JP2016139556A - 固体酸化物形燃料電池装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】固体酸化形燃料電池装置1は、燃料電池セル収容容器8と、燃料電池セル収容容器8の外表面を覆うように設けられ、ヒートブリッジ発生部を一部分に有する真空断熱層7と、改質部94と、燃焼部10aと、燃料供給装置38と、水供給装置28と、酸化剤ガス供給装置45と、コントローラ106とを有し、ヒートブリッジ発生部を冷却するように酸化剤ガス及び/又は水が流れる流路が形成されており、真空断熱層7と燃料電池セル収容容器8との間に設けられた第1の補助断熱材131及び第2の補助断熱材132を更に有し、これにより、水及び酸化剤ガスの供給が停止する発電停止モード時に、ヒートブリッジ発生部を介して燃料電池セル収容容器8内の熱が外部に放熱されることを抑制する。
【選択図】図2
Description
このように構成された本発明においては、燃料電池セル収容容器の最外周部分に酸化剤ガスが通過する酸化剤ガス供給流路を設けているので、つまり燃料電池セル収容容器内の最も外側の空間を酸化剤ガスで覆っているので、発電停止モード時に、上記した補助断熱材に加えて、酸化剤ガス供給流路内の酸化剤ガスが断熱層として機能することで、燃料電池セル収容容器内の熱が外部に放熱されてしまうことを適切に抑制することができる。
このように構成された本発明においては、補助断熱材を、真空断熱層のヒートブリッジ発生部の周囲だけに設けるのではなく、燃料電池セル収容容器の外表面のほぼ全体を覆うように設けて、真空断熱層と燃料電池セル収容容器との非接触状態を形成しているので、発電停止モード時において、燃料電池セル収容容器内の熱が真空断熱層の内側壁に伝わることを適切に抑制することができる。よって、真空断熱層のヒートブリッジ発生部を介して燃料電池セル収容容器内の熱が外部に放熱されてしまうことを効果的に抑制することができる。
このように構成された本発明においては、真空断熱層を下面が開放された容器形状に形成し、ヒートブリッジ発生部を真空断熱層の下端部にのみ設けているので、下面開放型の真空断熱層で燃料電池セル収容容器を覆うことにより、ヒートブリッジ発生部を下端部に限定することができ、簡易な構成にてヒートブリッジ発生部が受ける熱量を小さくすることが可能となる。
このように構成された本発明においては、燃料電池セル収容容器の上面に、ある程度の厚みを有する第1の補助断熱材を設けることで、最も温度が高くなる燃料電池セル収容容器の上面からの熱を第1の補助断熱材によって適切に断熱することができ、一方で、燃料電池セル収容容器の側面に、薄く構成された第2の補助断熱材を設けることで、第2の補助断熱材によって燃料電池セル収容容器の側面全体を適切に覆うことができると共に、燃料電池モジュールの横幅を小さくすることができ、燃料電池モジュールの設置面積を小さくすることが可能となる。
このように構成された本発明においては、第2の補助断熱材に熱伝導率が低く断熱性能が高い材料を適用するので、上記のように第2の補助断熱材を薄く構成しても、第2の補助断熱材の断熱性能を確保することができる。つまり、燃料電池モジュールの横幅を小さくしつつ、燃料電池セル収容容器の側面についての断熱性能を適切に確保することが可能となる。
このように構成された本発明においては、補助断熱材に撥水性を具備させることで、燃料電池セル収容容器の外部に存在する水蒸気が凝縮した水が、補助断熱材の気孔部に入り込み、補助断熱材が劣化してしまうことを適切に抑制することができる。
図1は、本発明の一実施形態による燃料電池モジュールを備えた固体酸化物形燃料電池装置(SOFC)を示す全体構成図である。この図1に示すように、固体酸化物形燃料電池装置(SOFC)1は、本発明の一実施形態による燃料電池モジュール2と、補機ユニット4を備えている。
さらに、燃料電池モジュール2には、燃料電池モジュール2により発電された電力を外部に供給するための電力取出部(電力変換部)であるインバータ54が接続されている。
さらに、固体酸化物形燃料電池装置1はコントローラ106を備え、コントローラ106は、マイクロプロセッサ、各種インターフェイス、メモリ、及びこれらを作動させるためのプログラム(以上図示せず)から構成されている。コントローラ106は、内蔵されたプログラムにより、補機ユニット4に内蔵された各装置(具体的には水流量調整ユニット28、燃料ブロア38及び空気流量調整ユニット45)を制御すると共に、インバータ54を制御して、燃料電池モジュール2からの電力の取り出しを制御するように構成されている。例えば、コントローラ106は、SOFC1の稼働を停止させる場合に、迅速な降温やコスト的な観点から、燃料、空気及び水の供給を停止させるように、燃料ブロア38、空気流量調整ユニット45及び28水流量調整ユニット28を制御するシャットダウン停止を実行する。
好適には、第2の補助断熱材132は、第1及び第3の補助断熱材131、133の材料よりも熱伝導率が低く断熱性能が高い材料を適用するのがよい。また、第1の補助断熱材131及び第2の補助断熱材132並びに第3の補助断熱材133は、撥水性を有する材料で構成するか、若しくは表面を撥水処理するのがよい。
なお、排気ガス排出流路21、排気ガス横断通路21b及び排気ガス室21cは、それぞれ、排気ガスを燃料電池セル収容容器8から排出するための排気ガス排出流路を構成し、当該排気ガス排出流路は、排気ガス排出流路21と排気ガス横断通路21bとの接続箇所である屈曲部22aにおいて流路が燃料電池セル収容容器8の中央方向に屈曲される。これにより、この屈曲部22aよりも下流側の排気ガスの流路が、酸化剤ガス供給流路22と離隔されることとなる。
燃焼触媒器60は、排気ガス横断通路21bよりも上方に、外側円筒部材66の外周面と内側円筒容器68の内周面の間の円環状の空間に充填された触媒である。排気ガス排出流路21を下降した排気ガスは、燃焼触媒器60を通過することにより一酸化炭素が除去され、排気ガス横断通路21bを通って排気ガス室21cに流入する。
シースヒーター61は、燃焼触媒器60の下方の、外側円筒部材66の外周面を取り囲むように取り付けられた電気ヒーターである。固体酸化物形燃料電池装置1の起動時において、シースヒーター61に通電することにより、その近傍に配置されている燃焼触媒器60が活性温度まで加熱される。
図4は排気集約室の部分を拡大して示す断面図であり、図5は、図2におけるV−V断面である。
図4に示すように、排気集約室18は、各燃料電池セル16の上端部に取り付けられたドーナツ型断面のチャンバーであり、この排気集約室18の中央には、酸化剤ガス噴射用パイプ74が貫通して延びている。
集約室下部材18bは、上方が開放された円形皿状の部材であり、その中央には、酸化剤ガス噴射用パイプ74を貫通させるための円筒部が設けられている。
集約室上部材18aは、下方が開放された段付き円形カップ状の部材であり、その中央には、酸化剤ガス噴射用パイプ74を貫通させるための開口部が設けられている。集約室上部材18aの下部は、集約室下部材18bの上方に開口したドーナツ型断面の領域に嵌め込まれる形状に構成されている。
CmHn+xH2O → aCO2+bCO+cH2 (1)
図2に示すように、燃料ガス集約室76には、水素取出管92が接続されている。この水素取出管92は、燃料ガス集約室76の内部と連通し、断熱材板状部73aを貫通し、さらに排気ガス室21cを貫通して燃料電池モジュール2の外部まで延びている。図1に示すように、水素取出管92は、補機ユニット4に内蔵された凝縮器33に接続されている。燃料ガス集約室76内の燃料ガスは、水素ガスと共に多くの水蒸気を含んでいる。凝縮器33においては、燃料ガスに含まれている水蒸気が凝縮され、水素ガスと分離される。水蒸気を分離された水素ガスは、オリフィス34及び電磁弁35を介して、燃料供給源30から供給された原燃料ガスに、燃料ブロア38の上流側で混合される。水素ガスが添加された原燃料ガスは、燃料ブロア38により脱硫器36に送り込まれる。
本発明の実施形態による燃料電池モジュール2においては、燃料電池セル16として、固体酸化物を用いた円筒横縞型セルが採用されている。各燃料電池セル16上には、複数の単セル16aが横縞状に形成されており、これらが電気的に直列に接続されることにより1本の燃料電池セル16が構成されている。各燃料電池セル16は、その一端がアノード(陽極)、他端がカソード(陰極)となるように構成され、複数の燃料電池セル16のうちの半数は上端がアノード、下端がカソードとなるように配置され、残りの半数は上端がカソード、下端がアノードとなるように配置されている。
多孔質支持体97は、本実施形態においては、フォルステライト粉末、及びバインダーの混合物を押し出し成形し、焼結することにより形成されている。
燃料極層98は、本実施形態においては、NiO粉末及び10YSZ(10mol%Y2O3−90mol%ZrO2)粉末の混合物により構成された導電性の薄膜である。
固体電解質層100は、本実施形態においては、La0.9Sr0.1Ga0.8Mg0.2O3の組成のLSGM粉末により構成された薄膜である。この固体電解質層100を介して酸化物イオンと水素又は一酸化炭素が反応することにより電気エネルギーが生成される。
インターコネクタ層102は、本実施形態においては、SLT(ランタンドープストロンチウムチタネート)により構成された導電性の薄膜である。燃料電池セル16上の隣接する単セル16aはインターコネクタ層102を介して接続される。
電極層103a、103bは、本実施形態においては、燃料極層98と同一の材料で形成されている。
リード膜層104a、104bは、本実施形態においては、固体電解質層100と同一の材料で形成されている。
また、連通通路121を用いて配線することに限定はされず、他の例では、図8に示すように配線124を設けてもよい。具体的には、燃料電池セル収容容器8の外壁面(詳しくは上面及び側面)と第1及び第2の補助断熱材131、132との間に、配線124を配置するための空間を設けて、この空間に配線124を配置してもよい。この場合、配線124は、燃料電池セル収容容器8の外側円筒容器70の側面及び上面に沿って延びて、外側円筒容器70に設けられた開口を通過して燃料電池セル収容容器8の内部にまで延びる。
まず、固体酸化物形燃料電池装置1の起動工程において、燃料ブロア38が起動され、燃料の供給が開始されると共に、シースヒーター61への通電が開始される。シースヒーター61への通電が開始されることにより、その上方に配置された燃焼触媒器60が加熱されると共に、内側に配置された蒸発部86も加熱される。燃料ブロア38により供給された燃料は、脱硫器36を介して、燃料ガス供給パイプ90から燃料ガス供給流路20に流入する。流入した燃料は、燃料ガス供給流路20内を上昇して改質部94に至り、次いで、中間円筒部材65と内側円筒部材64の間の燃料ガス供給流路20を下降し、内側円筒部材64の下部に設けられた多数の小穴64bを通って燃料ガス集約室76に流入する。なお、固体酸化物形燃料電池装置1の起動直後においては、改質部94内の改質触媒96の温度が十分に上昇していないため、燃料の改質は行われない。
なお、蒸発部86は、シースヒーター61に隣接して配置されているため、起動後早期に温度が上昇し、水蒸気を生成できる状態となる。また、蒸発部86は、シースヒーター61と断熱材板状部73aの間に配置されているため、シースヒーター61の熱が逃げにくく、早期に温度上昇する。さらに、蒸発部86の下方、近傍には排気ガス横断通路21bが設けられているため、蒸発部86は排気ガス横断通路21b内を流れる排気ガスの熱によっても加熱される。
本実施形態では、このような真空断熱層7のヒートブリッジ発生部を介した燃料電池セル収容容器8内の熱の真空断熱層7外部への放熱を抑制すべく、真空断熱層7のヒートブリッジ発生部の周囲に水及び空気を流している。具体的には、真空断熱層7のヒートブリッジ発生部が位置する燃料電池セル収容容器8の下端部において、酸化剤ガス供給流路22への空気の供給を行うと共に、燃料ガス供給流路20内に水供給パイプ88を介した水の供給を行っている。これにより、供給した水及び空気によって真空断熱層7のヒートブリッジ発生部を冷却し、ヒートブリッジ発生部が外部へと伝熱する熱量を低減することができる、つまりヒートブリッジ発生部による伝熱を緩和することができる。そのため、燃料電池セル収容容器8内の熱がヒートブリッジ発生部を介して真空断熱層7外部へと放出されることに起因する、燃料電池モジュール2内の熱効率の低下及び燃料電池モジュール2外の補機ユニット4への熱影響を適切に抑制することが可能となる。
特に、本実施形態では、第1乃至第3の補助断熱材131、132、133を、真空断熱層7のヒートブリッジ発生部の周囲だけに設けるのではなく、燃料電池セル収容容器8の外表面のほぼ全体を覆うように設けて、真空断熱層7と燃料電池セル収容容器8とを非接触状態にしているので(図2参照)、発電停止モード時において、燃料電池セル収容容器8内の熱が真空断熱層7の内側壁に伝わることを適切に抑制することができる。よって、真空断熱層7のヒートブリッジ発生部を介して燃料電池セル収容容器8内の熱が外部に放熱されてしまうことを効果的に抑制することができる。
2 燃料電池モジュール
4 補機ユニット
6、6’ 真空断熱容器
6a 真空断熱容器の下端部(ヒートブリッジ発生部)
6c 反射板
7 真空断熱層
8 燃料電池セル収容容器
10 発電室(発電部)
10a 燃焼部
16 燃料電池セル
20 燃料ガス供給流路
21 排気ガス排出流路
21a、21e 屈曲部
21f 湾曲管
21b 排気ガス横断通路
21c 排気ガス室
22 酸化剤ガス供給流路
22a 酸化剤ガス供給部
28 水流量調整ユニット(水供給装置)
36 脱硫器
38 燃料ブロア(燃料供給装置)
45 空気流量調整ユニット(酸化剤ガス供給装置)
60 燃焼触媒器
76 燃料ガス集約室(燃料ガス集約部)
86 蒸発部
86a 傾斜板
86c 水溜め部
94 改質部
96 改質触媒
106 コントローラ
115 蓄熱材
117、118 セラミック接着剤
121 連通通路
122、124 配線
131 第1の補助断熱材
132 第2の補助断熱材
133 第3の補助断熱材
Claims (7)
- 燃料ガスと酸化剤ガスとの反応により発電する複数の燃料電池セルを有する固体酸化形燃料電池装置において、
上記複数の燃料電池セルを収容する燃料電池セル収容容器と、
上記燃料電池セル収容容器の外表面を覆うように設けられ、この燃料電池セル収容容器内の熱が外部に放熱されることを抑制する真空断熱層であって、上記燃料電池セル収容容器内の熱を伝熱するヒートブリッジが発生するヒートブリッジ発生部を一部分に含む上記真空断熱層と、
上記燃料電池セル収容容器内に設けられ、水蒸気によって原燃料ガスを水蒸気改質して燃料ガスを生成し、この燃料ガスを上記複数の燃料電池セルに供給する改質部と、
上記燃料電池セル収容容器内に設けられ、上記複数の燃料電池セルにおいて発電に利用されずに残った燃料ガスを燃焼させ、燃焼熱により上記改質部を加熱する燃焼部と、
上記改質部に上記原燃料ガスを供給するための燃料供給装置と、
上記改質部内で水蒸気改質させるための水又は水蒸気を供給するための水供給装置と、
上記複数の燃料電池セルに上記酸化剤ガスを供給するための酸化剤ガス供給装置と、
上記燃料供給装置、上記水供給装置、及び上記酸化剤ガス供給装置を制御すると共に、上記複数の燃料電池セルからの電力の取り出しを制御するコントローラと、
を有し、
上記真空断熱層の上記ヒートブリッジ発生部を冷却するように、上記酸化剤ガス供給装置から供給された酸化剤ガスが流れる流路、及び/又は、上記水供給装置から供給された水又は水蒸気が流れる流路が、上記燃料電池セル収容容器内に形成されており、
上記真空断熱層と上記燃料電池セル収容容器との間に設けられた補助断熱材を更に有し、この補助断熱材によって、上記水供給装置による水の供給及び上記酸化剤ガス供給装置による酸化剤ガスの供給がともに停止した上記固体酸化形燃料電池装置の発電停止モードにおいて、上記真空断熱層の上記ヒートブリッジ発生部を介して上記燃料電池セル収容容器内の熱が外部に放熱されることを抑制する、ことを特徴とする固体酸化形燃料電池装置。 - 上記燃料電池セル収容容器の最外周部分に、上記酸化剤ガス供給装置から供給された酸化剤ガスが通過する酸化剤ガス供給流路が形成されており、この酸化剤ガス供給流路が、内部の酸化剤ガスによって断熱層を構成する、請求項1に記載の固体酸化形燃料電池装置。
- 上記補助断熱材は、上記燃料電池セル収容容器の外表面のほぼ全体を覆うように設けられ、それにより、上記真空断熱層と上記燃料電池セル収容容器との非接触状態が確保されている、請求項2に記載の固体酸化形燃料電池装置。
- 上記真空断熱層は、下面が開放された容器形状に形成され、下端部にのみ上記ヒートブリッジ発生部を有する、請求項3に記載の固体酸化形燃料電池装置。
- 上記補助断熱材は、上記燃料電池セル収容容器の上面を覆うように設けられた第1の補助断熱材と、上記燃料電池セル収容容器の側面を覆うように設けられた第2の補助断熱材と、を含み、
上記第2の補助断熱材は、上記第1の補助断熱材よりも厚みが薄く構成されている、請求項4に記載の固体酸化形燃料電池装置。 - 上記第2の補助断熱材は、上記第1の補助断熱材よりも、熱伝導率が低く、断熱性能が高い、請求項5に記載の固体酸化形燃料電池装置。
- 上記補助断熱材は、撥水性を有する材料で構成されているか、若しくは表面が撥水処理されている、請求項4に記載の固体酸化形燃料電池装置。
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