JP2016137516A - プレート加工装置 - Google Patents

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【課題】引張強さ780MPa以上、ビッカース硬さ248HV(25.3N/mm2)以上、板厚4mm以上の厚板の高張力鋼板に対し穴の寸法公差が0.018mm以下の加工精度を備えるプレート鋼板を得る。
【解決手段】プレート加工装置を、プレートを穴加工するパンチとダイと、前記パンチはビッカース硬さが720HV(73.4N/mm2)から800HV(81.6N/mm2)の工具鋼で構成されるとともに、後工程で圧入するピンの締め代を確保する為に必要な穴寸法及び穴抜き加工部のせん断面を前記ダイと、前記パンチとダイを保持するパンチプレート及びダイプレートと、前記パンチプレートとダイプレートを保持するパンチホルダ及びダイホルダと、前記プレートをプレス加工する位置に位置決めする位置決め機構から構成されるようにした。
【選択図】図1

Description

この発明は、引張強さ及び硬さの大きい高張力鋼板のチェーン用プレート等をプレス成形する際、工具鋼で構成したパンチとダイをプレス金型に装着した、チェーン用プレートなどのプレート加工装置に関するものである。
プレス加工を用いて貫通穴が一つではなく複数形成された穴あき部材(例えばスプロケット用のチェーンリンク)の断面寸法を精度よく形成することにより、チェーンの耐久性および金型寿命を長くすることができる加工装置がある(例えば、特許文献1)。
特開2011−11214号公報
上述の装置の構成においては、板厚が厚く硬い材料、例えばプレス加工する鋼材の板厚が4mmの厚板で、引張強さが780MPa以上かつビッカース硬さが248HV以上ある材料、をプレス加工する際に、狙った穴寸法、あるいは穴のせん断面の長さ(サイズ)を確保することができず、工作装置が破損するという問題点があった。
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、プレート加工装置の構成要素であるパンチの硬さを実験結果から求めた720HVから800HVに加工することにより、引張強さが780MPa以上かつビッカース硬さが248HV以上ある厚板の高張力鋼板に対する穴などの抜き加工において、寸法公差が0.018mm以下の穴抜き加工、加工寸法及び穴抜き加工部の加工寸法精度を有するせん断面の長さを得ることができるプレート加工装置の提供を目的としている。上記せん断面はプレス加工により抜き加工された材料の加工面の表面粗さが小さく加工寸法精度を確保できる箇所を言う。また一般的に板厚に対し50%以上の大きさを有する為、板厚4mmの厚板の場合には、せん断面の長さ(サイズ)は2mm以上となる。なお、1HV(単位:kgf/mm2)≒0.102(単位:N/mm2)であるので、248HV≒25.3N/mm2、720HV≒73.4N/mm2、800HV≒81.6N/mm2と表せる(以下同様)。
本発明にかかるプレート加工装置は、
鋼材を複数回プレス加工し、被圧入材を挿入するための複数の貫通穴を有するプレートを形成するプレート加工装置であって、
前記鋼材を加工する位置に位置決めする位置決め機構と、
前記鋼材を抜き加工するため同時に使用される部品である、ダイ及びビッカース硬さが前記鋼材より大きい工具鋼で構成されたパンチと、
前記パンチを保持するパンチプレートと、
前記ダイを保持するダイプレートと、
前記パンチプレートと前記ダイプレートとを、前記鋼材をプレス加工する位置に位置決めする位置決め機構と、を備え、
初回のプレス加工に用いる抜き加工のための前記ダイのサイズを2回目のプレス加工に用いる前記ダイのサイズより小さく設定し、初回のプレス加工に用いる抜き加工のための前記パンチの外径を2回目のプレス加工に用いる前記パンチの外径より小さく設定し、かつ
初回の抜き加工の穴径を2回目の抜き加工の穴径より小さく設定したものである。
この発明によれば、予め、仕上げ穴に対し3.5%小さい穴(一般的な場合は10%程度小さい穴とする)をプレス成形により穴抜き加工し、後工程において再度プレス加工により仕上げ抜き加工し、この小径の穴と仕上げ穴の抜き加工に使用するパンチのビッカース硬さが720HVから800HV (720、800はビッカース硬さを表す数値又は
汎用鋼材との比較対象数値であって720から800の範囲内で有利な効果を奏する範囲)の工具鋼で構成する為、後工程で圧入するピンの締め代(φ17を基準とすると0.006〜0.015mm)を確保する為に必要な加工精度の高い抜き穴加工ができる、といった従来にない顕著な効果を奏するものである。
本発明の実施の形態1にかかるプレート加工装置の構成の一例を説明するための正面図である。 本発明の実施の形態1にかかるプレート加工装置を説明するための正面図である。 本発明の実施の形態1にかかるプレート加工装置を構成するパンチの斜視図である。 本発明の実施の形態1にかかるプレート加工装置で加工したチェーン用プレートの斜視図である。 本発明の実施の形態2にかかるプレート加工装置のプレートの位置決め機構を説明するための位置決め機構の設置状態を示す正面図である。 本発明の実施の形態2にかかるプレート加工装置のプレートの取り出し穴を説明するためのプレート取り出し穴の設置状態を示す斜視図である。 パンチ寿命の一例を説明するための図である。
本発明にかかるプレート加工装置は、例えば、高速回転及び高荷重の下での回転運動が想定されるエスカレータで使用されることを想定したものである。しかし、必ずしもエスカレータでの使用に限定されるものではない。つまり、エスカレータ以外の他の用途に使用された場合でも本発明の作用効果を発揮することができる。また、チェーン用途以外でも、板に多数穴を形成するような用途においても同様の作用効果を期待できる。以下、本発明の実施の形態について、図を用いて詳しく説明する。
実施の形態1.
図1〜図4は、本発明の実施の形態1にかかるプレート加工装置、およびその加工装置で製造したチェーン用プレートについて説明するための図である。
図1は、プレート加工装置の構成の一例を説明するためのもので、リンクプレート用高張力鋼板からプレス成形により外形を抜き加工するブランク加工と、予め仕上げ穴に対し小径の穴をプレス成形により抜き加工するピアス加工する、機構の部材の設置状態を説明する正面図である。
図2は、図1で穴抜き加工した穴に対し図1よりも外径の大きいパンチ及びダイを用いて再度穴抜き加工し、穴の外径を仕上げるシェービング加工を説明するための機構の、部材の設置状態を説明する正面図である。
図3は、プレート加工装置を構成するパンチの斜視図である。
図4は、図1〜図3を使用したプレート加工装置で製造したチェーン用プレートを説明するためのプレートの図で、図4(a)は正面図、図4(b)は斜視図である。
図1(a)に示すように、本発明の実施の形態1にかかるプレート加工装置のチェーン用プレートの工作装置(A)1000には、リンクプレート用高張力鋼板に穴加工するパンチ110と、工作装置と、図示しないプレス加工機を位置決めするパンチホルダ100、穴加工する際、パンチがパンチホルダに埋没することを防ぐバッキングプレート101、パンチを保持するパンチプレート102、穴加工及び外径抜き加工する際、リンクプレート用高張力鋼板を押さえ、反りなどの変形を避けること、及びパンチ110からプレートを外す為のストリッパプレート103、パンチとのクリアランスにより穴径を加工する為のダイ130、ダイ130を保持するダイプレート120、プレス機を使い穴加工する際、ダイがダイプレートに埋没することを防ぐダイホルダ121、工作装置(A)上部1001と工作装置(A)下部1002の同軸を確保する為のガイドブッシュ140、ガイドポスト141が設けられている。
このうち、パンチ110は、ビッカース硬さが720HVから800HV(720、800はビッカース硬さを表す数値又は汎用鋼材との比較対象であって720から800の範囲内で有利な効果を奏する)の工具鋼で構成した。また、ダイ130は、ビッカース硬さが697HVから772HV(697、772はビッカース硬さを表す数値又は汎用鋼材との比較対象であって697から772の範囲内で有利な効果を奏する)の工具鋼で構成した。
ここでHVとは、ダイヤモンド材質の四角錐形状の圧子を被測定物に押し当てた後、圧痕の対角線から求めた表面積で荷重を除した商を硬さとして定義し、数値化したビッカース硬さの記号を示す。なお、1HV(単位:kgf/mm2)≒0.102(単位:N/mm2)であるので、720HV≒73.4N/mm2、800HV≒81.6N/mm2と表せる。
チェーン両側面に鎖状に連続するリンクプレートの成形に先立ち、一般的に高張力鋼板と呼ばれる鉄鋼材料としてS45C(機械構造用炭素鋼)に比べ引張強さが780MPaなどと高く、ビッカース硬さが248HV(≒25.3N/mm2。以下同様)と硬く、板厚が4mmなどの厚い材料を、板幅30mm程度にあらかじめスリット加工しておく。また、図示しないプレス機に工作装置(A)上部1001および工作装置(A)下部1002から構成される工作装置(A)1000をパンチホルダ100とダイホルダ121で取り付けておく。そして、図1(b)に示すように、リンクプレート用高張力鋼板150をダイプレート120にセットする。続いて、図1(a)に示す工作装置(A)上部1001を図示しないプレス機で下降させ、リンクプレート用高張力鋼板150に複数の同径の穴をプレス加工する。
次に、成形したリンクプレートの穴を仕上げ加工する工作装置2000(B)について説明する。工作装置(B)2000には、図2(a)に示すように、前工程で加工したプレートの穴を再度プレス加工により仕上げ加工するパンチ210を保持するパンチホルダ200、穴加工する際、パンチがパンチホルダに埋没することを防ぐバッキングプレート201、工作装置と図示しないプレス加工機とを位置決めするパンチプレート202、プレス機を使いプレートを穴加工する際、プレート用素材を押さえ、反りなどの変形を避けること及びパンチ210からプレートを外す為に必要なストリッパプレート203、パンチとのクリアランスにより目的の穴径を加工する為のダイ230、ダイ230を保持するダイプレート220、穴加工する際、ダイがダイプレートに埋没することを防ぐダイホルダ221、工作装置(B)上部2001と工作装置(B)下部2002の同軸を確保するためのガイドブッシュ240とガイドポスト241、が設けられている。
パンチ210は、ビッカース硬さが720HVから800HV(720、800はビッカース硬さを表す数値又は汎用鋼材との比較対象であって720から800の範囲内で有利な効果を奏する)の工具鋼で構成した。また、ダイ230は、ビッカース硬さが697HVから772HV(697、772はビッカース硬さを表す数値又は汎用鋼材との比較対象であって697から772の範囲内で有利な効果を奏する)の工具鋼で構成した。
こちらも同様にリンクプレートの成形に先立ち、図示しないプレス機に工作装置(B)上部2001および工作装置(B)下部2002から構成される工作装置(B)2000をパンチホルダ200とダイホルダ221で取り付けておく。そして、図2(b)に示すように、リンクプレート用高張力鋼板をダイプレート220にセットする。続いて、図2(a)に示す工作装置(B)2001を図示しないプレス機でプレスし、リンクプレート用高張力鋼板250に複数の同径の穴をプレス加工する。
また、パンチの形状は、図3(a)および(b)に示すようにその刃部が円柱形状あるいは、二面幅をもつ略円柱形状が好ましい。すなわち、パンチ(A)310、パンチ(B)311に示すものである。このようなパンチを用いれば、断面が円形あるいは二面幅をもつ穴に対しても本加工装置は有効である。このようにして、上述したリンクプレートが成形できる。
図4は、図1〜図3を使用したプレート加工装置で製造したチェーン用プレートを説明するためのプレートの斜視図である。図4に示すように、例えば板厚4mm、引張強さが780MPa以上を有する高張力鋼板に対してφ17〜φ17.018mmの高精度の貫通穴を成形する場合には図1で示した予め仕上げた穴に対し、小径の穴をプレス成形により抜き加工するピアス加工用金型のパンチ110の外径及びダイ130の穴径はそれぞれφ16.4mm、φ17.0mmである。
図2で示したように、図1よりも外径の大きいパンチ及びダイを用いて再度穴抜き加工し穴の外径を仕上げる工作装置(B)2000のパンチ210の外径及びダイ230の穴径は、それぞれφ17.0mm、φ17.06mmとする。
さらに前記したようにパンチ110、パンチ210はビッカース硬さが720HVから800HV(720、800はビッカース硬さを表す数値又は汎用鋼材との比較対象であって720から800の範囲内で有利な効果を奏する)の工具鋼で構成することにより、例えばパンチの材質を超硬で硬さが1200HV(≒122N/mm2)以上(1200はビッカース硬さを表す数値又は比較対象であって1200以上の範囲内で有利な効果を奏する)のパンチを使った工作装置に比べ、パンチの硬さを低下させたことにより、パンチ回数50回までの早期にパンチが破損することなくパンチの寿命を工具メーカ等で一般に使用される6500回以上に改善することができる。
このようにして成形したリンクプレートの貫通穴に対して後工程においてピンまたはパイプを圧入しチェーンとして組み立てる必要がある。図4に示すように、例えば板厚4mm、引張強さが780MPa以上を有しビッカース硬さが248HV以上あるリンクプレート用高張力鋼板450にφ17mmの穴を、プレス成形した穴と圧入する相手部品が互いに同時に回転動作することが無いよう、嵌め合いにより締結するため、プレス成形による穴のせん断面の長さは2.4mm以上であり、また、表面粗さはRz6.3以下である必要があることを実験により確認した。すなわち、穴の加工精度を確保する為、前記プレート用工作装置により加工寸法精度(2.4mm以上の長さにわたって面粗さRz6.3以下の加工精度の意味。以下同様)で成形する必要がある。この条件で成形した場合、プレス成形したφ17〜φ17.018mmの貫通穴の加工精度(「高精度」の程度)は、板材を機械加工であるリーマ加工した穴の寸法公差のH7に相当するが、表面粗さRz6.3以下の意味する所は、この表面粗さの値が、一般的に機械加工の仕上げ加工であるリーマ加工により確保できる表面粗さであるということである。そして、この高精度をプレス加工によりプレートをせん断面加工した面において確保することができる。
S45Cなどの機械構造用炭素鋼、SKD11などの金型用合金工具鋼は、熱処理を施すことにより、材料内部に存在する炭素を均一に拡散し、硬さ及び引張強さなどの機械的性質を向上する事ができる。
一般的に、生材と言われる熱処理を施していない材料の硬さは、例えばS45Cの場合160HVであり、今回プレス加工する高張力鋼板の硬さ248HVに対し低いことがわかる。硬さが一般鋼材の160HV(≒16.3N/mm2)より大きい高張力鋼板に対し、高張力鋼板の硬さ248HV以下に比べて、硬さがより小さいパンチを使い、穴抜き加工する際、パンチが高張力鋼板に接触すると、パンチには応力が負荷され、パンチは膨張し塑性変形する。パンチが塑性変形することによりパンチの寸法が変化し、穴抜き加工後に確保したい穴の寸法公差0〜0.018mmを得ることは難しく、また、プレス加工の利点である繰り返し加工精度も確保することができない。
図7は、規定回数まで破損することのないパンチ寿命の実験結果を示す表である。機械構造用炭素鋼、例えばS45Cなどは、一般的な焼入れ、焼き戻し手法を用いた熱処理により硬さを382HV(≒39.0N/mm2)から446HV(≒45.5N/mm2)程度に向上する事ができる。また、金型用合金工具鋼の例えばSKD11も一般的な熱処理により、硬さを720HVから800HVに高めることができる。また、熱処理の温度、時間を任意に変更することで、硬さは460HV(≒46.9N/mm2)から710HV(≒72.4N/mm2)に低く加工することができる。すなわち、No.3とNo.4の試作サンプルは、熱処理の温度、時間を適宜、変更することで区別して作成可能である。
これらの材料をパンチとして使用した際、いずれもプレス加工する高張力鋼板の硬さ248HVに対し硬さが高いが、機械構造用炭素鋼の場合、合金工具鋼に比べ靱性が低いことからパンチ寿命が短く、穴の寸法公差を繰り返し確保する事ができない。
熱処理していない硬さのパンチに比べ、パンチが高張力鋼板に接触した際にパンチに負荷される応力に変わりはないが、プレス加工を繰り返す度にパンチは膨張と収縮の塑性変形が繰り返され、次第に累積した塑性変形量が大きくなりパンチとダイに設定した適正なクリアランスが確保できなくなる。結果としてパンチの刃先が偏摩耗する、欠ける、ストリッパプレートと焼き付きかじりが生じるといったパンチの破損が発生し穴加工精度及びパンチ寿命は短い。
また、粉末ハイス鋼の例えばSKH40などは、一般的な熱処理により硬さを810HV(≒82.6N/mm2)から900HV(≒91.8N/mm2)に高めることができる。超鋼の例えばV20なども、熱処理により硬さを1200HV程度まで高めることができるが、パンチ材料として高張力鋼板をプレス加工するとパンチに残留した応力は弾性変形として開放されず蓄積し、結果としてパンチは加工数50回以下で破損する。
したがって、硬さと靱性を兼ね備えた硬さであるビッカース硬さ720HVから800HV の範囲に高めた合金工具鋼のパンチ寿命は6500回以上確保でき、後工程で圧入するピンの締め代を確保する為に必要な抜き穴加工ができる。
以上のように、本実施の形態1にかかるプレート加工装置によれば、例えば板厚4mm、引張強さ780MPaかつビッカース硬さが248HVある高張力鋼板に対し、φ17〜φ17.018mm、穴のせん断面の長さおよび表面粗さは、それぞれ2.4mm以上、Rz6.3以下の高精度の穴加工ができる。
実施の形態2.
本実施の形態2にかかるプレート加工装置では、実施の形態1のプレート加工装置に対し、プレートを位置決めする際の位置決めピンと成形後のプレートがプレス用潤滑油で金型に張り付くことを抑制できる加工装置を説明するためのものである。なお、本実施の形態2において、実施の形態1と同様の部分については、説明を省略し、図1〜4については援用する。
図5は、プレート加工装置に係るチェーン用プレートの工作装置(B)2000のプレートの位置決め機構500を説明するための位置決め機構の設置状態を示す正面図である。実施の形態1で説明した工作装置(B)上部2001および工作装置(B)下部2002から構成される工作装置(B)2000をパンチホルダ200とダイホルダ221で図示しないプレス機に取り付け、図示しないリンクプレート用高張力鋼板をダイプレート220にセットする際、プレート用鋼板を位置決めできる位置決め機構を設けたものである。つまり、ダイホルダ221の上面に圧縮ばね機構を備えプレートを位置決めピンに押し付けることができるI字型のプレートと点接触する位置決め機構500を設けたものである。
リンクプレート用高張力鋼板は、前記のとおり板幅を例えば30mmにあらかじめスリット加工するが、スリット加工による加工寸法のばらつきを位置決め機構500により位置決めピン501に対し予圧し位置決めすることができ、チェーン用プレートの穴ピッチを安定に加工できてプレートを歩留まり良く製造することができる。この機構は工作装置(A)1000に対して設定してもよいことは言うまでもない。また加工毎に、同じ予圧で位置決めしてもよいし、異なる予圧で位置決めしてもよい。
図6(a)は、プレート加工装置の一例であるチェーン用工作装置のプレートの取り出し穴を説明するためのリンクプレート用取り出し溝600の設置状態を示す斜視図である。前記の通り、リンクプレート用高張力鋼板に対し外形を抜き加工するブランク加工し、かつ、あらかじめ仕上げ穴に対し、小径の穴をプレス成形により抜き加工したチェーン用プレートは、図示しないプレス用潤滑油によってダイホルダ221に張り付く。
図6(b)に示すように、パンチ及びダイを用いて再度穴抜き加工し、穴の外径を仕上げ加工したプレートも、図示しないプレス用潤滑油によってストリッパプレート203に張り付く。ストリッパプレート203にプレートノックアウト用ばね機構601、ダイプレート220にリンクプレート用取り出し溝600を設け、これらの機構により、加工毎にリンクプレート用高張力鋼板250がストリッパプレート203に張り付くことなく、リンクプレート用取り出し溝600に図示しないプレート取り出し棒などの工具を使い、かき出すことにより、容易にリンクプレート用高張力鋼板を取り外すことができ、プレートの脱離作業を短時間に改善することができる。なお、この機構は工作装置(A)1000に対して設定してもよいことは言うまでもない。
以上のように、本実施の形態2にかかるプレート加工装置によれば、ストリッパプレートに張り付くチェーン用プレートを取り外す作業を改善することができ、生産タクトタイムを短縮することができる。
なお、本発明は、その発明の範囲において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。例えば、プレス回数は2回の場合を例に説明したが、これに限らず3回以上に分けて行ってもよい。
100 パンチホルダ、101 バッキングプレート、102 パンチプレート、103ストリッパプレート、110 パンチ、120 ダイプレート、121 ダイホルダ、130 ダイ、140 ガイドブッシュ、141 ガイドポスト、150 リンクプレート用高張力鋼板、200 パンチホルダ、201 バッキングプレート、202 パンチプレート、203 ストリッパプレート、210 パンチ、220 ダイプレート、221 ダイホルダ、230 ダイ、240 ガイドブッシュ、241 ガイドポスト、250 リンクプレート用高張力鋼板、310 パンチ(A)、311 パンチ(B)、450 リンクプレート用高張力鋼板、500 位置決め機構、501 位置決めピン、600
リンクプレート用取り出し溝、601 プレートノックアウト用ばね機構、1000 工作装置(A)、1001 工作装置(A)上部、1002 工作装置(A)下部、2000 工作装置(B)、2001 工作装置(B)上部、2002 工作装置(B)下部

Claims (6)

  1. 鋼材を複数回プレス加工し、被圧入材を挿入するための複数の貫通穴を有するプレートを形成するプレート加工装置であって、
    前記鋼材を加工する位置に位置決めする位置決め機構と、
    前記鋼材を抜き加工するため同時に使用される部品である、ダイ及びビッカース硬さが前記鋼材より大きい工具鋼で構成されたパンチと、
    前記パンチを保持するパンチプレートと、
    前記ダイを保持するダイプレートと、
    前記パンチプレートと前記ダイプレートとを、前記鋼材をプレス加工する位置に位置決めする位置決め機構と、を備え、
    初回のプレス加工に用いる抜き加工のための前記ダイのサイズを2回目のプレス加工に用いる前記ダイのサイズより小さく設定し、初回のプレス加工に用いる抜き加工のための前記パンチの外径を2回目のプレス加工に用いる前記パンチの外径より小さく設定し、かつ初回の抜き加工の穴径を2回目の抜き加工の穴径より小さく設定したことを特徴とするプレート加工装置。
  2. 前記鋼材は、板厚が4mm以上の高張力鋼板であることを特徴とする請求項1に記載のプレート加工装置。
  3. 前記鋼材は、引張強さが780MPa以上、ビッカース硬さが25.3N/mm2以上、
    かつ、板厚が4mm以上であり、
    前記パンチのビッカース硬さは、73.4から81.6N/mm2であって、
    前記初回の抜き加工の穴径を2回目の抜き加工の穴径より3.5%小さく設定したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプレート加工装置。
  4. 前記鋼材に対し外形を抜き加工するブランク加工機構と、
    予め仕上げた穴に対し小径の穴をプレス成形によりピアス穴あけ加工するピアス加工機構と、
    前記ピアス穴あけ加工した穴より外径の大きいパンチを用いて再度ピアス穴あけ加工して穴の外径を仕上げるシェービング加工機構と、
    を備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のプレート加工装置。
  5. プレス加工毎に、前記鋼材を加工する位置に取り付け、かつ取り外す機構を備えたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のプレート加工装置。
  6. 前記パンチの外形形状は、円柱状、あるいは一部、2面幅を有する略円柱状であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のプレート加工装置。
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