JP2016138467A - 内燃機関用リンク機構のアクチュエータ - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、相対回転を許容しつつスラスト力を受ける摺動部材の径方向の大きさを確保しうる内燃機関用リンク機構のアクチュエータを提供することを目的とする。
図1は本発明の内燃機関用リンク機構のアクチュエータを備えた内燃機関の概略図である。基本的な構成は、特開2011−169152号公報の図1に記載されているものと同じであるため、簡単に説明する。内燃機関のシリンダブロックのシリンダ内を往復運動するピストン1には、ピストンピン2を介してアッパリンク3の上端が回転自在に連結されている。アッパリンク3の下端には、連結ピン6を介してロアリンク5が回転自在に連結されている。ロアリンク5には、クランクピン4aを介してクランクシャフト4が回転自在に連結されている。また、ロアリンク5には、連結ピン8を介して第1制御リンク7の上端部が回転自在に連結されている。第1制御リンク7の下端部は、複数のリンク部材を有する連結機構9と連結されている。連結機構9は、第1制御軸10と、第2制御軸11と、第1制御軸10及び第2制御軸11とを連結する第2制御リンク12と、を有する。
図2は実施例1の内燃機関用リンク機構のアクチュエータの斜視図、図3は実施例1の内燃機関用リンク機構のアクチュエータの平面図、図4は実施例1の内燃機関用リンク機構のアクチュエータの左側面図、図5は実施例1の内燃機関用リンク機構のアクチュエータの要部断面図、図6は実施例1の内燃機関用リンク機構のアクチュエータのA−A断面図である。内燃機関用リンク機構のアクチュエータは、図2〜図6に示すように、駆動モータ22と、駆動モータ22の先端側に取り付けられた波動歯車型減速機21と、波動歯車型減速機21を内部に収容するハウジング20と、ハウジング20に回転自在に支持された第2制御軸11と、を有する。
駆動モータ22は、ブラシレスモータであり、有底円筒状のモータケーシング45と、モータケーシング45の内周面に固定された筒状のコイル46と、コイル46の内側に回転自在に設けられたロータ47と、一端部48aがロータ47の中心に固定されたモータ駆動軸48と、モータ駆動軸48の回転角度を検出するレゾルバ55と、を有する。モータ駆動軸48は、モータケーシング45の底部に設けられたボールベアリング52により回転可能に支持されている。モータケーシング45は、前端外周に4つのボス部45aを有する。ボス部45aには、ボルト49が挿通するボルト挿通孔45bが貫通形成されている。
第2制御軸11は、軸方向に延在された軸部本体23と、軸部本体23から拡径した固定用フランジ24とを有する。第2制御軸11は、鉄系金属材料により軸部本体23及び固定用フランジ24が一体形成されている。軸部本体23は、軸方向に段差形状が形成され、先端部側の小径な第1ジャーナル部23aと、アームリンク13の圧入用孔13aが第1ジャーナル部23a側から圧入される中径な固定部23bと、固定用フランジ24側の大径な第2ジャーナル部23cとを有する。また、固定部23bと第2ジャーナル部23cとの間には、第1段差部23dが形成されている。また、第1ジャーナル部23aと固定部23bとの間には、第2段差部23eが形成されている。
固定用フランジ24は、外周部の円周方向に6つのボルト挿通孔24aが等間隔に形成されている。このボルト挿通孔24aに6本のボルト25を挿通し、スラストプレート26を介して波動歯車型減速機21の内歯であるサーキュラスプライン27と結合する。
ハウジング20は、アルミニウム合金材料によって略立方体形状に形成されている。ハウジング20の後端側には大径円環状の開口溝部20aが形成されている。この開口溝部20aは、Oリング51を介してカバー28により閉塞される。カバー28は、中央位置にモータ軸貫通孔28aが貫通するモータ軸貫通孔28aと、径方向外周側に向けて拡径された4つのボス部28bとを有する。カバー28とハウジング20とは、ボス部28bに貫通形成されたボルト挿通孔にボルト43を挿通することで締結固定される。
角度センサ32は、保持孔31の内周面に圧入固定されたキャップ状のセンサカバー32aと、センサカバー32aの内周側に配置され第2制御軸11と一体に回転するロータ32bと、センサカバー32aの中央に設けられ、ロータ32bの回転位置を検出するセンサ部32cと、を有する。ロータ32bは、先端突起部32dが第2制御軸11の軸部本体23の先端側に形成されたロータ固定用孔23sに圧入固定されている。センサ部32cは、検出されたロータ位置信号を、機関運転状態を検出する図外のコントロールユニットに出力する。
波動歯車型減速機21は、ハーモニックドライブ(登録商標)型であって、各構成部品がカバー28によって閉塞されたハウジング20の開口溝部20a内に収容されている。波動歯車型減速機21は、第2制御軸11の固定用フランジ24にボルト固定され、内周に複数の内歯27aが形成された円環状の第1サーキュラスプライン27と、第1サーキュラスプライン27の内径側に配置され、撓み変形可能であって外周面に内歯27aと噛合する外歯36aを有するフレックススプライン36と、楕円形上に形成され外周面がフレックススプライン36の内周面に沿って摺動する波動発生器であるウェーブジェネレータ37と、フレックススプライン36の外径側に配置され、内周面に外歯36aと噛合する内歯38aが形成された第2サーキュラスプライン38と、を有する。
図7は実施例1の内燃機関用リンク機構のアクチュエータのハウジングとカバーとの結合部における拡大断面図である。カバー28の波動歯車型減速機21側の端面281には、ボルト41が螺合する雌ねじ部28cと、第2スラストプレート42の厚みと略同じ深さであって第2スラストプレート42を収装するプレート収容部281aと、プレート収容部281aから駆動モータ22側に屈曲形成された有底円筒状の段差部であるベアリング収容部281bと、ベアリング収容部281bの底面281cの内径位置において軸方向ウェーブジェネレータ側に立設された円筒状のシール収容部281dと、を有する。上述のモータ軸貫通孔28aは、シール収容部281dよりも更に内径側に形成されている。
なお、ボールベアリング300はスラスト方向の荷重を受けられれば良く、例えば4点接触軸受やアンギュラ軸受でも良い。
円筒状部371bの内径側には、円筒状部371bの内周面よりも小径のシール収容部281dを有する。シール収容部281dの内周と、モータ駆動軸48の外周との間には、波動歯車型減速機21を収容する開口溝部20aと駆動モータ22との間を液密にシールするシール部材310が設けられている。シール収容部281dは、円筒状部371bの内径側において立設する。言い換えると、シール収容部281dは、円筒状部371b及びボールベアリング300と径方向から見て重なるように形成されている。よって、軸方向寸法の増大を抑制できる。
以下、実施例1に記載の内燃機関用リンク機構のアクチュエータが奏する効果を列挙する。
(1−1)一端部が内燃機関のリンク機構に連結された第2制御リンク12(制御リンク)と、回転することにより第2制御リンク12の姿勢を変化させる第2制御軸11(制御軸)と、第2制御軸11を回転自在に支持するハウジング20と、駆動モータ22の出力軸であるモータ駆動軸48の回転速度を減速して第2制御軸11に伝達する波動歯車型減速機21と、を備え、波動歯車型減速機21は、ハウジング20に設けられ、内歯を有する第2サーキュラスプライン38(サーキュラスプライン)と、第2サーキュラスプライン38の内側に配置され、外周に外歯36aが形成されたフレックススプライン36と、モータ駆動軸48によって回転し、フレックススプライン36を楕円形に撓ませてフレックススプライン36の外歯36aを第2サーキュラスプライン38の内歯38aに部分的に噛み合わせると共に、フレックススプライン36とサーキュラスプライン38との噛合い箇所を回転させるウェーブジェネレータ37と、ウェーブジェネレータ37とハウジング20もしくはモータケーシング45(モータハウジング)との間に設けられたボールベアリング52及びボールベアリング300(転がり軸受)と、を有し、ボールベアリング300の外輪301の軸方向であってハウジング20もしくはモータケーシング45(モータハウジング)に対して軸方向両側への移動を規制する規制部(ウェーブジェネレータ37側への移動を規制する第2スラストプレート42と、ハウジング20もしくはモータケーシング45(モータハウジング)に対してウェーブジェネレータ37側と反対側への移動を規制するベアリング収容部281bの底面281c)と、を設けたことを特徴とする内燃機関用リンク機構のアクチュエータ。
よって、ボールベアリング300の径を大きくすることができると共に軸方向の両方向へのスラスト力を受けることが可能となり、部品点数を削減しつつ軸方向の短縮化を図ることができる。
よって、圧縮比を変更することで、燃費の向上を図ることができる。尚、可変圧縮比機構では、各ピストンからの反力をリンク機構によって受け止める力が非常に大きくなる。このとき、スラスト力に対して効果的に抑制することで、安定した圧縮比の変更制御を実現できる。
(1−3)上記(1−2)に記載の内燃機関用リンク機構のアクチュエータにおいて、ウェーブジェネレータ37は、軸方向の駆動モータ22側に延設された円筒状部371bを有し、該円筒状部371bとハウジング20との間に、ボールベアリング300を設けたことを特徴とする内燃機関用リンク機構のアクチュエータ。
よって、ボールベアリング300を駆動モータ22により近い位置に設けることが可能となり、モータ駆動軸48の変形を抑制できる。また、第2制御軸11側への軸方向寸法の増大を抑制できる。
(1−4)上記(1−3)に記載の内燃機関用リンク機構のアクチュエータにおいて、内輪302は、円筒状部371bの外周に圧入固定されていることを特徴とする内燃機関用リンク機構のアクチュエータ。
よって、波動歯車型減速機21とボールベアリング300をモジュール化することができ、カバー28に対して容易に組み付けられる。
よって、ボールベアリング300に両方向のスラスト力が作用したとしても、ウェーブジェネレータ37やモータ駆動軸48の軸方向位置を規制することができ、安定した作動状態を実現できる。
(1−6)上記(1−5)に記載の内燃機関用リンク機構のアクチュエータにおいて、第2スラストプレート42は、第2サーキュラスプライン38とボールベアリング300の間に介在されることを特徴とする内燃機関用リンク機構のアクチュエータ。
よって、フレックススプライン36から第2スラストプレート42にスラスト力が作用したとしても、ボールベアリング300によって第2スラストプレート42をサポートすることができ、安定した作動状態を実現できる。
(1−7)上記(1−6)に記載の内燃機関用リンク機構のアクチュエータにおいて、第2スラストプレート42は、ハウジング20にボルト41により固定されることを特徴とする内燃機関用リンク機構のアクチュエータ。
よって、ボルト41の締め付けトルクによって、簡単に第2スラストプレート42の規制力を確保することができる。
(1−8)上記(1−2)に記載の内燃機関用リンク機構のアクチュエータにおいて、ボールベアリング300は、ウェーブジェネレータ37の軸方向の駆動モータ22側に設けられていることを特徴とする内燃機関用リンク機構のアクチュエータ。
よって、ウェーブジェネレータ37と第2制御軸11との間のスペースを拡大する必要が無く、軸方向寸法の増大を抑制できる。
よって、ボールベアリング300のベアリング容量を確保できる。
次に、実施例2について説明する。基本的な構成は実施例1と同じであるため、異なる点についてのみ説明する。図8は実施例2の内燃機関用リンク機構のアクチュエータのA−A断面図である。実施例1では、モータ駆動軸48及びウェーブジェネレータ37の本体部371を、ボールベアリング52とボールベアリング300の2つで軸支した。これに対し、実施例2では、更に、ウェーブジェネレータ37の第2制御軸11側にボールベアリング400を設けた点が異なる。具体的には、本体部371の端面から延設された筒状部371cを設け、第2制御軸11の固定用フランジ24端面に円環状の段差部24bを設け、筒状部371c及び段差部24bによりボールベアリング400を保持している。これにより、モータ駆動軸48やウェーブジェネレータ37をより安定的に保持できる。また、ウェーブジェネレータ37の第2制御軸11側に向けたスラスト力が発生した際、ボールベアリング400によりスラスト力を受けることで、ボールベアリング300や第2スラストプレート42の負担を軽減し、耐久性の向上を図ることができる。また、減速機収容室となる潤滑室内にボールベアリング400を追加するため、開放型のボールベアリングを採用でき、コストアップを抑制できる。
次に、実施例3について説明する。基本的な構成は実施例1と同じであるため、異なる点についてのみ説明する。図9は実施例3の内燃機関用リンク機構のアクチュエータのA−A断面図である。実施例1では、モータ駆動軸48及びウェーブジェネレータ37の本体部371を、ボールベアリング52とボールベアリング300の2つで軸支した。これに対し、実施例3では、更に、ベアリング収容部281bの底面281cから、駆動モータ22側のモータ収容室側に向けて立設された円筒状のベアリング収容部281eと、ベアリング収容部281eとモータ駆動軸48との間に配置されたボールベアリング500を有する。
このように、モータ駆動軸48をモータ収容室内の2か所において軸支することで、モータ駆動軸48やウェーブジェネレータ37をより安定的に保持できる。また、ベアリング収容部281eの底面281fとボールベアリング500の端面とを当接することで、軸方向波動歯車型減速機21側へのスラスト力に伴う移動を規制することができ、ボールベアリング300や第2スラストプレート42の負担を軽減し、耐久性の向上を図ることができる。
(11)一端部が内燃機関のリンク機構に連結された制御リンクと、
回転することによって前記制御リンクの姿勢を変化させる制御軸と、
該制御軸を回転自在に支持するハウジングと、
モータ出力軸を回転駆動する駆動モータと、
前記モータ出力軸の回転速度を減速して前記制御軸に伝達する波動歯車型減速機と、
を備え、
前記波動歯車型減速機は、
前記制御軸と一体回転する内歯を有する第1サーキュラスプラインと、
前記ハウジングに固定され、前記第1サーキュラスプラインより歯数の多い内歯を有する第2サーキュラスプラインと、
前記第1サーキュラスプライン及び第2サーキュラスプラインの内側に配置され、弾性変形すると共に外周に前記第1サーキュラスプラインの内歯の歯数と同数の外歯が形成されたフレックススプラインと、
前記駆動モータの出力軸によって回転し、前記フレックススプラインを楕円形に撓ませて前記フレックススプラインの外歯を前記第1及び第2サーキュラスプラインの内歯に部分的に噛み合わせると共に、前記フレックススプラインと前記第2サーキュラスプラインとの噛合い箇所を回転させるウェーブジェネレータと、
該ウェーブジェネレータと前記ハウジングとの間に設けられた転がり軸受と、
を有し、
前記転がり軸受は、前記ウェーブジェネレータにかかる軸方向の両方向の荷重を受けるようにしたことを特徴とする内燃機関用リンク機構のアクチュエータ。
よって、転がり軸受により両方向へのスラスト力を受けることが可能となり、部品点数を削減しつつ軸方向の短縮化を図ることができる。
(12)上記(11)に記載の内燃機関用リンク機構のアクチュエータにおいて、
前記転がり軸受の内輪は、前記ウェーブジェネレータの軸方向に延出した円筒部に固定されていることを特徴とする内燃機関用リンク機構のアクチュエータ。
よって、軸方向寸法の増大を抑制できる。
(13)上記(12)に記載の内燃機関用リンク機構のアクチュエータにおいて、
前記内輪は、前記円筒部の外周に圧入固定されていることを特徴とする内燃機関用リンク機構のアクチュエータ。
よって、波動歯車型減速機と転がり軸受をモジュール化することができ、駆動モータに対して容易に組み付けられる。
前記転がり軸受の外輪は、軸方向一端側が前記ハウジングに設けられた段差部に軸方向から当接することで前記外輪の軸方向一端側への移動を規制し、軸方向他端側が前記ハウジングに固定されたプレートに軸方向から当接することで前記外輪の軸方向他端側への移動を規制することを特徴とする内燃機関用リンク機構のアクチュエータ。
よって、転がり軸受に両方向のスラスト力が作用したとしても、ウェーブジェネレータやモータ出力軸の軸方向位置を規制することができ、安定した作動状態を実現できる。
(15)上記(14)に記載の内燃機関用リンク機構のアクチュエータにおいて、
前記プレートは、前記サーキュラスプラインと前記転がり軸受の間に介在されることを特徴とする内燃機関用リンク機構のアクチュエータ。
よって、フレックススプラインからプレートにスラスト力が作用したとしても、転がり軸受によってプレートをサポートすることができ、安定した作動状態を実現できる。
(16)上記(14)に記載の内燃機関用リンク機構のアクチュエータにおいて、
前記プレートは、前記ハウジングにボルト固定されることを特徴とする内燃機関用リンク機構のアクチュエータ。
よって、ボルトの締め付けトルクによって、簡単にプレートの規制力を確保することができる。
(17)上記(11)に記載の内燃機関用リンク機構のアクチュエータにおいて、
前記内燃機関リンク機構は、前記制御リンクの作動によって内燃機関のピストンの上死点位置と下死点位置の少なくとも一方を変化させて、機関圧縮比を変更可能な可変圧縮比機構であることを特徴とする内燃機関用リンク機構のアクチュエータ。
よって、圧縮比を変更することで、燃費の向上を図ることができる。尚、可変圧縮比機構では、各ピストンからの反力をリンク機構によって受け止める力が非常に大きくなる。このとき、スラスト力に対して効果的に抑制することで、安定した圧縮比の変更制御を実現できる。
(18)一端部が内燃機関のリンク機構に連結された第2制御リンク12(制御リンク)と、第2制御リンク12の他端部に回転自在に連結されたアームリンク13と、該アームリンク13が固定される第2制御軸11(制御軸)と、モータケーシング45に挿通したモータ駆動軸48及びウェーブジェネレータ37(出力軸)を回転駆動する駆動モータ22と、モータ駆動軸48の回転速度を減速して第2制御軸11に伝達する波動歯車型減速機21(減速機)と、第2制御軸11を回転自在に支持すると共に、波動歯車型減速機21を収容する減速機収容室を有するハウジング20と、ハウジング20に設けられ、減速機収容室へ潤滑油を供給する軸方向油路64b及び径方向油路65a(潤滑油供給油路)と、モータケーシング45内に設けられ、モータ駆動軸48を回転自在に軸支するボールベアリング52(第1軸受)と、減速機収容室内に設けられ、モータ駆動軸48及びウェーブジェネレータ37を回転自在に軸支するボールベアリング300(第2軸受)と、モータケーシング45とモータ駆動軸48との間をシールするシール部材310と、を備えたことを特徴とする内燃機関用リンク機構のアクチュエータ。
すなわち、ボールベアリング300を潤滑室である減速機収容室内に配置した。仮に、乾燥室であるモータ収容室内にベアリングを配置する場合、潤滑を確保するために潤滑油封入タイプの高価なベアリングを採用する必要がある。これに対し、潤滑室内であれば、潤滑油が供給されるため、開放型のボールベアリング300を採用することができ、コストを削減できる。
(19)上記(18)に記載の内燃機関用リンク機構のアクチュエータにおいて、波動歯車型減速機21は、モータ駆動軸48と連結したウェーブジェネレータ37(減速機入力部)を有し、ウェーブジェネレータ37の軸方向駆動モータ側に円筒状部371bが延設され、ボールベアリング300は、円筒状部371bの外周と減速機収容室との間に設けられていることを特徴とする内燃機関用リンク機構のアクチュエータ。
よって、モータ駆動軸48の軸受と、ウェーブジェネレータ37の軸受とを一つのボールベアリング300により兼用したため、部品点数を削減できる。
(20)上記(19)に記載の内燃機関用リンク機構のアクチュエータにおいて、円筒状部371bの径方向内側にシール部材310が位置していることを特徴とする内燃機関用リンク機構のアクチュエータ。
よって、シール部材310とボールベアリング300を径方向から見てオーバーラップして配置でき、軸方向寸法を短縮化できる。
(21)上記(20)に記載の内燃機関用リンク機構のアクチュエータにおいて、ボールベアリング300は、開放型のボールベアリングであることを特徴とする内燃機関用リンク機構のアクチュエータ。
よって、波動歯車型減速機21や第2制御軸11を潤滑するための潤滑油が摺動部に入りやすく、潤滑性を確保できる。
(22)上記(21)に記載の内燃機関用リンク機構のアクチュエータにおいて、ボールベアリング300は、ボールベアリング52よりも大径に構成したことを特徴とする内燃機関用リンク機構のアクチュエータ。
よって、ベアリング容量を十分に確保できる。
(23)上記(18)に記載の内燃機関用リンク機構のアクチュエータにおいて、ボールベアリング300は、波動歯車型減速機21の軸方向駆動モータ22側に設けられていることを特徴とする内燃機関用リンク機構のアクチュエータ。
よって、ボールベアリング300をより駆動モータ22に近い位置で支持することで、モータ駆動軸48の変形を抑制しつつ、第2制御軸11側への軸方向寸法の増大を抑制できる。
以上、各実施例に基づいて説明したが、上記実施例に限らず、他の構成を採用しても構わない。例えば、実施例1では、円筒状部371bの外周にボールベアリング300の内輪302を圧入固定した。これに対し、外輪301をハウジング20に圧入固定してもよい。
(2−9)上記(1−4)に記載の内燃機関用リンク機構のアクチュエータにおいて、外輪301は、ハウジング20に圧入固定されることを特徴とする内燃機関用リンク機構のアクチュエータ。
これにより、例えば、カバー28,モータケーシング45及びボールベアリング300をモジュール化できるため、波動歯車型減速機21を容易に組み付けられる。
また、モータ駆動軸48と本体部371とを圧入結合した例を示したが、セレーション結合やボルトとナットによって締結してもよい。
3 アッパリンク
4 クランクシャフト
4a クランクピン
5 ロアリンク
7 制御リンク
9 連結機構
10 第1制御軸
11 第2制御軸
12 第2制御リンク
13 アームリンク
20 ハウジング
20a 開口溝部
21 波動歯車型減速機
22 駆動モータ
23 軸部本体
23a 第1ジャーナル部
23c 第2ジャーナル部
23d 第1段差部
23e 第2段差部
24b 段差部
26 スラストプレート
27 第1サーキュラスプライン
27a 内歯
28 カバー
28a モータ軸貫通孔
29 収容室
30 支持孔
30a 軸受孔
30b 減速機側貫通孔
30c 段差孔縁部
31 保持孔
32 角度センサ
36 フレックススプライン
36a 外歯
37 ウェーブジェネレータ
38 第2サーキュラスプライン
38a 内歯
38b フランジ
38c ボルト挿通孔
41 ボルト
42 第2スラストプレート
43 ボルト
44a 供給用パイプ
44b 排出用パイプ
45 モータケーシング
48 モータ駆動軸
48a 一端部
48b 他端部
52 ベアリング
281 端面
281a プレート収容部
281b ベアリング収容部
281c 底面
281d シール収容部
281e ベアリング収容部
281f 底面
300 ボールベアリング
301 外輪
302 内輪
303 ボール
310 シール部材
371 本体部
371a 駆動モータ側側面
371b 円筒状部
371c 筒状部
372 ボールベアリング
400 ベアリング
500 ベアリング
Claims (9)
- 一端部が内燃機関のリンク機構に連結された制御リンクと、
回転することにより前記制御リンクの姿勢を変化させる制御軸と、
該制御軸を回転自在に支持するハウジングと、
駆動モータの出力軸の回転速度を減速して前記制御軸に伝達する波動歯車型減速機と、
を備え、
前記波動歯車型減速機は、
前記ハウジングに設けられ、内歯を有するサーキュラスプラインと、
該サーキュラスプラインの内側に配置されると共に外周に外歯が形成され、前記制御軸に回転を伝達するフレックススプラインと、
前記駆動モータの出力軸によって回転し、前記フレックススプラインを楕円形に撓ませて前記フレックススプラインの外歯を前記サーキュラスプラインの内歯に部分的に噛み合わせると共に、前記フレックススプラインと前記サーキュラスプラインとの噛合い箇所を回転させるウェーブジェネレータと、
該ウェーブジェネレータと前記ハウジングもしくは前記駆動モータのモータハウジングとの間に設けられ、内輪が前記ウェーブジェネレータに対して固定された転がり軸受と、
を有し、
前記転がり軸受の外輪を、該転がり軸受の軸方向であって前記ハウジングもしくは前記駆動モータのモータハウジングに対して軸方向両側への移動を規制する規制部を設けたことを特徴とする内燃機関用リンク機構のアクチュエータ。 - 請求項1に記載の内燃機関用リンク機構のアクチュエータにおいて、
前記内燃機関リンク機構は、前記制御リンクの作動によって内燃機関のピストンの上死点位置と下死点位置の少なくとも一方を変化させて、機関圧縮比を変更可能な可変圧縮比機構であることを特徴とする内燃機関用リンク機構のアクチュエータ。 - 請求項2に記載の内燃機関用リンク機構のアクチュエータにおいて、
前記ウェーブジェネレータは、軸方向の前記駆動モータ側に延設された円筒状部を有し、該円筒状部と前記ハウジングとの間に、前記転がり軸受を設けたことを特徴とする内燃機関用リンク機構のアクチュエータ。 - 請求項3に記載の内燃機関用リンク機構のアクチュエータにおいて、
前記内輪は、前記円筒状部の外周に圧入固定されていることを特徴とする内燃機関用リンク機構のアクチュエータ。 - 請求項4に記載の内燃機関用リンク機構のアクチュエータにおいて、
前記転がり軸受の外輪は、軸方向一端側が前記ハウジングに設けられた段差部に軸方向から当接することで前記外輪の軸方向一端側への移動を規制し、軸方向他端側が前記ハウジングに固定されたプレートに軸方向から当接することで前記外輪の軸方向他端側への移動を規制することを特徴とする内燃機関用リンク機構のアクチュエータ。 - 一端部が内燃機関のリンク機構に連結された制御リンクと、
回転することによって前記制御リンクの姿勢を変化させる制御軸と、
該制御軸を回転自在に支持するハウジングと、
モータ出力軸を回転駆動する駆動モータと、
前記モータ出力軸の回転速度を減速して前記制御軸に伝達する波動歯車型減速機と、
を備え、
前記波動歯車型減速機は、
前記ハウジングに固定され、内歯を有するサーキュラスプラインと、
該サーキュラスプラインの内側に配置されると共に、径方向に弾性変形し外周に外歯が形成され、前記制御軸と共に回転するフレックススプラインと、
前記駆動モータの出力軸によって回転し、前記フレックススプラインを楕円形に撓ませて前記フレックススプラインの外歯を前記サーキュラスプラインの内歯に部分的に噛み合わせると共に、前記フレックススプラインと前記サーキュラスプラインとの噛合い箇所を回転させるウェーブジェネレータと、
該ウェーブジェネレータと前記ハウジングとの間に設けられた転がり軸受と、
を有し、
前記転がり軸受は、前記ウェーブジェネレータにかかる軸方向の両方向の荷重を受けるようにしたことを特徴とする内燃機関用リンク機構のアクチュエータ。 - 請求項6に記載の内燃機関用リンク機構のアクチュエータにおいて、
前記転がり軸受の外輪は、前記ハウジングに固定されていると共に、前記転がり軸受の内輪は、前記ウェーブジェネレータの軸方向に延出した円筒部に固定されていることを特徴とする内燃機関用リンク機構のアクチュエータ。 - 請求項7に記載の内燃機関用リンク機構のアクチュエータにおいて、
前記内輪は、前記円筒部の外周に圧入固定されていることを特徴とする内燃機関用リンク機構のアクチュエータ。 - 請求項6に記載の内燃機関用リンク機構のアクチュエータにおいて、
前記内燃機関リンク機構は、前記制御リンクの作動によって内燃機関のピストンの上死点位置と下死点位置の少なくとも一方を変化させて、機関圧縮比を変更可能な可変圧縮比機構であることを特徴とする内燃機関用リンク機構のアクチュエータ。
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