JP2016131910A - 脱泡装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、手撹拌時に発生するボイド、その充填時に発生するボイドの簡易で安価な脱泡法及び脱泡装置を提供する。【解決手段】 本発明は、電気絶縁体を形成するために二液若しくは複数の電気絶縁材料を撹拌容器に充填し、手撹拌した後に、前記撹拌容器を振動させて脱泡する脱泡方法であり、固定台4上に載置され、電気絶縁体を形成するために二液若しくは複数の電気絶縁材料が収容される容器2と、該容器2に振動を与える振動装置3とによって構成され、電気絶縁材料を手撹拌によって撹拌した後、又は、二液若しくは複数の電気絶縁材料が混合されて形成された液状電気絶縁体を充填容器に充填した後であって前記電気絶縁体の硬化前に、前記振動装置3によって前記容器2を振動させる脱泡装置にある。【選択図】 図1
Description
本発明は、二液性又は複数の材料を撹拌して硬化させ、絶縁材料を形成する絶縁材形成時に生じる気泡を脱泡するための脱泡法及び脱泡装置に関する。
特許文献1(特開平6−122127御公報)に開示される発明は、底板と、少なくとも一側を離脱自在に構成した側枠とからなる底浅状の下型内に、樹脂及び充填剤からなる人造石製造用原材料を注型し、同下型に振動を与えて同原材料の底板側の気泡を脱泡し、同下型に上型を合わせて型枠を組み、同型枠を垂直に立てて上側の側枠を外し、さらに振動を与えて残留気泡を同原材料中に封じ込め、同原材料を硬化させた後に脱型して得ることを特徴とする製造方法である。
特許文献2(特開平6−13183号公報)に開示される発明は、背面電極、反射絶縁層、発光層および透明電極の積層体を防水フィルムにより封止した分散型EL素子の製造において、発光層及び反射絶縁層を形成する調合インクに含まれる水分を含んだ気泡を十分に除去し、発光特性の低下とバラツキを防止するために、消泡用のタンクに入れた調合インクに対して、減圧(真空)処理、超音波による加振処理、又は上記減圧処理と超音波による加振処理を同時に行い、気泡を水分と共に抜き取るようにしたものである。
特許文献3(特開平10−219495号公報)は、複数の面が交わることで形成されるエッジ部(稜線部)を有するアルミニウム又はアルミニウム合金製の基材に陽極酸化皮膜(アルマイト)を形成した電気絶縁部材において、エッジ部に形成される陽極酸化皮膜のエッジ開口部にエポキシ系樹脂の層を形成したことを開示する。また、エッジ開口部にエポキシ系樹脂を充填し、真空脱泡してから硬化させることが開示される。
特許文献4(特開2000−86744号公報)は、必要に応じ反応性希釈剤を配合した液状エポキシ樹脂と無機質充填剤とを含む樹脂成分に、硬化剤として水素かメチルナジック酸若しくはその無水物と液状硬化促進剤としてイミダゾール系化合物とを含む硬化剤成分を混合した、二液性電気絶縁材料が開示される。
従来、二液性電気絶縁材料は、比較的小ロット、少量、小数の生産・試作のために利用する場合、手撹拌により混合されることが多い。手撹拌は、二液を容器に入れ、混合させるために、棒などを上下左右に動かし、二液をムラ無く混合させるもので、その後一定の時間を経て硬化させることで絶縁材として完成させるものである。この撹拌の際、液状の電気絶縁材料の粘性と棒の前後左右の動きから電気絶縁材料の折り畳み、引き延ばすことから、気泡の巻き込みが発生する。さらに、人による非定常な動きのため、気泡の巻き込みを回避できない上、人によるバラツキが生じる。
一方、人手による撹拌は、作業者の経験や目視により混合状態を確認しながら効率よく撹拌できる簡易で低コストの方法である。この方法においては、気泡は、電気絶縁材料が硬化するまでにある程度自然脱気されることが期待されるものであり、またある程度ボイド(気泡)混入が無視できる用途に利用されるのが一般的である。
しかし、ボイドを内在した状態でも、一定程度の電気絶縁を保ちながら、電気絶縁物として利用する用途も数多くあるが、この場合、電気絶縁に対するボイドの内在は、結果として部分放電を誘発し、絶縁破壊に至る原因の1つとなっている。このため、ボイドの除去は、電気絶縁材料の製造において大きな課題の1つになっている。
このため、電気絶縁材料のボイド除去方法として、一般的に真空中に電気絶縁材料を入れてボイドを除去する(真空減圧脱気、脱泡)方法がとられている。この方法は、大きく分けると、容器に電気絶縁材料を入れ、真空容器の中に静かにおいた状態で行う減圧静置脱泡法と、減圧下で材料を流動させて脱泡を行う方法がある。
減圧静置脱泡法では、粘度の低い材料であれば、比較的短時間で脱泡処理ができるが、含有気泡が多い場合、脱泡中に容器から材料が噴きこぼれるという不具合が生じる。また、粘度の高い材料では、長時間真空中に晒さないと脱泡できず、容器底部の気泡は膨張せずに残存してしまうといった問題が発生する。これに対し、減圧下で材料を流動させる方法は、脱泡の効率が良いとされる。
しかしながら、いずれの方法も導入装置が高価であり、材料を充填した状態での真空容器への静置個数が限られるという問題点がある。また、減圧下で流動させる方法では、材料撹拌後の処理はできるが、充填後の処理が困難であるという問題点がある。これらのことから、簡易で低コストの手撹拌においても、ボイドを除去・軽減し、容器に充填する方法が必要とされていた。
このため、本発明は、手撹拌時に発生するボイド、その充填時に発生するボイドの簡易で安価な脱泡法及び脱泡装置を提供することにある。
したがって、本発明の脱泡方法は、電気絶縁体を形成するために二液若しくは複数の電気絶縁材料を撹拌容器に充填し、手撹拌した後に、前記撹拌容器を振動させて脱泡するものである。尚、撹拌容器とは、電気絶縁体を形成するために二液若しくは複数の電気絶縁材料を混合させるための容器である。
人手による撹拌は、作業者の経験や目視により混合状態を確認しながら効率良く撹拌できる簡易で低コストの方法であるが、人による非定常な動きのため、気泡の巻き込みを回避できない上、人によるバラツキが生じる。そのため、手撹拌の後、撹拌容器を振動させることによって気泡の浮力によって容器表面に浮上するため、材料内の気泡を除去することができるものである。
また、本発明の脱泡方法は、二液若しくは複数の電気絶縁材料が混合されて形成された液状電気絶縁体を充填容器に充填した後であって前記電気絶縁体の硬化前に、前記充填容器を振動させて脱泡するものである。この場合、前記電気絶縁体は、液状の電気絶縁材料を混合して電気絶縁体とした後、一定の時間を経て硬化させることで完成するが、その硬化までの一定の時間の間、液状の電気絶縁体を、電気絶縁を施す部分や場所に保持固定するために容器に収容する。この容器が充填容器である。
この方法においても、充填容器を振動させることによって硬化する前の電気絶縁体から気泡の浮力によって容器表面に浮上し、材料内の気泡を除去することができるものである。
また、本発明の脱泡装置は、固定台上に載置され、電気絶縁体を形成するために二液若しくは複数の電気絶縁材料が収容される容器と、該容器に振動を与える振動装置とによって構成され電気絶縁材料を手撹拌によって撹拌した後、又は、二液若しくは複数の電気絶縁材料が混合されて形成された液状電気絶縁体を充填容器に充填した後であって前記電気絶縁体の硬化前に、前記振動装置によって前記容器を振動させるものである。
さらに、本発明の脱泡装置において、前記振動装置は、容器に振動を与える加振部と、該加振部に電力を付与して加振部を振動させる制御装置によって構成され、該制御装置は、加振時間制御部と電源とによって構成されることが望ましい。
さらにまた、前記容器は複数設けられると共に、それぞれの容器には加振部が設置され、1つの制御装置によって複数の加振部が制御されることが望ましい。
本発明によれば、手撹拌の後、容器に振動を加えるため、手撹拌時に発生するボイドを確実に除去することができるものであることから、高価な装置によらず、ボイドの混入を、除去・低減できるという利点がある。特に、小ロット・小数の生産・試作に利用することができるものである。また、ボイドを低減させることから、電気絶縁性能を向上させることができるものである。
本発明は、電気絶縁体を形成するために二液若しくは複数の電気絶縁材料を撹拌容器に充填し、手撹拌した後に、前記撹拌容器を振動させて脱泡することを特徴とする脱泡方法であり、電気絶縁体を形成するために二液若しくは複数の電気絶縁材料を充填容器に充填した時に、前記充填容器を振動させて脱泡することを特徴とする脱泡方法である。この方法を実施するための脱泡装置について、以下、図面により説明する。
本発明に係る脱泡装置1は、例えば図1に示すように、電気絶縁体を形成するために二液若しくは複数の電気絶縁材料が収容される容器2と、この容器2に振動を与える振動装置3とによって構成される。また、前記容器2は、固定台4上の固定されるものである。
さらに、前記振動装置3は、容器2に振動を与える加振部5と、この加振部5に電力を付与して加振部5を振動させる制御装置6によって構成され、この制御装置6は、加振制御部7と電源8とによって構成される。
以上の構成により、容器(撹拌容器)2に、電気絶縁体を形成するための二液性若しくは複数の電気絶縁材料を入れて、作業者の手によって撹拌する。この人手による撹拌は、作業者の経験や目視により混合状態を確認しながら実施される。この場合、人手による非定常の動きのために、気泡の巻き込みを回避できないことから、混合された電気絶縁材料には気泡が存在してしまうことになる。この手撹拌の後、前記制御装置6によって加振部5を所定時間振動させて前記撹拌容器2を所定時間振動させ、撹拌容器2内に充填された電気絶縁材料を所定時間振動させ、電気絶縁材料に包含された気泡が浮力によって容器表面に浮上させて排除するものである。
また、前記容器2を充填容器とした場合には、混合された電気絶縁材料を容器2に充填し、電気絶縁体が硬化する前に、前記加振部5によって容器(充填容器)2を振動させて、充填された電気絶縁材料から気泡を浮揚させて排除するものである。
本発明の実施例2に係る脱泡装置100は、例えば図2に示すように、固定台41〜4n上に固定して設けられる前記容器2に対応する複数の容器21〜2nと、これら複数の容器21〜2nを振動させる振動装置30とによって構成される。この振動装置30は、前記容器21〜2nのそれぞれに設置される加振部51〜5nと、この加振部51〜5nを同時に制御する上記制御装置6と同様の構成の制御装置6とによって構成される。これによって、1つに制御装置6によって加振部51〜5nを同時に振動させることができるため、同時に多数の容器21〜2nの脱泡を実行でき、上述した実施例1による効果を同時に複数で実行できるものである。
1,100 脱泡装置
2,21〜2n 容器
3,30 振動装置
4,41〜4n 固定台
5,51〜5n 加振部
6 制御部
7 加振制御部
8 電源
2,21〜2n 容器
3,30 振動装置
4,41〜4n 固定台
5,51〜5n 加振部
6 制御部
7 加振制御部
8 電源
Claims (5)
- 電気絶縁体を形成するために二液若しくは複数の電気絶縁材料を撹拌容器に充填し、手撹拌した後に、前記撹拌容器を振動させて脱泡することを特徴とする脱泡方法。
- 二液若しくは複数の電気絶縁材料が混合されて形成された液状電気絶縁体を充填容器に充填した後であって前記電気絶縁体の硬化前に、前記充填容器を振動させて脱泡することを特徴とする脱泡方法。
- 固定台上に載置され、電気絶縁体を形成するために二液若しくは複数の電気絶縁材料が収容される容器と、該容器に振動を与える振動装置とによって構成され、
電気絶縁材料を手撹拌によって撹拌した後、又は、二液若しくは複数の電気絶縁材料が混合されて形成された液状電気絶縁体を充填容器に充填した後であって前記電気絶縁体の硬化前に、前記振動装置によって前記容器を振動させることを特徴とする脱泡装置。 - 前記振動装置は、容器に振動を与える加振部と、該加振部に電力を付与して加振部を振動させる制御装置によって構成され、該制御装置は、加振時間制御部と電源とによって構成されることを特徴とする請求項3記載の脱泡装置。
- 容器は複数設けられると共に、それぞれの容器には加振部が設置され、1つの制御装置によって複数の加振部が制御されることを特徴とする請求項4記載の脱泡装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015006682A JP2016131910A (ja) | 2015-01-16 | 2015-01-16 | 脱泡装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015006682A JP2016131910A (ja) | 2015-01-16 | 2015-01-16 | 脱泡装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2016131910A true JP2016131910A (ja) | 2016-07-25 |
Family
ID=56435078
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2015006682A Pending JP2016131910A (ja) | 2015-01-16 | 2015-01-16 | 脱泡装置 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2016131910A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN107718260A (zh) * | 2017-11-08 | 2018-02-23 | 侯新源 | 一种制砖料浆消泡系统及其使用方法 |
-
2015
- 2015-01-16 JP JP2015006682A patent/JP2016131910A/ja active Pending
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CN107718260A (zh) * | 2017-11-08 | 2018-02-23 | 侯新源 | 一种制砖料浆消泡系统及其使用方法 |
CN107718260B (zh) * | 2017-11-08 | 2019-09-10 | 南通市恒达机械制造有限公司 | 一种制砖料浆消泡系统及其使用方法 |
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