JP2019046598A - 携帯型照明装置および人顔照明方法 - Google Patents

携帯型照明装置および人顔照明方法 Download PDF

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Abstract

【課題】外出時に化粧室などに備え付けられている大型の鏡などを使って、自然光に近い照明の下で両手を自由に使いながら化粧などの作業ができる持ち歩き可能な照明装置を提供する。【解決手段】携帯可能な本体2と、本体2の前面側から白昼の自然光相当の色温度かつ平均演色評価数Raが少なくとも96の第一照明光が照射可能とされたLED光源6とを備え、本体2を挟んで前面側とは反対側の背面側に、非磁性体の平面に着脱自在に吸着可能な面状吸着部材4が設けられている携帯型照明装置1とした。【選択図】図1

Description

本発明は、特に化粧時に人顔を照明するために用いられて好適な携帯型照明装置に関する。
外出時にレストラン等の化粧室で化粧直しなどをするとき、化粧用コンパクトに付いている小さな鏡ではなく、備え付けの大型鏡で顔全体の化粧の仕上がり具合を確かめながら化粧をしたいという要望がある。ところが、化粧室の照明はそもそも薄暗くて見えにくい上に、化粧室の室内照明光の下で化粧を行うと、自然光の下に出たときに見た目の色合いが変わり、自分の想像したような化粧に仕上がっていなかったという問題が存在する。例えば、市販の照明器具では平均演色評価数Raが80〜90程度であるため、肌色(赤み)がきれいに出ない。そのため、そのような照明の下で化粧をすると、化粧がどうしても厚くなり過ぎる傾向にある。
自分で携帯型の照明器具(特許文献1,2)を持ち歩き、室内照明光とは別に自分専用の照明器具で顔を照明することも考えられるが、ある程度の明るさは得られても、やはり演色評価は高くなく、肌色が綺麗に出ないという問題には変わりがない。それでも仮に、演色評価の高い携帯型の照明器具が存在し、そのような照明器具を使って室内照明光の代わりに顔を照明しようとしても、通常手に持って使用する携帯型の照明器具では照明のためにどうしても片手が塞がれてしまう。すると、化粧用コンパクトを片手に持ちながら化粧をし、次に化粧用コンパクトを照明器具に持ち替えて化粧の仕上がり具合を確認するといったように、化粧用コンパクトと携帯型照明器具とを交互に持ち替えながら化粧をしなければならず、極めて使い勝手が悪い。しかも、照明器具を片手で持ちながら顔全体を照明するというのもなかなか難しい。
特開2007−335227号公報 特開2014−120378号公報
本発明は、上述のような問題に鑑み、外出時に化粧室などに備え付けられている大型の鏡などを使って、明るい照明の下で、特には自然光に近い照明の下で両手を自由に使いながら化粧などの作業ができる持ち歩き可能な照明装置を提供することを目的とする。
この課題に対し、本発明は、携帯可能な本体と、本体の前面側から白昼の自然光相当の色温度かつ平均演色評価数Raが少なくとも96の第一照明光が照射可能とされたLED光源とを備え、本体を挟んで前面側とは反対側の背面側に、非磁性体の平面に着脱自在に吸着可能な面状吸着部材が設けられている携帯型照明装置を提供する。
本発明の携帯型照明装置は、LED光源から白昼の自然光相当の色温度(本発明における「白昼の自然光相当の色温度」とは、色が正しく見える5000〜6000K、特に5500〜5600Kをいう。)かつJIS規格(JIS Z 8726)による平均演色評価数Raが少なくとも96の第一照明光が本体の前面側から照射可能とされているため、明るく、しかも白昼における屋外の自然光に近い光で顔を照明することができる。そして、背面側に設けられている面状吸着部材を用いて鏡などの非磁性体の平らな表面に着脱自在に吸着させることができる。そのため、本発明の携帯型照明装置をいったん鏡などの平らな表面に吸着固定させてしまえば、その後の照明時には携帯型照明装置を手に持つ必要がなく、例えば化粧などの作業に際して両手を自由に使うことができる。
ここで用いられる着脱自在の面状吸着部材は、例えば無数の小さな吸盤が表面に形成されたミクロ吸盤シート、対象面との間の空気を追い出して吸着するエポキシポリウレタン製などのシート、或いは貼着力が弱い接着剤が表面に塗布さることで貼付・剥離が自在の素材などを吸着表面側に有して構成されているが、これらに限定される必要はない。要するに、本発明において「着脱自在に吸着可能」とは、携帯型照明装置を非磁性体の表面に吸着させると、化粧などの所望の短時間作業の間、携帯型照明装置が非磁性体の表面に吸着固定された状態となり、作業後に携帯型照明装置を少し引張れば、吸着した表面に跡を残さず表面から簡単に取り外せることをいい、着脱自在の面状吸着部材は、そのような機能を発揮できればよい。
こうして、本発明の携帯型照明装置によれば、例えば、鏡に映った自分の顔の上側あたりに本発明の携帯型照明装置を吸着させると、顔全体を明るく、しかも白昼における屋外の自然光に近い光で照明しながら、両手を自由に使って白昼の屋外での見え方と同じ色の見え方で化粧をすることができる。
また、本発明において、本体は、面状吸着部材が設けられた底部と、当該底部に対して相対移動可能な操作部とを備え、操作部を底部に対して相対移動させることによりLED光源が点灯するように構成されている。
このような構成としたことにより、面状吸着部材が設けられた底部側を鏡などの非磁性体の平らな表面に吸着させた後、片手だけを使うなどして、そのまま操作部を底部に対して相対移動させるとLED光源が点灯するので、操作性が極めて良い。このような優れた操作性は、第一照明光が白昼の自然光相当の色温度でなくても利用することが可能である。
例えば、本発明において、操作部の底部に対する相対移動は、操作部を底部に向かって近接離間させる移動、特にプッシュ式の押し引き操作(例えばプッシュにより操作部を底部に押し付けた後、バネによる弾性力で再び元の位置に戻る操作を含む。)による移動とされている。
その一例として、操作部は、相対移動のために、底部を貫く軸線方向に移動可能とされ、操作部を底部に対して軸線方向に移動させることにより前記LED光源が点灯するように構成されている。特に、操作部と底部との間には、直接的または間接的に付勢部材が介装され、当該付勢部材に抗した底部に向けての操作部の押し動作と、付勢部材による操作部の戻し動作とによる一連の動作による移動が可能に設けられている。
このように、操作部を底部に向かって軸線方向に近接離間させる移動、特に付勢部材を用いたプッシュ式の押し・戻し操作によりLED光源を点灯させる構成としたので、ボタンを押すような操作でLED光源を点灯させることができ、操作性が極めて良い。
或いは、本発明において、操作部の底部に対する相対移動は、操作部を底部に対して回転させる移動とされている。
その一例として、操作部は、相対移動のために、底部を貫く軸線周りに回転可能とされ、操作部を底部に対して軸線周りに回転させることによりLED光源が点灯するように構成されている。
このような構成としたことにより、面状吸着部材が設けられた底部側を鏡などの非磁性体の平らな表面に吸着させた後、そのまま操作部を底部に対して回転させるとLED光源が点灯するので、操作性が極めて良い。また、プッシュ式の押し引き操作に比べると、鞄などの中に入れて携帯するときに、意図せず操作部を押すことでLED光源が点灯してしまうことを防止することができる。
操作部を底部に対して回転させるために、例えば、本体は、軸線を回転の軸とした回転体の外形を有し、操作部は、少なくとも当該回転体の外周面に設けられている。
このような構成としたことにより、本体が軸線周りに外周面を有した構成となり、その外周面に設けられた操作部を把持して、例えばあたかもダイヤルを回転させるような感覚で底部に対して操作部を回転させることが可能となる。
また、本発明において、LED光源は、室内照明光相当の色温度かつ平均演色評価数Raが少なくとも96の第二照明光が本体の前面側から照射可能とされ、第一照明光と第二照明光とが個別に又は同時に選択可能に構成されている。
本発明の携帯型照明装置は、LED光源から室内照明光相当の色温度(本発明における「室内照明光相当の色温度」とは、電球から一般白色蛍光灯の色温度である2500〜4000K、特に白熱灯の色温度である3000〜4000K、なかんずく4000Kをいう。)かつJIS規格(JIS Z 8726)による平均演色評価数Raが少なくとも96の第二照明光が本体の前面側から照射可能とされているため、明るく、しかも室内照明光に近く且つ肌色が綺麗に見える光で顔を照明することができる。例えば既に夜になっている場合、専ら室内照明に合わせて化粧直しをするときは、第二照明光を選択することによって室内照明に合った色合いで顔を照明することができる。したがって、本発明の携帯型照明装置によれば、明るく、しかも室内での見え方と同じ色の見え方で照明しながら両手を自由に使って化粧をすることができる。さらに、第一照明光と第二照明光を同時選択すれば、より明るく、しかも白昼における屋外の自然光と室内照明との中間あたりの色温度の光の下での色の見え方で照明しながら化粧をすることができる。
また、本発明において、本体は、面状吸着部材が設けられた底部と、当該底部に対して相対移動可能な操作部とを備え、操作部を底部に対して相対移動させることによりLED光源が点灯するように構成されており、第一照明光と第二照明光とは、操作部を底部に対して相対移動させることにより個別に又は同時に選択可能とされている。
このような構成としたことにより、LED光源の第一照明光に対する点灯操作と同様の操作性が、LED光源の第一照明光に対する点灯操作だけでなく、LED光源の第二照明光に対する点灯操作および第一照明光と第二照明光の同時点灯操作に対しても得られる。
例えば、面状吸着部材が設けられた底部側を鏡などの非磁性体の平らな表面に吸着させた後、片手だけを使うなどして、そのまま操作部を底部に対して相対移動させると第一照明光と第二照明光とを個別に又は同時に選択できる。
また、本発明において、LED光源は、第一照明光とは色温度の異なる第二照明光が本体の前面側から照射可能とされ、第一照明光と第二照明光とは、操作部を底部に対して相対移動させることにより個別に又は同時に選択可能に構成されている。
第一照明光と第二照明光の色温度を、白昼の自然光相当の色温度や室内照明光相当の色温度に限ることなく、異なる色温度の組み合わせとした場合においても、面状吸着部材が設けられた底部側を鏡などの非磁性体の平らな表面に吸着させた後、片手だけを使うなどして、そのまま操作部を底部に対して相対移動させると第一照明光と第二照明光とを個別に又は同時に選択できるという優れた操作性が得られる。
また、LED光源は、LEDチップを有し、本体のLED光源の前面側には、LEDチップから照射される光を拡散させるディフューザが設けられている。
このような構成としたことにより、本体を鏡などの非磁性体の平らな表面に吸着させたときに本体側の面と非磁性体側の面との面どうしの接触により本体の向きが固定されても、LED光源のLEDチップから照射される光がディフューザにより全方向に均等に拡散されるので、本体の向きを調整することなく顔を均一に照明することができる。また、LED光源を直視することがないので眩しくなく、残像によりしばらく物が見えづらくなることもない。
本発明の携帯型化粧用ライト(携帯型照明装置)の斜め上方から視た分解斜視図である。 本発明の携帯型化粧用ライトの斜め下方から視た分解斜視図である。 本発明の携帯型化粧用ライトの斜め上方から視た斜視図である。 本発明の携帯型化粧用ライトの斜め下方から視た斜視図である。 本発明の携帯型化粧用ライトの正面図である。 本発明の携帯型化粧用ライトの背面図である。 LED基板上におけるLED光源のための回路図である。 LED光源が消灯しているときの板バネと電極ピンの位置関係を示す図である。 LED光源の室内光用LEDチップ(第二照明光のLED光源)が点灯しているときの板バネと電極ピンの位置関係を示す図である。 LED光源の白昼光用LEDチップ(第一照明光のLED光源)が点灯しているときの板バネと電極ピンの位置関係を示す図である。 LED光源の室内光用LEDチップ及び白昼光用LEDチップの両方が点灯しているときの板バネと電極ピンの位置関係を示す図である。
(概略構成)
図1乃至6は、本発明の携帯型化粧用ライト1(携帯型照明装置)を示す。携帯型化粧用ライト1は、片手に載る程度の大きさの扁平な回転体としての略円柱状(直径約40mm、高さ約20mm)の本体2と、本体2の前面側から照明光を照射することのできるLED光源6とを有している。そして、本体2を挟んで前面側とは反対側の背面側には、鏡などの非磁性体の平らな面に着脱自在に吸着可能な吸着シート4(面状吸着部材)が設けられている。
(本体)
本体2は、全体高さの3分の2程度の高さを占める前面側の操作部21と、背面側の底部24とから構成されている。操作部21と底部24とは、いずれも断面略コ字状とされており、開放された側の円形の端面同士を突き合わせると、内部にLED光源6や当該LED光源6のための後述の電源部8等を収納するための収納空間を画成するように形成されている。
(操作部)
本体2の前面側の操作部21は、その外周面から前面にかけての部分に、手に馴染み易くするための、外周面から前面へと滑らかに移行する面取りされた略円錐台の周面が形成されている。そして、略円柱状の操作部21の外周面には、操作部21を把持しながらの後述の回転操作を行い易くするためのグリップ22が外周面より内側に凹むようにして刻設されている。また、操作部21の内周面には、操作部21の開放側の端面を底部24の端面に突き合わせたときに、底部24に係合させるための、内方に突出する掛止爪23が略内周を一周するようにして突設されている。
(ディフューザ)
他方、操作部21の前面(本体2の前面でもある。)には、すり鉢状の傾斜面を介してやや奥まった位置に、LED光源6からの照明光が出射するための略8字形、より具体的には二つの扇子を要の部分で突き合わせたような形状の開口部28が形成されており、この開口部28にLED光源6からの照明光を等方に拡散させるためのディフューザ10が嵌合されている。このディフューザ10は、前面から奥まった位置に設けられていることで、その汚れ防止が図られているとともに、落下時等に衝撃が直接加わらないように保護されている。
(底部)
本体2の背面側の底部24は、その外周面から背面にかけての部分に、やはり手に馴染み易くするための、外周面から背面へと滑らかに移行する面取りされた、前面側に比べるとやや幅狭の略円錐台の周面が形成されている。この円錐台の周面の周方向の所定位置には、円錐台の周面から潜り込んで底部24の中実部分を潜って直上の外周面に出るストラップ取付穴27が、底部24の中実部分を刳り貫くようにして穿設されている。そして、底部24の背面(本体2の背面でもある。)には、吸着シート4をその厚さの半分程度収納する凹部が設けられており、吸着シート4を接着するための接着剤がその内底面に塗布できるようになっている。また、底部24の操作部21側の内底面には、周方向に均等に複数の爪受部25が突設されている。これらの爪受部25は、操作部21と底部24とを突き合わせるときに、爪受部25の先端の外方に突出した鉤の部分が、操作部21の内周面における内方に突出した掛止爪23により底部24の内側に押されて、爪受部25の全体が内側に向かって撓み、その後、掛止爪23が爪受部25の先端の鉤を乗り越えると、爪受部25が自身の弾発力により元の形状に戻って、爪受部25の先端の鉤の部分と、操作部21の掛止爪23とが互いに係合するようになっている。爪受部25の少なくとも一つには、鉤の部分の下方かつ掛止爪23に当たらない位置に回転止め26が設けられている。他方、掛止爪23の所定の周位置には、掛止爪23の底部24側の面から延出する不図示の当接部が設けられており、操作部21を底部24に係合させた状態で回転させていくと、爪受部25側の回転止め26に掛止爪23側の当接部が当接して回転が止まるように構成されている。この回転止め26を用いて、操作部21の後述の回転操作によるLED光源6の操作の際に、ちょうどLED光源6が消灯する位置においてそれ以上のオフ回転方向(本体2を操作部21側から視て軸線周りに反時計回りの方向)への回転が阻止される一方、LED光源6が全灯する位置においてそれ以上のオン回転方向(本体2を操作部21側から視て時計回りの方向)への回転が阻止されるようになっている。
(吸着シート)
吸着シート4(面状吸着部材)は、エポキシポリウレタン製の円形のシートからなり、底部24の背面に形成された凹部に嵌め込まれるようにして接着されている。この吸着シート4は、当該吸着シート4の側が鏡の平らな表面に接触するようにして携帯型化粧用ライト1を鏡に取り付けると、吸着シート4と鏡の表面との間の空気を追い出し、吸盤のように鏡の表面に吸着するように構成されている。そのため、吸着シート4により携帯型化粧用ライト1が鏡に貼り付き、携帯型化粧用ライト1から手を放しても携帯型化粧用ライト1が鏡から落ちない。また、本体2を少し引張ることで、吸着シート4の吸着状態を解除し、携帯型化粧用ライト1を鏡の表面から再び取り外すことができる。
(電源部)
LED光源6を点灯させるための電源部8は、底部24の内底面から凹むように形成された収納凹部に収められる矩形のバッテリー81と、バッテリー81よりも操作部21側に配置される略円板状のバッテリー充電基板82とを備え、バッテリー81とバッテリー充電基板82との間にクッション性のある絶縁スポンジ83を介在させた状態でバッテリー充電基板82を底部24の内底面に立設したネジ固定部29のネジ孔にネジ固定することで、バッテリー81を底部24とバッテリー充電基板82との間で挟持固定する構成とされている。
バッテリー充電基板82のバッテリー81側の面には、バッテリー81を外部電源により充電するための充電回路部84と当該充電回路部84に接続された充電用外部接続端子としての充電用マイクロUSB85とが実装されており、底部24の端面の一部を切り欠くようにして形成された切欠部87に底部24の外周面と面一になるようにして充電用マイクロUSB85の端部が収められるように構成されている。このような構成とされたことにより、バッテリー81の消耗が進むと、例えばPCのUSBポートや、USBのACアダプタなどからUSBケーブルを充電用マイクロUSB85に接続することで、バッテリー81の再充電を行なうことができる。
また、バッテリー充電基板82の操作部21側の面には、略円柱状とされた本体2の軸線(回転体の軸線)が通るバッテリー充電基板82の中心を挟んで略対称な位置に一対の板バネ電極86,86が配置されており、これらの板バネ電極86,86にバッテリー81の陽極と陰極から延びた不図示の配線がそれぞれ接続されている。板バネ電極86,86は、バッテリー充電基板82に固定された基端から先端に向けて、上記オフ回転方向(本体2を操作部21側から視て軸線周りに反時計回りの方向)に延在するように形成されており、その先端部分には、外方に膨らむように形成された屈曲部を有している。そして、板バネ電極86,86は、その先端が基端よりも内側に位置することによって、後述するLED光源6側の電極ピンT1〜T8を上記屈曲部に収めつつ自身の弾発力により電極ピンT1〜T8を保持する構成とされている。
(LED光源)
LED光源6は、LED基板61と、LED基板61上の、本体2の略8字形開口部28の大きく開いた2か所の部分からそれぞれ見える位置に実装された白昼光用LEDチップ62(第一照明光のLED光源)及び室内光用LEDチップ63(第二照明光のLED光源)と、白昼光用LEDチップ62及び室内光用LEDチップ63に電力を供給するための配線部64(図1乃至6において不図示)と、電源部8の板バネ電極86に接触する電極ピンT1〜T8とを備えている。
LED光源6の白昼光用LEDチップ62は、白昼の自然光相当の色温度(5600K)で平均演色評価数Raが96の照明光(第一照明光)を照射することができる。この白昼光用LEDチップ62は、使用目的が特に限定されていない市販のLEDチップの中から本発明の用途に適したものを選択した。他方、室内光用LEDチップ63は、室内照明光相当の色温度(4000K)で平均演色評価数Raが96の照明光(第二照明光)を照射することができる。この室内光用LEDチップ63は、使用目的が特に限定されていない市販のLEDチップの中から本発明の用途に適したものを選択した。白昼光用LEDチップ62及び室内光用LEDチップ63は、バッテリーの寿命を考慮してディフューザ10を通したときに300ルクスの明るさが得られるようにしたが、バッテリーの寿命、性能その他の条件を考慮して、もっと明るくなるような設定ももちろん可能である。
LED基板61の底部24側には、操作部21を底部24に対して回転していくと、電源部8の板バネ電極86に漸次接触していく複数の電極ピンT1〜T8が周方向に等間隔に立設されている。これらの電極ピンT1〜T8は、操作部21を底部24に対して回転していくと、T1とT5、T2とT6、T3とT7、T4とT8とがそれぞれ対となって一対の板バネ電極86の先端部分の屈曲部に収まるようにして接触する。
電極ピンT1〜T8と、白昼光用LEDチップ62(第一照明光のLED光源)及び室内光用LEDチップ63(第二照明光のLED光源)との間には、これらの間を接続する図1乃至6に不図示の配線部64が実装されている。図7は、電極ピンT1〜T8、白昼光用LEDチップ62及び室内光用LEDチップ63及び配線部64の関係を示す回路図である。この配線部64により、電極ピンT1〜T4のいずれかが一方の板バネ電極86に接触し、電極ピンT5〜T8のいずれかが他方の板バネ電極86に接触する。そして、操作部21の底部24に対する所定の回転位置で電極ピンT1が一方の板バネ電極86に接触するとともに電極ピンT5が他方の板バネ電極86に接触すると、白昼光用LEDチップ62及び室内光用LEDチップ63のいずれにも電力が供給されず、いずれのLEDチップも発光しない。従って、この回転位置がLED光源6の消灯位置である(図8参照)。次に、本体2を操作部21側から視て時計回りに(オン回転方向に)45°だけ操作部21を底部24に対して回転させると、電極ピンT2が一方の板バネ電極86に接触するとともに電極ピンT6が他方の板バネ電極86に接触し、室内光用LEDチップ63が点灯状態となって室内照明光相当の照明光を照射する(図9参照)。続いて、操作部21を底部24に対してさらにオン回転方向に45°だけ回転させると、電極ピンT3が一方の板バネ電極86に接触するとともに電極ピンT7が他方の板バネ電極86に接触し、白昼光用LEDチップ62が点灯状態となって白昼における屋外の自然光相当の照明光を照射する(図10参照)。さらに操作部21を底部24に対してオン回転方向に45°だけ回転させると、電極ピンT4が一方の板バネ電極86に接触するとともに電極ピンT8が他方の板バネ電極86に接触し、今度は、それぞれ配線部64のダイオードD1、D2を介して白昼光用LEDチップ62及び室内光用LEDチップ63の両方が点灯状態となって、いずれもが発光する全灯状態となる(図11参照)。
(動作態様)
このように、本発明の携帯型化粧用ライト1は、背面側に設けられている吸着シート4により鏡面に着脱自在に吸着させることができる。例えば、外出時にレストラン等の化粧室で、鏡に映った自分の顔の上側のあたりに吸着させることができる。そして、そのまま片手で操作部21のグリップ22の部分を把持して底部24に対してダイヤルを回すようにして操作部21を時計回りに(オン回転方向に)45°回転させると、先ず室内光用LEDチップ63が点灯し、例えば既に夜になっているとき、室内の照明光に近い色合いが出る照明光(色温度4000K)で顔全体が明るく照らされ、専ら室内照明に合わせて室内モードで化粧直しをすることができる。日中これから外を出歩く必要があるのであれば、操作部21を底部24に対してオン回転方向にさらに45°回転させる。すると今度は白昼光用LEDチップ62が点灯し、白昼における屋外の自然光に近い照明光(色温度5600K)で顔全体が明るく照らされ、白昼の屋外での見え方と同じ色の見え方で化粧をすることができる。操作部21を底部24に対してさらにオン回転方向に45°回転させると、白昼光用LEDチップ62及び室内光用LEDチップ63の両方が点灯し、午後における屋外の自然光に近い照明光(色温度約5000K)で顔全体がさらに明るく照らされ、昼下がりにおける屋外での見え方と同じ色の見え方で化粧をすることができる。このとき、操作部21側の当接部が底部24側の回転止め26に当接してそれ以上は操作部21を時計回りに(オン回転方向に)回転させることができない。そして最後に化粧が終わったら、今度は反時計回りに(オフ回転方向に)操作部21を底部24に対して回転させる。最初の回転位置に戻ったときに操作部21側の他の当接部が底部24側の回転止め26に当接してそれ以上のオフ回転方向の回転が阻止され、LED光源6は消灯した状態となる。
(効果)
本発明の携帯型化粧用ライト1は、鏡面にいったん吸着させてしまえば、その後の照明時には携帯型化粧用ライト1を手に持つ必要がなく、化粧をするときに両手を自由に使うことができ、片手に化粧用コンパクトを持ちながら化粧をする間、常に化粧室に備え付けの大型の鏡を見ながら化粧の全体的な仕上がり具合を確認することができる。そして、LED光源6の白昼光用LEDチップ62と室内光用LEDチップ63とを個別に又は同時に選択することによって、白昼における屋外の自然光から室内光の下での見え方と同じ条件を必要に応じて選択して明るい照明の下で化粧をすることができる。しかも、そのとき携帯型化粧用ライト1を鏡に吸着させてそのままダイヤルを回転させるような感覚で照明光を点灯ないし選択できるので操作性が極めて高い。また、携帯型化粧用ライト1は、ディフューザ10を通して300ルクス程度の所定の明るさで顔全体をまんべんなく明るく照らすので、化粧にムラも出ない。しかも、LED光源6を直接見ることがないので、眩しくない。
(他の実施態様)
なお、上記の実施例では、LED光源が2種類の色温度の照明光を照射するものとしたが、専ら1種類の色温度の照明光を照射するものでもよいし、その色温度の選択は、用途に応じて任意であって構わない。上記の実施例では、白昼の自然光相当の色温度として5600K(東京における真夏の正午頃の色温度が約5500K)を選択したが、色を正しくみるための色温度は5000〜6000Kであり、白昼の自然光相当の色温度の選択には幅がある。また、正午頃の色温度に限らず、夕方頃の自然光相当の色温度(3000K程度)その他の色温度を選択してもよい。
逆に、LED光源の照明光の色温度は、2種類に限らず、複数種類選択してもよい。例えば、異なる色温度のLEDチップを3個以上搭載し、それらを回転操作で漸次個別または複数同時に選択する構成としてもよい。これにより、明け方から白昼にかけての様々な時間帯の自然光あるいは様々な室内照明光と色温度が同じ照明光を再現することができる。特に、ダイヤル式の回転操作と組み合わせれば、操作部の回転操作により、低い色温度から高い色温度への段階的な色温度の調整ができるように構成でき、その際、回転操作の角度位置を色温度の高さに結び付けた操作ができる(アナログ時計の文字盤の位置に対応する位置でその時間帯の色温度が照射できるようにすることを含む。)ため、極めて操作性が高い。回転操作の角度位置を色温度の高さに結び付けた優れた操作性は、携帯型照明装置に限らず、LED光源の照明光の色温度の調整一般に用いることができるものである。
また、色の見え方が気にならないような使い方をするのであれば、LED光源は、必ずしも平均演色評価数Raが高くなくてもよい。平面に吸着させてそのまま操作部を操作することにより光源を点灯させる操作性のよさは、LED光源の色温度や演色評価に縛られることなく、任意の光源に対して応用可能である。その場合は、人の顔を照明することに用途が限定される必要はない。
操作性に関して言えば、上記の実施例では、本体2の前面側が全て操作部21とされる構成であるが、外周面のみに操作部を設ける構成(例えば本体にスリーブ状の操作部が外嵌され、操作部が本体に対して回転操作可能な構成などを含む。)としてもよいし、外周面の一部にスライド式のスイッチのような操作部を設ける構成としてもよい。また、操作部を回転操作するのではなく、操作部を本体の底部に向けて押し込む又は引張ることでLED光源を点灯させ、その逆の操作でLED光源を消灯する構成としてもよいし、操作部と本体との間に介装されたバネ(付勢部材)に抗して操作部を本体の底部に向けて押し込む(操作部の押し動作)と、バネの力で操作部が元の位置に戻る(操作部の戻し動作)プッシュ式の操作により、LED光源の点灯、照明光の選択、消灯が繰り返されるような構成としてもよい。要は、操作部を底部に対して相対移動させることによりLED光源が点灯し、照明光が選択されるように構成されていればよく、特にその際、操作部が本体の前面側のかなりの領域を占め、好ましくは少なくとも外側の面を占め、片手などによる操作が容易であればよい。
また、上記の実施例では、照明光を拡散するのにディフューザを用いたが、照明光の照射範囲をある程度絞り込むためにレンズアレイやフレネルレンズによるレンズ拡散板を用いることもできる。
さらに、照明光の明るさについて言えば、上記の実施例では、300ルクスの照明光が得られる構成としたが、バッテリーの使用時間が気にならないのであれば、1000ルクス以上、特に2000ルクスが得られるようにしてもよいし、二以上の明るさが切り替えられるようにしてもよい。逆に、暗い照明でも構わない用途であれば、300ルクス未満の明るさを省エネモードとして選択できるようにしてもよい。
また、上記の実施例では、本体2が略円柱の形状とされていたが、略直方体に形成することもできる。例えば立方体として各面に意匠を施せばデザイン性にも優れている。ただ、円柱状に形成されている場合、握り易く感触もよいし、回転操作との相性もよい。
また、面状吸着部材が、磁性体の表面にも吸着するように、磁石シートとしても機能するように形成されていてもよい。吸着させる面が磁石に付く性質を有している場合、磁性も利用して照明装置を吸着させることができる。
本発明は、この他にも様々な態様を組み合わせた実施が可能であり、それらが本発明の技術的範囲に含まれ得ることは言うまでもない。
1 携帯型化粧用ライト(携帯型照明装置)
2 本体
4 吸着シート(面状吸着部材)
6 LED光源
10 ディフューザ
21 操作部
24 底部
61 LED基板
62 白昼光用LEDチップ(第一照明光のLED光源)
63 室内光用LEDチップ(第二照明光のLED光源)
86 板バネ電極
T1〜T8 電極ピン

Claims (12)

  1. 携帯可能な本体と、
    前記本体の前面側から白昼の自然光相当の色温度かつ平均演色評価数Raが少なくとも96の第一照明光が照射可能とされたLED光源とを備え、
    前記本体を挟んで前記前面側とは反対側の背面側に、非磁性体の平面に着脱自在に吸着可能な面状吸着部材が設けられている携帯型照明装置。
  2. 前記本体は、前記面状吸着部材が設けられた底部と、当該底部に対して相対移動可能な操作部とを備え、
    前記操作部を前記底部に対して相対移動させることにより前記LED光源が点灯するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の携帯型照明装置。
  3. 携帯可能な本体と、
    前記本体の前面側から第一照明光が照射可能とされたLED光源とを備え、
    前記本体を挟んで前記前面側とは反対側の背面側に、非磁性体の平面に着脱自在に吸着可能な面状吸着部材が設けられ、
    前記本体は、前記面状吸着部材が設けられた底部と、当該底部に対して相対移動可能な操作部とを備え、
    前記操作部を前記底部に対して相対移動させることにより前記LED光源が点灯するように構成されている携帯型照明装置。
  4. 前記LED光源は、室内照明光相当の色温度かつ平均演色評価数Raが少なくとも96の第二照明光が前記本体の前面側から照射可能とされ、前記第一照明光と前記第二照明光とが個別に又は同時に選択可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の携帯型照明装置。
  5. 前記本体は、前記面状吸着部材が設けられた底部と、当該底部に対して相対移動可能な操作部とを備え、
    前記操作部を前記底部に対して相対移動させることにより前記LED光源が点灯するように構成されており、
    前記第一照明光と前記第二照明光とは、前記操作部を前記底部に対して相対移動させることにより個別に又は同時に選択可能とされていることを特徴とする請求項4に記載の携帯型照明装置。
  6. 前記LED光源は、前記第一照明光とは色温度の異なる第二照明光が前記本体の前面側から照射可能とされ、前記第一照明光と前記第二照明光とは、前記操作部を前記底部に対して相対移動させることにより個別に又は同時に選択可能に構成されていることを特徴とする請求項3に記載の携帯型照明装置。
  7. 前記操作部は、前記相対移動のために、前記底部を貫く軸線方向に移動可能とされ、前記操作部を前記底部に対して前記軸線方向に移動させることにより前記LED光源が点灯するように構成されていることを特徴とする請求項2、3、5、6のいずれかに記載の携帯型照明装置。
  8. 前記操作部と前記底部との間には、直接的または間接的に付勢部材が介装され、当該付勢部材に抗した前記底部に向けての前記操作部の押し動作と、前記付勢部材による前記操作部の戻し動作とによる一連の動作による移動が可能に設けられていることを特徴とする請求項7に記載の携帯型照明装置。
  9. 前記操作部は、前記相対移動のために、前記底部を貫く軸線周りに回転可能とされ、前記操作部を前記底部に対して前記軸線周りに回転させることにより前記LED光源が点灯するように構成されていることを特徴とする請求項2、3、5、6のいずれかに記載の携帯型照明装置。
  10. 前記本体は、前記軸線を回転の軸とした回転体の外形を有し、前記操作部は、少なくとも当該回転体の外周面に設けられていることを特徴とする請求項9に記載の携帯型照明装置。
  11. 前記LED光源は、LEDチップを有し、前記本体の前記LED光源の前面側には、前記LEDチップから照射される光を拡散させるディフューザが設けられていることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の携帯型照明装置。
  12. 請求項1から11のいずれかに記載の携帯型照明装置を用いた人顔照明方法であって、鏡に映った使用者自身の顔の上のあたりの位置において前記携帯型照明装置を鏡面に吸着させ、そのまま吸着させた位置から動かさないようにして前記携帯型照明装置のLED光源を点灯し、鏡に映った顔が見やすくなるように使用者自身の顔を照明する人顔照明方法。
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