以下、本発明による固体撮像装置及び電子カメラについて、図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態による電子カメラ1を模式的に示す概略ブロック図である。
本実施の形態による電子カメラ1は、例えば一眼レフのデジタルカメラとして構成されるが、本発明による電子カメラは、これに限らず、コンパクトカメラなどの他の電子カメラや、携帯電話に搭載された電子カメラなどにも適用することができる。
電子カメラ1には、撮影レンズ2が装着される。この撮影レンズ2は、レンズ制御部3によってフォーカスや絞りが駆動される。この撮影レンズ2の像空間には、固体撮像装置4の撮像面が配置される。
固体撮像装置4は、撮像制御部5の指令によって駆動され、デジタルの画像信号を出力する。デジタル信号処理部6は、固体撮像装置4から出力されるデジタルの画像信号に対して、デジタル増幅、色補間処理、ホワイトバランス処理などの画像処理等を行う。デジタル信号処理部6により処理された画像信号は、メモリ7に一旦蓄積される。メモリ7は、バス8に接続されている。バス8には、レンズ制御部3、撮像制御部5、CPU9、液晶表示パネル等の表示部10、記録部11、画像圧縮部12及び画像処理部13なども接続される。CPU9には、レリーズ釦などの操作部14が接続される。また、記録部11には記録媒体11aが着脱自在に装着される。
本実施の形態では、操作部14のレリーズ釦の半押し操作が行われると、電子カメラ1内のCPU9は、図示しない焦点検出センサからの検出信号に基づいてデフォーカス量を算出し、このデフォーカス量に応じて合焦状態となるように、レンズ制御部3に撮影レンズ2を調節させる。また、CPU9は、予め操作部14により指令された絞りとなるように、レンズ制御部3に撮影レンズ2を調節させる。そして、操作部14のレリーズ釦の全押し操作に同期して、CPU9が撮像制御部5を介して固体撮像装置4を制御することによって、固体撮像装置4からデジタルの画像信号が読み出される。この画像信号は、デジタル信号処理部6により処理された後に、メモリ7に一旦格納される。その後、CPU9は、操作部14の指令に基づき、メモリ7内の画像信号に対して必要に応じて画像処理部13や画像圧縮部12にて所望の処理を行い、記録部11に処理後の信号を出力させ記録媒体11aに記録する。
図2は、図1中の固体撮像装置4の概略構成を示す回路図である。本実施の形態では、固体撮像装置4は、CMOS型の固体撮像装置として構成されているが、他のXYアドレス型固体撮像装置として構成してもよい。
図2に示すように、固体撮像装置4は、2次元状に配置された複数の画素21(図2では、2×3個の画素2を示す。)からなる画素アレイ部22と、複数の画素21の列毎に設けられ対応する列の画素21からの信号を受け取る複数の垂直信号線23と、各垂直信号線23に設けられた定電流源24と、垂直走査回路25と、ランプ信号Vramp及び基準電圧GNDに基づいて複数の垂直信号線23の信号をそれぞれ処理する複数のカラム回路(信号処理部)26と、ランプ信号Vrampを発生するランプ信号発生回路27と、カウンタ28と、制御パルス発生回路29と、水平走査回路30と、減算器31と、出力回路32とを備えている。
図3は、図2中の1つの画素21を示す回路図である。各画素21は、一般的なCMOSイメージセンサと同様に、入射光に応じた電荷を生成し蓄積する光電変換部としてのフォトダイオードPDと、前記電荷を受け取って前記電荷を電圧に変換する電荷電圧変換部としてのフローティングディフュージョンFDと、フローティングディフュージョンFDの電位に応じた信号を出力する増幅部としての増幅トランジスタAMPと、フォトダイオードPDからフローティングディフュージョンFDに電荷を転送する転送トランジスタTXと、フローティングディフュージョンFDの電位をリセットするリセットトランジスタRESと、読み出し行を選択するための選択トランジスタSELとを有し、図3に示すように接続されている。図3において、VDDは電源電位である。なお、本実施の形態では、画素21のトランジスタAMP,TX,RES,SELは、全てnMOSトランジスタである。
転送トランジスタTXのゲートは行毎に制御線41に共通に接続され、そこには、転送トランジスタTXを制御する制御信号φTXが垂直走査回路25から供給される。リセットトランジスタRESのゲートは行毎に制御線42に共通に接続され、そこには、リセットトランジスタRESを制御する制御信号φRESが垂直走査回路25から供給される。選択トランジスタSELのゲートは行毎に制御線43に共通に接続され、そこには、選択トランジスタSELを制御する制御信号φSELが垂直走査回路25から供給される。各制御信号φTXを行毎に区別する場合、n行目の制御信号φTXは符号φTX(n)で示す。この点は、制御信号φRES,φSELについても同様である。
各画素21のフォトダイオードPDは、入射光の光量(被写体光)に応じて信号電荷を生成する。転送トランジスタTXは、制御信号φTXのハイレベル期間にオンし、フォトダイオードPDの電荷をフローティングディフュージョンFDに転送する。リセットトランジスタRESは、制御信号φRESのハイレベル期間(電源電位VDDの期間)にオンし、フローティングディフュージョンFDをリセットする。
増幅トランジスタAMPは、そのドレインが電源電位VDDに接続され、そのゲートがフローティングディフュージョンFDに接続され、そのソースが選択トランジスタSELのドレインに接続され、定電流源24(図3では図示せず、図2を参照)を負荷とするソースフォロア回路を構成している。増幅トランジスタAMPは、フローティングディフュージョンFDの電圧値に応じて、選択トランジスタSELを介して垂直信号線23に読み出し信号を出力する。選択トランジスタSELは、制御信号φSELのハイレベル期間にオンし、増幅トランジスタAMPのソースを垂直信号線23に接続する。
垂直走査回路25は、画素21の行毎に、制御信号φSEL,φRES,φTXをそれぞれ出力し、画素アレイ部22の行アドレスや垂直走査の周知の制御を行う。この制御によって、各垂直信号線23には、それに対応する列の画素2の出力信号(アナログ信号)が供給される。
画素21の構成は、前述した図3に示す構成に限らない。例えば、画素21の構成として、図4に示す構成を採用してもよい。図4は、変形例による画素21を示す回路図である。図4において、図3中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
図4に示す構成が図3に示す構成と異なる所は、列方向に隣り合う2つの画素21毎に、当該2つの画素21が1組のフローティングディフュージョンFD、増幅トランジスタAMP、リセットトランジスタRES及び選択トランジスタSELを共有している点である。この変形例では、垂直走査回路25は、図3に示すような制御信号φSEL,φRES,φTXに代えて、図4に示すような制御信号φSEL,φRES,φTX1,φTX2を出力するように構成される。
図4では、1組のフローティングディフュージョンFD、増幅トランジスタAMP、リセットトランジスタRES及び選択トランジスタSELを共有する2つの画素21(21−1,21−2)を、画素ブロックBLとして示している。また、図3では、画素ブロックBL内の上側の画素21−1のフォトダイオードPD及び転送トランジスタTXをそれぞれ符号PD1,TX1で示し、画素ブロックBL内の下側の画素21−2のフォトダイオードPD及び転送トランジスタTXをそれぞれ符号PD2,TX2で示し、両者を区別している。また、転送トランジスタTX1のゲートに供給される制御信号をφTX1とし、転送トランジスタTX2のゲート電極に供給される制御信号をφTX2とし、両者を区別している。なお、図3ではnは画素行を示しているが、図4ではnは画素ブロックBLの行を示している。画素ブロックBLの1行は、画素21の2行に相当している。
この変形例では、垂直走査回路25は、図1中の撮像制御部5からの制御信号を受けて、画素21の行毎に、制御信号φSEL,φRES,φTX1,φTX2をそれぞれ出力することで、読み出し動作を実現することができる。
画素21の出力信号には、一般的なCMOSイメージセンサと同様に、所定情報を含む情報信号に相当する光信号と、前記情報信号から差し引くべき基準成分を含む基準信号に相当するダーク信号とがある。前記光信号は、画素21で光電変換された光情報を含む信号である。具体的には、本実施の形態では、ダーク信号は、フローティングディフュージョンFDがリセットされたときに画素21から出力される信号であり、光信号は、フォトダイオードFDの信号電荷がフローティングディフュージョンFDに転送されたときに画素21から出力される信号であり、ダーク信号が重畳された信号である。
各カラム回路26は、増幅部51を有している。本実施の形態では、増幅部51は、演算増幅器(第2の演算増幅器)OP、入力容量CA、帰還容量CG、及び、クランプ制御信号φCARSTに応じてオンオフするクランプ制御スイッチ(第2の帰還スイッチ)CARSTを有し、演算増幅器OPの出力端子から、対応する垂直信号線23の信号に応じた情報信号及び基準信号を出力する。演算増幅器OPの非反転入力端子(+入力端子)には、電位供給部33により一定電位Vrefが印加されている。垂直信号線23が入力容量CAを介して演算増幅器OPの反転入力端子(−入力端子)に接続されている。また、演算増幅器OPの反転入力端子と演算増幅器OPの出力端子との間に、帰還容量CG及びクランプ制御スイッチCARSTが並列に接続されている。演算増幅器OPは、差動増幅回路等を用いて構成されている。各カラム回路26のクランプ制御スイッチCARSTの制御入力部は共通して接続され、そこには制御パルス発生回路29からクランプ制御信号φCARSTが供給される。クランプ制御スイッチCARSTは、クランプ制御信号φCARSTがハイレベルの場合にオンし、クランプ制御信号φCARSTがローレベルの場合にオフする。
この増幅部51によれば、信号φCARSTがハイレベルになると、クランプ制御スイッチCARSTがオンして演算増幅器OPの反転入力端子と出力端子との間が短絡し、演算増幅器OPの出力端子が所定電位Vrefにクランプされる。その後、信号φCARSTがローレベルにされてクランプ制御スイッチCARSTがオフした状態において、垂直信号線23の電圧がΔVだけ変化すると、演算増幅器OPの出力端子の信号は、{Vref−(CA/CG)×ΔV}となる。このように、クランプ制御スイッチCARSTがオフすると、入力容量CAと帰還容量CGの比で反転ゲイン(−CA/CG)が得られる。
後述するように、所定期間だけ一旦φCARSTがハイレベルにされ、垂直信号線23にダーク信号が出力されているときにφCARSTがローレベルに戻され、その後に、垂直信号線23に光信号が出力される。以下の説明では、垂直信号線23にダーク信号が出力されているときにφCARSTをローレベルに戻したときの演算増幅器OPの出力信号もダーク信号呼び、その信号及び電位をVdで示す。また、その後に垂直走査回路25に光信号が出力されたときの演算増幅器OPの出力信号も光信号と呼び、その信号及び電位をVsで示す。
各カラム回路26における増幅部51以外の要素が、ランプ信号発生回路27及びカウンタ28と共に、AD変換器を構成している。ランプ信号発生回路27及びカウンタ28は、全ての列について共通して1つ設けられている。したがって、本実施の形態では、各垂直信号線23に対応してそれぞれ1つずつAD変換器が設けられているが、各AD変換器の構成要素のうちのランプ信号発生回路27及びカウンタ28については、全てのAD変換器によって共有されている。AD変換器の構成及び動作については、後述する。
水平走査回路30は、水平走査のための制御信号を各列のカラム回路26の後述するデータ記憶部52に供給し、各AD変換器により得られた各列毎のmビットの第1及び第2のデジタル値(各カラム回路26のデータ記憶部52の独立した記憶領域であるラッチA及びラッチBにそれぞれ記憶されたカウント値)を、順次mビットの第1及び第2の水平信号線34,35を介して減算器31に送出させる。減算器31は、受け取った第1及び第2のデジタル値の差分を取り、その差分を示すmビットのデジタル値を取得し、これを出力回路32に送出させる。出力回路32は、受け取ったデジタル値を、例えばパラレル−シリアル変換してシリアルデジタル信号として、外部(図1中のデジタル信号処理部6)へ出力させる。
制御パルス発生回路29は、図1中の撮像制御部5から受け取った図示しないマスタークロックに基づいて、垂直走査回路25、AD変換器及び水平走査回路30などの各動作に必要なクロック信号やタイミング信号を生成し、これらの信号を該当する回路部分に供給する。
図2中のAD変換器(ランプ信号発生回路27、カウンタ28、及び、カラム回路26における増幅部51以外の部分)の構成及びその作用を除いて、本実施の形態における固体撮像装置4の基本的な動作は、従来の一般的なCMOSイメージセンサと同様である。
ランプ信号発生回路27は、制御パルス発生回路29からの信号に基づいて、後述する図6に示すようなランプ信号Vrampを発生する。ランプ信号発生回路27の構成は何ら限定されず、例えば、カウンタ28のカウント値をDA変換するDA変換器を用いた構成を採用してもよいし、他の周知の種々の構成を採用してもよい。
カウンタ28は、制御パルス発生回路29からの指令を受けて、カウント動作の開始及び停止を行い、カウント動作中に、制御パルス発生回路29からのクロック信号をカウントし、nビットの信号線36を介してnビットのカウント値を各カラム回路26の後述するデータ記憶部52に供給する。
各カラム回路26は、ランプ信号Vramp及び基準電圧GNDに基づく比較処理を行うコンパレータCOMを有している。コンパレータCOMは、演算増幅器で構成されている。各カラム回路26は、コンパレータCOMの非反転入力端子に接続され増幅部51の演算増幅器OPの出力信号(垂直走査回路25に光信号3の信号に応じた信号)をサンプリングするサンプリングスイッチSW1と、一方電極がコンパレータCOMの非反転入力端子に接続されるとともに他方電極にランプ信号Vrampが入力される第1の容量C1と、一方電極がコンパレータCOMの反転入力端子に接続されるとともに他方電極に基準電圧GNDが入力される第2の容量C2と、コンパレータCOMの反転入力端子とコンパレータの出力端子との間をオンオフする帰還スイッチSW2と、を有している。
本実施の形態では、各カラム回路26の第1の容量C1の前記他方電極が、ランプ信号Vrampが入力されるカラム回路26の第1の入力部となっている。各カラム回路26の第1の容量C1の前記他方電極(第1の入力部)は、第1の配線61によって共通に接続され、そこにはランプ信号発生回路27からランプ信号Vrampが供給される。また、各カラム回路26の第2の容量C2の前記他方電極が、基準電圧GNDが入力されるカラム回路26の第2の入力部となっている。各カラム回路26の第2の容量C2の前記他方電極(第2の入力部)は、第2の配線62によって共通に接続され、そこには基準電圧GNDが供給される。本実施の形態では、この基準電圧として接地電位GNDが供給されるが、その基準電圧として他の一定電位を供給してもよい。第1及び第2の配線61,62やそれらに対するランプ信号Vramp及び基準電圧GNDの供給状況については、後に詳述する。
各カラム回路26のサンプリングスイッチSW1の制御入力部は共通して接続され、そこには制御パルス発生回路29から制御信号φSPLが供給される。サンプリングスイッチSW1は、制御信号φSPLがハイレベルの場合にオンし、制御信号φSPLがローレベルの場合にオフする。
各カラム回路26の帰還スイッチSW2の制御入力部は共通して接続され、そこには制御パルス発生回路29から制御信号φADCが供給される。帰還スイッチSW2は、制御信号φADCがハイレベルの場合にオンし、制御信号φADCがローレベルの場合にオフする。
各カラム回路26は、データ記憶部52を有している。データ記憶部52は、内部に独立した記憶領域としてのそれぞれnビットの、ラッチAとラッチBとを有している。データ記憶部52は、コンパレータCOMの出力信号Voutをラッチ指令信号として受け、コンパレータCOMの出力信号Voutが反転した時点でカウンタ28から信号線36を介して供給されているカウント値をラッチする。このとき、データ記憶部52は、制御パルス発生回路29からの制御信号φLCH(ラッチA,Bのいずれに記憶させるかを指令する信号)に従って、後述する図6中の第1の期間t11−t12におけるコンパレータCOMの出力信号Voutの反転時点でのカウント値をラッチAに記憶し、後述する図6中の第2の期間t17−t18におけるコンパレータCOMの出力信号Voutの反転時点でのカウント値をラッチBに記憶する。
カウンタ28は、制御パルス発生回路29からの指令によって、図6中の第1の期間t11−t12におけるランプ信号Vrampの変化開始時点t11からカウント動作を開始するとともに、図6中の第2の期間t17−t18におけるランプ信号Vrampの変化開始時点t17からカウント動作を開始する。したがって、データ記憶部52のラッチA,Bに記憶されたカウント値は、ランプ信号Vrampの変化開始時点t11,t17からコンパレータCOMの出力信号Voutの反転時点までの各経過時間を示す。このように、データ記憶部52及びカウンタ28は、それらの経過時間に応じたカウント値をそれぞれ得る計時部を構成している。データ記憶部52は、水平走査回路30からの制御信号を受けて、ラッチA,Bにそれぞれ記憶しているカウント値を、mビットのデジタル値に変換してmビットの水平信号線34,35をそれぞれ介して減算器31に送出させる。
図5は、本実施の形態における固体撮像装置4の動作の一例を示すタイミングチャートである。動作を開始すると、メカニカルシャッタ(図示せず)が所定期間(露光期間)T0開かれた後、1行目の読み出し期間、2行目の読み出し期間、・・・、n行目の読み出し期間、・・・が行われ、1行目から最終行まで1行ずつ順次読み出し動作が繰り返される。各行の読み出し期間(1水平期間)は、当該行の垂直転送期間(AD変換期間を含む)とこれに引き続く当該行の水平転送期間(水平走査期間)とからなる。図5において、T1は1行目の読み出し期間の垂直転送期間、T2は2行目の読み出し期間の垂直転送期間、Tnはn行目の読み出し期間の垂直転送期間を示している。図5に示すように、各行の読み出し期間の垂直転送期間において、当該行の制御信号φSELがハイレベルにされ、当該行の画素21の選択トランジスタSELがオンする。
図6は、図4中のn行目の読み出し期間の垂直転送期間Tnの動作を示すタイミングチャートである。垂直転送期間Tnは、時点t1で開始し、時点t18で終了する。
時点t1後の時点t2まで、制御信号φRES(n)がハイレベルに維持されて、n行目の画素21のリセットトランジスタRESがオン状態に維持される。時点t2で、制御信号φRES(n)がローレベルにされ、n行目の画素21のリセットトランジスタRESがオフにされる。リセットトランジスタRESのオフ状態は、時点t16まで維持される。時点t2から時点t3までの期間において、制御信号φCARSTがハイレベルにされ、時点t3以降は制御信号φCARSTがローレベルにされる。その結果、時点t3から後述する時点t8までの期間において、増幅部51の出力信号はダーク信号Vdとなる。
時点t1後の時点t9まで、ランプ信号Vrampは、接地電位GNDとなっている。もっとも、接地電位GNDに代えて、他の一定電位にしてもよい。
時点t4から時点t7までの期間において、制御信号φADCがハイレベルにされて帰還スイッチSW2がオンし、コンパレータCOMはボルテージフォロワとして機能する。時点t7以降は、制御信号φADCがローレベルにされて帰還スイッチSW2がオフし、コンパレータCOMは、コンパレータとして機能する。時点t4後の時点t5から時点t7前の時点t6までの期間において、制御信号φSPLがハイレベルにされてサンプリングスイッチSW1がオンにされる。時点t6以降は時点t14まで、制御信号φSPLがローレベルに維持される。
期間t5−t6において、サンプリングスイッチSW1がオンであるので、増幅部51から出力されているダーク信号Vdが、第1の容量C1にサンプリングされて蓄積され、コンパレータCOMの非反転入力端子にダーク信号Vdが供給された状態となる。第1の容量C1に蓄積されるダーク信号Vdのレベルは時点t6で定まり、このレベルは時点t6以降も維持される。また、期間t5−t7において、ダーク信号Vdは、ボルテージフォロワとして機能するコンパレータCOMの非反転入力端子に供給されるので、ダーク信号Vdは、サンプリングスイッチSW1→ボルテージフォロワ動作時のコンパレータCOM→帰還スイッチSW2の経路で第2の容量C2にもサンプリングされる。このとき、コンパレータCOMのオフセットVoffが乗ったダーク信号(Vd+Voff)が第2の容量C2に蓄積され、これがコンパレータCOMの反転入力端子に供給された状態となる。第2の容量C2に蓄積されるダーク信号(Vd+Voff)のレベルは時点t7で定まり、このレベルは時点t7以降も維持される。
時点t7後の時点t8から時点t10までの期間において、n行目の制御信号φTX(n)が一旦ハイレベルにされてn行目の画素21の転送トランジスタTXがオンする。これにより、増幅部51の出力信号は光信号Vsとなる。このとき、サンプリングスイッチSW1はオフしているので、増幅部の出力信号は容量C1,C2におけるダーク信号Vdのサンプリング状態に影響を与えない。
ランプ信号Vrampは、時点t7後の時点t9において接地電位GNDから所定電位に立ち上げられ、時点t9から時点t11までその所定電位に維持され、時点t11から時点t12まで経過時間に比例して漸次低下していき、時点t12の電位を時点t13まで維持し、時点t13で元の接地電位GNDに戻され、時点t16まで接地電位GNDに維持されている。なお、時点t11でのランプ信号Vrampのレベルを持ち上げているのは、ダーク信号Vdがゼロレベルに近くてもAD変換精度を高めるためである。
今、ランプ信号Vrampが接地電位GNDから変化している期間t9−t13について考えると、この期間では、第1の容量C1にはダーク信号Vdが蓄積されていることから、コンパレータCOMの非反転入力端子にはランプ信号Vrampとダーク信号Vdとの重畳信号(Vd+Vramp)が供給される一方で、コンパレータCOMの反転入力端子にはオフセットVoffが乗ったダーク信号(Vd+Voff)が供給されることになる。コンパレータCOMの非反転入力端子の入力信号が、コンパレータCOMの反転入力端子の入力信号と一致した時点で、コンパレータCOMの出力信号Voutが反転する。したがって、ランプ信号VrampがオフセットVoffと一致した時点で、コンパレータCOMの出力信号Voutが反転する。このため、ランプ信号Vrampの変化開始時点t11からコンパレータCOMの出力信号Voutの反転時点までの経過時間は、オフセットVoffを示すものとなる。この経過時間(すなわち、オフセットVoff)を示すカウント値がデータ記憶部52のラッチAに記憶される。
期間t11−t12は、増幅部51の出力信号がダーク信号Vdである場合(ひいては、垂直信号線23の信号がダーク信号(基準信号)である場合)において各カラム回路26のサンプリングスイッチSW1及び帰還スイッチSW2が期間t5−t6で一旦同時にオンにされてから同時にオフにされている期間のうち、ランプ信号Vrampが漸次変化する第1の期間となっている。第1の期間t11−t12の長さは、ダーク信号Vdの可変範囲を考慮して、第1の期間t11−t12内において確実にコンパレータCOMの出力信号Voutが反転するように、かつ、無駄に長期間とならないように、設定されている。
時点t13後の時点t14から時点t15までの期間において、制御信号φSPLがハイレベルにされてサンプリングスイッチSW1がオンにされる。時点t15以降は、制御信号φSPLがローレベルに維持される。
期間t4−t15において、サンプリングスイッチSW1がオンであるので、増幅部51から出力されている光信号Vsが、第1の容量C1にサンプリングされて蓄積される。第1の容量C1に蓄積される光信号Vsのレベルは時点t15で定まり、このレベルは時点t15以降も維持される。一方、コンパレータCOMのオフセットVoffが乗ったダーク信号(Vd+Voff)は、第2の容量C2に蓄積されたままであり、コンパレータCOMの反転入力端子に供給された状態のままである。
ランプ信号Vrampは、時点t15後の時点t16において接地電位GNDから所定電位に立ち上げられ、時点t6から時点t17までその所定電位に維持され、時点t17から時点t18まで経過時間に比例して漸次低下していき、時点t18で元の接地電位GNDに戻されている。なお、時点t17でのランプ信号Vrampのレベルを持ち上げているのは、ダーク信号Vdがゼロレベルに近くてもAD変換精度を高めるためである。
今、ランプ信号Vrampが接地電位GNDから変化している期間t16−t18について考えると、この期間では、第1の容量C1には光信号Vsが蓄積されていることから、コンパレータCOMの非反転入力端子にはランプ信号Vrampと光信号Vsとの重畳信号(Vs+Vramp)が供給される一方で、コンパレータCOMの反転入力端子にはオフセットVoffが乗ったダーク信号(Vd+Voff)が供給されることになる。コンパレータCOMの非反転入力端子の入力信号が、コンパレータCOMの反転入力端子の入力信号と一致した時点で、コンパレータCOMの出力信号Voutが反転する。したがって、ランプ信号Vrampが(Vd−Vs+Voff)と一致した時点で、コンパレータCOMの出力信号Voutが反転する。このため、ランプ信号Vrampの変化開始時点t17からコンパレータCOMの出力信号Voutの反転時点までの経過時間は、(Vd−Vs+Voff)を示すものとなる。この経過時間(すなわち、(Vd−Vs+Voff))を示すカウント値がデータ記憶部52のラッチBに記憶される。
期間t17−t18は、第1の期間t11−t12の後に増幅部51の出力信号が光信号Vsである場合(ひいては、垂直信号線23の信号が光信号である場合)において各カラム回路26の帰還スイッチSW2がオフに維持されたまま各カラム回路26のサンプリングスイッチSW1が期間t14−t15で一旦オンにされてからオフにされている期間のうち、ランプ信号Vrampが漸次変化する第2の期間となっている。第2の期間t17−t18の長さは、光信号Vsの可変範囲を考慮して、第2の期間t17−t18内において確実にコンパレータCOMの出力信号Voutが反転するように、かつ、無駄に長期間とならないように、設定されている。
n行目の読み出し期間の垂直転送期間Tnが終了すると、引き続いてn行目の読み出し期間の水平転送期間となる。この水平転送期間において、水平走査回路30は、制御パルス発生回路29からの制御信号に従って、水平走査を行い、各列のカラム回路26の後述するデータ記憶部52のラッチA及びラッチBにそれぞれ記憶された第1及び第2のカウント値を順次mビットの第1及び第2の水平信号線34,35を介して減算器31に送出させる。減算器31は、受け取った第1及び第2のデジタル値の差分(光信号Vsとダーク信号Vdとの差分に相当)を取り、その差分を示すmビットのデジタル値を取得し、これを出力回路32に送出させる。出力回路32は、受け取ったデジタル値を、所定の信号形式の信号に変換し、画像データとして外部(図1中のデジタル信号処理部6)へ出力させる。
なお、減算器31を取り除き、第1及び第2のデジタル値をそれぞれ出力回路32を介して図1中のデジタル信号処理部6へ出力し、デジタル信号処理部6で前記第1及び第2のデジタル値の差分を取るようにしてもよい。
以上、n行目の読み出し期間について説明したが、他の行の読み出し期間の動作も、n行目の読み出し期間の動作と同様である。
なお、以上説明した動作例では、各行の読み出し期間(1水平期間)が重複することなく順次行われるものとした。しかしながら、これに限らず、ある行の読み出し期間と次の行の読み出し期間とを一部重複させることも可能である。この場合、例えば、図6において、制御信号φSEL(n)を時点t16以降ローレベルにし、時点t16よりも若干後の時点から、次のn+1行目の読み出し期間を開始させてもよい。
ところで、本実施の形態では、図2に示すように、ランプ信号発生回路27は固体撮像装置4における行方向の一方側(図2中の左側)に配置され、各カラム回路26の第1の容量C1の前記他方電極(第1の入力部)を共通に接続する第1の配線61の図2中左側に、ランプ信号Vrampが供給されている。また、本実施の形態では、各カラム回路26の第2の容量C2の前記他方電極(第2の入力部)を共通に接続する第2の配線62の図2中左側に、基準電圧GNDが供給され、第2の配線62の図2中右側には基準電圧GNDが供給されていない。
図7は、図2中の第1及び第2の配線61,62を構成する配線パターン61a,61b,62a,62b等の具体例を模式的に示す概略平面図である。図7中の左右は図2中の左右と一致し、図7中の左右方向は画素21の行方向と一致している。
図7に示す例では、第1の配線61は、行方向(図7中の左右方向)に延びた主配線パターン61aと、コンタクト部61cによって主配線パターン61aに接続され列方向(図7中の上下方向)に延びて各カラム回路26の第1の容量C1に接続される副配線パターン61bとから構成されている。図7では、副配線パターン61bの階層は主配線パターン61aの階層と異なるので、副配線パターン61bを破線で示している。主配線パターン61aの図7中の左側がランプ信号発生回路27に接続され、主配線パターン61aの図7中の左側にランプ信号Vrampが供給される。
図7に示す例では、第2の配線62は、行方向(図7中の左右方向)に延びた主配線パターン62aと、コンタクト部62cによって主配線パターン62aに接続され列方向(図7中の上下方向)に延びて各カラム回路26の第2の容量C2に接続される副配線パターン62bとから構成されている。図7では、副配線パターン62bの階層は主配線パターン62aの階層と異なるので、副配線パターン62bを破線で示している。主配線パターン62aの図7中の左側が接地電圧GND供給用の電極パッド63dに接続され、主配線パターン62aの図7中の左側に基準電圧GNDが供給される。一方、主配線パターン62aの図7中の右側には電極パッドは接続されていない。
図8は、図1中の固体撮像装置4(すなわち、図2に示す固体撮像装置4)を模式的に示す概略平面図である。固体撮像装置4は、図2に示す回路を搭載したチップ71と、開口72aを有しチップ71を収容した凹形状のパッケージ本体72と、所定の光透過特性を有し開口72aを封止する蓋体73とを有している。
図8に示すように、チップ71には、電極パッド63a〜63gが形成されている。図8中の電極パッド63dは、図7中の接地電圧GND供給用の電極パッド63dを示している。
パッケージ本体72には、内部端子73a〜73h、及び、これらにそれぞれ1対1に電気的に接続された外部端子74a〜74hが設けられている。内部端子73a〜73gとチップ71の電極パッド63a〜63gとの間がそれぞれ、ボンディングワイヤ75によって電気的に接続されている。本例では、内部端子73h及び外部端子74hは、予備として使用されていない。勿論、内部端子73h及び外部端子74hを、何らかの信号を内外間で授受するために用いてもよい。
図9は、比較例による固体撮像装置104の概略構成を示す回路図であり、図2に対応している。図10は、図9中の第1及び第2の配線61,62を構成する配線パターン61a,61b,62a,62b等を模式的に示す概略平面図であり、図7に対応している。図11は、図9に示す比較例による固体撮像装置104を模式的に示す概略平面図であり、図8に対応している。図9乃至図11において、図2、図7及び図8中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
この比較例による固体撮像装置104が本実施の形態の固体撮像装置4と異なる所は、以下に説明する点である。
図2及び図9に示すように、本実施の形態の固体撮像装置4では、第2の配線62の図2中右側には基準電圧GNDが供給されていないのに対し、比較例による固体撮像装置104では、第2の配線62の耐ノイズ性を高めるべく、第2の配線62の図9中の左側のみならず図9中の右側においても基準電圧GNDが供給されている。
これを実現するため、図7及び図10に示すように、本実施の形態の固体撮像装置4では、第2の配線62の主配線パターン62aの図7中の右側には電極パッドが接続されていないのに対し、比較例による固体撮像装置104では、第2の配線62の主配線パターン62aの図7中の右側には接地電圧GND供給用の電極パッド63hが接続されている。また、図8及び図9に示すように、本実施の形態の固体撮像装置4では、チップ71に電極パッド63hが設けられておらずに内部端子73h及び外部端子74hが予備として使用されていないのに対し、比較例による固体撮像装置104では、チップ71に電極パッド63hが設けられて電極パッド63hと内部端子73hとの間がボンディングワイヤ75によって電気的に接続され、外部端子74hから内部端子73h介して電極パッド63hに接地電圧GNDが供給されるようになっている。
比較例においても本実施の形態においても、第1の配線61の図中左側にランプ信号発生回路27からランプ信号Vrampが供給されるので、外乱等により第1の配線61にノイズが乗ると、第1の配線61の図中左側のノイズレベルは比較的小さく、第1の配線61の図中右側のノイズレベルは比較的大きく、第1の配線61の図中左右中央のノイズレベルは中程度となる。
これに対し、比較例では、第2の配線62の図中左側及び右側の両側において基準電圧GNDが供給されるので、外乱等により第2の配線62にノイズが乗ると、第2の配線62の図中左側のノイズレベルは比較的小さく、第2の配線62の図中右側のノイズレベルも比較的小さく、第2の配線62の図中左右中央のノイズレベルは中程度となる。したがって、比較例では、第2の配線62におけるノイズレベルの分布状況が第1の配線61におけるノイズの分布状況と異なってしまい、第1の配線61の図中右側のノイズレベルと第2の配線62の図中右側のノイズレベルとの差が大きくなる。このため、比較例では、図中右側の列のカラム回路26において、ランプ信号Vrampに乗るノイズのレベルと基準電圧GNDに乗るノイズのレベルとの差、ひいては、AD変換のためにコンパレータCOMで比較される2つの信号(コンパレータCOMの非反転入力端子に入力される信号とコンパレータCOMの反転入力端子に入力される信号)にそれぞれ乗るノイズのレベルの差が大きくなる。よって、比較例では、図中右側の列のカラム回路26では、AD変換のためのコンパレータCOMによる比較結果の誤差が大きくなり、AD変換誤差が大きくなる。その結果、得られる画像において、そのノイズの影響を受けた縦筋が現れてしまい、画質が低下してしまう。
一方、本実施の形態では、第2の配線62の図中左側において基準電圧GNDが供給され第2の配線62の図中右側において基準電圧GNDが供給されないので、外乱等により第2の配線62にノイズが乗ると、第2の配線62の図中左側のノイズレベルは比較的小さく、第2の配線62の図中右側のノイズレベルは比較的大きく、第2の配線62の図中左右中央のノイズレベルは中程度となる。したがって、本実施の形態では、第2の配線62におけるノイズレベルの分布状況が第1の配線61におけるノイズの分布状況と同様となり、図中の左側や左右中央のみならず右側においても、第1の配線61のノイズレベルと第2の配線62のノイズレベルとの差が小さくなる。このため、本実施の形態では、図中いずれの列のカラム回路26においても、AD変換のためにコンパレータCOMで比較される2つの信号(コンパレータCOMの非反転入力端子に入力される信号とコンパレータCOMの反転入力端子に入力される信号)にそれぞれ乗るノイズのレベルの差が小さくなる。よって、本実施の形態では、いずれの列のカラム回路26においても、ランプ信号Vrampに乗るノイズのレベルと基準電圧GNDに乗るノイズのレベルとの差、ひいては、AD変換のためのコンパレータCOMによる比較結果の誤差が小さくなり、AD変換誤差が小さくなる。その結果、本実施の形態では、得られる画像において、そのノイズの影響を受けた縦筋が低減され、画質が向上する。
図12は、本実施の形態において固体撮像装置4に代えて用いることができる変形例による固体撮像装置204を模式的に示す概略平面図であり、図8及び図11に対応している。
この固体撮像装置204は、比較例による固体撮像装置104において電極パッド63hと内部端子73hとの間のボンディングワイヤ75を取り除いたものであり、他の点は比較例による固体撮像装置104と全く同一である。この固体撮像装置204によっても、図2に示す第2の配線62に対する基準電圧GNDの供給状況を実現することができる。
また、本発明では、比較例による固体撮像装置104であっても、その用い方によっては、固体撮像装置4に代えて用いることができる。すなわち、比較例による固体撮像装置104を用いる場合には、固体撮像装置4を搭載する配線板等において、外部端子74hを基準電圧GNDの箇所に接続せずに電気的に浮かすことで、図2に示す第2の配線62に対する基準電圧GNDの供給状況を実現することができる。
[第2の実施の形態]
図13は、本発明の第2の実施の形態による電子カメラで用いられる固体撮像装置304の概略構成を示す回路図であり、図2に対応している。図13において、図2中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
本実施の形態による電子カメラが第1の実施の形態による電子カメラ1と異なる所は、固体撮像装置4に代えて、固体撮像装置304が用いられている点である。固体撮像装置304が固体撮像装置4と異なる所は、以下に説明する点である。
固体撮像装置304では、図13に示すように、図2中の各カラム回路26においてデータ記憶部52に代えてアップダウンカウンタ81が設けられ、カウンタ28及び減算器31が取り除かれ、水平信号線34,35に代えて水平信号線82が設けられている。
本実施の形態では、各カラム回路26のアップダウンカウンタ81には、制御パルス発生回路29から、アップダウンカウンタ81がダウンカウントモードで動作するのかアップカウントモードで動作するのかを指示するための制御信号φUDが入力されている。また、アップダウンカウンタ81には、制御パルス発生回路29からカウントクロックφCLKも入力されている。制御信号φUD及びカウントクロックφCLKはそれぞれ、各カラム回路26のアップダウンカウンタ81に共通して入力される。さらに、アップダウンカウンタ81には、対応するコンパレータCOMの出力信号も入力されている。
アップダウンカウンタ81は、n行目の読み出し期間の垂直転送期間Tnにおいて、第1の期間t11−t12におけるランプ信号Vrampの変化開始時点t11から第1の期間t11−t12におけるコンパレータCOMの出力信号Voutの反転時点まで、ダウンカウントモード及びアップカウントモードのうちの一方のモードでカウントクロックφCLKをカウントし、その反転時点でのカウント値を保持する。また、アップダウンカウンタ81は、n行目の読み出し期間の垂直転送期間Tnにおいて、第2の期間t17−t18におけるランプ信号Vrampの変化開始時点t17から第2の期間t17−t18におけるコンパレータCOMの出力信号Voutの反転時点まで、ダウンカウントモード及びアップカウントモードのうちの他方のモードで、先に保持されていたカウント値からカウントクロックφCLKをカウントし、その反転時点でのカウント値を保持する。この保持されたカウント値は、前記第1の実施の形態において、データ記憶部52のラッチAに記憶されたカウント値とデータ記憶部52のラッチBに記憶されたカウント値の差分と等価である。
n行目の読み出し期間の垂直転送期間Tnが終了すると、引き続いてn行目の読み出し期間の水平転送期間となる。この水平転送期間において、水平走査回路30は、制御パルス発生回路29からの制御信号に従って、水平走査を行い、各列のカラム回路26のアップダウンカウンタ81に保持されているカウント値を順次mビットの水平信号線82を介して出力回路32に送出させる。出力回路32は、受け取ったデジタル値を、所定の信号形式の信号に変換し、画像データとして外部(図1中のデジタル信号処理部6)へ出力させる。
以上、n行目の読み出し期間について説明したが、他の行の読み出し期間の動作も、n行目の読み出し期間の動作と同様である。
本実施の形態によっても、前記第1の実施の形態と同様の利点が得られる。
なお、固体撮像装置4に対する前述の変形例と同様の変形を、本実施の形態における固体撮像装置304に対して適用してもよい。
以上、本発明の各実施の形態及びその変形例について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例えば、前記第1及び第2の実施の形態において、各カラム回路26において増幅部51に代わる増幅部として単なる反転増幅器を用いてもよい。また、例えば、各カラム回路26においてにおいて、増幅部51を取り除いて、垂直信号線23をサンプリングスイッチSW1に直接に接続してもよい。