JP2016141724A - 粘着テープ - Google Patents

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Abstract

【課題】粘着テープからのTVOC量を低減させることが可能な粘着テープを提供する。
【解決手段】基材と、基材の一方の面上に設けられた粘着剤層とを備えた粘着テープであって、粘着テープからの総揮発性有機化合物(TVOC)の放散量が、粘着剤層の面1cm当たり、n‐デカン換算量として1.0μg以下である粘着テープ。
【選択図】なし

Description

本発明は、粘着テープに関し、詳しくは、食品表示ラベル用粘着テープなど揮発性有機化合物の量を低減することが求められている粘着テープに関するものである。なお、本明細書において、「テープ」の概念は、「シート」および「フィルム」の概念を包含するものとする。
バナナ、オレンジ、キウイ、アボガドといった、果実などの食品に直接貼付される食品表示用ラベルに用いられる粘着テープは、当該粘着テープから放散される揮発性有機化合物(“Volatile Organic Compounds”、本明細書において「VOC」ともいう。)が食品の外観などに影響を与える場合もあるため、放散量を可能な限り少なくすることが求められている。さらに、環境への配慮や作業環境の改善等の観点から、粘着テープの価値向上の一環として、該粘着テープから放散される揮発性有機化合物の量が重視されるようになってきている。
主として車両や住宅内、あるいは電気機器内部に用いられる粘着テープに関し、VOCの放散量(本明細書において、「VOC量」ともいう。)を低減させることを目的として、重合開始剤として10時間半減温度が80℃以下であり、パーオキシエステルの酸残基の炭素数が8以上、アルコール残基の炭素数が6以下のパーオキシエステルを用い、かつ、重合条件として10時間半減温度より高い反応温度に保ち、更に、重合開始剤の10時間半減温度と、重合終期での重合温度とが特定の条件を満たす条件で重合したアクリル系ポリマーと、分子量600以下の成分の含有率が13重量%以下である粘着付与剤とを含有し、特定条件で測定されたVOC量が所定の範囲内であるアクリル系粘着剤からなる粘着剤層を有する粘着テープが、特許文献1に開示されている。
特許第5142446号公報
特許文献1によれば、特定の重合開始剤を用い、特定の重合条件で製造されたアクリル系ポリマーと、分子量の範囲が特定の範囲に限定された粘着付与剤を特定量含有することにより、VOC量を低減可能な粘着テープが得られるとされている。
しかしながら、上記のように限定的な製造方法では粘着テープとしての設計自由度が低い。このため、設計自由度が高く、粘着テープからの総揮発性有機化合物(“Total Volatile Organic Compounds”、本明細書において、「TVOC」ともいう。)の放散量(本明細書において、「TVOC量」ともいう。)が低い粘着テープが求められている。
本発明は、上記のような実状に鑑みてなされたものであり、粘着テープからのTVOC量を低減させることが可能な粘着テープを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために提供される本発明は次のとおりである。
(1)基材と、前記基材の一方の面上に設けられた粘着剤層とを備えた粘着テープであって、前記粘着テープからの総揮発性有機化合物(TVOC)の放散量が、前記粘着剤層の面1cm当たり、n‐デカン換算量として1.0μg以下であることを特徴とする粘着テープ。
(2)JIS Z0237:2009に準拠して測定されたSUS板(SUS304#600)に対する180°引きはがし粘着力が、0.1N/25mm以上である、上記(1)に記載の粘着テープ。
(3)前記粘着テープが備える前記粘着剤層の粘着剤がトリブロック共重合体を主成分とする、上記(1)または(2)に記載の粘着テープ。
(4)前記トリブロック共重合体は、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)が30,000以上300,000以下であることと、分子量分布(Mw/Mn)が5.0以下であることとの少なくとも一方を満たす、上記(3)に記載の粘着テープ。
(5)前記粘着テープの粘着剤層の面1dm当たりから、水からなる抽出溶媒に溶出する不揮発成分量が60mg以下であることと、前記粘着テープの粘着剤層の面1dm当たりから、95体積%エタノールからなる抽出溶媒に溶出する不揮発成分量が60mg以下であることとの少なくとも一方を満たす、上記(1)から(4)のいずれかに記載の粘着テープ。
本発明によれば、粘着テープからのTVOC量を低減させることが可能な粘着テープが提供される。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明の一実施形態に係る粘着テープは、基材と、基材の一方の面上に設けられた粘着剤層とを備える。かかる粘着テープは、粘着剤層の基材に対向する面と反対側の面上に設けられた剥離シートをさらに備えていてもよい。
本発明の一実施形態に係る粘着テープは、当該粘着テープからの総揮発性有機化合物(TVOC)の放散量(TVOC量)が、粘着剤層の面1cm当たり、n‐デカン換算量として1.0μg以下である。上記のTVOC量が1.0μg以下であることにより、粘着テープから放散されたVOCに起因するバナナの変色などの被着体の外観不良などの問題が生じにくい。上記の問題が発生する可能性をより安定的に低減させる観点から、上記のTVOC量は、0.7μg以下であることが好ましく、0.5μg以下であることがより好ましく、0.3μg以下であることがより好ましく、0.2μg以下であることが特に好ましい。
本発明の一実施形態に係る粘着テープは、粘着剤層の面1dm当たりから、水からなる抽出溶媒に溶出する不揮発成分量が60mg以下であることと、粘着剤層の面1dm当たりから、95体積%エタノール(残部は実質的に水からなる。)からなる抽出溶媒に溶出する不揮発成分量が60mg以下であることとの少なくとも一方を満たすことが好ましい。上記の不揮発成分量が60mg以下であることにより、粘着テープの粘着剤層から水分や、アルコールなどの有機成分などを介して被着体に移行した物質に起因する不具合(具体的には、被着体が当該物質により汚染されること、被着体から粘着テープを剥離しにくくなること、粘着テープを剥離した被着体に粘着剤層を構成する成分が残留付着することなどが挙げられる。)が生じにくい。被着体がバナナ、オレンジ、キウイ、アボガドといった、果実などの食品である場合には、直接の被着物である果皮には、水分のほか、有機成分が含まれるため、こうした有機成分に粘着剤層に含有される成分が溶解し、溶解した成分が果皮側に移行することがある。
上記の問題が発生する可能性をより安定的に低減させる観点から、上記の水からなる抽出溶媒に溶出する不揮発成分量は、粘着剤層の面1dm当たりから、10mg以下であることが好ましく、5mg以下であることがより好ましく、1mg以下であることが特に好ましく、0.5mg未満であることが極めて好ましい。上記の問題が発生する可能性をより安定的に低減させる観点から、上記の95体積%エタノールからなる抽出溶媒に溶出する不揮発成分量は、粘着剤層の面1dm当たりから、11mg以下であることが好ましく、8mg以下であることがより好ましく、3mg以下であることが特に好ましい。
本明細書において、水などの抽出溶媒に溶出する不揮発成分量は、「食品接触プラスチック材料及び物品の構成成分の移行試験に必要な基本原則」(Directive 82/711/EEC、97/48/EC)に準じて実施された試験方法により行われたものを意味する。具体的には、粘着テープの剥離シートを剥がし、所定サイズ(面積3dm)の粘着剤面を露出させるための枠型治具に貼付け、試験サンプルとする。次いで、粘着シートの粘着剤面と抽出溶媒(具体的には、水または95体積%エタノール)150mlが接触するようにして、20℃で24時間静置する。その後、抽出溶液のみを20℃にて乾燥させ、さらに120℃30分間の乾燥作業を行う。乾燥後の残渣物の重量(総移行成分量)を測定し、上記の抽出溶媒に溶出する不揮発成分量とする。
本発明の一実施形態に係る粘着テープは、JIS Z0237:2009(ISO 29862−29864:2007)に準拠して測定されたSUS板(SUS304#600)に対する180°引きはがし粘着力が、0.1N/25mm以上であることが好ましい。上記のような粘着テープからの揮発成分や粘着剤層の面からの不揮発成分は、一般的に分子量が比較的低い。このため、粘着剤層にこうした低分子量成分が含まれている場合には、粘着テープの被着体に対する粘着性を高める成分として機能しうる。そのような成分として、粘着付与剤が挙げられる。したがって、粘着テープからのTVOC量や粘着剤層の面からの不揮発成分の量が少ない場合、特に粘着剤層の面からの不揮発成分の量が少ない場合には、粘着テープの被着体に対する粘着性が低下する可能性が高くなることがある。また、粘着テープからの揮発成分を低下させるための一手段として挙げられる粘着剤層の厚さを低減させることも、基本的な傾向として、粘着テープの被着体に対する粘着性を低下させる。
しかしながら、上記の180°引きはがし粘着力が0.1N/25mm以上であれば、本発明の一実施形態に係る粘着テープは被着体に対する粘着性が低下しにくく、好ましい。粘着テープの被着体に対する粘着性の低下が生じる可能性をより安定的に低減させる観点から、上記の180°引きはがし粘着力は、0.5N/25mm以上であることが好ましく、1.0N/25mm以上であることがより好ましく、3.0N/25mm以上であることがさらに好ましい。
上記の粘着力の上限は設定されない。用途に応じて適宜設定されるべきものである。限定されない例として、50N/25mm以下であること(再剥離性を有しない場合)、30N/25mm以下であること(再剥離性を有する場合)などが挙げられる。
本発明の一実施形態に係る粘着テープが備える基材の材料は限定されない。樹脂系の材料を主成分とする樹脂系シートから構成されていてもよいし、紙系の材料から構成されていてもよい。
樹脂系シートに係る樹脂の成分として、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体等のオレフィン系重合体;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のエステル系重合体;ナイロン6,6、ナイロン6等のアミド系重合体などが例示される。本明細書において、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸およびメタクリル酸の両方を意味する。他の類似用語についても同様である。上記の樹脂系シートに係る樹脂として、上記の成分を含有する樹脂のほかに、例えば、アセテート樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合(ABS)樹脂、ポリスチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステルアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリ‐p‐フェニレンスルフィド樹脂、ポリエーテルエステル樹脂などが挙げられる。基材はこれらの材料の一種を含有してもよいし、二種以上を含有してもよい。
基材は、上記の樹脂系シートの一層から構成されていてもよいし、上記の樹脂系シートが複数積層されて基材を構成していてもよい。また、基材が樹脂系シートを備える場合には、その樹脂系シートは未延伸のものであってもよいし、縦、横などの一軸方向または二軸方向に延伸されたものであってもよい。
基材が樹脂系の材料から構成される場合には、基材は、粘着剤層と共押出成形により製造されたものであってもよい。
基材が紙系の材料から構成される場合の具体例として、グラシン紙、コート紙、上質紙等の紙基材、および上記の紙基材にポリエチレン等の熱可塑性樹脂をラミネートしたラミネート紙が挙げられる。
基材には、印刷層、プライマーコート層、コーティング層、金属蒸着層、紫外線防止層等が形成されていてもよい。
基材を構成する材料が着色材料(カーボンブラック、二酸化チタンなどの顔料、および染料が例示される。)を含有することにより、基材が着色されていてもよい。さらに、機械特性を高めたり耐ブロッキング性を付与したりする観点から、基材を構成する材料がシリカなどの微粒子を含有していてもよい。基材は、用途に応じて、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの成分をさらに含有していてもよい。
基材の厚さは、用途に応じて適宜設定されるべきものであり、限定されない。基材の厚さは、通常は10μmから1000μm、好ましくは20μmから500μm、特に好ましくは25μmから200μm程度である。
本発明の一実施形態に係る粘着シートが備える粘着剤層の組成は、粘着テープからのTOVC量が上記の条件を満たしている限り、限定されない。
粘着剤層の粘着剤の種類は限定されない。ゴム系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリビニルエーテル系樹脂などが粘着剤の具体例として挙げられる。これらの中でも、取扱いの容易さ、入手安定性などの観点から、アクリル系樹脂が好ましい。アクリル系樹脂の具体例として、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)−ポリアクリル酸ブチル(PBA)−ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)−ポリアクリル酸‐2‐エチルヘキシル(2EHA)−ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等の(メタ)アクリル酸系トリブロック共重合体が挙げられる。粘着剤は1種類の材料から構成されていてもよいし、複数種類の材料から構成されていてもよい。
粘着剤層の粘着剤は、トリブロック共重合体を主成分とすることが好ましい。トリブロック共重合体は、アクリル酸系トリブロック系重合体を具体例として説明すれば、PBAや2EHAからなる相対的に軟質なセグメント(ソフトセグメント)の両端に、PMMAからなる比較的硬質であって擬似架橋可能なセグメント(ハードセグメント)が連結した構造を有する。このような構造を有する重合体は、リビングアニオン重合により製造されるため、比較的シャープなピークを有する分子量分布を有する。このため、トリブロック共重合体は揮発性を有するような低分子量成分の含有量が少ない。
したがって、本発明の一実施形態に係る粘着テープが備える粘着剤層の粘着剤がトリブロック共重合体を主成分とすることにより、本発明の一実施形態に係る粘着テープからのTVOC量は上記の条件を満たしやすい。また、トリブロック共重合体を含む組成物内で容易に移動しやすい低分子量成分の量も少ない。それゆえ、本発明の一実施形態に係る粘着テープが備える粘着剤層の粘着剤がトリブロック共重合体を主成分とすることにより、本発明の一実施形態に係る粘着テープが備える粘着剤層は上記の抽出溶媒に溶出する不揮発成分量に関する条件を満たしやすい。
また、トリブロック共重合体は、温度が高い場合には、各重合体が単独で存在しやすいが、温度が室温に近い温度の場合には、末端に位置する擬似架橋可能なセグメントにおいて、他の重合体の擬似架橋可能なセグメントと相互作用して、全体として3次元的な集合構造を有するように設計することが可能である。したがって、本発明の一実施形態に係る粘着テープが備える粘着剤層の粘着剤がトリブロック共重合体を主成分とすることにより、射出成形や押出成形の際には良好な流動性を維持しつつ、成形後の状態では、3次元的な集合構造に起因して優れた物性(貯蔵弾性率、引張強度など)を有する粘着剤層を得ることが可能である。この温度による物性の変化を別の観点から説明すれば、トリブロック共重合体は、成形機のホッパーに投入する段階ではペレット同士の自着が生じにくく、溶融させた段階では流動性を高めることができるため、成形によって粘着剤層を形成する際に不具合が生じにくい。
すなわち、本発明の一実施形態に係る粘着テープが備える粘着剤層の粘着剤がトリブロック共重合体を主成分とする場合には、成形により粘着剤層を形成することが好適であり、そのような製造方法により粘着剤層を形成すれば、実質的に揮発性の溶剤を使用することなく形成された粘着剤層を、本発明の一実施形態に係る粘着テープは備えることができる。この場合には、本発明の一実施形態に係る粘着テープからのTVOC量は上記の条件をより安定的に満たしやすい。
さらに、ソフトセグメントの長さやソフトセグメントとハードセグメントとの量的バランスを調整することなどにより、トリブロック共重合体全体の凝集力を制御することも可能である。したがって、本発明の一実施形態に係る粘着テープが備える粘着剤層の粘着剤がトリブロック共重合体を主成分とすることにより、被着体に対して優れた粘着性(再剥離性も含む。)を有する粘着剤層を得ることが可能である。
本発明の一実施形態に係る粘着テープが備える粘着剤層の粘着剤のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は限定されない。上記の粘着剤がトリブロック共重合体を含有する場合において、当該トリブロック共重合体は、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)が、30,000以上300,000以下であることと、分子量分布(Mw/Mn)が5.0以下であることとの少なくとも一方を満たすことが好ましい。
なお、本明細書において、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)の値は、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒とするゲル・パーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による標準ポリスチレン換算値として測定された値を意味する。具体的には、GPC測定装置(東ソー社製「HLC−8220GPC」)を使用して、以下に示す条件にて行うものとする。
カラム:TSKgelGMHXL→TSKgelGMHXL→TSKgel2000HXL
注入量:80μl
測定温度:40℃
流速:1ml/分
検出器:示差屈折計
試料濃度:1%(w/v)
上記のトリブロック共重合体のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)が30,000以上300,000以下であることにより、本発明の一実施形態に係る粘着テープからのTVOC量は上記の条件を満たしやすく、本発明の一実施形態に係る粘着テープが備える粘着剤層は上記の抽出溶媒に溶出する不揮発成分量に関する条件を満たしやすい。TVOC量および抽出溶媒に溶出する不揮発成分量に関する条件を満たし易い点、および粘着テープの被着体に対する粘着性の低下が生じる可能性をより安定的に低減させる点、および被着物への成分の移行を抑制させる点、および後述する押出成形により粘着剤層を形成することを容易にする観点から、上記のトリブロック共重合体のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は、30,000から300,000の範囲にあることが好ましく、40,000から250,000の範囲にあることがより好ましく、50,000から200,000の範囲にあることが極めて好ましい。
上記のトリブロック共重合体の分子量分布(Mw/Mn)が5.0以下であることにより、トリブロック共重合体に含有される低分子量成分の量を少なくすることがより安定的に実現される。上記の低分子量成分の量をさらに安定的に低減させる観点から、上記のトリブロック共重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、1.0以上5.0以下であることが好ましく、1.0以上3.0以下であることがより好ましく、1.0以上2.0以下であることが特に好ましい。上記のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)の範囲に関する条件をも満たす場合には、トリブロック共重合体に含有される低分子量成分の量を特に安定的に低減させることができる。したがって、上記の分子量分布(Mw/Mn)に関する条件を満たし、好ましくは上記のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)の範囲に関する条件をも満たすことにより、本発明の一実施形態に係る粘着テープからのTVOC量は上記の条件を満たしやすく、本発明の一実施形態に係る粘着テープが備える粘着剤層は上記の抽出溶媒に溶出する不揮発成分量に関する条件を満たしやすい。
粘着剤層は液状の粘着剤組成物から形成されてもよい。この場合において、液状の粘着剤組成物は、粘着剤を構成する重合体に加えて、イソシアネート系化合物、エポキシ化合物などの架橋剤を含有していてもよい。液状の粘着剤組成物が架橋剤を含有する場合には、粘着剤層は、重合体と架橋剤との架橋物を含有する。
粘着剤層は、構成する材料が着色材料(カーボンブラック、二酸化チタンなどの顔料、および染料が例示される。)を含有することにより、粘着剤層が着色されていてもよい。粘着剤層は、用途に応じて、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの成分をさらに含有していてもよい。
粘着剤層の厚さは、用途に応じて適宜設定されるべきものであり、限定されない。基本的な傾向として、粘着剤層が厚くなると、粘着テープの被着体に対する粘着性は向上するが、粘着テープからのTVOC量は増加しやすくなり、粘着剤層の面から上記の抽出溶媒に溶出する不揮発成分量も増加しやすい。粘着剤層の厚さは、通常は1μmから1000μm、好ましくは2μmから500μm、より好ましくは5μmから100μm、特に好ましくは10μmから50μm程度である。
本発明の一実施形態に係る粘着シートは、長尺状であって巻回されていてもよい。この場合において、使用時まで、粘着シートの粘着剤層の面は、粘着シートの基材の粘着剤層に対向する側と反対側の面により保護されていてもよい。
本発明の一実施形態に係る粘着シートの粘着剤層の面を保護する目的で、粘着シートの粘着剤層側の面に剥離シートが貼付されていてもよい。
剥離シートとして、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン酢酸ビニルフィルム、アイオノマー樹脂フィルム、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体フィルム、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィルムなどのフィルムや、グラシン紙や上質紙などの紙を用いることができる。また、これらのフィルムの複数が積層された積層フィルムであってもよい。
上記剥離シートの剥離面(粘着剤層と接する面)には、剥離処理が施されていることが好ましい。剥離処理に使用される剥離剤としては、例えば、アルキッド系、シリコーン系、フッ素系、不飽和ポリエステル系、ポリオレフィン系、ワックス系の剥離剤が挙げられる。なお、剥離シートの厚さについては特に限定されず、通常、20μmから150μm程度である。
剥離シートは、押出成形など成形加工により製造されたものであってもよい。この場合において、剥離シートは粘着剤層と共押出成形により形成されてもよい。
本発明の一実施形態に係る粘着シートの製造方法は限定されない。限定されない例として次のような製造方法を挙げることができる。
(方法1)粘着剤層を形成するための粘着剤組成物を用いて、押出成形により、基材上に粘着剤層を形成する。必要に応じて、得られた粘着剤層の面に剥離シートを貼付してもよいし、押出成形体を基材と剥離シートとでラミネートしてもよい。
(方法2)粘着剤層を形成するための粘着剤組成物および基材を形成するための樹脂組成物を用いて、共押出成形により、剥離シート上に粘着剤層と基材との積層体を形成する。
(方法3)粘着剤層を形成するための粘着剤組成物および剥離シートを形成するための樹脂組成物を用いて、共押出成形により、基材上に粘着剤層と剥離シートとの積層体を形成する。
(方法4)粘着剤層を形成するための粘着剤組成物、基材を形成するための樹脂組成物および剥離シートを形成するための樹脂組成物を用いて、共押出成形により、基材層、粘着剤層および剥離シートの積層体を形成する。
(方法5)粘着剤層を形成するための液状粘着剤組成物を基材上に塗布し、乾燥等を行って、基材上に粘着剤層を形成する。必要に応じて、得られた粘着剤層の面に剥離シートを貼付する。
(方法6)粘着剤層を形成するための液状粘着剤組成物を剥離シート上に塗布し、乾燥等を行って、剥離シート上に粘着剤層を形成する。得られた粘着剤層の面に基材を貼付する。
TVOCを抑える観点で製膜プロセスにおいて溶剤を使用しないことが好ましいことから方法1から4の粘着シートの製造方法が好ましい。
上記の方法1から4の場合には、粘着剤層を形成するための粘着剤組成物がトリブロック共重合体を含有することが好ましい。トリブロック共重合体は、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)が30,000以上300,000以下であることと、分子量分布(Mw/Mn)が5.0以下であることとの少なくとも一方を満たすことが好ましい。
上記の方法5および6の場合には、塗布された液状粘着剤層から形成された粘着剤層に残留する希釈溶剤を除去することを目的として、粘着剤層を所定時間減圧条件下に置いてもよい。このための工程は増加するが、粘着テープからのTVOC量を低下させることができる。
方法1から6における、具体的な方法および条件(塗布方法および条件、乾燥等の方法および条件、押出成形の方法および条件、共押出成形の方法および条件)は、製造される粘着シート(剥離シートをさらに備える場合もある。)の構造や用途、粘着シート(剥離シートをさらに備える場合もある。)の製造に際して使用される材料などに応じて適宜設定される。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。実施例においてMwはポリスチレン換算重量平均分子量を意味し、Mnはポリスチレン換算数平均分子量を意味する。
〔実施例1〕
ペレット状アクリル酸系トリブロック粘着剤(クラレ社製、「クラリティLA3320」、ポリメタクリル酸(PMMA)−ポリアクリル酸ブチル(PBA)−PMMA、PMMA比率=18.7mol%、Mw=11.9万、Mw/Mn=1.1)100重量部に、PMMA微粒子(積水化成品社製「テクポリマーMB−4」、Mw=77.5万)を0.5重量部添加し、タンブラーで10分間混合して、粘着剤層を形成するための材料として粘着剤組成物Aを得た。
粘着剤組成物Aを押出機に投入し、粘着剤層の厚さが20μmとなるようにTダイを用いてフィルム化して粘着剤層を形成した。得られた粘着剤層の一方の面に対向するように位置させたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ社製「ルミラー50T60」、厚さ50μm)と、粘着剤層におけるPETフィルムに対向する面と反対側の面に位置させた剥離シート(リンテック社製「SP−PET381031」)と、を用いて、粘着剤層をラミネートすることで、粘着テープを剥離シートが貼付された状態で得た。
〔実施例2〕
ペレット状アクリル酸系トリブロック粘着剤として、実施例1において使用した材料とは異なるペレット状アクリル酸系トリブロック共重合体(カネカ社製、商品名「NABSTAR N800AS」、PMMA−PBA−PMMAトリブロック共重合体、PMMA比率=27.0mol%、Mw=12.7万、Mw/Mn=1.3)を使用した以外は実施例1と同様の作業を行って、粘着剤組成物Bを得た。粘着剤組成物Bを用いて実施例1と同様の作業を行って、粘着テープを剥離シートが貼付された状態で得た。
〔実施例3〕
温度計、攪拌機、還流冷却器、および窒素ガス導入管を備えた反応装置を用い、トルエン75質量部、酢酸エチル75質量部、ブチルアクリレート(BA)90質量部およびアクリル酸(AA)10質量部を仕込み、アゾビスイソブチロニトリル0.3質量部を加え、窒素ガス雰囲気下で80℃にて8時間重合反応を行い、BA−AA共重合体溶液を得た。BA−AA共重合体は、Mwが50万であり、BAに基づく構成単位とAAに基づく構成単位との質量比(BA:AA)が90:10であった。得られたBA−AA共重合体溶液にトルエンを加え、固形分34質量%に調整し、アクリル系共重合体溶液Cを得た。
得られたアクリル共重合体溶液C100質量部に対して、イソシアネート系架橋剤としてトルエンジイソシアネート(TDI、東洋インキ社製、商品名「BHS−8515」、固形分37.5質量%)1.0質量部および希釈溶剤としてトルエン50質量部を配合し、液状の粘着剤組成物Dを製造した。
剥離材(リンテック社製、「SP−PET381031」)のシリコーン樹脂剥離処理面に、上記の液状の粘着剤組成物Dをロールナイフコーターにて塗布し、乾燥(90℃、1分間)させ、粘着剤層(厚さ30μm)を形成した。得られた剥離材付き粘着剤層の粘着剤層の面にPETフィルム(東レ社製「ルミラー50T60」)を貼り合わせて、粘着テープを剥離シートが貼付された状態で得た。
〔実施例4〕
粘着剤層の厚さを50μmに変更すること、および剥離シートが貼付された状態の粘着テープを減圧条件下(23℃、1000Pa)にて24時間静置したこと以外は実施例3と同様の作業を行って、粘着テープを剥離シートが貼付された状態で得た。
〔実施例5〕
温度計、攪拌機、還流冷却器、および窒素ガス導入管を備えた反応装置を用い、トルエン75質量部、酢酸エチル75質量部、2‐エチルヘキシルアクリレート(2EHA)86.8質量部、アクリル酸(AA)3質量部、酢酸ビニル(VAC)10質量部、および2‐ヒドロキシエチルメタクリレート(2HEMA)0.2質量部を仕込み、アゾビスイソブチロニトリル0.3質量部を加え、窒素ガス雰囲気下で80℃にて8時間重合反応を行い、2EHA−AA−VAC−2HEMA共重合体溶液を得た。2EHA−AA−VAC−2HEMA共重合体は、Mwが55万であり、2EHAに基づく構成単位とAAに基づく構成単位とVACに基づく構成単位と2HEMAに基づく構成単位との質量比(2EHA:AA:VAC:2HEMA)は86.8:3:10:0.2であった。得られた2EHA−AA−VAC−2HEMA共重合体溶液にトルエンを加え、固形分34質量%に調整して粘着剤を含有する溶液を得た。得られた粘着剤を含有する溶液に、2EHA−AA−VAC−2HEMA共重合体溶液を調製するために用いた2EHA86.8質量部に対して10質量部のテルペン系粘着付与剤(ヤスハラケミカル社製、「YSレジンLP」)を加えて、アクリル系共重合体溶液Eを得た。得られたアクリル系共重合体溶液Eをアクリル系共重合体溶液Cに代えて用いたこと以外は実施例3と同様に作業を行って、粘着テープを剥離シートが貼付された状態で得た。
〔実施例6〕
攪拌機、温度計、および滴下ロートを備えた容器に、アクリル酸n‐ブチル(BA)97.5質量部、成分としてメタクリル酸2‐ヒドロキシエチル(2‐HEMA)1.0質量部、MAA1.5質量部、および連鎖移動剤としてラウリルメルカプタン0.3質量部を仕込み、これにアニオン型非反応性乳化剤として、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(花王社製「ラテムルE−118B」)2質量部およびアリルアルキルスルホコハク酸ナトリウム(三洋化成社製「エレミノールJS−2」、)3質量部とイオン交換水56質量部を加え、室温下攪拌して不飽和単量体混合物の乳化物を予め調製した。
別途、攪拌機、還流冷却器、温度計、窒素導入管、および滴下ロートを備えた反応装置にイオン交換水28質量部を仕込み、窒素を封入して反応温度60℃まで昇温し、その温度に保ちながら、レドックス系重合開始剤として5質量%の過硫酸カリウム水溶液2質量部を仕込み、レドックス系重合開始剤溶液とした。
次に、予め調製した上記の不飽和単量体の混合物の乳化物を滴下ロートに移し、4時間かけて滴下した。これと併行してレドックス系重合開始剤溶液として5質量%の過硫酸カリウム水溶液2質量部と5質量%の亜硫酸水素ナトリウム水溶液0.8質量部を滴下して、反応温度80℃で乳化重合を行なった。
滴下終了後、60℃のままで2時間熟成して乳化重合組成物を得た。その後、室温まで冷却し、25%アンモニア水で中和した後に精製水を加えて、固形分50質量%、pHを8.5とした。
さらに、上記の乳化重合組成物に対して、増粘剤(ローム・アンド・ハース・ジャパン社製「ASE−60」)を添加して、粘度を10000mPa・sに調整した。この際の粘度測定は、BM型粘度計を用いて、#4ローター、12回転/分、25℃の条件で測定した。上記の乳化重合組成物100質量部に対し、塗工の直前にエポキシ系架橋剤(グリセロールポリグリシジルエーテル、ナガセケムテックス社製「デナコールEX−313」)1.5質量部を添加し、水分散型でアクリル系の液状粘着剤組成物Fを得た。
剥離シート(リンテック社製「SP−PET381031」)のシリコーン樹脂剥離処理面に、上記の液状粘着剤組成物Fをロールナイフコーターにて塗布し、乾燥(90℃、1分間)させ、粘着剤層(厚さ25μm)を形成した。得られた剥離材付き粘着剤層とPETフィルム(東レ社製「ルミラー50T60」)とを貼り合わせて、粘着テープを剥離シートが貼付された状態で得た。
〔比較例1〕
粘着剤層の厚さを50μmとしたこと以外は実施例3と同様に作業を行って、粘着テープを剥離シートが貼付された状態で得た。
〔比較例2〕
温度計、攪拌機、還流冷却器、および窒素ガス導入管を備えた反応装置を用い、トルエン75質量部、酢酸エチル75質量部、2‐エチルヘキシルアクリレート(2EHA)90質量部およびアクリル酸(AA)10質量部を仕込み、アゾビスイソブチロニトリル0.3質量部を加え、窒素ガス雰囲気下で80℃にて8時間重合反応を行い、2EHA−AA共重合体溶液を得た。2EHA−AA共重合体は、Mwが55万であり、2EHAに基づく構成単位とAAに基づく構成単位との質量比(2EHA:AA)が90:10であった。得られた2EHA−AA共重合体溶液にトルエンを加え、固形分34質量%に調整し、アクリル系共重合体溶液Gを得た。
得られたアクリル共重合体溶液G100質量部に対して、イソシアネート系架橋剤としてトルエンジイソシアネート(TDI、東洋インキ社製、商品名「BHS−8515」、固形分37.5質量%)1.0質量部および希釈溶剤としてトルエン50質量部を配合し、液状の粘着剤組成物Hを製造した。
剥離材(リンテック社製、「SP−PET381031」)のシリコーン樹脂剥離処理面に、上記の液状の粘着剤組成物Hをロールナイフコーターにて塗布し、乾燥(90℃、1分間)させ、粘着剤層(厚さ30μm)を形成した。得られた剥離材付き粘着剤層の粘着剤層の面にPETフィルム(東レ社製「ルミラー50T60」)を貼り合わせて、粘着テープを剥離シートが貼付された状態で得た。
〔試験例1〕食品変色試験
実施例および比較例にて作製した粘着テープのそれぞれを25mm×25mmのサイズにカットし、剥離シートを剥離して、表出した粘着剤層の面をバナナに貼付した。その後、23℃、相対湿度50%で120時間静置した。静置後、粘着テープをバナナから剥離して、粘着テープが貼付していた部分のバナナの外観を観察し、外観変化を次の基準で評価した。結果を表1に示す。
A:サンプル貼付していない部分と同等(良好)
B:サンプル貼付した部分が僅かに黒く変色または黒色斑点が現れた(可)
C:サンプル貼付した部分が黒く変色(不良)
〔試験例2〕TVOC量の測定
実施例および比較例にて作製した粘着テープのそれぞれの剥離シートを剥離し、表出した粘着剤層の面が20cmとなるように粘着テープを切断して評価試料とした。この評価試料をアンプル瓶に封入し、アンプル瓶をパージ&トラップGCMass(日本電子工業社製「JHS−100A」)にて、120℃で30分間加熱してガスを採取し、その後GCMass(PerkinElmer社製「TurboMass」)に導入して、n‐デカンを用いて作成した検量線より、発生するTVOC量を、n‐デカン換算量(単位:μg/cm)として求めた。結果を表1に示す。
〔試験例3〕移行成分量の測定
「食品接触プラスチック材料及び物品の構成成分の移行試験に必要な基本原則」(Directive 82/711/EEC、97/48/EC)に準じて試験を実施した。実施例および比較例にて作製した粘着テープのそれぞれの剥離シートを剥離し、得られた粘着シートを所定サイズ(面積3dm)の粘着剤層の面を露出させるための枠型治具に貼付け、試験サンプルとした。次いで、粘着シートの粘着剤層の面と抽出溶媒(水または95体積%エタノール)150mlが接触するようにして、20℃で24時間静置した。その後、抽出溶液のみを20℃にて乾燥させ、さらに120℃30分間の乾燥作業を行った。乾燥後の残渣物の重量(総移行成分量)を測定し、上記の抽出溶媒に溶出する不揮発成分量(単位:μg/cm)とした。なお、1μg/cmは、0.1mg/dmに相当する。結果を表1に示す。
〔試験例4〕粘着力の測定
実施例および比較例にて作製した粘着テープの剥離材を剥がし、得られた粘着シートを25mm×150mmに切断して粘着シート試験片を得た。JIS Z 0237:2009(ISO 29862−29864:2007)に基づき、23℃、相対湿度50%環境下で、上記の粘着シート試験片を被着体(SUS304#600)に貼付して試験サンプルとした。貼付24時間後の粘着力(単位:N/25mm)を、180°引きはがし法によって引張り速度300mm/分にて測定した。結果を表1に示す。
Figure 2016141724
本発明に係る粘着テープは、バナナ、オレンジ、キウイ、アボガドといった、果実などの食品に直接貼付される食品表示用ラベルに用いられる粘着テープに好適に使用されうる。

Claims (5)

  1. 基材と、前記基材の一方の面上に設けられた粘着剤層とを備えた粘着テープであって、
    前記粘着テープからの総揮発性有機化合物(TVOC)の放散量が、前記粘着剤層の面1cm当たり、n‐デカン換算量として1.0μg以下であること
    を特徴とする粘着テープ。
  2. JIS Z0237:2009に準拠して測定されたSUS板(SUS304#600)に対する180°引きはがし粘着力が、0.1N/25mm以上である、請求項1に記載の粘着テープ。
  3. 前記粘着テープが備える前記粘着剤層の粘着剤がトリブロック共重合体を主成分とする、請求項1または2に記載の粘着テープ。
  4. 前記トリブロック共重合体は、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)が30,000以上300,000以下であることと、分子量分布(Mw/Mn)が5.0以下であることとの少なくとも一方を満たす、請求項3に記載の粘着テープ。
  5. 前記粘着テープの粘着剤層の面1dm当たりから、水からなる抽出溶媒に溶出する不揮発成分量が60mg以下であることと、前記粘着テープの粘着剤層の面1dm当たりから、95体積%エタノールからなる抽出溶媒に溶出する不揮発成分量が60mg以下であることとの少なくとも一方を満たす、請求項1から4のいずれか一項に記載の粘着テープ。
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