JP2017094941A - 死角補助装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】遮光性能の低下や異音の発生を抑制しつつ、視認性を向上させることが可能な死角補助装置を提供する。【解決手段】障害物によって遮られる死角領域の像を映す死角補助装置100は、前記像を表す光MLを入射し、視認者側に設けられ光MLの一部を反射し一部を透過する半透過平面ミラー111と、光MLを半透過平面ミラー111へ反射する平面ミラー112とが互いに対向するように配置される一対の平行平面ミラー110と、半透過平面ミラー111の前記視認者側に設けられ、前記視認者側から半透過平面ミラー111に所定の角度で入射する光SLを遮る複数のルーバー122aと、を備え、複数のルーバー122aの各々は、板状の透光性基材122a1と透光性基材122a1の前記視認者側の第一の面に形成される遮光層122a2とを有してなる。【選択図】図5
Description
本発明は、車両内のフロントピラーなどの障害物によって遮られる死角領域の像を映す死角補助装置に関する。
従来、車両内のフロントピラーなどの障害物によって生じる死角を映す死角補助装置として、例えば、特許文献1に開示されたものが知られている。係る死角補助装置は、死角領域の像を表す光を入射し、視認者側に設けられ光の一部を反射し一部を透過する半透過ミラーと、光を半透過ミラーへ反射するミラーとが互いに対向するように配置される一対のミラーと、半透過ミラーの視認者側に設けられ、視認者側から所定の角度で入射する光を遮る複数の遮光部と、を備えてなるものである。
しかしながら、特許文献1に係る死角補助装置では、遮光部は遮光性の樹脂材料によって形成されるため、遮光部によってミラーに映る死角領域の像の一部が遮られる。具体的には、遮光部は視認者の視点から見て前方視界における上下方向の線として視認され、視認性を低下させる要因となるという問題点があった。一方で、視認性を優先させて遮光部の厚さを薄くすると、遮光部が変形しやすくなり遮光性能の低下や異音の発生といった問題が生じるおそれがあった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、遮光性能の低下や異音の発生を抑制しつつ、視認性を向上させることが可能な死角補助装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る死角補助装置は、障害物によって遮られる死角領域の像を映す死角補助装置であって、
前記像を表す光を入射し、視認者側に設けられ光の一部を反射し一部を透過する半透過ミラーと、光を前記半透過ミラーへ反射するミラーとが互いに対向するように配置される一対のミラーと、
前記半透過ミラーの前記視認者側に設けられ、前記視認者側から前記半透過ミラーに所定の角度で入射する光を遮る複数の遮光部と、を備え、
前記複数の遮光部の各々は、板状の透光性基材と前記透光性基材の前記視認者側の第一の面に形成される遮光層とを有してなることを特徴とする。
前記像を表す光を入射し、視認者側に設けられ光の一部を反射し一部を透過する半透過ミラーと、光を前記半透過ミラーへ反射するミラーとが互いに対向するように配置される一対のミラーと、
前記半透過ミラーの前記視認者側に設けられ、前記視認者側から前記半透過ミラーに所定の角度で入射する光を遮る複数の遮光部と、を備え、
前記複数の遮光部の各々は、板状の透光性基材と前記透光性基材の前記視認者側の第一の面に形成される遮光層とを有してなることを特徴とする。
本発明によれば、遮光性能の低下や異音の発生を抑制しつつ、視認性を向上させることが可能となる。
本発明の一実施形態に係る死角補助装置を、図面を参照して説明する。
図1は本実施形態に係る死角補助装置100が配置される車両1の運転席付近の概観を示す図である。車両1は、図1に示すように、ステアリング10と、ウインドシールドガラス20と、サイドガラス30,40と、フロントピラー50,60と、を備える。また、黒セラ(黒セラミック)部21,22は、ウインドシールドガラス20の周辺部に印刷形成される遮光性の部材である。
車両1において、座席に着座した視認者(主に運転者)は、ウインドシールドガラス20(黒セラ部21の部分を除く)とサイドガラス30,40が配置される領域では風景を直接視認する一方、フロントピラー50,60と黒セラ部21,22が配置される領域ではフロントピラー50,60と黒セラ部21,22とによって視認者の視界が遮られ、風景を直接視認することができない死角領域が生じる。すなわち、フロントピラー50,60と黒セラ部21,22とは、本発明における障害物に該当する。
次に、図1〜図3に基づいて本実施形態に係る死角補助装置100の基本構成について説明する。なお、図2は、死角補助装置100の概観を示す平面図である。図2においては後述するケース体120のうち複数のルーバーのみを図示している。図3は、一対の平行平面ミラー110を示す斜視図である。
死角補助装置100は、図1及び図2に示すように、視認者から見て右側(運転席側)のフロントピラー50に配置され、フロントピラー50及び黒セラ部21によって遮られる死角領域の像を映すものである。なお、死角補助装置100は、視認者から見てフロントピラー50及び黒セラ部21と対向するように配置される。
死角補助装置100は、図1及び図2に示すように、視認者から見て右側(運転席側)のフロントピラー50に配置され、フロントピラー50及び黒セラ部21によって遮られる死角領域の像を映すものである。なお、死角補助装置100は、視認者から見てフロントピラー50及び黒セラ部21と対向するように配置される。
死角補助装置100は、図2及び図3に示すように、一対の平行平面ミラー(一対のミラー)110を備える。
一対の平行平面ミラー110は、入射した光の一部を反射し一部を透過する半透過平面ミラー(半透過ミラー)111と、平面ミラー(ミラー)112とが互いに平行に対向するように配置されることによって構成される。なお、半透過平面ミラー111と平面ミラー112はケース体120に配置されることで平行な位置関係で固定される。なお、本発明の一対のミラーは、互いに対向するように配置されるものであれば完全な平行に配置されなくともよく、また、平面ミラーでなく曲面ミラーであってもよい。
半透過平面ミラー111は、視認者側に配置され、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、アクリル等の透光性樹脂材料からなる基材の表面にアルミなどの金属を蒸着させることにより、所望の反射率を有するように反射率調整層を形成してなる。反射率調整層の厚さや種類などにより、反射率(透過率)が調整される。本実施形態の半透過平面ミラー111における透過光と反射光の光量比は、透過光:反射光=1:4(反射率80%)である。なお、半透過平面ミラー111は、基材の表面に誘電体多層膜をコーティングして形成してもよい。半透過平面ミラー111は、その入射側端部(入射側の側辺)E10が平面ミラー112の入射側端部(入射側の側辺)E11から迫り出すように配置され、半透過平面ミラー111と平面ミラー112とが水平方向に段違い状に配置されている。
平面ミラー112は、その平面(反射面)が半透過平面ミラー111の平面(半透過反射面)と平行となるように配置されるものであり、例えば上述の透光性樹脂材料からなる基材の表面にアルミなどの金属を蒸着させてなる平面アルミ蒸着ミラーである。
半透過平面ミラー111と平面ミラー112とは、それぞれの平面(半透過反射面及び反射面)が、一対の平行平面ミラー110における光MLの進行方向(図3の矢印で示す)に対して垂直方向の幅が一対の平行平面ミラー110における光MLの進行方向に向かって徐々に小さくなるように、略楔状に形成されている。視認者の視野範囲から外れる不要個所を除去して小型化及び軽量化するためである。また、半透過平面ミラー111と平面ミラー112とは互いの平面形状が相似である(ほぼ相似である場合を含む)。また、半透過平面ミラー111の入射側端部E10と、平面ミラー112の入射側端部E11とは、ウインドシールドガラス20のガラス面に沿って傾斜している。ウインドシールドガラス20のガラス面に近接して配置可能とするためである。
次に、図2を用いて、一対の平行平面ミラー110の作用について説明する。なお、図2は、視認者が運転席に着座した状態を示しており、視点Oは視認者の視点(アイポイント)を示している。
図2において、視認者(視点O)の前方視界には、フロントピラー50(図示しないが黒セラ部21も含む)によって遮られる死角領域Dが生じる。したがって、視点Oからは死角領域Dに存在する物体Mを直接視認することができない。
一方、物体Mからの光MLは、一対の平行平面ミラー110に入射し、一対の平行平面ミラー110の間で反射を繰り返しつつ、一部の光MLは一対の平行平面ミラー110から出射する(半透過平面ミラー111を透過する、あるいは半透過平面ミラー111と平面ミラー112との隙間から直接出射する)。なお、一対の平行平面ミラー110に入射し、一対の平行平面ミラー110の間で反射を繰り返すのは一対の平行平面ミラー110の平行な平面に対して傾きを有する光である。一対の平行平面ミラー110から出射する光MLの一部は、視点Oに達する。したがって、視点Oからは直接視認できる風景と連続して平面ミラー112に映る物体Mの像を半透過平面ミラー111越しに視認することができ、フロントピラー50を透過したような見え方となる。なお、死角領域Dのうちフロントピラー50の背面側の僅かな領域(ハッチングで示す部分)は、この領域からの光が一対の平行平面ミラー110に入射できず、その像を一対の平行平面ミラー110によって映すことができないが、それ以外の殆どの領域において死角領域Dの像を一対の平行平面ミラー110によって映すことができる。
なお、死角領域Dの像を一対の平行平面ミラー110によって映すに当たって、視認者は、死角補助装置100をフロントピラー50の任意の高さ(視点Oに合った高さ)に、一対の平行平面ミラー110に死角領域Dの像が映るように、すなわち、死角領域Dからの光MLが視点Oに達するように一対の平行平面ミラー110の角度を調整して配置する。半透過平面ミラー111と平面ミラー112とは互いの位置関係が平行に固定されるため、一度の配置作業で一対の平行平面ミラー110を同時に配置することができ、また、一度の調整作業で一対の平行平面ミラー110の角度を同時に調整することができる。
一方、物体Mからの光MLは、一対の平行平面ミラー110に入射し、一対の平行平面ミラー110の間で反射を繰り返しつつ、一部の光MLは一対の平行平面ミラー110から出射する(半透過平面ミラー111を透過する、あるいは半透過平面ミラー111と平面ミラー112との隙間から直接出射する)。なお、一対の平行平面ミラー110に入射し、一対の平行平面ミラー110の間で反射を繰り返すのは一対の平行平面ミラー110の平行な平面に対して傾きを有する光である。一対の平行平面ミラー110から出射する光MLの一部は、視点Oに達する。したがって、視点Oからは直接視認できる風景と連続して平面ミラー112に映る物体Mの像を半透過平面ミラー111越しに視認することができ、フロントピラー50を透過したような見え方となる。なお、死角領域Dのうちフロントピラー50の背面側の僅かな領域(ハッチングで示す部分)は、この領域からの光が一対の平行平面ミラー110に入射できず、その像を一対の平行平面ミラー110によって映すことができないが、それ以外の殆どの領域において死角領域Dの像を一対の平行平面ミラー110によって映すことができる。
なお、死角領域Dの像を一対の平行平面ミラー110によって映すに当たって、視認者は、死角補助装置100をフロントピラー50の任意の高さ(視点Oに合った高さ)に、一対の平行平面ミラー110に死角領域Dの像が映るように、すなわち、死角領域Dからの光MLが視点Oに達するように一対の平行平面ミラー110の角度を調整して配置する。半透過平面ミラー111と平面ミラー112とは互いの位置関係が平行に固定されるため、一度の配置作業で一対の平行平面ミラー110を同時に配置することができ、また、一度の調整作業で一対の平行平面ミラー110の角度を同時に調整することができる。
ところで、光MLは一対の平行平面ミラー110の間で反射を繰り返すので、光MLが半透過平面ミラー111にn回入射した場合、物体Mの像を示すn個の光MLが1つの平行平面ミラー110から出射される。すなわち、一対の平行平面ミラー110からは視点Oの左右方向に沿って、n個の物体Mの像を示す光MLが出射することとなる。したがって、視認者は左右方向の広い範囲で物体Mの像を視認することができる。なお、一対の平行平面ミラー110から出射される光MLは半透過平面ミラー111での反射回数が増加するのに伴って輝度が低下する。
次に、死角補助装置100の外装構造について図4を用いて説明する。
図4に示すように、死角補助装置100は、一対の平行平面ミラー110と、ケース体120と、を備える。図4(a)は死角補助装置100を示す斜視図であり、図4(b)は図4(a)のX−X線断面図である。図4においては、視認者から見て手前側を「前」、奥行き側を「後」として説明する。
ケース体120は、一対の平行平面ミラー110を収納するものであって、後ケース121と、前ケース122と、を備える。
後ケース121は、ABS樹脂やポリウレタン樹脂などの遮光性の樹脂材料からなり、後壁部121aと内側天壁部121bと内側底壁部121cとを一体的に形成してなる出射側の側方から見て略コの字状(逆Cの字状)の部材である。後壁部121aには、内側天壁部121b及び内側底壁部121cの間に位置するように平面ミラー112が配置される。内側天壁部121b及び内側底壁部121cは、その解放端部121d及び121eに半透過平面ミラー111が平面ミラー112と平行となるように載置される。
前ケース122は、ポリカーボネートなどの透光性(望ましくは無色透明)の樹脂材料を基材とし、必要な個所に黒色等の非透光性の塗装を施してなり、複数のルーバー122aと外側天壁部122bと外側底壁部122cとを一体的に形成してなる枠状部材である。複数のルーバー122aは、外側天壁部122bと外側底壁部122cとの間に所定間隔で設けられる板状部であり、半透過平面ミラー111の視認者側に位置し視認者側から所定の角度で(主として半透過平面ミラー111あるいは平面ミラー112で反射されて視点Oに至る入射角度で)一対の平行平面ミラー110に入射する外光を遮る遮光部として機能する。また、複数のルーバー122aは、その先端部が視認者側を向くように半透過平面ミラー111の視認者側の平面に対して所定の角度傾いて配置される。複数のルーバー122aの構造及び作用については後で詳述する。外側天壁部122b及び外側底壁部122cは、それぞれ内側天壁部121b及び内側底壁部121cの外側を覆うように設けられる。また、外側天壁部122b及び外側底壁部122cは、外側を向く面(外側天壁部122bの上面及び外側底壁部122cの下面)に非透光性の塗装が施されて上側あるいは下側から一対の平行平面ミラー110に入射する外光を遮る遮光壁の役割を有している。また、外側天壁部122b及び外側底壁部122cには、内側天壁部121b及び内側底壁部121cの解放端部121d及び121eと対向するように段差部122d及び122eが設けられている。段差部122d及び122eは、前ケース122を後ケース121に組み付けた際に半透過平面ミラー111の周縁部と当接する位置に形成される。
ケース体120は、図4に示すように、入射側の側面に設けられ死角領域Dからの光MLを入射する第一の開口部120aと、出射側の側面に設けられ平面ミラー112で反射した光MLを出射する第二の開口部120bと、前面に設けられ半透過平面ミラー111を露出させる第三の開口部120cと、を有する。第三の開口部120cは、ルーバー122a1〜122a5によって複数の領域に分割されている。
次に、図5を用いて、複数のルーバー122aの作用及び構造について説明する。なお、図5は、死角補助装置100を手前側上方から見た図であり、図5においては図を見やすくするためにケース体120は複数のルーバー122a以外の部分を省略して図示している。
一対の平行平面ミラー110には、死角領域Dからの光ML以外に視認者(視点O)側からも外光が入射する。視認者側から一対の平行平面ミラー110に入射する外光のうち、特に半透過平面ミラー111の平面の垂線PLに対して光MLの入射側に傾いて半透過平面ミラー111に入射する光(以下、迷光SLという)は、その一部が半透過平面ミラー111で視点Oに向かって反射され、あるいは一部が半透過平面ミラー111を透過して平面ミラー112で反射されて、再度半透過平面ミラー111から視点Oに向かって出射され、平面ミラー112に映る物体Mの像の視認性を低下させる要因となる。これに対し、死角補助装置100は、半透過平面ミラー111の視認者側に複数のルーバー122aを設けることによって、半透過平面ミラー111に入射する迷光SLを遮って高い視認性を確保することができる。複数のルーバー122aの長さ及び個数は、半透過平面ミラー111及び平面ミラー112によって視点Oに向けて反射されうる迷光SLを遮る機能を果たすとともに、視点Oからの視界を過度に遮らないように適宜定められる。すなわち、複数のルーバー122aは、その長さが長いほど1個のルーバーで多くの迷光SLを遮ることができるものの、左右の目の視差によって視認者に煩わしさを与えるおそれがある。これに対し、複数のルーバー122aを設けることでルーバー122a各々の長さを低減することができる。本実施形態では、5つのルーバー122aで迷光SLを遮る機能を果たしている。なお、迷光SLの全てがルーバー122aで遮られることが望ましいが、一部が遮られる場合であっても視認性向上の効果を得ることができる。
複数のルーバー122aの各々は、前述した透光性樹脂材料からなる板状の透光性基材122a1と、透光性基材122a1の視認者側の第一の面(視認者側から外光が入射する面)に形成される遮光層122a2と、を有する。遮光層122a2は、前述したように透光性基材122a1の第一の面上に黒色等の遮光性の塗装を施してなる。このほか、遮光層122a2は印刷やフィルム一体成型によって形成されてもよい。
このように形成することによって、複数のルーバー122aの各々は、透光性基材122a1によって遮光性能の低下や異音の発生を抑制することが可能な強度を維持するための厚みを持ちつつ、実際に外光SLを遮る部分(遮光層122a2)を極めて薄くすることができる。
また、透光性基材122a1は一対の平行平面ミラー110から出射された光MLを透過することができる。透光性基材122a1の先端部(前端部)E21及び基端部(後端部)E22は互いに一定の間隔を有する2つの面からなり、これらの面の法線NLが概ね視点Oに向かうように設けられる。本実施形態においては、先端部E21と基端部E22は互いに平行な2つの面からなり、互いに一定の間隔を有している。この他互いに一定の間隔を有する2つの面として、先端部E21と基端部E22が視点Oを中心とする同心円の一部からなる円筒面あるいは球面であってもよい。この場合、先端部E21は凹曲面となり、基端部E22は凸曲面となる。また、「概ね視点Oに向かう」とは視点Oを通過する場合のほか視点Oの近傍を通る場合を含む。このように透光性基材122a1の先端部E21及び基端部E22を設けることで、透光性基材122a1を通過する光MLが屈折で大きく方向を変えられることなく視点Oに向かうため、透光性基材122a1と重なる部分でも死角領域Dの像を視認することができる。
このように形成することによって、複数のルーバー122aの各々は、透光性基材122a1によって遮光性能の低下や異音の発生を抑制することが可能な強度を維持するための厚みを持ちつつ、実際に外光SLを遮る部分(遮光層122a2)を極めて薄くすることができる。
また、透光性基材122a1は一対の平行平面ミラー110から出射された光MLを透過することができる。透光性基材122a1の先端部(前端部)E21及び基端部(後端部)E22は互いに一定の間隔を有する2つの面からなり、これらの面の法線NLが概ね視点Oに向かうように設けられる。本実施形態においては、先端部E21と基端部E22は互いに平行な2つの面からなり、互いに一定の間隔を有している。この他互いに一定の間隔を有する2つの面として、先端部E21と基端部E22が視点Oを中心とする同心円の一部からなる円筒面あるいは球面であってもよい。この場合、先端部E21は凹曲面となり、基端部E22は凸曲面となる。また、「概ね視点Oに向かう」とは視点Oを通過する場合のほか視点Oの近傍を通る場合を含む。このように透光性基材122a1の先端部E21及び基端部E22を設けることで、透光性基材122a1を通過する光MLが屈折で大きく方向を変えられることなく視点Oに向かうため、透光性基材122a1と重なる部分でも死角領域Dの像を視認することができる。
したがって、死角補助装置100は、実質的に複数のルーバー122aによって死角領域Dの像の視認が妨げられないため、視認性が向上する。なお、厳密には遮光層122a2では光MLが遮られるが、その厚さを極めて薄くすることができるため死角領域Dの像の視認が妨げられる面積は無視できる程度である。また、ケース120の第三の開口部120cの開口比率が向上するため、死角領域Dの像全体が従来よりも明るく感じられる。
一方、透光性基材122a1の前記第一の面と対向する第二の面、すなわち、一対の平行平面ミラー110側の面は、平滑な状態であると余分な光を反射して視認性の低下を招くおそれがある。そのため、前記第二の面には表面反射を低減する処理が施されることが望ましい。表面反射を低減する処理の例としては、表面を荒らす粗面処理や反射防止(AR)コートやモスアイ(微細突起)処理がある。
また、図5に示すように、半透過平面ミラー111と複数のルーバー122aとの間には隙間を設けてもよい。すなわち、複数のルーバー122aが、半透過平面ミラー111と非接触の状態となるように配置してもよい。これにより、複数のルーバー122aの接触に起因した像の歪みや異音の発生を防ぐことができる。なお、隙間の長さ(大きさ)は任意である。
以上の構成からなる死角補助装置100は、車両1内の障害物によって遮られる死角領域Dの像を映す死角補助装置100であって、
前記像を表す光MLを入射し、視認者側に設けられ光MLの一部を反射し一部を透過する半透過平面ミラー111と、光MLを半透過平面ミラー111へ反射する平面ミラー112とが互いに対向するように配置される一対の平行平面ミラー110と、
半透過平面ミラー111の視認者側に設けられ、前記視認者側から半透過平面ミラー111に所定の角度で入射する迷光SLを遮る複数のルーバー122aと、を備え、
複数のルーバー122aの各々は、板状の透光性基材122a1と透光性基材122a1の前記視認者側の第一の面に形成される遮光層122a2とを有してなる。
これによれば、遮光性能の低下や異音の発生を抑制しつつ、視認性を向上させることができる。
前記像を表す光MLを入射し、視認者側に設けられ光MLの一部を反射し一部を透過する半透過平面ミラー111と、光MLを半透過平面ミラー111へ反射する平面ミラー112とが互いに対向するように配置される一対の平行平面ミラー110と、
半透過平面ミラー111の視認者側に設けられ、前記視認者側から半透過平面ミラー111に所定の角度で入射する迷光SLを遮る複数のルーバー122aと、を備え、
複数のルーバー122aの各々は、板状の透光性基材122a1と透光性基材122a1の前記視認者側の第一の面に形成される遮光層122a2とを有してなる。
これによれば、遮光性能の低下や異音の発生を抑制しつつ、視認性を向上させることができる。
また、透光性基材122a1は、その先端部E21及び基端部E22が互いに一定の間隔を有する2つの面からなり、その法線NLが概ね前記視認者の視点Oに向かう。
これによれば、透光性基材122a1と重なる領域においても、良好に死角領域Dの像を視認することができる。
これによれば、透光性基材122a1と重なる領域においても、良好に死角領域Dの像を視認することができる。
また、透光性基材122a1は、前記第一の面と対向する第二の面に表面反射を低減する処理が施されてなる。
これによれば、余分な光の反射を抑制して視認性を保つことができる。
これによれば、余分な光の反射を抑制して視認性を保つことができる。
なお、本発明は上記実施形態及び図面によって限定されるものではない。上記実施形態及び図面に変更(構成要素の削除も含む)を加えることができるのはもちろんである。例えば、複数のルーバー122aは、前ケース122と一体に形成される必要はなく、別体に設けられてもよい。この場合、複数のルーバー122aが一体に設けられてもよいし、複数のルーバー122aの各々が別体に設けられて前ケース122に組み付けられるものであってもよい。また、複数のルーバー122aは、軸部を介して前ケース122に配置するなどして各々の角度を手動などで調整可能に配設してもよい。この場合、全てのルーバー122aを半透過平面ミラー111の平面に対して近づけて傾けた状態でルーバー122aによって半透過平面ミラー111の平面が覆われるようにすれば、不使用時に半透過平面ミラー111にゴミや埃が付着することを防止し、また、傷や破損を防止することができる。また、ルーバー122aを含む前ケース122をシリコーンなどの柔軟性を有する材料によって構成してもよい。これによれば、容易に前ケース122を着脱することができ、前ケース122を外して半透過平面ミラー111の汚れを除去しやすく、また、色やデザインにバリエーションを持たせて視認者が好みに応じて交換する際にも利便性が高い。さらに、視認者等が誤って死角補助装置100に接触する際に緩衝部材としての機能を果たすことができる。また、本実施形態では、一対の平行平面ミラー110の間は中空であったが、一対の平行平面ミラー110の間に透明な樹脂材料(透光性部材)を充填する、透明な基材(透光性部材)の対向する一対の面に一対の平行平面ミラー110を設けるなどして中実構造としてもよい。これによって、埃や汚れなどが一対の平行平面ミラー110の内面に付着することを防止することができる。
本実施形態の死角補助装置100は、車両1の運転席側(右側)のフロントピラー50に配置されるものであったが、助手席側(左側)のフロントピラー60にも同様の死角補助装置が配置されてもよい。また、車両内の障害物として、フロントピラーの他にもセンターピラーやリアピラーなどに配置され、これらによって遮られる死角領域の像を映す死角補助装置であってもよい。
また、本発明は、車両以外の分野にも障害物によって遮られる死角領域の像を映す死角補助装置として広く適用することができる。例えば、本発明の死角補助装置を住宅に用いる場合、大面積の死角補助装置を天井に取り付けて入射部分のみを壁などから屋外に出すことで屋内に居ながら天井の死角補助装置で空の様子を見ることができ、また、天井から屋内に太陽光を導くことができる。住宅密集地や通常の窓を付けられない事情のある住宅には特に好適である。
また、例えば観光施設等の高層建築物で、高層階の床下に大面積の死角補助装置を埋め込み、光入射部分のみを屋外に出すことで、床下の死角補助装置で眼下の風景を直接足下に感じることが可能となり、建築物の高さを強調することができる。同様の効果を得るために、従来は床下に空間を設ける必要があったが、本発明の死角補助装置によれば既存の建築物にも容易に配置することができ好適である。
このほか、壁面に用いる例としては、道路に近接して塀が立っている見通しの悪い交差点などにおいて、塀の角に本発明の死角補助装置を配置することで、死角領域の歩行者や車両の存在をいち早く認識することができ、出会い頭の事故の防止に貢献することができる。
以上のように、本発明の死角補助装置は、電力などのエネルギーを必要とすることなく、これまで視認することができなかった障害物に遮られた死角領域を、光入射部分のスペースを確保するのみで広範囲に亘って障害物を透けたように視認させることができるものであり、その用途は室内外を問わず広く適用でき、健康、安全あるいは感動など多岐に亘る効果を得ることができる。
また、例えば観光施設等の高層建築物で、高層階の床下に大面積の死角補助装置を埋め込み、光入射部分のみを屋外に出すことで、床下の死角補助装置で眼下の風景を直接足下に感じることが可能となり、建築物の高さを強調することができる。同様の効果を得るために、従来は床下に空間を設ける必要があったが、本発明の死角補助装置によれば既存の建築物にも容易に配置することができ好適である。
このほか、壁面に用いる例としては、道路に近接して塀が立っている見通しの悪い交差点などにおいて、塀の角に本発明の死角補助装置を配置することで、死角領域の歩行者や車両の存在をいち早く認識することができ、出会い頭の事故の防止に貢献することができる。
以上のように、本発明の死角補助装置は、電力などのエネルギーを必要とすることなく、これまで視認することができなかった障害物に遮られた死角領域を、光入射部分のスペースを確保するのみで広範囲に亘って障害物を透けたように視認させることができるものであり、その用途は室内外を問わず広く適用でき、健康、安全あるいは感動など多岐に亘る効果を得ることができる。
本発明は、障害物によって遮られる死角領域の像を映す死角補助装置に好適である。
1 車両
100 死角補助装置
110 一対の平行平面ミラー(一対のミラー)
111 半透過平面ミラー(半透過ミラー)
112 平面ミラー(ミラー)
120 ケース体
121 後ケース
122 前ケース
122a ルーバー(遮光部)
122a1 透光性基材
122a2 遮光層
O 視点
100 死角補助装置
110 一対の平行平面ミラー(一対のミラー)
111 半透過平面ミラー(半透過ミラー)
112 平面ミラー(ミラー)
120 ケース体
121 後ケース
122 前ケース
122a ルーバー(遮光部)
122a1 透光性基材
122a2 遮光層
O 視点
Claims (3)
- 障害物によって遮られる死角領域の像を映す死角補助装置であって、
前記像を表す光を入射し、視認者側に設けられ光の一部を反射し一部を透過する半透過ミラーと、光を前記半透過ミラーへ反射するミラーと、が互いに対向するように配置される一対のミラーと、
前記半透過ミラーの前記視認者側に設けられ、前記視認者側から前記半透過ミラーに所定の角度で入射する光を遮る複数の遮光部と、を備え、
前記複数の遮光部の各々は、板状の透光性基材と前記透光性基材の前記視認者側の第一の面に形成される遮光層とを有してなることを特徴とする死角補助装置。 - 前記透光性基材は、その先端部及び基端部が互いに一定の間隔を有する2つの面からなり、その法線が概ね前記視認者の視点に向かうことを特徴とする請求項1に記載の死角補助装置。
- 前記透光性基材は、前記第一の面と対向する第二の面に表面反射を低減する処理が施されてなることを特徴とする請求項1に記載の死角補助装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015229364A JP2017094941A (ja) | 2015-11-25 | 2015-11-25 | 死角補助装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015229364A JP2017094941A (ja) | 2015-11-25 | 2015-11-25 | 死角補助装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017094941A true JP2017094941A (ja) | 2017-06-01 |
Family
ID=58816386
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015229364A Pending JP2017094941A (ja) | 2015-11-25 | 2015-11-25 | 死角補助装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2017094941A (ja) |
-
2015
- 2015-11-25 JP JP2015229364A patent/JP2017094941A/ja active Pending
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