JP2016139512A - 全固体二次電池、これに用いる固体電解質組成物および電池用電極シートならびに電池用電極シートおよび全固体二次電池の製造方法 - Google Patents

全固体二次電池、これに用いる固体電解質組成物および電池用電極シートならびに電池用電極シートおよび全固体二次電池の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高いイオン伝導性、サイクル特性及び耐湿性を実現できる全固体二次電池の提供。【解決手段】正極活物質層4、負極活物質層2及び無機固体電解質層3を具備する全固体二次電池10。正極活物質層4、負極活物質層2及び無機固体電解質層3の少なくともいずれかの層がポリマー及び無機固体電解質を含み、ポリマーが、主鎖中に、式(I)で表される構造単位及びヘテロ原子を含有し、無機固体電解質が、周期律表第1族又は第2族に属する金属のイオンの伝導性を有する全固体二次電池10。(L1及びL2は各々独立に単結合、エーテル基、カルボニル基、イミノ基、アルキレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、シクロアルキレン基またはこれらの組み合わせ;f1は1以上の整数)【選択図】図1

Description

本発明は、全固体二次電池、これに用いる固体電解質組成物および電池用電極シートならびに電池用電極シートおよび全固体二次電池の製造方法に関する。
リチウムイオン電池には、電解液が用いられてきた。その電解液を固体電解質に置き換え、構成材料を全て固体にした全固体二次電池とする試みが進められている。無機の固体電解質を利用する技術の利点として挙げられるのが、電池の性能全体を総合した信頼性である。例えば、リチウムイオン二次電池に用いられる電解液には、その媒体として、カーボネート系溶媒など、可燃性の材料が適用されている。様々な安全対策が採られているものの、過充電時などに不具合を来たすおそれがないとは言えず、さらなる対応が望まれる。その抜本的な解決手段として、電解質を不燃性のものとしうる全固体二次電池が位置づけられる。
全固体二次電池のさらなる利点としては、電極のスタックによる高エネルギー密度化に適していることが挙げられる。具体的には、電極と電解質を直接並べて直列化した構造を持つ電池にすることができる。このとき、電池セルを封止する金属パッケージ、電池セルをつなぐ銅線やバスバーを省略することができるので、電池のエネルギー密度が大幅に高められる。また、高電位化が可能な正極材料との相性の良さなども利点として挙げられる。
上記のような各利点から、次世代のリチウムイオン二次電池として、その開発は精力的に進められている(非特許文献1)。一方で、無機系の全固体二次電池においては、その電解質が硬質の固体であるために改良が必要な点もある。例えば、固体粒子間、固体粒子と集電体間等の界面抵抗が大きくなることが挙げられる。これを改善するために、アクリル系のバインダー、フッ素含有バインダー、ブタジエン等のゴムバインダー等を用いることがある(特許文献1等)。
特許文献2および3には、電解質層を容易に形成するために、また、イオン伝導度が高く、かつ強度が高い電極層を製造するために、フッ化ビニリデン(PVDF)やヘキサフルオロプロピレン(HFP)等の単独共重合体や共重合体をバインダーに用いた全固体二次電池が提案されている。また、特許文献4には、電池出力および正極における結着力を向上させた硫化物系固体電池として、フッ化ビニリデン単量単位を含むフッ素系共重合体を用いたものが提案されている。
特開2012−212652号公報 特開2012−204114号公報 特開2013−114966号公報 特開2014−7138号公報
NEDO技術開発機構,燃料電池・水素技術開発部,蓄電技術開発室「NEDO次世代自動車用蓄電池技術開発 ロードマップ2008」(平成21年6月)
上記特許文献1〜4に開示されたバインダーでは、更に高まるリチウムイオン電池の高性能化のニーズに応えるにはいまだ十分ではなく、さらなる改良が望まれた。
そこで本発明は、高いイオン伝導性(高い電池電圧)、サイクル特性および耐湿性をも実現できる全固体二次電池、これに用いる固体電解質組成物および電池用電極シートならびに電池用電極シートおよび全固体二次電池の製造方法の提供を目的とする。
本発明者らは、上記の課題に鑑み、無機固体電解質と組み合わせる材料について様々な側面から検討、実験を重ねた。その結果、主鎖中に、下記式(I)で表される構造単位およびヘテロ原子を含有する特定のポリマーを、無機固体電解質と組み合わせて使用することにより、良好なイオン伝導性(良好な電池電圧)、サイクル特性を保持したまま、全固体二次電池の耐湿性を向上しうることを見出した。本発明はこの知見に基づき完成されたものである。
本発明の課題は以下の手段により解決された。
(1)正極活物質層、負極活物質層および無機固体電解質層を具備する全固体二次電池であって、
正極活物質層、負極活物質層および無機固体電解質層の少なくともいずれかの層がポリマーおよび無機固体電解質を含み、
ポリマーが、主鎖中に、下記式(I)で表される構造単位およびヘテロ原子を含有し、
無機固体電解質が、周期律表第1族または第2族に属する金属のイオンの伝導性を有する
全固体二次電池。
Figure 2016139512
式(I)中、LおよびLは、各々独立に単結合、エーテル基、カルボニル基、イミノ基、アルキレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、シクロアルキレン基またはこれらの組み合わせを表し、f1は1以上の整数を表す。
(2)式(I)で表される構造単位が、下記式(IIa)または(IIb)で表される構造単位の少なくともいずれか一方であって、
ポリマーの主鎖中に含有されるヘテロ原子が、下記式(IIb)で表される構造単位を構成するエーテル酸素原子とは異なるヘテロ原子である(1)に記載の全固体二次電池。
Figure 2016139512
式(IIa)および(IIb)中、L1aおよびL2aは、各々独立に単結合、エーテル基、カルボニル基、イミノ基、アルキレン基、アリーレン基、シクロアルキレン基またはこれらの組み合わせを表し、f2aおよびf2bは、各々独立に2以上の整数を表す。ただし、L1aとL2aの組み合わせが単結合とエーテル基であることはない。
(3)ポリマーが、質量平均分子量15,000以上500,000未満である(1)または(2)に記載の全固体二次電池。
(4)ポリマーが、エステル結合、アミド結合、イミド結合、ウレタン結合、カーボネート結合、ウレア結合、エーテル結合およびスルフィド結合からなる群から選択される結合を、主鎖中に少なくとも一種類有する(1)〜(3)のいずれか1つに記載の全固体二次電池。
(5)ポリマーが、アミド結合、イミド結合、ウレタン結合およびウレア結合からなる群から選択される結合を、主鎖中に少なくとも一種類有する(1)〜(4)のいずれか1つに記載の全固体二次電池。
(6)ポリマーが、ウレタン結合を主鎖中に少なくとも有する(1)〜(5)のいずれか1つに記載の全固体二次電池。
(7)ポリマーが、官能基群(I)から選ばれる官能基を少なくとも一つ含有する(1)〜(6)のいずれか1つに記載の全固体二次電池。
官能基群(I)群
カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基、ヒドロキシ基、−CONR 、シアノ基、−NR 、メルカプト基、エポキシ基、(メタ)アクリル基。ただし、Rは水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。
(8)ポリマーが、ガラス転移温度が50℃未満である(1)〜(7)のいずれか1つに記載の全固体二次電池。
(9)ポリマーに含まれる、炭素原子に対するフッ素原子のモル比が0.01〜1である(1)〜(8)のいずれか1つに記載の全固体二次電池。
(10)無機固体電解質が硫化物系の無機固体電解質である(1)〜(9)のいずれか1つに記載の全固体二次電池。
(11)無機固体電解質が酸化物系の無機固体電解質である(1)〜(9)のいずれか1つに記載の全固体二次電池。
(12)無機固体電解質が下記式の化合物から選ばれる(11)に記載の全固体二次電池。
・LixaLayaTiO
xa=0.3〜0.7、ya=0.3〜0.7
・LiLaZr12
・Li3.5Zn0.25GeO
・LiTi12
・Li1+xb+yb(Al,Ga)xb(Ti,Ge)2−xbSiyb3−yb12
0≦xb≦1、0≦yb≦1
・LiPO
・LiPON
・LiPOD
Dは、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、
Zr、Nb、Mo、Ru、Ag、Ta、W、PtおよびAu
から選ばれた少なくとも1種
・LiAON
Aは、Si、B、Ge、Al、CおよびGaから選ばれた
少なくとも1種
(13)主鎖中に、下記式(I)で表される構造単位およびヘテロ原子を含有するポリマーと、
周期律表第1族または第2族に属する金属のイオンの伝導性を有する無機固体電解質とを含有する、
全固体二次電池に用いる固体電解質組成物。
Figure 2016139512
式(I)中、LおよびLは、各々独立に単結合、エーテル基、カルボニル基、イミノ基、アルキレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、シクロアルキレン基またはこれらの組み合わせを表し、f1は1以上の整数を表す。
(14)無機固体電解質100質量部に対して、ポリマーを0.01質量部以上20質量部以下で含有させてなる(13)に記載の固体電解質組成物。
(15) (13)または(14)に記載の固体電解質組成物を金属箔上に製膜した電池用電極シート。
(16) (13)または(14)に記載の固体電解質組成物を金属箔上に製膜する電池用電極シートの製造方法。
(17) (15)または(16)に記載の電池用電極シートを用いて全固体二次電池を製造する全固体二次電池の製造方法。
本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において、特定の符号で表示された置換基や連結基が複数あるとき、あるいは複数の置換基等(置換基数の規定も同様)を同時もしくは択一的に規定するときには、それぞれの置換基等は互いに同一でも異なっていてもよい。また、複数の置換基等が近接するときにはそれらが互いに結合したり縮合したりして環を形成していてもよい。
本発明の全固体二次電池は、良好なイオン伝導性(良好な電池電圧)、サイクル特性を保持したまま耐湿性も向上できるという優れた効果を奏する。
また、本発明の固体電解質組成物および電池用電極シートは、上記の優れた性能を有する全固体二次電池の製造を可能にする。また、本発明の製造方法によれば、本発明の電池用電極シートおよび上記の優れた性能を有する全固体二次電池を効率良く製造することができる。
本発明の好ましい実施形態に係る全固体リチウムイオン二次電池を模式化して示す断面図である。 実施例で利用した試験装置を模式的に示す縦断面図である。
本発明の全固体二次電池は、正極活物質層、負極活物質層および無機固体電解質層の少なくともいずれかの層に、主鎖中に、式(I)で表される構造単位およびヘテロ原子を含有するポリマーと、無機固体電解質を有する。以下、その好ましい実施形態について説明する。
図1は、本発明の好ましい実施形態に係る全固体二次電池(リチウムイオン二次電池)を模式化して示す断面図である。本実施形態の全固体二次電池10は、負極側から順に述べると、負極集電体1、負極活物質層2、固体電解質層3、正極活物質層4、正極集電体5を有する。各層は互いに接触して、積層した構造をとっている。このような構造により、充電時には、負極側に電子(e)が供給され、そこにリチウムイオン(Li)が蓄積される。一方、放電時には、負極に蓄積されたリチウムイオン(Li)が正極側に戻され、作動部位6に電子が供給される。図示した例では、作動部位6に電球を例示しているが、放電によりこれが点灯するようにされている。本発明の固体電解質組成物は、上記負極活物質層、正極活物質層、固体電解質層の成形材料として用いることが好ましく、中でも、負極活物質層または正極活物質層の成形に用いることが好ましい。
正極活物質層4、固体電解質層3、負極活物質層2の厚さは特に限定されないが、一般的な電池の寸法を考慮すると1,000μm以下が好ましく、1〜1,000μmがより好ましく、3〜400μmがさらに好ましい。
以下、本発明の全固体二次電池の製造に好適に用いることができる、固体電解質組成物から説明する。
本発明の固体電解質組成物は、主鎖中に、式(I)で表される構造単位およびヘテロ原子を含有するポリマーと、無機固体電解質を有する。
本発明の固体電解質組成物は、全固体二次電池における固体電解質用に好ましく用いられ、無機固体解質用により好ましく用いられる。
<固体電解質組成物>
(無機固体電解質)
無機固体電解質とは、無機物質からなる固体電解質のことであり、固体電解質とは、その内部においてイオンを移動させることができる固体状の電解質のことである。この観点から、後述の電解質塩(支持電解質)であるリチウム塩との区別を考慮し、イオン伝導性の無機固体電解質と呼ぶことがある。
無機固体電解質は、有機物(炭素原子)を含まないことから、有機固体電解質、PEO(ポリエチレンオキサイド)などに代表される高分子電解質、LiTFSI(リチウムビストリフルオロメタンスルホニルイミド)などに代表される有機電解質塩とは明確に区別される。また、無機固体電解質は定常状態では固体であるため、カチオンおよびアニオンに解離または遊離していない。この点で、電解液やポリマー中でカチオンおよびアニオンが解離または遊離している無機電解質塩(LiPF、LiBF、LiFSI〔リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド〕、LiClなど)とも明確に区別される。無機固体電解質は周期律表第1族または第2族に属する金属を含み、この金属イオン(好ましくはリチウムイオン)の伝導性を有するものであれば特に限定されず、電子伝導性を有さないものが一般的である。
本発明に用いられる無機固体電解質は、周期律表第1族または第2族に属する金属のイオンの伝導性を有する。上記無機固体電解質は、この種の製品に適用される固体電解質材料を適宜選定して用いることができる。無機固体電解質は(i)硫化物系無機固体電解質と(ii)酸化物系無機固体電解質が代表例として挙げられる。
(i)硫化物系無機固体電解質
硫化物系無機固体電解質(以下、単に硫化物固体電解質とも称す)は、硫黄原子(S)を含有し、かつ、周期律表第1族または第2族に属する金属のイオン伝導性を有し、かつ、電子絶縁性を有するものが好ましい。例えば下記式(1)で示される組成式を満たすリチウムイオン伝導性無機固体電解質が挙げられる。
Lia1b1c1d1 (1)
式(1)中、Mは、B、Zn、Si、Cu、GaおよびGeから選択される元素を表す。a1〜d1は各元素の組成比を表し、a1:b1:c1:d1は、それぞれ1〜12:0〜1:1:2〜9を満たす。
式(1)において、Li、M、PおよびSの組成比は、好ましくはb1が0であり、より好ましくはb1=0でかつa1、c1およびd1の組成が、a1:c1:d1=1〜9:1:3〜7であり、さらに好ましくはb1=0でかつa1:c1:d1=1.5〜4:1:3.25〜4.5である。各元素の組成比は、後述するように、硫化物系固体電解質を製造する際の原料化合物の配合量を調整することにより制御できる。
硫化物系固体電解質は、非結晶(ガラス)であっても結晶化(ガラスセラミックス化)していてもよく、一部のみが結晶化していてもよい。
Li−P−S系ガラスおよびLi−P−S系ガラスセラミックスにおける、LiSとPとの比率は、LiS:Pのモル比で、好ましくは65:35〜85:15、より好ましくは68:32〜75:25である。LiSとPとの比率をこの範囲にすることにより、リチウムイオン伝導度を高くすることができる。具体的には、リチウムイオン伝導度を好ましくは1×10−2S/m以上、より好ましくは0.1S/m以上とすることができる。
具体的な化合物例としては、例えばLiSと、第13族〜第15族の元素の硫化物とを含有する原料組成物を用いてなるものを挙げることができる。
より具体的には、例えば、LiS−P、LiS−GeS、LiS−GeS−ZnS、LiS−Ga、LiS−GeS−Ga、LiS−GeS−P、LiS−GeS−Sb、LiS−GeS−Al、LiS−SiS、LiS−Al、LiS−SiS−Al、LiS−SiS−P、LiS−SiS−LiI、LiS−SiS−LiSiO、LiS−SiS−LiPO、Li10GeP12が挙げられる。なかでも、LiS−P、LiS−GeS−Ga、LiS−GeS−P、LiS−SiS−P、LiS−SiS−LiSiO、LiS−SiS−LiPOからなる結晶質およびまたは非晶質の原料組成物が、高いリチウムイオン伝導性を有するので好ましい。
このような原料組成物を用いて硫化物固体電解質材料を合成する方法としては、例えば非晶質化法を挙げることができる。非晶質化法は、例えば、メカニカルミリング法および溶融急冷法を挙げることができる。なかでも、常温での処理が可能になり、製造工程の簡略化を図ることができるため、メカニカルミリング法が好ましい。
硫化物固体電解質は、例えば、T.Ohtomo,A.Hayashi,M.Tatsumisago,Y.Tsuchida,S.Hama,K.Kawamoto,Journal of Power Sources,233,(2013),pp231−235およびA.Hayashi,S.Hama,H.Morimoto,M.Tatsumisago,T.Minami,Chem.Lett.,(2001),pp872−873の非特許文献等を参考にして合成することができる。
(ii)酸化物系無機固体電解質
酸化物系無機固体電解質(以下、単に酸化物系固体電解質とも称す)は、酸素原子(O)を含有し、かつ、周期律表第1族または第2族に属する金属を含み、イオン伝導性を有し、かつ、電子絶縁性を有するものが好ましい。
具体的には、例えば、LixaLayaTiO〔xa=0.3〜0.7、ya=0.3〜0.7〕(LLT)、LiLaZr12(LLZ)、LISICON(Lithium super ionic conductor)型結晶構造を有するLi3.5Zn0.25GeO、NASICON(Natrium super ionic conductor)型結晶構造を有するLiTi12、Li1+xb+yb(Al,Ga)xb(Ti,Ge)2−xbSiyb3−yb12(ただし、0≦xb≦1、0≦yb≦1)、ガーネット型結晶構造を有するLiLaZr12が挙げられる。
またLi、PおよびOを含むリン化合物も好ましい。例えば、リン酸リチウム(LiPO)、リン酸リチウムの酸素原子の一部を窒素原子で置換したLiPON、LiPOD(Dは、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zr、Nb、Mo、Ru、Ag、Ta、W、Pt、Au等から選ばれる少なくとも1種を示す)が挙げられる。また、LiAON(Aは、Si、B、Ge、Al、C、Ga等から選ばれる少なくとも1種を示す)等も好ましく用いることができる。
その中でも、Li1+xb+yb(Al,Ga)xb(Ti,Ge)2−xbSiyb3−yb12(ただし、0≦xb≦1、0≦yb≦1である)は、高いリチウムイオン伝導性を有し、化学的に安定で取り扱いが容易なため、好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
酸化物系固体電解質のリチウムイオン伝導度は、1×10−4S/m以上が好ましく、1×10−3S/m以上がより好ましく、5×10−3S/m以上がさらに好ましい。
無機固体電解質の平均粒子径は特に限定されないが、0.01μm以上が好ましく、0.1μm以上がより好ましい。上限としては、100μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましい。無機固体電解質の平均粒子径は、後述の実施例の項で示した方法により測定する。
無機固体電解質の固体電解質組成物中での濃度は、電池性能と界面抵抗の低減・維持効果の両立を考慮したとき、固形成分100質量%において、50質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましい。上限としては、同様の観点から、99.9質量%以下が好ましく、99質量%以下がより好ましく、98質量%以下がさらに好ましい。
なお、本明細書において固形成分とは、170℃で6時間乾燥処理を行ったときに、揮発ないし蒸発して消失しない成分を言う。典型的には、後記分散媒体以外の成分を指す。
(ポリマー)
本発明に用いられるポリマーは、主鎖中に、下記式(I)で表される構造単位およびヘテロ原子を含有する。
Figure 2016139512
式(I)中、LおよびLは、各々独立に単結合、エーテル基(−O−)、カルボニル基(−CO−)、イミノ基(−NRNN−)、アルキレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、シクロアルキレン基またはこれらの組み合わせを表し、f1は1以上の整数を表す。
なお、L、Lおよびf1のいずれかが異なる上記式(I)で表される構造単位は、ポリマー中に、1種に限定するものでなく2種以上有していてもよい。
およびLにおけるアルキレン基の炭素数は、1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3がさらに好ましい。
アリーレン基の炭素数は、6〜22が好ましく、6〜14がより好ましく、6〜10がさらに好ましい。
シクロアルキレン基の炭素数は、3〜22が好ましく、6〜14がより好ましく、6〜10がさらに好ましく、形成される環は、3〜8員環が好ましく、5〜8員環がより好ましく、5または6員環がさらに好ましい。
ヘテロアリーレン基は、少なくとも1つの酸素原子、硫黄原子または窒素原子を有する5員環また6員環が好ましく、炭素数は2〜20が好ましい。
イミノ基におけるRNNは、後述の連結基におけるRと同義であり、好ましい範囲も同じである。
エーテル基、カルボニル基、イミノ基、アルキレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基またはシクロアルキレン基の組み合わせは、例えば、エーテル基−アルキレン基、エーテル基−アリーレン基、エーテル基−ヘテロアリーレン基、エーテル基−シクロアルキレン基、カルボニル基−アルキレン基、カルボニル基−アリーレン基、カルボニル基−シクロアルキレン基、アルキレン基−アリーレン基、アルキレン基−シクロアルキレン基、アリーレン基−シクロアリーレン基、エステル結合(エーテル基−カルボニル基)、アミド結合(イミノ基−カルボニル基)が挙げられ、エーテル基−アルキレン基、エーテル基−シクロアルキレン基、エステル結合またはアミド結合が好ましく、エーテル基−アルキレン基またはエステル結合がより好ましい。
およびLは、各々独立に、単結合、エーテル基、カルボニル基、イミノ基、アルキレン基、エーテル基−アルキレン基、アリーレン基、エーテル基−アリーレン基、ヘテロアリーレン基、エーテル基−ヘテロアリーレン基またはシクロアルキレン基が好ましく、単結合、エーテル基、カルボニル基、アルキレン基またはエーテル基−アルキレン基がより好ましい。
さらにLおよびLは同一であることがより好ましい。
とLの組み合わせは、例えば、単結合と単結合、エーテル基とエーテル基、単結合とエーテル基、カルボニル基とカルボニル基、エーテル基−アルキレン基とエーテル基−アルキレン基、アリーレン基とアリーレン基、アルキレン基とアルキレン基が挙げられ、好ましい。単結合と単結合、エーテル基とエーテル基、エーテル基−アルキレン基とエーテル基−アルキレン基またはアルキレン基とアルキレン基がより好ましい。
f1は、1〜20が好ましく、2〜10がより好ましく、2〜8がさらに好ましい。
本発明に用いられるポリマーは、式(I)で表される構造単位を分子中に、1〜50モル%有することが好ましく、2〜30モル%有することがより好ましく、5〜20モル%有することがさらに好ましい。
なお、式(I)で表される構造単位の分子中のモル%は、ポリマーの合成時に配合したモノマー量で特定することができる。合成されたポリマーについては、ポリマーの13C−NMR定量スペクトル(インバースゲートデカップリング法)を測定し、その積分比から計算することで分子中のモル%を算出することができる。
本発明に用いられるポリマーは、上記式(I)で表される構造単位が、下記式(IIa)または(IIb)で表される構造単位の少なくともいずれか一方であって、ポリマーの主鎖中に含有されるヘテロ原子が、下記式(IIb)で表される構造単位を構成するエーテル酸素原子とは異なるヘテロ原子であることが好ましい。
Figure 2016139512
式(IIa)および(IIb)中、L1aおよびL2aは、各々独立に単結合、エーテル基、カルボニル基(−CO−)、イミノ基(−NRNN−)、アルキレン基、アリーレン基、シクロアルキレン基またはこれらの組み合わせを表し、f2aおよびf2bは、各々独立に2以上の整数を表す。ただし、L1aとL2aの組み合わせが単結合とエーテル基であることはない。
なお、ポリマー主鎖中に、上記式(IIa)または(IIb)で表される構造単位を両方有していてもよい。また、L1a、L2aおよびf2aのいずれかが異なる上記式(IIa)で表される構造単位や、f2bが異なる上記式(IIb)で表される構造単位は、ポリマー中に、1種に限定するものでなく2種以上有していてもよい。
1aおよびL2aにおけるアルキレン基、アリーレン基およびシクロアルキレン基の炭素数は、LおよびLにおけるアルキレン基、アリーレン基およびシクロアルキレン基の炭素数と同義であり、好ましい範囲も同じである。
イミノ基におけるRNNは、式(I)のイミノ基におけるRNNと同義であり、好ましい範囲も同じである。
エーテル基、カルボニル基、イミノ基、アルキレン基、アリーレン基またはシクロアルキレン基の組み合わせは、例えば、エーテル基−アルキレン基、エーテル基−アリーレン基、カルボニル基−アルキレン基、カルボニル基−アリーレン基、カルボニル基−シクロアルキレン基、アルキレン基−アリーレン基、アルキレン基−シクロアルキレン基、アリーレン基−シクロアリーレン基、エステル結合(エーテル基−カルボニル基)、アミド結合(イミノ基−カルボニル基)、が挙げられ、エーテル基−アルキレン基、エステル結合またはアミド結合が好ましく、エーテル基−アルキレン基またはエステル結合がより好ましい。
1aおよびL2aは、各々独立に、単結合、カルボニル基、アルキレン基またはエーテル基−アルキレン基が好ましく、単結合、アルキレン基またはエーテル基−アルキレン基がより好ましい。
さらにL1aおよびL2aは同一であることがより好ましい。
1aとL2aの組み合わせは、例えば、エーテル基とエーテル基、カルボニル基とカルボニル基、エーテル基−アルキレン基とエーテル基−アルキレン基、アリーレン基とアリーレン基、アルキレン基とアルキレン基が挙げられ、好ましい。エーテル基とエーテル基、エーテル基−アルキレン基とエーテル基−アルキレン基またはアルキレン基とアルキレン基がより好ましい。
f2aは、2〜20が好ましく、2〜10がより好ましく、2〜8がさらに好ましい。
f2bは、2〜6が好ましく、2〜4がより好ましく、2がさらに好ましい。
本発明に用いられるポリマーは、主鎖中に、上記式(IIb)で表される構造単位を少なくとも含有することがより好ましい。
主鎖中に上記式(IIb)で表される構造単位を有すると、上記式(IIb)で表される構造単位がソフトセグメントとして機能することで、全固体二次電池のイオン伝導度、耐湿性に優れるため好ましい。また、無機固体電解質と活物質間での結着性が向上され、全固体二次電池のサイクル特性に優れるため好ましい。
主鎖中に、上記式(I)で表される構造単位およびヘテロ原子を有するポリマーは、一般的に重縮合反応により分子鎖を連結することで高分子量化し合成できる。
具体的には、重縮合反応に用いられるモノマー類が、重縮合によりポリマー主鎖を構成する部分に式(I)で表される構造を有すると、重縮合によりポリマー主鎖中に式(I)で表される構造が取り込まれる。また、重縮合反応に用いられるモノマー類が、末端などにヘテロ原子を含む官能基を有すると、これらの官能基が重縮合することで、ヘテロ原子がポリマー主鎖中に取り込まれる。
本発明に用いられるポリマーの主鎖中に有するヘテロ原子は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子などが挙げられる。
本発明に用いられるポリマーの主鎖中に有するヘテロ原子は、ポリマーの構造単位における連結基を形成し、連結基としては例えば、エステル結合(−C(=O)O−)、アミド結合(−C(=O)NR−)、イミド結合(−C(=O)NRC(=O)−)、ウレタン結合(−NRC(=O)O−)、カーボネート結合(−OC(=O)O−)、ウレア結合(−NRC(=O)NR−)、エーテル結合(−O−)およびスルフィド結合(−S−)が挙げられる。ここで、各連結基におけるRは、水素原子または有機基を表し、−C(=O)が連結する炭素骨格と環構造を形成してもよい。
Rにおける有機基は、炭素数1〜12のアルキル基(好ましくはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、オクチル)、炭素数6〜12のアリール基(好ましくはフェニル、ナフチル)、炭素数7〜12のアラルキル基(好ましくはベンジル、フェネチル)、炭素数1〜10のアシル基(好ましくはホルミル、アセチル、ピバロイル、ベンゾイル)、炭素数1〜12のアルキルスルホニル基(好ましくはメタンスルホニル、エタンスルホニル、トルフルオロメタンスルホニル、ノナフルオロブタンスルホニル)、炭素数6〜12のアリールスルホニル基(好ましくはベンゼンスルホニル、トルエンスルホニル)、炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基(好ましくはメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、フェノキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル)、炭素数2〜12のアルケニル基(好ましくはアリル)が好ましい。
Rが、−C(=O)が連結する炭素骨格と環構造を形成した結合単位としては、例えば、下記に記載する構造が挙げられる。
Figure 2016139512
上記構造中、*は結合部位を示す。
Rは、なかでも水素原子が好ましい。
本発明に用いられるポリマーは、エステル結合、アミド結合、イミド結合、ウレタン結合、カーボネート結合、ウレア結合、エーテル結合およびスルフィド結合からなる群から選択される結合を、主鎖中に少なくとも一種類有することが好ましく、−C(=O)NR−で表される結合単位であるアミド結合、イミド結合、ウレタン結合およびウレア結合からなる群から選択される結合を、主鎖中に少なくとも一種類有することがより好ましい。
ポリマーの結着性が高くなり、全固体二次電池は、より良好なサイクル特性を示す点から、本発明に用いられるポリマーは、ウレタン結合を主鎖中に少なくとも有することがさらに好ましい。
ここで、エステル結合、アミド結合、イミド結合、ウレタン結合、カーボネート結合、ウレア結合、エーテル結合およびスルフィド結合からなる群から選択される結合を、主鎖中に少なくとも一種類有するポリマーとは、すなわち、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリウレア、ポリエーテルまたはポリスルフィドのいずれかもしくはその変性体もしくはそれらの組み合わせを意味する。
以下に、本発明に用いられるポリマーを、各種結合を形成するモノマー等の原料から、詳細に説明する。
・エステル結合を有するポリマー
エステル結合を有するポリマーとしてはポリエステルが挙げられ、ポリエステルは、対応するジカルボン酸またはジカルボン酸クロリドと、ジオールとの縮合反応によって合成できる。
ジカルボン酸成分としては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、ウンデカン酸、ウンデカジオン酸、ドデカジオン酸、ダイマー酸などの脂肪族ジカルボン酸類、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、パラキシリレンジカルボン酸、メタキシリレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸などが挙げられる。
ジオール化合物の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブチレングリコール、3−メチル−1,5−ペンテンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,4−ビス−β−ヒドロキシエトキシシクロヘキサン、シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加体、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加体、ビスフェノールFのエチレンオキサイド付加体、ビスフェノールFのプロピレンオキサイド付加体、水添ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加体、水添ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加体、ヒドロキノンジヒドロキシエチルエーテル、p−キシリレングリコール、ジヒドロキシエチルスルホン、ビス(2−ヒドロキシエチル)−2,4−トリレンジカルバメート、2,4−トリレン−ビス(2−ヒドロキシエチルカルバミド)、ビス(2−ヒドロキシエチル)−m−キシリレンジカルバメート、ビス(2−ヒドロキシエチル)イソフタレート、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、cis−2−ブテン−1,4−ジオール、trans−2−ブテン−1,4−ジオール、
カテコール、レゾルシン、ハイドロキノン、4−メチルカテコール、4−t−ブチルカテコール、4−アセチルカテコール、3−メトキシカテコール、4−フェニルカテコール、4−メチルレゾルシン、4−エチルレゾルシン、4−t−ブチルレゾルシン、4−ヘキシルレゾルシン、4−クロロレゾルシン、4−ベンジルレゾルシン、4−アセチルレゾルシン、4−カルボメトキシレゾルシン、2−メチルレゾルシン、5−メチルレゾルシン、t−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−t−アミルハイドロキノン、テトラメチルハイドロキノン、テトラクロロハイドロキノン、メチルカルボアミノハイドロキノン、メチルウレイドハイドロキノン、メチルチオハイドロキノン、ベンゾノルボルネン−3,6−ジオール、ビスフェノールA、ビスフェノールS、3,3’−ジクロロビスフェノールS、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−チオジフェノール、2,2’−ジヒドロキシジフェニルメタン、3,4−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1,4−ビス(2−(p−ヒドロキシフェニル)プロピル)ベンゼン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メチルアミン、1,3−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシアントラキノン、2−ヒドロキシベンジルアルコール、4−ヒドロキシベンジルアルコール、2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルベンジルアルコール、4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルベンジルアルコール、4−ヒドロキシフェネチルアルコール、2−ヒドロキシエチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−ヒドロキシエチル−4−ヒドロキシフェニルアセテート、レゾルシンモノ−2−ヒドロキシエチルエーテル、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、ヘキサエチレングリコール、ヘプタエチレングリコール、オクタエチレングリコール、ジ−1,2−プロピレングリコール、トリ−1,2−プロピレングリコール、テトラ−1,2−プロピレングリコール、ヘキサ−1,2−プロピレングリコール、ジ−1,3−プロピレングリコール、トリ−1,3−プロピレングリコール、テトラ−1,3−プロピレングリコール、ジ−1,3−ブチレングリコール、トリ−1,3−ブチレングリコール、ヘキサ−1,3−ブチレングリコール、平均分子量200のポリエチレングリコール、平均分子量400のポリエチレングリコール、平均分子量600のポリエチレングリコール、平均分子量1,000のポリエチレングリコール、平均分子量1,500のポリエチレングリコール、平均分子量2,000のポリエチレングリコール、平均分子量3,000のポリエチレングリコール、平均分子量7,500のポリエチレングリコール、平均分子量400のポリプロピレングリコール、平均分子量700のポリプロピレングリコール、平均分子量1,000のポリプロピレングリコール、平均分子量2,000のポリプロピレングリコール、平均分子量3,000のポリプロピレングリコール、平均分子量4,000のポリプロピレングリコールなどが挙げられる。
ジオール化合物は市販品としても入手可能である。
ポリエーテルジオール化合物としては、例えば、いずれも商品名で、三洋化成工業(株)製のPTMG650、PTMG1000、PTMG20000、PTMG3000、ニューポールPE−61、ニューポールPE−62、ニューポールPE−64、ニューポールPE−68、ニューポールPE−71、ニューポールPE−74、ニューポールPE−75、ニューポールPE−78、ニューポールPE−108、ニューポールPE−128、ニューポールBPE−20、ニューポールBPE−20F、ニューポールBPE−20NK、ニューポールBPE−20T、ニューポールBPE−20G、ニューポールBPE−40、ニューポールBPE−60、ニューポールBPE−100、ニューポールBPE−180、ニューポールBP−2P、ニューポールBPE−23P、ニューポールBPE−3P、ニューポールBPE−5P、ニューポール50HB−100、ニューポール50HB−260、ニューポール50HB−400、ニューポール50HB−660、ニューポール50HB−2000、ニューポール50HB−5100が挙げられる。
ポリエステルジオール化合物としては、例えば、いずれも商品名で、ポリライトシリーズ(DIC社製)やクラレポリオールPシリーズ、クラレポリオールFシリーズ、クラレポリオールNシリーズ、クラレポリオールPMNAシリーズ((株)クラレ社製)、プラクセルシリーズ((株)ダイセル化学社製)が挙げられる。
ポリカーボネートジオール化合物としては、例えば、いずれも商品名で、デュラノールシリーズ(旭化成ケミカルズ(株)社製)、エタナコールシリーズ(宇部興産(株)社製)、プラクセルCDシリーズ((株)ダイセル化学社製)、クラレポリオールCシリーズ((株)クラレ社製)が挙げられる。
・アミド結合を有するポリマー
アミド結合を有するポリマーとしてはポリアミドが挙げられ、ポリアミドは、対応するジカルボン酸またはジカルボン酸クロリドと、ジアミンとの縮合反応や、ラクタムの開環重合反応によって合成できる。
ジアミン成分としては、エチレンジアミン、1−メチルエチルジアミン、1,3−プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミンなどの脂肪族ジアミン類が挙げられ、その他にも、シクロヘキサンジアミン、ビス(4,4’−アミノヘキシル)メタン、イソホロンジアミン、パラキシリレンジアミンなどが挙げられる。ポリプロピレンオキシ鎖を有するジアミンとして、ジェファーミン(商品名、ハンツマン(株)製)を用いることもできる。
ジカルボン酸成分としては、ポリエステルにおけるジカルボン酸成分として記載した成分が、好ましく適用される。
・イミド結合を有するポリマー
イミド結合を有するポリマーとしてはポリイミドが挙げられ、ポリイミドは、対応するジカルボン酸無水物とジアミンとの縮合反応によって合成できる。
テトラカルボン酸二無水物の具体例としては、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(s−BPDA)およびピロメリット酸二無水物(PMDA)が挙げられ、その他に、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(a−BPDA)、オキシジフタル酸二無水物、ジフェニルスルホン−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルフィド二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、p−ビフェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、m−ターフェニル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、p−ターフェニル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ビフェニル二無水物、2,2−ビス〔(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕プロパン二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−(2,2−ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物などを挙げることができる。これらは単独でも、2種以上を混合して用いることもできる。
テトラカルボン酸成分は、少なくともs−BPDAおよび/またはPMDAを含むことが好ましい。例えば、テトラカルボン酸成分100モル%中に、s−BPDAを好ましくは50モル%以上、より好ましくは70モル%以上、さらに好ましくは75モル%以上含む。テトラカルボン酸二水和物はハードセグメントとして機能することが望ましいため、剛直なベンゼン環を有していることが好ましい。
ポリイミドに用いられるジアミンの具体例としては、
1)パラフェニレンジアミン(1,4−ジアミノベンゼン;PPD)、1,3−ジアミノベンゼン、2,4−トルエンジアミン、2,5−トルエンジアミン、2,6−トルエンジアミンなどのベンゼン核1つのジアミン、
2)4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテルなどのジアミノジフェニルエーテル類、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジカルボキシ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、4,4’−ジアミノベンズアニリド、3,3’−ジクロロベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン、2,2’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、2,2’−ジメトキシベンジジン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジクロロベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,4’−ジアミノジフェニルスルホキシド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホキシドなどのベンゼン核2つのジアミン、
3)1,3−ビス(3−アミノフェニル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェニル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)−4−トリフルオロメチルベンゼン、3,3’−ジアミノ−4−(4−フェニル)フェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジ(4−フェニルフェノキシ)ベンゾフェノン、1,3−ビス(3−アミノフェニルスルフィド)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェニルスルフィド)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニルスルフィド)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェニルスルホン)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェニルスルホン)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニルスルホン)ベンゼン、1,3−ビス〔2−(4−アミノフェニル)イソプロピル〕ベンゼン、1,4−ビス〔2−(3−アミノフェニル)イソプロピル〕ベンゼン、1,4−ビス〔2−(4−アミノフェニル)イソプロピル〕ベンゼンなどのベンゼン核3つのジアミン、
4)3,3’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、3,3’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、2,2−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンなどのベンゼン核4つのジアミン、
などを挙げることができる。これらは単独でも、2種以上を混合して用いることもできる。用いるジアミンは、所望の特性などに応じて適宜選択することができる。
・ウレタン結合を有するポリマー
ウレタン結合を有するポリマーとしてはポリウレタンが挙げられ、ポリウレタンは、対応するジイソシアネートとジオールとの縮合反応によって合成できる。
ジイソシアネート化合物
ジイソシアネート化合物としては、特に制限はなく、適宜選択することができ、例えば、下記式(M1)で表される化合物などが挙げられる。
Figure 2016139512
ただし、式(M1)中、RM1は、置換基(例えば、アルキル基、アラルキル基、アリール基、アルコキシ基またはハロゲン原子が好ましい)を有していてもよい2価の脂肪族もしくは芳香族炭化水素を表す。必要に応じ、RM1は、イソシアネート基と反応しない他の官能基、例えば、エステル基(エステル結合を有する基で、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基またはアリールオキシカルボニル基など)、ウレタン基、アミド基およびウレイド基のいずれかを有していてもよい。
式(M1)で表されるジイソシアネート化合物としては、特に制限はなく、例えば、ジイソシアネートと、トリイソシアネート化合物(特開2005−250438号公報の段落番号0034〜0035等に記載の化合物)と、エチレン性不飽和基を有する単官能のアルコール又は単官能のアミン化合物(特開2005−250438号公報の段落番号0037〜0040等に記載の化合物)1当量とを付加反応させて得られる生成物などが挙げられる。
式(M1)で表されるジイソシアネート化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。なお、下記式(M2)で表される基を含むことが好ましい。
Figure 2016139512
式(M2)中、Xは、単結合、−CH−、−C(CH−、−SO−、−S−、−CO−または−O−を表す。結着性の観点で、−CH−または−O−が好ましく、−CH−がより好ましい。ここで例示した上記アルキレン基はハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)で置換されていてもよい。
M2〜RM5はそれぞれ独立に、水素原子、1価の有機基、ハロゲン原子、−ORM6、―N(RM6または−SRM6を表す。RM6は、水素原子または1価の有機基を表す。
1価の有機基としては、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルケニル基、−ORM7〔ただし、RM7は1価の有機基(好ましくは炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基等)を表す〕、アルキルアミノ基(炭素数は、1〜20が好ましく、1〜6がより好ましい)、アリールアミノ基(炭素数は、6〜40が好ましく、6〜20がより好ましい)などが挙げられる。
M2〜RM5は、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基または−ORM7が好ましく、水素原子または炭素数1〜20のアルキル基がより好ましく、水素原子がさらに好ましい。ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が挙げられる。
式(M1)で表されるジイソシアネート化合物としては、下記式(M3)で表される基を含むことがより好ましい。
Figure 2016139512
式(M3)中、Xは、式(M2)のXと同義であり、好ましい範囲も同じである。
式(M1)〜(M3)で表される芳香族基の組成比率としては、ポリマー中、10mol%以上が好ましく、10mol%〜50mol%がより好ましく、30mol%〜50mol%が更に好ましい。
式(M1)で表されるジイソシアネート化合物の具体例としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートの二量体、2,6−トリレンジレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフチレンジイソシアネート、3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート化合物;イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4(又は2,6)ジイソシアネート、1,3−(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等の脂環族ジイソシアネート化合物;1,3−ブチレングリコール1モルとトリレンジイソシアネート2モルとの付加体等のジオールとジイソシアネートとの反応物であるジイソシアネート化合物;などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)が好ましい。
ジオール成分としては、ポリエステルにおけるジオール成分として記載した成分が、好ましく適用される。
・カーボネート結合を有するポリマー
カーボネート結合を有するポリマーとしてはポリカーボネートが挙げられ、ポリカーボネートは、ビスフェノールA等のジオールと塩化カルボニルをアルカリ触媒存在下、界面重縮合によって合成することができる。また、ビスフェノールAとジフェニルカーボネートをエステル交換反応によって合成することができる。
ジオール成分としては、ポリエステルにおけるジオール成分として記載した成分が、好ましく適用される。
また、一般に市販されている、分子鎖中にポリカーボネート結合を有し、末端に反応性基を有するものを使用することもでき、具体的には、例えば、いずれも商品名で、デュラノールシリーズ(旭化成ケミカルズ(株)社製)、エタナコールシリーズ(宇部興産(株)社製)、プラクセルCDシリーズ((株)ダイセル化学社製)、クラレポリオールCシリーズ((株)クラレ社製)が挙げられる。
・ウレア結合を有するポリマー
ウレア結合を有するポリマーとしてはポリウレアが挙げられ、ポリウレアは、ジイソシアネート化合物とジアミン化合物をアミン触媒存在下で縮重合によって合成することができる。
ジイソシアネート化合物としては、ポリウレタンにおけるジイソシアネート化合物として記載した成分が、好ましく適用され、ジアミン成分としては、ポリイミドにおけるジアミン成分として記載した成分が、好ましく適用される。
・エーテル結合を有するポリマー
エーテル結合を有するポリマーとしてはポリエーテルが挙げられ、ポリエーテルは、環状エーテル化合物を開環重合することにより合成することができる。
また、一般に市販されている、分子鎖中にポリエーテル結合を有し、末端に反応性基を有するものを使用することもできる。
環状エーテル化合物としては、エチレンオキシド、トリメチレンオキシド、プロピレンオキシド、イソブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシド、1,2−エポキシヘプタン、1,2−エポキシヘキサン、グリシジルメチルエーテル、1,7−オクタジエンジエポキシド、オキセタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピランなどが挙げられる。
・スルフィド結合を有するポリマー
スルフィド結合を有するポリマーとしてはポリスルフィドが挙げられ、ポリスルフィドは、ジハロゲン化物と多硫化物イオンのアルカリ金属塩の間での重縮合によって合成することができる。
また、一般に市販されている、分子鎖中にポリスルフィド構造を有し、末端に反応性基を有するものを使用することもできる。
なお、主鎖中に式(I)で表される構造単位を有するポリマーは、上記で説明した各モノマー類を、式(I)で表される構造単位を有するモノマー類に変えることで得られる。
市販されている原料としては、たとえば下記のものを適宜組み合わせて使用できる。ただし本発明はこれに限定されるものではない。
・式(I)で表される構造単位を有するジカルボン酸またはジカルボン酸クロリド化合物
式(I)で表される構造単位を有するジカルボン酸またはジカルボン酸クロリド化合物の市販品としては、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロペンタンジオイルジクロリド、テトラフルオロコハク酸、ヘキサフルオログルタル酸、オクタフルオロアジピン酸、ドデカフルオロスベリン酸、ヘキサデカフルオロセバシン酸および、これらのビス酸クロリド化化合物を好適に用いることができる。
また、ポリエステルにおけるジカルボン酸成分として記載したジカルボン酸成分をフッ素化して合成することができる。
・式(I)で表される構造単位を有するジカルボン酸無水物
式(I)で表される構造単位を有するジカルボン酸無水物は、ポリイミドにおけるカルボン酸無水物として記載したジカルボン酸無水物をフッ素化して合成することができる。
式(I)で表される構造単位を有するジカルボン酸無水物は、例えば、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物が挙げられる。
・式(I)で表される構造単位を有するジアミン化合物
式(I)で表される構造単位を有するジアミン化合物は、ポリイミドにおけるジアミン成分として記載したジアミン化合物をフッ素化して合成することができる。
式(I)で表される構造単位を有するジアミン化合物は、例えば、2,2,3,3−テトラフルオロ−1,4−ブタンジアミン、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,6−ヘキサンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニル−1,1−ジフルオロメタン、1H,1H,10H,10H−ヘキサデカフルオロ−1,10−デカンジアミン、が挙げられる。
・式(I)で表される構造単位を有するジオール化合物
式(I)で表される構造単位を有する短鎖ジオール化合物は、たとえば2,2,3,3−テトラフルオロ−1,4−ブタンジオール、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロ−1,5−ペンタンジオール、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,6−ヘキサンジオール、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロ−1,8−オクタンジオール、1H,1H,10H,10H−ヘキサデカフルオロ−1,10−デカンジオールなどを好適に用いることができる。
式(I)で表される構造単位を有する長鎖ジオール化合物は、長鎖ジオール化合物をフッ素化して合成することができる。
・式(IIb)で表される構造単位を有する化合物
式(IIb)で表される構造単位を有する化合物は、たとえば、パーフルオロポリエーテルの末端に官能基を有する化合物が挙げられる。
式(IIb)で表される構造単位を有する両末端ジオール化合物としては、たとえば、いずれも商品名で、フォンブリンD2(分子量1500、ソルベイ(株)製)、フルオロリンクD(分子量2000、ソルベイ(株)製)、フルオロリンクD10−H(分子量700、ソルベイ(株)製)、フルオロリンクE10H(分子量1000、ソルベイ(株)製)、フルオロリンクD4000(分子量4000、ソルベイ(株)製)、フルオロリンク4082X(分子量6000、ソルベイ(株)製)、フルオロリンク5174X(末端PEO変性、ソルベイ(株)製)、フルオロリンク5158X(末端PEO変性、ソルベイ(株)製)を好適に用いることができる。
また、式(IIb)で表される構造単位を有する両末端ジカルボン酸化合物としては、たとえば、フォンブリンZDIAC4000(商品名、分子量3700、ソルベイ(株)製)を好適に用いることができる。
本発明に用いられるポリマーは、下記官能基群(I)から選ばれる官能基(I)を少なくとも一つ含有することも好ましい。
官能基群(I)に含まれる基は、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基、ヒドロキシ基、−CONR 、シアノ基、−NR 、メルカプト基、エポキシ基または(メタ)アクリル基を表す。ここで、Rは水素原子、アルキル基(炭素数は、1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3がさらに好ましい)またはアリール基(炭素数は、6〜22が好ましく、6〜14がより好ましく、6〜10がさらに好ましい)を表す。
官能基群(I)より選ばれる官能基(I)は、上記の群から選ばれる1種であっても、2種以上であってもよい。
なお、スルホン酸基およびリン酸基がエステル体であるとき、エステルを構成する基はアルキル基(炭素数は、1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3がさらに好ましい)、アルケニル基(炭素数は、2〜12が好ましく、2〜6がより好ましい)、アルキニル基(炭素数は、2〜12が好ましく、2〜6がより好ましい)、アリール基(炭素数は、6〜22が好ましく、6〜14がより好ましく、6〜10がさらに好ましい)、またはアラルキル基(炭素数は、7〜23が好ましく、7〜15がより好ましく、7〜11がさらに好ましい)であることが好ましく、アルキル基であることがより好ましい。なお、カルボキシ基、スルホン酸基およびリン酸基は任意の対イオンとともに塩を形成していてもよい。対イオンとしては、アルカリ金属カチオン、第四級アンモニウムカチオンなどが挙げられる。
官能基(I)は、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基、ヒドロキシ基または(メタ)アクリル基から選ばれることがより好ましく、カルボキシ基、ヒドロキシ基または(メタ)アクリル基から選ばれることがさらに好ましい。
官能基(I)の導入方法として、例えば、本発明に用いられるポリマーを重合する際に、官能基(I)を含有するモノマーを共重合する方法が挙げられる。あるいは官能基(I)を含有する開始剤や連鎖移動剤と重合することでポリマー末端に官能基(I)を導入しても良いし、高分子反応で側鎖や末端に官能基(I)を導入しても良い。また市販の官能基導入型樹脂を使用してもよい(例えば「KYNAR(登録商標) ADXシリーズ」(商品名、アルケマ社製)などが挙げられる)。
ここで、本発明に用いられるポリマーは、ブロック共重合体、交互共重合体、ランダム共重合体のいずれであってもよい。
すなわち、式(I)で表される構造単位は、ブロック構造を形成していても、その他の構造単位との間で交互共重合体やランダム共重合体を形成していてもよい。
また、硫化物系固体電解質を用いる場合には、硫化物系固体電解質と水との反応による硫化水素の発生を抑制し、イオン伝導度の低下を抑制する観点等から、ポリマーの含水率は100ppm以下が好ましい。
含水率は、80℃で真空乾燥した後のポリマーを試料とし、カールフィッシャー液アクアミクロンAX(商品名、三菱化学(株)製)を用い、カールフィッシャー法により試料中の水分量(g)を測定し、水分量(g)を試料質量(g)で除して算出する。
本発明に用いられるポリマーのガラス転移温度は−100℃以上50℃未満が好ましく、−80℃以上30℃未満がより好ましく、−80℃以上0℃未満がさらに好ましい。ガラス転移温度が上記範囲内にあることで、良好なイオン伝導度が得られる。
ガラス転移温度(Tg)は、乾燥試料を用いて、示差走査熱量計「X−DSC7000」(商品名、SII・ナノテクノロジー(株)製)を用いて下記の条件で測定する。測定は同一の試料で二回実施し、二回目の測定結果を採用する。
測定室内の雰囲気:窒素(50mL/min)
昇温速度:5℃/min
測定開始温度:−100℃
測定終了温度:200℃
試料パン:アルミニウム製パン
測定試料の質量:5mg
Tgの算定:DSCチャートの下降開始点と下降終了点の中間温度の小数点以下を四捨五入することでTgを算定する。
本発明に用いられるポリマーの質量平均分子量は、15,000以上500,000未満が好ましく、15,000以上200,000未満がより好ましく、15,000以上150,000未満がさらに好ましい。
ポリマーの質量平均分子量が上記範囲内にあることで、より良好な結着性が発現するとともにハンドリング性(製造適性)が良好となる。
本発明に用いられるポリマーの質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって下記の標準試料換算で計測した値を採用する。測定装置および測定条件としては、下記条件1によることを基本とし、試料の溶解性等により条件2とすることを許容する。ただし、ポリマー種によっては、さらに適宜適切なキャリア(溶離液)およびそれに適合したカラムを選定して用いてもよい。
(条件1)
測定機器:EcoSEC HLC−8320(商品名、東ソー社製)
カラム:TOSOH TSKgel Super AWM−H(商品名、東ソー社製)を2本つなげる
キャリア:10mM LiBr/N−メチルピロリドン
測定温度:40℃
キャリア流量:1.0ml/min
試料濃度:0.1質量%
検出器:RI(屈折率)検出器
標準試料:ポリスチレン
(条件2)
測定機器:同上
カラム:TOSOH TSKgel Super HZM−H、
TOSOH TSKgel Super HZ4000、
TOSOH TSKgel Super HZ2000(いずれも商品名、東ソー社製)
をつないだカラムを用いる
キャリア:テトラヒドロフラン
測定温度:40℃
キャリア流量:1.0ml/min
試料濃度:0.1質量%
検出器:RI(屈折率)検出器
標準試料:ポリスチレン
ポリマーに含まれる、炭素原子に対するフッ素原子のモル比(以下、F/Cモル比とも称す)は0.001〜2が好ましく、0.005〜1.6がより好ましく、0.01〜1.0がさらに好ましい。
炭素原子に対するフッ素原子のモル比が上記上限値内にあることで、集電体と正極または負極活物質層との間で剥離を生じることなく良好な結着性やサイクル特性が得られ、上記下限値内にあることで、フッ素による耐湿性効果が十分に得られる。
なお、F/Cモル比は、ポリマー原料のF/Cモル比および原料の仕込み比から算出することができる。
また、ポリマーのF/Cモル比は、HNMR、13CNMR、19FNMR(いずれも核磁気共鳴)、MALDI−MS(マトリックス支援レーザー脱離イオン化法)等からポリマー構造を推定し、推定した化学式から算出することもできる。
本発明に用いられるポリマーの具体例を以下に示す。なお、本発明がこれにより限定して解釈されるものではない。
なお、化合物中の数字は、括弧内の構造単位のモル比を表し、化合物中のx、y、pおよびqは任意の0以上の整数であり、括弧内の構造単位のモル比を表す。ただしx+y=0ではない。ここで、本発明に用いられるポリマーとしては、例えばxおよびyが4.5であり、pおよびqが7であるポリマーを好適に用いることができる。
また、各ポリマーは、ブロック共重合体、交互共重合体、ランダム共重合体のいずれであってもよい。
Figure 2016139512
Figure 2016139512
Figure 2016139512
Figure 2016139512
Figure 2016139512
Figure 2016139512
本明細書において置換・無置換を明記していない置換基(連結基についても同様)については、その基に任意の置換基を有していてもよい意味である。これは置換・無置換を明記していない化合物についても同義である。好ましい置換基としては、下記置換基Tが挙げられる。
置換基Tとしては、下記のものが挙げられる。
アルキル基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルキル基、例えばメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、ペンチル、ヘプチル、1−エチルペンチル、ベンジル、2−エトキシエチル、1−カルボキシメチル等)、アルケニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルケニル基、例えば、ビニル、アリル、オレイル等)、アルキニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルキニル基、例えば、エチニル、ブタジイニル、フェニルエチニル等)、シクロアルキル基(好ましくは炭素原子数3〜20のシクロアルキル基、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル等)、アリール基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリール基、例えば、フェニル、1−ナフチル、4−メトキシフェニル、2−クロロフェニル、3−メチルフェニル等)、ヘテロ環基(好ましくは炭素原子数2〜20のヘテロ環基、好ましくは、少なくとも1つの酸素原子、硫黄原子、窒素原子を有する5または6員環のヘテロ環基が好ましく、例えば、テトラヒドロピラン、テトラヒドロフラン、2−ピリジル、4−ピリジル、2−イミダゾリル、2−ベンゾイミダゾリル、2−チアゾリル、2−オキサゾリル等)、
アルコキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、ベンジルオキシ等)、アリールオキシ基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、1−ナフチルオキシ、3−メチルフェノキシ、4−メトキシフェノキシ等)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルコキシカルボニル基、例えば、エトキシカルボニル、2−エチルヘキシルオキシカルボニル等)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル、1−ナフチルオキシカルボニル、3−メチルフェノキシカルボニル、4−メトキシフェノキシカルボニル等)、アミノ基(好ましくは炭素原子数0〜20のアミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基を含み、例えば、アミノ、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N−エチルアミノ、アニリノ等)、スルファモイル基(好ましくは炭素原子数0〜20のスルファモイル基、例えば、N,N−ジメチルスルファモイル、N−フェニルスルファモイル等)、アシル基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシル基、例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル等)、アリーロイル基(好ましくは炭素原子数7〜23のアリーロイル基、例えば、ベンゾイル等)、アシルオキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシルオキシ基、例えば、アセチルオキシ等)、アリーロイルオキシ基(好ましくは炭素原子数7〜23のアリーロイルオキシ基、例えば、ベンゾイルオキシ等)、
カルバモイル基(好ましくは炭素原子数1〜20のカルバモイル基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル等)、アシルアミノ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシルアミノ基、例えば、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ等)、アルキルチオ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルキルチオ基、例えば、メチルチオ、エチルチオ、イソプロピルチオ、ベンジルチオ等)、アリールチオ基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリールチオ基、例えば、フェニルチオ、1−ナフチルチオ、3−メチルフェニルチオ、4−メトキシフェニルチオ等)、アルキルスルホニル基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルキルスルホニル基、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル等)、アリールスルホニル基(好ましくは炭素原子数6〜22のアリールスルホニル基、例えば、ベンゼンスルホニル等)、アルキルシリル基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルキルシリル基、例えば、モノメチルシリル、ジメチルシリル、トリメチルシリル、トリエチルシリル等)、アリールシリル基(好ましくは炭素原子数6〜42のアリールシリル基、例えば、トリフェニルシリル等)、ホスホリル基(好ましくは炭素原子数0〜20のリン酸基、例えば、−OP(=O)(R)、ホスホニル基(好ましくは炭素原子数0〜20のホスホニル基、例えば、−P(=O)(R)、ホスフィニル基(好ましくは炭素原子数0〜20のホスフィニル基、例えば、−P(R)、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、ヒドロキシル基、シアノ基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)が挙げられる。
また、これらの置換基Tで挙げた各基は、上記の置換基Tがさらに置換していてもよい。
固体電解質組成物中におけるバインダーの配合量は、上記無機固体電解質(活物質を用いる場合はこれを含む)100質量部に対して、0.01質量部以上であることが好ましく、0.1質量部以上であることがより好ましく、0.5質量部以上であることが特に好ましい。上限としては、20質量部以下であることが好ましく、15質量部以下であることがより好ましく、10質量部以下であることが特に好ましい。
固体電解質組成物に対しては、その固形分中、バインダーが0.01質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましく、0.5質量%以上であることが特に好ましい。上限としては、20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることが特に好ましい。
バインダー量を上記の範囲内で用いることにより、一層効果的に無機固体電解質の結着性と界面抵抗の抑制性とを両立して実現することができる。
なお、本発明に適用されるバインダーは上記特定のポリマーからなるもの以外に、その他のバインダーや各種の添加剤を組み合わせて用いてもよい。上記の配合量はバインダーの総量として規定しているが、上記特定のポリマーの量としてみることがより好ましい。
(リチウム塩)
本発明に用いることができるリチウム塩としては、通常この種の製品に用いられるリチウム塩が好ましく、特に制限はなく、例えば、以下に述べるものが好ましい。
(L−1)無機リチウム塩:LiPF、LiBF、LiAsF、LiSbF等の無機フッ化物塩;LiClO、LiBrO、LiIO等の過ハロゲン酸塩;LiAlCl等の無機塩化物塩等。
(L−2)含フッ素有機リチウム塩:LiCFSO等のパーフルオロアルカンスルホン酸塩;LiN(CFSO、LiN(CFCFSO、LiN(FSO、LiN(CFSO)(CSO)等のパーフルオロアルカンスルホニルイミド塩;LiC(CFSO等のパーフルオロアルカンスルホニルメチド塩;Li[PF(CFCFCF)]、Li[PF(CFCFCF]、Li[PF(CFCFCF]、Li[PF(CFCFCFCF)]、Li[PF(CFCFCFCF]、Li[PF(CFCFCFCF]等のフルオロアルキルフッ化リン酸塩等。
(L−3)オキサラトボレート塩:リチウムビス(オキサラト)ボレート、リチウムジフルオロオキサラトボレート等。
これらのなかで、LiPF、LiBF、LiAsF、LiSbF、LiClO、Li(RfSO)、LiN(RfSO、LiN(FSO、及びLiN(RfSO)(RfSO)が好ましく、LiPF、LiBF、LiN(RfSO、LiN(FSO、及びLiN(RfSO)(RfSO)などのリチウムイミド塩がさらに好ましい。ここで、RfおよびRfはそれぞれ独立にパーフルオロアルキル基を表す。
なお、リチウム塩は、1種を単独で使用しても、2種以上を任意に組み合わせてもよい。
リチウム塩の含有量は、固体電解質100質量部に対して0質量部を超えることが好ましく、5質量部以上がより好ましい。上限としては、50質量部以下が好ましく、20質量部以下がより好ましい。
(分散媒体)
本発明の固体電解質組成物においては、上記の各成分を分散させる分散媒体を用いてもよい。分散媒体は、例えば、水溶性有機溶媒が挙げられる。分散媒体の具体例としては下記のものが挙げられる。
アルコール化合物溶媒は、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、1−プロピルアルコール、2−プロピルアルコール、2−ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、ソルビトール、キシリトール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオールが挙げられる。
エーテル化合物溶媒は、例えば、アルキレングリコールアルキルエーテル(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等)、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサンが挙げられる。
アミド化合物溶媒は、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、2−ピロリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミドが挙げられる。
ケトン化合物溶媒は、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノンが挙げられる。
芳香族化合物溶媒は、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンが挙げられる。
脂肪族化合物溶媒は、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカンが挙げられる。
ニトリル化合物溶媒は、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、ベンゾニトリルが挙げられる。
本発明においては、なかでも、エーテル化合物溶媒、ケトン化合物溶媒、芳香族化合物溶媒、脂肪族化合物溶媒を用いることが好ましく、芳香族化合物溶媒、脂肪族化合物溶媒を用いることがより好ましい。分散媒体は常圧(1気圧)での沸点が50℃以上であることが好ましく、80℃以上であることがより好ましい。上限は250℃以下であることが好ましく、220℃以下であることがさらに好ましい。上記分散媒体は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明において、固体電解質組成物における分散媒体の量は、固体電解質組成物の粘度と乾燥負荷とのバランスで任意の量とすることができる。一般的に、固体電解質組成物中、20〜99質量%であることが好ましい。
(正極活物質)
本発明の固体電解質組成物には、正極活物質を含有させてもよい。正極活物質を含有する固体電解質組成物は、正極材料用の組成物として用いることができる。正極活物質には遷移金属酸化物を用いることが好ましく、中でも、遷移元素M(Co、Ni、Fe、Mn、Cu、Vから選択される1種以上の元素)を有することが好ましい。また、混合元素M(リチウム以外の金属周期律表の第1(Ia)族の元素、第2(IIa)族の元素、Al、Ga、In、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Si、P、Bなど)を混合してもよい。
遷移金属酸化物は、例えば、下記式(MA)〜(MC)のいずれかで表されるものを含む特定遷移金属酸化物、またはその他の遷移金属酸化物としてV、MnO等が挙げられる。正極活物質には、粒子状の正極活性物質を用いてもよい。
具体的に、可逆的にリチウムイオンを挿入・放出できる遷移金属酸化物を用いることができ、上記特定遷移金属酸化物を用いることが好ましい。
遷移金属酸化物は、上記遷移元素Mを含む酸化物等が好適に挙げられる。このとき混合元素M(好ましくはAl)などを混合してもよい。混合量としては、遷移金属の量に対して0〜30mol%が好ましい。Li/Mのモル比が0.3〜2.2になるように混合して合成されたものが、より好ましい。
〔式(MA)で表される遷移金属酸化物(層状岩塩型構造)〕
リチウム含有遷移金属酸化物としては中でも下式で表されるものが好ましい。
Li ・・・ 式(MA)
式(MA)中、Mは上記Mと同義であり、好ましい範囲も同じである。aは0〜1.2(0.2〜1.2が好ましい)を表し、0.6〜1.1が好ましい。bは1〜3を表し、2が好ましい。Mの一部は上記混合元素Mで置換されていてもよい。
式(MA)で表される遷移金属酸化物は典型的には層状岩塩型構造を有する。
式(MA)で表される遷移金属酸化物は、下記の各式で表されるものがより好ましい。
(MA−1) LiCoO
(MA−2) LiNiO
(MA−3) LiMnO
(MA−4) LiCoNi1−j
(MA−5) LiNiMn1−j
(MA−6) LiCoNiAl1−j−i
(MA−7) LiCoNiMn1−j−i
ここで、gは上記aと同義であり、好ましい範囲も同じである。jは0.1〜0.9を表す。iは0〜1を表す。ただし、1−j−iは0以上になる。kは上記bと同義であり、好ましい範囲も同じである。
これらの遷移金属化合物の具体例としては、LiCoO(コバルト酸リチウム[LCO])、LiNi(ニッケル酸リチウム)LiNi0.85Co0.01Al0.05(ニッケルコバルトアルミニウム酸リチウム[NCA])、LiNi0.33Co0.33Mn0.33(ニッケルマンガンコバルト酸リチウム[NMC])、LiNi0.5Mn0.5(マンガンニッケル酸リチウム)が挙げられる。
式(MA)で表される遷移金属酸化物は、一部重複するが、表記を変えて示すと、下記で表されるものも好ましい例として挙げられる。
(i)LiNixcMnycCozc(xc>0.2,yc>0.2,zc≧0,xc+yc+zc=1)
代表的なもの:
LiNi1/3Mn1/3Co1/3
LiNi1/2Mn1/2
(ii)LiNixdCoydAlzd(xd>0.7,yd>0.1,0.1>zd≧0.05,xd+yd+zd=1)
代表的なもの:
LiNi0.8Co0.15Al0.05
〔式(MB)で表される遷移金属酸化物(スピネル型構造)〕
リチウム含有遷移金属酸化物としては中でも下記式(MB)で表されるものも好ましい。
Li ・・・ 式(MB)
式(MB)中、Mは上記Mと同義であり、好ましい範囲も同じである。cは0〜2を表し、0.2〜2が好ましく、0.6〜1.5がより好ましい。dは3〜5を表し、4が好ましい。
式(MB)で表される遷移金属酸化物は、下記の各式で表されるものがより好ましい。
(MB−1) LiMn
(MB−2) LiMnAl2−h
(MB−3) LiMnNi2−h
mはcと同義であり、好ましい範囲も同じである。nはdと同義であり、好ましい範囲も同じである。hは0〜2を表す。
これらの遷移金属化合物は、例えば、LiMn、LiMn1.5Ni0.5が挙げられる。
式(MB)で表される遷移金属酸化物は、さらに下記の各式で表されるものも好ましい例として挙げられる。
(a) LiCoMnO
(b) LiFeMn
(c) LiCuMn
(d) LiCrMn
(e) LiNiMn
高容量、高出力の観点で上記のうちNiを含む電極がさらに好ましい。
〔式(MC)で表される遷移金属酸化物〕
リチウム含有遷移金属酸化物は、リチウム含有遷移金属リン酸化物が好ましく、なかでも下記式(MC)で表されるものも好ましい。
Li(PO ・・・ 式(MC)
式(MC)中、eは0〜2(0.2〜2が好ましい)を表し、0.5〜1.5が好ましい。fは1〜5を表し、1〜2が好ましい。
はV、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、NiおよびCuからなる群から選択される1種以上の元素を表す。Mは、上記の混合元素Mの他、Ti、Cr、Zn、Zr、Nb等の他の金属で置換していてもよい。具体例としては、例えば、LiFePO、LiFe(PO等のオリビン型リン酸鉄塩、LiFeP等のピロリン酸鉄類、LiCoPO等のリン酸コバルト類、Li(PO(リン酸バナジウムリチウム)等の単斜晶ナシコン型リン酸バナジウム塩が挙げられる。
なお、Liの組成を表す上記a、c、g、m、e値は、充放電により変化する値であり、典型的には、Liを含有したときの安定な状態の値で評価される。式(a)〜(e)では特定値としてLiの組成を示しており、これも同様に電池の動作により変化するものである。
本発明の非水二次電池で使用する正極活物質の平均粒子径は特に限定されない。なお、0.1μm〜50μmが好ましい。正極活性物質を所定の粒子径にするには、通常の粉砕機や分級機を用いればよい。焼成法によって得られた正極活物質は、水、酸性水溶液、アルカリ性水溶液、有機溶剤にて洗浄した後使用してもよい。正極活物質粒子の平均粒子径は、後述の実施例の項で示した無機固体電解質粒子の平均粒子径の測定方法と同様の方法により測定する。
正極活物質の濃度は特に限定されない。なお、固体電解質組成物中、固形成分100質量%において、20〜90質量%が好ましく、40〜80質量%がより好ましい。なお、正極層が他の無機固体(例えば固体電解質)を含むときには、上記の濃度はそれを含むものとして解釈する。
(負極活物質)
本発明の固体電解質組成物には、負極活物質を含有させてもよい。負極活物質を含有する固体電解質組成物は、負極材料用の組成物として用いることができる。負極活物質としては、可逆的にリチウムイオンを挿入・放出できるものが好ましい。このような材料は、特に制限はなく、炭素質材料、酸化錫や酸化ケイ素等の金属酸化物、金属複合酸化物、リチウム単体やリチウムアルミニウム合金等のリチウム合金、及び、SnやSi等のリチウムと合金形成可能な金属等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。なかでも炭素質材料又はリチウム複合酸化物が安全性の点から好ましく用いられる。また、金属複合酸化物としては、リチウムを吸蔵、放出可能であることが好ましい。その材料は、特には制限されないが、構成成分としてチタン及び/又はリチウムを含有していることが、高電流密度充放電特性の観点で好ましい。
負極活物質として用いられる炭素質材料とは、実質的に炭素からなる材料である。例えば、石油ピッチ、天然黒鉛、気相成長黒鉛等の人造黒鉛およびPAN系の樹脂やフルフリルアルコール樹脂等の各種の合成樹脂を焼成した炭素質材料を挙げることができる。さらに、PAN系炭素繊維、セルロース系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、気相成長炭素繊維、脱水PVA系炭素繊維、リグニン炭素繊維、ガラス状炭素繊維、活性炭素繊維等の各種炭素繊維類、メソフェーズ微小球体、グラファイトウィスカー、平板状の黒鉛等を挙げることもできる。
これらの炭素質材料は、黒鉛化の程度により難黒鉛化炭素材料と黒鉛系炭素材料に分けることもできる。また炭素質材料は、特開昭62−22066号公報、特開平2−6856号公報、同3−45473号公報に記載される面間隔や密度、結晶子の大きさを有することが好ましい。炭素質材料は、単一の材料である必要はなく、特開平5−90844号公報に記載の天然黒鉛と人造黒鉛の混合物、特開平6−4516号公報に記載の被覆層を有する黒鉛等を用いることもできる。
負極活物質として適用される金属酸化物及び金属複合酸化物としては、特に非晶質酸化物が好ましく、さらに金属元素と周期律表第16族の元素との反応生成物であるカルコゲナイトも好ましく用いられる。ここでいう非晶質とは、CuKα線を用いたX線回折法で、2θ値で20°〜40°の領域に頂点を有するブロードな散乱帯を有するものを意味し、結晶性の回折線を有してもよい。2θ値で40°以上70°以下に見られる結晶性の回折線の内最も強い強度が、2θ値で20°以上40°以下に見られるブロードな散乱帯の頂点の回折線強度の100倍以下が好ましく、5倍以下がより好ましく、結晶性の回折線を有さないことがさらに好ましい。
上記非晶質酸化物及びカルコゲナイドからなる化合物群のなかでも、半金属元素の非晶質酸化物、及びカルコゲナイドがより好ましく、周期律表第13(IIIB)族〜第15(VB)族の元素、Al、Ga、Si、Sn、Ge、Pb、Sb、Biの1種単独あるいはそれらの2種以上の組み合わせからなる酸化物、及びカルコゲナイドがさらに好ましい。好ましい非晶質酸化物及びカルコゲナイドの具体例としては、例えば、Ga、SiO、GeO、SnO、SnO、PbO、PbO、Pb、Pb、Pb、Sb、Sb、Sb、Bi、Bi、SnSiO、GeS、SnS、SnS、PbS、PbS、Sb、Sb、SnSiSなどが好ましく挙げられる。また、これらは、酸化リチウムとの複合酸化物、例えば、LiSnOであってもよい。
負極活物質の平均粒子径は、0.1μm〜60μmが好ましい。所定の粒子径にするには、よく知られた粉砕機や分級機が用いられる。例えば、乳鉢、ボールミル、サンドミル、振動ボールミル、衛星ボールミル、遊星ボールミル、旋回気流型ジェットミルや篩などが好適に用いられる。粉砕時には水、あるいはメタノール等の有機溶媒を共存させた湿式粉砕も必要に応じて行うことができる。所望の粒子径とするためには分級を行うことが好ましい。分級方法としては特に限定はなく、篩、風力分級機などを必要に応じて用いることができる。分級は乾式、湿式ともに用いることができる。負極活物質粒子の平均粒子径は、後述の実施例の項で示した無機固体電解質粒子の平均粒子径の測定方法と同様の方法により測定する。
上記焼成法により得られた化合物の組成式は、測定方法として誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析法、簡便法として、焼成前後の粉体の質量差から算出できる。
Sn、Si、Geを中心とする非晶質酸化物負極活物質に併せて用いることができる負極活物質としては、リチウムイオン又はリチウム金属を吸蔵・放出できる炭素材料や、リチウム、リチウム合金、リチウムと合金可能な金属が好適に挙げられる。
負極活物質はチタン原子を含有することが好ましい。より具体的には、LiTi12がリチウムイオンの吸蔵放出時の体積変動が小さいことから急速充放電特性に優れ、電極の劣化が抑制されリチウムイオン二次電池の寿命向上が可能となる点で好ましい。特定の負極と更に特定の電解液を組合せることにより、様々な使用条件においても二次電池の安定性が向上する。
本発明においては、Si元素を含有する負極活物質を適用することも好ましい。一般的にSi負極は、現行の炭素負極(黒鉛、アセチレンブラックなど)に比べて、より多くのLiイオンを吸蔵できる。すなわち、質量あたりのLiイオン吸蔵量が増加するため、電池容量を大きくすることができる。その結果、バッテリー駆動時間を長くすることができるという利点があり、車用のバッテリー等への使用が今後期待されている。
負極活物質の濃度は特に限定されないが、固体電解質組成物中、固形成分100質量%において、10〜80質量%が好ましく、20〜70質量%がより好ましい。なお、負極層が他の無機固体(例えば固体電解質)を含むときには、上記の濃度はそれを含むものとして解釈する。
なお、上記の実施形態では、本発明に係る固体電解質組成物に正極活物質ないし負極活物質を含有させる例を示したが、本発明はこれにより限定して解釈されるものではない。
例えば、上記特定のポリマーでない一般のポリマーを用いて正極活物質ないし負極活物質を含むペーストを調製してもよい。ただし、本発明においては、上述したとおり、上記特定のポリマーを正極活物質や負極活物質と組み合わせて用いることが好ましい。
また、正極および負極の活物質層には、適宜必要に応じて導電助剤を含有させてもよい。一般的な導電助剤としては、電子伝導性材料として、黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、炭素繊維や金属粉、金属繊維、ポリフェニレン誘導体などを含ませることができる。
<集電体(金属箔)>
正・負極の集電体は、化学変化を起こさない電子伝導体が好ましい。正極の集電体としては、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、チタンなどの他にアルミニウムやステンレス鋼の表面にカーボン、ニッケル、チタンあるいは銀を処理させたものが好ましく、その中でも、アルミニウム、アルミニウム合金がより好ましい。負極の集電体としては、アルミニウム、銅、ステンレス鋼、ニッケル、チタンが好ましく、アルミニウム、銅、銅合金がより好ましい。
上記集電体の形状としては、通常フィルムシート状のものが使用されるが、ネット、パンチされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の成形体なども用いることができる。
上記集電体の厚みとしては、特に限定されないが、1μm〜500μmが好ましい。また、集電体表面は、表面処理により凹凸を付けることも好ましい。
<全固体二次電池の作製>
全固体二次電池の作製は常法によればよい。具体的には、本発明の固体電解質組成物を集電体となる金属箔上に塗布し、塗膜を形成した電池用電極シートとする方法が挙げられる。
例えば、正極集電体である金属箔上に正極材料となる組成物を塗布後、乾燥し、正極活物質層を形成する。次いでその電池用正極シート上に、固体電解質組成物を塗布後、乾燥し、固体電解質層を形成する。さらに、その上に、負極材料となる組成物を塗布後、乾燥し、負極活物質層を形成する。その上に、負極側の集電体(金属箔)を重ねることで、正極層と負極層の間に、固体電解質層が挟まれた全固体二次電池の構造を得ることができる。なお、上記の各組成物の塗布方法は常法によればよい。このとき、正極活物質層をなす組成物、無機固体電解質層をなす組成物(固体電解質組成物)、及び負極活物質層をなす組成物のそれぞれの塗布の後に、乾燥処理を施しても良いし、重層塗布した後に乾燥処理をしても良い。乾燥温度は特に限定されないが、30℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましい。上限は、300℃以下が好ましく、250℃以下がより好ましい。このような温度範囲で加熱することで、分散媒体を除去し、固体状態とさせることができる。これにより、全固体二次電池において、良好な結着性を得ることができる。
<全固体二次電池の用途>
本発明に係る全固体二次電池は種々の用途に適用することができる。適用態様には特に限定はないが、例えば、電子機器に搭載する場合、ノートパソコン、ペン入力パソコン、モバイルパソコン、電子ブックプレーヤー、携帯電話、コードレスフォン子機、ページャー、ハンディーターミナル、携帯ファックス、携帯コピー、携帯プリンター、ヘッドフォンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、ポータブルCD、ミニディスク、電気シェーバー、トランシーバー、電子手帳、電卓、メモリーカード、携帯テープレコーダー、ラジオ、バックアップ電源、メモリーカードなどが挙げられる。その他民生用として、自動車、電動車両、モーター、照明器具、玩具、ゲーム機器、ロードコンディショナー、時計、ストロボ、カメラ、医療機器(ペースメーカー、補聴器、肩もみ機など)などが挙げられる。更に、各種軍需用、宇宙用として用いることができる。また、太陽電池と組み合わせることもできる。
なかでも、高容量且つ高レート放電特性が要求されるアプリケーションに適用されることが好ましい。例えば、今後大容量化が予想される蓄電設備等においては高い信頼性が必須となりさらに電池性能の両立が要求される。また、電気自動車などは高容量の二次電池を搭載し、家庭で日々充電が行われる用途が想定され、過充電時に対して一層の信頼性が求められる。本発明によれば、このような使用形態に好適に対応してその優れた効果を発揮することができる。
本発明の好ましい実施形態によれば、以下のような各応用形態が導かれる。
(1)周期律表第1族または第2族に属する金属のイオンの挿入放出が可能な活物質を含んでいる固体電解質組成物(正極または負極の電極用組成物)。
(2)上記固体電解質組成物を金属箔上に製膜した電池用電極シート。
(3)正極活物質層と負極活物質層と固体電解質層とを具備する全固体二次電池であって、上記正極活物質層、負極活物質層、および固体電解質層の少なくともいずれかを上記固体電解質組成物で構成した層とした全固体二次電池。
(4)上記固体電解質組成物を金属箔上に配置し、これを製膜する電池用電極シートの製造方法。
(5)上記電池用電極シートの製造方法を介して、全固体二次電池を製造する全固体二次電池の製造方法。
また、本発明の好ましい実施形態においては、界面活性剤を入れずにバインダー粒子を形成することができ、それに伴う副反応等の阻害因子を低減することができるという利点を有する。また、それに伴い、転層乳化工程を省略できることができ、相対的に製造効率の向上にもつながる。
全固体二次電池とは、正極、負極、電解質がともに固体で構成された二次電池を言う。換言すれば、電解質としてカーボネート系の溶媒を用いるような電解液型の二次電池とは区別される。このなかで、本発明は無機全固体二次電池を前提とする。全固体二次電池には、電解質としてポリエチレンオキサイド等の高分子化合物を用いる有機(高分子)全固体二次電池と、上記のLi−P−SやLLT、LLZ等を用いる無機全固体二次電池とに区分される。なお、無機全固体二次電池に高分子化合物を適用することは妨げられず、正極活物質、負極活物質、無機固体電解質粒子のバインダーとして高分子化合物を適用することができる。
無機固体電解質とは、上述した高分子化合物をイオン伝導媒体とする電解質(高分子電解質)とは区別されるものであり、無機化合物がイオン伝導媒体となるものである。具体例としては、上記のLi−P−SやLLT、LLZが挙げられる。無機固体電解質は、それ自体が陽イオン(Liイオン)を放出するものではなく、イオンの輸送機能を示すものである。これに対して、電解液ないし固体電解質層に添加して陽イオン(Liイオン)を放出するイオンの供給源となる材料を電解質と呼ぶことがあるが、上記のイオン輸送材料としての電解質と区別するときにはこれを「電解質塩」または「支持電解質」と呼ぶ。電解質塩としては例えばLiTFSI(リチウムビストリフルオロメタンスルホニルイミド)が挙げられる。
本発明において「組成物」というときには、2種以上の成分が均一に混合された混合物を意味する。ただし、実質的に均一性が維持されていればよく、所望の効果を奏する範囲で、一部において凝集や偏在が生じていてもよい。
以下に、実施例に基づき本発明についてさらに詳細に説明する。なお、本発明がこれにより限定して解釈されるものではない。以下の実施例において「部」および「%」というときには、特に断らない限り質量基準である。
本発明のポリマーの合成
例示化合物(A−1)の合成
300mLの3つ口フラスコに、2,2,3,3−テトラフルオロ−1,4−ブタンジオール(東京化成工業(株)製)16.0gとトリエチルアミン5.0gを加え、クロロホルム100mLで希釈した。この溶液を50℃で加熱撹拌しながら、テレフタル酸クロリド20.3gを加え、さらに50℃で3時間撹拌を続けた。得られた反応液をヘキサン500mLに加え、ポリマーの再沈を行った。得られた粉末をろ取し、80℃で真空乾燥し、例示化合物(A−1)に示すポリマーを得た。GPCによる質量平均分子量は36,800であった。また、ガラス転移温度は55℃であった。
例示化合物(A−26)の合成
300mLの3つ口フラスコに、2,2,3,3−テトラフルオロ−1,4−ブタンジオール(東京化成工業(株)製)4.6gとエタナコールUH−100(商品名、宇部興産(株)製)8.5gとイソホロンジイソシアネート8.5g(和光純薬工業(株)製)を加え、DMF100mLに希釈した。この溶液にネオスタン(登録商標)U−600(商品名、ビスマス系触媒、日東化成(株)製)0.12g加え、これを80℃に加熱し、80℃で6時間撹拌を続けた。得られた反応液をメタノール500mLに加え、ポリマーの再沈を行った。上澄み溶液をデカントし、得られたゴム状固体をろ取し、80℃で真空乾燥し、例示化合物(A−26)に示すポリマーを得た。GPCによる質量平均分子量は34,900であった。また、ガラス転移温度は12℃であった。
例示化合物(A−30)の合成
300mLの3つ口フラスコに、1,4−ブタンジオール(東京化成工業(株)製)1.8g、2,2,3,3−テトラフルオロ−1,4−ブタンジオール(東京化成工業(株)製)0.4g、フルオロリンク5174X(商品名、末端PEO変性、ソルベイジャパン(株)製)5.0g、さらにジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(東京化成工業(株)製)6.5gを加え、1,4−ジオキサン100mLに希釈した。この溶液にネオスタン(登録商標)U−600(商品名、ビスマス系触媒、日東化成(株)製)0.08g加え、これを80℃に加熱し、80℃で6時間撹拌を続けた。得られた反応液をメタノール500mLに加え、ポリマーの再沈を行った。上澄み溶液をデカントし、得られたゴム状固体をろ取し、80℃で真空乾燥し、例示化合物(A−30)に示すポリマーを得た。GPCによる質量平均分子量は58,300であった。またガラス転移温度は21℃であった。
例示化合物(A−36)の合成
300mLの3つ口フラスコに、2,2,3,3−テトラフルオロ−1,4−ブタンジオール(東京化成工業(株)製)0.3g、フォンブリンD2(商品名、分子量1500、ソルベイジャパン(株)製)4.3g、2,2−(ジヒドロキシメチル)ブタン酸0.1g、さらにイソホロンジイソシアネート(和光純薬工業(株)製)4.5gを加え、1,4−ジオキサン100mLに希釈した。この溶液にネオスタン(登録商標)U−600(商品名、ビスマス系触媒、日東化成(株)製)0.08g加え、これを80℃に加熱し、80℃で6時間撹拌を続けた。反応液をメタノール500mLに加え、ポリマーの再沈を行った。上澄み溶液をデカントし、得られたゴム状固体をろ取し、80℃で真空乾燥し、例示化合物(A−36)に示すポリマーを得た。GPCによる質量平均分子量は42,900であった。また、ガラス転移温度は−10℃であった。
例示化合物(A−12)、(A−13)、(A−22)、(A−23)、(A−27)〜(A−29)および(A−31)〜(A−33)の合成
上記例示化合物(A−1)、(A−26)、(A−30)および(A−36)の合成と同様にして、例示化合物(A−12)、(A−13)、(A−22)、(A−23)、(A−27)〜(A−29)および(A−31)〜(A−33)に示すポリマーを得た。
ここで、合成した例示化合物におけるx、y、pおよびqはいずれも、xおよびyは4.5であり、pおよびqは7である。
なお、質量平均分子量およびガラス転移温度は、表1および2にまとめて記載した。
なお、合成した上記ポリマーの含水率は、80℃で真空乾燥した後のポリマーを試料とし、カールフィッシャー液アクアミクロンAX(商品名、三菱化学(株)製)を用い、カールフィッシャー法により試料中の水分量(g)を測定し、水分量(g)を試料質量(g)で除して算出した。
ポリマーの含水率は、いずれも100ppm以下であった。
<Tgの測定方法>
合成した例示化合物のガラス転移温度(Tg)は、得られたポリマーについて、示差走査熱量計「X−DSC7000」(商品名、SII・ナノテクノロジー(株)製)を用いて下記の条件で測定した。測定は同一の試料で二回実施し、二回目の測定結果を採用した。
測定室内の雰囲気:窒素(50mL/min)
昇温速度:5℃/min
測定開始温度:−100℃
測定終了温度:200℃
試料パン:アルミニウム製パン
測定試料の質量:5mg
Tgの算定:DSCチャートの下降開始点と下降終了点の中間温度の小数点以下を四捨五入することでTgを算定した。
硫化物系無機固体電解質(Li−P−S系ガラス)の合成
本発明の硫化物固体電解質は、T.Ohtomo,A.Hayashi,M.Tatsumisago,Y.Tsuchida,S.Hama,K.Kawamoto,Journal of Power Sources,233,(2013),pp231−235およびA.Hayashi,S.Hama,H.Morimoto,M.Tatsumisago,T.Minami,Chem.Lett.,(2001),pp872−873の非特許文献を参考にして合成した。
具体的には、アルゴン雰囲気下(露点−70℃)のグローブボックス内で、硫化リチウム(LiS、Aldrich社製、純度>99.98%)2.42g、五硫化二リン(P、Aldrich社製、純度>99%)3.90gをそれぞれ秤量し、メノウ製乳鉢に投入し、メノウ製乳棒を用いて、5分間混合した。なお、LiSおよびPはモル比でLiS:P=75:25とした。
ジルコニア製45mL容器(フリッチュ社製)に、直径5mmのジルコニアビーズを66個投入し、上記硫化リチウムと五硫化二リンの混合物全量を投入し、アルゴン雰囲気下で容器を完全に密閉した。フリッチュ社製の遊星ボールミルP−7(商品名)に容器をセットし、温度25℃、回転数510rpmで20時間メカニカルミリングを行い、黄色粉体の硫化物固体電解質材料(Li−P−S系ガラス)6.20gを得た。
<実施例1>
固体電解質組成物の製造
(1)固体電解質組成物(K−1)の製造
ジルコニア製45mL容器(フリッチュ社製)に、直径5mmのジルコニアビーズを180個投入し、無機固体電解質LLZ(LiLaZr12 ランタンジルコン酸リチウム、平均粒子径5.06μm、豊島製作所製)9.0g、ポリマー(A−1)0.3g、分散媒体としてトルエン15.0gを投入した。その後、フリッチュ社製遊星ボールミルP−7(商品名)に容器をセットし、温度25℃、回転数300rpmで2時間分散を続け、固体電解質組成物(K−1)を製造した。
(2)固体電解質組成物(K−2)の製造
ジルコニア製45mL容器(フリッチュ社製)に、直径5mmのジルコニアビーズを180個投入し、上記で合成したLi−P−S系ガラス9.0g、ポリマー(A−1)0.3g、分散媒体としてヘプタン15.0gを投入した。その後、フリッチュ社製遊星ボールミルP−7(商品名)に容器をセットし、温度25℃、回転数300rpmで2時間分散を続け、固体電解質組成物(K−2)を製造した。
(3)固体電解質組成物(K−3)〜(K−10)および(HK−1)〜(HK−3)の製造
下記表1に記載の構成に変えた以外は、上記固体電解質組成物(K−1)および(K−2)と同様の方法で、固体電解質組成物(K−3)〜(K−10)および(HK−1)〜(HK−3)を製造した。
下記表1に、固体電解質組成物の構成をまとめて記載する。
ここで、固体電解質組成物(K−1)〜(K−10)が本発明の固体電解質組成物であり、固体電解質組成物(HK−1)〜(HK−3)が比較の固体電解質組成物である。
Figure 2016139512
<表1の注>
LLZ:LiLaZr12 ランタンジルコン酸リチウム(平均粒子径5.06μm、(株)豊島製作所製)
Li−P−S:上記で合成したLi−P−S系ガラス
PVdF:ポリビニレンジフルオリド
HSBR:水素添加スチレンブタジエンゴム
F/C比:ポリマーに含まれる、炭素原子に対するフッ素原子のモル比(仕込み量から算出)
(無機固体電解質粒子の平均粒子径の測定)
無機固体電解質粒子の平均粒子径の測定は、以下の手順で行った。無機粒子を水(水に不安定な物質の場合はヘプタン)を用いて1質量%の分散液を調製した。この分散液試料を用い、「レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置LA−920」(商品名、HORIBA社製)を用いて、無機固体電解質粒子の体積平均粒子径を測定した。
二次電池正極用組成物の製造
(1)正極用組成物(U−1)の製造
ジルコニア製45mL容器(フリッチュ社製)に、直径5mmのジルコニアビーズを180個投入し、無機固体電解質LLZ(LiLaZr12 ランタンジルコン酸リチウム、平均粒子径5.06μm、豊島製作所製)2.7g、ポリマー(A−1)0.3g、分散媒体としてトルエン12.3gを投入した。フリッチュ社製遊星ボールミルP−7(商品名)に容器をセットし、温度25℃、回転数300rpmで2時間分散を続けた後、活物質としてLCO(LiCoO コバルト酸リチウム、日本化学工業(株)製)7.0gを容器に投入し、同様に、遊星ボールミルP−7(商品名)に容器をセットし、温度25℃、回転数100rpmで15分間分散を続け、正極用組成物(U−1)を製造した。
(2)正極用組成物(U−2)の製造
ジルコニア製45mL容器(フリッチュ社製)に、直径5mmのジルコニアビーズを180個投入し、上記で合成したLi−P−S系ガラス2.7g、ポリマー(A−1)0.3g、分散媒体としてヘプタン12.3gを投入した。フリッチュ社製遊星ボールミルP−7(商品名)に容器をセットし、温度25℃、回転数300rpmで2時間分散を続けた後、活物質としてNMC(Li(Ni1/3Mn1/3Co1/3)O ニッケル、マンガン、コバルト酸リチウム、日本化学工業(株)製)7.0gを容器に投入し、同様に、遊星ボールミルP−7(商品名)に容器をセットし、温度25℃、回転数200rpmで15分間分散を続け、正極用組成物(U−2)を製造した。
(3)正極用組成物(U−3)〜(U−10)および(HU−1)〜(HU−3)の製造
下記表2に記載の構成に変えた以外は、上記正極用組成物(U−1)および(U−2)と同様の方法で、正極用組成物(U−3)〜(U−10)および(HU−1)〜(HU−3)を製造した。
下記表2に、正極用組成物の構成をまとめて記載する。
ここで、正極用組成物(U−1)〜(U−10)が本発明の正極用組成物であり、正極用組成物(HU−1)〜(HU−3)が比較の正極用組成物である。
Figure 2016139512
<表2の注>
LLZ:LiLaZr12 ランタンジルコン酸リチウム(平均粒子径5.06μm、(株)豊島製作所製)
Li−P−S:上記で合成したLi−P−S系ガラス
LCO:LiCoO コバルト酸リチウム
NMC:Li(Ni1/3Mn1/3Co1/3)O ニッケル、マンガン、コバルト酸リチウム
PVdF:ポリビニレンジフルオリド
PMMA:ポリメタクリル酸メチル
AC−1:ポリビニレンジフルオリド−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン(PVdF−TFE−HFP)共重合体(各単量体のモル組成比=PVdF:TFE:HFP=55:25:20、(株)クレハ製)
F/C比:ポリマーに含まれる、炭素原子に対するフッ素原子のモル比(仕込み量から算出)
二次電池負極用組成物の製造
(1)負極用組成物(S−1)の製造
ジルコニア製45mL容器(フリッチュ社製)に、直径5mmのジルコニアビーズを180個投入し、無機固体電解質LLZ(LiLaZr12 ランタンジルコン酸リチウム、平均粒子径5.06μm、豊島製作所製)5.0g、ポリマー(A−1)0.3g、分散媒体としてトルエン12.3gを投入した。フリッチュ社製遊星ボールミルP−7(商品名)に容器をセットし、温度25℃、回転数300rpmで2時間分散を続けた後、アセチレンブラック7.0gを容器に投入し、同様に、遊星ボールミルP−7(商品名)に容器をセットし、温度25℃、回転数100rpmで15分間分散を続け、負極用組成物(S−1)を製造した。
(2)負極用組成物(S−2)の製造
ジルコニア製45mL容器(フリッチュ社製)に、直径5mmのジルコニアビーズを180個投入し、上記で合成したLi−P−S系ガラス2.7g、ポリマー(A−1)0.3g、分散媒体としてヘプタン12.3gを投入し。フリッチュ社製遊星ボールミルP−7(商品名)に容器をセットし、度25℃、回転数300rpmで2時間分散を続けた後、活物質としてアセチレンブラック7.0gを容器に投入し、同様に、遊星ボールミルP−7(商品名)に容器をセットし、温度25℃、回転数200rpmで15分間分散を続け、負極用組成物(S−2)を製造した。
(3)負極用組成物(S−3)〜(S−10)および(HS−1)〜(HS−4)の製造
下記表3に記載の構成に変えた以外は、上記負極用組成物(S−1)および(S−2)と同様の方法で、負極用組成物(S−3)〜(S−10)および(HS−1)〜(HS−4)を製造した。
下記表3に、負極用組成物の構成をまとめて記載する。
ここで、負極用組成物(S−1)〜(S−10)が本発明の負極用組成物であり、負極用組成物(HS−1)〜(HS−4)が比較の負極用組成物である。
Figure 2016139512
<表3の注>
LLZ:LiLaZr12 ランタンジルコン酸リチウム(平均粒子径5.06μm、(株)豊島製作所製)
Li−P−S:上記で合成したLi−P−S系ガラス
PVdF:ポリビニレンジフルオリド
HSBR:水素添加スチレンブタジエンゴム
PMMA:ポリメタクリル酸メチル
AB:アセチレンブラック
F/C比:ポリマーに含まれる、炭素原子に対するフッ素原子のモル比(仕込み量から算出)
二次電池用正極シートの製造
上記で製造した二次電池正極用組成物を厚み20μmのアルミ箔上に、クリアランスが調節可能なアプリケーターにより塗布し、80℃で1時間加熱後、さらに110℃で1時間加熱し、塗布溶媒を乾燥した。その後、ヒートプレス機を用いて、任意の密度になるように加熱および加圧し、二次電池用正極シートを製造した。
二次電池用電極シートの製造
上記で製造した二次電池用正極シート上に、上記で製造した固体電解質組成物を、クリアランスが調節可能なアプリケーターにより塗布し、80℃で1時間加熱後、さらに110℃で1時間加熱した。その後、上記で製造した二次電池負極用組成物を、乾燥した固体電解質組成物上にさらに塗布し、80℃で1時間加熱後、さらに110℃で1時間加熱した。負極層上に厚み20μmの銅箔を合わせ、ヒートプレス機を用いて、任意の密度になるように加熱および加圧し、下記表4に記載の二次電池用極シートの試験No.101〜110およびc11〜c14を製造した。二次電池用電極シートは図1の構成を有する。正極層、負極層および固体電解質層は、それぞれ下記表4に記載の膜厚を有する。
全固体二次電池の製造
上記で製造した二次電池用電極シート15を直径14.5mmの円板状に切り出し、露点−60℃の湿度条件下、スペーサーとワッシャーを組み込んだステンレス製の2032型コインケース14に入れ、図2に示した試験体を用いて、コインケース14の外部から拘束圧(ネジ締め圧:8N)をかけ、下記表4に記載の試験No.101〜110およびc11〜c14の全固体二次電池13を製造した。なお、図2において、11が上部支持板、12が下部支持板、Sがネジである。
上記で製造した試験No.101〜110およびc11〜c14の全固体二次電池について、以下の評価を行った。
<電池電圧の評価>
上記で製造した全固体二次電池の電池電圧を、東洋システム(株)製の充放電評価装置「TOSCAT−3000」により測定した。
充電は、電流密度2A/mで電池電圧が4.2Vに達するまで行い、4.2Vに到達後は、電流密度が0.2A/m未満となるまで、定電圧充電を実施した。放電は、電流密度2A/mで電池電圧が3.0Vに達するまで行った。これを繰り返し、3サイクル目の5mAh/g放電後の電池電圧を読み取り、以下の基準で評価した。なお、評価「C」以上が本試験の合格レベルである。
(評価基準)
A:4.0V以上
B:3.9V以上4.0V未満
C:3.8V以上3.9V未満
D:3.8V未満
<サイクル特性の評価>
上記で製造した全固体二次電池のサイクル特性を、東洋システム(株)製の充放電評価装置「TOSCAT−3000」により測定した。
充放電は、上記電池電圧評価と同様の条件で行った。3サイクル目の放電容量を100とし、放電容量が80未満となったときのサイクル数から、以下の基準で評価した。なお、評価「C」以上が本試験の合格レベルである。
(評価基準)
A:50回以上
B:40回以上50回未満
C:30回以上40回未満
D:30回未満
<耐湿性の評価>
上記で製造した二次電池用電極シートを直径14.5mmの円板状に2つ切り出し、1つは、アルゴン雰囲気下(露点−40℃)でコインケースに入れ、上記全固体二次電池の製造と同様の方法により、一般的な作成法による全固体二次電池を作成した。もう1つは、耐湿性を評価するため、湿度5%のアルゴン雰囲気下でコインケースに入れ、上記全固体二次電池の製造と同様の方法により、高湿度での作成法による全固体二次電池を作成した。
2つの異なる全固体二次電池について、上記サイクル特性の評価と同様の条件により、それぞれ放電容量が80未満となったときのサイクル数を測定した。下記式により、電池の性能維持率を求め、耐湿性を以下の基準で評価した。なお、評価「B」以上が本試験の合格レベルである。
性能維持率(%)=(高湿度での作成法による全固体二次電池のサイクル数)/(一般的な作成法による全固体二次電池のサイクル数)×100
A:性能維持率が90%以上
B:性能維持率が70%以上90%未満
C:性能維持率が30%以上70%未満
D:性能維持率が30%未満
下記表4に、二次電池用電極シートおよび全固体二次電池の構成および評価結果をまとめて記載する。
ここで、試験No.101〜110が本発明に用いられるポリマーを使用した二次電池用電極シートおよび全固体二次電池であり、試験No.c11〜c14が比較のポリマーを使用した二次電池用電極シートおよび全固体二次電池である。
なお、下記表4において、電池電圧は電圧と省略して記載した。
Figure 2016139512
表4に示す結果から明らかなように、式(I)で表される構造単位およびヘテロ原子を、主鎖中に有するポリマーを用いた本発明の全固体二次電池101〜110は、高い電池電圧、サイクル特性及び耐湿性を有する。
一方、いずれの層もポリマーを有さない比較例のc11は、電池電圧、サイクル特性、耐湿性のいずれも不十分であった。主鎖中に、式(I)で表される構造単位およびヘテロ原子を有さないポリマーを用いた比較例のc13は、電池電圧、耐湿性が不十分であった。また、主鎖中にヘテロ原子を有さない、ポリビニレンジフルオリドまたはポリビニレンジフルオリド−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体を用いた比較例のc12、c14およびc15では、いずれも結着性が低く、サイクル特性が不十分であった。
1 負極集電体
2 負極活物質層
3 固体電解質層
4 正極活物質層
5 正極集電体
6 作動部位
10 全固体二次電池
11 上部支持板
12 下部支持板
13 コイン電池
14 コインケース
15 二次電池用電極シート
S ネジ

Claims (17)

  1. 正極活物質層、負極活物質層および無機固体電解質層を具備する全固体二次電池であって、
    該正極活物質層、負極活物質層および無機固体電解質層の少なくともいずれかの層がポリマーおよび無機固体電解質を含み、
    前記ポリマーが、主鎖中に、下記式(I)で表される構造単位およびヘテロ原子を含有し、
    前記無機固体電解質が、周期律表第1族または第2族に属する金属のイオンの伝導性を有する
    全固体二次電池。
    Figure 2016139512
    式(I)中、LおよびLは、各々独立に単結合、エーテル基、カルボニル基、イミノ基、アルキレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、シクロアルキレン基またはこれらの組み合わせを表し、f1は1以上の整数を表す。
  2. 前記式(I)で表される構造単位が、下記式(IIa)または(IIb)で表される構造単位の少なくともいずれか一方であって、
    前記ポリマーの主鎖中に含有されるヘテロ原子が、下記式(IIb)で表される構造単位を構成するエーテル酸素原子とは異なるヘテロ原子である請求項1に記載の全固体二次電池。
    Figure 2016139512
    式(IIa)および(IIb)中、L1aおよびL2aは、各々独立に単結合、エーテル基、カルボニル基、イミノ基、アルキレン基、アリーレン基、シクロアルキレン基またはこれらの組み合わせを表し、f2aおよびf2bは、各々独立に2以上の整数を表す。ただし、L1aとL2aの組み合わせが単結合とエーテル基であることはない。
  3. 前記ポリマーが、質量平均分子量15,000以上500,000未満である請求項1または2に記載の全固体二次電池。
  4. 前記ポリマーが、エステル結合、アミド結合、イミド結合、ウレタン結合、カーボネート結合、ウレア結合、エーテル結合およびスルフィド結合からなる群から選択される結合を、主鎖中に少なくとも一種類有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の全固体二次電池。
  5. 前記ポリマーが、アミド結合、イミド結合、ウレタン結合およびウレア結合からなる群から選択される結合を、主鎖中に少なくとも一種類有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の全固体二次電池。
  6. 前記ポリマーが、ウレタン結合を主鎖中に少なくとも有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の全固体二次電池。
  7. 前記ポリマーが、官能基群(I)から選ばれる官能基を少なくとも一つ含有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の全固体二次電池。
    官能基群(I)群
    カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基、ヒドロキシ基、−CONR 、シアノ基、−NR 、メルカプト基、エポキシ基、(メタ)アクリル基。ただし、Rは水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。
  8. 前記ポリマーが、ガラス転移温度が50℃未満である請求項1〜7のいずれか1項に記載の全固体二次電池。
  9. 前記ポリマーに含まれる、炭素原子に対するフッ素原子のモル比が0.01〜1である請求項1〜8のいずれか1項に記載の全固体二次電池。
  10. 前記無機固体電解質が硫化物系の無機固体電解質である請求項1〜9のいずれか1項に記載の全固体二次電池。
  11. 前記無機固体電解質が酸化物系の無機固体電解質である請求項1〜9のいずれか1項に記載の全固体二次電池。
  12. 前記無機固体電解質が下記式の化合物から選ばれる請求項11に記載の全固体二次電池。
    ・LiLaTiO
    x=0.3〜0.7、y=0.3〜0.7
    ・LiLaZr12
    ・Li3.5Zn0.25GeO
    ・LiTi12
    ・Li1+x+y(Al,Ga)(Ti,Ge)−xSi−yO12
    0≦x≦1、0≦y≦1
    ・LiPO
    ・LiPON
    ・LiPOD
    Dは、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、
    Zr、Nb、Mo、Ru、Ag、Ta、W、Pt、及びAu
    から選ばれた少なくとも1種
    ・LiAON
    Aは、Si、B、Ge、Al、C、Ga等から選ばれた
    少なくとも1種
  13. 主鎖中に、下記式(I)で表される構造単位およびヘテロ原子を含有するポリマーと、
    周期律表第1族または第2族に属する金属のイオンの伝導性を有する無機固体電解質とを含有する、
    全固体二次電池に用いる固体電解質組成物。
    Figure 2016139512
    式(I)中、LおよびLは、各々独立に単結合、エーテル基、カルボニル基、イミノ基、アルキレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、シクロアルキレン基またはこれらの組み合わせを表し、f1は1以上の整数を表す。
  14. 前記無機固体電解質100質量部に対して、前記ポリマーを0.01質量部以上20質量部以下で含有させてなる請求項13に記載の固体電解質組成物。
  15. 請求項13または14に記載の固体電解質組成物を金属箔上に製膜した電池用電極シート。
  16. 請求項13または14に記載の固体電解質組成物を金属箔上に製膜する電池用電極シートの製造方法。
  17. 請求項15または16に記載の電池用電極シートを用いて全固体二次電池を製造する全固体二次電池の製造方法。
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