JP2016131243A - 樹脂フィルム、支持体付き樹脂フィルム、プリプレグ、高多層用金属張積層板及び高多層印刷配線板 - Google Patents

樹脂フィルム、支持体付き樹脂フィルム、プリプレグ、高多層用金属張積層板及び高多層印刷配線板 Download PDF

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Abstract

【課題】高周波特性(低誘電率、低誘電正接)、導体との接着性、耐熱性及び低吸湿性を高い水準で備える高多層印刷配線板製造用の樹脂フィルム、支持体付き樹脂フィルム、プリプレグ、高多層用金属張積層板及び高多層印刷配線板を提供すること。【解決手段】本発明は、マレイミド基、少なくとも2つのイミド結合を有する2価の基及び飽和又は不飽和の2価の炭化水素基を有する化合物を含有する、高多層印刷配線板製造用の樹脂フィルムに関する。【選択図】なし

Description

本発明は、高多層印刷配線板製造用の樹脂フィルム、支持体付き樹脂フィルム、プリプレグ、高多層用金属張積層板及び高多層印刷配線板に関する。
携帯電話に代表される移動体通信機器、その基地局装置、サーバー、ルーター等のネットワークインフラ機器、大型コンピュータなどの電子機器では使用する信号の高速化及び大容量化が年々進んでいる。これに伴い、これらの電子機器に搭載される印刷配線板には高周波化対応が必要となり、伝送損失の低減を可能とする低比誘電率及び低誘電正接基板材料が求められている。近年、このような高周波信号を扱うアプリケーションとして、上述した電子機器のほかに、ITS分野(自動車、交通システム関連)及び室内の近距離通信分野でも高周波無線信号を扱う新規システムの実用化及び実用計画が進んでおり、今後、これらの機器に搭載する印刷配線板に対しても、低伝送損失基板材料が更に要求されると予想される。
また、近年の環境問題から、鉛フリーはんだによる電子部品の実装及びハロゲンフリーによる難燃化が要求されるようになってきたため、印刷配線板用材料にはこれまでよりも高い耐熱性及び難燃性が必要とされている。
従来、低伝送損失が要求される印刷配線板には、比誘電率及び誘電正接が低いフッ素樹脂が基板材料として使用されてきた。しかしながら、フッ素樹脂は溶融温度及び溶融粘度が高いことにより流動性が低いため、プレス成形を高温高圧条件下で行う必要があるという課題がある。加えて、印刷配線板用途に使用するには、加工性、熱膨張特性、寸法安定性及び金属めっきとの接着性が不十分であるという問題点もある。また他の樹脂材料との接着又は複合化が困難であり用途が限定されている。熱可塑性樹脂であるフッ素樹脂は高い耐熱性の要求される用途及び、誘電特性の温度に対する安定性の要求される用途においては不向きとされる傾向にある。
そこで、従来からフッ素樹脂には及ばないものの、優れた高周波特性を示す耐熱性熱可塑性ポリマーとしてポリフェニレンエーテル(PPO、PPE)系樹脂が知られている。しかし、印刷配線板用基板材料として用いるためには、印刷配線板製造時のウェットプロセス又は実装時のはんだ接続工程等に耐えられる耐薬品(溶剤)性及び高耐熱性が必要である。また、ポリフェニレンエーテルも基本的には溶融粘度の高い高分子量体のためフッ素樹脂と同じく成形性の課題を抱えている。
そこで、この耐薬品(溶剤)性、耐熱性及び成形性の改善法として、ポリフェニレンエーテルと熱硬化性樹脂とを併用する方法が提案されている。具体的には、ポリフェニレンエーテルとエポキシ樹脂を含有する樹脂組成物(例えば、特許文献1参照)、ポリフェニレンエーテルと熱硬化性樹脂の中でも比誘電率が低いシアネートエステル樹脂を併用した樹脂組成物(例えば、特許文献2参照)、熱硬化性樹脂の中でも高耐熱性を示すビスマレイミド化合物をポリフェニレンエーテルと共に併用した樹脂組成物(例えば、特許文献3参照)、ポリフェニレンエーテルにポリブタジエン樹脂等の架橋性ポリマーを併用した樹脂組成物(例えば、特許文献4参照)、トリアリルイソシアヌレート等の架橋性モノマーを併用した樹脂組成物(例えば、特許文献5参照)が開示されている。
しかしながら、特許文献1〜5に記載の樹脂組成物は、GHz領域での高周波特性、導体との接着性、熱膨張特性、難燃性が総合的に不十分であったり、ポリフェニレンエーテルと熱硬化性樹脂との相容性が低いことにより耐熱性が低下することがある。特に高周波特性の悪化を抑制するには、樹脂組成物中のポリフェニレンエーテル比率を増やすことが必要となるが、その場合は結果として上述した耐薬品(溶剤)性、耐熱性、成形性が不足する傾向がある。
そこで、ポリフェニレンエーテルと熱硬化性樹脂との相容性向上及び耐熱性の低下を抑制するため、不飽和二重結合基等を付与又はグラフトさせたポリフェニレンエーテルにトリアリルイソシアヌレート、ポリブタジエン等を併用した樹脂組成物(例えば、特許文献6)、ポリフェニレンエーテルと熱硬化性樹脂との相容性、成形性等の向上を目的に、低分子量化したポリフェニレンエーテルと熱硬化性樹脂とを併用した樹脂組成物(例えば、特許文献7)、あるいはポリフェニレンエーテルを低分子量化しつつ、ポリフェニレンエーテル分子末端にトリアリルイソシアヌレートとの反応性基(エテニルベンジル基等)を導入し、これとトリアリルイソシアヌレートを併用した樹脂組成物(例えば、特許文献8)が提案されている。また、同様にポリフェニレンエーテルと様々なフェノール種との反応により、低分子量化すると同時にポリフェニレンエーテルにアミノ基等の官能基を導入する方法(例えば、特許文献9)が知られている。
一方、本発明者らも、ポリフェニレンエーテル樹脂とポリブタジエン樹脂をベースとして、ワニス(樹脂組成物)の製造段階(Aステージ段階)でセミIPN化することで相容性、耐熱性、熱膨張特性、導体との接着性等を向上できる樹脂組成物(例えば、特許文献10)を提案している。
特開昭58−69046号公報 特公昭61−18937号公報 特開昭56−133355号公報 特開昭59−193929号公報 特開平3−275760号公報 特開平6−184213号公報 特開2002−265777号公報 特表2006−516297号公報 特表2000−509097号公報 特開2008−95061号公報
特許文献6の樹脂組成物は、相容性の観点では改善が見られるものの極性基導入により未だGHz帯での高周波特性及び溶融粘度が高いことによる成形性の改善は不十分である。また、特許文献7の樹脂組成物は、ポリフェニレンエーテルを低分子量化することにより熱硬化性樹脂との相容性及び成形性に改善される反面、高周波特性、耐熱性、ガラス転移温度が通常のポリフェニレンエーテルを用いた場合よりも低下する傾向にある。上記特許文献7等の課題の解決を主な目的とした特許文献8の樹脂組成物は、耐熱性は改善が見られるが、ポリフェニレンエーテルを低分子量化した影響により末端に反応性基を導入してもガラス転移温度が低くなる傾向があり、高周波特性がやや悪化すること、エテニルベンジル基導入時の原材料コスト及びプロセスコストが非常に高いという問題がある。特許文献6〜8の樹脂組成物は、いずれも熱硬化性樹脂としてトリアリルイソシアヌレートを用いているため、熱膨張特性、導体との接着性、難燃性がやや劣る傾向にある。しかも、液状架橋性モノマーであるトリアリルイソシアヌレートは比較的低温でも揮発性が高いためプリプレグ製造(塗工、乾燥)時の作業環境性(汚染性)が悪いという問題、硬化後も未反応成分として残存し、印刷配線板の製造工程でアウトガスが発生し易いという問題もある。また、特許文献9の方法により得られるポリフェニレンエーテルに熱硬化性樹脂を併用した組成物を用いた場合、上記同様に相容性及び成形性が改善されるものの、耐熱性、ガラス転移温度、高周波特性も低下する傾向があり、難燃性も十分ではない場合がある。
そして、近年の印刷配線板用基板材料には高周波化対応に加えて、高密度化、高信頼性、環境配慮への適合性の要求から、更に高い導体との接着性、低熱膨張特性、高ガラス転移温度、高難燃性等が要求されている。
例えば、高周波特性を維持しつつ(導体の粗さ等による伝送損失悪化の抑制)、微細配線形成性及び高いリフロー耐熱性の確保のため、導体との接着性としては、樹脂との接着面側の表面粗さが非常に小さいロープロファイル銅箔(Rz:1〜2μm)使用時の銅箔引き剥がし強さで0.6kN/m以上が望まれている。
また、サーバー、ルーター等ネットワーク関連機器用途で使用される印刷配線板用基板材料には、高密度化に伴い高多層化することも必要であり、高いリフロー耐熱性及びスルーホール信頼性が要求されており、それらの指針となるガラス転移温度は200℃以上であること、また、低熱膨張特性(Z方向、Tg以下)は45ppm/℃以下、更には40ppm/℃以下であることが望まれている。ここで、低熱膨張性の発現には樹脂組成物中に無機充填剤を適用することが有効であるが、高多層印刷配線板では回路充填性のための樹脂フロー性を確保するため無機充填剤の使用量が制限される。したがって、無機充填剤の配合使用量が樹脂組成物中全体の25体積%以下と比較的少ない場合であっても上記要求値を確保することが望ましい。
もちろん高周波特性としては、より高い周波数帯での優れた誘電特性が要求されており、例えば、一般的なEガラス基材を複合させた場合の基板材料の比誘電率は3.7以下、更には3.6以下であることが望まれており、誘電正接は0.007以下、更には0.006以下であることが望まれている。しかも、一般的に基板材料は周波数が高くなるほど誘電正接が高くなる傾向を示すが、従来の1〜5GHzでの誘電特性値ではなく、10GHz帯以上で上記要求値を満たす必要性が高まってきている。
本発明は、このような現状に鑑み、高周波特性(低誘電率、低誘電正接)、導体との接着性、耐熱性及び低吸湿性を高い水準で備える高多層印刷配線板製造用の樹脂フィルム、支持体付き樹脂フィルム、プリプレグ、高多層用金属張積層板及び高多層印刷配線板を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、高多層印刷配線板製造用の樹脂フィルム中にイミド延長長鎖ビスマレイミド樹脂を含有することにより上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の態様を含むものである。
[1]マレイミド基、少なくとも2つのイミド結合を有する2価の基及び飽和又は不飽和の2価の炭化水素基を有する化合物を含有する高多層印刷配線板製造用の樹脂フィルム。
[2]前記少なくとも2つのイミド結合を有する2価の基が、下記式(I)で表される基である、[1]に記載の樹脂フィルム。
Figure 2016131243

[式(I)中、Rは4価の有機基を示す。]
[3]前記飽和又は不飽和の2価の炭化水素基の炭素数が8〜100である、[1]又は[2]に記載の樹脂フィルム。
[4]前記飽和又は不飽和の2価の炭化水素基が下記式(II)で表される基である、[1]又は[2]に記載の樹脂フィルム。
Figure 2016131243

[式(II)中、R及びRは各々独立に炭素数4〜50のアルキレン基を示し、Rは炭素数4〜50のアルキル基を示し、Rは炭素数2〜50のアルキル基を示す。]
[5]前記化合物の重量平均分子量が500〜10000である、[1]〜[4]のいずれかに記載の樹脂フィルム。
[6]無機充填剤を更に含有する、[1]〜[5]のいずれかに記載の樹脂フィルム。
[7][1]〜[6]のいずれかに記載の樹脂フィルムと、支持基材とを有する高多層印刷配線板製造用の支持体付き樹脂フィルム。
[8][1]〜[6]のいずれかに記載の樹脂フィルムと、シート状繊維補強基材とを有する、高多層印刷配線板製造用のプリプレグ。
[9][1]〜[6]のいずれかに記載の樹脂フィルムの硬化物を含む樹脂層と、導体層とを有する高多層用金属張積層板。
[10][1]〜[6]のいずれかに記載の樹脂フィルムの硬化物を含む樹脂層と、回路層とを備える、高多層印刷配線板。
本発明の高多層印刷配線板製造用の樹脂フィルムは、高周波領域における比誘電率及び誘電正接がともに低いという優れた誘電特性を有する。そのため、当該樹脂フィルムの表面(片面又は両面)に金属箔を積層して金属張硬化樹脂フィルム(金属張積層板)とした場合に、本発明の構成要件を満たさない樹脂フィルムを使用したものと比較して、高周波領域における優れた誘電特性を得ることができる。
また、従来は、高多層印刷配線板製造用の樹脂フィルムにおいてガラスクロス等を樹脂組成物中に配さない場合、樹脂フィルムの取り扱い性が悪くなり、強度も十分に保持できなくなる傾向にある。これに対し、本発明に係る樹脂フィルムは、特に、柔軟な長鎖脂肪族骨格を有する樹脂組成物から形成されるため、ガラスクロス等を有さなくても、薄く且つ取り扱い性(タック性、割れ・粉落ち等)にも優れるものとなる。
また、上述の如く、従来の樹脂フィルム等は、ロープロファイル箔と組み合わせて適用した場合、ロープロファイル箔に対する接着性、耐熱性、高周波数領域での誘電特性等が十分に得られ難い。一方、本発明に係る樹脂フィルムは、ロープロファイル箔等に対する引き剥がし強さが十分に高い。そのため、ロープロファイル箔を問題なく使用でき、さらに伝送損失を十分に低減した高多層印刷配線板を提供できる。
また、本発明に係る樹脂フィルムは、優れた外観性と多層化成形性とを同時に達成できるものであるとともに、耐熱性及び耐湿性にも優れる。加えて、当該高多層印刷配線板製造用樹脂フィルムを用いて得られる金属張硬化樹脂フィルムは、実装時のはんだ接続工程に耐え得る高いはんだ耐熱性を備えるとともに、耐吸湿性にも優れることから、屋外での使用用途にも適するものとなる。
本発明によれば、高周波領域における良好な誘電特性を有し、金属箔等の導体との接着性、耐熱性及び低吸湿性を高い水準で備える高多層印刷配線板製造用の樹脂フィルム支持体付き樹脂フィルム、プリプレグ、高多層用金属張積層板及び高多層印刷配線板を提供することができる。
本実施形態に係る高多層印刷配線板の製造工程を示す概略図である。 内層回路基板の製造工程を示す概略図である。 本実施形態に係る高多層印刷配線板の製造工程を示す概略図である。 従来の高多層印刷配線板の製造工程を示す概略図である。
以下、必要に応じて図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されない。なお、本明細書において、高多層印刷配線板とは、印刷配線板の伝送回路層が3層以上の印刷配線板を指すものとする。また、本明細書において、高周波領域とは、300MHz〜300GHzの領域を指し、特に高多層に用いられる周波数領域は3GHz〜300GHzを指すものとする。
本実施形態に係る高多層印刷配線板製造用の樹脂フィルムは、フッ素樹脂系に匹敵し、ポリフェニレンエーテル樹脂系を超える高周波特性と耐湿性を併せ持つのみならず、高接着性、高耐熱性、耐薬液汚染性を具備するものとなる。その結果、かかる高多層印刷配線板製造用の樹脂フィルムは、ミリ波信号を含む高周波領域のアプリケーションへの適用が可能なものとなる。以下、本実施形態について詳述する。
[樹脂フィルム]
本実施形態に係る高多層印刷配線板を製造するための樹脂フィルムは、マレイミド基、少なくとも2つのイミド結合を有する2価の基及び飽和又は不飽和の2価の炭化水素基を有する化合物を含有する。本実施形態に係る樹脂フィルムは、イミド延長長鎖ビスマレイミド樹脂を含有する樹脂組成物を用いて製造される。本明細書において「イミド延長」とは、化合物が少なくとも1つのイミド部位を、分子の末端ではない位置に含んでいることをいう。また、本明細書において、溶媒を含有する樹脂組成物を樹脂ワニスともいう。
(イミド延長長鎖ビスマレイミド樹脂)
本実施形態に係る(a)マレイミド基、(b)少なくとも2つのイミド結合を有する2価の基及び(c)飽和又は不飽和の2価の炭化水素基を有する化合物を(A)成分ということがある。また、(a)マレイミド基を構造(a)、(b)少なくとも2つのイミド結合を有する2価の基を構造(b)、(c)飽和又は不飽和の2価の炭化水素基を構造(c)ということがある。(A)成分を用いることで、高周波特性及び導体との高い接着性を有する樹脂組成物を得ることができる。
(a)マレイミド基は特に限定されず、一般的なマレイミド基である。(a)マレイミド基は芳香環に結合していても、脂肪族鎖に結合していてもよいが、誘電特性の観点からは、脂肪族鎖に結合していることが好ましい。
(b)少なくとも2つのイミド結合を有する2価の基としては特に限定されないが、例えば、下記式(I)で表される基が挙げられる。
Figure 2016131243
式(I)中、Rは4価の有機基を示す。Rは4価の有機基であれば特に限定されないが、例えば、取扱性の観点から、炭素数1〜100の炭化水素基であってもよく、炭素数2〜50の炭化水素基であってもよく、炭素数4〜30の炭化水素基であってもよい。
は、置換又は非置換のシロキサン部位であってもよい。シロキサン部位としては、例えば、ジメチルシロキサン、メチルフェニルシロキサン、ジフェニルシロキサン等に由来する構造が挙げられる。
が置換されている場合、置換基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、水酸基、アルコキシ基、メルカプト基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、ヘテロ環基、置換ヘテロ環基、アリール基、置換アリール基、ヘテロアリール基、置換ヘテロアリール基、アリールオキシ基、置換アリールオキシ基、ハロゲン原子、ハロアルキル基、シアノ基、ニトロ基、ニトロソ基、アミノ基、アミド基、−C(O)H、−NRC(O)−N(R、−OC(O)−N(R、アシル基、オキシアシル基、カルボキシル基、カルバメート基、スルホンアミド基等が挙げられる。ここで、Rは水素原子又はアルキル基を示す。これらの置換基は目的、用途等に合わせて、1種類又は2種類以上を選択できる。
としては、例えば、1分子中に2個以上の無水物環を有する酸無水物の4価の残基、すなわち、酸無水物から酸無水物基(−C(=O)OC(=O)−)を2個除いた4価の基が好ましい。酸無水物としては、後述するような化合物が例示できる。
機械強度の観点から、Rは芳香族であることが好ましく、無水ピロメリット酸から2つの酸無水物基を取り除いた基であることがより好ましい。すなわち、構造(b)は下記式(III)で表される基であることがより好ましい。
Figure 2016131243
流動性及び回路埋め込み性の観点からは、構造(b)は、(A)成分中に複数存在すると好ましい。その場合、構造(b)は、それぞれ同一であってもよく、異なっていてもよい。(A)成分中の構造(b)の数は、2〜40であることが好ましく、2〜20であることがより好ましく、2〜10であることが更に好ましい。
誘電特性の観点から、構造(b)は、下記式(IV)又は下記式(V)で表される基であってもよい。
Figure 2016131243
Figure 2016131243
構造(c)は特に限定されず、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。また、飽和又は不飽和の2価の炭化水素基の炭素数は、8〜100であってもよい。構造(c)は、炭素数8〜100の分岐を有していてもよいアルキレン基であることが好ましく、炭素数10〜70の分岐を有していてもよいアルキレン基であるとより好ましく、炭素数15〜50の分岐を有していてもよいアルキレン基であると更に好ましい。(A)成分が構造(c)を有することで、本実施形態に係る樹脂組成物の可とう性が向上し、樹脂組成物から作製される樹脂フィルムの取扱性(タック性、割れ、粉落ち等)及び強度を高めることが可能である。また、上記の炭素数を有する構造(c)は、分子構造を三次元化し易く、ポリマーの自由体積を増大させて低密度化、すなわち低誘電率化できるため好ましい。
構造(c)としては、例えば、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン基、テトラデシレン基、ヘキサデシレン基、オクタデシレン基、ノナデシレン基等のアルキレン基;ベンジレン基、フェニレン基、ナフチレン基等のアリーレン基;フェニレンメチレン基、フェニレンエチレン基、ベンジルプロピレン基、ナフチレンメチレン基、ナフチレンエチレン基等のアリーレンアルキレン基;フェニレンジメチレン基、フェニレンジエチレン基等のアリーレンジアルキレン基などが挙げられる。
高周波特性、低熱膨張特性、導体との接着性、耐熱性及び低吸湿性の観点から、構造(c)として下記式(II)で表される基が特に好ましい。
Figure 2016131243
式(II)中、R及びRは各々独立に炭素数4〜50のアルキレン基を示す。柔軟性の更なる向上及び合成容易性の観点から、R及びRは各々独立に、炭素数5〜25のアルキレン基であることが好ましく、炭素数6〜10のアルキレン基であることがより好ましく、炭素数7〜10のアルキレン基であることが更に好ましい。
式(II)中、Rは炭素数4〜50のアルキル基を示す。柔軟性の更なる向上及び合成容易性の観点から、Rは炭素数5〜25のアルキル基であることが好ましく、炭素数6〜10のアルキル基であることがより好ましく、炭素数7〜10のアルキル基であることが更に好ましい。
式(II)中、Rは炭素数2〜50のアルキル基を示す。柔軟性の更なる向上及び合成容易性の観点から、Rは炭素数3〜25のアルキル基であることが好ましく、炭素数4〜10のアルキル基であることがより好ましく、炭素数5〜8のアルキル基であることが更に好ましい。
流動性及び回路埋め込み性の観点からは、構造(c)は、(A)成分中に複数存在すると好ましい。その場合、構造(c)はそれぞれ同一であってもよく、異なっていてもよい。例えば、(A)成分中に2〜40の構造(c)が存在することが好ましく、2〜20の構造(c)が存在することがより好ましく、2〜10の構造(c)が存在することが更に好ましい。
樹脂フィルム中の(A)成分の含有量は特に限定されない。耐熱性の観点から、(A)成分の含有量は樹脂フィルムの全質量に対して2〜98質量%であることが好ましく、10〜90質量%であることがより好ましく、10〜50質量%であることが更に好ましく、15〜30質量%であることが特に好ましい。
(A)成分の分子量は特に限定されない。取扱性、流動性及び回路埋め込み性の観点より(A)成分の重量平均分子量(Mw)は、500〜10000であることが好ましく、1000〜9000であることがより好ましく、1500〜9000であることが更に好ましく、1500〜7000であることがより一層好ましく、1700〜5000であることが特に好ましい。
(A)成分のMwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定することができる。
なお、GPCの測定条件は下記のとおりである。
ポンプ:L−6200型[株式会社日立ハイテクノロジーズ製]
検出器:L−3300型RI[株式会社日立ハイテクノロジーズ製]
カラムオーブン:L−655A−52[株式会社日立ハイテクノロジーズ製]
ガードカラム及びカラム:TSK Guardcolumn HHR−L+TSKgel G4000HHR+TSKgel G2000HHR[すべて東ソー株式会社製、商品名]
カラムサイズ:6.0×40mm(ガードカラム)、7.8×300mm(カラム)
溶離液:テトラヒドロフラン
試料濃度:30mg/5mL
注入量:20μL
流量:1.00mL/分
測定温度:40℃
(A)成分を製造する方法は限定されない。(A)成分は、例えば、酸無水物とジアミンとを反応させてアミン末端化合物を合成した後、該アミン末端化合物を過剰の無水マレイン酸と反応させることで作製してもよい。
酸無水物としては、例えば、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、無水コハク酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これらの酸無水物は目的、用途等に合わせて、1種類を単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。なお、前述のとおり、上記式(I)のRとして、上記に挙げられるような酸無水物に由来する4価の有機基を用いることができる。より良好な誘電特性の観点から、酸無水物は、無水ピロメリット酸であることが好ましい。
ジアミンとしては、例えば、ダイマージアミン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、1,3−ビス[2−(4−アミノフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、1,4−ビス[2−(4−アミノフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、ポリオキシアルキレンジアミン、[3,4−ビス(1−アミノヘプチル)−6−ヘキシル−5−(1−オクテニル)]シクロヘキセン等が挙げられる。これらは目的、用途等に合わせて、1種類を単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。
(A)成分としては、例えば、以下の化合物であってもよい。
Figure 2016131243
式中、R及びQはそれぞれ独立に2価の有機基を示す。Rは上述の構造(c)と同じものが使用でき、Qは上述のRと同じものが使用できる。また、nは1〜10の整数を表す。
(A)成分としては市販されている化合物を使用することもできる。市販されている化合物としては、例えば、Designer Molecules Inc.製の製品が挙げられ、具体的には、BMI−1500、BMI−1700、BMI−3000、BMI−5000、BMI−9000(いずれも商品名)等が挙げられる。より良好な高周波特性を得る観点から、(A)成分としてBMI−3000を使用することがより好ましい。
BMI−1500は、式(XII−1)で表される構造を有し、BMI−1700は、式(XII−2)で表される構造を有し、BMI−3000、BMI−5000及びBMI−9000は、式(XII−3)の構造を有していると推定される。式(XII−1)〜(XII−3)中、nは1〜10の整数を表す。
Figure 2016131243

Figure 2016131243

Figure 2016131243
<(B)マレイミド基含有化合物>
本実施形態に係る樹脂フィルムは、(A)成分とは異なるマレイミド基含有化合物を更に含有することができる。該マレイミド基含有化合物を(B)成分ということがある。なお、(A)成分及び(B)成分の双方に該当し得る化合物は、(A)成分に帰属するものとする。(B)成分を用いることで、樹脂フィルムは、特に低熱膨張特性に優れるものとなる。すなわち、本実施形態に係る樹脂フィルムは、(A)成分と(B)成分とを併用することにより、良好な誘電特性を維持しつつ、低熱膨張特性等を更に向上させることができる。この理由として、(A)成分と(B)成分とを含有する樹脂フィルムから得られる硬化物は、低誘電特性を備える(A)成分からなる構造単位と、低熱膨張である(B)成分からなる構造単位とを備えるポリマーを含有するためだと推測される。
すなわち、(B)マレイミド基含有化合物は、(A)成分よりも熱膨張係数が低いことが好ましい。(A)成分よりも熱膨張係数が低い(B)成分として、例えば、(A)成分よりも分子量が低いマレイミド基含有化合物、(A)成分よりも多くの芳香環を有するマレイミド基含有化合物、主鎖が(A)成分よりも短いマレイミド基含有化合物等が挙げられる。
樹脂フィルム中の(B)成分の含有量は特に限定されない。低熱膨張性の観点から、(B)成分の含有量は樹脂フィルムの全質量に対して1〜20質量%であることが好ましく、2〜15質量%であることがより好ましく、5〜10質量%であることが更に好ましい。
樹脂組成物中の(A)成分と(B)成分との配合割合は特に限定されない。誘電特性及び低熱膨張係数の観点から、(A)成分と(B)成分の質量比(B)/(A)が0.01〜3であることが好ましく、0.03〜2であることがより好ましく、0.05〜1であることが更に好ましい。
(B)マレイミド基含有化合物は特に限定されないが、芳香環を有することが好ましい。芳香環は剛直で低熱膨張であるため、芳香環を有する(B)成分を用いることで、更に熱膨張係数を低減させることができる。マレイミド基は芳香環に結合していても、脂肪族鎖に結合していてもよいが、誘電特性の観点からは、芳香環に結合していることが好ましい。すなわち、(B)成分は、芳香環にマレイミド基が結合した構造を有することが好ましい。また、(B)成分は、マレイミド基を2個以上含有するポリマレイミド化合物であることも好ましい。
(B)成分の具体例としては、1,2−ジマレイミドエタン、1,3−ジマレイミドプロパン、ビス(4−マレイミドフェニル)メタン、ビス(3−エチル−4−マレイミドフェニル)メタン、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、2,7−ジマレイミドフルオレン、N,N’−(1,3−フェニレン)ビスマレイミド、N,N’−(1,3−(4−メチルフェニレン))ビスマレイミド、ビス(4−マレイミドフェニル)スルホン、ビス(4−マレイミドフェニル)スルフィド、ビス(4−マレイミドフェニル)エ−テル、1,3−ビス(3−マレイミドフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−(3−マレイミドフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、ビス(4−マレイミドフェニル)ケトン、2,2−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)スルホン、ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]スルホキシド、4,4’−ビス(3−マレイミドフェノキシ)ビフェニル、1,3−ビス(2−(3−マレイミドフェニル)プロピル)ベンゼン、1,3−ビス(1−(4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル)−1−プロピル)ベンゼン、ビス(マレイミドシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、ビス(マレイミドフェニル)チオフェン等が挙げられる。これらは1種類を単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。これらの中でも、吸湿性及び熱膨張係数をより低下させる観点からは、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタンを用いることが好ましい。樹脂組成物から形成される樹脂フィルムの破壊強度及び金属箔引き剥がし強さを更に高める観点からは、(B)成分として、2,2−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパンを用いることが好ましい。
成形性の観点からは、(B)マレイミド基含有化合物としては、例えば、下記式(VI)で表される化合物が好ましい。
Figure 2016131243
式(VI)中、Aは下記式(VII)、(VIII)、(IX)又は(X)で表される残基を示し、Aは下記式(XI)で表される残基を示す。
Figure 2016131243
式(VII)中、R10は各々独立に、水素原子、炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基又はハロゲン原子を示す。
Figure 2016131243
式(VIII)中、R11及びR12は各々独立に、水素原子、炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基又はハロゲン原子を示し、Aは炭素数1〜5のアルキレン基若しくはアルキリデン基、エーテル基、スルフィド基、スルホニル基、ケトン基、単結合又は下記式(VIII−1)で表される残基を示す。
Figure 2016131243
式(VIII−1)中、R13及びR14は各々独立に、水素原子、炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基又はハロゲン原子を示し、Aは炭素数1〜5のアルキレン基、イソプロピリデン基、エーテル基、スルフィド基、スルホニル基、ケトン基又は単結合を示す。
Figure 2016131243
式(IX)中、iは1〜10の整数である。
Figure 2016131243
式(X)中、R15及びR16は各々独立に、水素原子又は炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基を示し、jは1〜8の整数である。
Figure 2016131243
式(XI)中、R17及びR18は各々独立に、水素原子、炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜5のアルコキシ基、水酸基又はハロゲン原子を示し、Aは、炭素数1〜5のアルキレン基若しくはアルキリデン基、エーテル基、スルフィド基、スルホニル基、ケトン基、フルオレニレン基、単結合、下記式(XI−1)で表される残基又は下記式(XI−2)で表される残基を示す。
Figure 2016131243
式(XI−1)中、R19及びR20は各々独立に、水素原子、炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基又はハロゲン原子を示し、Aは、炭素数1〜5のアルキレン基、イソプロピリデン基、m−フェニレンジイソプロピリデン基、p−フェニレンジイソプロピリデン基、エーテル基、スルフィド基、スルホニル基、ケトン基又は単結合を示す。
Figure 2016131243
式(XI−2)中、R21は各々独立に、水素原子、炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基又はハロゲン原子を示し、A10及びA11は各々独立に、炭素数1〜5のアルキレン基、イソプロピリデン基、エーテル基、スルフィド基、スルホニル基、ケトン基又は単結合を示す。
(B)マレイミド基含有化合物は、有機溶媒への溶解性、高周波特性、導体との高接着性、プリプレグの成形性等の観点から、ポリアミノビスマレイミド化合物として用いることが好ましい。ポリアミノビスマレイミド化合物は、例えば、末端に2個のマレイミド基を有する化合物と、分子中に2個の一級アミノ基を有する芳香族ジアミン化合物とを有機溶媒中でマイケル付加反応させることにより得られる。
分子中に2個の一級アミノ基を有する芳香族ジアミン化合物は特に限定されないが、例えば、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチル−ジフェニルメタン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、4,4’−[1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスアニリン、4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスアニリン等が挙げられる。これらは1種類を単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。
また、有機溶媒への溶解性が高く、合成時の反応率が高く、かつ耐熱性を高くできる観点からは、4,4’−ジアミノジフェニルメタン及び4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチル−ジフェニルメタンが好ましい。これらは目的、用途等に合わせて、1種類を単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。
ポリアミノビスマレイミド化合物を製造する際に使用される有機溶媒は特に制限はないが、例えば、メタノール、エタノール、ブタノール、ブチルセロソルブ、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素類;メトキシエチルアセテート、エトキシエチルアセテート、ブトキシエチルアセテート、酢酸エチル等のエステル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等の含窒素類などが挙げられる。これらは1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。また、これらの中でも、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、N,N−ジメチルホルムアミド及びN,N−ジメチルアセトアミドが溶解性の観点から好ましい。
(触媒)
本実施形態の樹脂組成物は、(A)成分の硬化を促進するための触媒を更に含有してもよい。触媒の含有量は特に限定されないが、樹脂組成物の全質量に対して0.1〜5質量%であってもよい。触媒としては、例えば、過酸化物、アゾ化合物等を用いることができる。
過酸化物としては、例えば、ジクミルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、2−ブタノンパーオキサイド、tert−ブチルパーベンゾエイト、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン及びtert−ブチルヒドロパーオキシドが挙げられる。アゾ化合物としては、例えば、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパンニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブタンニトリル)及び1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)が挙げられる。
(無機充填剤)
本実施形態に係る樹脂フィルムは、無機充填材を更に含有してもよい。任意に適切な無機充填剤を含有させることで、樹脂組成物の低熱膨張特性、高弾性率性、耐熱性、難燃性等を向上させることができる。無機充填材としては特に制限されないが、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、マイカ、ベリリア、チタン酸バリウム、チタン酸カリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、炭酸アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、焼成クレー、タルク、ホウ酸アルミニウム、炭化ケイ素等が挙げられる。これらは1種類を単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。
無機充填剤の形状及び粒径についても特に制限はない。無機充填剤の形状は、例えば、球状であっても、破砕状であってもよい。無機充填剤の粒径は、例えば、0.01〜50μm、0.01〜20μm、0.1〜15μm又は0.1〜10μmであってもよい。ここで、粒径とは、平均粒子径を指し、粒子の全体積を100%として粒子径による累積度数分布曲線を求めた時、体積50%に相当する点の粒子径のことである。平均粒径はレーザー回折散乱法を用いた粒度分布測定装置等で測定することができる。
樹脂フィルムに対する無機充填剤の配合割合は、特に限定されないが、樹脂フィルムの接着性、靭性、耐熱性、耐薬品性等が特に向上する傾向にあることから、例えば、樹脂成分の合計量100質量部に対して、1〜1000質量部とすることができ、樹脂フィルムの熱膨張を抑制する観点から、1〜800質量部とすることができる。
無機充填材を用いる場合、その使用量は特に制限されないが、例えば、樹脂組成物中の固形分を全量として無機充填材の含有比率が3〜75体積%であることが好ましく、5〜70体積%であることがより好ましい。樹脂組成物中の無機充填材の含有比率が上記の範囲である場合、良好な硬化性、成形性及び耐薬品性が得られ易くなる。
(熱硬化性樹脂)
本実施形態に係る樹脂フィルムは、(A)成分及び(B)成分とは異なる熱硬化性樹脂を更に含有することができる。なお、(A)成分又は(B)成分に該当し得る化合物は、(C)熱硬化性樹脂に帰属しないものとする。(C)熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、シアネートエステル樹脂等が挙げられる。(C)熱硬化性樹脂を含むことで、樹脂フィルムの低熱膨張特性等を更に向上させることができる。
(C)熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を含有させる場合、特に制限されないが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂等のナフタレン骨格含有型エポキシ樹脂、2官能ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ジヒドロアントラセン型エポキシ樹脂などが挙げられる。これらは1種類を単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。これらの中でも、高周波特性及び熱膨張特性の観点からは、ナフタレン骨格含有型エポキシ樹脂又はビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂を用いることが好ましい。
(C)熱硬化性樹脂としてシアネートエステル樹脂を含有させる場合、特に限定されないが、例えば、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)プロパン、ビス(4−シアナトフェニル)エタン、ビス(3,5−ジメチル−4−シアナトフェニル)メタン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、α,α’−ビス(4−シアナトフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン、フェノール付加ジシクロペンタジエン重合体のシアネートエステル化合物、フェノールノボラック型シアネートエステル化合物、クレゾールノボラック型シアネートエステル化合物等が挙げられる。これらは1種類を用いても、2種類以上を併用してもよい。これらの中でも、安価である点、高周波特性及びその他特性の総合バランスを考慮すると、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)プロパンを用いることが好ましい。
(硬化剤)
本実施形態に係る樹脂フィルムは、(C)熱硬化性樹脂の硬化剤を更に含有してもよい。これにより、樹脂フィルムの硬化物を得る際の反応を円滑に進めることができるとともに、得られる樹脂フィルムの硬化物の物性を適度に調節することが可能となる。
エポキシ樹脂を用いる場合、硬化剤としては特に制限されないが、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルメタン、m−フェニレンジアミン、ジシアンジアミド等のポリアミン化合物;ビスフェノールA、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂等のポリフェノール化合物;無水フタル酸、無水ピロメリット酸等の酸無水物;各種カルボン酸化合物;各種活性エステル化合物などが挙げられる。
シアネートエステル樹脂を用いる場合、硬化剤としては特に限定されないが、例えば、各種モノフェノール化合物、各種ポリフェノール化合物、各種アミン化合物、各種アルコール化合物、各種酸無水物、各種カルボン酸化合物等が挙げられる。これらは1種類を単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。
(硬化促進剤)
本実施形態に係る樹脂フィルムには、(C)熱硬化性樹脂の種類に応じて硬化促進剤を更に配合してもよい。エポキシ樹脂の硬化促進剤としては、例えば、潜在性の熱硬化剤である各種イミダゾール類、BFアミン錯体、リン系硬化促進剤等が挙げられる。硬化促進剤を配合する場合、樹脂組成物の保存安定性、半硬化の樹脂組成物の取扱性及びはんだ耐熱性の観点から、イミダゾール類及びリン系硬化促進剤が好ましい。
(熱可塑性樹脂)
本実施形態に係る樹脂フィルムは、樹脂フィルムの取扱い性を高める観点から、熱可塑性樹脂を更に含有してもよい。熱可塑性樹脂の種類は特に限定されず、分子量も限定されないが、(A)成分との相溶性をより高める点から、数平均分子量(Mn)が200〜60000であることが好ましい。
フィルム形成性及び耐吸湿性の観点から、熱可塑性樹脂は、熱可塑性エラストマであることが好ましい。熱可塑性エラストマとしては飽和型熱可塑性エラストマ等が挙げられ、飽和型熱可塑性エラストマとしては化学変性飽和型熱可塑性エラストマ、非変性飽和型熱可塑性エラストマ等が挙げられる。化学変性飽和型熱可塑性エラストマとしては、無水マレイン酸で変性されたスチレン−エチレン−ブチレン共重合体等が挙げられる。化学変性飽和型熱可塑性エラストマの具体例としては、タフテックM1911、M1913、M1943(全て旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名)等が挙げられる。一方、非変性飽和型熱可塑性エラストマとしては、非変性のスチレン−エチレン−ブチレン共重合体等が挙げられる。非変性飽和型熱可塑性エラストマの具体例としては、タフテックH1041、H1051、H1043、H1053(全て旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名)等が挙げられる。
フィルム形成性、誘電特性及び耐吸湿性の観点から、飽和型熱可塑性エラストマは、分子中にスチレンユニットを有することがより好ましい。なお、本明細書において、スチレンユニットとは、重合体における、スチレン単量体に由来する単位を指し、飽和型熱可塑性エラストマとは、スチレンユニットの芳香族炭化水素部分以外の脂肪族炭化水素部分が、いずれも飽和結合基によって構成された構造を有するものをいう。
飽和型熱可塑性エラストマにおけるスチレンユニットの含有比率は、特に限定されないが、飽和型熱可塑性エラストマの全質量に対するスチレンユニットの質量百分率で、10〜80質量%であると好ましく、20〜70質量%であるとより好ましい。スチレンユニットの含有比率が上記範囲内であると、フィルム外観、耐熱性及び接着性に優れる傾向にある。
分子中にスチレンユニットを有する飽和型熱可塑性エラストマの具体例としては、スチレン−エチレン−ブチレン共重合体が挙げられる。スチレン−エチレン−ブチレン共重合体は、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体のブタジエンに由来する構造単位が有する不飽和二重結合に水素添加を行うことにより得ることができる。
熱可塑性樹脂の含有量は特に限定されないが、誘電特性を更に良好にする観点からは樹脂組成物の固形分を全量として0.1〜15質量%であることが好ましく、0.3〜10質量%であることがより好ましく、0.5〜5質量%であることが更に好ましい。
[樹脂フィルムの製造方法]
(樹脂組成物及び樹脂ワニスの調製)
次に、高多層印刷配線板製造用の樹脂フィルムの製造方法の好適な例について説明する。本実施形態に係る樹脂フィルムを形成するための樹脂組成物を調製する方法は、特に制限されないが、例えば、以下の方法が挙げられる。
本実施形態に係る樹脂組成物は、上記した各成分を均一に分散及び混合することによって得ることができ、その調製手段、条件等は特に限定されない。例えば、所定配合量の各種成分をミキサー等によって十分に均一に撹拌及び混合した後、ミキシングロール、押出機、ニーダー、ロール、エクストルーダー等を用いて混練し、更に得られた混練物を冷却及び粉砕する方法が挙げられる。なお、混練形式についても特に限定されない。樹脂組成物は、必要に応じ有機溶媒を含んでいてもよく、上記成分が、有機溶媒に溶解又は分散した樹脂ワニスの形態であってもよい。
有機溶媒としては、特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコール類、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチレングリコールモノメチルエーテル、カルビトール、ブチルカルビトール等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素類;メトキシエチルアセテート、エトキシエチルアセテート、ブトキシエチルアセテート、酢酸エチル等のエステル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等の含窒素類などが挙げられる。特に、(A)成分の良溶媒であるトルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素類、及びこれらの芳香族炭化水素類とアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類との混合溶媒が、フィルムとした時の外観が良好となるため好ましい。これらの溶媒は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
樹脂フィルムに無機充填剤を含有させる場合、樹脂ワニス中の無機充填剤の分散性を良好にする観点から、無機充填剤を有機溶剤中に分散させてスラリーを調製することが好ましい。熱可塑性樹脂を併用する場合、このスラリーに、上記熱可塑性樹脂を添加して溶解又は均一に分散した後に、(A)成分等の熱硬化性成分を添加する手順にて、樹脂ワニスを製造することが好ましい。
樹脂組成物をワニスとする際には、ワニス中の固形分(不揮発分)濃度が、5〜80質量%となるように溶媒の使用量を調節することが好ましい。後述の樹脂フィルムを製造する工程において、樹脂組成物を塗布した後に溶媒を蒸発等させることによって溶媒量を調節することもできる。この場合には、樹脂ワニスを、良好な外観及び所望の膜厚が得られるような固形分(不揮発分)濃度及びワニス粘度に調製することができる。
[支持体付き樹脂フィルム]
本実施形態では、上記の樹脂組成物を用いて、樹脂フィルムを製造することができる。なお、樹脂フィルムとは未硬化又は半硬化のフィルム状の樹脂組成物を指す。
樹脂フィルムの製造方法は限定されないが、例えば、樹脂組成物を支持基材上に塗布して形成された樹脂層を乾燥することで得られる。上記のような樹脂組成物を用いて、公知の方法により樹脂フィルムを製造することができる。具体的には、上記樹脂組成物をキスコーター、ロールコーター、コンマコーター等を用いて支持基材上に塗布した後、加熱乾燥炉中等で、例えば70〜250℃、好ましくは70〜200℃の温度で、1〜30分間、好ましくは3〜15分間乾燥してもよい。これにより、樹脂組成物が半硬化した状態の樹脂フィルムを得ることができる。
なお、この半硬化した状態の樹脂フィルムを、加熱炉で更に、例えば、170〜250℃、好ましくは185〜230℃の温度で、60〜150分間加熱させることによって樹脂フィルムを熱硬化させることができる。
本実施形態に係る樹脂フィルムの厚さは特に限定されないが、1〜200μmであることが好ましく、2〜180μmであることがより好ましく、3〜150μmであることが更に好ましい。樹脂フィルムの厚さを上記の範囲とすることにより、本実施形態に係る樹脂フィルムを用いて得られる高多層印刷配線板の薄型化と良好な高周波特性を両立し易く、膜厚精度の高い絶縁層を形成することができる。
支持基材は特に限定されないが、PETフィルムのような耐熱性フィルム及び金属箔からなる群より選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。樹脂フィルムが支持基材を備えることにより、保管性及び印刷配線板の製造に用いる際の取扱性が良好となる傾向にある。すなわち、本実施形態に係る樹脂フィルムは、樹脂フィルムと支持基材と有する支持体付き樹脂フィルムの形態をとることができ、使用される際には支持基材から剥離してもよい。
[プリプレグ]
強度及び取り扱い性の点から、本実施形態に係る樹脂フィルムとシート状繊維補強基材とを張り合わせて高多層印刷配線板用のプリプレグとして用いることができる。すなわち、本実施形態に係るプリプレグは、樹脂フィルムと、シート状繊維補強基材とを有している。
シート状繊維補強基材としては、例えば、各種の電気絶縁材料用積層板に用いられている公知のものが用いられる。その材質としては、例えば、Eガラス、NEガラス、Sガラス、Qガラス等の無機繊維;芳香族ポリアミド、ポリイミド、芳香族ポリエステル、テトラフルオロエチレン等の有機繊維;炭素繊維などが挙げられる。シート状繊維補強基材は、これら繊維の一方向配列繊維シート又はランダム配列不織布シートであってもよい。取り扱い性の観点からはガラスクロスを用いることができ、ガラスクロスは特に限定されないが、ヤーンを高密度に編んだもの、開繊された繊維糸(開繊糸)を用いたものを使用できる。シート状繊維補強基材として、織布、不織布、チョップドストランドマット等の形状を有するものが使用できる。また、シート状繊維基材の厚みは特に制限されず、例えば、0.02〜0.5mmのものを用いることができる。また、シート状繊維補強基材としては、カップリング剤等で表面処理したもの、又は、機械的に開繊処理を施したものが、樹脂組成物の含浸性、積層板とした際の耐熱性、耐吸湿性及び加工性の観点から好ましい。
なお、シート状繊維補強基材を使用する場合、高多層印刷配線板用のプリプレグは、例えば、樹脂組成物を有機溶媒に溶解又は分散して得られた樹脂ワニスを、ガラスクロスに含浸する方法によっても得ることができる。樹脂ワニスをガラスクロスに含浸する方法としては、特に限定されないが、例えば、ガラスクロスを樹脂ワニスに浸漬する方法、各種コーターにより樹脂ワニスをガラスクロスに塗布する方法、スプレーによって樹脂ワニスをガラスクロスに吹き付ける方法等が挙げられる。これらの中でも、樹脂ワニスの含浸性を向上させる観点から、ガラスクロスを樹脂ワニスに浸漬する方法を用いることができる。
[金属張積層板]
上記樹脂フィルムを用い、高多層用金属張硬化樹脂フィルムを製造することができる。すなわち、本実施形態によれば、上述した樹脂フィルムの硬化物を含む樹脂層と、導体層とを有する高多層用金属張積層板を提供することができる。例えば、上記樹脂フィルム又は支持体付き樹脂フィルムを用い、高多層用金属張積層板を製造することができる。
金属張積層板の製造方法は限定されないが、例えば、本実施形態に係る樹脂フィルムを1枚又は複数枚重ね、少なくとも一つの面に導体層となる金属箔を配置し、例えば、170〜250℃、好ましくは185〜230℃の温度及び0.5〜5.0MPaの圧力で60〜150分間加熱及び加圧することにより、絶縁層となる樹脂層の少なくとも一つの面(両面又は片面)に金属箔を備える金属張積層板が得られる。加熱及び加圧は、例えば、真空度は10kPa以下、好ましくは5kPa以下の条件で実施でき、効率を高める観点からは真空中で行うことが好ましい。加熱及び加圧は、開始から30分間〜成形終了時間まで実施することが好ましい。
[多層印刷配線板の製造]
上記樹脂フィルムは、ビルドアップ配線板等の多層印刷配線板の製造に用いることもできる。すなわち、本実施形態によれば、上述の樹脂フィルムの硬化物を含む樹脂層と、回路層とを備える高多層印刷配線板を提供することができる。回路層の数の上限値は特に限定されず、3層〜80層であってもよく、6〜50層であってもよい。高多層印刷配線板は、例えば、上記の樹脂フィルム、支持体付き樹脂フィルム又は金属張積層板を用いて製造することもできる。
高多層印刷配線板の製造方法としては特に限定されないが、例えば、まず、回路形成加工されたコア基板の片面又は両面に、樹脂フィルムを配置するか、あるいは複数枚のコア基板の間に樹脂フィルムを配置し、加圧及び加熱ラミネート成形、又は加圧及び加熱プレス成形を行って各層を接着した後、レーザー穴開け加工、ドリル穴開け加工、金属めっき加工、金属エッチング等による回路形成加工を行うことで、多層印刷配線板を製造することができる。樹脂フィルムが支持基材を有している場合(支持体付き樹脂フィルムを用いる場合)、支持基材は、コア基板上又はコア基板間に樹脂フィルムを配置する前に剥離しておくか、あるいは、樹脂層をコア基板に張り付けた後に剥離することができる。
本実施形態に係る樹脂フィルムを用いた高多層印刷配線板の製造方法を、図1に沿って説明する。図1は、本実施形態に係る高多層印刷配線板の製造工程を模式的に示す図である。本実施形態に係る多層印刷配線板の製造方法は、(a)内層回路基板に樹脂フィルムを積層して樹脂層を形成する工程(以下、「工程(a)」という)と、(b)樹脂層を加熱・加圧して硬化する工程(以下、「工程(b)」という)と、(c)硬化した樹脂層上にアンテナ回路層を形成する工程(以下、「工程(c)」という)とを有する。
図1の(a)に示すように、工程(a)では、内層回路基板11に本実施形態に係る樹脂フィルム12を積層して樹脂フィルム12からなる樹脂層を形成する。
積層方法は特に限定されないが、例えば、多段プレス、真空プレス、常圧ラミネーター、真空下で加熱加圧するラミネーターを用いて積層する方法等が挙げられ、真空下で加熱加圧するラミネーターを用いる方法が好ましい。これにより、内層回路基板11が表面に微細配線回路を有していてもボイドがなく回路間を樹脂で埋め込むことができる。ラミネート条件は特に限定されないが、圧着温度が70〜130℃、圧着圧力が1〜11kgf/cmであって、減圧又は真空下で積層するのが好ましい。ラミネートは、バッチ式であってもよく、また、ロールでの連続式であってもよい。
内層回路基板11としては、特に限定されず、ガラスエポキシ基板、金属基板、ポリエステル基板、ポリイミド基板、BTレジン基板、熱硬化型ポリフェニレンエーテル基板等を使用することができる。内層回路基板11の樹脂フィルムが積層される面の回路表面は予め粗化処理されていてもよい。
内層回路基板11の回路層数は限定されない。図1では6層の内層回路基板としたが、この層数に限定されず、例えば、ミリ波レーダー用の高多層印刷配線板を作製する場合、その設計に応じて2層〜80層等と自由に選択することができる。本実施形態の高多層印刷配線板は、ミリ波レーダーの作製へ応用することができる。すなわち、本実施形態の樹脂フィルムの硬化物を含む樹脂層と、回路層とを備える、ミリ波レーダー用の高多層印刷配線板を作製することができる。
後述するアンテナ回路層14をエッチングにより樹脂層12a上に形成する場合、樹脂フィルム12上に更に金属箔13を積層して金属層13aを形成してもよい。金属箔としては、例えば、銅、アルミニウム、ニッケル、亜鉛等が挙げられ、導電性の観点からは銅が好ましい。金属箔は合金であってもよく、例えば、銅合金として、ベリリウム又はカドミウムを少量添加した高純度銅合金が挙げられる。金属箔の厚みは、3〜200μmが好ましく、5〜70μmがより好ましい。
図1の(b)に示すように、工程(b)では、工程(a)で積層した内層回路基板11及び樹脂層12aを加熱加圧して熱硬化させる。条件は特に限定されないが、温度100℃〜250℃、圧力0.2〜10MPa、時間30〜120分間の範囲が好ましく、150℃〜220℃がより好ましい。
図1の(c)に示すように、工程(c)では、樹脂層12a上にアンテナ回路層14を形成する。アンテナ回路層14の形成方法は特に限定されず、例えば、サブトラクティブ法等のエッチング法、セミアディティブ法等によって形成してもよい。
サブトラクティブ法は、金属層13aの上に、所望のパターン形状に対応した形状のエッチングレジスト層を形成し、その後の現像処理によって、レジストの除去された部分の金属層を薬液で溶解し除去することによって、所望の回路を形成する方法である。薬液としては、例えば、塩化銅溶液、塩化鉄溶液等を使用することができる。
セミアディティブ法は、無電解めっき法により樹脂層12aの表面に金属被膜を形成し、金属被膜上に所望のパターンに対応した形状のめっきレジスト層を形成し、次いで、電解めっき法によって金属層を形成した後、不要な無電解めっき層を薬液等で除去し、所望の回路層を形成する方法である。
また、樹脂層12aには、必要に応じてビアホール15等のホールを形成してもよい。ホールの形成方法は限定されないが、NCドリル、炭酸ガスレーザー、UVレーザー、YAGレーザー、プラズマ等を適用できる。
ここで、内層回路基板11は、図2に示す工程(p)〜(r)によって製造することもできる。図2は、内層回路基板の製造工程を模式的に示す図である。すなわち、本実施形態に係る多層印刷配線板の製造方法は、工程(p)、工程(q)、工程(r)、工程(a)、工程(b)及び工程(c)を有していてもよい。以下、工程(p)〜(r)について説明する。
まず、図2の(p)に示すように、工程(p)では、コア基板41及びプリプレグ42を積層する。コア基板としては、例えば、ガラスエポキシ基板、金属基板、ポリエステル基板、ポリイミド基板、BTレジン基板、熱硬化型ポリフェニレンエーテル基板等を使用できる。プリプレグとしては、例えば、日立化成株式会社製「GWA−900G」、「GWA−910G」、「GHA−679G」、「GHA−679G(S)」、「GZA−71G」「GEA−75G」(いずれも商品名)等を使用することができる。
次に、図2の(q)に示すように、工程(q)では、工程(p)で得られたコア基板41及びプリプレグ42の積層体を加熱加圧する。加熱する温度は、特に限定されないが、120〜230℃が好ましく、150〜210℃がより好ましい。また、加圧する圧力は、特に限定されないが、1〜5MPaが好ましく、2〜4MPaがより好ましい。加熱時間は特に限定されないが30〜120分が好ましい。これにより、誘電特性、高温多湿化での機械的、電気的接続信頼性に優れた内層回路基板を得ることができる。
さらに、図2の(r)に示すように、工程(r)では、必要に応じて内層回路基板にスルーホール43を形成する。スルーホール43の形成方法は特に限定されず、上述するアンテナ回路層を形成する工程と同一であってもよいし、公知の方法を用いてもよい。
上記の工程により、本実施形態の高多層印刷配線板を製造できる。また、上記工程を経て製造された印刷配線板を内層回路基板として更に工程(a)〜(c)を繰り返してもよい。
図3は、図1に示す工程により製造された多層印刷配線板を内層回路基板として用いた多層印刷配線板の製造工程を模式的に示す図である。図3の(a)と図1の(a)が、図3の(b)と図1の(b)が、図3の(c)と図1の(c)が、それぞれ対応する。
具体的には、図3の(a)は、内層回路基板21に樹脂フィルム22を積層して樹脂層22sを形成し、必要に応じて金属箔23を樹脂フィルム22に積層して金属層23aを形成する工程である。図3の(b)は、樹脂層22aを加熱・加圧して硬化する工程であり、図3の(c)は硬化した樹脂層上にアンテナ回路層24を形成する工程である。
図1及び図3では、アンテナ回路パターン等を形成する目的で内層回路基板上に積層する樹脂層の層数を1層又は2層としたが、これに限定されず、アンテナ回路設計に応じて3層又はそれ以上の層数としてもよい。アンテナ回路層を多層とすることで、広帯域特性を有するアンテナ及び使用周波数帯域でアンテナ放射パターンの角度変化が少ない(ビームチルトレス)アンテナの設計が容易となる。
本実施形態に係る樹脂フィルムは、高多層印刷配線板を製造するために好適に用いることができる。本実施形態に係る高多層印刷配線板の製造方法では、マレイミド基、少なくとも2つのイミド結合を有する2価の基及び飽和又は不飽和の2価の炭化水素基を有する化合物を含有する樹脂フィルムを用いて樹脂層を形成しているため、高周波特性に優れる層の他に接着層を設けずに積層体を作製することができる。これにより、工程の簡略化及び更なる高周波特性の向上効果が得られる。
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、これらは本発明の説明のための例示であり、本発明の範囲をこれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で、上記実施形態とは異なる種々の態様で実施することができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明を更に詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されない。
[樹脂ワニスの調製]
下記手順に従って、各種の樹脂ワニスを調製した。調製例1〜8及び比較調製例1〜4の樹脂ワニスの調製に用いた各原材料の使用量(質量部)は、表1及び2にまとめて示す。
温度計、還流冷却管及び攪拌装置を備えた300mLの4つ口フラスコに、表1又は表2に示す各成分を投入し、25℃で1時間攪拌した後、#200ナイロンメッシュ(開口75μm)によりろ過し樹脂ワニスを調製した。
なお、表1及び2における各材料の略号等は、以下の通りである。
((1)BMI−1500[Mw:約1500、Designer Molecules Inc.製、商品名]
(2)BMI−1700[Mw:約1700、Designer Molecules Inc.製、商品名]
(3)BMI−3000[Mw:約3000、Designer Molecules Inc.製、商品名]
(4)BMI−5000[Mw:約5000、Designer Molecules Inc.製、商品名]
(5)BMI−1000[ビス(4−マレイミドフェニル]メタン、大和化成工業株式会社製、商品名)
(6)BMI−4000[2,2−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、大和化成工業株式会社製、商品名]
(7)B−3000[ブタジエンホモポリマー、Mn:約3000、日本曹達株式会社製、商品名]
(8)PPO640[ポリフェニレンエーテル、Mn:約16000、SABICイノベーティブプラスチックス社製、商品名]
(9)NC−3000H[ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、日本化薬株式会社製、商品名]
(10)BADCY[2,2−ビス(4−シアナトフェニル)プロパン、ロンザ社製、商品名]
(11)KA1165[ノボラック型フェノール樹脂、DIC株式会社製、商品名]、
(12)PCP[p−クミルフェノール、和光純薬工業株式会社製、商品名]、
(13)H1041[Mn6万未満のスチレン−ブタジエン共重合体の水素添加物、スチレン含有比率:30%、Mn:58000、旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名「タフテックH1041」]
(14)シリカスラリー[球状溶融シリカ、表面処理:フェニルアミノシランカップリング剤(1質量%/スラリー中の全固形分)、分散媒:メチルイソブチルケトン(MIBK)、固形分濃度:70質量%、平均粒子径:0.5μm、密度:2.2g/cm、株式会社アドマテックス製、商品名「SC−2050KNK」]
(15)パーヘキシン25B[2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、日油株式会社製、商品名]
(16)2E4MZ[2−エチル−4メチル−イミダゾール、四国化成工業株式会社製、商品名]
(17)ナフテン酸亜鉛[東京化成工業株式会社製]
Figure 2016131243
Figure 2016131243
[樹脂フィルムの作製]
調製例1〜8及び比較調製例1〜4で得られた樹脂ワニスを、コンマコーターを用いて、支持基材として厚さ38μmのPETフィルム(商品名「G2−38」、帝人株式会社製)上に塗工し(乾燥温度:130℃)、厚さ50μmの半硬化状態の樹脂層を備えるPETフィルム付き樹脂フィルムを作製した。なお、調製例1〜8の樹脂ワニスを用いて作製した半硬化樹脂フィルムが実施例1〜8、比較調製例1〜4の樹脂ワニスを用いて作製した半硬化樹脂フィルムが比較例1〜4にそれぞれ相当する。
[樹脂フィルムの評価]
実施例1〜8及び比較例1〜4の半硬化樹脂フィルムの外観及び取扱性を評価した。評価結果を表3に示す。
外観は目視により評価し、樹脂フィルムの表面に多少なりともムラ、スジ等があり、表面平滑性に欠けるものを×、ムラ、スジ等がなく、均一なものを○とした。また取扱性は、25℃において表面に多少なりともべたつき(タック)があるもの又はカッターナイフで切断しても樹脂割れ又は粉落ちがあるものを×、それ以外を○とした。
[高多層印刷配線板]
回路パターンが形成されたガラス布基材エポキシ樹脂銅張積層板を内層回路基板とし、その両面に、PETフィルムを剥離した上記の樹脂フィルムを1枚乗せ、その上に厚さ12μmの電解銅箔(商品名「YGP−12」、日本電解製)を配置した後、その上に鏡板を乗せ、200℃/3.0MPa/70分のプレス条件で加熱加圧成形して、評価用の4層印刷配線板を作製した。
次いで、作製された4層印刷配線板の最外層の銅箔をエッチングし、回路埋め込み性(多層化成形性)を評価した。多層化成形性は目視により評価し、ボイド、カスレが多少なりともあるものを×、回路に均一に樹脂が充填されており均一なものを○とした。
[両面金属張硬化樹脂フィルム]
上述のPETフィルム付き樹脂フィルムからPETフィルムを剥離した樹脂フィルムを2枚重ね、その両面に、厚さ18μmのロープロファイル銅箔(M面Rz:3μm、商品名「F3−WS」、古河電気工業株式会社製)をその粗化面(M面)が接するように配置し、その上に鏡板を乗せ、200℃/3.0MPa/70分のプレス条件で加熱加圧成形して、両面金属張硬化樹脂フィルム(厚さ:0.1mm)を作製した。
上述の実施例1〜8及び比較例1〜4の両面金属張硬化樹脂フィルムについて、取扱性(耐折曲げ性)、誘電特性、銅箔引きはがし強さ、はんだ耐熱性、吸水率及び絶縁信頼性を評価した。その評価結果を表3に示す。両面金属張硬化樹脂フィルムの特性評価方法は以下のとおりである。
[耐折曲げ性]
耐折曲げ性は、両面金属張硬化樹脂フィルムの外層銅箔をエッチングしたものを180度折り曲げることにより評価した。折り曲げた際、割れ又はクラックが多少なりとも発生したものを×、折り曲げを止めた際、変化がなかったものを○とした。
[誘電特性]
誘電特性である比誘電率及び誘電正接は、両面金属張硬化樹脂フィルムの外層銅箔をエッチングし、長さ60mm、幅2mm、厚み約1mmに切断したものを試験片として空洞共振器摂動法により測定した。測定器にはアジレントテクノロジー社製ベクトル型ネットワークアナライザE8364B、空洞共振器には株式会社関東電子応用開発製CP129(10GHz帯共振器)及びCP137(20GHz帯共振器)、測定プログラムにはCPMA−V2をそれぞれ使用した。条件は、周波数10GHz及び20GHz、測定温度25℃とした。
[銅箔引きはがし強さの測定]
両面金属張硬化樹脂フィルムの銅箔引きはがし強さは、銅張積層板試験規格JIS−C−6481に準拠して測定した。測定温度は25℃とした。
[はんだ耐熱性]
はんだ耐熱性は、両面金属張硬化樹脂フィルムの片側の銅箔をエッチングし、50mm角に切断したものを試験片として、その常態及びプレッシャークッカーテスト(PCT)装置(条件:121℃、2.2気圧)において、所定時間(1、3、5時間)処理した後のものを、288℃の溶融はんだ上に20秒間フロートし、処理時間が異なる3枚の硬化樹脂フィルムのそれぞれの外観を目視で調べた。なお、フィルム内部及びフィルムと銅箔間に膨れ又はミーズリングの発生が認められない場合を○、フィルム内部及びフィルムと銅箔間に膨れ又はミーズリングの発生が見られる場合を×とした。
[吸水率]
吸水率は、両面金属張硬化樹脂フィルムの両面の銅箔をエッチングし、50mm角に切断したものを試験片として、その常態及びプレッシャークッカーテスト(PCT)装置(条件:121℃、2.2気圧)中に所定時間(5時間)処理した後のものの質量差から算出した。
Figure 2016131243
表3に示した結果から明らかなように、実施例1〜8の樹脂フィルムによれば、比較例1〜4の樹脂フィルムと比較して、外観(表面均一性)、取扱性(タック性、割れ、粉落ち等)に問題がなく、多層化成形性も良好であることが確認された。
また、実施例1〜8の樹脂フィルムを硬化した硬化樹脂フィルムは、いずれも比誘電率3.0以下、誘電正接0.003以下と優れており、はんだ耐熱性、銅箔引きはがし強さ及び吸水率に関しても実用特性を満足していた。
一方、比較例1〜4では、外観性又は取り扱い性に問題があったり、実施例と比較して誘電特性、はんだ耐熱性、銅箔引きはがし強さ、吸水率、誘電特性の周波数ドリフト性等が比較的劣る結果が示された。
[ミリ波レーダー用の高多層印刷配線板]
(実施例1)
図2に示す工程で内層回路基板11を作製した後、実施例1の樹脂フィルムを用いて図1に示す工程でミリ波アンテナ回路層を1層含む計7層構造のミリ波レーダー用の高多層印刷配線板を作製した。
まず、工程(p)で、厚さ18μmの銅箔を両面に貼り合わせた厚さ0.1mmのガラス布基材エポキシ銅張積層板(日立化成株式会社製、商品名「MCL−E−75G」)の不要な銅箔をエッチング除去して内層回路基板を作製した後、0.1mmのガラス布基材エポキシプリプレグ(日立化成株式会社製、商品名「GEA−75G」)を銅張積層板間に重ねて配置し構造体を作製した。次いで、工程(q)で、工程(p)にて作製した構造体に対し、180℃/3.0MPa/60分のプレス条件で加熱加圧成形して一体化基板を形成した。そして、工程(r)で、工程(q)にて作製した一体化基板に対し、所望の位置にドリルにより穴を開け、ホール内に銅めっきを施して内層回路基板11を作製した。
工程(a)では、内層回路基板11の表面に、実施例1の樹脂組成物を用いて作製した半硬化樹脂フィルム(厚さ130μm)を真空ラミネーターにて仮接着し、更に厚さ18μmのロープロファイル銅箔(古河電気工業株式会社製、商品名「F3−WS」)を配置し構造体を作製した。次いで、工程(b)では、工程(a)にて作製した構造体の上に鏡板を乗せ、200℃/3.0MPa/70分のプレス条件で加熱加圧成形した。そして、工程(c)で、工程(b)にて作製した構造体に対し、所望の位置にレーザーにて不要な樹脂の除去及びビアホール(IVH)の形成を行った後、めっき及びエッチングを施してアンテナ回路層14を形成し、ミリ波アンテナ回路層を1層含む計7層構造の高多層印刷配線板を得た。
(実施例2)
実施例2の樹脂フィルムを用い、図3に示す工程でミリ波アンテナ回路層を2層含む計8層構造のミリ波レーダー用の高多層印刷配線板を作製した。
工程(a)では、実施例1にて作製したミリ波レーダー用の高多層印刷配線板を内層回路基板21として用い、その表面に実施例2の樹脂組成物を用いて作製した半硬化樹脂フィルム(厚さ130μm)を真空ラミネーターにて仮接着した後、「F3−WS」を配置し構造体を作製した。次いで、工程(b)で、工程(a)にて作製した構造体の上に鏡板を乗せ、200℃/3.0MPa/70分のプレス条件で加熱加圧成形した。そして、工程(c)で、工程(b)にて作製した構造体に対し、所望の位置にレーザーにて不要な樹脂の除去及びビアホール(IVH)の形成を行った後、めっき及びエッチングを施してアンテナ回路層24を形成し、ミリ波アンテナ回路を層2層含む計8層構造のミリ波レーダー用の高多層印刷配線板を得た。
(比較例5)
実施例2の樹脂フィルムに代えて、フッ素系樹脂材料を用い、従来の手法である図4で示す工程でミリ波アンテナ回路層を2層含む計8層構造のミリ波レーダー用の高多層印刷配線板を作製した。
まず、図4の工程(a’)では、上記工程(p)〜(r)で作製した内層回路基板31上に、0.1mmのガラス布基材エポキシプリプレグ(GEA−75G)33及び0.13mmのフッ素系樹脂基材銅張積層板(Rogers Corporation製、商品名「RO−3003」)の不要な銅箔をエッチング除去した銅張積層板32を重ねて配置し構造体を作製した。次いで、工程(b’)で、工程(a’)にて作製した構造体に対し、180℃/3.0MPa/60分のプレス条件で加熱加圧成形し、アンテナ回路を1層含む計7層構造の多層配線板を作製した。次に、工程(c’)で、工程(b’)にて作製した多層配線板上に、0.1mmのガラス布基材エポキシプリプレグ(GEA−75G)33及び0.13mmのフッ素系樹脂基材銅張積層板(RO−3003)の不要な銅箔をエッチング除去した銅張積層板32を重ねて配置し構造体を作製した。そして、工程(d’)で、工程(c’)にて作製した構造体に対し、180℃/3.0MPa/60分のプレス条件で加熱加圧成形した後、スルーホール穴あけ〜めっき〜エッチングにより所望の回路を形成し、アンテナ回路を2層含む計8層構造のミリ波レーダー用の高多層印刷配線板を得た。
比較例5の方法によれば、フッ素系樹脂基材銅張積層板を用いても多層構造のアンテナ回路を形成可能であるが、フッ素系樹脂の間にプリプレグ等の接着層が必要となる。その際、一般的なプリプレグ等の接着層はミリ波帯での比誘電率及び誘電正接がフッ素系樹脂材料と比較して悪いため、フッ素系樹脂間の接着層存在により、多層構造のアンテナ回路特性は劣化し易い。
これに対して、実施例2の方法では、ミリ波帯での比誘電率及び誘電正接に優れた材料のみで多層構造のアンテナ回路が構成されるため、比較例5と比べて特性に優れた多層構造のアンテナ回路を形成できる。
本発明の高多層印刷配線板製造用樹脂フィルムは、ビルドアップ配線板の製造に適したフィルム形成能及び取り扱い性を保持しつつ、無機充填剤入りフッ素樹脂基板材料と同等レベルである、約3.0以下の比誘電率を有し、且つ誘電正接も低く、また液晶ポリマーよりも良好な誘電特性を示すことから、ミリ波帯を超えるような高周波帯域でも伝送損特性を発現し、且つ良好な低吸湿性、はんだ耐熱性、銅箔引きはがし強さを兼ね備えている。したがって、1GHz以上の高周波信号を扱う移動体通信機器及びその基地局装置、サーバー、ルーター等のネットワーク関連電子機器及び大型コンピュータ等の各種電気・電子機器などに使用される印刷配線板の部材・部品用途として有用である。
11,21,31…内層回路基板、12,22…樹脂フィルム、12a,22a…樹脂層、13,23…金属箔、13a,23a…金属層、14,24…アンテナ回路層、15…ビアホール、32…銅張積層板、33,42…プリプレグ、41…コア基板、43…スルーホール。

Claims (10)

  1. マレイミド基、少なくとも2つのイミド結合を有する2価の基及び飽和又は不飽和の2価の炭化水素基を有する化合物を含有する高多層印刷配線板製造用の樹脂フィルム。
  2. 前記少なくとも2つのイミド結合を有する2価の基が、下記式(I)で表される基である、請求項1に記載の樹脂フィルム。
    Figure 2016131243

    [式(I)中、Rは4価の有機基を示す。]
  3. 前記飽和又は不飽和の2価の炭化水素基の炭素数が8〜100である、請求項1又は2に記載の樹脂フィルム。
  4. 前記飽和又は不飽和の2価の炭化水素基が下記式(II)で表される基である、請求項1又は2に記載の樹脂フィルム。
    Figure 2016131243

    [式(II)中、R及びRは各々独立に炭素数4〜50のアルキレン基を示し、Rは炭素数4〜50のアルキル基を示し、Rは炭素数2〜50のアルキル基を示す。]
  5. 前記化合物の重量平均分子量が、500〜10000である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂フィルム。
  6. 無機充填剤を更に含有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の樹脂フィルム。
  7. 請求項1〜6いずれか一項に記載の樹脂フィルムと、支持基材とを有する、高多層印刷配線板製造用の支持体付き樹脂フィルム。
  8. 請求項1〜6いずれか一項に記載の樹脂フィルムと、シート状繊維補強基材とを有する、高多層印刷配線板製造用のプリプレグ。
  9. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の樹脂フィルムの硬化物を含む樹脂層と、導体層とを有する、高多層用金属張積層板。
  10. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の樹脂フィルムの硬化物を含む樹脂層と、回路層とを備える、高多層印刷配線板。
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