JP2006252893A - 傾斜誘電率電気絶縁モールド製造方法及び電気絶縁モールド - Google Patents

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Abstract

【課題】 導体に発生する電界強度分布の実態に応じた任意の方向あるいは分布の誘電率の傾斜を実現可能とする。モールド樹脂と比重が同じ或いは近似した高誘電率の充填材を用いて誘電率を傾斜可能とする。固体絶縁物を薄くしても絶縁破壊を起こし難くする。
【解決手段】 液相から固相へ相変化可能な絶縁材料を母材6とし、液相の母材6に該母材6の誘電率よりも高い誘電率でかつ母材6中に分散可能な充填材4を加えて混合物とし、該混合物で導体5を覆った状態で導体5に電圧を印加しながら混合物を固化ないし硬化させることにより、導体5から発生する電界の少なくとも不平等電界部分8に電界勾配力によって充填材4を集めて、電力機器用絶縁モールドの高電界となる部分の電界強度を弱め、全体として電界強度の変化を緩やかにしたり電界強度を一定にするようにしている。
【選択図】図4

Description

本発明は、電気絶縁モールド製造方法及び電気絶縁モールドに関する。更に詳述すると、本発明は、絶縁材料内の誘電率が傾斜している電気絶縁モールド及びその製造方法に関する。
導体そのものを溶融状態(液相)にある絶縁材料(モールド樹脂)で覆ってから固化ないし硬化させる電気絶縁モールド法は、電力機器例えばモールド変圧器などの高電圧機器の絶縁に用いられている。ここで、高電圧機器に電圧を印加した際に発生する電界強度は必ずしも均一ではなく、強い所もあれば弱い所もある。そこで、固体絶縁物の設計においては、最も電界の強くなる部位で絶縁破壊を起こさないために必要とされる絶縁物の厚さを基準として、絶縁物全体の厚さを設定している。
ところで、誘電体内の電界強度は、真空中と比較して1/ε(ε:比誘電率)だけ弱められることが知られている。したがって、電界強度分布の逆数となる誘電率分布を実現することができれば、固体絶縁物内部の電界強度が一定となって一様に電界ストレスがかかるようになり、固体絶縁物を全域的に最も効率的に利用することが可能になり、無駄に厚く形成する必要がなくなる。
具体的には、モールド樹脂・固体絶縁材料を、絶縁しようとする導体の周りに発生する電界強度分布に応じて誘電率を傾斜させた傾斜誘電率材料とすることにより、高電界となる部分の電界強度を弱め、全体として電界強度の変化を緩やかにしたり電界強度を一定にすることが期待される。即ち、不平等電界を平等電界とすること、あるいは急峻な電界の緩和によって、絶縁材料の絶縁破壊を起こし難くさせることが可能となる。そこで、誘電率が空間的に傾斜した傾斜機能材料(FGM)を電力機器用固体絶縁物に適用することが望まれる。
一方、絶縁材料内部の誘電率を傾斜させる方法として、絶縁材料の母材に高誘電率の充填材を混合し、この充填材の密度分布を比重差を利用して変えることにより絶縁材料の誘電率を傾斜させ得ることが知られている(特許文献1)。この製法は、ガス絶縁開閉装置(GIS)において接地金属容器内へ混入した導電性異物に対する絶縁性を向上するため、導体を支持するコーン形固体絶縁スペーサの誘電率を高電圧導体の軸方向に連続的に変化させ、高電圧導体の近傍に位置する凹面側の誘電率を最も大きな誘電率の部分より小さな誘電率となるように傾斜させるためのものである。図5に示すように、導体101が中心に配置された金型104a、104bの充填部110a、110b内に、モールド樹脂に該樹脂と比重が異なる充填材を混合させた混合物103を注入口105から注入し、モールド樹脂が固化ないし硬化する前に、型枠104a、104bを矢印120で示す上下方向に振動若しくは水平軸周りに回転させて遠心分離させることにより、モールド樹脂と充填材の比重の違いを利用してモールド樹脂中の充填材の密度を導体101の軸方向に連続的に変化させ、コーン形絶縁スペーサ内の誘電率を導体101の軸方向に傾斜させるものである。
特開2004−335390号公報
しかしながら、特許文献1の製法によると、固体絶縁物内の誘電率を傾斜させることはできるが、それは導体の軸方向に連続的に変化させるといった、金型の振動方向あるいは回転軸方向によって一義的に定まる一軸方向への傾斜であって、導体に発生する電界強度分布の実態に応じた任意の方向あるいは分布の誘電率の傾斜を実現することができるものではない。換言すると、一定方向且つ一定変化量で誘電率が傾斜する固体絶縁物の成形に限られる。
したがって、実際には複雑な電界強度分布となっている電力機器や設備それぞれに合わせ、真に誘電率を傾斜させることが必要とされる部分で適切に傾斜している誘電率分布を有する絶縁スペーサの成形は非常に困難である。よって、必ずしも実際の電界強度分布に適確に対応した誘電率分布とはなっていない。このため、絶縁物が無駄に全体的に厚くなってその分コスト高となったり、固体絶縁物を含めた電力機器あるいは設備が嵩張って設置スペースを余分に必要とするという問題を伴っている。
また、特許文献1の絶縁スペーサの成形方法は、モールド樹脂と比重が同じ或いは近似した高誘電率の充填材には用いることができない問題がある。したがって、ガス絶縁開閉装置(GIS)の導体を支持する絶縁スペーサのような単純な形状と電界分布の場合に必要とされる誘電率の傾斜は実現できたとしても、モールド変圧器などのような複雑な電界分布を生成する電力機器用固定絶縁物には、実際の電界強度分布に適確に対応した誘電率分布を実現することは困難である。
本発明は、導体に発生する電界強度分布の実態に応じた任意の方向あるいは分布の誘電率の傾斜を実現することができる傾斜誘電率電気絶縁モールドの製造方法を提供することを目的とする。本発明は、モールド樹脂と比重が同じ或いは近似した高誘電率の充填材を用いることができる傾斜誘電率電気絶縁モールドの製造方法を提供することを目的とする。更に本発明は、固体絶縁物を薄くしても絶縁破壊を起こし難くさせる傾斜誘電率の電気絶縁モールドを提供することを目的とする。
かかる目的を達成するため、本発明は、導体を絶縁材料で覆って固める電気絶縁モールド製造方法において、液相から固相へ相変化可能な絶縁材料を母材とし、液相の母材に該母材の誘電率よりも高い誘電率を有すると共に母材中に分散可能な充填材を加えて混合物とし、該混合物で前記導体を覆った状態で前記導体に電圧を印加しながら混合物を固化ないし硬化させることにより、導体から発生する電界の不平等電界部分に電界勾配力によって充填材を集めるようにしている。
高い誘電率を有する粒子は電界の強い所に引き寄せられる性質を有するので、電力機器自らの電界勾配力により、母材中の高誘電率の充填材が電界の強い所に引き寄せられて充填材の密度分布が変化する。即ち、導体の周りの不平等あるいは急峻な電界が発生する部分では、絶縁対象となる電力機器が自ら発生させる電界の電界勾配力により、母材中の高誘電率の充填材が電界の強い所に引き寄せられて電界の不平等性を緩和する方向にあるいは急峻な電界を緩和する方向に充填材の密度分布が変化し、電力機器固有の電界強度分布に応じた誘電率分布・傾斜が実現される。
また、本発明は、導体を包囲して固める電気絶縁モールドにおいて、母材となる絶縁材料と該絶縁材料よりも誘電率が高く絶縁材料中に分散される充填材とを含み、充填材が導体の周囲の少なくとも不平等電界が発生する部分では、電界勾配に応じてより不平等性の強い所に集まり、誘電率を傾斜させているものである。
この絶縁モールドによると、電力機器自らの電界勾配力により高誘電率の充填材の分布が制御され、それにより電力機器固有の電界強度分布に応じた誘電率分布となっているので、不平等電界あるいは急峻な電界を生じさせないかあるいは緩和させる。
本発明の電気絶縁モールドの製造方法によれば、電力機器自らの電界勾配力により高誘電率の充填材の分布を制御して、不平等電界あるいは急峻な電界を生じさせないか緩和させ得るので、電力機器固有の複雑な電界強度分布に適確に対応した誘電率分布を有する傾斜誘電率材料の絶縁モールドを製造することが可能である。しかも、誘電率の傾斜を電界勾配力による充填材の移動によって行うようにしているので、モールド樹脂と比重が同じ或いは近似した高誘電率の充填材も用いることができる。
また、請求項2記載の発明にかかる絶縁モールドによると、電力機器固有の電界強度分布に応じて不平等電界あるいは急峻な電界を生じさせないか緩和させる誘電率分布が実現されることとなるので、固体絶縁物内部の電界強度が一定となって一様に電界ストレスがかかるようになり、固体絶縁物を全域的に最も効率的に利用することが可能になり、無駄に厚く形成する必要がなくなる。これにより、絶縁モールドの小型化や軽量化が可能となり、固体絶縁物を含めた電力機器あるいは設備をコンパクトにして設置スペースを削減できる。
更に、固体絶縁物は絶縁物の厚さを薄くできればより熱放散がし易くなって熱設計に余裕ができるので、増容量あるいは高効率化が可能となる。
以下、本発明の構成を図面に示す最良の形態に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態では、電力機器としてモールド変圧器を例に挙げて主に説明する。
図1〜図4に本発明の電気絶縁モールド並びにその製造方法をモールド変圧器に適用した一実施形態を示す。モールド変圧器1は、図1に示すように、鉄心2とそれに巻回された巻線(以下、導体と呼ぶ)5とからなり、導体5の周りを絶縁モールド3で固めるようにしている。絶縁モールド3は、母材6となる絶縁材料と該絶縁材料よりも誘電率が高く絶縁材料中に分散される充填材4とを含み、充填材4が導体5の周囲の少なくとも不平等電界が発生する部分8では、電界勾配に応じてより不平等性の強い所に集まり、誘電率を傾斜させている。
ここで、母材6となるモールド樹脂(以下、モールド樹脂6と呼ぶ)としては、液相から固相へ相変化する絶縁材料例えば熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂若しくはゴムなどの使用が可能である。具体的には例えば、エポキシ、アクリル、シリコーンゴム、ナイロン6、ナイロン66、ポリアセタール、ポリカーボネイト、ポリフェニレンオキシド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェンレンスルフィド、ポリ−1−4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリベンゾルイミダール、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン・エチレン共重合体、ポリビニリデルフルオライドが挙げられ、好ましくはエポキシ、アクリル、シリコーンゴムの使用である。なお、母材は単一の絶縁材料により構成されるものに限られず、場合によっては複数の絶縁材料を混合したものを用いても良い。
また、モールド樹脂6中に分散させる充填材4としては、モールド樹脂6の誘電率よりも高い誘電率を有する絶縁性のあるもの、例えば窒化アルミニウム、シリカ、アルミナ、アナタール、ルチル、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、カオリンクレー、マイカ、合成マイカ(KMg3(AlSi3O10)F2)、水酸化アルミニウム、窒化ほう素などが挙げられ、好ましくは窒化アルミニウム、シリカやルチルなどのセラミック材料の使用である。
充填材4の大きさは、特に限定されるものではないが、少なくともモールド樹脂6の中で沈んでしまわず、ある程度の時間浮遊できる程度の大きさであれば良く、例えばミクロンオーダーの大きさであることが好ましい。更に、充填材4に突起がある場合には絶縁モールド3の絶縁破壊強度が低下する場合があるため、充填材4は表面が滑らかな球体若しくは楕円体であることが好ましい。本発明者等の実験によると、突起のある粉状の充填材4を一様に混ぜたモールド樹脂6を使った固体絶縁物(絶縁モールド)3は絶縁耐力が著しく低下した。
この充填材4の充填量は、母材となるモールド樹脂6の誘電率と充填材4によって調整される誘電率の調整幅によって異なるが、モールド樹脂6に対して例えば数Vol%〜10Vol%程度で実現可能である。しかしながら、充填材4の充填量はこれに限定されるものではなく、必要に応じてこれ以上充填させる場合もある。
以上の構成の傾斜誘電率電気絶縁モールド3は、例えば注型法あるいは含浸法のいずれかによって以下のようにして製造される。本実施形態においては、注型法によってモールド変圧器を製造する方法を一例に挙げて説明する。
まず、絶縁対象となる導体5を図示していない金型あるいは導体の周りに配置される金型として機能する容器で覆った所に絶縁材料と充填材との混合物を注ぎ込んで固める。ここで、混合物は、液相から固相へ相変化可能なモールド樹脂6と、該モールド樹脂6の誘電率よりも高い誘電率を有すると共にモールド樹脂6中に分散可能な充填材4とを加えたものである。金型あるいは容器の存在下に混合物で導体5を覆った状態を作りだし、その状態で導体5に電圧を印加しながら混合物を固化ないし硬化させる。これにより、導体5から発生する電界の少なくとも不平等電界部分8に電界勾配力によって充填材4を集めて、電力機器用絶縁モールド・固体絶縁物の高電界となる部分の電界強度を弱め、全体として電界強度の変化を緩やかにしたり電界強度を一定にするようにしている。なお、モールド樹脂6が固化ないし硬化した後は、金型あるいは容器を2つ割りして製品を取り出す。
図3は、図2に示す導体5のエッジ周辺部分を拡大したものであり、電圧をかけた場合の導体5の周囲に発生する等電位線7の一例である。等電位線7の間隔が密な所ほど電界が強く、さらにその電界の変化が大きい所で電界勾配力が強い。この例では、導体5のエッジ部分が特に高電界となり、離れるにつれ急激に電界が弱まっている。なお、等電位線を立体的に捉えた場合には等電位面となる。
高誘電率の充填材を混合したモールド樹脂をモールド容器3に注いでモールド変圧器1に電圧をかけると、電圧印加前にはモールド樹脂6の中で一様に分布していた高誘電率の充填材4が(図4(A)参照)、不平等電界部分8の電界の強い所ほど多く集まる(図4(B)参照)。具体的には、図3で示した等電位線7の間隔が非常に密で特に高電界となっている導体5のエッジ部分は、充填材4の密度が特に高くなり、逆に等電位線の間隔が広い所ほど充填材4の密度が低くなる。それにより、電界勾配即ち電界強度の変化が緩やかになったり電界強度が一定になったりする。
導体5に印加する電圧は、モールド樹脂6内での充填材4の移動を可能とする電界勾配力を発生し得る電圧であることが必要とされ、少なくともモールド樹脂6の固化前あるいは硬化前でも絶縁破壊を起こさない程度の電圧、好ましくはモールド樹脂6の固化前あるいは硬化前でも絶縁破壊を起こさない程度の電圧以下でかつモールド樹脂6が固化ないし硬化する前に充填材4の移動を完了させることが可能な電圧である。即ち、導体5に印加する電圧は、高いほど充填材のモールド樹脂内での移動を容易にするので好ましいが、固化ないし硬化の途中でモールド樹脂6が絶縁破壊を起こさない電圧であることが必要とされる。例えば、絶縁対象となる電力機器の最大運転電圧の半分程度に抑えることが好ましく、モールド樹脂6が固化ないし硬化するまでに充填材4が電界勾配力で不平等電界を平等電界としたり、あるいは急峻な電界を緩和するに十分な時間があれば商用電源(100V)程度の低い電圧でも十分な場合がある。充填材4の移動可能性は、電圧の大きさに応じた電界強度に加え、モールド樹脂6の固化ないし硬化時間の影響を受ける。したがって、これらの要因を考慮して、モールド樹脂6が固化ないし硬化する前に充填材4の移動を完了させることが可能な電圧を設定する。
ここで、モールド変圧器1に印加する電圧は、モールド樹脂が固化ないし硬化を完了するまで定電圧であることが好ましいが、場合によっては固化ないし硬化途中に変動させても良い。例えば、モールド樹脂の流動性が高く充填材の移動が容易な固化ないし硬化の初期段階では比較的低い電圧を印加し、固化ないし硬化が進んだ段階で電圧を高くしても、あるいは固化ないし硬化の進行に応じて漸次電圧を高くするようにしても良い。また、電圧の印加は、電界の強い所に分布した充填材が、例えば重力によって沈殿してしまうことがないように、モールド樹脂の固化ないし硬化が完了するまで続けることが好ましい。
なお、導体5への電圧の印加によって生ずる充填材4の密度変動は、印加する電圧の高さには影響されない。即ち、電圧の高さにかかわらず、導体5の電界強度分布に応じた充填材4の分布、即ち誘電率の傾斜を形成することが可能である。したがって、高電界となる部分の電界強度を弱め、全体として電界強度の変化を緩やかにしたり電界強度を一定にすることが可能である。
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、本実施形態では注型法によるモールド変圧器の製造方法について主に説明したが、含浸法によるモールド変圧器あるいはその他の高電圧機器・電力機器の絶縁モールドの製造にも適用可能であることは言うまでもない。この含浸法による場合にも、モールド樹脂6が固化ないし硬化する前に所定の電圧をかけることによって、導体5の周りの不平等あるいは急峻な電界が発生する部分では、絶縁対象となる電力機器が自ら発生させる電界の電界勾配力により、モールド樹脂6中の高誘電率の充填材4が電界の強い所に引き寄せられて電界の不平等性を緩和する方向にあるいは急峻な電界を緩和する方向に充填材の密度分布が変化し、電力機器固有の電界強度分布に応じた誘電率分布・傾斜が実現される。
そこで、絶縁対象となる電力機器・高電圧機器の周りにガラスクロスなどを巻き付けた状態で液相のモールド樹脂と充填材との混合物を塗布して所定量含浸させた状態で、絶縁破壊を起こさない程度の電圧をかけた状態で固化ないし硬化させる。また、本実施形態では電力機器の一例として変圧器を挙げて説明しているが、適用される電力機器・高電圧機器はこれに限定されず、変流器などさまざまな高電圧電力機器に適用可能である。
モールド変圧器の一実施形態を示す斜視図である。 同モールド変圧器の縦断面図である。 同モールド変圧器内の導体(コイル)の素線の等電位線の一例を示す説明図である。 導体に電圧を印加することによる充填材(高誘電率微粒子)の密度分布の変化を表す説明図で、(A)は電圧印加前の状態、(B)は電圧印加後の状態を示す。 従来のコーン形絶縁スペーサの製造方法での製作途中状態を示す断面図である。
符号の説明
3 絶縁モールド
4 充填材
5 導体(コイル)
6 モールド樹脂
7 等電位線
8 不平等電界部分

Claims (2)

  1. 導体を絶縁材料で覆って固める電気絶縁モールド製造方法において、液相から固相へ相変化可能な絶縁材料を母材とし、液相の前記母材に該母材の誘電率よりも高い誘電率を有すると共に前記母材中に分散可能な充填材を加えて混合物とし、該混合物で前記導体を覆った状態で前記導体に電圧を印加しながら前記混合物を固化ないし硬化させることにより、前記導体から発生する電界の不平等電界部分に電界勾配力によって前記充填材を集めることを特徴とする傾斜誘電率電気絶縁モールドの製造方法。
  2. 導体を包囲して固める電気絶縁モールドにおいて、母材となる絶縁材料と該絶縁材料よりも誘電率が高く前記絶縁材料中に分散される充填材とを含み、前記充填材が前記導体の周囲の少なくとも不平等電界が発生する部分では、電界勾配に応じてより不平等性の強い所に集まり、誘電率を傾斜させているものである電気絶縁モールド。
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