JP3243360U - 生物育成用の照明装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】演色性が高く、生物の育成により適した光を放射させる生物育成用の照明装置を提供する。【解決手段】発光装置を備えた生物育成用の照明装置であり、発光装置は、発光素子3と、第1蛍光体と、第2蛍光体と、を備えている。第1蛍光体と第2蛍光体は、波長変換部材6に含まれる。第1蛍光体は、発光素子が発する光に対して、400~500nmの波長領域に第1ピーク波長を有する光を発する。第2蛍光体は、発光素子が発する光に対して、500~600nmの波長領域に第2ピーク波長を有する光を発する。発光素子は、315~400nmの波長領域に第3ピーク波長を有する光を発する。発光装置の発光スペクトルは、第1ピーク波長、第2ピーク波長および第3ピーク波長を有する。発光装置の発光スペクトルにおいて、第3ピーク波長の光強度は、発光装置の発光スペクトルの全波長領域の最大ピーク波長の光強度の20%以上である。【選択図】図2

Description

本考案は、LED等を使用した発光装置および照明装置に関する。
近年、蛍光灯や電球に代わってLED(Light Emitting Diode)などの半導体発光素子を光源とする照明装置が用いられている。また、例えば、家電製品や乗用自動車などの塗装面の外観検査用光源としても発光素子を光源とする照明装置が用いられている。
半導体発光素子は、放射光の波長帯域が狭く、単一色の光しか放射できない。照明光を白色光としたい場合は、放射光の波長帯域が異なる複数の半導体発光素子を準備し、複数の放射光の混色によって白色光を実現している。または、同一波長の励起光によって波長帯域の異なる蛍光を発光する複数の蛍光体を準備し、半導体発光素子からの放射光と、半導体発光素子からの放射光によって励起されて発光する複数の蛍光の混色によって白色光を実現している。このような混色の手法を用いれば、白色光以外にも目的に応じたスペクトルを有する光源を作製することができる(特許文献1参照)。
特開2015-126160号公報
しかしながら、特許文献1に開示された技術は、白色光を照射したときの照射面における外観と、太陽光のもとで見たときの照射面における外観とでは、見え方が異なる場合があった。外観検査において、実際の太陽光のもとで見るときの外観の使用状態と差が出てしまう場合があった。
発光装置および照明装置については、演色性が高く、生物の育成により適した光を放射させる点で改善の余地がある。
生物育成用の照明装置が開示される。
生物育成用の照明装置の一態様は、発光装置を備えた生物育成用の照明装置である。前記発光装置は、発光素子と、第1蛍光体と、第2蛍光体と、を備えている。前記第1蛍光体は、前記発光素子が発する光に対して、400~500nmの波長領域に第1ピーク波長を有する光を発する。前記第2蛍光体は、前記発光素子が発光する光に対して、500~600nmの波長領域に第2ピーク波長を有する光を発する。前記発光素子は、315~400nmの波長領域に第3ピーク波長を有する光を発する。前記発光装置の発光スペクトルは、前記第1ピーク波長、前記第2ピーク波長および前記第3ピーク波長を有する。前記発光スペクトルにおいて、前記第3ピーク波長の光強度は、前記発光スペクトルの全波長領域の最大ピーク波長の光強度の20%以上である。
例えば、演色性が高く、生物の育成により適した光を放射させることができる。
本考案の一実施形態に係る発光装置の外観斜視図である。 図1に示す発光装置を仮想線で示す平面で切断したときの断面図である。 図2に示す発光装置の拡大図である。 本考案の実施形態の発光装置における外部放射光のスペクトルを示すグラフである。 図4に太陽光のスペクトルを加えて示すグラフである。 本考案の実施形態に係る発光装置を備える照明装置の外観斜視図である。 本考案の実施形態に係る照明装置の分解斜視図である。 本考案の実施形態に係る照明装置の筐体から透光性基板を取り外した状態を示す斜視図である。
以下に本考案の実施形態に係る発光装置および照明装置の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
<発光装置の構成>
図1は、本考案の一実施形態に係る発光装置の外観斜視図である。図2は、図1に示す発光装置を仮想線で示す平面で切断したときの断面図である。図3は、図2に示す発光装置の拡大図である。図4は、本考案の実施形態の発光装置における外部放射光のスペクトルを示すグラフである。図5は、図4に太陽光のスペクトルを加えて示すグラフである。これらの図において、発光装置1は、基板2と、複数の発光素子3と、枠体4と、封止部材5と、波長変換部材6とを備えている。
発光装置1は、基板2と、基板2上に設けられた複数の発光素子3と、基板2上に複数の発光素子3を取り囲むように設けられた枠体4と、枠体4で囲まれた内側の空間内に、枠体4で囲まれる空間の上部の一部を残して充填された封止部材5と、枠体4で囲まれた内側の空間の上部の一部に、封止部材5の上面に沿って枠体4内に収まるように設けられた波長変換部材6と、を備えている。なお、複数の発光素子3は、例えば、LEDであって、半導体を用いたpn接合中の電子と正孔が再結合することによって、外部に向かって光を放出する。
基板2は、絶縁性の基板であって、例えば、アルミナまたはムライト等のセラミック材料、あるいはガラスセラミック材料等からなる。または、これらの材料のうち複数の材料を混合した複合系材料から成る。また、基板2は、基板2の熱膨張を調整することが可能な金属酸化物微粒子を分散させた高分子樹脂を用いることができる。
少なくとも基板2の主面または基板2の内部には、基板2の内外を電気的に導通する配線導体が設けられている。配線導体は、例えば、タングステン、モリブデン、マンガンまたは銅等の導電材料からなる。基板2がセラミック材料から成る場合は、例えば、タングステン等の粉末に有機溶剤を添加して得た金属ペーストを、基板2となるセラミックグリーンシートに所定パターンで印刷し、複数のセラミックグリーンシートを積層して、焼成することにより得られる。なお、配線導体の表面には、酸化防止のために、例えば、ニッケルまたは金等のめっき層が形成されている。また、基板2の上面には、基板2上方に効率良く光を反射させるために、配線導体およびめっき層と間隔を空けて、例えば、アルミニウム、銀、金、銅またはプラチナ等の金属反射層を形成してもよい。
複数の発光素子3は、基板2の主面上に実装される。複数の発光素子3は、基板2主面上に形成される配線導体の表面に被着するめっき層上に、例えば、ろう材または半田を介して電気的に接続される。発光素子3は、透光性基体と、透光性基体上に形成される光半導体層とを有している。透光性基体は、有機金属気相成長法または分子線エピタキシャル成長法等の化学気相成長法を用いて、光半導体層を成長させることが可能なものであればよい。透光性基体に用いられる材料としては、例えば、サファイア、窒化ガリウム、窒化アルミニウム、酸化亜鉛、セレン化亜鉛、シリコンカーバイド、シリコーンまたは二ホウ化ジルコニウム等を用いることができる。なお、透光性基体の厚みは、例えば50μm以上1000μm以下である。
光半導体層は、透光性基体上に形成される第1半導体層と、第1半導体層上に形成される発光層と、発光層上に形成される第2半導体層とから構成されている。第1半導体層、発光層および第2半導体層は、例えば、III族窒化物半導体、ガリウム燐またはガリウムヒ素等のIII-V族半導体、あるいは、窒化ガリウム、窒化アルミニウムまたは窒化インジウム等のIII族窒化物半導体等を用いることができる。なお、第1半導体層の厚みは、例えば1μm以上5μm以下であって、発光層の厚みは、例えば25nm以上150nm以下であって、第2半導体層の厚みは、例えば50nm以上600nm以下である。また、このように構成された発光素子3は、例えば340nm以上450nm以下の波長範囲の励起光を発することができる。
枠体4は、例えば、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウムまたは酸化イットリウム等のセラミック材料、あるいは多孔質材料、あるいは酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウムまたは酸化イットリウム等の金属酸化物からなる粉末を混合させた樹脂材料から成る。枠体4は、基板2の主面に、例えば樹脂、ろう材または半田等を介して接続されている。枠体4は、発光素子3と間隔を空けて、発光素子3を取り囲むように基板2の主面上に設けられている。また、枠体4は、傾斜する内壁面が、基板2の主面から遠ざかるに従い、外方に向かって広がるように形成されている。そして、枠体4の内壁面が、発光素子3から発せられる励起光の反射面として機能する。なお、平面視して、枠体4の内壁面の形状を円形とすると、発光素子3が放射する光を一様に反射面にて外方に向かって反射させることができる。
また、枠体4の傾斜する内壁面は、例えば、焼結材料からなる枠体4の内周面にタングステン、モリブデン、マンガン等から成る金属層と、金属層を被覆するニッケルまたは金等から成るめっき層を形成してもよい。このめっき層は、発光素子3の発する光を反射させる機能を有する。なお、枠体4の内壁面の傾斜角度は、基板2の主面に対して例えば55度以上70度以下の角度に設定されている。
基板2および枠体4で囲まれる内側の空間には、光透過性の封止部材5が充填されている。封止部材5は、発光素子3を封止するとともに、発光素子3の内部から発せられる光を外部に光を取り出す。さらに、発光素子3の外部に取り出された光が透過する機能を備えている。封止部材5は、基板2および枠体4で囲まれる内側の空間内に、枠体4で囲まれる空間の一部を残して充填されている。封止部材5は、例えば、シリコーン樹脂、アクリル樹脂またはエポキシ樹脂等の透光性の絶縁樹脂や透光性のガラス材料が用いられる。封止部材5の屈折率は、例えば1.4以上1.6以下に設定されている。
波長変換部材6は、基板2および枠体4で囲まれた内側の空間の上部に、封止部材5の上面に沿って設けられている。波長変換部材6は、枠体4内に収まるように形成されている。波長変換部材6は、複数の発光素子3の発する光の波長を変換する機能を有している。すなわち、波長変換部材6は、複数の発光素子3から発せられる光が封止部材5を介して内部に入射して、内部に含有される蛍光体が発光素子3から発せられる光によって励起されて、蛍光体からの蛍光を発するとともに、発光素子3からの光の一部を透過させて放射するものである。波長変換部材6は、例えば、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂またはエポキシ樹脂等の透光性の絶縁樹脂、または透光性のガラス材料からなり、その絶縁樹脂、ガラス材料中に、蛍光体が含有されている。蛍光体は、波長変換部材6中に均一に分散するようにしている。複数の発光素子3および波長変換部材6中に含有される蛍光体としては、発光装置1から発せられる光の発光スペクトルが、図4に示すような発光スペクトルとなるように選ばれる。
本考案の実施形態の発光装置1では、発光スペクトルの第3ピーク波長λ3が315~400nmである発光素子3を用い、蛍光体として、例えば、第1ピーク波長λ1を有するとともに青色の蛍光を発する第1蛍光体61と、第2ピーク波長λ2を有するとともに青緑色の蛍光を発する第2蛍光体62と、を用いている。この他にも、緑色の蛍光を発する蛍光体と、赤色の蛍光を発する蛍光体と、近赤外領域の蛍光を発する蛍光体とをさらに用いてもよい。
各蛍光体は例えば、青色を示す第1蛍光体61は、BaMgAl1017:Eu、(Sr,Ca,Ba)10(POCl:Eu,(Sr,Ba)10(POCl:Euであり、青緑色を示す第2蛍光体62は、(Sr,Ba,Ca)(POCl:Eu,SrAl1425:Euである。緑色を示す蛍光体は、SrSi(O,Cl):Eu、(Sr,Ba,Mg)SiO:Eu2+、ZnS:Cu,Al、ZnSiO:Mnである。赤色を示す蛍光体としては、YS:Eu、Y:Eu、SrCaClAlSiN:Eu2+、CaAlSiN:Eu、CaAlSi(ON):Euである。近赤外領域を示す蛍光体は、3Ga12:Crである。
本考案の実施形態に係る発光装置1は、外部に放射される光の発光スペクトルの波長領域となる300~950nmの波長領域において、第1蛍光体61、第2蛍光体62等の蛍光体から放射される蛍光と、発光素子3から放射される光を合成する。このことにより、発光素子3から発光される光に対して400~500nmの波長領域に第1ピーク波長の光が励起され、500~600nmの波長領域に第2ピーク波長の光が励起される。
このことによって、本考案の実施形態に係る発光装置1は、第1蛍光体61、第2蛍光体62の温度が変動し、それぞれの蛍光体から放射される、ピーク波長における蛍光の出力が変動することによって生じる、発光装置1から放射される光の色のバラツキを小さくすることができる。すなわち、第1蛍光体61または第2蛍光体62の蛍光体から放射される、ピーク波長における蛍光の出力が変動する場合であっても、他の蛍光体から放射される蛍光によって発光装置1からの光の色を保持できる可能性が高くなる。よって、本考案の実施形態に係る発光装置1は、蛍光体から放射される、ピーク波長における蛍光の強度が変動することによって生じる、発光装置1から放射される光の色のバラツキを低減することができる。
発光装置1が、315~400nmにおける第3ピーク波長λ3を有することによって、紫外領域においてより太陽光に近い光が照射される。このことによって、植物育成や耐候性試験用に適した光源を供給することが可能となる。また、屋内飼育用の生物の育成において、爬虫類および両生類等の陸上生物に、315~400nm(UVA領域)の光を照射することで、生命維持機能(体温調節、成長促進)を向上させることができる。また植物栽培においては、近紫外線を含む光が育成対象物に対して程よいストレスを与え、例えば緑黄色野菜などではビタミンC含有量が増加することが期待できる。すなわち、植物に対して、食物としての特性を向上させることができる。
さらに、本考案の実施形態に係る発光装置1は、太陽光のスペクトルに近似する、演色性の高い光を放射することができる。即ち、太陽光のスペクトルにおける相対光強度と、本考案の実施形態に係る発光装置1の発光スペクトルにおける相対光強度との差を小さくすることができ、太陽光に近似した発光装置1を作製することができる。
本考案の他の実施形態に係る発光装置1は、315~400nmの波長領域における分光分布(発光スペクトルの積分値、すなわち光エネルギー)は、全体300~950nmの波長領域における分光分布の20%以上60%以下である。この結果、発光装置1は、紫外および紫領域において、太陽光のスペクトルに近似する光を放射することができるとともに、色のバラツキが小さい光を放射できる。すなわち、発光装置1は、近紫外および可視光の波長領域にわたる発光スペクトルを有する光を放射できるとともに、発光素子3や蛍光体における一部の光強度、すなわち、図4の縦軸に示す相対光強度が変動することによって生じる、発光装置1から放射される紫外および紫領域の色のバラツキを低減させることができる。
また、本考案の実施形態に係る発光装置1は、発光スペクトルのうち430~700nmの波長領域における発光スペクトルの最大値と最小値の光強度差が20%以下であってもよい。このことによって、発光装置1は、青色から黄色にかけて放射する光の色のバラツキが大きくなる可能性を低減できる。
また、可視光域の400~500nmに発光スペクトルの最大ピークがある。この最大ピークを有する波長が第1ピーク波長λ1である。最大ピーク波長とは、300~950nmの間のスペクトルのうち、最も相対光強度の高い波長のことをいう。最大ピーク波長が400~500nmに位置していることにより、太陽光スペクトルに近似する光を放射することができ、生物の飼育や植物の育成に適した光を供給することが可能となる。
図4および図5は、本実施形態の発光装置1で用いられる蛍光体の第1蛍光体61および第2蛍光体62を含む蛍光スペクトルの一例を示している。それぞれのスペクトルにおいて、最も高い光強度を1とする相対光強度で示したスペクトルである。なお、図4~5に示す発光スペクトルおよび各蛍光スペクトルは、測定された実測値に基づき、相対光強度を示している。
また、UVA領域以下、つまり315nm以下の光強度はUVA領域(315~400nm)のピーク強度の30%以下であってもよい。このことによって、紫外域の光が強くなりすぎることを低減させることができる。
本考案の実施形態の発光装置1は、建物内、家屋内などの屋内で用いられる照明装置において、例えば、複数個配列して構成される形態などで利用される。例えば、居住空間の照明装置であれば、屋内であっても太陽光が照射されたような照明環境を構築することができる。また、塗装された物品、例えば乗用自動車などの外観検査用の照明装置として用いれば、屋内であっても太陽光が照射されたような検査環境を構築することができる。屋内にいても太陽光に近い光が照射されることによって、太陽光の下で見える色に近い見え方にすること(演色性の向上)ができ、色の検査を行なう場合に、より正確に検査することができる。また、屋内飼育用の生物の育成において、爬虫類および両生類等の陸上生物に、315~400nm(UVA領域)の光を照射することで、生命維持機能(体温調節、成長促進)を向上させることができる。
なお、これまで発光装置1の実施形態について説明してきたが、複数の発光装置を備えた照明装置10の実施形態として、同様の発光スペクトルを有していてもよい。すなわち、発光素子3を有する複数の発光装置を組み合わせることにより、上述した発光装置1と同様に、照明装置10として、400~500nmの波長領域に第1ピーク波長を有し、500~600nmの波長領域に第2ピーク波長を有している。
照明装置10が、315~400nmにおける第3ピーク波長λ3を有することによって、紫外領域においてより太陽光に近い光が照射される。このことによって、植物育成や耐候性試験用に適した光源を供給することが可能となる。また、屋内飼育用の生物の育成において、爬虫類および両生類等の陸上生物に、315~400nm(UVA領域)の光を照射することで、生命維持機能(体温調節、成長促進)を向上させることができる。また植物栽培においては、近紫外線を含む光が育成対象物に対して程よいストレスを与え、例えば緑黄色野菜などではビタミンC含有量が増加することが期待できる。すなわち、植物に対して、食物としての特性を向上させることができる。
本考案の他の実施形態に係る照明装置10は、315~400nmの波長領域における分光分布(発光スペクトルの積分値、すなわち光エネルギー)は、全体300~950nmの波長領域における分光分布の20%以上60%以下である。この結果、照明装置10は、紫外および紫領域において、太陽光のスペクトルに近似する光を放射することができるとともに、色のバラツキが小さい光を放射できる。
また、可視光域の400~500nmに最大ピークがある。この最大ピークを有する波長が第1ピーク波長λ1である。最大ピーク波長とは、300~950nmの間のスペクトルのうち、最も相対光強度の高い波長のことをいう。最大ピーク波長が400~500nmに位置していることにより、太陽光スペクトルに近似する光を放射することができ、生物の飼育や植物の育成に適した光を供給することが可能となる。また、430~700nmの波長領域における発光スペクトルの最大値と最小値の光強度差が20%以下であってもよい。このことによって、照明装置10は、青色から黄色にかけて放射する光の色のバラツキが大きくなる可能性を低減できる。
また、UVA領域以下、つまり315nm以下の光強度はUVA領域(315~400nm)のピーク強度の30%以下であってもよい。このことによって、紫外域の光が強くなりすぎることを低減させることができる。
以下に添付図面を参照して、本実施形態に係る発光装置1を備える照明装置の一例を説明する。
<照明装置の構成>
図6は、本実施形態に係る発光装置を備える照明装置の外観斜視図であり、図7は、図6に示す照明装置の分解斜視図である。図8は、図6に示す照明装置の筐体から透光性基板を取り外した状態を示す斜視図である。
照明装置10は、上方に開口している長尺の筐体11と、筐体11内に長手方向に沿ってライン状に複数個配列された発光装置1と、複数の発光装置1が実装される長尺の配線基板12と、筐体11によって支持され、筐体11の開口を閉塞する長尺の透光性基板13とを備えている。
なお、発光装置1におけるスペクトルについて説明したが、照明装置10におけるスペクトルが上述のようになっていてもよい。この場合には、発光素子3は同じく315~400nmに第3ピーク波長λ3を有するものであり、蛍光体の種類を適宜変更して、再現することができる。
筐体11は、透光性基板13を保持する機能と、発光装置1の発する熱を外部に放散させる機能とを有している。筐体11は、例えば、アルミニウム、銅またはステンレス等の金属、プラスチックまたは樹脂等から構成される。筐体11は、長手方向に延びる底部21a、および底部21aの幅方向の両端部から立設し、長手方向に延びる一対の支持部21bを有し、上方および長手方向の両側で開口している長尺の本体部21と、本体部21における長手方向一方側および他方側の開口をそれぞれ閉塞する2つの蓋部22とから成っている。各支持部21bの筐体11の内側における上部には、長手方向に沿って透光性基板13を保持するための凹所が互いに対向するように形成された保持部が設けられている。筐体11は、長手方向の長さが、例えば、100mm以上2000mm以下に設定されている。
配線基板12は、筐体11内の底面に固定される。配線基板12は、例えば、リジッド基板、フレキシブル基板またはリジッドフレキシブル基板等のプリント基板が用いられる。配線基板12の配線パターンと発光装置1における基板2の配線パターンとが、半田または導電性接着剤を介して電気的に接続される。そして、配線基板12からの信号が基板2を介して発光素子3に伝わり、発光素子3が発光する。なお、配線基板12には、外部に設けられた電源から配線を介して電力が供給される。
透光性基板13は、発光装置1から発せられる光が透過する材料からなり、例えば、アクリル樹脂またはガラス等の光透過性材料から構成される。透光性基板13は、矩形状の板体であって、長手方向の長さが、例えば、98mm以上1998mm以下に設定されている。透光性基板13は、本体部21における長手方向一方側または他方側の開口から、上述の各支持部21bに形成されている凹所内に挿し込み、長手方向に沿ってスライドさせることにより、複数の発光装置1から離れた位置で、一対の支持部21bによって支持される。そして、本体部21における長手方向一方側および他方側の開口を蓋部22で閉塞することにより、照明装置10は構成される。
なお、上記の照明装置10は、複数の発光装置1を直線状に配列した線発光の照明装置であるが、これに限らず複数の発光装置1をマトリクス状や千鳥格子状に配列した面発光の照明装置であってもよい。
本考案の実施形態における発光装置1は、1つの波長変換部材6中に含まれる蛍光体として、上記のように、青色の蛍光を放射する第1蛍光体61、青緑色の蛍光を放射する第2蛍光体62、緑色の蛍光を放射する蛍光体、赤色の蛍光を放射する蛍光体および近赤外領域の蛍光を放射する蛍光体からなる5種類の蛍光体を含む構成としたが、これに限らず、2種類の波長変換部材を備えるようにしてもよい。2種類の波長変換部材を備える場合には、第1の波長変換部材とし、第2の波長変換部材とに異なる蛍光体を分散あるいは、異なる組合せで蛍光体を分散させて、1つの発光装置にこれら2つの波長変換部材を設け、それぞれの波長変換部材を通過して出射される光を混合するようにしてもよい。このようにすることで、放射される光の演色性をコントロールしやすくできる。
図1、図2に示す発光装置1を実際に作製し、演色性について評価した。励起光を放射する複数の発光素子3は、ピーク波長が315~400nmの波長帯域に複数あり、半値幅が15nmの光を発する、窒化ガリウムから成る発光素子である。
第1蛍光体61は、(Sr,Ca,Ba)10(POCl:Euであり、青緑色を示す第2蛍光体62は、SrAl1425:Euである。緑色を示す蛍光体は、SrSi(O,Cl):Euである。赤色を示す蛍光体は、CaAlSi(ON):Euである。近赤外領域を示す蛍光体は、3Ga12:Crである。
作製した発光装置1の発光スペクトルは、図4に示した発光スペクトルである。
なお、本考案は上述の実施形態の例に限定されるものではなく、数値などの種々の変形は可能である。本実施形態における特徴部の種々の組み合わせは上述の実施形態の例に限定されるものではない。
1 発光装置
10 照明装置
11 筐体
12 配線基板
13 透光性基板
2 基板
21 本体部
21a 底部
21b 支持部
22 蓋部
3 発光素子
4 枠体
5 封止部材
6 波長変換部材
61 第1蛍光体
62 第2蛍光体
λ1 第1ピーク波長
λ2 第2ピーク波長
λ3 第3ピーク波長

Claims (3)

  1. 発光装置を備えた生物育成用の照明装置であって、
    前記発光装置は、
    発光素子と、
    前記発光素子が発する光に対して、400~500nmの波長領域に第1ピーク波長を有する光を発する第1蛍光体と、
    前記発光素子が発光する光に対して、500~600nmの波長領域に第2ピーク波長を有する光を発する第2蛍光体と、を備え、
    前記発光素子は、315~400nmの波長領域に第3ピーク波長を有する光を発し、
    前記発光装置の発光スペクトルは、前記第1ピーク波長、前記第2ピーク波長および前記第3ピーク波長を有し、
    前記発光スペクトルにおいて、前記第3ピーク波長の光強度は、前記発光スペクトルの全波長領域の最大ピーク波長の光強度の20%以上であることを特徴とする生物育成用の照明装置。
  2. 前記発光スペクトルにおいて、前記第1ピーク波長が、最大ピーク波長であることを特徴とする請求項1に記載の生物育成用の照明装置。
  3. 前記発光スペクトルにおいて、315nm以下の波長領域における光強度は、前記第3ピーク波長の光強度の30%以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の生物育成用の照明装置。
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