JP2016134239A - 巻回機、及び蓄電素子の製造方法 - Google Patents

巻回機、及び蓄電素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】摩耗による電極の挟持力の低下を抑えることが可能な搬送ローラ対を備えた巻回機、及び該巻回機を用いた蓄電素子の製造方法の提供。【解決手段】帯状の電極を巻き取る巻回部と、電極を挟持しつつ巻回部に送り出す搬送ローラ対7であって、少なくとも一方の搬送ローラ71が樹脂製の外周面710を有している搬送ローラ対7とを備え、外周面710は、搬送ローラ71の軸方向における中央部から両端部に向けて直径が小さくなる形状を有する巻回機。【選択図】図4

Description

本発明は、電極体を形成するために電極を巻回する巻回機、及び該巻回機を用いた蓄電素子の製造方法に関する。
従来から、二次電池等に内蔵される巻回素子を製造するための巻回装置が知られている(特許文献1)。前記巻回装置は、帯状の電極シートを巻回するための巻回部と、前記電極シートを挟持しつつ前記巻回部に送り出す一対のニップローラと、を備える。
前記一対のニップローラは、図8に示すように、電極シート120を挟持した状態で各軸周りにそれぞれ回転することによって該電極シート120を送り出す。このときニップローラ121が電極シート120に対して滑らないよう、一方のニップローラ121(詳しくはニップローラ121の外周面)は、例えば、ゴム等の樹脂によって構成されている。このため、前記巻回装置が使用され続けると、ニップローラ121における電極シート120との接触部位が摩耗する。
前記摩耗が進行すると、例えば図9に示すように、一方のニップローラ121の外周面に電極シート120の断面形状に沿った凹み(溝)122が形成され、各ニップローラ121の軸方向における電極シート120の両側の部位同士が当接する。この状態では、一対のニップローラ121による電極シート120を挟持する力(挟持力)が低下し、これにより、ニップローラ121が電極シート120に対して滑り易くなる。電極シート120を前記巻回部に送り出す際に、ニップローラ121が電極シート120に対して滑ると、前記巻回部で形成された前記巻回素子(電極シート120が巻回されたもの)において、巻き長さの不具合等による不良品率が高くなる。
特開2013−191411号公報
そこで、本発明は、摩耗による電極の挟持力の低下を抑えることが可能な搬送ローラ対を備えた巻回機、及び該巻回機を用いた蓄電素子の製造方法を提供することを課題とする。
本発明に係る巻回機は、
帯状の電極を巻き取る巻回部と、
前記電極を挟持しつつ前記巻回部に送り出す搬送ローラ対であって、少なくとも一方の搬送ローラが樹脂製の外周面を有している搬送ローラ対と、を備え、
前記外周面は、前記電極が前記搬送ローラ対に挟持されたときに該電極と当接する少なくとも一つの大径部と、前記大径部より直径の小さな複数の小径部と、を有し、
前記小径部は、前記搬送ローラの軸方向における前記外周面の両端にそれぞれ配置されると共に、前記軸方向に前記大径部と交互に配置される。
また、本発明に係る巻回機は、
帯状の電極を巻き取る巻回部と、
前記電極を挟持しつつ前記巻回部に送り出す搬送ローラ対であって、少なくとも一方の搬送ローラが樹脂製の外周面を有している搬送ローラ対と、を備え、
前記外周面は、前記電極が前記搬送ローラ対に挟持されたときに該電極と当接する複数の大径部と、前記大径部より直径の小さな複数の小径部と、を有し、
前記小径部は、前記搬送ローラの軸方向における前記外周面の両端にそれぞれ配置されると共に、前記軸方向に前記大径部と交互に配置される。
これらの構成によれば、搬送ローラの軸方向において大径部の隣に該大径部よりも直径の小さな小径部が配置されているため、前記軸方向において大径部が配置されている範囲よりも幅広の電極を搬送するときには、使用によって搬送ローラ(外周面が樹脂製の搬送ローラ)における大径部が摩耗しても、搬送ローラ対において軸方向における電極の両側の部位同士が当接し難く、これにより、摩耗に起因する電極の挟持力の低下が抑えられる。
前記巻回機では、
前記樹脂製の外周面を有する搬送ローラは、該搬送ローラの内部において前記軸方向における前記大径部と対応する位置に配置される内部部材を有してもよい。
かかる構成によれば、大径部の摩耗によって内部部材が現れたときに搬送ローラを交換することで、挟持力が低下して滑り出す前に摩耗した搬送ローラを交換することができる。これにより、搬送ローラの摩耗に起因する電極体(電極を巻回して形成したもの)の不良品率の上昇を防ぐことができる。
この場合、
前記搬送ローラの所定の直径方向における前記内部部材の外側の端部は、前記大径部から前記直径方向における前記電極の厚さ寸法以下の位置にあることが好ましい。
かかる構成によれば、大径部の隣に配置された小径部が当接するまで大径部の摩耗が進行する前に内部部材が搬送ローラの表面に現れるため、この内部部材が現れたときに搬送ローラを交換することで、挟持力が低下して滑り出す前に摩耗した搬送ローラをより確実に交換することができる。
前記巻回機では、
前記搬送ローラの所定の直径方向における前記内部部材の外側の端部は、前記樹脂製の外周面を有する搬送ローラの周方向に広がってもよい。
かかる構成によれば、樹脂製の外周面を有する搬送ローラにおける大径部が摩耗したときに、該大径部における周方向の広い範囲に内部部材が現れるため、大径部の表面に内部部材が現れたときにより視認し易くなる。これにより、搬送ローラが電極に対して滑り出す前に該搬送ローラをより確実に交換することができる。
前記巻回機では、
前記搬送ローラの所定の直径方向における前記内部部材の外側の端部は、前記搬送ローラ対に挟持された電極と前記直径方向に重なる領域において前記軸方向に広がってもよい。
かかる構成によれば、公差等によって一方の搬送ローラに対して他方の搬送ローラが僅かに傾いていても(即ち、搬送される電極に対して搬送ローラが僅かに傾いていても)、搬送ローラの大径部における外周面の電極と接する部位が摩耗したときに、内部部材の前記端部における搬送ローラ対の軸同士の接近している側の部位が表面に現れ、この現れたときに搬送ローラを交換することによって、摩耗によって搬送ローラが電極に対して滑り出す前に該搬送ローラを交換することができる。
また、本発明に係る蓄電素子の製造方法は、
上記のいずれかの巻回機によって前記電極を巻回して電極体を形成すること、を備える。
かかる構成によれば、巻回機において、大径部が配置されている範囲よりも幅広の電極を搬送するときには、使用によって搬送ローラ(外周面が樹脂製の搬送ローラ)における大径部が摩耗しても、搬送ローラ対において軸方向における電極の両側の部位同士が当接し難く、これにより、摩耗に起因する電極の挟持力の低下が抑えられる。その結果、巻き乱れの少ない電極体が得られ、製造される蓄電素子の品質が向上する。
以上より、本発明によれば、摩耗による電極の挟持力の低下を抑えることが可能な搬送ローラ対を備えた巻回機、及び該巻回機を用いた蓄電素子の製造方法を提供することができる。
図1は、本実施形態に係る巻回機の概略構成図である。 図2は、電極、セパレータ、及び電極体を説明するための斜視図である。 図3は、搬送ローラ対の正面図である。 図4は、前記電極を搬送している状態の前記搬送ローラ対の正面図である。 図5は、図4におけるV−V位置のニップローラの断面図である。 図6は、前記巻回機によって形成された電極体を備えた蓄電素子の斜視図である。 図7は、他実施形態に係るニップローラの正面図である。 図8は、従来の巻回装置において電極シートを搬送している状態の一対のニップローラの斜視図である。 図9は、電極シートによって摩耗した状態を説明するための前記一対のニップローラの正面図である。
以下、本発明の一実施形態について、図1〜図6を参照しつつ説明する。尚、本実施形態の各構成部材(各構成要素)の名称は、本実施形態におけるものであり、背景技術における各構成部材(各構成要素)の名称と異なる場合がある。
巻回機は、図1に示すように、帯状(帯形状)の電極2を巻き取る(巻回する)巻回部6と、電極2を挟持しつつ巻回部6に送り出す搬送ローラ対7と、を備え、電極2を巻回することによって電極体23(図2参照)を形成する。巻回機1は、例えば、リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池に用いられる電極体を形成する。具体的に、本実施形態の巻回機1は、電極2を搬送する電極搬送部3と、セパレータ4を搬送するセパレータ搬送部5と、電極2及びセパレータ4を巻回する(巻き取る)巻回部6と、を備える。以下では、巻回機1によって巻回される(巻き取られる)電極2及びセパレータ4について図2を参照しつつ説明した後、巻回機1について詳細に説明する。
本実施形態の電極2は、正極21と負極22とを有する。
正極21は、帯状の金属箔211と、金属箔211の幅方向(短手方向)の端部を残して該金属箔211に積層される正極活物質層(活物質層)212と、を有する。本実施形態の金属箔211は、例えば、アルミニウム箔である。また、正極活物質層212を構成する正極活物質は、リチウム金属酸化物を含む。
負極22は、帯状の金属箔221と、金属箔221の幅方向(短手方向)の端部であって正極21とは反対側の端部を残して該金属箔221に積層される負極活物質層222と、を有する。本実施形態の金属箔221は、例えば、銅箔である。また、負極活物質層222を構成する負極活物質は、ソフトカーボン、ハードカーボン等の非晶質炭素を含む。
セパレータ4は、絶縁性を有する帯状の部材である。セパレータ4は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、セルロース、ポリアミドなどの多孔質膜によって構成される。
以上の正極21、負極22及びセパレータ4のそれぞれは、ロール状に巻回された状態で、巻回機1に配置される。本実施形態の巻回機1では、電極体23を形成するために、正極21のロール(正極ロール)Rと、負極22のロール(負極ロール)Rと、セパレータ4のロール(セパレータロール)Rと、が配置される。
次に、巻回機1の各構成について図1を参照しつつ詳細に説明する。
電極搬送部3は、正極21を搬送する第一搬送部31と、負極22を搬送する第二搬送部32と、を有する。
第一搬送部31は、少なくとも一つの搬送ローラ対7を有し、正極ロールRから巻回部6まで正極21を搬送(案内)する。本実施形態の第一搬送部31は、複数の搬送ローラ対7を有する。第一搬送部31を構成する複数の搬送ローラ対7のそれぞれは、正極21が所定の搬送経路を通って巻回部6に向かうように配置されている。
第二搬送部32は、少なくとも一つの搬送ローラ対7を有し、負極ロールRから巻回部6まで負極22を搬送(案内)する。本実施形態の第二搬送部32は、複数の搬送ローラ対7を有する。第二搬送部32を構成する複数の搬送ローラ対7のそれぞれは、負極22が所定の搬送経路を通って巻回部6に向かうように配置されている。
セパレータ搬送部5は、セパレータロールRから巻回部6までセパレータ4を搬送する。本実施形態のセパレータ搬送部5は、第三搬送部51と、第四搬送部52と、を有する。各搬送部51、52は、対応するセパレータロールRから巻回部6までセパレータ4を互いに異なる搬送経路で搬送する。第三及び第四搬送部51、52は、少なくとも一つの搬送ローラ対7を有する。本実施形態の第三及び第四搬送部51,52のそれぞれは、複数の搬送ローラ対7を有する。
これら各搬送部31、32、51、52には、搬送ローラ対7(ニップローラ71及びフィードローラ72)以外のローラ対又はローラが適宜配置されている。
搬送ローラ対7は、上述のように帯状の搬送対象物である電極2等(本実施形態の例では電極2又はセパレータ4)を挟持しつつ巻回部6に送り出す。この搬送ローラ対7は、外周面が樹脂製の搬送ローラを少なくとも一つ有する。本実施形態の搬送ローラ対7は、ゴム(樹脂)製の外周面を有するゴムローラ(以下、「ニップローラ」と称する。)71と、金属製の外周面を有する金属ローラ(以下、「フィードローラ」と称する。)72と、を備える(図3参照)。
ニップローラ71は、上述のように、ゴム製の外周面710を有する(図3〜図5参照)。この外周面710は、電極2等が搬送ローラ対7に挟持されたときに該電翼2等と当接する少なくとも一つの大径部715と、大径部715よりも直径の小さな複数の小径部とを有する。即ち、大径部715は、搬送ローラ対7において電極2等を搬送するとき(大径部715が摩耗した状態も含む)に該電極2等と接する部位であり、小径部716は、搬送ローラ対7において電極2等を搬送するとき(大径部715が摩耗した状態も含む)に該電極2等と接しない部位である。また、小径部716は、搬送ローラ71、72の軸方向(以下、単に「軸方向」とも称する。)における外周面710の両端にそれぞれ配置されると共に、軸方向に大径部715と交互に配置される。本実施形態の外周面710は、一つの大径部715と、二つの小径部716と、を有する。軸方向において大径部715と小径部716との境界部及びその近傍では、軸方向に進むに従って直径が連続的に変化する。換言すると、前記境界部では、ニップローラ71の軸芯を通る(含む)断面の輪郭が屈曲部を有しない曲線状である。具体的には、以下の通りである。
ニップローラ71は、軸方向における中央部から両端部に向けて直径が小さくなる形状(外周面710)を有する、所謂、クラウンローラである。このニップローラ71は、該ニップローラ71の内部において軸方向における少なくとも大径部715と対応する位置に配置される内部部材711を有する。ニップローラ71の所定の直径方向における内部部材711の外側の端部(外端部)7110は、大径部715における直径の最も大きな位置(本実施形態の例では大径部715における軸方向の中央位置)から直径方向における電極2(又はセパレータ4)の厚さ寸法(図4のd参照)以下の位置(図4のd参照)にある。尚、図4においては、負極22を例に説明している。また、本実施形態のニップローラ71では、dは、d≧dの関係を満たし、且つ、ニップローラ71の摩耗によって電極2(又はセパレータ4)の幅方向の両側においてフィードローラ72と接触することでニップローラ71が電極2等に対して滑り出す前に、該ニップローラ71の表面に現れる大きさに設定されている。また、外周面710において、搬送ローラ対7が電極2等を挟持したときに、該電極2等の幅方向の端縁から外周面710における軸方向の端までが小径部716であることが好ましい。また、図4では、電極2の厚さd及び外周面710から内部部材711までの距離dを誇張して表している。
内部部材711は、ニップローラ71が摩耗していないときの外周面710と異なる色である。即ち、内部部材711は、周囲、例えば、ニップローラ71における内部部材711と隣接する隣接部材(部位)712と色が異なる。本実施形態では、隣接部材712が黒色のゴムによって構成され、内部部材711が白色のゴムによって構成される。隣接部材712は、内部部材711を囲み、且つニップローラ71における摩耗前(摩耗していない状態)の外周面710を含む。
内部部材711の外端部7110は、ニップローラ71の周方向に広がる(図5参照)。また、外端部7110は、搬送ローラ対7に挟持された電極2(又はセパレータ4)と直径方向に重なる領域において軸方向に広がる(図4参照)。本実施形態のニップローラ71では、内部部材711の外端部7110は、前記周方向の全域に広がり、且つ前記軸方向に広がっている。即ち、本実施形態の内部部材711は、円筒形状又は円柱形状を有し、外端部7110は、内部部材711における円柱面形状の外周面である。
また、内部部材711は、搬送ローラ対7に挟持された電極2の活物質層(正極活物質層212、負極活物質層222)と直径方向に重なる位置に配置されている。詳しくは、内部部材711は、前記電極2の活物質層212、222と直径方向に重なる領域における軸方向の全域に広がっている。
金属ローラ72は、円柱状のローラである。具体的に、金属ローラ72は、軸方向の各位置における直径が一定の外周面を有する金属性のローラである。
図1に戻り、巻回部6は、電極2間にセパレータ4が位置するように、電極搬送部3及びセパレータ搬送部5によって搬送された電極2及びセパレータ4を巻回する。具体的に、巻回部6は、正極21と負極22との間にセパレータ4が位置するように、正極21、負極22及びセパレータ4を巻回する。より具体的には、巻回部6は、順に重なった状態の正極21、セパレータ4、負極22、及びセパレータ4を巻回する。この巻回部6は、軸芯周りに回転することで電極2(正極21及び負極22)及びセパレータ4を巻回する巻回軸61を有する。
以上のように構成される巻回機1は、以下のようにして電極2及びセパレータ4を巻回して電極体23を形成する。
正極ロールR、負極ロールR、及び二つのセパレータロールRが、巻回機1の所定位置(電極供給部、セパレータ供給部等)に配置される。各ロールR、R、Rから引き出された正極21、負極22、及びセパレータ4は、各搬送部31、32、51、52における搬送経路上に配置される(図1参照)。このとき、巻回部6の巻回軸61には、筒状の巻芯が取り付けられている。この状態で、巻回機1は、巻回部6の巻回軸61を回転させると共に、各搬送部31、32、51、52の各搬送ローラ対7をそれぞれ回転させる。これにより、巻回軸61に取り付けられた巻芯の周囲に、正極21、負極22、及び各セパレータ4が巻回される。
巻回機1は、巻回部6において所定の長さの正極21等が巻回されたと判断したときに、各搬送部31、32、51、52の各搬送ローラ対7、及び巻回部6を停止させる。続いて、巻回機1は、巻回部6において、各搬送部31、32、51、52から巻回部6まで続いている正極21、負極22、及びセパレータ4を切断する。これにより、電極体23が巻回軸61から取り外し可能となる。
このようにして製造された電極体23は、例えば、図6に示すようなケース103内に収容され、非水電解質二次電池等の蓄電素子100の一部を構成する。尚、前記蓄電素子100は、電極体23、電極体23を収容するケース103、及びケース103の外側に配置される外部端子104等、を備える。また、蓄電素子100は、ケース103の内部に、電極体23と外部端子104とを導通させる集電体等も備える。
以上の巻回機1によれば、ニップローラ71の軸方向において大径部715の隣に該大径部715よりも直径の小さな小径部716が配置されている。このため、巻回機1では、前記軸方向において大径部715が配置されている範囲よりも幅広の電極2等を搬送するときには、使用によってニップローラ(外周面710が樹脂製の搬送ローラ)71における大径部715が摩耗しても、搬送ローラ対7において軸方向における電極2(又はセパレータ4)の両側の部位同士が当接し難くなる。これにより、本実施形態の巻回機1における搬送ローラ対7では、電極2(又はセパレータ4)の挟持力が低下し難い。
また、本実施形態の巻回機1では、内部部材711の外端部7110が、大径部715からニップローラ71の直径方向における電極2(又はセパレータ4)の厚さ寸法d以下の内部位置にある。このため、電極2(又はセパレータ4)の両側の部位(小径部716)がフィードローラ72と当接するまで大径部715の摩耗が進行する前に内部部材711がニップローラ71の表面に現れる。このように、内部部材711が表面に現れることで、ニップローラ71における所定量以上の摩耗を認識する(把握する)ことが可能となる。これにより、挟持力が低下して滑り出す前に摩耗したニップローラ71を交換することができ、その結果、ニップローラ71の摩耗に起因する電極体23(電極2等を巻回して形成したもの)の不良品率の上昇を防ぐことができる。
本実施形態の巻回機1では、ニップローラ71において内部部材711は、ニップローラ71が摩耗していないときの外周面710(隣接部材712)と異なる色であるため、内部部材711がニップローラ71の表面に現れたときに、該内部部材711が視認し易い。このため、電極2(又はセパレータ4)に対してニップローラ71が滑り出す前(即ち、内部部材711が表面に現れたとき)に該ニップローラ71をより確実に交換することができる。その結果、ニップローラ71の摩耗に起因する電極体23(電極2等を巻回して形成したもの)の不良品率の上昇を防ぐことができる。
本実施形態の巻回機1のニップローラ71において、内部部材711の外端部7110は、ニップローラ71の周方向に広がっているため、大径部715が摩耗したときに、該大径部715における周方向の広い範囲に内部部材711が現れる。このため、大径部715(外周面710)に内部部材711が現れたときに該内部部材711をより視認し易くなり、これにより、ニップローラ71が電極2(又はセパレータ4)に対して滑り出す前に該ニップローラ71をより確実に交換することができる。
また、本実施形態の巻回機1のニップローラ71では、内部部材711の外端部7110が、大径部715における搬送ローラ対7に挟持された電極2(又はセパレータ4)と直径方向に重なる領域において軸方向に広がっている。このため、公差等によってフィードローラ72の軸に対してニップローラ71の軸が僅かに傾いていても(即ち、搬送される電極2(又はセパレータ4)に対してニップローラ71が僅かに傾いていても)、大径部715が摩耗したときに、内部部材711の外端部7110における搬送ローラ対7の軸同士の接近している側の部位が表面に現れる。そして、この外端部7110の一部が現れたときにニップローラ71を交換することによって、摩耗によってニップローラ71が電極2等に対して滑り出す前に該搬送ローラを交換することができる。
また、上記巻回機1を用いた蓄電素子100の製造方法では、該巻回機1において、大径部715が配置されている範囲よりも幅広の電極2等を搬送するときには、使用によってニップローラ71における大径部715が摩耗しても、搬送ローラ対7において軸方向における電極2等の両側の部位同士が当接し難い。これにより、摩耗に起因する電極2等の挟持力の低下が抑えられる。その結果、捲き乱れの少ない電極体23が得られ、製造される蓄電素子100の品質が向上する。
尚、本発明の巻回機は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を追加することができ、また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることができる。さらに、ある実施形態の構成の一部を削除することができる。
上記実施形態の搬送ローラ対7では、一方の搬送ローラがクラウンローラ71であり、他方の搬送ローラが円柱面形状の外周面を有するローラ72であるが、両方の搬送ローラがクラウンローラ71であってもよい。また、フィードローラ72の外周面は、金属製であるが、ニップローラ71と同様に、ゴム等の樹脂製でもよい。これらの場合、両方の搬送ローラ71、72が内部部材711を有していてもよい。
上記実施形態のニップローラ71では、大径部715が一つであるが、この構成に限定されない。例えば、ニップローラ71は、図7に示すように、大径部715を複数(図7に示す例では二つ)有する構成であってもよい。この場合、各大径部715の直径は同じであり、全ての大径部715は、軸方向において、搬送される電極2(又はセパレータ4)と接する位置に配置されることが好ましい。また、内部部材711は、軸方向における大径部715と対応する位置(即ち、大径部715と直径方向に重なる位置の少なくとも一部)に配置されていればよい。
上記実施形態のニップローラ71では、内部部材711の色と、隣接部材712の色とが異なっているが、この構成に限定されない。即ち、内部部材711と隣接部材712とが同じ色であってもよい。この場合、内部部材711と隣接部材712とは、材質等の違いによって判別可能に構成される。
また、内部部材711の具体的な形状は、限定されない。例えば、上記実施形態のニップローラ71では、内部部材711の外端部7110が直径方向に電極2(又はセパレータ4)と重なる領域における軸方向の略全域(活物質層212、222と対向する領域)に亘って広がっているが、前記重なる領域における軸方向の一部に配置されてもよい。また、上記実施形態のニップローラ71では、内部部材711の外端部7110が周方向の全周に亘って広がっているが、周方向の一部に配置されてもよい。また、内部部材711の外端部7110は、軸方向に断続に配置されてもよく、周方向に断続に配置されてもよい。
また、上記実施形態の内部部材711は、ニップローラ71の直径方向において、外端部7110からニップローラ71の軸又は軸近傍まで広がっているが、この構成に限定されない。内部部材711は、前記直径方向において、外端部7110の近傍のみに存在する、例えば、外端部7110を含む薄い(肉厚の小さな)円筒形状等であってもよい。
上記実施形態のニップローラ71は、内部部材711を有するが、この構成に限定されない。ニップローラ71に内部部材711が無くてもよい。この場合でも、ニップローラ71がクラウンローラであれば、(即ち、軸方向の中央部の直径が最も大きく、且つ両端部に向かって小さくなる形状の外周面710であれば)、使用によって電極2(又はセパレータ4)との当接部位(軸方向の中央部)が摩耗しても、搬送ローラ対7において軸方向における電極2(又はセパレータ4)の両側の部位同士が当接し難い。
上記実施形態の巻回機1では、搬送ローラ対7(ニップローラ71及びフィードローラ72)が、第一〜第四搬送部31,32,51,52の各搬送部に配置されているが、この構成に限定されない。搬送ローラ対7は、第一〜第四搬送部31,32,51,52のうちの任意の搬送部に配置されてもよい。
また、負極活物質には、上述のように、ソフトカーボン、ハードカーボン等の非晶質炭素が含まれているため、負極22を搬送する第二搬送部32における樹脂製の外周面を有する搬送ローラの摩耗が、他の搬送部(第一、第三及び第四搬送部31、51、52)の樹脂製の外周面を有する搬送ローラの摩耗より大きくなる。このため、例えば、第一〜第四搬送部31、32、51、52のうちの少なくとも第二搬送部32に上記実施形態のニップローラ71を配置することで、巻回機1によって形成された電極体20において、摩耗に起因する搬送ローラの電極2等に対する滑りを効果的に防ぐことができる。その結果、巻回部6で形成された電極体20における巻き長さの不具合等による不良品率の上昇を好適に防止することができる。
搬送ローラ対7は、軸方向に進退することで、電極2(又はセパレータ4)の幅方向の軌道を修正する構成であってもよい。この場合、巻回機1は、電極2(又はセパレータ4)の搬送経路に沿った位置に電極2(又はセパレータ4)の幅方向の位置を検出する検出部を有し、この検出部によって検出された位置に基づいて搬送ローラ対7を軸方向に進退させることで電極2(又はセパレータ4)の幅方向の軌道を修正する。
上記実施形態の巻回機1では、ニップローラ71の表面(外周面710)に現れた内部部材711を人が視認することで該ニップローラ71の交換時期を判断しているが、この構成に限定されない。例えば、巻回機1は、搬送ローラ対7の近傍にCCD等の撮像素子を備え、該撮像素子によって得られた画像に基づいてニップローラ71の交換時期を自動で判断する構成であってもよい。
1…巻回機、2…電極、21…正極、211…金属箔、212…正極活物質層、22…負極、221…金属箔、222…負極活物質層、23…電極体、3…電極搬送部、31…第一搬送部、32…第二搬送部、4…セパレータ、5…セパレータ搬送部、51…第三搬送部、52…第四搬送部、6…巻回部、61…巻回軸、7…搬送ローラ対、71…ニップローラ(樹脂製の外周面を有する搬送ローラ)、711…内部部材、7110…外端部、712…部材、72…フィードローラ(金属ローラ)、R…正極ローラ、R…負極ローラ、R…セパレータローラ、100…蓄電素子、103…ケース、104…外部端子

Claims (7)

  1. 帯状の電極を巻き取る巻回部と、
    前記電極を挟持しつつ前記巻回部に送り出す搬送ローラ対であって、少なくとも一方の搬送ローラが樹脂製の外周面を有している搬送ローラ対と、を備え、
    前記外周面は、前記電極が前記搬送ローラ対に挟持されたときに該電極と当接する少なくとも一つの大径部と、前記大径部より直径の小さな複数の小径部と、を有し、
    前記小径部は、前記搬送ローラの軸方向における前記外周面の両端にそれぞれ配置されると共に、前記軸方向に前記大径部と交互に配置される、巻回機。
  2. 帯状の電極を巻き取る巻回部と、
    前記電極を挟持しつつ前記巻回部に送り出す搬送ローラ対であって、少なくとも一方の搬送ローラが樹脂製の外周面を有している搬送ローラ対と、を備え、
    前記外周面は、前記電極が前記搬送ローラ対に挟持されたときに該電極と当接する複数の大径部と、前記大径部より直径の小さな複数の小径部と、を有し、
    前記小径部は、前記搬送ローラの軸方向における前記外周面の両端にそれぞれ配置されると共に、前記軸方向に前記大径部と交互に配置される、巻回機。
  3. 前記樹脂製の外周面を有する搬送ローラは、該搬送ローラの内部において前記軸方向における前記大径部と対応する位置に配置される内部部材を有する、請求項1又は2に記載の巻回機。
  4. 前記搬送ローラの所定の直径方向における前記内部部材の外側の端部は、前記大径部から前記直径方向における前記電極の厚さ寸法以下の位置にある、請求項3に記載の巻回機。
  5. 前記搬送ローラの所定の直径方向における前記内部部材の外側の端部は、前記樹脂製の外周面を有する搬送ローラの周方向に広がる、請求項3又は4に記載の巻回機。
  6. 前記搬送ローラの所定の直径方向における前記内部部材の外側の端部は、前記搬送ローラ対に挟持された電極と前記直径方向に重なる領域において前記軸方向に広がる、請求項3〜5のいずれか1項に記載の巻回機。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の巻回機によって前記電極を巻回して電極体を形成すること、を備える、蓄電素子の製造方法。
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