JP2016132839A - サポートウェア - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、シンスプリントの発生を効果的に抑制することが可能なサポートウェアを提供することにある。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
人体に着用されるサポートウェアであって、前記人体の下腿部の前側において、脛骨内側の領域のうち足関節内顆の上方において長母指屈筋及び長指屈筋の少なくとも下部の位置に対応する領域に第1の緊締力を付与するX部と、前記X部よりも斜め上方外側の領域に前記X部よりも弱い第2の緊締力を付与するV部と、前記X部及び前記V部の間で前脛骨筋の位置に対応する領域に前記V部よりも弱い第3の緊締力を付与するW部と、を有し、前記人体の下腿部の後側において、前記脛骨内側の領域のうち前記足関節内顆の上方においてヒラメ筋及び腓腹筋内側頭の少なくとも下部の位置に対応する領域に前記第1の緊締力を付与するK部と、前記K部よりも斜め上方外側の領域に前記第1の緊締力を付与するI部と、前記K部及び前記I部の間で腓腹筋内側頭と腓腹筋外側頭とが接する位置に対応する領域に前記W部よりも弱い第4の緊締力を付与するJ部と、を有し、前記X部と前記K部とが接続され、前記V部と前記I部とが接続されている、ことを特徴とするサポートウェア。
このようなサポートウェアによれば、最強緊締力を有するX部及びK部によって脛骨の荷重を支える筋肉を保護することにより、運動時などにおいて脛骨に直達する衝撃を緩和することができる。また、下腿部において外側から内側に集中する力が作用するため、膝関節の内反が抑制され、脛骨の捻れストレスを緩和しやすくなる。これらの作用により、シンスプリントの発生を効果的に抑制することができる。
このようなサポートウェアによれば、着用時のフィット性を向上させることができる。また、隣り合う領域同士でそれぞれの緊締力を相互に作用させることにより、効率的に筋肉や靭帯等をサポートすることができる。
このようなサポートウェアによれば、脛骨の内側に付与される緊締力が外側に付与される緊締力よりも強くなるため,脛骨の内側部にかかる荷重を受け止めやすくすることができる。
このようなサポートウェアによれば、股関節外転・外旋運動を担う縫工筋に対して2段階の強さで緊締力を付与することができる。このように縫工筋のサポートを弱くすることで、過度な股関節外転・外旋運動が抑制され、推進方向への脚の振り上げ動作を行いやすくすることができる。また、股関節が外側へ向きにくくなることから、脛骨の捻れを軽減してシンスプリントを生じにくくすることができる。
このようなサポートウェアによれば、股関節外転・外旋の拮抗的作用を成す股関節内転筋への緊締力を強め、股関節内転筋をサポートすることによって該股関節内転筋を収縮しやすくすることができる。
このようなサポートウェアによれば、股関節内転筋群及び薄筋をサポートするZ部と、縫工筋をサポートするQ部とを、S部において合流させることができる。この場合、ほぼ同時に働く縫工筋と股関節内転筋とが連係することにより、縫工筋を単独でサポートする場合と比較して、脚の振り上げ動作をより行いやすくすることができる。また、股関節外転・外旋方向への脚の流れを制御しやすくなるため、シンスプリントをより生じにくくすることができる。
このようなサポートウェアによれば、膝関節上方で下腿内旋運動時に最も力を発揮する大腿二頭筋が最強緊締力によってサポートされ、筋腹上方は筋肉の伸びやすさをより引き出すために中緊締力によってサポートされる。これにより、大腿二頭筋が効率的にエキセントリック収縮を行うことができるようになり、下腿内旋時における腓骨の過度の滑りを抑制して、シンスプリントをより生じにくくすることができる。
このようなサポートウェアによれば、大腿二頭筋をサポートするG部と、下腿部内旋の制御に関して大腿二頭筋と同様の作用効果を有する腸脛靭帯をサポートするB部とを合流させることで、下腿内旋時における腓骨の滑りを抑制する力がより強く発揮され、下腿部の過内旋を抑制しやすくすることができる。したがって、シンスプリントをより生じにくくすることができる。
このようなサポートウェアによれば、B部とI部とが連携することで外側側副靭帯がより強い力でサポートされるようになり、膝関節の外側へのぶれが抑制され、脛骨内側への荷重ストレスが軽減される。これにより、シンスプリントを発症するリスクを低くすることができる。
このようなサポートウェアによれば、A部が最強緊締力にて大殿筋をサポートする際に、大腿筋膜腸筋をサポートするB部と連係させることによって、股関節内転・内旋作用が足の蹴り上げ時に有位に働き、足を真っ直ぐに出しやすくすることができる。
このようなサポートウェアによれば、中緊締力にてハムストリングスをサポートすることにより、膝屈曲位(スクワット)において該ハムストリングスの横への膨張が許容され、膝の屈曲を円滑に行うことができる。
<<スパッツ10の基本的構成>>
本実施形態に係るサポートウェアの一例として、使用者の下半身に装着されるスパッツ10について説明する。図1は、スパッツ10の前側及び後側の全体を表す平面図である。
スパッツ10の着用時において、第1〜第4の各領域で発生する緊締力が人体のどの部位にどのように作用するかについて具体的に説明する。図3は、スパッツ10によって人体に付与される緊締力を複数の部分に分解して説明する図である。図4は、人体下肢前側の筋肉及び靭帯の構造について説明する図である。図5は、人体下肢後側の筋肉及び靭帯の構造について説明する図である。図6は、人体下肢の骨格構造について説明する図である。
下腿部に発生するシンスプリント(脛骨過労性骨膜炎)は、運動時に荷重がかかることによって脛骨に作用する衝撃と、脛骨が捩れることによって発生するストレスが大きな要因と考えられている。これに対して、スパッツ10では図3の下腿前側面のX部、V部、W部、及び、下腿後側面のK部、I部、J部が発生する緊締力によって下腿部を補強することで、シンスプリントの発生を抑制している。なお、図3において表される複数の部分は、スパッツ10の機能を説明するために便宜的に設定された領域であり、実際のスパッツ10においては領域毎に境界部分が視認できるわけではない。例えば、A部とB部とは共に最強緊締力を有する第1の領域中に含まれる部分であり、実際のスパッツ10でA部とB部との境界は形成されていない。
人がランニングやダッシュを行う場合、脚の振り上げ動作時に作用する股関節外転・外旋運動とほぼ同時期に作用する股関節内転運動により、推進方向に足を着地させることができる。この振り上げ動作時の股関節内転筋作用を担う股関節内転筋の筋力が弱まれば、股関節屈曲時に外転・外旋作用方向、つまり、外側に脚が向き、推進方向への着地が困難となり、側方へのぶれが生じる。その結果、筋力のエネルギー効率が悪くなる。そして、このような状況下での繰り返し動作は、下腿部において爪先立ちでの蹴り動作の筋肉の疲労を早めるとともに、支柱となる脛骨への捻れストレスを増幅させる一因となる。すなわち、シンスプリントを誘発するおそれがある。
上述した下腿部の内旋運動を円滑に制御する手段の一つとして、本実施形態のスパッツ10ではE部,G部,B部等の作用により大腿後側面にある大腿二頭筋(図5参照)の収縮作用(エキセントリック収縮)をサポートしている。大腿二頭筋をサポートする理由は以下の通りである。すなわち、下腿部の内旋時において、膝関節では大腿骨から脛骨が内側に旋回して外れようとする動きが発生する。その際、脛腓関節によって脛骨の外側において脛骨と繋がっている腓骨でも内側に滑る動きが発生する。この腓骨の滑りに対して、腓骨に付着する大腿二頭筋がエキセントリック収縮を行うことにより腓骨が過度に滑らないよう制御している。つまり、大腿骨面から下腿が内旋し過ぎてずれないように大腿二頭筋がブレーキをかけるように作用する。したがって、大腿二頭筋をサポートすることにより、下腿部の内旋運動を制御することができる。
A部は、大殿筋の位置に対応する領域に最強緊締力(第1の緊締力)を付与する部分である。そして、このA部と上述した大腿筋膜腸筋をサポートするB部とが、大殿筋の筋腹の外側辺りで接続されている。大腿筋膜腸筋は、縫工筋の股関節外転・外旋と拮抗的に働いて股関節内旋運動に作用する筋肉であり、B部によって大腿筋膜腸筋の伸びを強く制御することによって、歩行時の股関節内旋運動を制御することができる。本実施系形態では、A部が最強緊締力にて大殿筋をサポートする際に、大腿筋膜腸筋と連係させることによって縫工筋の股関節外転・外旋に抗する股関節内転・内旋作用が足の蹴り上げ時に有位に働き、足を真っ直ぐに出しやすくすることができるようにしている。
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更・改良され得ると共に、本発明には、その等価物が含まれることは言うまでもない。
A部 第1領域、B部 第1領域、C部 第3領域、D部 第2領域、
E部 第2領域、F部 第1領域、G部 第1領域、H部 第3領域、
I部 第1領域、J部 第4領域、K部 第1領域、L部 第3領域、
M部 第1領域、N部 第1領域、O部 第2領域、P部 第1領域、
Q部 第4領域、R部 第1領域、S部 第1領域、T部 第1領域、
U部 第3領域、V部 第2領域、W部 第3領域、X部 第1領域、
Y部 第3領域、Z部 第1領域
Claims (11)
- 人体に着用されるサポートウェアであって、
前記人体の下腿部の前側において、
脛骨内側の領域のうち足関節内顆の上方において長母指屈筋及び長指屈筋の少なくとも下部の位置に対応する領域に第1の緊締力を付与するX部と、
前記X部よりも斜め上方外側の領域に前記X部よりも弱い第2の緊締力を付与するV部と、
前記X部及び前記V部の間で前脛骨筋の位置に対応する領域に前記V部よりも弱い第3の緊締力を付与するW部と、
を有し、
前記人体の下腿部の後側において、
前記脛骨内側の領域のうち前記足関節内顆の上方においてヒラメ筋及び腓腹筋内側頭の少なくとも下部の位置に対応する領域に前記第1の緊締力を付与するK部と、
前記K部よりも斜め上方外側の領域に前記第1の緊締力を付与するI部と、
前記K部及び前記I部の間で腓腹筋内側頭と腓腹筋外側頭とが接する位置に対応する領域に前記W部よりも弱い第4の緊締力を付与するJ部と、
を有し、
前記X部と前記K部とが接続され、前記V部と前記I部とが接続されている、ことを特徴とするサポートウェア。 - 請求項1に記載のサポートウェアであって、
前記X部は、前記W部及び前記K部とつなぎ目なく接続され、
前記V部は、前記W部及び前記I部とつなぎ目なく接続されている、ことを特徴とするサポートウェア。 - 請求項1または2に記載のサポートウェアであって、
前記下腿部の前側において足関節外顆の位置に対応する領域に前記第3の緊締力を付与するY部と、
前記下腿部の後側において前記足関節外顆の位置に対応する領域に前記第3の緊締力を付与するL部と、
を有する、ことを特徴とするサポートウェア。 - 請求項1〜3のいずれかに記載のサポートウェアであって、
上前腸骨棘の位置に対応する領域に前記第1の緊締力を付与するP部と、
縫工筋の筋腱移行部から筋腹に移行する位置に対応する領域に前記第4の緊締力を付与するQ部と、を有し、
前記P部と前記Q部とが接続されている、ことを特徴とするサポートウェア。 - 請求項4に記載のサポートウェアであって、
薄筋の位置に対応する領域に前記第1の緊締力を付与するZ部を有する、ことを特徴とするサポートウェア。 - 請求項5に記載のサポートウェアであって、
前記Q部の斜め内側下方であって、かつ、前記Z部の下方である大腿骨内側面の位置に対応する領域に前記第1の緊締力を付与するS部を有する、ことを特徴とするサポートウェア。 - 請求項1〜6のいずれかに記載のサポートウェアであって、
大腿二頭筋の上方で坐骨に付着する腱及び筋腱移行部から、前記大腿二頭筋の筋肉量が多くなる筋腹上方に対応する領域に前記第3の緊締力を付与するE部を有し、
前記E部の下部から腓骨頭を含む領域に前記第1の緊締力を付与するG部を有する、ことを特徴とするサポートウェア。 - 請求項7に記載のサポートウェアであって、
大転子上方から下方に向かって大腿筋膜腸筋が腸脛靭帯に移行する位置、及び、腸脛靭帯の全域に対応する領域に前記第1の緊締力を付与するB部を有し、
前記G部と前記B部とが接続されている、ことを特徴とするサポートウェア。 - 請求項8に記載のサポートウェアであって、
前記B部と前記I部とが接続されている、ことを特徴とするサポートウェア。 - 請求項8または9に記載のサポートウェアであって、
大殿筋の位置に対応する領域に前記第1の緊締力を付与するA部を有し、
前記A部と前記B部とが接続されている、ことを特徴とするサポートウェア。 - 請求項1〜10のいずれかに記載のサポートウェアであって、
膝関節上方でハムストリングス中央の位置に対応する領域に前記第3の緊締力を付与するH部を有する、ことを特徴とするサポートウェア。
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