以下の実施の形態では、同一の部品には同一の参照番号を付してある。それらの機能及び名称も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
(第1の実施の形態)
図1を参照して、本実施の形態に係る画像形成装置100は、例えば、コピーモード、プリントモード、スキャナモード、及びファクシミリ(以下「FAX」と呼ぶ。)モード等の複数の動作モードを備える複合機(MFP:Multifunction Peripheral)である。この画像形成装置100は、レーザー光を露光に利用する、所謂レーザー方式(電子写真方式)の印刷機能を備える。しかし、他の形式の印刷機能を備えたものであってもよい。
[全体構成]
画像形成装置100は画像データに基づいて所定のシート(記録用紙)に多色又は単色の画像を形成する。画像形成装置100は、外部からの入力により、又は画像形成装置100が備える画像読取機能により画像データを含むジョブを取得して、取得したジョブを実行する。
画像形成装置100の上部には、原稿が載置される透明ガラス板からなる原稿載置台102が設けられている。原稿載置台102の上方には原稿カバー104が配置されている。この原稿カバー104は、装置本体に対して開閉可能に取付けられている。原稿載置台102の前方(手前側)には、操作ユニット120が設置されている。操作ユニット120は、ユーザが、画像形成装置100に対して指示を入力するための操作パネル122を含む。この操作パネル122は指示の入力及び情報の表示等を行なうタッチパネルディスプレイからなる。操作パネル122には、所定の処理を起動するためのアイコンを含むユーザインターフェイス画面が表示される。
原稿載置台102の下方には、原稿の画像情報を読取る原稿読取部130が配置されている。原稿読取部130の下方には、画像データによって示される画像を記録用紙に印刷するための画像形成部150が設けられている。画像形成部150の下側には、当該画像形成部150に対して記録用紙を給紙するための給紙部160が設けられている。この給紙部160は、記録用紙を収納する複数の給紙トレイ162〜168を含む。各給紙トレイ162〜168にはそれぞれ給紙ローラ(図示せず。)が設けられており、この給紙ローラによって記録用紙が1枚単位で連続的に給送される。
本実施の形態に係る画像形成装置100は、音声を録音する録音機能、及び録音した音声を再生する再生機能を持つ。音声の録音は、操作パネル122に表示されるアイコンを操作することによって行なわれる。具体的には、ユーザがアイコンを長押し操作すると、そのアイコンの近傍に録音メニューが表示される。録音メニューをユーザが操作すると音声の録音が行なわれる。上記「長押し操作」とは、アイコン等を一定時間以上押し続ける操作を意味する。録音された音声データは、録音時に操作されたアイコンに関連付けられて保存される(以下「アイコンに音声が登録される」と呼ぶことがある)。ユーザによってアイコンがタッチ操作(例えばシングルタッチ操作)されると、当該アイコンに対応付けられた処理が起動される。操作したアイコンに音声データが関連付けられている場合、処理の起動とともに音声データが再生される。
画像形成装置100はさらに、ユーザを認証して、当該画像形成装置100へのログインを許可するユーザ認証機能を持つ。画像形成装置100へのログインは、予め登録された正規のユーザに対して許可される。画像形成装置100は、予め登録されたユーザのなかから音声データの再生を許可するユーザを選択(指定)する機能を持つ。この場合、選択されたユーザのみが録音された音声の再生が可能となる。
[ハードウェア構成]
図2を参照して、画像形成装置100は、操作ユニット120、原稿読取部130、画像形成部150、及び給紙部160に加えて、制御部110、画像処理部140、ユーザ認証装置170、FAX通信部180、NIC(Network Interface Card)182、及びスピーカ190を含む。
制御部110は、実質的にコンピュータであって、画像形成装置100全体を制御するCPU(Central Processing Unit)112、プログラム等を記憶するためのROM(Read−Only Memory)114、揮発性の記憶装置であるRAM(Random Access Memory)116、及び記憶装置118を含む。記憶装置118は、通電が遮断された場合にもデータを保持する不揮発性記憶装置であり、例えばハードディスクドライブ(HDD)及びフラッシュメモリを含む。CPU112には、BUSライン106が接続されており、このBUSライン106には、ROM114、RAM116及び記憶装置118が電気的に接続される。
CPU112は、操作ユニット120等からの指示に応じて各種コンピュータプログラムを実行することによって、画像形成装置100の各部の動作及びパーソナルコンピュータ(PC)等の外部機器との通信等の所望の処理を実行する。上記の各種コンピュータプログラムは、予めROM114又は記憶装置118に記憶されており、所望の処理の実行時において、当該ROM114又は記憶装置118から読出されてRAM116に転送される。CPU112は、CPU112内の図示しないプログラムカウンタと呼ばれるレジスタに格納された値によって指定される、RAM116内のアドレスからプログラムの命令を読出し、解釈する。CPU112はまた、読出された命令によって指定されるアドレスから演算に必要なデータを読出し、そのデータに対し命令に対応する演算を実行する。実行の結果も、RAM116、記憶装置118及びCPU112内のレジスタ等の、命令によって指定されるアドレスに格納される。
ROM114又は記憶装置118には、画像形成装置100の一般的な動作等を実現するためのコンピュータプログラムとともに、音声の録音処理及び再生処理を実現するためのコンピュータプログラムが記憶される。このコンピュータプログラムは、画像形成装置100の製造時にROM114又は記憶装置118に書込まれる。なお、このコンピュータプログラムは、NIC182を介して、外部機器等から提供されてもよい。さらにこのコンピュータプログラムは、そのコンピュータプログラムが記録された、例えばDVD等の記憶媒体によって提供されてもよい。すなわち、例えばコンピュータプログラムの記録媒体としてのDVDが、画像形成装置100内に内蔵されるDVDドライブ(図示せず。)に装着され、そのDVDからコンピュータプログラムが読出されて記憶装置118にインストールされてもよい。
BUSライン106には、さらに、操作ユニット120、原稿読取部130、画像処理部140、画像形成部150、給紙部160、FAX通信部180、ユーザ認証装置170、NIC182、及びスピーカ190が電気的に接続される。
操作ユニット120はユーザによる操作を受付ける。操作ユニット120は、入出力インターフェイス(図示せず。)を介して、CPU112と通信を行なう。この操作ユニット120は、上記操作パネル122と、録音装置124とを含む。
操作パネル122は、液晶パネル等で構成された表示パネルと、表示パネルの上に配置され、タッチされた位置を検出するタッチパネルとを含む。すなわち、操作パネル122は、タッチパネル一体型表示装置であるタッチパネルディスプレイからなる。表示パネルには、例えば、画像形成装置100が実行可能な各種動作モードから所望の動作モードを選択するためのホーム画面、及び、基本動作モードにおける各種機能の設定変更等を行なうための基本画面が表示される。ここで、基本動作モードとは、画像データの印刷処理及び送信処理等を実行するための動作モードのことであり、本実施の形態では、コピーモード、FAXモード、及び、スキャナモード等を示す。
操作パネル122の動作はCPU112によって制御される。例えば、表示パネルに表示される画面にはソフトウェアキーが表示される。このソフトウェアキーをユーザが指で押下すると、タッチパネルがその押下された位置を検出する。CPU112は、プログラム上でソフトウェアキーの表示位置とタッチパネルが押された位置とを照合し、その照合結果に基づいて、動作モードの選択、各種機能の設定変更、及び、動作指示等を行なう。
図3を参照して、操作パネル122(表示パネル)に表示されるホーム画面200は、上記した基本動作モードを選択するためのソフトウェアキーを含む。ホーム画面200には、ソフトウェアキーとしてのアイコンの画像が表示されている。ホーム画面200に表示されるアイコンは、コピーアイコン210、ファクスアイコン212、E−mailアイコン214、FTP/Desktopアイコン216、共有フォルダアイコン218、アドレス帳アイコン220、ドキュメントファイリングアイコン222、及びスキャン保存アイコン224を含む。コピーアイコン210は、コピーモードを選択するためのアイコンであり、ファクスアイコン212は、ファクスモードを選択するためのアイコンである。E−mailアイコン214は、スキャンした原稿の画像をメールに添付して送信するメール送信モードを選択するためのアイコンであり、FTP/Desktopアイコン216は、スキャンした原稿の画像を指定のFTPサーバのディレクトリ又はネットワークに接続されたコンピュータの指定フォルダに送信する送信モードを選択するためのアイコンであり、共有フォルダアイコン218は、スキャンした原稿の画像を共有フォルダに送信する送信モードを選択するためのアイコンである。ドキュメントファイリングアイコン222、及びスキャン保存アイコン224は、いずれも、スキャンモードを選択するためのアイコンである。アドレス帳アイコン220は、アドレス帳を表示するためのアイコンである。アイコン210〜224のいずれかがユーザによってタッチ操作されると、タッチされたアイコンに対応付けられた動作モードに移行する処理が実行される。
再び図2を参照して、録音装置124はマイクロフォン(図示せず。)を含む。録音装置124は、CPU112の制御の下で音声を録音し、録音した音声データを、録音時に操作されたアイコンと関連付けて記憶装置118に記憶する。音声データの再生を許可するユーザが選択された場合、録音装置124は、当該ユーザを識別するためのユーザ情報を音声データにさらに関連付けて記憶する。
原稿読取部130は、スキャナ及びCCD(Charge−Coupled Device)ラインセンサ(以上いずれも図示せず。)を含む。スキャナは、原稿載置台102上に載置された原稿の画像表面に対し光源(図示せず。)から光を照射することによって得られる反射光像をCCDラインセンサ上に結像させ、光源を移動させながら原稿をスキャンする。CCDラインセンサは、結像した反射光像を順次光電変換して画像データとして画像処理部140に対して出力する。すなわち、原稿読取部130は、原稿のコピー時又はスキャン時に、原稿載置台102に載置される原稿からスキャナによって画像情報を読取り、読取った画像情報をCCDラインセンサによって電気信号に変換して画像データとして画像処理部140に対して出力する。
画像処理部140は、MPU(Micro Processing Unit、図示せず。)を含む。画像処理部140は、原稿読取部130、又は、外部機器等から受信した画像データに対して、例えば、ラスタライズ処理等の所定の画像処理を含む各種処理を施して所定の階調の印刷データを作成し、画像形成部150に対して出力する。
画像形成部150は、画像データによって示される画像をカラー又は単色で記録用紙に印刷するものであって、例えば、感光体ドラム、帯電装置、レーザースキャンユニット(LSU)、現像装置、転写装置、クリーニング装置、定着装置、及び除電装置等を備えている。画像形成部150には、例えば、搬送路が設けられており、給紙部160から給紙されてきた記録用紙が搬送路に沿って搬送される。
給紙部160は、複数の給紙トレイ162〜168を含む。給紙部160は、給紙トレイ162〜168に収納された記録用紙を1枚ずつ引出して記録用紙を画像形成部150の搬送路へと送り出す。画像形成部150の搬送路に沿って記録用紙が搬送されている途中で、記録用紙が感光体ドラムと転写装置との間を通過し、さらに定着装置を通過して、記録用紙に対する印刷が行なわれる。
感光体ドラムは、一方向に回転し、その表面は、クリーニング装置と除電装置によりクリーニングされた後、帯電装置により均一に帯電される。レーザースキャンユニットは、印刷対象の画像データに基づいてレーザー光を変調し、このレーザー光によって感光体ドラムの表面を主走査方向に繰返し走査して、静電潜像を感光体ドラムの表面に形成する。現像装置は、トナーを感光体ドラムの表面に供給して静電潜像を現像し、トナー像を感光体ドラムの表面に形成する。転写装置は、転写装置と感光体ドラムとの間を通過していく記録用紙に感光体ドラムの表面のトナー像を転写する。
定着装置は、記録用紙を加熱するための加熱ローラと、記録用紙を加圧するための加圧ローラとを含む。記録用紙が加熱ローラによって加熱され、かつ、加圧ローラによって加圧されることによって、記録用紙上に転写されたトナー像が記録用紙に定着される。定着装置から排出された(印刷された)記録用紙は排紙トレイに排出される。
ユーザ認証装置170は、CPU112の制御の下で、ユーザに対して認証処理を実行する。ユーザ認証装置170は、認証用カードに記憶されている情報を読取るカード読取部(図示せず。)を含む。認証用カードは、例えばICカード等の情報を記憶することが可能なカードであって、画像形成装置100を利用するユーザに配布されている。認証用カードには当該認証用カードを所持するユーザを特定するユーザ情報(例えばユーザID等)が予め記憶されている。カード読取部は、ユーザによって認証用カードがかざされると、当該認証用カードに記憶されたユーザ情報を読取る。ユーザ認証装置170は、カード読取部が読取ったユーザ情報に基づいて、認証処理を行なう。認証処理により正規のユーザであると判定されると、ユーザ認証装置170は、当該ユーザに対して、画像形成装置100へのログインを許可する。操作パネル122には、ログイン後の操作画面(図示せず。)が表示される。
FAX通信部180は、電話回線網60に接続され、この電話回線網60を介してファクシミリ通信を行なうためのインターフェイスである。画像形成装置100は、FAX通信部180及び電話回線網60を介して外部のファクシミリ装置(図示せず。)とFAX送受信することができる。
NIC182は、ネットワーク50とのインターフェイスをとる。画像形成装置100は、このNIC182を介して、ネットワーク50上の情報処理装置等と、所定の通信プロトコルにしたがったデータ通信を行なうことができる。画像形成装置100は、NIC182を介して、PC等から印刷ジョブ等の各種処理の実行を命令する命令信号を受信できる。
スピーカ190は、電気信号を音声に変える装置である。このスピーカ190は、記憶装置118に記憶されている音声データを音声に変えて出力する。
[ソフトウェア構成]
図4〜図6を参照して、音声の録音及び再生を行なうために、画像形成装置100で実行されるコンピュータプログラムの制御構造について説明する。このプログラムは、ログイン後の画面が表示されたことに応じて開始する。
図4を参照して、このプログラムは、アイコンのタッチ操作(例えばシングルタッチ操作)がされたか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS1000と、ステップS1000において、アイコンのタッチ操作がされていないと判定された場合に実行され、アイコンの長押し操作がされたか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS1010と、ステップS1010において、アイコンの長押し操作がされたと判定された場合に実行され、録音メニューを操作パネル122に表示するステップS1020とを含む。ステップS1010において、アイコンの長押し操作がされていないと判定された場合は、制御はステップS1000に戻る。
このプログラムはさらに、ステップS1020の後に実行され、録音メニューに含まれる「録音開始」キーが押下(タッチ操作)されたか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS1030と、ステップS1030において、「録音開始」キーが押下されていないと判定された場合に実行され、録音メニューが表示されてから所定時間が経過したか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS1040とを含む。ステップS1040において、所定時間が経過していないと判定された場合は、制御はステップS1030に戻る。一方、ステップS1040において、所定時間が経過したと判定された場合は、制御はステップS1000に戻る。
このプログラムはさらに、ステップS1030において、「録音開始」キーが押下されたと判定された場合に実行され、録音装置124に音声録音を開始させるステップS1050と、ステップS1050の後に実行され、「録音開始」キーに代えて「録音終了」キーを表示するステップS1060と、ステップS1060の後に実行され、「録音終了」キーが押下されたか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS1070と、ステップS1070において、「録音終了」キーが押下されていないと判定された場合に実行され、「録音終了」キーが表示されてから所定時間が経過したか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS1080とを含む。ステップS1080において、所定時間が経過していないと判定された場合は、制御はステップS1070に戻る。一方、ステップS1080において、所定時間が経過したと判定された場合は、制御はステップS1000に戻る。
図5を参照して、このプログラムはさらに、ステップS1070(図4参照)において、「録音終了」キーが押下されたと判定された場合に実行され、録音装置124に音声録音を終了させるステップS1090と、ステップS1090の後に実行され、録音メニューに代えて、音声の再生を許可する対象ユーザを選択する対象ユーザ選択画面を操作パネル122に表示するステップS1100と、ステップS1100の後に実行され、対象ユーザの選択が終了したか否かを判定し、選択が終了するまで待機するステップS1110と、ステップS1110において、対象ユーザの選択が終了したと判定された場合に実行され、録音した音声(音声データ)を、録音時に操作されたアイコン及び選択された対象ユーザのユーザ情報と関連付けて記憶装置118に保存するステップS1120とを含む。ステップS1120の処理が終了すると、制御は図4のステップS1000に戻る。
図6を参照して、このプログラムはさらに、ステップS1000(図4参照)において、アイコンのタッチ操作がされたと判定された場合に実行され、タッチ操作されたアイコンに関連付けられた音声データがあるか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS1130と、ステップS1130において、タッチ操作されたアイコンに関連付けられた音声データがあると判定された場合に実行され、ログインユーザが対象ユーザであるか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS1140と、ステップS1140において、ログインユーザが対象ユーザであると判定された場合に実行され、記憶装置118に保存されている対応の音声データを再生(再生を開始)するステップS1150と、ステップS1130において、タッチ操作されたアイコンに関連付けられた音声データがないと判定された場合、ステップS1140において、ログインユーザが対象ユーザではないと判定された場合、又は、ステップS1150の後に実行され、タッチ操作されたアイコンに対応付けられた処理を起動するステップS1160とを含む。ステップS1160の処理が終了すると、制御は図4のステップS1000に戻る。
[動作]
本実施の形態に係る画像形成装置100は以下のように動作する。以下の説明では、画像形成装置100の動作の内、本発明に関連する部分のみを説明する。他の動作は従来の画像形成装置の動作と同じである。
《録音動作》
以下では、例えば給紙トレイの設定を変更したユーザが、そのことを他のユーザに通知する場合を例にして録音時の動作を説明する。
操作パネル122にはホーム画面200(図3参照)が表示されている。他のユーザがコピー印刷を実行する際に給紙トレイの設定が変更されていることに気付いていない場合、意図した用紙にコピー印刷がされないおそれがある。他のユーザがコピー印刷を実行する前に、給紙トレイの設定が変更されていることを当該他のユーザに気付かせるために、コピーモードを選択するためのコピーアイコン210がタッチ操作されたときに、例えば注意を促す内容のメッセージが再生されるように設定されていると好ましい。
このように設定するために、ユーザはコピーアイコン210を長押し操作する(図4に示すステップS1010においてYES)。図7を参照して、操作パネル122には、「録音開始」キー230を含む録音メニュー240が表示される(ステップS1020)。録音メニュー240が表示された状態で所定時間が経過すると(ステップS1030においてNO、かつステップS1040においてYES)、録音メニュー240が消去する。所定時間が経過するまでに、ユーザによって「録音開始」キー230が押下されると(ステップS1030においてYES)、録音装置124が音声録音を開始する(ステップS1050)。操作パネル122には、「録音開始」キー230に代えて「録音終了」キー232(図8参照)が表示される(ステップS1060)。他のユーザに伝えたいメッセージ(例えば「トレイ設定を変更しましたので、印刷の際はご注意ください。」)をユーザが言葉で発すると、当該メッセージが録音される。
図8を参照して、音声録音が開始されると、操作パネル122には、録音メニュー240に代えて、「録音終了」キー232を含む録音メニュー242が表示される。録音メニュー242には、「録音終了」キー232に加えて録音時間がカウント表示される。録音メニュー242が表示された状態で所定時間が経過すると(ステップS1070においてNO、かつステップS1080においてYES)、録音メニュー242が消去する。所定時間は例えば30秒程度であり、この時間が経過すると録音内容は保存されずに録音がやり直しになる。所定時間が経過する前に、ユーザによって「録音終了」キー232が押下されると(ステップS1070においてYES)、録音装置124が音声録音を終了する(図5に示すステップS1090)。操作パネル122には、録音メニュー242に代えて、対象ユーザ選択画面250(図9参照)が表示される。
図9を参照して、対象ユーザ選択画面250は、予め登録されているユーザを一覧表示する領域252、選択の際にチェックを入れるチェックボックス254、及び「決定」キー256を含む。領域252に表示されるユーザは、ユーザ認証のために予め登録されているユーザである。複数のユーザをグループ化することによって、領域252に、グループを表示するようにしてもよい。チェックボックス254のいずれかにチェックが入れられ、「決定」キー256が操作されると、対象ユーザの選択が終了する(図5に示すステップS1110においてYES)。対象ユーザ選択画面250は操作パネル122から消去される。
対象ユーザの選択が終了すると、録音装置124は、録音した音声(音声データ)を、録音時に操作されたコピーアイコン210及び選択された対象ユーザのユーザ情報と関連付けて記憶装置118に保存する(ステップS1120)。
《再生動作》
対象ユーザとして選択された他のユーザが画像形成装置100にログインしたとする。CPU112は、ユーザ認証の際に取得したユーザ情報を用いて、記憶装置118に当該ユーザ情報と関連付けられた音声データが保存されているか否かを判定する。ログインユーザのユーザ情報と関連付けられた音声データが保存されている場合、当該音声データと関連付けられたアイコンの近傍に、音声の再生が可能であることを示すスピーカアイコン260(図10参照)が表示される。
図10を参照して、操作パネル122にホーム画面200が表示されたときに、ホーム画面200のコピーアイコン210の近傍にスピーカアイコン260が表示される。他のユーザはコピーモードに移行させるためにコピーアイコン210をタッチ操作したとする(図4に示すステップS1000においてYES)。CPU112は、コピーアイコン210に関連付けられた音声データが記憶装置118に保存されているか否かを判定する。CPU112は、コピーアイコン210に関連付けられた音声データが記憶装置118に保存されていると判定し、さらに、ログインユーザである他のユーザは対象ユーザに選択されていると判定する(図6に示すステップS1130においてYES、かつステップS1140においてYES)。画像形成装置100は、録音された音声を再生するとともに(ステップS1150)、コピーアイコン210に対応付けられた処理を起動する(ステップS1160)。すなわち、画像形成装置100は、録音されたメッセージ(例えば「トレイ設定を変更しましたので、印刷の際はご注意ください。」)を再生しながら、コピーモードに移行し、コピーモードの基本画面を操作パネル122に表示する。再生されたメッセージを聴いた他のユーザは、コピー印刷の実行前に給紙トレイの設定が変更されていることに気付く。
アイコンに登録されている音声は、ユーザ操作によって削除することが可能である。例えば、スピーカアイコン260を長押し操作すると削除キー(図示せず。)が表示され、その削除キーを操作することにより登録されている音声が削除される。
なお、対象ユーザとして選択されていない他のユーザが画像形成装置100にログインした場合は、CPU112は、ログインユーザのユーザ情報と関連付けられた音声データが記憶装置118に保存されていないと判定する。この場合、操作パネル122にホーム画面200が表示されたときに、ホーム画面200のコピーアイコン210の近傍にはスピーカアイコン260が表示されない。コピーアイコン210が他のユーザによってタッチ操作されると、CPU112によって、コピーアイコン210に関連付けられた音声データが記憶装置118に保存されていると判定される一方、ログインユーザは対象ユーザに選択されていないと判定される(図6に示すステップS1140においてNO)。そのため、対象ユーザとして選択されていない他のユーザがコピーアイコン210をタッチ操作したとしても、メッセージは再生されない。この場合は、メッセージが再生されずに、コピーモードに移行される。
[本実施の形態の効果]
以上の説明から明らかなように、本実施の形態に係る画像形成装置100を利用することにより、以下に述べる効果を奏する。
操作パネル122に表示されているアイコンに対してタッチ操作がされると、当該アイコンに対応付けられた処理が起動される。操作パネル122に表示されているアイコンに対してタッチ操作とは異なる操作がされると、音声の録音が開始される。具体的には、アイコンが長押し操作されると「録音開始」キー230が表示され、その「録音開始」キー230が操作されると音声録音が開始される。音声録音が開始されると、「録音開始」キー230に代えて、「録音終了」キー232が表示され、その「録音終了」キー232が操作されると音声録音が終了する。録音された音声データは、録音時に操作されたアイコンと関連付けて記憶装置118に記憶される。このように、アイコンの操作によって音声を録音できるので、他のユーザに伝えたい情報を音声データとして柔軟に当該アイコンに登録できる。例えば設定の変更等に際し、設定が変更されていることに加えて、それ以外の情報についても他のユーザに伝達できる。これにより、他のユーザに対して細かな注意喚起を行なうことができる。設定の変更等の通知以外に、録音内容に応じて種々の情報を他のユーザに伝達できる。
画像形成装置100は、アイコンに対するユーザのタッチ操作を受付けると、当該アイコンに関連付けられた音声データが記憶装置118に記憶されているか否かを判定する。その判定結果が肯定である、すなわち音声データが記憶されていると判定されると、当該アイコンに対応付けられた処理の起動時に、そのアイコンに関連付けて記憶されている音声データを再生する。このように、録音した音声は、録音時に操作したアイコンを操作することにより再生される。伝えたい情報に関連するアイコンを操作して音声を録音(登録)しておけば、他のユーザが当該アイコンを操作した際に、そのアイコンに対応付けられた処理の起動とともに、そのアイコンに関連するメッセージが再生される。アイコンに対応付けられた処理を起動する際には、当該アイコンが操作されるため、そのアイコンの操作により録音されたメッセージが再生される。これにより、他のユーザに効果的に必要な情報を伝達できる。
さらに、音声の再生を許可する対象ユーザを選択(指定)することにより、情報を伝達したいユーザを限定できる。これにより、より柔軟に注意喚起を行なうことができる。
例えば、アドレス帳に登録されている特定の人のアドレス情報が変更された場合、当該特定の人と関係があるユーザにのみアドレス情報が変更されたことを伝えることができる。さらに、例えば所属するグループで印刷枚数を削減する目標がある場合、そのグループのユーザにのみ印刷枚数の削減に努めるよう伝達できる。例えば、印刷枚数を削減するために集約機能(例えば2in1機能)を利用するよう、そのグループのユーザに伝えることができる。
(第2の実施の形態)
本実施の形態に係る画像形成装置は、アイコンに対応付けられた処理の起動を伴わずに、当該アイコンに登録された音声を再生することが可能である点において、第1の実施の形態に係る画像形成装置100とは異なる。その他の点では、各画像形成装置は同一の構成である。
第1の実施の形態と同様、アイコンに音声が登録されている場合、当該アイコンの近傍にスピーカアイコン260(図10参照)が表示される。本実施の形態では、このスピーカアイコン260がタッチ操作されると、アイコンに対応付けられた処理は起動されずに、音声の再生処理のみが実行される。これにより、登録されているメッセージのみを聴くことができる。スピーカアイコン260がタッチ操作されたときに、音声が登録されているアイコンの表示態様を変更するようにしてもよい。
(第3の実施の形態)
本実施の形態に係る画像形成装置は、音声の録音条件及び再生条件を設定できる点において、第1の実施の形態に係る画像形成装置100とは異なる。その他の点では、各画像形成装置は同一の構成である。
本実施の形態では、録音条件の設定として、アイコンにすでに音声が登録されている場合に当該アイコンに新たな音声の登録を許可するか否かの設定が可能である。再生条件の設定として、再生回数の制限を設定することが可能である。これら条件の設定は、操作パネル122に表示される設定画面300(図11参照)を介して行なわれる。
図11を参照して、設定画面300は、すでに登録されている音声が存在していた場合の録音の許可設定として、「録音開始を許可する」又は「録音開始を禁止する」を選択させるためのラジオボタン302を含む。「録音開始を許可する」が選択されると、ポップアップ表示される画面(図示せず。)において、すでに登録されている音声に対して「上書する」又は「続けて録音する」を選択できる。1つのアイコンに複数の音声が登録されている場合、再生時に「全ての音声を再生する」又は「選択した音声のみを再生する」を選択できる。「録音開始を禁止する」が選択され、この設定が有効の場合、登録されている音声が削除されるまでは新たに音声を登録できない。
設定画面300はさらに、録音再生回数の制限設定として、「制限なし」又は「制限あり」を選択させるためのラジオボタン304と、「制限あり」が選択されたときに、再生回数を入力する入力欄306とを含む。「制限なし」の設定が有効の場合、アイコンをタッチ操作する毎に音声が再生される。「制限あり」の設定が有効の場合、入力欄306に入力された回数だけ音声が再生される。入力欄306に再生回数として例えば3回を入力すると、4回目以降はアイコンをタッチ操作しても音声は再生されない。
このように、音声の録音条件及び再生条件を設定することにより、より柔軟に音声の録音及び再生が可能となる。
(第4の実施の形態)
本実施の形態に係る画像形成装置は、登録した音声の編集が可能である点において、第1の実施の形態に係る画像形成装置100とは異なる。その他の点では、各画像形成装置は同一の構成である。
登録した音声の編集は、操作パネル122に表示される登録音声リスト画面310を介して行なわれる。図12を参照して、登録音声リスト画面310は、自身が登録した音声を削除又は編集するための画面である。この登録音声リスト画面310には、録音時に操作されたアイコンの名称、対象ユーザ、及び録音された音声がリスト表示されている。アイコンの名称がタッチされると、アイコン画像が表示される。ユーザは、対象のアイコンの画像を確認できる。「再生」がタッチされると、録音された音声が再生される。ユーザは、録音された音声を確認できる。
登録音声リスト画面310はさらに、登録した音声を削除するための「削除」キー312、及び登録した音声の各項目を編集するための「編集」キー314を含む。「編集」キー314の操作により、アイコン、対象ユーザ、及び音声の編集が可能となる。音声の編集では、例えば再録音が実行される。
なお、ログインユーザは、他のユーザによって登録された音声であっても当該音声を削除できる。
(第5の実施の形態)
[全体構成]
図13を参照して、本実施の形態に係る電子黒板装置400は、大画面のタッチパネルディスプレイ410を用いた表示入力装置である。この電子黒板装置400は、種々のアプリケーションソフトを起動することが可能であり、起動したアプリケーションソフトに対応した機能を実現する。アプリケーションソフトは、電子黒板装置400の主要な機能である、タッチペン(図示せず。)による描画(手書き入力)を実現するペンソフトを含む。
ペンソフトが起動されると、タッチパネルディスプレイ410の表示面に画面500が表示される。タッチパネルディスプレイ410の表示面は、ユーザによる描画が可能な描画領域510と、ユーザが利用する機能を指定するための機能ボタン領域520とに区分されている。機能ボタン領域520には、複数の機能ボタンが表示されている。各機能ボタンは、アイコンとして表示される。
電子黒板装置400は、上記第1の実施の形態に係る画像形成装置100と同様、音声を録音する録音機能、及び録音した音声を再生する再生機能を持つ。音声の録音は、タッチパネルディスプレイ410に表示されるアイコンを操作することによって行なわれる。すなわち、アイコンへの音声の登録、及び登録された音声の再生は、上記第1の実施の形態と同様にして行なわれる。
[ハードウェア構成]
図14を参照して、電子黒板装置400は、大画面のタッチパネルディスプレイ410と、コンピュータからなる制御装置450とを含む。
制御装置450は、所定のプログラムを実行することにより、電子黒板装置400の全体の制御を実現するためのCPU452と、電子黒板装置400の電源が投入されたときにCPU452が読出すプログラムを記憶する読出専用メモリ(ROM)454と、CPU452が作業用メモリとして使用するランダム・アクセス・メモリ(RAM)456と、電子黒板装置400の電源が切断されたときに記録を保持することが可能な記録部458と、タッチパネルディスプレイ410(後述する入力検知装置430)から得た情報(座標データ)をもとに、処理内容を決定する入力処理部460と、CPU452の制御にしたがってタッチパネルディスプレイ410による画像の表示を制御する表示制御部462と、タッチパネルディスプレイ410に表示させる画像を保持するビデオメモリ(ビデオRAM)464と、電子黒板装置400に対してネットワーク50との接続を提供するネットワーク装置466と、音声を録音するための録音装置468と、スピーカ470と、これらを互いに接続し、相互の間のデータ及び制御信号の通信を可能にするバス472とを含む。
ROM454は、電子黒板装置400の電源投入時にCPU452が実行し、電子黒板装置400が所定の動作をするように当該電子黒板装置400の全体を設定するためのプログラム及びデータを記憶している。電子黒板装置400の動作を実現するためのプログラムもROM454に記憶されている。記録部458は、通電が遮断された場合にもデータを保持する不揮発性記憶装置であり、例えば、ハードディスクドライブ又はフラッシュメモリ等である。記録部458は電子黒板装置400に対して着脱可能でもよい。記録部458は、CPU452が実行するプログラムの一部を記憶することもできる。CPU452は、通常動作時には、バス472を介してROM454又は記録部458からプログラムをRAM456上にロードし、図示しないプログラムカウンタにより指定されるアドレスから命令を順次読出して実行する。CPU452は、ROM454及び記録部458に格納されているプログラムにしたがって電子黒板装置400を構成する各部の制御を行なう。
さらに、記録部458は、CPU452の制御の下で、タッチパネルディスプレイ410に表示された画像を画像データとして記憶する。なお、タッチパネルディスプレイ410に、表示データが示す画像とタッチペンによる描画像とが表示されている場合には、表示データが示す画像及びその描画像を含む画像を画像データとして記憶できる。
ネットワーク装置466は、CPU452の制御の下で、ネットワーク50に接続された外部機器との間で画像データ等を送受信する。ネットワーク装置466を介して電子黒板装置400が外部から受信した画像データは、RAM456又は記録部458に記録される。
録音装置468はマイクロフォン(図示せず。)を含む。マイクロフォンは、例えばタッチパネルディスプレイ410の縁部に設けられている。録音装置468は、CPU452の制御の下で音声を録音し、録音した音声データを、録音時に操作されたアイコンと関連付けて記録部458に保存する。スピーカ470は、電気信号を音声に変える装置である。このスピーカ470は、記録部458に保存されている音声データを音声に変えて出力する。
タッチパネルディスプレイ410は、所定の表示面上に画像を表示する表示部422を含む表示出力装置420と、表示部422の画像の表示面のどの位置がユーザによりタッチされたかを所定時間ごとに検出し、その位置の位置座標を制御装置450に対して出力する入力検知装置430とを含む。入力検知装置430は、タッチがあったことを検出し、検出があったことを示す信号を出力する機能と、そのときのタッチ位置を示す座標データを出力する機能とを持つ。
表示部422はフルカラー表示が可能な液晶表示パネル等の表示パネルであり、表示制御部462の制御の下で表示面上に、ビデオRAM464に記憶された画像を表示する。表示制御部462は、表示部422を駆動するための駆動部を備え、ビデオRAM464に記憶された画像データを所定のタイミングで読出し、表示部422に画像を表示させるための信号を表示部422に出力する。表示される画像データは、CPU452がRAM456上の情報及び記録部458に記録された情報から生成し、ビデオRAM464上の各表示画素に対応するアドレスに伝送する。
入力検知装置430は、ユーザによるタッチ操作を検出する接触感知部432と、接触感知部432を制御するマイクロコンピュータ434とを含む。マイクロコンピュータ434は、CPU434aと、接触感知部432で検出した情報(座標データ)を外部(入力処理部460)に出力する外部出力部434bとを含む。
電子黒板装置400においてペンソフトが起動されると、表示部422には、図13に示される画面500が表示される。画面500の描画領域510には、ユーザがタッチ操作によって描画できる。タッチされた点のXY座標が、入力検知装置430により所定の周期ごとに検出され、制御装置450に伝送される。制御装置450(CPU452)は、受信した座標データに応じて、ビデオRAM464に対応してRAM456に設けられた領域上の、検出された位置に対応するメモリアドレスに所定値を書込む。ビデオRAM464上にこれら検出された画像データを記録してもよいが、ここでは、ビデオRAM464の画像データを記憶する領域とは別に、RAM456に、描画データを記憶する領域が設けられていることを想定する。
機能ボタン領域520の機能ボタンに割当てられる機能は、例えば、タッチ操作による描画機能(ペンの種類を選択可能)、保存されているファイル(画像データ)を開く機能、所定領域の描画を削除する消しゴム機能、RAM456又は記録部458に記憶されている画像データ及び表示データ等を表示する機能、表示されている画像データを保存する機能、表示されている画像データを印刷する機能等である。これらの機能を実行するための処理は、各機能ボタンであるアイコンがタッチ操作されることにより起動される。
[作用・効果]
本実施の形態に係る電子黒板装置400は、第1の実施の形態に係る画像形成装置100と同様の効果を奏する。
(第6の実施の形態)
図15を参照して、本実施の形態に係る電子黒板装置600は、表示面に表示されている文字に音声を登録することが可能である点において、第5の実施の形態に係る電子黒板装置400とは異なる。その他の点では、各電子黒板装置は同一の構成である。
電子黒板装置600は、ネットワーク50を介して、外部機器である情報処理端末700a〜700c(以下、総称する場合は情報処理端末700と記す。)と通信可能に接続されている。情報処理端末700a〜700cは、いずれもパーソナルコンピュータからなる。
タッチパネルディスプレイ410の表示面には文書画像が表示される。文書画像は、ユーザのタッチ操作により選択(操作)可能な文字を含む。表示面に表示されている文字がユーザによって長押し操作されると、第1の実施の形態と同様、音声を録音するための録音メニューが表示される。表示された録音メニューをユーザが操作することにより音声の録音が行なわれる。録音された音声データは、録音時に操作された文字、及びその文字を含む文書データと関連付けて記録部458(図14参照)に保存される。
電子黒板装置600は、表示面に表示されていた文書画像の文書データを、ネットワーク装置466(図14参照)及びネットワーク50を介して、情報処理端末700に送信できる。送信される文書データには、録音された音声データが付される。情報処理端末700は、電子黒板装置600から送信された文書データを受信する。情報処理端末700には、受信した文書データを読出すことが可能なアプリケーションソフトが予めインストールされている。このアプリケーションソフトは、音声データを再生する機能を持つ。情報処理端末700は、ユーザの操作に応じて、受信した文書データをディスプレイに表示する。表示された文書画像は、音声が登録された文字を含む。ユーザによりその文字が操作されると、当該文字に関連付けられた音声データが再生される。
なお、文書データを情報処理端末700に送信する際に、音声データに代えて、当該音声データの保存場所を特定する特定情報を文書データに付して送信するようにしてもよい。これにより、文書データの送信時に、通信負荷が大きくなるのを抑制できる。音声データは、電子黒板装置600の記録部458に保存するようにしてもよいし、外部のサーバ装置に保存するようにしてもよい。
[ソフトウェア構成]
図16を参照して、音声の録音を行なうために、電子黒板装置600で実行されるコンピュータプログラムの制御構造について説明する。このプログラムは、電子黒板装置600に電源が投入されたことに応じて開始する。
このプログラムは、選択可能な文字上で長押し操作がされたか否かを判定し、長押し操作がされるまで待機するステップS2000と、ステップS2000において、長押し操作がされたと判定された場合に実行され、録音メニューをタッチパネルディスプレイ410に表示するステップS2010と、ステップS2010の後に実行され、録音メニューに含まれる「録音開始」キーが押下(タッチ操作)されたか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS2020と、ステップS2020において、「録音開始」キーが押下されていないと判定された場合に実行され、録音メニューが表示されてから所定時間が経過したか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS2030とを含む。ステップS2030において、所定時間が経過していないと判定された場合は、制御はステップS2020に戻る。一方、ステップS2030において、所定時間が経過したと判定された場合は、制御はステップS2000に戻る。
このプログラムはさらに、ステップS2020において、「録音開始」キーが押下されたと判定された場合に実行され、録音装置468(図14参照)に音声録音を開始させるステップS2040と、ステップS2040の後に実行され、「録音開始」キーに代えて「録音終了」キーを表示するステップS2050と、ステップS2050の後に実行され、「録音終了」キーが押下されたか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS2060と、ステップS2060において、「録音終了」キーが押下されていないと判定された場合に実行され、「録音終了」キーが表示されてから所定時間が経過したか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS2070とを含む。ステップS2070において、所定時間が経過していないと判定された場合は、制御はステップS2060に戻る。一方、ステップS2070において、所定時間が経過したと判定された場合は、制御はステップS2000に戻る。
このプログラムはさらに、ステップS2060において、「録音終了」キーが押下されたと判定された場合に実行され、録音装置468に音声録音を終了させるステップS2080と、ステップS2080の後に実行され、録音した音声(音声データ)を、録音時に操作された文字及びその文字を含む文書データと関連付けて記録部458に保存するステップS2090とを含む。ステップS2090の処理が終了すると、制御はステップS2000に戻る。
[動作]
本実施の形態に係る電子黒板装置600は以下のように動作する。以下の説明では、電子黒板装置600の動作の内、本発明に関連する部分のみを説明する。他の動作は従来の電子黒板装置の動作と同じである。
会議において電子黒板装置600が用いられているものとする。電子黒板装置600のタッチパネルディスプレイ410には、プレゼンテーションの資料である文書画像が表示されている。図17を参照して、表示面に表示されている文書画像はタッチ操作により選択可能な例えば文字610を含む。ユーザが文字610を長押し操作すると(図16に示すステップS2000においてYES)、タッチパネルディスプレイ410には、「録音開始」キー620を含む録音メニュー630が表示される(ステップS2010)。録音メニュー630が表示された状態で所定時間が経過すると(ステップS2020においてNO、かつステップS2030においてYES)、録音メニュー630が消去する。所定時間が経過する前に、ユーザによって「録音開始」キー620が押下されると(ステップS2020においてYES)、録音装置468が音声録音を開始する(ステップS2040)。会議での発言等が録音される。例えば、「××の件に関しては、・・・で進めたいが、皆さんのご意見を伺いたく」等の発言があると、その発言が録音される。タッチパネルディスプレイ410には、「録音開始」キー620に代えて、図8に示される「録音終了」キー232と同様の「録音終了」キーを含む録音メニュー(図示せず。)が表示される(ステップS2050)。
「録音終了」キーが表示された状態で所定時間が経過すると(ステップS2060においてNO、かつステップS2070においてYES)、「録音終了」キーを含む録音メニューが消去する。所定時間は例えば30秒程度であり、この時間が経過すると録音内容は保存されずに録音がやり直しになる。所定時間が経過する前に、ユーザによって「録音終了」キーが押下されると(ステップS2060においてYES)、録音装置468が音声録音を終了する(ステップS2080)。録音装置468は、録音した音声(音声データ)を、録音時に操作された文字610及びその文字610を含む文書データと関連付けて記録部458に保存する(ステップS2090)。これにより、操作された文字610に音声が登録される。
図18を参照して、文字610に音声が登録されると、当該文字610の近傍に、音声の再生が可能であることを示すスピーカアイコン640が表示される。文字610がタッチ操作(例えばシングルタッチ操作)されると、電子黒板装置600は、当該文字610に登録された音声(例えば、「××の件に関しては、・・・で進めたいが、皆さんのご意見を伺いたく」)を再生する。
電子黒板装置600に表示された文書画像の文書データは、会議終了後に議事録として情報処理端末700に送信できる。文書データに含まれる文字に音声が登録されている場合、電子黒板装置600は、音声データ又は当該音声データの保存場所を特定する特定情報を付して、文書データを情報処理端末700に送信する。
[作用・効果]
本実施の形態に係る電子黒板装置600は、上記のように、文書中の文字に音声を登録できる。音声が登録された文字を含む文書データを、例えば議事録として、ネットワーク50に接続された情報処理端末700に送信できる。これにより、例えば会議に参加できなかったユーザに対しても、必要な情報を効果的に伝達できる。
(変形例)
上記実施の形態では、画像形成装置の一例である複合機(MFP)に本発明を適用した例について示したが、本発明はそのような実施の形態には限定されない。画像形成装置は、複合機以外の例えばプリンタ、又はファクシミリ装置等であってもよい。本発明は、複数のユーザが利用する装置であれば、画像形成装置又は電子黒板装置以外の装置に適用することができる。
上記実施の形態では、アイコン又は文字の長押し操作により録音メニューが表示される例について示したが、本発明はそのような実施の形態には限定されない。録音メニューを表示するための操作は、長押し操作以外の操作であってもよい。例えば、アイコン又は文字のダブルタッチにより録音メニューが表示されるようにしてもよい。さらに、録音メニューを表示せずに録音の開始又は録音の終了を行なうようにしてもよい。例えば、アイコン又は文字のダブルタッチにより録音が開始されるようにしてもよい。その後、アイコン又は文字への例えばシングルタッチにより録音が終了するようにしてもよい。
上記実施の形態では、画像形成装置の使用時にユーザ認証を行なう例について示したが、本発明はそのような実施の形態には限定されない。画像形成装置の使用時にユーザ認証を行なわない構成であってもよい。この場合、録音の再生を許可する対象ユーザの選択は行なわれない。
上記実施の形態では、「録音終了」キーの押下により録音を終了する例について示したが、本発明はそのような実施の形態には限定されない。例えば、録音の開始後に「録音終了」キーが押下されることなく所定時間が経過すると、録音が終了するようにしてもよい。この場合、所定時間が経過した場合でも録音内容が保存される。
上記実施の形態では、ホーム画面のアイコンに音声を登録する例について示したが、本発明はそのような実施の形態には限定されない。音声が登録されるアイコンは、ホーム画面のアイコンに限定されない。例えば、動作モードの基本画面に表示されるアイコンに音声を登録することも可能である。登録される音声(メッセージ)は、種々の内容が想定される。例えばネットワークの設定を変更した場合等にそのことを他のユーザに伝える内容が考えられる。他のユーザに伝えたいこと、依頼したいこと、注意事項等の種々の内容を音声で登録できる。
上記実施の形態では、スピーカアイコンへのタッチ操作により、処理の起動を伴わずに、音声の再生を行なう例について示したが、本発明はそのような実施の形態には限定されない。例えば、音声が登録されているアイコンへのダブルタッチにより、処理の起動を伴わずに、音声の再生を行なうようにしてもよい。
上記実施の形態において、管理者のみが登録した音声を削除できるようにしてもよい。
上記で開示された技術を適宜組合せて得られる実施の形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
今回開示された実施の形態は単に例示であって、本発明が上記した実施の形態のみに限定されるわけではない。本発明の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含む。