JP2016142525A - 塗装面検査用光源および塗装面検査用照明装置 - Google Patents

塗装面検査用光源および塗装面検査用照明装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 目視検査において、塗装面の外観不良を検出し易い塗装面検査用光源および塗装面検査用照明装置を提供する。【解決手段】 塗装面検査用光源は、400〜500nmの波長領域において、1つの谷ピークを有し、前記谷ピークよりも短波長側に第1山ピークを有し、前記谷ピークよりも長波長側に第2山ピークを有し、前記谷ピークのピーク波長をλ0[nm]とし、前記第1山ピークのピーク波長をλ1[nm]とし、前記第2山ピークのピーク波長をλ2[nm]としたとき、420nm≦λ0≦440nmであり、400nm≦λ1≦410nmであり、450nm≦λ2≦470nmである発光スペクトルの白色光を発する。【選択図】 図3

Description

本発明は、塗料が塗装された塗装面の検査に用いられる塗装面検査用光源および塗装面検査用照明装置に関する。
デジタルカメラやスマートフォン等の家電製品や玩具等の比較的小さいサイズの製品から自動二輪車や乗用自動車、鉄道車両等の比較的大きなサイズの製品に至るまで、その表面には、塗料により塗装が施され、意匠性および耐侯性等の各種の機能が付与されている。
製品の塗装面には、鏡面状態、マット(艶消し)状態等様々な仕上げ状態が求められるが、特に鏡面状態の場合には、微小な凹凸および微小な傷が目立つために、塗装面の検査が重要である。
例えば、自動車ボディの塗装は、金属素地表面に防錆塗料を塗布し、その上に顔料を含む塗料によるカラー塗装を行い、さらに透明塗料によるクリア塗装を行いコーティングする。パール塗装、メタリック塗装等の塗装の種類によっては、カラー塗装とクリア塗装との間にさらに付加的な塗装を行う場合もある。各塗料を塗装したのち、塗装面を鏡面状態に仕上げるために、バフ掛け等の研磨を行う。塗装の最外層であるクリア層の表面に微小な研磨傷が生じた場合、その部分は外観不良となる。
自動車ボディの塗装面は、家電製品などと比べて塗装面の面積が大きく、また外形状が複雑な形状で湾曲部分等も多く、さらに外観不良に対する検査基準も厳しいので、画像やその他の手法を利用した自動検査で検査することは困難であり、人の目による目視検査が必要となる。
目視検査の手法としては、塗装済みの車両を検査対象とし、車両を取り囲む壁面および天井に蛍光灯を一定間隔で配置し、車両表面に対して光を照射する。検査者は、車両表面で反射された光を観察し、微小傷等の外観不良の有無を目視で検出する。
特許文献1記載の照明装置は、塗装表面等の被照射面に照射する光として、平行光を用いており、特許文献2記載の塗装検査用照射装置では、被検査物に照射する測定光として、集束光を用いている。
特開2006−58032号公報 特開2009−174931号公報
カラー塗装には種々の色の塗料が使用されるため、検査用の光としては、白色光が用いられる。白色光は、青色光、緑色光および赤色光を混合した光であるが、その発光スペクトルは、光源によって異なる。特許文献1,2には、平行光または集束光を用いることが記載されているが、発光スペクトルについては何ら考慮されていない。
例えば、自動車ボディの塗装面を目視検査するための光源として用いられる白色光の蛍
光灯の発光スペクトルは、440nm、545nmおよび620nmにピークを有し、それぞれのピークの半値幅が10〜30nm程度と狭く鋭いピークとなっている。
このような発光スペクトルの白色光を塗装面に照射した場合、検査者は、塗装面、すなわちクリア層の表面で反射する光とカラー塗装の表面で反射する光の両方を観察することになる。クリア層の表面では光の吸収が無いので、反射光のスペクトルは、照射された白色光のスペクトルとほぼ同じである。クリア層の表面に微小な傷があるとクリア層の表面で白色光が散乱されるので、散乱光が観察される。人の目では、白色光の散乱光と鏡面反射光とを見分け易く、検査者が散乱光を観察したときにいわゆる白ボケとして外観不良を検出することができる。
ここで、人間の視細胞の色に対する感度曲線では、赤色を感じる赤錐体は、560nm付近に最大のピークとなる第1の感度ピークを持ち、さらに440nm付近にも感度のピークとなる第2の感度ピークを持つ。短波長側の第2の感度ピークは、青色を感じる青錐体の感度のピークとほぼ同じ波長である。そうすると、440nm付近の波長を有する光は、青錐体だけでなく、赤錐体も刺激することになる。
上記のような蛍光灯の発光スペクトルは、440nmに鋭いピークを持つので、蛍光灯は、青錐体を刺激すると同時に赤錐体も刺激する。即ち、蛍光灯は、440nmに鋭いピークを持つ光によって刺激された赤錐体で感じる赤色が含まれる白色光を発光することになり、クリア層の表面で反射した白色光は、440nmの光の強度によって赤みが変化しやすい白色光となる。
カラー塗装の表面では、塗料の色に応じて白色光の一部の波長の光が吸収され、残りの光が反射される。特にカラー塗装が青色である場合には、蛍光灯から照射された白色光がクリア層を透過し、カラー塗装の表面で反射された反射光は、440nmにも発光スペクトルを有する青色光となる。
蛍光灯を目視検査用の光源として用いた場合、検査者は、塗装面に照射された光の反射光として、クリア層の表面に形成された微小傷等で散乱反射された、赤みが変化しやすい蛍光灯からの白色光と、カラー塗装の表面で反射された鏡面反射光とを観察することになるので、目視によって散乱光と鏡面反射光とを見分け難く、外観不良の検出精度が低下してしまう。
本発明の目的は、目視検査において、塗装面の外観不良を検出し易い塗装面検査用光源および塗装面検査用照明装置を提供することである。
本発明の1つの態様に係る塗装面検査用光源は、400〜500nmの波長領域において、1つの谷ピークを有し、前記谷ピークよりも短波長側に第1山ピークを有し、前記谷ピークよりも長波長側に第2山ピークを有し、前記谷ピークのピーク波長をλ0[nm]とし、前記第1山ピークのピーク波長をλ1[nm]とし、前記第2山ピークのピーク波長をλ2[nm]としたとき、420nm≦λ0≦440nmであり、400nm≦λ1≦410nmであり、450nm≦λ2≦470nmである発光スペクトルの白色光を発する発光部を含むことを特徴としている。
本発明の1つの態様に係る塗装面検査用照明装置は、上記の塗装面検査用光源を複数有することを特徴としている。
本発明の1つの態様に係る塗装面検査用光源によれば、塗装面に照射された光の反射光における赤みの変化が抑えられた白色光を発光するので、目視検査において、検査者が白ボケ等塗装面の外観不良を容易に検出することができる。
本発明の1つの態様に係る塗装面検査用照明装置によれば、塗装面に照射された光の反射光における赤みの変化が抑えられた白色光を発光する塗装面検査用光源を備えているので、塗装面の目視検査に好適である。
本発明の一実施形態に係る光合成促進光源の外観斜視図である。 図1に示す光合成促進光源を仮想線で示す平面で切断したときの断面図である。 一実施例に係る光合成促進光源の発光スペクトルを示す図である。 本発明に係る光合成促進光源を備える照明装置の外観斜視図である。 図4に示す照明装置の分解斜視図である。 図4に示す照明装置の筐体から透光性基板を取り外した状態を示す斜視図である。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る光合成促進光源の実施形態を説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されないものとする。
<塗装面検査用光源の構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る塗装面検査用光源の外観斜視図である。図2は、図1に示す塗装面検査用光源を仮想線で示す平面で切断したときの断面図である。
塗装面検査用光源1は、基板2と、基板2上に設けられた発光素子3と、基板2上に発光素子3を取り囲むように設けられた枠体4と、枠体4で囲まれた内側の空間に上部の一部を残して充填された封止部材5と、枠体4で囲まれた内側の空間の上部の一部に、封止部材5の上面に沿って枠体4内に収まるように設けられた波長変換部材6と、を備えている。なお、発光素子3は、例えば、発光ダイオード(LED)であって、半導体を用いたpn接合中の電子と正孔が再結合することによって、外部に向かって光を放出する。
基板2は、絶縁性の基板であって、例えば、アルミナまたはムライト等のセラミック材料、あるいはガラスセラミック材料等からなる。または、これらの材料のうち複数の材料を混合した複合系材料から成る。また、基板2は、基板2の熱膨張を調整することが可能な金属酸化物微粒子を分散させた高分子樹脂を用いることができる。
基板2は、基板2の内外を電気的に導通する配線導体が形成されている。配線導体は、例えば、タングステン、モリブデン、マンガンまたは銅等の導電材料からなる。基板2がセラミック材料から成る場合は、例えば、タングステン等の粉末に有機溶剤を添加して得た金属ペーストを、基板2となるセラミックグリーンシートに所定パターンで印刷し、複数のセラミックグリーンシートを積層して、焼成することにより得られる。なお、配線導体の表面には、酸化防止のために、例えば、ニッケルまたは金等の鍍金層が形成されている。また、基板2の上面には、基板2上方に効率良く光を反射させるために、配線導体および鍍金層と間を空けて、例えば、アルミニウム、銀、金、銅またはプラチナ等の金属反射層を形成する。
発光素子3は、基板2上に実装される。発光素子3は、基板2上に形成される配線導体の表面に被着する鍍金層上に、例えば、ろう材または半田を介して電気的に接続される。
発光素子3は、透光性基体と、透光性基体上に形成される光半導体層とを有している。透光性基体は、有機金属気相成長法または分子線エピタキシャル成長法等の化学気相成長法を用いて、光半導体層を成長させることが可能なものであればよい。透光性基体に用いられる材料としては、例えば、サファイア、窒化ガリウム、窒化アルミニウム、酸化亜鉛、セレン化亜鉛、シリコンカーバイド、シリコンまたは二ホウ化ジルコニウム等を用いることができる。なお、透光性基体の厚みは、例えば50μm以上1000μm以下である。
光半導体層は、透光性基体上に形成される第1半導体層と、第1半導体層上に形成される発光層と、発光層上に形成される第2半導体層とから構成されている。第1半導体層、発光層および第2半導体層は、例えば、III族窒化物半導体、ガリウム燐またはガリウムヒ素等のIII−V族半導体、あるいは、窒化ガリウム、窒化アルミニウムまたは窒化インジウム等のIII族窒化物半導体等を用いることができる。なお、第1半導体層の厚みは、例えば1μm以上5μm以下であって、発光層の厚みは、例えば25nm以上150nm以下であって、第2半導体層の厚みは、例えば50nm以上600nm以下である。また、このように構成された発光素子3は、例えば370nm以上420nm以下の波長範囲の励起光を発することができる。
枠体4は、例えば、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウムまたは酸化イットリウム等のセラミック材料、あるいは多孔質材料、あるいは酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウムまたは酸化イットリウム等の金属酸化物からなる粉末を混合させた樹脂材料から成る。枠体4は、基板2上面に積層されて、例えば樹脂等を介して接続されている。枠体4は、発光素子3と間を空けて、発光素子3を取り囲むように設けられている。また、枠体4は、傾斜する内壁面が下端から上端に従い外方に向かって広がるように形成されている。そして、枠体4の内壁面が、発光素子3から発せられる励起光の反射面として機能する。なお、平面視して、枠体4の内壁面の形状を円形とすると、発光素子3が発光する光を反射面にて全方向に反射させることができる。
また、枠体4の傾斜する内壁面は、例えば、焼結材料からなる枠体4の内周面にタングステン、モリブデン、銅または銀等から成る金属層と、金属層を被覆するニッケルまたは金等から成る鍍金金属層を形成してもよい。この鍍金金属層は、発光素子3の発する光を反射させる機能を有する。なお、枠体4の内壁面の傾斜角度は、基板2の上面に対して例えば55度以上70度以下の角度に設定されている。
枠体4で囲まれる内側の空間には、光透過性の封止部材5が充填されている。封止部材5は、発光素子3を封止するとともに、発光素子3から発せられる光が透過する機能を備えている。封止部材5は、枠体4で囲まれる内側の空間内に、枠体4で囲まれる空間の一部を残して充填されている。封止部材5は、例えば、シリコーン樹脂、アクリル樹脂またはエポキシ樹脂等の透光性の絶縁樹脂が用いられる。封止部材5の屈折率は、例えば1.4以上1.6以下に設定されている。
波長変換部材6は、枠体4で囲まれた内側の空間の上部に、封止部材5の上面に沿って設けられている。波長変換部材6は、枠体4内に収まるように形成されている。波長変換部材6は、発光素子3の発する光の波長を変換する機能を有している。波長変換部材6は、発光素子3から発せられる光が内部に入射して、内部に含有される蛍光体7が励起されて、光を発するものである。波長変換部材6は、例えば、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂またはエポキシ樹脂等の透光性の絶縁樹脂、透光性のガラスからなり、その絶縁樹脂、ガラス中に、蛍光体7が含有されている。蛍光体7は、波長変換部材6中に均一に分散するようにしている。
<蛍光体について>
波長変換部材6中に含有される蛍光体7としては、塗装面検査用光源1から発せられる光のスペクトルが、目視による塗装面の検査において好適なスペクトルとなるように、例えば420nm以上490nm以下の蛍光を発する青色蛍光体、例えば490nm以上539nm以下の蛍光を発する緑色蛍光体、例えば540nm以上700nm以下の蛍光を発する赤色蛍光体の中から一または複数の蛍光体が選択される。
塗装面の検査に好適な白色光光源の発光スペクトルとしては、少なくとも次の要件を満たしていることが重要である。すなわち、青錐体および赤錐体のいずれも感度のピークを持つ400〜500nmの波長領域において、1つの谷ピークと、谷ピークよりも短波長側の第1山ピークと、谷ピークよりも長波長側の第2山ピークとを有し、谷ピークのピーク波長をλ0[nm]とし、第1山ピークのピーク波長をλ1[nm]とし、第2山ピークのピーク波長をλ2[nm]としたとき、420nm≦λ0≦440nmであり、400nm≦λ1≦410nmであり、450nm≦λ2≦470nmである発光スペクトルとする。なお、この発光スペクトルは、全波長領域を考慮したときに白色光の発光スペクトルとなっていれば、上記400〜500nmの波長領域以外の波長領域については、特に限定されない。また、発光スペクトルには、上に凸となるピークと下に凸となるピークの2種類のピークがある。2種類のピークを区別する場合には、上記のように、上に凸となるピークを「山ピーク」と記載し、下に凸となるピークを「谷ピーク」と記載する。本願明細書において、単に「ピーク」と記載している場合は「山ピーク」を意味する。
前述の蛍光灯を含む従来の白色光光源では、その発光スペクトルは、400〜500nmの波長領域において、青錐体の感度ピークを考慮して430nm付近に山ピークを有している。しかしながら、430nm付近の山ピークは赤錐体も刺激することになる。即ち、蛍光灯を含む従来の白色光光源は、430nm付近で第2の感度ピークを有する赤錐体で感じる赤色が含まれる白色光であることから、白色光光源からの光は、430nm付近の発光スペクトルの強度が変化することによって赤みが変化するとともに白色から変化してしまい、好ましい光源ではない。そこで、本実施形態の塗装面検査用光源では、400〜500nmの波長領域において、谷ピークを持ち、そのピーク波長λ0を420nm≦λ0≦440nmとすることで、430nm付近で第2の感度ピークを有する赤錐体への刺激が抑制された白色光光源としている。そして、単に赤錐体への刺激を抑制するだけでは、青錐体への刺激も抑制されてしまうので、谷ピークを挟む両側にそれぞれ山ピークを持つようにし、青錐体への刺激が抑制されないようにしている。
さらに、本実施形態の発光スペクトルでは、谷ピークよりも長波長側にある第2山ピークのピーク波長λ2における光強度を1としたときに、谷ピークのピーク波長λ0における光強度が、相対値を0.4以下とし、谷ピークよりも短波長側にある第1山ピークのピーク波長λ1における光強度を、相対値で0.4以上0.8以下とするのが好ましい。
このような発光スペクトルとすることにより、第2の感度ピークにおける赤錐体への刺激を効果的に抑制し、かつ青錐体への刺激を抑制することはないので好ましい。
さらに、本実施形態の発光スペクトルは、500〜600nmの波長領域において、第3山ピークを有し、第3山ピークのピーク波長をλ3[nm]としたとき、515nm≦λ3≦545nmである。また、この第3山ピークのピーク波長λ3における光強度は、第2山ピークのピーク波長λ2における光強度を1としたときの相対値で0.7以上0.9以下である。
このような発光スペクトルとすることにより、緑錐体に対して適切な刺激を与えることができるので好ましい。
さらに、本実施形態の発光スペクトルは、600〜700nmの波長領域において、第4山ピークを有し、前記第4山ピークのピーク波長をλ4[nm]としたとき、605nm≦λ4≦635nmである。また、この第4山ピークのピーク波長λ4における光強度は、第2山ピークのピーク波長λ2における光強度を1としたときの相対値で0.6以上0.8以下である。
このような発光スペクトルとすることにより、赤錐体に対して適切な刺激を与えることができるので好ましい。
またさらに、本実施形態の発光スペクトルは、第2山ピークのピーク波長λ2における光強度を1としたときに、390nm以下の波長領域における光強度の最大値が、相対値で0.1以下である。すなわち、390nm以下の近紫外光領域では、相対強度が0.1を越えることがなく、本実施形態の塗装面検査用光源が発する光に含まれる近紫外光は微量である。このような発光スペクトルの光源は、近紫外光による影響が小さく、検査者が目視検査するための光源として好ましい。
また、塗装面検査用光源1から出射される光の色温度は6400〜6600Kの範囲であり、平均演色評価数Raは80〜97の範囲であり、CIE色度座標x、yは、0.3≦x≦0.4および0.3≦y≦0.4の関係を満たしていることが好ましい。
以上で挙げた各要件を満たす蛍光体7の一例を挙げると、青色蛍光体として(Sr,Ba,Ca)(POCl:Euを用い、緑色蛍光体として(BaSr)SiO:Euを用い、赤色蛍光体としてCaAlSi(ON):Euを用い、青色蛍光体と緑色蛍光体と黄色蛍光体と赤色蛍光体との配合比を、2:1:25とすることによって実現できる。
図3は、上記の一例による蛍光体7を波長変換部材6中に均一に分散することによって構成された塗装面検査用光源1の発光スペクトルSを示している。図3に示される発光スペクトルSによれば、400〜500nmの波長領域において、ピーク波長λ0が430nmの谷ピークを有し、その短波長側にピーク波長λ1が407nmの第1山ピークを有し、長波長側にピーク波長λ2が460nmの第2山ピークを有している。
また、第2山ピークのピーク波長λ2における光強度を1としたとき、谷ピークのピーク波長λ0における光強度は、相対値で0.358であり、第1山ピークのピーク波長λ1における光強度は、相対値で0.697である。
また、500〜600nmの波長領域において、ピーク波長λ3が529nmの第3山ピークを有し、この第3山ピークのピーク波長λ3における光強度は、第2山ピークのピーク波長λ2における光強度を1としたときの相対値で0.820である。
また、600〜700nmの波長領域において、ピーク波長λ4が622nmの第4山ピークを有し、この第4山ピークのピーク波長λ4における光強度は、第2山ピークのピーク波長λ2における光強度を1としたときの相対値で0.695である。
さらに、390nm以下の近紫外光領域における光強度の最大値は、第2山ピークのピーク波長λ2における光強度を1としたときの相対値で0.056である。
この実施例による塗装面検査用光源1を60mAの電流で点灯させたときの光束は19lmsであり、色温度は6500Kであり、平均演色評価数Raは95であり、CIE色度座標の色度xが0.31および色度yが0.32であった。
上記の実施例による塗装面検査用光源1を用いて自動車ボディの塗装面に白色光を照射し、目視検査を行った結果、従来の蛍光灯等を用いた場合に比べて、塗装面に生じた微小傷等による外観不良を検出し易いことがわかった。
本実施形態の塗装面検査用光源を、塗装済み自動車ボディの検査用光源として用いる場合、自動車製造工場、自動車修理・整備工場または自動車検査工場等において、塗装面検査用光源を複数個配列して構成される照明装置の形態で利用される。以下に添付図面を参照して、本実施形態に係る塗装面検査用光源を備える照明装置の一例を説明する。
<照明装置の構成>
図4は、本実施形態に係る塗装面検査用光源を備える照明装置の外観斜視図であり、図5は、図4に示す照明装置の分解斜視図である。図6は、図4に示す照明装置の筐体から透光性基板を取り外した状態を示す斜視図である。
照明装置10は、上方に開口している長尺の筐体11と、筐体11内に長手方向に沿ってライン状に複数個配列された塗装面検査用光源1と、複数の塗装面検査用光源1が実装される長尺の配線基板12と、筐体11によって支持され、筐体11の開口を閉塞する長尺の透光性基板13とを備えている。
筐体11は、透光性基板13を保持する機能と、塗装面検査用光源1の発する熱を外部に放散させる機能とを有している。筐体11は、例えば、アルミニウム、銅またはステンレス等の金属、プラスチックまたは樹脂等から構成される。筐体11は、長手方向に延びる底部21a、および底部21aの幅方向の両端部から立設し、長手方向に延びる一対の支持部21bを有し、上方および長手方向の両側で開口している長尺の本体部21と、本体部21における長手方向一方側および他方側の開口をそれぞれ閉塞する2つの蓋部22とから成っている。各支持部21bの上部には、透光性基板13を保持するための凹所が互いに対向するように形成された保持部が設けられている。筐体11は、長手方向の長さが、例えば、100mm以上2000mm以下に設定されている。
配線基板12は、筐体11内の底面に固定される。配線基板12は、例えば、リジッド基板、フレキシブル基板またはリジッドフレキシブル基板等のプリント基板が用いられる。配線基板12の配線パターンと塗装面検査用光源1における基板2の配線パターンとが、半田または導電性接着剤を介して電気的に接続される。そして、配線基板12からの信号が基板2を介して発光素子3に伝わり、発光素子3が発光する。なお、配線基板12には、外部に設けられた電源から配線を介して電気が供給される。
透光性基板13は、塗装面検査用光源1から発せられる光が透過する材料からなり、例えば、アクリル樹脂またはガラス等の光透過性材料から構成される。透光性基板13は、矩形状の板体であって、長手方向の長さが、例えば、98mm以上1998mm以下に設定されている。透光性基板13は、本体部21における長手方向一方側または他方側の開口から、各保持部に形成されている凹所内に挿し込み、長手方向に沿ってスライドさせることにより、複数の塗装面検査用光源1から離間した位置で、一対の支持部21bによって支持される。そして、本体部21における長手方向一方側および他方側の開口を蓋部22で閉塞することにより、照明装置10は構成される。
なお、上記の照明装置10は、複数の塗装面検査用光源1を直線状に配列した線発光の照明装置であるが、これに限らず複数の塗装面検査用光源1をマトリクス状や千鳥格子状に配列した面発光の照明装置であってもよい。
照明装置10に搭載される光源として塗装面検査用光源1を使用することにより、塗装面に照射された光の反射光における赤みの変化が抑えられた白色光が照射されるので、この白色光が塗装面で反射した光を観察する検査者が、目視により散乱光と鏡面反射光とを見分けて、白ボケ等塗装面の外観不良を検出し易くなる。
<蛍光体の他の例>
本実施形態に係る塗装面検査用光源1に利用可能な青色蛍光体、緑色蛍光体、赤色蛍光体のその他の材料を以下に例示する。
青色蛍光体としては、BaMgAl1017:Eu、(Sr,Ca)(POCl:Eu、緑色蛍光体としては、(Ba,Sr)MgAl1017:Eu,Mn、SrAl:Eu、赤色蛍光体としては、(LaS:Eu)、ZnS:Cu、Mn等の蛍光体が利用可能である。
1 塗装面検査用光源
2 基板
3 発光素子
4 枠体
5 封止部材
6 波長変換部材
7 蛍光体
10 照明装置

Claims (7)

  1. 400〜500nmの波長領域において、1つの谷ピークを有し、前記谷ピークよりも短波長側に第1山ピークを有し、前記谷ピークよりも長波長側に第2山ピークを有し、前記谷ピークのピーク波長をλ0[nm]とし、前記第1山ピークのピーク波長をλ1[nm]とし、前記第2山ピークのピーク波長をλ2[nm]としたとき、420nm≦λ0≦440nmであり、400nm≦λ1≦410nmであり、450nm≦λ2≦470nmである発光スペクトルの白色光を発することを特徴とする塗装面検査用光源。
  2. 前記ピーク波長λ2における光強度を1としたとき、前記ピーク波長λ2における光強度に対する相対値において、
    前記ピーク波長λ0における光強度が、0.4以下であり、
    前記ピーク波長λ1における光強度が、0.4以上0.8以下であることを特徴とする請求項1記載の塗装面検査用光源。
  3. 500〜600nmの波長領域において、第3山ピークを有し、前記第3山ピークのピーク波長をλ3[nm]としたとき、515nm≦λ3≦545nmであり、
    前記ピーク波長λ2における光強度を1としたとき、前記ピーク波長λ2における光強度に対する相対値において、
    前記ピーク波長λ3における光強度が、0.7以上0.9以下であることを特徴とする請求項1または2記載の塗装面検査用光源。
  4. 600〜700nmの波長領域において、第4山ピークを有し、前記第4山ピークのピーク波長をλ4[nm]としたとき、605nm≦λ4≦635nmであり、
    前記ピーク波長λ2における光強度を1としたとき、前記ピーク波長λ2における光強度に対する相対値において、
    前記ピーク波長λ4における光強度が、0.6以上0.8以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の塗装面検査用光源。
  5. 前記ピーク波長λ2における光強度を1としたとき、前記ピーク波長λ2における光強度に対する相対値において、
    390nm以下の波長領域における光強度の最大値が、0.1以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の塗装面検査用光源。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の塗装面検査用光源を複数有することを特徴とする塗装面検査用照明装置。
  7. 前記塗装面検査用光源が、発光ダイオードを備えることを特徴とする請求項6記載の塗装面検査用照明装置。
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