JP3701224B2 - 吹付け用急硬剤、急硬性セメントコンクリート、及びそれを用いた吹付け工法 - Google Patents

吹付け用急硬剤、急硬性セメントコンクリート、及びそれを用いた吹付け工法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高速道路、ダム、及び急傾斜地等において、切り土や盛土によって出来た傾斜面(以下「法面」という)の崩落を防止するために、法面に直接セメントコンクリート(ペースト、モルタル、及びコンクリートの総称)を吹付ける工法、並びに格子状あるいは井桁状に配置したフレーム骨格にセメントコンクリートを吹付ける工法において使用する、吹付け用急硬剤、急硬性セメントコンクリート、急硬性セメントコンクリートの吹付け工法、及び急硬性セメントコンクリートの法面への吹付け方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
法面は放置すると自然風化や強雨等により浸食や地滑り等の崩落が起こるので、崩落防止工事を行って保護する必要がある。法面の崩壊を防止する方法として、法面に直接セメントコンクリートを吹付ける方法と、鉄筋及び鉄骨等の補強材で作成した型枠を法面にアンカーで固定し、セメントコンクリートを吹付けて鉄筋コンクリート枠を形成する方法が用いられている(特公昭58−58493号参照)。最近は、整形・カットすることなく変形できる補強材を法面に直接配置できるフリーフレーム工法の需要が高まっている。
【0003】
このような法面崩落防止工事に用いられるセメントコンクリートとして、従来は、スランプが5cm以下の硬練りセメントコンクリートを現場にてバッチ式で少量づつ調製し、ダレが生じないように吹付けていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この方法ではセメントコンクリートの流動性が小さく、ポンプでの圧送性が悪いために施工効率が2m3/hr未満と低く、材料の配合に人手がかかる為、コスト高になるという課題があった。
【0005】
このため、吹付け速度を高め、セメントコンクリートをアジテーター車又は貨車等で生コンプラントから大量のセメントを供給することにより施工効率を上げ、人手を減らし、かつ工期を短縮してコストダウンすることが考えられる。
【0006】
吹付け速度を高めるにはセメントコンクリートの流動性(スランプ値)を大きくして圧送性を上げる必要があるが、流動性が大きいと吹付け後にセメントコンクリートが法面からダレてずり落ちるという課題があった。
【0007】
この課題を解決するためにセメントコンクリートの粘性を上げて流動性を低下させると、セメントの圧送性が低下し、吹付け速度が低下するという問題が発生する。
【0008】
セメントコンクリートに対する流動性の相反する課題を解決するため、セメントコンクリートの粘性を上げる方法が考えられる。吹付け直後の粘性を上げる方法として、例えば、吹付け時にカルシウムアルミネート系急硬剤を使用した場合、セメントコンクリートのずり落ちを防ぐことはできるが、吹付けたセメントコンクリートの硬化が早いためにコテ仕上げができず、吹付け表面を修正できないという課題があった。
【0009】
このように、吹付け速度と吹付け後の変形という相反する課題を解決するとともに、コテ仕上げ等ができる程度の粘度範囲を保持する作業時間(仕上げ作業時間)を確保できる急硬性セメントコンクリート及び吹付け用急硬剤が求められていた。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記課題を解消すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の吹付け用急硬剤を使用することにより、前記課題を解決できるという知見を得て本発明を完成するに至った。
【0011】
即ち、本発明は、4A族元素の水溶性化合物とアルカリ増粘型ポリマーエマルジョンとを含有してなる吹付け用急硬剤であり、4A族元素が、チタニウム又はジルコニウムであることを特徴とする該吹付け用急硬剤であり、さらに、水を含有してなる該吹付け用急硬剤である。
【0012】
そして、該吹付け用急硬剤とセメントコンクリートとを含有してなる急硬性セメントコンクリートであり、非水硬性粉末を含有してなる該急硬性セメントコンクリートであり、繊維を含有してなる該急硬性セメントコンクリートである。
【0013】
また、本発明は該吹付け用急硬剤を圧送し、セメントコンクリートと合流混合してなることを特徴とする吹付け工法であり、補強材を法面に配置してフレーム骨格を形成した後、そのフレーム骨格に該急硬性セメントコンクリートを吹付け、フレームを構築してなることを特徴とする法面吹付け工法である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0015】
本発明で使用する吹付け用急硬剤は4A族元素の水溶性化合物とアルカリ増粘型ポリマーエマルジョンを含有するものである。
【0016】
また、本発明で使用する急硬性セメントコンクリートは吹付け用急硬剤とセメントコンクリートを含有するものである。
【0017】
本発明で使用する4A族元素の水溶性化合物は、セメントコンクリートと混合することにより凝結を促進するものであり、一度吹付けてから、再度同じ法面に吹付けるまでの時間を短縮できるものであり、コテ仕上げができる程度の仕上げ作業時間を確保できるものである。4A族元素の水溶性化合物を使用しないと、短時間で再度同じ法面に吹付けた時にずり落ちが生じるおそれがある。
【0018】
本発明で使用する4A族元素の水溶性化合物(以下、4A族化合物という)とは、チタニウム、ジルコニウム、及びハフニウムなどの水溶性化合物が挙げられ、固形物でも液状でも使用可能であるが、粉塵低減や混合性の面で水溶液や懸濁液等の液状のものが好ましい。
【0019】
その具体例としては、水溶性のチタニウム化合物としては硫酸チタニウム、塩化チタニウム、水酸化チタニウム、炭酸チタニウム、フッ化チタニウム、臭化チタニウム、ヨウ化チタニウム、及びホウ酸チタニウム等が挙げられる。
【0020】
また、水溶性のジルコニウム化合物としては硫酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、フッ化ジルコニウム、臭化ジルコニウム、ヨウ化ジルコニウム、二塩化酸化ジルコニウム、及びホウ酸ジルコニウム等が挙げられる。
【0021】
水溶性のハフニウム化合物としては二塩化酸化ハフニウムやフッ化ハフニウムなど又はこれらの水溶液が挙げられ、これらのうちの一種又は二種以上が使用可能である。
【0022】
これら化合物の溶解方法は特に限定されず、中性、酸性、又はアルカリ性にて、あるいは、常温又は加温下等、適切な条件下にて水中に溶解させることが可能である。また、本発明での水溶液とは飽和溶解度以上になった懸濁液も含むものである。
【0023】
上記4A族化合物の中で、入手の容易さ及び経済性から水溶性のチタニウム化合物又は水溶性のジルコニウム化合物が好ましい。
【0024】
一方、4A族元素を含む化合物であっても、二酸化チタニウムや二酸化ジルコニウムなどの酸化物、窒化チタニウムや窒化ジルコニウムなどの窒化物、あるいは、炭化チタニウムや炭化ジルコニウムなどの炭化物に代表される不溶性化合物では、凝結促進効果は得られない。
【0025】
4A族元素は、主に、3価と4価の化合物を形成するが、凝結促進効果が優れることから、4価の化合物が好ましい。
【0026】
その具体例としては、4価の硫酸チタニウム、4価の塩化チタニウム、4価の硫酸ジルコニウム、及び4価の塩化ジルコニウムなどが挙げられ、これらのうちの一種又は二種以上を使用することが好ましく、入手のしやすさから、また、塩素を含まず、鉄筋コンクリートへの利用も可能であるなどの利点があることから、4価の硫酸チタニウムを使用することがより好ましい。また、4価の硫酸チタニウムの水溶液中の溶解の形態は特に規定されず、TiO2/SO3の質量比も特に規定されるものでないが、TiO2/SO3質量比で0.3〜2程度が溶液の安定性の面から好ましい。
【0027】
4A族化合物水溶液の成分濃度は特に限定されるものでないが、5〜60質量%が好ましく、10〜50質量%がより好ましい。5質量%未満だと急硬性セメントコンクリートの強度発現性が伸びないおそれがあり、60質量%を越えると圧送性が低下するおそれがある。
【0028】
4A族化合物の使用量は、セメント100質量部に対して、成分換算(無水物)で0.5〜6質量部が好ましく、1〜4質量部がより好ましい。0.5質量部未満だと急硬性セメントコンクリートのダレを防止する効果が小さく、増し吹きができず、初期強度発現性が伸びないおそれがあり、6質量部を越えると急硬性セメントコンクリートの凝結が促進しすぎてコテ仕上げをする時間が確保できず、圧送性が低下し、強度発現性が伸びないおそれがある。
【0029】
本発明で使用するアルカリ増粘型ポリマーエマルジョン(以下、単にポリマーエマルジョンという)は、アルカリ雰囲気下で増粘してセメントコンクリートの流動性を失わせるポリマーエマルジョンであり、セメントコンクリートと混合することにより、瞬時にセメントコンクリートを増粘させ、吹付け時の急硬性セメントコンクリートのダレを防止するものである。
【0030】
ポリマーエマルジョンは、水又は有機溶剤中で不飽和カルボン酸類とエチレン性不飽和化合物を共重合させて得られる。
【0031】
不飽和カルボン酸類としては、アクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、アコニット酸、及びクロトン酸等の不飽和カルボン酸又はその塩、無水マレイン酸や無水シトラコン酸等の不飽和カルボン酸無水物又はその塩、並びに、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノブチル、及びマレイン酸モノエチル等の不飽和カルボン酸半エステル又はその塩等が挙げられる。塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、及びアミン塩、ピリジン誘導体塩などの水溶性塩等が挙げられる。
【0032】
これらの不飽和カルボン酸類は、一種又は二種以上を使用することが可能であり、その配合割合については特に限定されるものではない。これらの中では、より優れた効果を示す点で、アクリル化合物、メタアクリル化合物、アクリレート化合物、又はメタアクリレート化合物のカルボン酸誘導体が好ましく、アクリル酸、メタアクリル酸又はその塩が最も好ましい。
【0033】
不飽和カルボン酸類と共重合可能なエチレン性不飽和化合物としては、(1)エチレン、(2)スチレン、(3)アリルアルコール等のエチレン性不飽和アルコール、(4)ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、及びエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー、(5)(メタ)アクリロニトリルのニトリル基含有単量体、(6)メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、及びグリシジル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜22個程度のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー、(7)ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、オクチル酸ビニル、及びネオデカン酸ビニルエステル等のC3〜18程度の脂肪族カルボン酸ビニルエステル、(8)安息香酸ビニル等の芳香族カルボン酸ビニルモノマー、(9)メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、及びフェニルビニルエーテル等のビニルエーテルモノマー、(10)(メタ)アクリルアミド、N,N−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、及びN−ビニルピロリドン等のアミド基を有するアミド系モノマー、(11)ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、ビニルトルエンスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、及び2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイロキシプロピルスルホン酸等のスルホン酸基を有するモノマー、(12)マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−フェニルマレイミド、及びN−トルイルマレイミド等のマレイミド系モノマー、(13)塩化ビニルや塩化ビニリデン等のハロゲン化オレフィンモノマー、(14)シアヌル酸トリアリル、イソシアヌル酸トリアリル、トリメチロールプロパントリメタクリレート、アリルアクリレート、及びアリルメタクリレート等の多官能性ビニルモノマー、(15)N−ビニルピロリドン、並びに(16)ジビニルベンゼン等が挙げられる。
【0034】
さらに、これらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、及びアミン塩、ピリジン誘導体塩等も使用できる。これらのエチレン性不飽和化合物は一種又は二種以上を使用することが可能であり、その配合割合については特に限定されない。
【0035】
エチレン性不飽和化合物の中では、より優れた増粘効果を示す点でアクリル化合物又はメタアクリル化合物が好ましく、アクリル酸エステルモノマー又はメタアクリル酸エステルモノマーが最も好ましい。
【0036】
不飽和カルボン酸類とエチレン性不飽和化合物の配合割合については特に限定されるものではないが、モル比換算で95:5〜5:95が好ましい。
【0037】
本発明のポリマーエマルジョンのポリマーとしては、カルボキシル基を有するエチレン化合物同士の組み合わせ、たとえば不飽和カルボン酸類にアクリル化合物を選び、エチレン性不飽和化合物にもアクリル化合物を選び重合させた、アクリル化合物のホモポリマーという組み合わせも可能である。メタアクリル化合物及びカルボキシル基を含有するその他のエチレン化合物のホモポリマーについても同様である。
【0038】
ポリマーエマルジョンの重合方法としては公知の方法が使用でき、特に限定されるものではないが、不飽和カルボン酸類とエチレン性不飽和化合物を、乳化重合、懸濁重合、溶液重合、及び塊状重合する等の方法が挙げられる。
【0039】
ポリマーエマルジョンの重合時には、例えば、重合開始剤、公知のレドックス触媒等の重合触媒、連鎖移動剤、並びに、界面活性剤を使用できる。
【0040】
重合開始剤については過酸化ベンゾイルなどの有機系の過酸化物、過酸化アンモニウム、過酸化カリウム、過酸化ナトリウム、過酸化水素、過ホウ酸塩、及び過硫酸塩等の無機系の過酸化物等の公知のものが使用できる。
【0041】
乳化重合した場合には、公知の乳化剤が使用できる。例えば、アルキルベンゼンPEO(ポリエチレンオキサイド)スルホン酸ナトリウム、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコール、メチルセルロース、ヒドロキシセルロース、及びポリビニルアルコール(PVA)等が挙げられる。
【0042】
また、分子量調節を目的としたアセトアルデヒド、四塩化炭素、ドデシルメルカプタン、ヘキサデシルメカルカプタン、及び2−メルカプトエタノール等の連鎖移動剤や、過硫酸塩、過酸化水素、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリル、公知のレドックス触媒等の重合触媒が単独、もしくは混合物で使用可能である。又、重合時には、公知のアニオン性界面活性剤、カチオン性の界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、及びポリエチレングリコール(PEG)系界面活性剤が使用できる。
【0043】
ポリマーエマルジョンに含まれるポリマー成分の分子量は特に限定されるものではないが、吹付けたコンクリートのダレを低減するには、重量平均分子量で1000以上のものが好ましい。
【0044】
ポリマーエマルジョンは通常、水性分散液の形で使用され、必要に応じて凍結防止剤、バインダー、顔料、分散剤、ポリオール化合物、pH調整剤、増膜助剤、酸化防止剤、防腐剤、耐水化剤、消泡剤、潤滑剤、並びに湿潤剤等を含有させることができる。
【0045】
凍結防止剤としては、例えばエチルグリコール、ブチルグリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチルジグリコール、ブチルジグリコール、グリセリン、プロピオニルカルビノール、及びこれらの混合物等が挙げられる。
本発明では、安価に入手できることからエチレングリコールを使用することが好ましい。
【0046】
バインダーとしては慣用の合成、又は天然高分子のラテックスが用いられる。
例えば、スチレン/ブタジエン系共重合体、スチレン/アクリル系共重合体、酢酸ビニル/アクリル系共重合体、エチレン/酢酸ビニル系共重合体、ブタジエン/メチルメタクリレート系共重合体、酢酸ビニル/ブチルアクリレート系共重合体、スチレン/無水マレイン酸系共重合体、イソブテン/無水マレイン酸系共重合体、アクリル酸/メチルメタクリレート系共重合体、酸化デンプン、エステル化デンプン、エーテル化デンプン、酵素変性デンプン、カゼイン、大豆蛋白、及びこれらの混合物等が挙げられる。
【0047】
顔料としては、例えばクレイ、酸化チタン、炭酸カルシウム、カオリン、白土、レーキ、シリカ、フェライト、サチンホワイト、石膏、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、合成プラスチック、及びこれらの混合物等が挙げられる。
【0048】
分散剤としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、及びこれらの混合物等が挙げられる。
【0049】
ポリオール化合物としては、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルキレングリコール、グリセリン、その他の多価アルコール類、及びこれらの混合物等が挙げられる。
【0050】
pH調整剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物、アンモニア、アミン類、ピリジン誘導体、及びこれらの混合物等が挙げられる。
【0051】
増膜助剤としては、例えば、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトール、アセテート、及びこれらの混合物等が挙げられる。
【0052】
ポリマーエマルジョン中の成分濃度は特に限定されるものでないが、0.5〜80質量%が好ましく、2〜20質量%がより好ましい。0.5質量%未満だと増粘効果が少ないおそれがあり、80質量%を越えるとポリマーエマルジョンの製造が技術的に難しくなり、安定性が損なわれるおそれがある。
【0053】
ポリマーエマルジョンの使用量は、セメント100質量部に対して、成分換算で0.01〜7質量部が好ましく、0.05〜3質量部がより好ましい。0.01質量部未満だと増粘効果が認められず、ダレや肌落ちが発生するため、急硬性セメントコンクリートのずり落ちを防止する効果が小さいおそれがあり、7質量部を越えるとダレや肌落ちが発生し、増し吹きができず、強度発現性を阻害するおそれがある。
【0054】
本発明では、急硬性セメントコンクリートからのペーストの分離を抑え、急硬性セメントコンクリートの圧送性や強度発現性を向上する点で、コンクリート材料に広く用いられる砂及び砂利に代表される骨材の他に、非水硬性粉末を使用することが好ましい。
【0055】
本発明で使用する非水硬性粉末としては、シリカフューム、フライアッシュ、ベントナイト、炭酸カルシウム、徐冷スラグ、及びメタカオリン等が挙げられる。これらの中では、セメントコンクリートの圧送性や強度発現性を向上する効果が大きい点で、シリカフュームが好ましい。
【0056】
非水硬性粉末の比表面積は、ブレーン法で比表面積1500cm2/g以上が好ましく、2000cm2/g以上がより好ましい。1500cm2/g未満だと急硬性セメントコンクリートからのペーストの分離を抑えられず、急硬性セメントコンクリートの圧送性や強度発現性が小さくなるおそれがある。
【0057】
非水硬性粉末の使用量は、セメント100質量部に対し、3〜50質量部が好ましく、5〜30質量部がより好ましい。3質量部未満だと急硬性セメントコンクリートからペーストが分離し、強度発現性が小さくなるおそれがあり、50質量部を越えるとセメントコンクリートの粘性が大きくなり、圧送性が低下するおそれがある。
【0058】
さらに、本発明では、急硬性セメントコンクリートの耐衝撃性や弾性の向上の点で、繊維を使用することが好ましい。
【0059】
本発明で使用する繊維としては、無機質や有機質いずれも使用できる。無機質の繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、ロックウール、石綿、セラミック繊維、及び金属繊維等が挙げられる。また、有機質の繊維としては、ビニロン繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリアクリル繊維、セルロース繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリアミド繊維、パルプ、麻、木毛、及び木片等が挙げられる。これらの中では、経済性の点で、金属繊維やビニロン繊維が好ましい。
【0060】
繊維の長さは圧送性や混合性等の点で、50mm以下が好ましく、5〜30mmがより好ましい。50mmを越えると圧送中に急硬性セメントコンクリートが配管内で閉塞するおそれがある。
【0061】
繊維の使用量は、吹付け用急硬剤を含有しないコンクリート100容量部中、0.1〜3容量部が好ましく、0.4〜1.5容量部がより好ましい。0.1容量部未満だと耐衝撃性や弾性の向上の効果が小さいおそれがあり、3容量部を越えると圧送性が低下し、経済的でないおそれがある。
【0062】
さらに、本発明では、急硬性セメントコンクリートの付着性を向上させる点で、減水剤を使用することが好ましい。減水剤はセメントコンクリート側と吹付け用急硬剤側のいずれか又は両方に添加することができ、限定されるものではないが、セメントコンクリート側に添加することが好ましい。
【0063】
本発明で使用する減水剤としては、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、メラミンスルホン酸ホルマリン縮合物、及びポリカルボン酸系高分子化合物等が挙げられる。これらの中では、初期凝結性状や強度発現性に影響しにくい点で、ポリカルボン酸系高分子化合物が好ましい。
【0064】
本発明で使用するセメントとしては、JIS R 5210に規定される各種ポルトランドセメント、JIS R 5211、JIS R 5212、及びJIS R 5213に規定される各種混合セメント、JISに規定された以上の混和材混合率にて作製した高炉セメント、フライアッシュセメント、又はシリカセメント、並びに石灰石粉末等を混合したフィラーセメント等が挙げられる。
【0065】
本発明で使用する骨材の細骨材率や骨材の最大寸法は吹付けできれば特に制限されるものではない。法面の崩落を防止するためには強度が要求されるため、骨材強度が高いものが好ましい。流動性保持の観点から、吸水率が低いものが好ましい。また、塩害あるいはアルカリ骨材反応を予防するため、骨材は塩素及びアルカリ金属元素の含有量が少ないものが好ましい。
【0066】
細骨材としては、川砂、山砂、石灰砂、及び珪砂等が使用でき、粗骨材としては、川砂利、山砂利、及び石灰砂利等が使用できる。
【0067】
本発明では、前記各材料や、砂や砂利等の骨材の他に、AE剤や凝結遅延剤を本発明の目的を実質的に阻害しない範囲で併用することが可能である。
【0068】
本発明で使用する吹付け工法においては、従来から使用されている吹付け設備、例えば商品名「デンカNATMクリート」、「デンカナトミックマン」、「デンカナトミックT−L添加機」(以上電気化学工業製)、コンクリート圧送機「アリバー280」(アリバー社製)等が使用できる。
【0069】
本発明で使用する吹付け工法としては、要求される物性、経済性、及び施工性等に応じた種々の公知の吹付け工法、たとえばNATM工法が可能である。
【0070】
例えば、セメント、水、細骨材、必要に応じ粗骨材、及び必要に応じ減水剤等を加えて混練したものを、圧送ホースを用いて空気で圧送し、圧送ホースの途中にY字管を設け、その一方から供給装置により吹付け用急硬剤を空気圧送し、合流・混合したものを急硬性セメントコンクリートとして吹付ける湿式吹付け工法等が挙げられる。
【0071】
なお、圧送量(施工効率)は0.5m3/hr以上10m3/hr以下が好ましく、2m3/hr以上4m3/hr以下がより好ましい。圧送量が0.5m3/hr未満の場合には作業効率が低下し、圧送量が10m3/hrを越えると作業現場で利用可能な市販コンプレッサーの出力限界を越える。また、圧送量2m3/hr未満では従来技術と差がなく、圧送量4m3/hrを越えるとホースの脈動が大きくなり施工が困難になる場合がある。
【0072】
吹付け用急硬剤をセメントコンクリートに混合方法する方法としては、ミキサー等の混合装置で吹付け急硬剤、セメント、非水硬性粉末、及び細骨材をあらかじめ混合してから袋詰めにして現場に持参し、現場でスラリー化する方法等、従来公知の方法も可能であるが、吹付け用急硬剤が均一かつ強制的に入るようなシャワーリングを用い、吹付け用急硬剤を吹付け圧送エアーとの同時混合によりセメントコンクリートに混合させるのが好ましい。
【0073】
ここで、4A族化合物とポリマーエマルジョンは、別々にセメントコンクリートに圧入してもよく、4A族化合物とポリマーエマルジョンを予め混合させたものをセメントコンクリートに圧入してもよい。
【0074】
4A族化合物とポリマーエマルジョンを別々にセメントコンクリートに圧入する場合、その混合順序は特に限定されるものではないが、4A族化合物を先にセメントコンクリートに混合し、次いでポリマーエマルジョンを混合する方法が、吹付け用急硬剤を均一にセメントコンクリート中に分散できる点で、好ましい。
【0075】
圧入直前に4A族化合物とポリマーエマルジョンを予め混合する場合、4A族化合物とポリマーエマルジョンの混合後、セメントコンクリートに圧入するまでの時間を3秒以内と短くすることが好ましい。3秒を越えると、ポリマーエマルジョンが変質し、所定の増粘作用が得られない場合がある。
【0076】
圧送ホース中のY字管の取付位置は、混合性や圧送性等の点で、吐出口より手前0.1〜100mが好ましく、3〜20mがより好ましい。0.1m未満だと急硬性セメントコンクリートがダレるおそれがあり、100mを越えると圧送ホースの閉塞等のおそれがある。
【0077】
本発明の法面吹付け工法としては、吹付け用急硬剤とセメントコンクリートの混合物である急硬性セメントコンクリートを直に法面へ吹付けてもよいが、補強効果を増すために、補強材を配置してフレーム骨格を形成し、アンカーを打ち込んだ後、その上に急硬性セメントコンクリートを吹付けることが好ましい。フレームとしては、変形可能な補強材を配置したフリーフレーム工法がより好ましい。
【0078】
ここで、補強材とは、ワイヤ、金網、鉄筋又は鉄骨等の金属類、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリビニルアルコール、ポリアミド、及びアクリル系樹脂等の樹脂類、グラスファイバー、並びにカーボンファイバー等からなるものである。これらを組み合わせてフレーム骨格を形成し、急硬性セメントコンクリートを吹付け、フレームとするものである。
【0079】
フリーフレーム工法に使用する補強材の配置方法としては特に制限されるものではないが、たとえば以下の方法が挙げられる。まず、波形鉄筋φ1〜3mmからなる幅30〜60cm、長さ1〜3m程度の金網を2枚平行に金網の幅と同程度の間隔で、長手方向を法面に沿って配置し、継ぎ足す。次いで、平行に立てた2枚の金網に鉄筋等のスペーサーを用いて、フレーム骨格を形成する。このフレーム骨格を縦横に延長する際、この交点部にアンカーを打ち込むことが好ましい。又、このフレーム骨格の交点部に交点部用フレーム骨格を用いることも可能である。
【0080】
このように配置したフレーム骨格に急硬性セメントコンクリートを用いて吹付けを行い、フレーム骨格の補強材が露出した部分に対し、セメントコンクリートを再吹付けするか、又はコテ、ヘラ又はローラー等で仕上げすることにより、フレームの美観を保つことが可能であり、同時に吹付け部以外の法面形状と調和させるため、ヘラで凹凸加工して岩石の形状を再現する等、法面の再加工も可能である。
【0081】
法面で使用する急硬性セメントコンクリートは、単位セメント量を270〜600kg/m3、W/C比(水/セメント比)を35〜65質量%、さらにs/a比(細骨材率)を50〜100質量%とすることが好ましく、材齢4週の圧縮強度を18N/mm2以上にすることが好ましい。
【0082】
【実施例】
以下、実験例に基づき本発明を詳細に説明する。
【0083】
実験例1
単位セメント量430kg/m3、非水硬性粉末50kg/m3、W/C(水/セメント比)=48量%、及びs/a(細骨材率)=70量%とし、かつ、コンクリート100容量部中、1容量部の繊維アを混合することによりコンクリートを調製した。このコンクリートをコンクリート圧送機アリバー280型(アリバー社製)により4m3/hrの圧送速度、0.4MPaの圧送圧力で空気圧送した。
【0084】
尚、コンクリートの調製にあたり、スランプが20cm程度になるように減水剤の使用量を調整した。
【0085】
その後、セメント100部に対して、成分換算で表1に示す量の4A族化合物とポリマーエマルジョン1部をポンプで圧送し、吐出口より手前10mに取付けたY字管から圧送空気とともにコンクリートに圧入、混合し、急硬性コンクリートとして吹付けを行った。
【0086】
得られた急硬性コンクリートにつき、増し吹き、作業性、圧送性、及び圧縮強度を測定した。結果を表1に併記した。
【0087】
<使用材料>
セメント:普通ポルトランドセメント、比重3.16
非水硬性粉末A:シリカフューム、比表面積200000cm2/g、比重2.20
繊維ア:スチール繊維、30mm、比重7.85
細骨材:新潟県姫川産砂、比重2.62、FM値2.86
粗骨材:新潟県姫川産砂利、比重2.63
減水剤:ポリカルボン酸系高性能減水剤、液状
4A族化合物a:硫酸チタニル水溶液、成分濃度20質量%
ポリマーエマルジョンi:エチルアクリレート/メタクリル酸の共重合体を含むポリマーエマルジョン(モル比45/55)、成分濃度10質量%
【0088】
<測定方法>
増し吹き:幅30cm×厚さ30cmのフレーム骨格を十字状に交差させて法面に配置した。フレーム骨格に急硬性コンクリートを吹付け、10分後に、15cmの厚みで再度、急硬性コンクリートを増し吹きし、増し吹きの状態を確認した。増し吹きした分の50質量%以上が崩落した場合×とし、増し吹きした分の一部が崩落した場合を△とし、全く見られない場合を○とした。
【0089】
作業性:幅10cm×長さ40cm×厚さ10cmのフレーム骨格に急硬性コンクリートを吹付けて5分間静置し、型枠の表面をコテで均して平坦に仕上げた。
平坦にする際のコテ均しの作業性を評価した。容易に仕上げることができた場合を○とし、仕上げるのに力を要した場合を△とし、力を入れても仕上げられない場合を×とした。
【0090】
圧送性:急硬性コンクリートを圧送する際、圧送管内の圧力が0.40〜0.55MPaであった場合を○とし、圧送管内が閉塞しやすくなる0.60MPa以上になっても、ハンマーで圧送管に衝撃を与えることにより0.40〜0.55MPaになった場合を△とし、圧送管が閉塞し、圧送管に衝撃を与えても0.40〜0.55MPaにならなかった場合を×とした。
【0091】
圧縮強度:急硬性コンクリートにつき、直径10cm×高さ20cm供試体を5個作製し、耐圧機で測定し、平均値を求めた。
【0092】
【表1】
Figure 0003701224
【0093】
実験例2
セメント100部に対して、成分換算で表2に示す4A族化合物3部とポリマーエマルジョン1部を用い、ダレ、増し吹き、作業性、及び圧送性を測定したこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表2に併記した。
【0094】
<使用材料>
4A族化合物b: 硫酸ジルコニウム水溶液、成分濃度20質量%
4A族化合物c:三塩化チタニウム水溶液、成分濃度20質量%
4A族化合物d:4A族化合物水溶液a50部と4A族化合物水溶液b50部の混合物
4A族化合物e:硫酸ハフニウム水溶液、成分濃度20質量%
【0095】
<測定方法>
ダレ:幅30cm×厚さ30cmの法面型枠を十字状に交差させて法面に配置した。その後、法面型枠に急硬性コンクリートを吹付けて観察し、ダレや肌落ちが多く見られた場合を×とし、わずかに見られた場合を△とし、全く見られない場合を○とした。
【0096】
【表2】
Figure 0003701224
【0097】
実験例3
セメント100部に対して、成分換算で4A族化合物3部と表3に示す量のポリマーエマルジョンを用い、ダレ、増し吹きを測定したこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表3に併記した。
【0098】
【表3】
Figure 0003701224
【0099】
実験例4
セメント100部に対して、成分換算で4A族化合物a3部と表4に示すポリマーエマルジョン1部を用い、ダレ、増し吹き、作業性、及び圧送性を測定したこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表4に併記した。
【0100】
<使用材料>
ポリマーエマルジョンii:無水マレイン酸/メチルメタクリレートの共重合体を含むポリマーエマルジョン(モル比40/60)、共重合体成分濃度10質量%
ポリマーエマルジョンiii:アクリル酸ナトリウム/ヒドロキシエチルアクリレートの共重合体を含むポリマーエマルジョン(モル比40/60)、共重合体成分濃度10質量%
ポリマーエマルジョンiv:エチルアクリレート/メタクリル酸/マレイン酸ジエチルの共重合体を含むポリマーエマルジョン(モル比40/40/20)、共重合体成分濃度10質量%
ポリマーエマルジョンv:2−エチルヘキシルアクリレート/メタクリル酸/ブチルアクリレートの共重合体を含むポリマーエマルジョン(モル比20/50/30)、共重合体成分濃度10質量%
ポリマーエマルジョンvi:メタアクリルアミド/アクリル酸/エチルメタクリレートの共重合体を含むポリマーエマルジョン(モル比20/50/30)、共重合体成分濃度10質量%
ポリマーエマルジョンvii:酢酸ビニル/エチルアクリレート/アクリル酸/2−エチルヘキシルアクリレートの共重合体を含むポリマーエマルジョン(モル比5/5/50/40)、共重合体成分濃度10質量%
【0101】
【表4】
Figure 0003701224
【0102】
実験例5
セメント100部に対して、表5に示す量の非水硬性粉末を用い、ペースト分離の有無、圧送性、及び圧縮強度を測定したこと以外は実験例1と同様に行った。
結果を表5に併記した。
【0103】
<使用材料>
非水硬性粉末B:フライアッシュ、比表面積4200cm2/g、比重2.25
非水硬性粉末C:石灰石微粉末、比表面積4000cm2/g、比重2.70
非水硬性粉末D:ベントナイト、比表面積3600cm2/g、比重2.62
【0104】
<測定方法>
ペースト分離の有無:ノズルから吐出した急硬性コンクリートの状態を観察した。急硬性コンクリート中のセメントペーストの分離が認められなかった場合を○とし、セメントペーストの分離が少し認められた場合を△とし、急硬性コンクリート中のセメントペーストが分離し、ノズルから下方に流れ落ちた場合を×とした。
圧縮強度:急硬性コンクリートにつき、直径10cm×高さ20cm供試体を20個づつ作製し、耐圧機で測定した。混練翌日(1日)、7日目、28日目に、それぞれ5個づつ測定し、その平均値を求めた。
【0105】
【表5】
Figure 0003701224
【0106】
実験例6
コンクリート100容量部中、表6に示す容量部の繊維を用い、耐衝撃性と圧送性を測定したこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表6に併記した。
【0107】
<使用材料>
繊維イ:市販品、ビニロン繊維、25mm、比重1.31
繊維ウ:市販品、ポリエチレン繊維、20mm、比重0.93
【0108】
<測定方法>
耐衝撃性:材齢1時間後の急硬性コンクリートを幅20cm×長さ20cm×厚さ1cmに切り取ったものを、平らにならした標準砂の上に置き、重さ100gの球体を50cmの高さから落下させた。落下回数5回以内で破壊した場合を×、破壊せずにひびが入ったものを△、破壊せずにひびが入らなかったものを○とした。
【0109】
【表6】
Figure 0003701224
【0110】
【発明の効果】
本発明の吹付け用急硬剤を用いると、吹付け直後の急硬性セメントコンクリートのダレや斜面からのずり落ちを防止でき、圧送性や強度発現性が良好で、かつ、コテ仕上げができる程度の粘度での仕上げ作業時間を確保できるので、法面表面の美観を維持することが可能となる。

Claims (8)

  1. 4A族元素の水溶性化合物とアルカリ増粘型ポリマーエマルジョンとを含有してなる吹付け用急硬剤。
  2. 4A族元素が、チタニウム又はジルコニウムであることを特徴とする請求項1記載の吹付け用急硬剤。
  3. 水を含有してなる請求項1又は請求項2記載の吹付け用急硬剤。
  4. 請求項1ないし請求項3のうちの1項記載の吹付け用急硬剤とセメントコンクリートとを含有してなる急硬性セメントコンクリート。
  5. 非水硬性粉末を含有してなる請求項4記載の急硬性セメントコンクリート。
  6. 繊維を含有してなる請求項4又は5記載の急硬性セメントコンクリート。
  7. 請求項1ないし請求項3のうちの1項記載の吹付け用急硬剤を圧送し、セメントコンクリートと合流混合して吹付けることを特徴とする吹付け工法。
  8. 補強材を法面に配置してフレーム骨格を形成した後、そのフレーム骨格に請求項4〜6のうちの1項記載の急硬性セメントコンクリートを吹付け、フレームを構築してなることを特徴とする法面吹付け工法。
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