとして参照するための標準(コントロール)として用いることができる。
本発明において、「培養細胞」とは、生体外で増殖させた細胞のことをいう。「培養細胞」としては、これらに限定されるわけではないが、例えば、癌由来の株化細胞、自然形質転換による株化細胞、遺伝子導入による株化細胞、胚性幹細胞(ES細胞)、人工多能性幹細胞(iPS細胞)等の不死化細胞を培養した培養細胞や、線維芽細胞、ヒト間葉系幹細胞等を生体組織から採取して培養した初代培養細胞や、細胞バンクなどで入手可能な有限寿命正常細胞を培養した培養細胞等を用いることができる。
「培養細胞」としては、ヒトの細胞由来のものに限定されず、非ヒトの動物細胞、昆虫細胞、植物細胞等に由来するものを用いることもできる。
本発明の標準試料において、「凍結ブロック」とは、凍結されて固形化されたものをいい、形状はどのようなものであってもよい。
本発明の標準試料においては、細胞に含まれる水分の10〜99%が、単に除かれているか、又は水以外の化合物により置換されていることが好ましい。より好ましくは、細胞に含まれる水分の30〜95%が、除かれているか、又は水以外の化合物により置換されているのがよい。ここで水以外の化合物とは、好ましくは有機化合物である。
図1(A)に示すように、凍結ブロック(1)は、細胞ペレット(2,2´)が凍結組織包埋剤(3)に包埋された状態で凍結されたものである。凍結ブロック(1)は凍結ブロック作成容器内で細胞ペレット(2,2´)を凍結組織包埋剤に浸漬した状態で凍結して製造されているので、凍結ブロック(1)の形状は凍結ブロック作成容器の形状に対応したものとなっている。
図1(B)に示すように、細胞ペレット(2)の内部を拡大してみると、四角形の枠内の拡大図に示されるように、アルギン酸のゲル(4)の中に培養細胞(5)が高い密度で分散された状態で存在している。このアルギン酸のゲル(4)にある水分は、大部分が脱水されて、凍結組織包埋剤等で置換された状態となっている。
一種類の癌細胞のペレットを標準試料とし、その癌細胞に特異的な腫瘍マーカーに対する抗体を用いて、標準試料と患者の生体組織の免疫染色を行った場合、両者が染色されたときには、その患者は癌であると診断することができる。しかし、染色操作にミスがあり、どのような細胞でも染色されてしまうような免疫染色の操作であったときには、その患者が癌であると誤診されてしまうことになる。そこで、その癌細胞の細胞ペレット(第1の細胞ペレット)の他に、その腫瘍マーカーでは染色されない癌細胞を用いた第2の細胞ペレットを作製し、これも併せて標準試料に含ませることが好ましい。第2の細胞ペレットを用いれば、免疫染色の操作に誤りがあったときに、第2の細胞ペレットの細胞まで染色されてしまうので、免疫染色の操作の誤りに気が付くことができる。
第1の細胞ペレットと第2の細胞ペレットを用いる場合、図1(A)に示すように、1つの凍結ブロック中に、2種類の細胞ペレット(2,2´)を含ませた形態とすることができる。
このように第2の細胞ペレットを用いることにより、陽性コントロールと陰性コントロールの両方の機能を発揮する標準試料とすることができるという効果を奏する。
この標準試料は、ヒトのタンパク質をコードする遺伝子を人為的に導入するので、任意のヒトのタンパク質のセットを発現させることができ、また、非ヒト由来の細胞の培養細胞を用いるので、遺伝子導入したタンパク質以外にはヒトのタンパク質を発現していない。したがって、この標準試料は、任意のヒトのタンパク質のセットの陽性コントロールとして用いることができるとともに、それ以外のヒトのタンパク質の陰性コントロールとして用いることができるという効果を奏する。
動物細胞としては、例えば、これらに限定されるわけではないが、チャイニーズ・ハムスター卵巣細胞(CHO細胞)や、サルの細胞であるCOS細胞等を用いることができる。昆虫細胞としては、これらに限定されるわけではないが、例えば、鱗翅類ヤガ科昆虫の卵巣細胞由来株化細胞(Sf−9又はSf−21)を用いることができる。
また、ヒトのタンパク質をコードする遺伝子を導入する方法としては、宿主細胞に応じて適したものを用いることができる。例えば、宿主細胞としてCHO細胞を用いる場合には、抗生物質耐性機能を有する発現ベクターに目的のタンパク質をコードする遺伝子を導入し、これをリポフェクション法等でCHO細胞にトランスフェクションし、これを培養して抗生物質耐性のコロニーを選択することにより、遺伝子導入したCHO細胞を得ることができる。
図2(A)に示すように、細胞ペレット(2,2´)を含む凍結ブロック(1)にミクロトームの刃(6)を当て、点線で示す切断面に沿って凍結ブロック(1)を薄切りにし、切片を作製する。薄切りにされた切片は、図2(B)の平面図に示すように、細胞ペレット(2,2´)の切断面を含むものとなっている。
本発明の標準試料の製造方法は、以下のB)〜F)のステップを含むことを特徴とする製造方法である。
ステップB):培養細胞とアルギン酸の水溶性塩の溶液を混合するステップ、
ステップC):上記ステップB)により混合した溶液を遠心分離し、上清を取り除くことにより、沈殿を得るステップ、
ステップD):上記ステップC)により得られた沈殿に、2価のカチオンを含む液滴を滴下することにより、沈殿中のアルギン酸をゲル化させて細胞ペレットを作製するステップ、
ステップE):上記ステップD)により作製した細胞ペレットを、脱水するステップ、
ステップF):上記ステップE)により脱水した細胞ペレットを、凍結ブロック作成容器内で凍結組織包埋剤に浸漬して、凍結ブロック作成容器ごと凍結させるステップ。
本発明の標準試料の製造方法のステップB)は、培養細胞とアルギン酸の水溶性塩の溶液を混合するステップである。ここで、「アルギン酸の水溶性塩」としては、アルギン酸と1価の金属イオンとの塩を用いることができ、これらに限定されるわけではないが、例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム等を用いることができる。特に、アルギン酸ナトリウムは入手が容易であるので好ましい。これらのアルギン酸の水溶性塩を水等の溶媒に溶かすことにより、アルギン酸の水溶性塩の溶液を得ることができる。アルギン酸ナトリウムを用いる場合、その濃度は0.1〜10重量%とすることが好ましい。
図3のステップB)(101)では、遠心チューブ(7)中で混合を行うことにより、アルギン酸の水溶性塩の溶液と培養細胞との混合溶液(8)とを図示している。
「遠心分離」は、これらに限定されるわけではないが、例えば、遠心管や遠心チューブ等にステップB)により混合した溶液を注入し、遠心機により遠心して行うことができる。遠心分離の回転数は500〜5000rpmとすることが好ましく、アルギン酸の濃度が高いほど沈殿が生じにくくなるので、遠心分離の回転数を高くするのがよい。上清は、これらに限定されるわけではないが、例えば、デカンテーションにより取り除き、あるいは、マイクロピペットを用いて取り除くことができる。
図3のステップC)(102)では、アルギン酸の水溶性塩の溶液と培養細胞との混同溶液(8)が入った遠心チューブ(7)を遠心分離することにより、培養細胞の沈殿(2)が遠心チューブ(7)の底に付着し、上清を取り除くことにより、培養細胞の沈殿(2)を得ることを図示している。
ステップC)により得られた沈殿では、培養細胞の細胞間にアルギン酸の溶液が浸潤したものとなっている。したがって、ここに2価のカチオンを含む溶液を滴下することにより、アルギン酸をゲル化させ、アルギン酸のゲル中に培養細胞が高密度で均一に分散した細胞ペレットを作製することができる。
図3のステップD)(103)では、遠心チューブ(7)の底に付着した沈殿(2)に、2価のカチオンを含む溶液(9)を滴下することにより、細胞ペレットを作製することを図示している。
図3のステップE)(104)では、細胞ペレット(2)が入った遠心チューブ(7)に低級アルコールの溶液(10)を加えて、穏やかに振盪することにより、細胞ペレット(2)の脱水を行うことを図示している。
ここで、凍結ブロック作成容器としては、Miles社製のクリオモルド(登録商標)を用いることができ、また、アルミ箔を成形して凍結ブロック作成容器としてもよい。凍結するには、凍結ブロック作成容器ごと液体窒素に浸漬して急速に凍結するのが好ましいが、ドライアイス・アセトンに浸漬することもでき、ディープフリーザーに入れて凍結してもよい。
図3のステップF)(105)では、凍結ブロック作成容器(11)内で細胞ペレット(2,2´)を凍結組織包埋剤(3)に浸漬して、凍結ブロック作成容器(11)ごと凍結することにより、凍結ブロックを作製することを図示している。
低級アルコールは融点が低いため、凍結ブロック中に低級アルコールが含まれると凍結せずに柔らかい凍結ブロックとなる。そのため、細胞ペレット中の低級アルコールを凍結組織包埋剤で十分に置換した後に凍結することにより、硬い凍結ブロックとなり、薄切りして切片を作製するのが容易になるという効果を奏する。
ここで、容器内で細胞ペレットを凍結組織包埋剤に浸漬した際には、容器を軽く撹拌し、また、容器中の凍結組織包埋剤を入れ替えることにより、効率よく低級アルコールを凍結組織包埋剤に置換することができる。
ここで培養細胞の固定とは、自己分解などの培養細胞の死後変化を生じにくくさせることをいい、化学的固定や、物理的固定を行うことができる。化学的固定としては、これらに限定されるわけではないが、例えば、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、四酸化オスミウムを含む溶液を用いて固定する方法を挙げることができる。また、物理的固定としては、これらに限定されるわけではないが、例えば、煮沸やマイクロウェーブ照射によって熱凝固させる方法等が挙げられる。
ホルムアルデヒドを含む溶液としては、これらに限定されるわけではないが、例えば、ホルマリン、PLP固定液、パラホルムアルデヒド固定液、ザンボニー固定液等を用いることができる。
本発明の検査方法は、細胞内生体分子を検出し又は細胞の判定をする検査方法であって、本発明の標準試料と、検査の対象となる被検細胞に対し、同一の染色処理を施す第1のステップと、第1のステップにより染色処理を施した標準試料と被検細胞とを比較する第2のステップとを含むことを特徴とする。
ここで、「染色処理」とは、色素を付着させる狭義の意味の「染色」を意味するものではなく、細胞中の生体分子の存在、局在、分布又は濃度のイメージングを可能にすることをいう。例えば、これらに限定されるわけではないが、検出対象となる生体分子に特異的に、色素、蛍光色素、金コロイド粒子、蛍光タンパク質、放射性同位体、標識酵素等の標識を直接又は間接的に結合させることにより染色することができる。そして、これらの標識による発色、発光、放射線、あるいは、酵素反応により生成される色素による発色等により、生体分子をイメージング(可視化又は画像化)することができる。
この二つの手法のうち、酵素抗体法は、病理診断等で組織切片の生体分子を検出するのに適している一方、蛍光抗体法は、培養細胞の生体分子を検出するのに適している。
これらの酵素の基質としては、ペルオキシターゼに対しては、例えば、3,3’-ジアミノベンジジン(DAB)を用いて茶色に発色させたり、3-アミノ-9-エチルカルバゾール(AEC)を用いて赤色に発色させることができる。
ISHでは、検出対象となる核酸に相補的な配列を有する核酸を合成し、その相補的核酸を標識したプローブを作製する。そして、切片とした被検試料に、プローブを添加し、検出対象となる核酸とプローブとをハイブリダイゼーションさせる。ハイブリダイゼーション後、蛍光顕微鏡で観察すると、検出対象となる核酸を検出することができる。ISHを用いて、細胞のDNAを検出する方法では、細胞の染色体中の特定の遺伝子のコピー数を調べることができる。
生体分子として核酸を染色する他の方法としては、これらに限定されるわけではないが、例えば、核酸に特異的な抗体を用いた染色がある。
生体分子として多糖を染色する方法としては、これらに限定されるわけではないが、例えば、多糖に特異的な抗体を用いる方法や、多糖に結合するアルシアンブルー(Alcian Blue)を用いた染色や、レクチンを用いる方法がある。
本発明の検査キットは、細胞内生体分子を検出し又は細胞の判定をするために用いる検査キットであって、本発明の標準試料と、標準試料に含まれる培養細胞の発現する生体分子に特異的な抗体、又は培養細胞の有する核酸分子にハイブリダイズする核酸を含むことを特徴とする。
本発明の検査キットは、免疫染色やin situ ハイブリダイゼーション等に使用するものである。免疫染色に使用する検査キットとする場合には、さらに、酵素標識が結合した二次抗体の溶液や、発色基質の溶液をキットに含ませることができる。また、in situ ハイブリダイゼーションに用いる検査キットとする場合には、培養細胞の有する核酸にハイブリダイズする核酸に蛍光色素を標識させておくことが好ましい。
2枚のDish(100mm Dish)を用いて、ヒト細気管支肺胞上皮癌の細胞株であるH358の細胞培養を行った。この細胞培養により、細胞ペレット7個分のH358の培養細胞を得た。この培養細胞を用いて以下の操作を行った。
(1) 培養液を吸引し、培養細胞を冷PBS 5mL×2で洗浄した。
(2) 15mL遠心管3本にPLP液を2mL加えておいた。そして、PLP液3.5mLをDishに加え、細胞をスクレープし、細胞層を軽くピペッティングして解した。細胞懸濁液を1mLずつ各遠心管に分注した。
(3) 4℃、45分固定を行った。
(4) 1200rpm、4℃、4分の条件で遠心管の遠心分離を行った。
(5) 上清を吸引し1%アルギン酸Na(Sodium alginate 以下1%SA)をペレットの約3〜5倍量加えペレットが遠心管の底から剥がれる程度に軽くピペッティングを行った。
(6) 1500rpm、室温、4分の条件で遠心管の遠心分離を行った。
(7) 上清を吸引し、10%CaCl2を適量(200μLピペットで3〜4滴)ペレットの真上から加え固化させて細胞ペレットを作製した。細胞ペレットが遠心管の底から自然に剥がれたら、セッシ等で静かに取り出し軽く水分を取った。
(1) 15mL遠心管に70%エタノールを約10mL入れた。そこにH358の細胞ペレットを入れSHAKERで転倒混和しながら30分脱水を行った。SHAKERの庫内温度は約25度で、転倒速度10〜15回/分であった。
(2) 70%エタノールを捨て、80%エタノールを約10mL入れて、エタノールの濃度以外は(1)と同じ条件により脱水を行った。90%エタノール、100%エタノールを用いて、同様に脱水を行い、100%エタノールを用いた脱水は3回行った。
(1) OCTコンパウンド適量を容器に入れ、脱水したH358の細胞ペレットを、軽くアルコール分を切ってから入れた。5分程度、時折軽く撹拌しながら馴染ませた。
(2) 新たな容器にOCTコンパウンドを加え、そこに(2)から取り出し紙などの上で軽くOCTコンパウンドを切ったH358の細胞ペレットを入れ、エタノールと置換していった。時々軽く撹拌しながら15分×2回の置換を行った。
OCTコンパウンドで十分に置換したH358の細胞ペレットをクリオモルド(登録商標)に入れ、OCTコンパウンドを加えて、−80℃で保存し、凍結ブロックを作製した。
作製した凍結ブロックを薄切りし、凍結切片を作製した。この凍結切片に対して、抗Cytokeratin抗体(Clone:AE1/AE3)、抗Ki-67抗体を用いて免疫染色を行った。抗Cytokeratin抗体を用いて免疫染色を行った結果を図4に示す。また、抗Ki-67抗体を用いて免疫染色を行った結果を図5に示す。Ki-67抗体を用いて免疫染色を行い、かつ、核染色を行った結果を図6に示す。凍結ブロック中のH358の培養細胞は、抗Cytokeratin抗体で染色され、また、抗Ki-67抗体でも核内が染色されていた。したがって、H358の培養細胞を含む本発明の標準試料は、抗Cytokeratin抗体を用いた免疫染色を行う際の陽性コントロールとして用いることができ、また、抗Ki-67抗体を用いた免疫染色を行う際の陽性コントロールとして用いることができることが確認された。
2枚のDish(100mm Dish)を用いて、バーキットリンパ腫由来の細胞株であるDaudiの細胞培養を行った。4日間の細胞培養により、細胞ペレット5個分のDaudiの培養細胞を得た。この培養細胞を用いて以下の操作を行った。
(1) 細胞を15mL遠心管に回収した。1200rpm、室温、4分の条件で遠心管の遠心分離を行った。
(2) 上清吸引後、冷PBS 10mLにて沈殿のリンスを行った。1200rpm、室温、4分の条件で遠心管の遠心分離を行った。
(3) 15mL遠心管2本にPLP液を2mL加えておいた。そして、遠心した遠心管から上清吸引をした後、PLP液2.5mLを加え細胞懸濁液を1mLずつ各遠心管に分注した。
(4) 4℃で15分間固定を行った。
(5) 1200rpm、4℃、4分の条件で遠心管の遠心分離を行った。
(6) 上清を吸引し1%アルギン酸Na(Sodium alginate 以下1%SA)をペレットの約3〜5倍量加えペレットが遠心管の底から剥がれる程度に軽くピペッティングを行った。
(7) 1500rpm、室温、4分の条件で遠心分離を行った。
(8) 上清を吸引し、10%CaCl2を適量(200μLピペットで3〜4滴)ペレットの真上から加えて固化させて細胞ペレットを作製した。コントロールが遠心管の底から自然に剥がれたら、セッシ等で静かに取り出し軽く水分を取った。
(1) 15mL遠心管に70%エタノールを約10mL入れた。そこにDaudiの細胞ペレットを入れSHAKERで転倒混和しながら30分脱水を行った。SHAKERの庫内温度は約25度で、転倒速度10〜15回/分であった。
(2) 70%エタノールを捨て、80%エタノールを約10mL入れて、エタノールの濃度以外は(1)と同じ条件により脱水を行った。90%エタノール、100%エタノールを用いて、同様に脱水を行い、100%エタノールを用いた脱水は3回行った。
(1) OCTコンパウンド適量を容器に入れ、脱水したDaudiの細胞ペレットを、軽くアルコール分を切ってから入れた。5分程度、時折軽く撹拌しながら馴染ませた。
(2) 新たな容器にOCTコンパウンドを加え、そこに(2)から取り出し紙などの上で軽くOCTコンパウンドを切ったDaudiの細胞ペレットを入れ、エタノールと置換していった。時々軽く撹拌しながら15分×2回の置換を行った。
OCTコンパウンドで十分に置換したDaudiの細胞ペレットをクリオモルド(登録商標)に入れ、OCTコンパウンドを加えて、−80℃で保存し、凍結ブロックを作製した。
作製した凍結ブロックを薄切りし、凍結切片を作製した。この凍結切片に対して、抗CD20cy抗体、抗Ki-67抗体を用いて免疫染色を行った。抗CD20cy抗体を用いて免疫染色を行った結果を図7に示す。また、抗Ki-67抗体を用いて免疫染色を行った結果を図8に示す。抗Ki-67抗体を用いて免疫染色を行い、かつ、核染色を行った結果を図9に示す。凍結ブロック中のDaudiの培養細胞は、抗CD20cy抗体で染色され、また、抗Ki-67抗体でも核内が染色されていた。したがって、Daudiの培養細胞を含む本発明の標準試料は、抗CD20cy抗体を用いた免疫染色を行う際の陽性コントロールとして用いることができ、また、抗Ki-67抗体を用いた免疫染色を行う際の陽性コントロールとして用いることができることが確認された。
2,2´ ・・ 細胞ペレット、沈殿
3 ・・・ 凍結組織包埋剤
4 ・・・ アルギン酸のゲル
5 ・・・ 培養細胞
6 ・・・ ミトロクロームの刃
7 ・・・ 遠心チューブ
8 ・・・ 混合溶液
9 ・・・ 2価のカチオンを含む溶液
10 ・・・ 低級アルコールの溶液
11 ・・・ 凍結ブロック作成容器
Claims (16)
- 細胞内生体分子の検出又は細胞の判定において参照するための標準として用いる標準試料であって、
細胞ペレットと凍結組織包埋剤とを含む混合物が凍結された凍結ブロックからなり、
前記細胞ペレットは、アルギン酸のゲルと前記ゲル中に分散された培養細胞を含み、前記細胞ペレット中の水分が脱水されて除かれていることを特徴とする標準試料。 - 前記培養細胞が癌細胞由来の株化細胞の培養細胞であることを特徴とする、請求項1に記載の標準試料。
- 特定の種類の癌細胞に由来する第1の株化細胞の培養細胞を含む第1の細胞ペレットと、前記特定の種類の癌細胞とは異なる種類の癌細胞に由来する第2の株化細胞の培養細胞を含む第2の細胞ペレットとを有し、
第2の株化細胞は、第1の株化細胞の腫瘍マーカーとなるタンパク質のうち少なくとも一つを発現していない株化細胞であることを特徴とする、請求項2に記載の標準試料。 - 前記培養細胞が、ヒトのタンパク質をコードする遺伝子を導入して形質転換された、非ヒト由来の細胞の培養細胞であることを特徴とする、請求項1に記載の標準試料。
- 前記培養細胞が、ホルムアルデヒドを含む溶液を用いて化学的に固定された培養細胞であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の標準試料。
- 前記凍結ブロックを薄く切断した切片からなることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の標準試料。
- 細胞内生体分子の検出又は細胞の検査において参照するための標準として用いる標準試料の製造方法であって、以下のB)〜F)のステップを含むことを特徴とする標準試料の製造方法:
B)培養細胞とアルギン酸の水溶性塩の溶液を混合するステップ、
C)前記B)のステップにより混合した溶液を遠心分離し、上清を取り除くことにより、沈殿を得るステップ、
D)前記C)のステップにより得られた前記沈殿に、2価のカチオンを含む溶液を滴下することにより、前記沈殿中のアルギン酸をゲル化させて細胞ペレットを作製するステップ、
E)前記D)のステップにより作製した前記細胞ペレットを、脱水するステップ、
F)前記E)のステップにより脱水した前記細胞ペレットを、凍結ブロック作成容器内で凍結組織包埋剤に浸漬して、凍結ブロック作成容器ごと凍結させるステップ。 - 前記E)のステップにおいて、前記細胞ペレットを低級アルコールの溶液に浸漬して脱水することを特徴とする、請求項7に記載の標準試料の製造方法。
- 前記低級アルコールの溶液がエタノールの溶液であることを特徴とする、請求項8に記載の標準試料の製造方法。
- 前記E)のステップにおいて、濃度の異なる複数の低級アルコールの溶液を用い、濃度の低い低級アルコールの溶液に前記細胞ペレットを浸漬して脱水を行った後に、濃度の高い低級アルコールの溶液に前記細胞ペレットを浸漬して脱水を行うことを特徴とする、請求項8又は9に記載の製造方法。
- 前記アルギン酸の水溶性塩がアルギン酸ナトリウムであり、前記2価のカチオンを含む溶液が塩化カルシウムの溶液であることを特徴とする、請求項7〜10のいずれかに記載の標準試料の製造方法。
- さらに、A)培養細胞を固定するステップを含むことを特徴とする、請求項7〜11のいずれかに記載の標準試料の製造方法。
- 前記A)のステップが、ホルムアルデヒドを含む溶液中に前記培養細胞を浸漬することにより、前記培養細胞のタンパク質を架橋して固定するステップであり、前記B)のステップの前に行われることを特徴とする、請求項12に記載の標準試料の製造方法。
- 前記F)のステップにおいて、前記細胞ペレットを容器内で凍結組織包埋剤中に浸漬して、前記細胞ペレット中の低級アルコールを前記凍結組織包埋剤と置換した後に、前記細胞ペレットを前記容器内から取り出し、前記細胞ペレットを前記凍結ブロック作成容器内で前記凍結組織包埋剤に浸漬し、前記凍結ブロック作成容器ごと凍結することを特徴とする、請求項7〜9のいずれかに記載の標準試料の製造方法。
- 細胞内生体分子を検出し又は細胞の判定をする検査方法であって、
請求項1〜6のいずれかに記載の標準試料と、検査の対象となる被検細胞に対し、同一の染色処理を施す第1のステップと、
前記第1のステップにより染色処理を施した前記標準試料と前記被検細胞を比較する第2のステップと、
を含むことを特徴とする検査方法。 - 細胞内生体分子を検出し又は細胞の判定をするために用いる検査キットであって、
請求項1〜6のいずれかに記載の標準試料と、
前記標準試料に含まれる前記培養細胞の発現する生体分子に特異的な抗体、又は前記培養細胞の有する核酸分子にハイブリダイズする核酸と
を含むことを特徴とする検査キット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015021657A JP5972412B2 (ja) | 2015-02-05 | 2015-02-05 | 培養細胞を用いた標準試料及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015021657A JP5972412B2 (ja) | 2015-02-05 | 2015-02-05 | 培養細胞を用いた標準試料及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016142731A true JP2016142731A (ja) | 2016-08-08 |
JP5972412B2 JP5972412B2 (ja) | 2016-08-17 |
Family
ID=56570258
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015021657A Active JP5972412B2 (ja) | 2015-02-05 | 2015-02-05 | 培養細胞を用いた標準試料及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5972412B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018181483A1 (ja) * | 2017-03-31 | 2018-10-04 | 松浪硝子工業株式会社 | スライドグラス及びスライドグラスの製造のための溶液 |
JP2021505878A (ja) * | 2017-12-06 | 2021-02-18 | ジェネンテック, インコーポレイテッド | 免疫組織化学のための合成対照 |
US12019069B2 (en) | 2020-05-29 | 2024-06-25 | Genentech, Inc. | Synthetic controls for immunohistochemistry |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102576409B1 (ko) * | 2021-01-18 | 2023-09-08 | 충남대학교병원 | 알지네이트 비드 매개의 세포절편 제작방법 |
KR102526386B1 (ko) * | 2021-03-19 | 2023-05-02 | 충남대학교병원 | 알지네이트와 pva 복합비드를 매개로 하는 세포절편 제작방법 |
Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63117263A (ja) * | 1986-10-29 | 1988-05-21 | クールター・コーポレーション | 免疫検定用コントロール スライドおよびその製造方法 |
JP2005509870A (ja) * | 2001-11-20 | 2005-04-14 | ジェネンテック・インコーポレーテッド | 細胞及び組織アレイ及びマイクロアレイと使用方法 |
JP2008151597A (ja) * | 2006-12-15 | 2008-07-03 | Japan Health Science Foundation | 病理組織標本及びその製造方法 |
JP2008286694A (ja) * | 2007-05-18 | 2008-11-27 | Shinichiro Isobe | 生体標本の作製方法 |
JP4741486B2 (ja) * | 2003-07-08 | 2011-08-03 | ダコ デンマーク アクティーゼルスカブ | 標準 |
JP4800195B2 (ja) * | 2003-02-27 | 2011-10-26 | ダコ デンマーク アクティーゼルスカブ | 免疫組織化学、免疫細胞化学および分子細胞遺伝学のための標準 |
JP2015172569A (ja) * | 2014-02-20 | 2015-10-01 | 国立大学法人秋田大学 | 細胞内生体分子の検出に用いる標準試料及び細胞内生体分子の検出方法 |
-
2015
- 2015-02-05 JP JP2015021657A patent/JP5972412B2/ja active Active
Patent Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63117263A (ja) * | 1986-10-29 | 1988-05-21 | クールター・コーポレーション | 免疫検定用コントロール スライドおよびその製造方法 |
JP2005509870A (ja) * | 2001-11-20 | 2005-04-14 | ジェネンテック・インコーポレーテッド | 細胞及び組織アレイ及びマイクロアレイと使用方法 |
JP4800195B2 (ja) * | 2003-02-27 | 2011-10-26 | ダコ デンマーク アクティーゼルスカブ | 免疫組織化学、免疫細胞化学および分子細胞遺伝学のための標準 |
JP4741486B2 (ja) * | 2003-07-08 | 2011-08-03 | ダコ デンマーク アクティーゼルスカブ | 標準 |
JP2008151597A (ja) * | 2006-12-15 | 2008-07-03 | Japan Health Science Foundation | 病理組織標本及びその製造方法 |
JP2008286694A (ja) * | 2007-05-18 | 2008-11-27 | Shinichiro Isobe | 生体標本の作製方法 |
JP2015172569A (ja) * | 2014-02-20 | 2015-10-01 | 国立大学法人秋田大学 | 細胞内生体分子の検出に用いる標準試料及び細胞内生体分子の検出方法 |
Non-Patent Citations (3)
Title |
---|
JPN6016004410; 佐野順次: 'アルギン酸ナトリウムを用いたセルブロック法の有用性についての検討' 日本臨床細胞学会雑誌 Vol.44, No.5, 2005, Page.291-297 * |
JPN6016004412; NODA Yutaka et al.: 'Diagnostic efficacy of the cell block method in comparison with smear cytology of tissue samples obt' J Gastroenterol Vol.45, No.8, 2010, Page.868-875 * |
JPN6016004413; CHARRON Luc et al.: 'Development of Poly-L-Lysine Coated, Calcium Alginate Microspheres Encapsulating Fluorescein-labeled' Proc SPIE Vol.5969, 2005, Page.596924.1-596924.10 * |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018181483A1 (ja) * | 2017-03-31 | 2018-10-04 | 松浪硝子工業株式会社 | スライドグラス及びスライドグラスの製造のための溶液 |
JP2021505878A (ja) * | 2017-12-06 | 2021-02-18 | ジェネンテック, インコーポレイテッド | 免疫組織化学のための合成対照 |
JP7341140B2 (ja) | 2017-12-06 | 2023-09-08 | ジェネンテック, インコーポレイテッド | 免疫組織化学のための合成対照 |
US12019069B2 (en) | 2020-05-29 | 2024-06-25 | Genentech, Inc. | Synthetic controls for immunohistochemistry |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5972412B2 (ja) | 2016-08-17 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Vander Poorten et al. | Salivary acinic cell carcinoma: reappraisal and update | |
US11519908B2 (en) | Matrix for receiving tissue samples | |
US6942970B2 (en) | Identifying subjects suitable for topoisomerase II inhibitor treatment | |
JP5972412B2 (ja) | 培養細胞を用いた標準試料及びその製造方法 | |
CN105473772A (zh) | 预后分类与治疗腺体癌症的方法 | |
Hofman et al. | Thyroid tumours of uncertain malignant potential: frequency and diagnostic reproducibility | |
JP7025730B2 (ja) | 固定化細胞又はffpe組織切片から抗原性を増強した細胞核を脱離する方法並びにそのための抗原賦活剤及びキット | |
WO2008054421A2 (en) | Frozen cell and tissue microarrays | |
Karaarslan et al. | The role of parafibromin, galectin-3, HBME-1, and Ki-67 in the differential diagnosis of parathyroid tumors | |
Shi et al. | Self‐clotting method improves cell block preparation | |
WO2006039396A2 (en) | Non-embedded tissue microarray technology for protein and nucleic acid analyses | |
US9880078B2 (en) | Composition for aggregating biological sample | |
Baloch et al. | Unique growth pattern in papillary carcinoma of the thyroid gland mimicking adenoid cystic carcinoma | |
US10656058B2 (en) | Blood cell aggregating agent for preparing paraffin block and method for preparing paraffin block by using same | |
CN105087778A (zh) | 一种基于稀有细胞检测her-2/cep17基因状态的方法及相关试剂盒 | |
KR101150840B1 (ko) | 검체 시료의 응집용 조성물, 이를 이용한 파라핀 블록의 제작방법 및 상기 파라핀 블록을 이용한 검체 시료의 현미경 관찰방법 | |
Zhou et al. | New tissue microarray technology for analyses of gene expression in frozen pathological samples | |
RU2818060C1 (ru) | Способ получения клеточных блоков для цитологической и иммуноцитохимической диагностики злокачественных новообразований | |
KR20130136345A (ko) | 검체 시료의 응집용 조성물 | |
CA2607533A1 (en) | Xenograft tissue control for histology | |
RU2553378C1 (ru) | Способ дифференциальной диагностики высокодифференцированного рака у больных с узловыми формами заболеваний щитовидной железы | |
RU2783304C1 (ru) | Способ дооперационной дифференциальной диагностики доброкачественных и злокачественных узловых образований щитовидной железы | |
Zhu et al. | Optimized pregelatinized starch technique for cell block preparation in cell cultures | |
EP4249889A1 (en) | Methods for preparing and analyzing biopsies and biological samples | |
EP3929559A1 (en) | Method and kit for the preparation of cellblocks |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20160701 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20160712 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5972412 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |