JP2016138178A - (メタ)アクリル重合体の微粉体およびその製造方法 - Google Patents

(メタ)アクリル重合体の微粉体およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ゴムおよびプラスチックとの親和性が高く、前記成分へ配合した際または樹脂モノマー中に分散させて樹脂モノマーを硬化させた際に、補強剤やレオロジーコントロール剤として機能し、かつ、得られる組成物のハンドリング性も優れる、(メタ)アクリル重合体の微粉体およびその製造方法を提供する。
【解決手段】(メタ)アクリル系多官能モノマーを50質量%以上含むモノマー成分を重合して得られる(メタ)アクリル重合体の微粉体であり、前記微粉体は、平均粒径0.5μm以下の1次粒子が凝集して2次粒子を形成している、(メタ)アクリル重合体の微粉体。
【選択図】図1

Description

本発明は、(メタ)アクリル重合体の微粉体およびその製造方法に関する。
従来、ゴムやプラスチックのフィラーとして、無機シリカ粉体などが広く使用されていたが、汎用されている無機シリカ粉体は表面が親水性であり、ゴムやプラスチックへの親和性を上げるためには特殊な表面処理を行う必要があった。
これに対し、非水系溶媒中で重合された(メタ)アクリル重合体の微粉体をフィラーとして用いる場合、ゴムやプラスチックへの親和性が上記シリカ粉体と比較して高いという利点がある。
非水系溶媒中で重合して得られる(メタ)アクリル重合体の微粉体としては、例えば、特許文献1〜3に開示される微粉体が知られている。
特許文献1には、ジエチレングリコールジメタクリレートなどの架橋性モノマーを、有機溶媒中で重合させ、表面に修飾可能な二次的反応性官能基が残されているとともに、粒径が均一な高分子微粒子の製造方法が開示されている。
特許文献2には、ポリ不飽和モノマーをシリコン系溶剤中で重合させた微孔性の吸油性ポリマー微粒子が開示されている。特許文献2では、この微粒子から形成された凝集体および集塊体の形態も開示されている。
特許文献3には、2個以上の不飽和二重結合を有する単量体と、親水性官能基または活性水素基を有する不飽和単量体とを含む原料モノマーを、原料モノマーは溶解するが生成するポリマーは溶解しない媒体中で重合を行うことで得られる架橋球状ポリマー微粒子の製造方法が開示されている。
特開2007−197565号公報 特開平10−244153号公報 特開2006−282772号公報
本発明の課題は、ゴムおよびプラスチックとの親和性が高く、前記成分へ配合した際または樹脂モノマー中に分散させて樹脂モノマーを硬化させた際に、補強剤やレオロジーコントロール剤として機能し、かつ、得られる組成物のハンドリング性も優れる、(メタ)アクリル重合体の微粉体およびその製造方法を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、(メタ)アクリル系多官能モノマーを特定量含むモノマー成分を重合して得られる特定の(メタ)アクリル重合体の微粉体を用いることにより、上記課題を解決できることを見出した。
本発明は、例えば以下の[1]〜[7]である。
[1](メタ)アクリル系多官能モノマーを50質量%以上含むモノマー成分を重合して得られる(メタ)アクリル重合体の微粉体であり、前記微粉体は、平均粒径0.5μm以下の1次粒子が凝集して2次粒子を形成している、(メタ)アクリル重合体の微粉体。
[2]前記(メタ)アクリル重合体が、前記モノマー成分100質量%中、(メタ)アクリル系多官能モノマーを98質量%以上含むモノマー成分を重合して得られる、[1]に記載の(メタ)アクリル重合体の微粉体。
[3]前記(メタ)アクリル重合体が、前記モノマー成分100質量%中、(メタ)アクリロイル基を3個以上有する(メタ)アクリル系多官能モノマーを50質量%以上含み、かつ、(メタ)アクリロイル基を2個有する(メタ)アクリル系2官能モノマーと(メタ)アクリロイル基を3個以上有する(メタ)アクリル系多官能モノマーとを合計で98質量%以上含むモノマー成分、または、(メタ)アクリロイル基を3個以上有する(メタ)アクリル系多官能モノマーを98質量%以上含むモノマー成分を重合して得られる、[2]に記載の(メタ)アクリル重合体の微粉体。
[4]前記(メタ)アクリル重合体の、FT−IRにおける1797〜1662cm-1の範囲に測定される、カルボニル基に由来する最大吸収ピークの高さ(A)と、1662〜1587cm-1の範囲に測定される、ビニル基に由来する最大吸収ピークの高さ(B)との吸収ピーク高さ比(B)/(A)×100が1.5以上である、[1]〜[3]のいずれかに記載の(メタ)アクリル重合体の微粉体。
[5]前記(メタ)アクリル重合体が、前記モノマー成分は溶解するが、前記(メタ)アクリル重合体は溶解しない重合溶媒中で、前記モノマー成分を重合することにより得られる、[1]〜[4]のいずれかに記載の(メタ)アクリル重合体の微粉体。
[6][1]〜[5]のいずれかに記載の(メタ)アクリル重合体の微粉体を製造する方法であって、(メタ)アクリル系多官能モノマーを50質量%以上含むモノマー成分を、前記モノマー成分は溶解するが、生成する(メタ)アクリル重合体は溶解しない重合溶媒中で重合する工程を有する、(メタ)アクリル重合体の微粉体の製造方法。
[7]超音波を照射しながら前記モノマー成分を重合する、[6]に記載の(メタ)アクリル重合体の微粉体の製造方法。
本発明によれば、ゴムおよびプラスチックとの親和性が高く、前記成分へ配合して得られる組成物のハンドリング性も優れる、(メタ)アクリル重合体の微粉体およびその製造方法を提供することができる。また、当該(メタ)アクリル重合体の微粉体は、ゴムやプラスチックに練り込んだ際または樹脂モノマー中に分散させて樹脂モノマーを硬化させた際に、補強剤やレオロジーコントロール剤としても機能する。
図1は、実施例1で得られた(メタ)アクリル重合体の微粉体の走査型電子顕微鏡画像である。 図2は、実施例2で得られた(メタ)アクリル重合体の微粉体の走査型電子顕微鏡画像である。 図3は、比較例1で得られた(メタ)アクリル重合体の微粉体の走査型電子顕微鏡画像である。
以下、本発明の(メタ)アクリル重合体の微粉体およびその製造方法を説明する。
本明細書において、「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイルおよびメタクリロイルの両方または一方を示すために用いられ、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートおよびメタクリレートの両方または一方を示すために用いられ、「(メタ)アクリル」は、アクリルおよびメタクリルの両方または一方を示すために用いられる。
〔(メタ)アクリル重合体の微粉体〕
本発明の(メタ)アクリル重合体の微粉体は、平均粒径0.5μm以下の(メタ)アクリル重合体の1次粒子が凝集して形成された2次粒子を含む。以下、(メタ)アクリル重合体の微粉体を「微粉体」ともいう。
本発明の(メタ)アクリル重合体の微粉体は、親油性が高いので、ゴムおよびプラスチックへの親和性が高い。したがって、この微粉体を前記成分に配合する際に、特殊な表面処理を行う必要がない。この微粉体は、ゴムおよびプラスチックへ練り込んだ際または樹脂モノマー中に分散させて樹脂モノマーを硬化させた際に、補強剤やレオロジーコントロール剤として高い機能を発揮する。
前記(メタ)アクリル重合体は、以下に説明する(メタ)アクリル系多官能モノマーを50質量%以上含むモノマー成分を重合して得られる。前記モノマー成分として、(メタ)アクリル系多官能モノマーとともに、官能基含有モノマーおよびその他のモノマーから選ばれる少なくとも一種を用いてもよい。
[(メタ)アクリル系多官能モノマー]
(メタ)アクリル系多官能モノマーとは、(メタ)アクリロイル基を2個以上有する化合物であり、(メタ)アクリロイル基を2個有する(メタ)アクリル系2官能モノマー、(メタ)アクリロイル基を3個有する(メタ)アクリル系3官能モノマー、(メタ)アクリロイル基を4個有する(メタ)アクリル系4官能モノマーなどが挙げられる。
(メタ)アクリル系多官能モノマーの(メタ)アクリロイル基数は、通常、2個以上、好ましくは3個以上6個以下である。
(メタ)アクリル系2官能モノマーとしては、例えば、
(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの(ポリ)アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;
1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ブチルエチルプロパンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,7−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどのアルカンジオールジ(メタ)アクリレート;
エトキシ化シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタンジ(メタ)アクリレート;
が挙げられる。
(メタ)アクリロイル基を3個以上有する(メタ)アクリル系多官能モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが挙げられる。
(メタ)アクリル系多官能モノマーは、1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
(メタ)アクリル重合体は、前記モノマー成分100質量%中、前記(メタ)アクリル系多官能モノマーを50質量%以上、好ましくは80質量%以上、より好ましくは98質量%以上含むモノマー成分を重合して得られる。前記(メタ)アクリル系多官能モノマーを前記範囲内で含むモノマー成分を重合させることにより、所定の割合で、(メタ)アクリル重合体の微粉体に炭素−炭素二重結合を存在させることができる。(メタ)アクリル重合体の微粉体は、炭素−炭素二重結合量が多いほど、補強剤やレオロジーコントロール剤として高い機能を有する。
前記モノマー成分100質量%中、(メタ)アクリロイル基を3個以上有する(メタ)アクリル系多官能モノマーを50質量%以上含むことが好ましく、80質量%以上含むことがより好ましく、98質量%以上含むことがさらに好ましい。(メタ)アクリロイル基を3個以上有する(メタ)アクリル系多官能モノマーを用いると、製造される(メタ)アクリル重合体の微粉体を、ゴムやプラスチックに練り込んだ際または樹脂モノマー中に分散させて樹脂モノマーを硬化させた際に、破断までの伸びを長くすることができ、補強材して高い機能を発揮する。
[官能基含有モノマー]
本発明の(メタ)アクリル重合体の微粉体は、特殊な表面処理を受けずとも、ゴムおよびプラスチックへの親和性が高いが、前記微粉体の表面状態制御のため、フッ素置換基、ヒドロキシ基、グリジシル基等の官能基を有する官能基含有モノマーをモノマー成分中に含有してもよい。
前記官能基含有モノマーとしては、例えば、フッ素置換基含有モノマー、ヒドロキシ基含有モノマー、グリジシル基含有モノマーが挙げられる。
フッ素置換含有モノマーとしては、例えば、フッ素置換(メタ)アクリレートが挙げられる。
ヒドロキシ基含有モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、クロロ−2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
グリジシル基含有モノマーとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレートが挙げられる。
前記官能含有モノマーは、1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
前記官能含有モノマーを用いる場合は、前記官能基含有モノマーは、モノマー成分100質量%中、0.01〜50質量%含むことが好ましく、0.01〜10質量%含むことがより好ましく、0.01〜2質量%含むことが特に好ましい。
[その他のモノマー]
その他のモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル系単官能モノマー、芳香族モノビニル系モノマー、芳香族ジビニル系モノマー、付加重合性不飽和脂肪族モノカルボン酸、付加重合性不飽和脂肪族ジカルボン酸、ビニルエステル系モノマー、ビニルエーテル系モノマー、モノオレフィン系モノマー、ハロゲン化オレフィン系モノマー、ジオレフィンモノマーが挙げられる。
(メタ)アクリル系単官能モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−ヘキシル(メタ)アクリルアミド、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルへキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロへキシル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレートおよびイソボルニル(メタ)アクリレートが挙げられる。
芳香族モノビニル系モノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、α−クロロスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、スチレンスルホン酸ナトリウムが挙げられる。
芳香族ジビニル系モノマーとしては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジビニルナフタレン、ジアリルフタレートが挙げられる。
付加重合性不飽和脂肪族モノカルボン酸としては、例えば、クロトン酸、α−メチルクロトン酸、α−エチルクロトン酸、イソクロトン酸、チグリン酸、ウンゲリカ酸が挙げられる。
付加重合性不飽和脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸、ヒドロムコン酸が挙げられる。
ビニルエステル系モノマーとしては、例えば、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルが挙げられる。
ビニルエーテル系モノマーとしては、例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニル-n−ブチルエーテル、ビニルフェニルエーテル、ビニルシクロヘキシルエーテルが挙げられる。
モノオレフィン系モノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチルペンテン−1が挙げられる。
ハロゲン化オレフィン系モノマーとしては、例えば、塩化ビニル、塩化ビニリデンが挙げられる。
ジオレフィンモノマーとしては、例えば、ブタジエン、イソプレン、クロロプレンが挙げられる。
その他のモノマーは、1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
[(メタ)アクリル重合体の微粉体の構成]
本発明の(メタ)アクリル重合体の微粉体では、平均粒径0.5μm以下の(メタ)アクリル重合体の1次粒子が凝集して、2次粒子を形成している。平均粒径は電子顕微鏡観察によって測定することができる。1次粒子の平均粒径は、0.5μm以下であり、好ましくは0.01μm以上0.1μm未満である。また、2次粒子の平均粒径は、用途や生産性などの点から通常1〜10000μm、好ましくは1〜1000μmである。上記のように2次粒子を含む(メタ)アクリル重合体の微粉体は、ハンドリング性に優れる。
本発明の(メタ)アクリル重合体の微粉体は、吸収ピーク高さ比(B)/(A)×100が1.5以上であることが好ましく、2.0以上13以下であることがより好ましい。ここで、前記微粉体についてFT−IR(フーリエ変換赤外吸収スペクトル)を測定した場合に、(A)は、1797〜1662cm-1の範囲に測定される、カルボニル基に由来する最大吸収ピークの高さであり、(B)は、1662〜1587cm-1の範囲に測定される、ビニル基に由来する最大吸収ピークの高さである。吸収ピーク高さ比(B)/(A)×100の値が大きいほど、前記微粉体が二重結合を多く含むことを示す。
前記微粉体中の二重結合量は、使用するモノマー成分の種類により調整することが可能である。炭素−炭素二重結合量が多いと、前記微粉体は、これをゴムやプラスチックへ練り込んだ際または樹脂モノマー中に分散させて樹脂モノマーを硬化させた際に、補強剤およびレオロジーコントロール剤として高い機能を発揮する。
〔(メタ)アクリル重合体の微粉体の製造方法〕
(メタ)アクリル重合体の微粉体を形成する(メタ)アクリル重合体の製造方法は公知の方法を採用でき、例えば、析出重合が挙げられる。ここで、析出重合とは、モノマー成分は溶解し、生成するポリマーは溶解しない溶媒中で行う重合のことをいう。析出重合は、重合体粒子の粒子径の制御および分散性の点で好ましい。
重合溶媒は特に限定されず、一般的な溶媒の中から、使用する原料等に応じて適宜選択することができる。前記モノマー成分を溶解し、生成する(メタ)アクリル重合体は溶解しない重合溶媒を使用することが好ましい。親油性が高くゴムやプラスチックヘの親和性に優れた重合体を得られる点で、有機溶媒を使用することが特に好ましい。
重合溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、イソペンチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチルブタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、2−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール等のアルコール類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、イソプロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のエーテルアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、(アルキル)セロソルブアセテート、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート等のエステル類; ペンタン、2−メチルブタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、2−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、2,2,3−トリメチルペンタン、デカン、ノナン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、p − メンタン、ジシクロヘキシル、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の脂肪族又は芳香族炭化水素類;四塩化炭素、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、テトラブロムエタン等のハロゲン化炭化水素類;エチルエーテル、ジメチルエーテル、トリオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;メチラール、ジエチルアセタール等のアセタール類;ギ酸、酢酸、プロピオン酸等の脂肪酸類;ニトロプロペン、ニトロベンゼン、ジメチルアミン、モノエタノールアミン、ピリジン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、N−メチル−2−ピロリドン等の硫黄、窒素含有有機化合物類が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
重合溶媒は特に限定されないが、(メタ)アクリル系多官能モノマーおよび(メタ)アクリル系単官能モノマーなどのモノマー成分を溶解し、生成する(メタ)アクリル重合体を析出させる観点で、溶解度パラメータ(SP値)が7〜15程度である重合溶媒を使用することが好ましい。また、析出した2次粒子を回収する際の溶媒除去の観点から、常圧下で沸点が60〜105℃の重合溶媒を使用することが好ましい。
重合溶媒の使用量は、モノマー成分100質量部に対して、通常200〜2000質量部、好ましくは500〜2000質量部、より好ましくは800〜2000質量部である。重合溶媒の使用量が前記範囲にあると、重合反応中における2次粒子の形態が制御しやすい点で好ましい。
(メタ)アクリル重合体を製造する際、モノマー成分の重合を開始させるために、重合開始剤を使用することが好ましい。重合開始剤としては、重合の際に使用される重合溶媒に可溶な重合開始剤であることが好ましく、好適に用いられる重合開始剤としては、例えば、過酸化物、アゾ系化合物が挙げられる。
過酸化物の例としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、ジアルキルパーエステルなどが挙げられる。アゾ系化合物の例としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などが挙げられる。
重合開始剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
重合開始剤の使用量は、モノマー成分の合計100質量部に対し、0.01〜10質量部であることが好ましい。重合開始剤の使用量が前記範囲にあると、不飽和二重結合が多く残存する(メタ)アクリル重合体の微粉体を製造できる。
(メタ)アクリル重合体を製造する際、さらに、必要に応じて他の成分を使用することができる。他の成分としては、本発明の効果を損なわない限り、特に限定されないが、例えば、分散安定剤、界面活性剤が挙げられる。
なお、親油性を高め、ゴムやプラスチックへの親和性に優れた微粉体を得るためには、分散安定剤および界面活性剤の使用量は、前記モノマー成分100質量部に対してそれぞれ、1質量部以下であることが好ましく、0.1質量部以下であることがより好ましく、0質量部であることが特に好ましい。
分散安定剤および界面活性剤としては、使用する有機溶媒に溶解するものであれば特に限定なく使用することができる。
重合温度はモノマーの種類に応じて適宜選択される。重合温度は、通常50〜90℃、より好ましくは60〜80℃である。また、重合時間は、通常0.1〜5時間、より好ましくは0.5〜1時間である。
公知の機械的手段で撹拌しながら、重合を行ってもよい。
重合時に、超音波照射を行ってもよい。超音波照射を行うことにより、1次粒子の凝集を調整し適度な大きさの2次粒子を得ることができ、さらに2次粒子の凝集を抑制することができる。超音波の強度としては特に制限されないが、100〜1000W/Lが好ましい。
また、(メタ)アクリル重合体の微粉体は、吸引濾過、遠心分離、クロスフロー洗浄装置等の溶媒除去工程、棚段乾燥、真空乾燥、スプレードライ等の乾燥工程、粉砕工程等を経て製造されることが好ましい。また、得られた微粉体は、粒子径を揃えるために、必要に応じて分級してもよい。
〔用途〕
本発明の(メタ)アクリル重合体の微粉体は、一般的なフィラーや添加剤として好適に用いることが可能であり、ゴムやプラスチックへ練り込んだ際に、粒子中の炭素−炭素二重結合によって、補強剤やレオロジーコントロール剤として機能する。特に樹脂マトリックスが(メタ)アクリル系共重合体からなるものは、樹脂マトリックスと本発明の微粉体との間で炭素−炭素二重結合により架橋構造が形成することもできるため、強度を極めて向上させることができる。
前記微粉体は、フィラーとして用いる際に、アクリルモノマー等の樹脂モノマー中に分散させ、前記微粉体を含む樹脂モノマーを硬化させて使用することもできるし、ゴムやプラスチックに練り込んで使用することもできる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔平均粒径〕
(メタ)アクリル重合体の微粉体の平均粒径は、走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて測定した。1次粒子においては、任意の10個の粒径を測定し、その平均値を平均粒径とした。
〔FT−IR測定〕
FT−IR(HORIBA社製)を用いて(メタ)アクリル重合体の微粉体を測定し、1797〜1662cm-1のカルボニル基に由来する最大吸収ピーク高さ(A)および1662〜1587cm-1のビニル基に由来する最大吸収ピーク高さ(B)を測定し、吸収ピーク高さ比(B)/(A)×100を算出した。
[実施例1]
攪拌装置、窒素ガス導入管、温度計および還流冷却管を備えた反応装置に、トリメチロールプロパントリアクリレート100質量部、重合溶媒である酢酸エチル(アルドリッチ社製)900質量部、重合開始剤である2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(アルドリッチ社製)1質量部を仕込み反応溶液を得た。
前記反応溶液に、窒素ガス導入および超音波照射をしながら、反応溶液の温度を70℃まで昇温し、重合反応を進行させた。反応溶液の温度が70℃に達すると直ちにポリマーの析出が確認された。
反応溶液を70℃で1時間保持した後、反応器を室温まで冷却し重合反応を停止させた。その後、反応溶液をろ過して析出物を分離したのち、乾燥させ、(メタ)アクリル重合体の微粉体を得た。
得られた微粉体の1次粒子の平均粒径は0.04μmであり、2次粒子の平均粒径は1μm以上であった。また、FT−IRで測定した吸収ピーク高さ比(B)/(A)×100は、2.5であった。実施例1で得られた(メタ)アクリル重合体の微粉体の走査型電子顕微鏡画像を図1に示す。
[実施例2]
トリメチロールプロパントリアクリレート100質量部を、エチレングリコールジメタクリレート100質量部に変更した以外は実施例1と同様の方法で(メタ)アクリル重合体の微粉体を得た。
得られた微粉体の1次粒子の平均粒径は0.04μmであり、2次粒子の平均粒径は1μm以上であった。また、FT−IRで測定した吸収ピーク高さ比(B)/(A)×100は、4.4であった。実施例2で得られた(メタ)アクリル重合体の微粉体の走査型電子顕微鏡画像を図2に示す。
[比較例1]
トリメチロールプロパントリアクリレート100質量部を、メタクリル酸メチル60質量部およびトリメチロールプロパントリアクリレート40質量部に、酢酸エチルをイソプロピルアルコールに変更した以外は、実施例1と同様の方法で(メタ)アクリル重合体の微粉体を得た。
得られた微粉体の1次粒子の平均粒径は2.1μmであり、2次粒子の平均粒径は10μm以上であった。また、FT−IRで測定した吸収ピーク面積比(B)/(A)×100は、1.0であった。比較例1で得られた(メタ)アクリル重合体の微粉体の走査型電子顕微鏡画像を図3に示す。
〔破断強度〕
2−エチルヘキシルアクリレート90質量部およびアクリル酸10質量部からなるモノマー混合液に、光重合開始剤としてIrgacure 500(BASF社製)0.5質量部を混合し、上記実施例または比較例で作製した(メタ)アクリル重合体の微粉体を5体積%となるように分散させ分散体を得た。得られた分散体をポリエチレンテレフタラート(PET)セパレータ上にシート状に塗布し、紫外線照射を行い硬化させ、アクリルゴム成形体を得た。得られた成形体について、以下の様にして引張試験により破断強度を評価した。
得られた成形体を幅20mm、長さ30mmにカットし、両端から10mmの所に標線を引き、測定長10mmを残して、試料の両端をビニールテープで固定し補強した。この試料の両端を引張り試験機のチャックに固定し、引張り速度200mm/分で測定し、破断強度(MPa)を求めた。また、破断までの伸びを測定した。
結果を表1に示す。

Claims (7)

  1. (メタ)アクリル系多官能モノマーを50質量%以上含むモノマー成分を重合して得られる(メタ)アクリル重合体の微粉体であり、
    前記微粉体は、平均粒径0.5μm以下の1次粒子が凝集して2次粒子を形成している、(メタ)アクリル重合体の微粉体。
  2. 前記(メタ)アクリル重合体が、前記モノマー成分100質量%中、(メタ)アクリル系多官能モノマーを98質量%以上含むモノマー成分を重合して得られる、請求項1に記載の(メタ)アクリル重合体の微粉体。
  3. 前記(メタ)アクリル重合体が、前記モノマー成分100質量%中、
    (メタ)アクリロイル基を3個以上有する(メタ)アクリル系多官能モノマーを50質量%以上含み、かつ、(メタ)アクリロイル基を2個有する(メタ)アクリル系2官能モノマーと(メタ)アクリロイル基を3個以上有する(メタ)アクリル系多官能モノマーとを合計で98質量%以上含むモノマー成分、または、
    (メタ)アクリロイル基を3個以上有する(メタ)アクリル系多官能モノマーを98質量%以上含むモノマー成分
    を重合して得られる、請求項2に記載の(メタ)アクリル重合体の微粉体。
  4. 前記(メタ)アクリル重合体の、FT−IRにおける1797〜1662cm-1の範囲に測定される、カルボニル基に由来する最大吸収ピークの高さ(A)と、1662〜1587cm-1の範囲に測定される、ビニル基に由来する最大吸収ピークの高さ(B)との吸収ピーク高さ比(B)/(A)×100が1.5以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の(メタ)アクリル重合体の微粉体。
  5. 前記(メタ)アクリル重合体が、前記モノマー成分は溶解するが、前記(メタ)アクリル重合体は溶解しない重合溶媒中で、前記モノマー成分を重合することにより得られる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の(メタ)アクリル重合体の微粉体。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の(メタ)アクリル重合体の微粉体を製造する方法であって、(メタ)アクリル系多官能モノマーを50質量%以上含むモノマー成分を、前記モノマー成分は溶解するが、生成する(メタ)アクリル重合体は溶解しない重合溶媒中で重合する工程を有する、(メタ)アクリル重合体の微粉体の製造方法。
  7. 超音波を照射しながら前記モノマー成分を重合する、請求項6に記載の(メタ)アクリル重合体の微粉体の製造方法。
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