JP2016132415A - 死角補助装置 - Google Patents
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Description
前記像を表す光を入射し、視認者側に設けられ光の一部を反射し一部を透過する半透過ミラーと、光を前記半透過ミラーへ反射するミラーとが互いに対向するように配置される一対のミラーと、
前記一対のミラーを収納するケース体と、を備え、
前記一対のミラーは、その平面に沿った方向で前記ケース体内に挿入され、
前記ケース体は、前記一対のミラーの各々の周縁が挿入される隙間を有するガイド部を備えてなることを特徴とする。
死角補助装置100は、図1及び図2に示すように、視認者側から見て右側(運転者側)のフロントピラー50に配置され、フロントピラー50及び黒セラ部21によって遮られる死角領域Dの像を映すものである。なお、死角補助装置100は、視認者から見てフロントピラー50及び黒セラ部21と対向するように配置される。
一方、物体Mからの光Lは、一対の平面ミラー110に入射し、一対の平面ミラー110の間で反射を繰り返しつつ、一部の光Lは一対の平面ミラー110から出射する(半透過平面ミラー111を透過する)。なお、一対の平面ミラー110に入射し、一対の平面ミラー110の間で反射を繰り返すのは一対の平面ミラー110の平行な平面に対して傾きを有する光である。一対の平面ミラー110から出射する光Lの一部は、視点2に達する。したがって、視点2からは直接視認できる風景と連続して平面ミラー112に映る物体Mの像を半透過平面ミラー111越しに視認することができる。なお、死角領域Dのうちフロントピラー50の背面側の僅かな領域(ハッチングで示す部分)は、この領域からの光が一対の平面ミラー110に入射できず、その像を一対の平面ミラー110によって映すことができないが、それ以外の殆どの領域において死角領域Dの像を一対の平面ミラー110によって映すことができる。
なお、死角領域Dの像を一対の平面ミラー110によって映すにあたって、視認者は、死角補助装置100をフロントピラー50の任意の高さ(視点2に合った高さ)に、一対の平面ミラー110に死角領域Dの像が映るように、すなわち、死角領域Dからの光Lが視点2に達するように一対の平面ミラー110の角度を調整して配置する。半透過平面ミラー111と平面ミラー112とは互いの位置関係が平行に固定されるため、一度の配置作業で一対の平面ミラー110を同時に配置することができ、また、一度の調整作業で一対の平面ミラー110の角度を同時に調整することができる。
第一のガイド部121gは、図6(a)に示すように、略菱形状の半透過平面ミラー111の周縁からなる4つの辺のうち3辺(左右側辺及び下辺)に対応して筐体部121と一体的にあるいは別体で略U字状に設けられる角柱状部材であり、その内面側に溝部121fが形成される。すなわち、第一のガイド部121gの溝部121fには、半透過平面ミラー111の周縁のうち3辺が挿入される格好となる。図6(b),(c),(d)に示すように、溝部121fは、その幅が半透過平面ミラー111の板厚より若干大きく形成され、半透過平面ミラー111の周縁部を挿入可能とし、また、半透過平面ミラー111を保持する。また、溝部121fのうち半透過平面ミラー111の下辺に対応する個所は、下端(底)側が半透過平面ミラー111の板厚と丁度同じか若干小さく形成され、半透過平面ミラー111の周縁(下辺)が圧入されることで半透過平面ミラー111を固定する圧入部として機能する。
第三のガイド部122bは、図6(a)に示すように、半透過平面ミラー111の周縁のうち第一のガイド部121gの溝部121fに挿入されない1辺(上辺)に対応して蓋部122に一体的あるいは別体で直線状に設けられる角柱状部材であり、その下面側に溝部122aが形成される。すなわち、第三のガイド部122bの溝部122aには、半透過平面ミラー111の周縁のうち1辺が挿入される格好となる。図6(e)に示すように、溝部122aは、その幅が下側では半透過平面ミラー111の板厚より若干大きく形成され、半透過平面ミラー111の周縁部を挿入可能とし、上端側が半透過平面ミラー111の板厚と丁度同じか若干小さく形成され、半透過平面ミラー111の周縁(上辺)が圧入されることで半透過平面ミラー111を固定する圧入部として機能する。
まず、半透過平面ミラー111と平面ミラー112とを、筐体部121の第四の開口部121dからそれぞれの平面(半透過反射面及び反射面)に沿ってスライドさせ、筐体部121内に挿入する。このとき、半透過平面ミラー111は、その周縁のうち左右側辺を第一のガイド部121gの溝部121fに挿入させ、溝部121fによって案内されながら(挿入方向及び挿入位置を規制されながら)筐体部121内にスライドされる。さらに、半透過平面ミラー111は、その下辺が下側の溝部121fの下端(幅狭な個所)に圧入されて固定される。また、平面ミラー112は、その周縁のうち左右側辺を第二のガイド部121iの溝部121hに挿入させ、溝部121hによって案内されながら筐体部121内にスライドされる。さらに、平面ミラー112は、その下辺が下側の溝部121hの下端(幅狭な個所)に圧入されて強固に固定される。なお、半透過平面ミラー111及び平面ミラー112をその平面に沿ってスライドさせることを考慮すると、溝部121f及び122hの半透過平面ミラー111及び平面ミラー112を圧入する部分は、本実施形態のように、スライド方向の端に設けられることが望ましい。
次に、蓋部122を、筐体部121の第四の開口部121dを塞ぐように配設する。すなわち、蓋部122は半透過平面ミラー111及び平面ミラー112の平面に沿った方向で筐体部121に組み付けられる。このとき、半透過平面ミラー111の周縁のうち上辺を第三のガイド部122bの溝部122aに挿入し、平面ミラー112の周縁のうち上辺を第四のガイド部122dの溝部122sに挿入する。半透過平面ミラー111の周縁及び平面ミラー112の周縁がそれぞれ溝部122a,122cに挿入されることで、半透過平面ミラー111及び平面ミラー112が蓋部122に対して適正な位置に案内される。さらに、半透過平面ミラー111及び平面ミラー112は各々の上辺がそれぞれ溝部122a及び溝部122cの上端(幅狭な個所)に圧入されて強固に固定される。そして、蓋部122をネジやフック等の固定部材を用いて筐体部121に対して固定し、死角補助装置100を得る。
前記像を表す光Lを入射し、視認者側に設けられ光Lの一部を反射し一部を透過する半透過平面ミラー111と、光Lを半透過平面ミラー111へ反射する平面ミラー112とが互いに対向するように配置される一対の平面ミラー110と、
一対の平面ミラー110を収納するケース体120と、を備え、
一対の平面ミラー110は、その平面に沿った方向でケース体120内に挿入され、
ケース体120は、一対の平面ミラー110の各々の周縁が挿入される溝部121f,121h,122a,122cを有するガイド部(第一,第二のガイド部121g,121i及び第三,第四のガイド部122b,122d)を備えてなる。
これによれば、圧入によって一対の平面ミラー110の各々を固定することによって、半透過平面ミラー111の歪みを抑制して歪みのない像を映すことができる。また、接着材や両面テープなどを用いる場合と比較して組み付け作業が容易で作業性が良い。
これによれば、ケース体120の内部が一対の平面ミラー110の平面に沿った方向に解放されるため、一対の平面ミラー110を挿入しやすく組み付け作業が容易で作業性が良い。
これによれば、より精度良く一対の平面ミラー110を配置することができる。
視認者は、角度調整ボルト131を手動で時計回りに回転させ、半透過平面ミラー111側に押し込むことで第一のガイド部121gを軸部121jを軸に回転させ、また、第三のガイド部122bを軸部122eを軸に回転させることで、半透過平面ミラー111を視点2側に開くように回転移動させ、半透過平面ミラー111の平面ミラー112に対する角度θMを初期位置(例えば平面ミラー112と平行となる位置)から最大角度θMmax(ケース体120の寸法設計によって定まる)まで大きくすることができる。また、視認者は、角度調整ボルト131を手動で反時計回りに回転させて外側に抜き出すことで、弾性部材132の弾性力によって半透過平面ミラー111を視点2と反対側に回転移動させ、半透過平面ミラー111の角度θMを最大角度θMmaxから初期位置まで小さくすることができる。これによって、視認者は、半透過平面ミラー111の角度θMを初期位置から最大角度θMmaxの範囲で調整することができ、本願出願人が特願2014−118793号で記載したように、平面ミラー112に映る像と直接視認される前方風景とのズレがなくなる像の位置を調整することができる。
また、本実施形態において、ケース体120は筐体部121と蓋部122とに分割されるものであったがこれに限られない。例えば複数のルーバー121eをさらに別体に分割してもよい。さらに、例えば正面から見て略L字状の第一ケース及び第二ケースに分割され、一対の平面ミラー110の平面に沿って組み立てられるものであってもよい。この場合、ガイド部は第一,第二ケースに各々その一部が設けられる格好となる。
さらに、本実施形態の死角補助装置100に第二,第三の開口部121b,121cを塞ぐ透明カバーを設ける場合、透明カバーをケース体120に挿入するために第一,第二のガイド部121g,121i及び第三,第四のガイド部122b,122dと同様のガイド部を設けてもよい。
また、例えば観光施設等の高層建築物で、高層階の床下に大面積の死角補助装置を埋め込み、光入射部分のみを屋外に出すことで、床下の死角補助装置で眼下の風景を直接足下に感じることが可能となり、建築物の高さを強調することができる。同様の効果を得るために、従来は床下に空間を設ける必要があったが、本発明の死角補助装置によれば既存の建築物にも容易に配置することができ好適である。
このほか、壁面に用いる例としては、道路に近接して塀が立っている見通しの悪い交差点などにおいて、塀の角に本発明の死角補助装置を配置することで、死角領域の歩行者や車両の存在をいち早く認識することができ、出会い頭の事故の防止に貢献することができる。
以上のように、本発明の死角補助装置は、電力などのエネルギーを必要とすることなく、これまで視認することができなかった障害物に遮られた死角領域を、光入射部分のスペースを確保するのみで広範囲に亘って障害物を透けたように視認させることができるものであり、その用途は室内外を問わず広く適用でき、健康、安全あるいは感動など多岐に亘る効果を得ることができる。
2 視点
100 死角補助装置
110 一対の平面ミラー(一対のミラー)
111 半透過平面ミラー(半透過ミラー)
111a 基部
111b 延設部
112 平面ミラー(ミラー)
112a 突出部
120 ケース体
121 筐体部
121a 第一の開口部
121b 第二の開口部
121c 第三の開口部
121d 第四の開口部
121e ルーバー
121f 溝部(隙間)
121g 第一のガイド部(ガイド部)
121h 溝部(隙間)
121i 第二のガイド部(ガイド部)
121j 軸部
122 蓋部
122a 溝部(隙間)
122b 第三のガイド部(ガイド部)
122c 溝部(隙間)
122d 第四のガイド部(ガイド部)
122e 軸部
130 角度調整機構
131 角度調整ボルト
132 弾性部材
Claims (5)
- 障害物によって遮られる死角領域の像を映す死角補助装置であって、
前記像を表す光を入射し、視認者側に設けられ光の一部を反射し一部を透過する半透過ミラーと、光を前記半透過ミラーへ反射するミラーとが互いに対向するように配置される一対のミラーと、
前記一対のミラーを収納するケース体と、を備え、
前記一対のミラーは、その平面に沿った方向で前記ケース体内に挿入され、
前記ケース体は、前記一対のミラーの各々の周縁が挿入される隙間を有するガイド部を備えてなることを特徴とする死角補助装置。 - 前記ガイド部は、前記一対のミラーの各々の周縁が圧入されて前記一対のミラーを固定する圧入部を備えてなることを特徴とする請求項1に記載の死角補助装置。
- 前記ケース体は、前記一対のミラーの平面に沿った方向で組み立てられるように複数に分割されてなることを特徴とする請求項1に記載の死角補助装置。
- 前記ガイド部は、前記隙間に前記一対のミラーの各々の周縁からなる全ての辺が挿入されることを特徴とする請求項1に記載の死角補助装置。
- 前記ガイド部の少なくとも一部は、前記一対のミラーの平面に沿った方向を中心軸として回転可能に設けられ、
前記ガイド部の少なくとも一部を回転させて前記一対のミラー間の角度を調整する角度調整機構を備えてなることを特徴とする請求項1に記載の死角補助装置。
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