JP2016138007A - 現場打ちコンクリート系杭用の水硬性材料用混和剤、現場打ちコンクリート系杭用の水硬性材料及び現場打ちコンクリート系杭 - Google Patents

現場打ちコンクリート系杭用の水硬性材料用混和剤、現場打ちコンクリート系杭用の水硬性材料及び現場打ちコンクリート系杭 Download PDF

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【課題】高強度の現場打ちコンクリート系杭を築造可能であり、材料不分離性及びブリージング抑制に優れる水硬性材料用混和剤及び水硬性材料と、高強度の現場打ちコンクリート系杭とを提供する。
【解決手段】現場打ちコンクリート系杭用の水硬性材料用混和剤は、A成分及びB成分を含み、前記A成分が、ジアルデヒド処理水溶性アルキルセルロース、ジアルデヒド処理水溶性ヒドロキシアルキルアルキルセルロース等から選ばれる少なくとも1種であり、前記A成分の1重量%の水溶液の20℃における粘度が1,000〜100,000mPa・sであり、前記A成分のジアルデヒドによる処理量がセルロースに対して2〜10重量%であり、前記B成分がエステル系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤等から選ばれる少なくとも1種であり、前記A成分と前記B成分との重量比(A/B)が1〜99である。
【選択図】図1

Description

本発明は、現場打ちコンクリート系杭用の水硬性材料用混和剤、現場打ちコンクリート系杭用の水硬性材料及びこの水硬性材料を硬化した現場打ちコンクリート系杭に関する。
軟弱な地盤の上に建物を建てる場合、柱状改良工法、小口径鋼管杭を埋設する工法等により地盤を補強することが行われている。柱状改良工法は、地盤に杭孔を掘削しながら、掘削した土に固化材を混入して撹拌することにより、土を固化材で固めた柱状改良杭を築造する工法である。
また、前記柱状改良工法に代わるものとして、特許文献1に、先端に掘削爪を有する掘削オーガにより地盤に杭孔を掘削し、その杭孔にセメント等からなる水硬性材料を充填しながら掘削オーガを地盤から引き上げることにより、水硬性材料が固化した置換コラムを築造する工法が提案されている。
特開2011−106253号公報
特許文献1では、現場の土を固化材と混合させないので、従来の柱状改良工法の各問題が生じない(以後、水硬性材料置換コラムの築造方法という。)。
水硬性材料置換コラムの築造方法に用いる水硬性材料には、打設後、混練水が分離してコンクリート上面に上昇する現象(以後、ブリージングという。)の発生を抑制するために、ベントナイト及び塩基性炭酸マグネシウムが用いられている。
当該ベントナイトは大量に配合が必要な為、水硬物である杭の強度低下があること、塩基性炭酸マグネシウムは、水硬物である杭の引張強度が非常に弱いことなどから、水硬物である杭に鉄筋等の芯材を入れないと実用化できない、強度不足の問題があった。
水硬性材料置換コラムの築造方法に特有な水硬性材料の要求特性としては、水硬性材料を調合及び流し込む工程で比較的低粘度で気泡を抱き込み難い性能が必要であり、圧送及び注入時に徐々に粘度を発現し、注入後完全に粘度を発現することで、材料不分離性及びブリージング抑制に優れる性能が挙げられる。
本発明の目的は、高強度の現場打ちコンクリート系杭を築造可能であり、材料不分離性及びブリージング抑制に優れる水硬性材料用混和剤及び水硬性材料と、高強度の現場打ちコンクリート系杭とを提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討した結果、特定の水溶性セルロースエーテルであるA成分と、特定の消泡剤であるB成分とを組み合わせることにより、前記課題が解決できることを見出した。
すなわち、本発明にかかる現場打ちコンクリート系杭用の水硬性材料用混和剤は、現場打ちコンクリート系杭用の水硬性材料用混和剤であって、A成分及びB成分を含み、前記A成分が、ジアルデヒド処理水溶性アルキルセルロース、ジアルデヒド処理水溶性ヒドロキシアルキルアルキルセルロース及びジアルデヒド処理水溶性ヒドロキシアルキルセルロースから選ばれる少なくとも1種であり、前記A成分の1重量%の水溶液の20℃における粘度が1,000〜100,000mPa・sであり、前記A成分のジアルデヒドによる処理量がセルロースに対して2〜10重量%であり、前記B成分がエステル系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、鉱物油系消泡剤及びシリコーン系消泡剤から選ばれる少なくとも1種であり、前記A成分と前記B成分との重量比(A/B)が1〜99である。
前記コンクリート系杭用の水硬性材料用混和剤において、前記B成分の1重量%の水溶液のpHが2〜8であってもよい。
また、本発明にかかる現場打ちコンクリート系杭用の水硬性材料は、水硬性物質と、前記コンクリート系杭用の水硬性材料用混和剤とを含む。
前記現場打ちコンクリート系杭用の水硬性材料において、前記A成分及び前記B成分の合計が、当該水硬性材料の不揮発分に対して0.02〜2.0重量%であってもよい。
また、本発明にかかる現場打ちコンクリート系杭は、前記水硬性材料を硬化させてなる。
前記現場打ちコンクリート系杭は無筋であってもよい。
本発明の現場打ちコンクリート系杭用の水硬性材料用混和剤は、材料不分離性及びブリージング抑制に優れるため、高強度の現場打ちコンクリート系杭を築造可能である。また、本発明の現場打ちコンクリート系杭用の水硬性材料は、材料不分離性及びブリージング抑制に優れるため、高強度の現場打ちコンクリート系杭を築造可能である。また、本発明の現場打ちコンクリート系杭は高強度である。
本発明の実施形態の水硬性材料用混和剤のうち実施例1〜実施例6の組成及び評価等を表形式で示した説明図である。 本発明の実施形態の水硬性材料用混和剤のうち実施例7〜実施例11の組成及び評価等を表形式で示した説明図である。 比較例となる水硬性材料用混和剤のうち比較例0〜比較例5の組成及び評価等を表形式で示した説明図である。 比較例となる水硬性材料用混和剤のうち比較例6〜比較例11の組成及び評価等を表形式で示した説明図である。 比較例となる水硬性材料用混和剤のうち比較例12〜比較例15の組成及び評価等を表形式で示した説明図である。
本発明の実施形態の現場打ちコンクリート系杭用の水硬性材料用混和剤は、特定のA成分と特定のB成分とを含む。以下、各成分について説明する。
〔A成分〕
A成分は、ジアルデヒド処理水溶性アルキルセルロース、ジアルデヒド処理水溶性ヒドロキシアルキルアルキルセルロース、ジアルデヒド処理水溶性ヒドロキシアルキルセルロースから選ばれる少なくとも1種である(以後、総称してジアルデヒド処理セルロースエーテルという)。
A成分は、単独でもブリージング低減に寄与し、水硬性材料に適度な粘性を付与することにより、材料不分離性に寄与する。
A成分は、後述するB成分と併用することで、水硬性材料混合時には比較的低粘度であっても気泡を抱き込み難く、圧送及び注入時に徐々に粘度を発現し、注入後完全に粘度を発現し、水硬性材料不分離性及びブリージング抑制に優れるため、一定形状かつ、高強度のコンクリート系杭を築造することができる。
ジアルデヒド処理水溶性アルキルセルロースとしては、特に限定はないが、たとえば、ジアルデヒド処理メチルセルロース等が挙げられる。
ジアルデヒド処理水溶性ヒドロキシアルキルアルキルセルロースとしては、特に限定はないが、たとえば、ジアルデヒド処理ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ジアルデヒド処理ヒドロキシエチルメチルセルロース等が挙げられる。
ジアルデヒド処理水溶性ヒドロキシアルキルセルロースとしては、特に限定はないが、たとえば、ジアルデヒド処理ヒドロキシエチルセルロース、ジアルデヒド処理ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。
これらの中でも、ジアルデヒド処理ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ジアルデヒド処理ヒドロキシエチルメチルセルロース等が、水硬性材料不分離性及びブリージング抑制及び高強度のコンクリート系杭を築造する観点から好ましい。
ジアルデヒド処理水溶性セルロースエーテルは、A成分として水硬性材料用混和剤の中に少なくとも1種類を含有しておればよく、2種類以上のジアルデヒド処理水溶性セルロースエーテルが含有していてもよい。
ジアルデヒド処理セルロースは、水に容易に分散して速やかに溶解可能な水溶性セルロースエーテルである。
ジアルデヒド処理方法としては、当該処理方法は、公知の方法を採用することができ、例えば、特公昭59−45685号公報に記載されている。
ジアルデヒド処理に用いるジアルデヒドとしては、特に限定されないが、例えば、グリオキサール、グルタルアルデヒドが挙げられる。入手し易い観点から、グリオキサールが好ましい。
ジアルデヒド処理について、水溶性セルロースエーテルへのジアルデヒド処理量は、セルロースに対して2〜10重量%であり、好ましくは2.3〜9.5重量%、より好ましくは2.5〜9重量%、さらに好ましくは2.8〜8.5重量%、特に好ましくは3〜8重量%である。ジアルデヒド処理量が2重量%より低い場合は、水溶性セルロースエーテルが水に充分分散せず溶解し、水溶性高分子特有のママコが発生する。ママコが発生することで水溶性セルロースエーテルが溶解せず、十分なブリージング低減効果が得られない。また、水硬性材料の材料混合時又は、圧送時又は、注入時までに粘度が発現して不具合が発生する場合がある。一方、ジアルデヒド処理量が10重量%より高い場合は、処理量が増加することで必然的に比較的高価な処理材料が増加する。また、処理時間の延長も必要となり、コストが非常に高くなり、経済的に有利ではない。なお、処理量増加で、水溶性セルロースエーテルの粘度低下の原因となる場合がある。
市販のジアルデヒド処理水溶性セルロースエーテルとしては、たとえば、マーポローズ(松本油脂製薬株式会社製)やメトローズ(信越化学工業株式会社製)等のグリオキサール処理メチルセルロースや;マーポローズ(松本油脂製薬株式会社製)やメトローズ(信越化学工業株式会社製)等のグリオキサール処理ヒドロキシプロピルメチルセルロース等を挙げることができる。
前記A成分の粘度(20℃)は、前記A成分を1重量%含有する水溶液とした場合に、1,000〜100,000mPa・sであり、好ましくは1,100〜98,000mPa・s、より好ましくは1,200〜95,000mPa・s、さらに好ましくは1,300〜93,000mPa・s、特に好ましくは1,400〜90,000mPa・sである。粘度が1,000mPa・sより低い場合は、十分なブリージング低減、適度な増粘性を得るために配合量を増やす必要があり、コスト的に不利となる場合がある。
一方、粘度が100,000mPa・sより高い場合は、大きな増粘性があり、ブリージング低減と作業性の両立が困難となる場合がある。さらに、現在の技術では、高粘度のセルロースエーテルを工業的に生産することが非常に難しく、コストが非常に高く、経済的に有利ではない。
水溶性セルロースエーテルが多種類から構成される場合、1種類の水溶性セルロースエーテルの粘度が1,000〜100,000mPa・sの範囲外であっても、別の水溶性セルロースエーテルと混合することにより、粘度を全体として1,000〜100,000mPa・sとしてもよい。
本発明における粘度は、JIS Z 8803に従って測定され、実施例にその詳細を記載する。
〔B成分〕
B成分は、エステル系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、鉱物油系消泡剤及びシリコーン系消泡剤から選ばれる少なくとも1種である。これら消泡剤がB成分として現場打ちコンクリート系杭用の水硬性材料用混和剤の中に少なくとも1種類を含有されていればよく、また、2種類以上含有されていてもよい。
B成分は材料の混合・分散時の気泡の抱きこみ防止に寄与し、気泡の抱き込みを防止することにより、水硬性材料のブリージング低減を向上させ、硬化物の強度アップに多大な効果を示す。
B成分の1重量%水溶液におけるpHは、8以下が好ましく、7以下がより好ましく、6以下がさらに好ましい。好ましい下限値は2である。
8を超えると、併用するA成分のジアルデヒド処理水溶性セルロースエーテルのジアルデヒド処理を中和してしまうため、水硬性材料を圧送及び注入する前に水硬性材料の粘度が発現してしまい圧送性の低下及び圧送するための時間延長による労力が多くかかる可能性がある。
2未満になるとジアルデヒド処理水溶性アルキルセルロース又は、ジアルデヒド処理水溶性ヒドロキシアルキルアルキルセルロースを分解させて粘度低下の促進及び取り扱い時の注意が必要となる可能性がある。
前記エステル系消泡剤としては、特に限定されないが、例えば、グリセリンモノリシノレート、アルケニルコハク酸誘導体、ソルビトールモノラウレート、ソルビトールトリオレエート、天然ワックスなどが挙げられる。
前記ポリエーテル系消泡剤としては、特に限定されないが、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等のポリアルキレングリコール(分子量500〜10,000)、脂肪酸や高級アルコールにエチレンオキサイド(EO)及びプロピレンオキサイド(PO)やブチレンオキサイド(BO)を反応させたエステルタイプ若しくはエーテルタイプ、ポリオキシプロピレン基とポリオキシエチレン基とのブロック共重合体等のHLBの低い界面活性剤が挙げられる。これらポリエーテル系消泡剤は、公知の化合物であり、消泡剤として上市されている市販品を用いることができる。
前記鉱物油系消泡剤としては、特に限定されないが、鉱物油をベースに疎水性シリカ、アマイド、シリコーンや脂肪酸等を配合した鉱物油系消泡剤などが挙げられる。
前記シリコーン系消泡剤としては、特に限定されないが、ポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルビニルポリシロキサン等を消泡効果の主要構成成分とするシリコーン系消泡剤;更にシリコーンをベースに疎水性シリカ等を配合し、消泡効果の主要構成成分としたオイルコンパウンド型シリコーン系消泡剤;オイルコンパウンド型シリコーンを界面活性剤と共に水存在下で分散してなるエマルジョン型シリコーン系消泡剤;パーフルオロアルキル基含有シロキサン、パーフルオロエーテル基含有シロキサン、パーフルオロポリエーテル基含有オルガノポリシロキサン等を消泡効果の主要構成成分とするフルオロシリコーン系消泡剤;脂肪族アマイド等を消泡効果の主要構成成分としたアマイド系消泡剤;鉱物油をベースに疎水性シリカ、アマイド、シリコーンや脂肪酸等を配合した鉱物油系消泡剤、等を挙げることができ、これらは混合して用いることも可能である。
本発明のコンクリート系杭用の水硬性材料用混和剤は、ブリージング抑制に優れるため、特開2011−106253号公報に記載のベントナイト及び塩基性炭酸マグネシウムを用いた水硬性材料と比較して収縮低減の必要性が高い現場打ちに適している。現場打ち杭とは、コンクリート杭を適用する現場で水硬性材料を流し込み、硬化させた杭のことを意味する。
現場打ち杭を作製する工法としては、アースドリル工法、オールケーシング工法、リバース工法又はBH工法等が挙げられるが、いずれも通常は、掘削した地盤の中に鉄筋を落とし込み、後からコンクリートを流し込み、硬化させて杭を作製する有筋コンクリート系杭である。
コンクリート系杭には、無筋コンクリート系杭と有筋コンクリート系杭がある。無筋コンクリート系杭を作製する場合には、有筋コンクリート系杭と比較して、鉄筋がないことによる水硬性材料を硬化させる際の収縮率が大きい。従って、本発明のコンクリート系杭用の水硬性材料用混和剤は、鉄筋がない無筋の現場打ちコンクリート系杭として用いられると好ましい。
無筋杭としては、特開2014−62446号公報に記載の工法で作製された節付きの杭がある。
該工法で作製された杭は、外周面に螺旋状の節を有するため、杭周面のせん断抵抗が大きいことによるコンクリート系杭の杭周面抵抗力が大きくとれるという特徴がある。本発明のコンクリート系杭用の水硬性材料用混和剤は、材料不分離性及びブリージング抑制に優れるため、該工法に適用すると螺旋状の節の強度が強くなることから、節付き杭用であるとさらに好ましい。
(水硬性材料用混和剤の製造方法)
本発明のコンクリート系杭用の水硬性材料用混和剤は、A成分及びB成分や後述のその他の成分を、たとえば、ナウタミクサー混合機(株式会社ホソカワミクロン製)やヘンシェルミキサー混合機(三井鉱山工業株式会社製)、リボンブレンダー混合機(西村機械株式会社製)等を用いて混合することによって得られる。
〔水硬性材料〕
本発明の現場打ちコンクリート系杭用水硬性材料は、前記A成分及び前記B成分と、水硬性物質とを含む。この水硬性材料は、前記コンクリート系杭用の水硬性材料用混和剤を構成するA成分又はB成分を別々に水硬性物質と混合して得られるものも含む。換言すれば、本発明の現場打ちコンクリート系杭用水硬性材料は、A成分とB成分とが予め混合されているものに限らず、A成分が水硬性物質に添加されたものと、B成分が水硬性物質に添加されたものとを混合して得られるものも含む。また、本発明の現場打ちコンクリート系杭用水硬性材料は、必要に応じて配合される他の混和剤を含むものでもよい。また、本発明の現場打ちコンクリート系杭用水硬性材料は、骨材をさらに含んでもよい。
水硬性物質としては、セメント及び/又は石膏が好ましい。
セメントとしては、特に限定はないが、たとえば、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント、低アルカリ形の前記ポルトランドセメント、高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメント、白色ポルトランドセメント、超速硬セメント、超微粒子セメント、アルミナセメント、ジェットセメント等が挙げられる。
石膏としては、特に限定はないが、たとえば、I型無水石膏、II型無水石膏、III型無水石膏、二水石膏、α型半水石膏、β型半水石膏等が挙げられる。
骨材としては、無機骨材及び有機骨材があり、それぞれに篩い分けによって細骨材と粗骨材がある。前記細骨材とは、10mm目開きフルイを全通し、且つ5mm目開きフルイを全重量の85%以上が通るものを意味する。前記粗骨材とは、5mm目開きフルイを全重量の85%未満しか通過しないものを意味する。
また、無機骨材としては、たとえば、珪砂、珪石粉、高炉スラグ、シリカフューム、フライアッシュ、カオリン焼成物、石灰石粉等を挙げることができ、必要に応じて、1種又は2種以上を併用してもよい。
水硬性物質の配合量は、必要強度となるように配合すればよく、特に限定はない。
また、前記A成分と前記B成分との合計は、特に限定はないが、水硬性材料の不揮発分に対して、0.02〜2.0重量%が好ましく、より好ましくは0.02以上〜2.0重量%未満、さらに好ましくは0.03〜1.9重量%、特に好ましくは0.04〜1.8重量%、最も好ましくは0.05〜1.7重量%である。2.0重量%より大きい場合は、配合量が多くコスト的に不利になる場合がある。一方、0.02重量%より小さい場合は、ブリージング抑制等の性能が満足できない場合がある。
なお、水硬性材料の不揮発分とは、水硬性材料を水の沸点以上の温度(本実施形態では105℃)で熱処理することで水又は溶媒等を除去し、恒量に達した時の絶乾成分をいう。また、骨材を含んでいる水硬性材料の不揮発分は、前記A成分、前記B成分、水硬性物質、及び、骨材ということになる。
本発明の現場打ちコンクリート系杭用水硬性材料は、水をさらに含むことがある。水を含む水硬性材料の形態として、セメントミルク、モルタル又はコンクリートが挙げられる。
セメントミルクとは、ポルトランドセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント、セメント系固化材から選ばれる少なくとも1種に水を配合したものである。
モルタルとは、前記セメントミルクに細骨材を配合したものである。
コンクリートとは、前記セメントミルクに細骨材と粗骨材を配合したものである。
なお、水硬性材料には、セメントや石膏といった水硬性物質が配合されており、この水硬性物質は水と会合する事で反応が開始してしまうので、施工現場(又は付近)で水のみを添加した後、よく混練し、施工する事が広く行われており、その場合の水硬性材料は建材用プレミックス材料と呼ばれ広く使用されている。この場合の水硬性材料には水が予め(すなわち、施工現場で添加するものではなくて、その前段階で)配合されている事は好ましくない。
しかし、施工現場(又は付近)で水硬性物質以外に水を添加したものと、水硬性物質とが会合するようになされる場合の水硬性材料は、水硬性物質以外に水が予め添加されていてもよい。
(その他の成分)
本発明の水硬性材料は、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の成分を含めることができる。
現場打ちコンクリート系杭の強度向上に用いられ、安全衛生面で影響がないものとして、ガラス繊維等の無機繊維;パルプ、ビニロン繊維、ポリプロピレン繊維等の有機繊維等の補強繊維を配合できる。
軽量化のために、パーライト等の無機軽量骨材;ポリスチレン系等の有機発泡剤、フライアッシュ、有機質中空微小球等の有機軽量化材を配合できる。
凝結時間調整剤として、ケイフッ化マグネシウム等のケイフッ化物;ホウ酸等のホウ酸類;グルコン酸、グルコヘプトン酸、クエン酸、酒石酸等のオキシカルボン酸類及びその塩;リグニンスルホン酸、フミン酸、タンニン酸等の高分子有機酸類及びその塩等の凝結遅延剤等を配合できる。
凝結時間調整剤として、また、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム等の塩化物;チオシアン酸ナトリウム等のチオシアン酸塩;亜硝酸カルシウム、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム等の亜硝酸塩;硝酸カルシウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム等の硝酸塩;硫酸カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム等の硫酸塩;炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩;珪酸ナトリウム(水ガラス)等の無機系化合物による凝結促進剤・急結剤等を配合できる。
凝結時間調整剤として、また、ジエタノールアミン(DEA)、トリエタノールアミン(TEA)等のアミン類;ギ酸カルシウム、酢酸カルシウム等の有機酸のカルシウム塩等の有機系化合物による凝結促進剤・急結剤を配合できる。
現場打ちコンクリート系杭の水硬前後の過度の収縮を防止するために、ポリプロピレングリコール、ポリプロピレンポリエチレングリコール等のポリアルキレングリコール類、アルコキシポリプロピレングリコールアクリレート類等の収縮低減剤を配合できる。
セルロース系バインダーに類似の増粘効果や分離低減効果が期待できるものとして、ポリビニルアルコール;カルボキシメチルセルロース等のセルロース系水溶性高分子;ヒドロキシプロピル化デンプン等のデンプン系高分子;ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ソーダ等のアクリル系水溶性高分子;キサンタンガム、グアガム等のバイオポリマー;アニオン性アクリル樹脂、EVA(エチレン酢酸ビニルエマルジョン)、PAE(ポリアクリル酸エステルエマルジョン)、PVAC(ポリ酢酸ビニルエマルジョン)、VAVeoVa(酢酸ビニルビニルバーサテートエマルジョン)等のエマルジョン系増粘剤や分離低減剤等を配合できる。
膨張剤として、アルミニウム粉体等を配合できる。また防錆剤、着色剤等を配合できる。
防水剤や撥水剤として、塩化カルシウム、珪酸ナトリウム、珪酸質粉末、ジルコニウム化合物、脂肪酸石鹸、脂肪酸、脂肪酸エステル、又はこれらをエマルジョン化した脂肪酸系化合物や、シリコーンオイル、シリコーンエマルジョン、パラフィン、パラフィンエマルジョン、アスファルトエマルジョン、油含有廃白土、ゴムラテックス等を配合できる。
セメントや無機材料の流動化等に寄与し、流動性やブリージング低減性を向上させるために、AE剤、減水剤、AE減水剤、流動化剤、高性能AE減水剤等として、以下の成分を配合することができる。
AE剤として、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等を配合できる。
減水剤又はAE減水剤として、リグニンスルホン酸塩又はその誘導体、オキシカルボン酸塩、ポリオール誘導体、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル誘導体、アルキルアリルスルホン酸塩のホルマリン縮合物、メラミンスルホン酸塩のホルマリン縮合物、ポリカルボン酸系高分子化合物等を配合できる。
流動化剤として、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、メラミンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、ポリカルボン酸化合物、ポリスチレンスルホン酸塩等を配合できる。
高性能AE減水剤として、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物とリグニンスルホン酸類の混合物や、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物とポリカルボン酸系高分子化合物の混合物、メラミンスルホン酸塩ホルマリン縮合物とスランプロス低減剤の混合物、ポリカルボン酸化合物、ポリカルボン酸エーテル系化合物、芳香族アミノスルホン酸化合物等を、本発明の効果に悪い影響のない範囲で必要により配合できる。
前記その他の成分をコンクリート系杭用水硬性材料に含める場合には、必要に応じ、現場打ち水硬性材料用混和剤と前記その他の成分とを混合して混合物とした後に、水硬性物質に該混合物を配合してもよい。
本発明のコンクリート系杭用水硬性材料は、前記コンクリート系杭用の水硬性材料用混和剤を構成する各成分を別々に水硬性物質と混合して得られるものも含まれる。換言すれば、本発明の現場打ちコンクリート系杭用水硬性材料は、A成分とB成分とその他の成分が予め混合されているものに限らず、A成分とその他の成分が水硬性物質に添加されたものと、B成分とその他の成分が水硬性物質に添加されたものとを混合して得られるものも含む。
〔水硬性材料の製造方法〕
本発明のコンクリート系杭用の水硬性材料の製造には、前記コンクリート系杭用の水硬性材料用混和剤を水分散させた水分散液を水硬性物質に添加して水硬性材料を作製する方法を用いるのが良い。
ここで、水硬性物質に予め混和剤を配合してコンクリート系杭用水硬性材料としても良いが、この様に予め配合しておくと、地盤が変わることで地盤の吸水状況も変わることに適切に対応できない。このため、実際の施工現場に於いて、水硬性物質に対する水量及び現場打ちコンクリート系杭用の水硬性材料用混和剤量を変更して添加する方が有利である。すなわち、粉状の水硬性材料と粉状の混和剤を予め混合するのに比べて、前記水分散液を用いる方が有利である。
本発明の現場打ちコンクリート系杭用水硬性材料は、前記水硬性材料を構成する各成分を別々に水と混合して得られるものも含む。換言すれば、本発明の現場打ちコンクリート系杭用水硬性材料は、液体の混和剤と、液体の水硬性物質とが混合されるものも含む。
〔現場打ちコンクリート系杭〕
本発明の現場打ちコンクリート系杭は、前記現場打ちコンクリート系杭用の水硬性材料を硬化させて得られるものであり、セメント系の硬化物が挙げられる。
なお、本発明の現場打ちコンクリート系杭用の水硬性材料用混和剤、現場打ちコンクリート系杭用の水硬性材料用及び現場打ちコンクリート系杭では、アスベストは一切含まれない。
本発明の現場打ちコンクリート系杭は、高強度であるという観点から、円柱状が好ましく、外周に地盤内に食い込んだ螺旋状の突条を有するとより好ましい。螺旋状の突条が地盤内に食い込むことで、杭周面のせん断抵抗が増大し、杭周面抵抗力が大きくなる。
〔現場打ちコンクリート系杭の製造方法〕
本発明の現場打ちコンクリート系杭は、例えば、以下のような方法により製造される。まず、先端部からセメントミルクを注出可能に構成された鋼管を地盤に打ち込む。その後、打ち込まれた鋼管を徐々に引き出しながらセメントミルクを注出させる。この時に、径方向に凸部を有する鋼管を用いて、この鋼管を回転させながら地盤から引き出すことにより、螺旋状の突条が地盤内に形成されることになる。そして、注出されたセメントミルクが硬化することで、地盤内にコンクリート系杭が形成される。
本発明における粘度は、JIS Z 8803に従って測定され、その詳細を記載する。
〔A成分の粘度測定〕
本発明における粘度は、20mPa・s以上では単一円筒形粘度計としてB型回転粘度計を使用して求めた値とし、20mPa・s未満では毛細管粘度計としてキャノン−フェンスケ粘度計を使用して求めた値とする。各粘度測定はJIS Z 8803に従って20℃で行った。
B型回転粘度計を使用した粘度測定の際、%表示で求められる測定値が測定範囲30〜80%の範囲内に収まるよう回転ローターのタイプ、回転数を決定し、測定した。粘度は測定値に各測定条件(回転ローターのタイプ/回転数)での換算乗数をかけて求めた。測定条件候補が複数ある場合は、回転数12rpm>30rpm>6rpm>60rpmの順番で優先的に採用し、それでも一義的に決定しない場合は回転ローターNo.4>No.3>No.2>No.1の順番で優先的に採用し決定した。
以下の本願発明に係る水硬性材料用混和剤KA〜KDと、比較例に係る混和剤KE〜KJを次の通り作製した。
(混和剤KAの製造)
A成分としてグリオキサール処理ヒドロキシプロピルメチルセルロースエーテル−1(HPMC)(ヒドロキシプロピルメチルセルロースエーテルに対して、グリオキサール3.0%処理、20℃における1重量%濃度の粘度:4100mPa・s)を90重量部と、B成分として消泡剤Cを10重量部とを、ナウタミクサー混合機(株式会社ホソカワミクロン製)を用いて混合して混和剤KA(20℃における1重量%濃度の粘度:2650mPa・s)を得た。
(混和剤KBの製造)
A成分の量を90重量部から98重量部へ変更し、B成分の量を10重量部から2重量部へ変更した以外は混和剤KAと同様にして、混和剤KB(20℃における1重量%濃度の粘度:3450mPa・s)を得た。
(混和剤KCの製造)
A成分としてグリオキサール処理ヒドロキシプロピルメチルセルロースエーテル−2(HPMC)(ヒドロキシプロピルメチルセルロースエーテルに対して、グリオキサール7%処理、20℃における1重量%濃度の粘度:15600mPa・s)を50重量部と、B成分として消泡剤Cを50重量部とを、ナウタミクサー混合機(株式会社ホソカワミクロン製)を用いて混合して混和剤KC(20℃における1重量%濃度の粘度:1120mPa・s)を得た。
(混和剤KDの製造)
A成分の量を90重量部から99重量部へ変更し、B成分の量を10重量部から1重量部へ変更した以外は混和剤KAと同様にして、混和剤KD(20℃における1重量%濃度の粘度:3720mPa・s)を得た。
(混和剤KEの製造)
A成分として、グリオキサール処理ヒドロキシプロピルメチルセルロースエーテル−1(HPMC)(ヒドロキシプロピルメチルセルロースエーテルに対して、グリオキサール0.95%処理、20℃における1重量%濃度の粘度:4600mPa・s)を90重量部と、B成分として消泡剤C10重量部とを、ナウタミクサー混合機を用いて混合して混和剤KE(20℃における1重量%濃度の粘度:2810mPa・s)を得た。
(混和剤KFの製造)
A成分として、グリオキサール処理ヒドロキシプロピルメチルセルロースエーテル−1(HPMC)(ヒドロキシプロピルメチルセルロースエーテルに対して、グリオキサール0.95%処理、20℃における1重量%濃度の粘度:4600mPa・s)を混和剤KFとした。
(混和剤KGの製造)
A成分として、ヒドロキシプロピルメチルセルロースエーテル−1(HPMC)(20℃における1重量%濃度の粘度:4900mPa・s)90重量部と、B成分として消泡剤C10重量部とを、ナウタミクサー混合機を用いて混合して混和剤KG(20℃における1重量%濃度の粘度:3070mPa・s)を得た。
(混和剤KHの製造)
A成分として、ヒドロキシプロピルメチルセルロースエーテル−1(HPMC)(20℃における1重量%濃度の粘度:4900mPa・s)を混和剤KHとした。
(混和剤KIの製造)
A成分の量を90重量部から99.5重量部へ変更し、B成分の量を10重量部から0.5重量部へ変更した以外は混和剤KAと同様にして、混和剤KI(20℃における1重量%濃度の粘度:3940mPa・s)を得た。
(混和剤KJの製造)
A成分の量を90重量部から45重量部へ変更し、B成分の量を10重量部から55重量部へ変更した以外は混和剤KAと同様にして、混和剤KJ(20℃における1重量%濃度の粘度:290mPa・s)を得た。
前記混和剤の原料は次の通りである。
ヒドロキシプロピルメチルセルロースエーテル−1:松本油脂製薬株式会社製『マーポローズ90MP−100000』
ヒドロキシプロピルメチルセルロースエーテル−2:松本油脂製薬株式会社製『マーポローズ90MP−300T』
消泡剤C:サンノプコ株式会社製『SNデフォーマー15−P』(ポリエーテル系)(1重量%水分散液のpH:6)
水硬性材料用混和剤KA〜KJを、水硬性材料及び現場打ち用コンクリート杭の評価に供した。その評価結果を図1、図2、図3、図4及び図5に示す。以下、各評価項目について説明する。
セメント(重量部)とは、水硬性材料に含まれるセメントの重量を意味する。また、水(重量部)とは、水硬性材料に含まれる水の重量を意味する。水/水硬性物質(重量比)とは、本実施例では、水とセメントとの重量比を意味する。
〔水硬性材料調整法〕
水硬性材料調整法として、2つの方法を用いており、具体的には、別途水分散での混和剤投入を行う方法と、セメントと乾式分散後、水投入を行う方法を用いている。別途水分散での混和剤投入を行う方法とは、乾式セメントに水を混ぜることによりプレーンのセメントミルクを生成する一方で、乾式混和剤に水を混ぜることにより湿式の混和剤を生成する。そして、生成されたプレーンのセメントミルクと湿式の混和剤とを混ぜることによりセメントミルクを生成する調整法である。一方、セメントと乾式分散後、水投入を行う方法とは、乾式セメントと乾式混和剤とを乾式分散させることによって得られた混和剤入りセメントに水を混ぜることによりセメントミルクを生成する調整法である。
〔材料不分離性及びブリージング低減評価〕
ブリージング率とは、製造する杭の体積に対してブリージングが発生した体積の割合を意味する。ここで、ブリージング率について、「○」とは3%未満であることを意味し、「△」とは3%以上で5%未満であることを意味し、「×」とは5%以上であることを意味する。なお、「※」は、泡が多く発生し、ブリージング率の測定ができなかったことを意味する。
ブリージングは、製造する杭の上部に発生するため、ブリージングが発生すると上部に凹みが発生することになり、この凹みにセメントミルクを注入するという作業が発生することになるが、ブリージング率が3%未満であれば、このような作業を要せずにコンクリート系杭を製造することが期待できる。
〔強度評価〕
製造されるコンクリート系杭の強度評価として、比重、強度、強度斑を計測した。比重について、「○」は、1.60以上であることを意味し、「×」は1.60未満であることを意味する。また、強度について、「○」は10N/mm以上であることを意味し、「×」は10N/mm未満であることを意味する。また、通常下部から上部にかけて強度が低下するような強度斑が発生することになるが、この強度斑について、「○」は、上部の強度が下部の強度の70%以上であることを意味し、「×」は、上部の強度が下部の強度の70%未満であることを意味する。
図1及び図2は、本発明の実施例を示しており、ブリージング率や強度評価が良好であることがわかった。一方、図3、図4及び図5は、比較例を示しており、ブリージング率や強度のいずれかに問題が生じることがわかった。
以上、この発明の実施形態を説明したが、この発明は、上述した実施形態のものに限定されない。上述した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。

Claims (6)

  1. 現場打ちコンクリート系杭用の水硬性材料用混和剤であって、
    A成分及びB成分を含み、
    前記A成分が、ジアルデヒド処理水溶性アルキルセルロース、ジアルデヒド処理水溶性ヒドロキシアルキルアルキルセルロース及びジアルデヒド処理水溶性ヒドロキシアルキルセルロースから選ばれる少なくとも1種であり、
    前記A成分の1重量%の水溶液の20℃における粘度が1,000〜100,000mPa・sであり、
    前記A成分のジアルデヒドによる処理量がセルロースに対して2〜10重量%であり、
    前記B成分がエステル系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、鉱物油系消泡剤及びシリコーン系消泡剤から選ばれる少なくとも1種であり、
    前記A成分と前記B成分との重量比(A/B)が1〜99である、
    現場打ちコンクリート系杭用の水硬性材料用混和剤。
  2. 前記B成分の1重量%の水溶液のpHが2〜8である、請求項1に記載の現場打ちコンクリート系杭用の水硬性材料用混和剤。
  3. 水硬性物質と、請求項1又は2に記載の現場打ちコンクリート系杭用の水硬性材料用混和剤とを含む、現場打ちコンクリート系杭用の水硬性材料。
  4. 請求項3に記載の現場打ちコンクリート系杭用の水硬性材料において、前記A成分及び前記B成分の合計が、当該水硬性材料の不揮発分に対して0.02〜2.0重量%である、現場打ちコンクリート系杭用の水硬性材料。
  5. 請求項3又は4に記載の現場打ちコンクリート系杭用の水硬性材料を硬化させてなる、現場打ちコンクリート系杭。
  6. 無筋である、請求項5に記載の現場打ちコンクリート系杭。
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