JP2016128867A - 反射防止膜及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
<凹凸の平均高さ、凸部の平均頂点間距離の測定>
凹凸の平均高さは、走査プローブ顕微鏡(日立ハイテクサイエンス社製AFM5100)を用い、オリンパス社製カンチレバーOMCL−AC200TSを用いてダイナミックフォースモードで形状像を測定し、近接する凸部と凹部の高さの差を求めることで算出した。
<各波長における反射率、透過率の測定、視感反射率の算出、後方散乱量の算出>
各波長における反射率については、分光光度計(日立ハイテクサイエンス社製U−4100)及び角度可変絶対反射付属装置(日立ハイテクサイエンス社製U−4100用オプション)を用い、入射角10°、波長380〜780nmにおける正反射率を5nm間隔で測定した。反射率測定にあたっては裏面反射の影響を除くために、試料の基板裏面をマジックで黒く塗りつぶし、更に裏面に黒色テープを貼り測定した。
<全光線透過率、ヘイズ値の測定>
全光線透過率、ヘイズ値については、日本電色工業製NDH−5000を用いてJIS−K−7136に従い、基材を含めて測定した。なお、用いたガラス基板のヘイズ値は0.4%であった。
<透過色相>
透過色相については、上記で測定した各波長における透過率の値をJIS−Z−8701およびJIS−Z−8781の記載に従い、C光源、2度視野におけるL*a*b*表色系に変換し、透過色相a*、b*の値を算出した。
<マトリックスの屈折率、粒子の屈折率、Δnの測定>
マトリックスの屈折率については、粒子を添加せずにマトリックス成分(塗工液組成物における粒子以外の成分)のみで表面の平滑な硬化物を作製し、アタゴ社製アッベ屈折率計DR−M2を用い、25℃においてD線(波長589nm)における屈折率を測定した。粒子の屈折率については、粒子の分散媒を屈折率既知の液体で置換した際に可視光光源下で分散液が最も透明となる分散媒の屈折率を調べることで求めた。Δnはマトリックスの屈折率と、粒子の屈折率との差の絶対値を算出することで求めた。
冷却管、スターラーを備えたフラスコに平均粒径180nm、固形分濃度40wt%のコロイダルシリカ粒子水分散液(日産化学工業社製MP−2040)100部(10g)、エタノール150部(15g)、トリメトキシシリルプロピルメタクリレート(信越化学社製KBM−503)4部(0.4g)、28wt%アンモニア水2部(0.2g)を撹拌しながら加え、60℃で3時間反応させ室温まで冷却することで表面がメタクリレート基で修飾されたシリカ粒子を得た。なお、使用したシリカ粒子の粒径の分散度は4.4%であった。
実施例1において、エタノール900部(90g)を加えることで塗工液組成物(10wt%対固形分重量)を調製する代わりに、エタノール250部を加えることでシリカ塗工液組成物(固形分濃度40wt%)を調製した以外は実施例1と同じ方法で行った。反射防止膜の膜厚は3μm、Δnは0.04、Δn×h(μm)は0.12、凹凸平均高さは140nmであり、凸部の平均頂点間距離は300nmであった。
実施例2において、トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート(ダイセルオルネクス社製TMPEOTA)56部(5.6g)に代えて、トリメチロールプロパンプロポキシトリアクリレート(ダイセルオルネクス社製 EBECRYL135)56部(5.6g)を用いた以外は実施例2と同じ方法で行った。
実施例1において、平均粒径180nm、固形分濃度40wt%のコロイダルシリカ粒子水分散液(日産化学工業社製MP−2040)100部(10g)に代えて、平均粒径210nm、粒径の分散度3.2%のシリカ粉末(日本触媒製 KEP−20)40部(4g)を用いた以外は実施例1と同じ方法で行った(塗工液のシリカ粒子/マトリックス重量比は40/60、体積比は27/73)。
実施例1において、平均粒径180nm、固形分濃度40wt%のコロイダルシリカ粒子水分散液(日産化学工業社製MP−2040)100部(10g)に代えて、平均粒径150nm、固形分濃度40wt%、粒径の分散度8.9%のコロイダルシリカ粒子水分散液(日揮触媒化成製カタロイド)100部(10g)を用いた以外は実施例1と同じ方法で行った。
実施例1において、トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート(ダイセルオルネクス社製TMPEOTA)の添加量を56部(5.6g)に代えて、22.7部(2.27g)とし、シリカ/マトリックス重量比を40/60に代えて、60/40とし、シリカ/マトリックス体積比を27/73に代えて、45/55とした以外は実施例1と同様に行った。
実施例1において、トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート(ダイセルオルネクス社製TMPEOTA)の添加量を56部(5.6g)に代えて、89.3部(8.93g)とし、シリカ/マトリックス重量比を40/60に代えて、30/70とし、シリカ/マトリックス体積比を27/73に代えて、19/81とした以外は実施例1と同
様に行った。
実施例4において、平均粒径210nm、粒径の分散度3.2%のシリカ粉末(日本触媒製 KEP−20)を40部(4g)用いたのに代えて、平均粒径210nm、粒径の分散度3.2%のシリカ粉末(日本触媒製 KEP−20)26部(2.6g)及び平均粒径150nm、固形分濃度40wt%、粒径の分散度8.9%のコロイダルシリカ粒子水分散液(日揮触媒化成製カタロイド)35部(3.5g)用いた以外は実施例4と同じ方法で行った(粒子の個数比は150nm:210nm=3:2、混合粒子系の平均粒径は180nm、粒径の分散度は21.5%、塗工液のシリカ/マトリックス重量比は40/60、体積比は27/73)。
実施例1において、平均粒径180nm、固形分濃度40wt%のコロイダルシリカ粒子水分散液(日産化学工業社製MP−2040)100部(10g)に代えて、平均粒径300nmのシリカ粉末(日本触媒製 KEP−30)40部(4g)を用いた以外は実施例2と同じ方法で行った。なお、使用したシリカ粒子の粒径の分散度は3.3%であった。
比較例1において、エタノール900部(90g)を加えることで塗工液組成物(固形分濃度10wt%)を調製したのに代えて、エタノールを加えず、固形分濃度100wt%の塗工液組成物を用いた以外は比較例1と同じ方法で行った。
実施例1において、エタノール900部(90g)を加えることで塗工液組成物(固形分濃度10wt%)を調製したのに代えて、エタノールを加えず、固形分濃度100wt%の塗工液組成物を用いた以外は比較例1と同じ方法で行った。
実施例1において、平均粒径180nm、固形分濃度40wt%のコロイダルシリカ粒子水分散液(日産化学工業社製MP−2040)100部(10g)に代えて、平均粒径100nm、固形分濃度40wt%のコロイダルシリカ粒子水分散液(日産化学工業社製MP−1040)100部(10g)のシリカ粒子水分散液を用い、3分間プラズマエッチングを行うことに代えて1.5分間プラズマエッチングを行った以外は実施例2と同じ方法で行った。
実施例1において、トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート(ダイセルオルネクス社製TMPEOTA)56部(5.6g)を添加せず、溶媒を留去せずに、得られた分散液をそのまま用いた以外は実施例1と同様に行った。得られた膜の凹凸構造を走査プローブ顕微鏡で観察したところ、粒子が凝集した形状を示しており、白濁した膜外観であった。得られた膜の物性を表3に合わせて示す。
実施例1において、プラズマエッチングを行わなかった以外は実施例1と同様の方法で行った。反射防止膜の膜厚は0.5μm、Δnは0.04、Δn×h(μm)は0.02、凹凸平均高さは10nmであり、凸部の平均頂点間距離は300nmであった。得られた膜の物性を表3に合わせて示す。
実施例1において、トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート(ダイセルオルネクス社製TMPEOTA)の添加量を56部に代えて、356部とし、シリカ/マトリックス重量比を40/60に代えて、10/90とし、シリカ/マトリックス体積比を27/73に代えて、6/94とした以外は実施例1と同様に行った。反射防止膜の膜厚は0.5μm、Δnは0.04、Δn×h(μm)は0.02、凹凸平均高さは140nmであり、凸部の平均頂点間距離は410nmであった。
実施例6において、平均粒径180nm、固形分濃度40wt%のコロイダルシリカ粒子水分散液(日産化学工業社製MP−2040)100部(10g)に代えて、平均粒径300nmのシリカ粉末(日本触媒製 KEP−30)40部(4g)を用いた以外は実施例6と同じ方法で行った。
冷却管、スターラーを備えたフラスコに平均粒径100nm、固形分濃度40wt%のコロイダルシリカ粒子水分散液(日産化学工業社製MP−1040)100部(10g)、メタノール150部(15g)、トリメトキシシリルプロピルメタクリレート(信越化学社製KBM−503)4部(0.4g)、28wt%アンモニア水2部(0.2g)を撹拌しながら加え、60℃で3時間反応させ室温まで冷却することで表面がメタアクリレート基で修飾されたシリカ粒子を得た。その後、樹脂としてウレタンアクリレート36部(3.6g)、ペンタエリスリトールトリアクリレート4部(0.4g)、ポリイソシアネート0.5部(0.05g)、エタノール150部(15g)を加えた。エバポレータにより溶媒を留去し、エタノール500部(50g)を加え再度溶媒を留去する操作を3回繰り返した。サンプル重量に変化がなくなるまでエバポレータで濃縮し、光開始剤(2−ヒドロキシ−2―メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、BASF社製DAROCURE1173)2.5部(0.25g)を加え、メタノール4900部(490g)を加えることでシリカ塗工液組成物(固形分濃度(全溶液量に対するシリカ及びアクリル樹脂、開始剤の量)2wt%)を調製した。
Claims (18)
- 粒子とマトリックスからなる反射防止膜であって、前記粒子の平均粒径が130nm以上であり、前記反射防止膜が表面に凹凸構造を有し、前記凹凸構造における凹凸の平均高さが90nm以上であり、前記凹凸構造の近接する凸部の平均頂点間距離が140〜350nmであり、かつ、前記反射防止膜中の粒子とマトリックスとの屈折率差Δn及び膜厚h(μm)の積Δn×hが0.2未満であることを特徴とする反射防止膜。
- 粒子の平均粒径が130〜250nmであることを特徴とする請求項1に記載の反射防止膜。
- マトリックスが90重量%以上の樹脂を含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の反射防止膜。
- 凹凸構造における凹凸の平均高さが100〜250nmであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の反射防止膜。
- ヘイズ値が2%以下であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の反射防止膜。
- 可視光波長域の全範囲において透過率が91%以上であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の反射防止膜。
- 全光線透過率が92%以上であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の反射防止膜。
- 後方散乱量が可視光波長域の全範囲において3%以下であることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の反射防止膜。
- 膜厚方向の粒子積層数が2層以上であることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載の反射防止膜。
- 反射防止膜中の粒子とマトリックスの屈折率差Δnと反射防止膜の膜厚h(μm)の積Δn×hが0.1未満であることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれかに記載の反射防止膜。
- 前記粒子が反射防止膜表面で主に非最密に充填されており、近接する凸部の平均頂点間距離から平均粒径を引いた値が10〜150nmであることを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれかに記載の反射防止膜。
- 凸部の頂点間距離の標準偏差が凸部の平均頂点間距離の20%以下であることを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれかに記載の反射防止膜。
- 反射防止膜表面の粒子が50個を超えた範囲で配列に規則性が認められることを特徴とする請求項1〜請求項12のいずれかに記載の反射防止膜。
- 前記粒子の粒径の分散度が5%未満であることを特徴とする請求項1〜請求項13のいずれかに記載の反射防止膜。
- 前記粒子とマトリックスの体積比が粒子/マトリックス=10/90〜70/30であることを特徴とする請求項1〜請求項14のいずれかに記載の反射防止膜。
- 前記粒子がシリカ粒子であり、前記樹脂がアクリル基又はメタクリル基を有する電子線又は紫外線硬化性樹脂であることを特徴とする請求項1〜請求項15のいずれかに記載の反射防止膜。
- 前記粒子がシリカ粒子であり、前記樹脂がエチレングリコール基又はプロピレングリコール基を有する2官能以上のアクリレート又はメタクリレートの硬化物であることを特徴とする請求項1〜請求項16のいずれかに記載の反射防止膜。
- 平均粒径130〜250nmの粒子、電子線又は紫外線硬化性樹脂、及び有機溶媒を含む溶液を透明基材上に塗布し、硬化させた後、エッチングすることで請求項1〜請求項17のいずれかに記載の反射防止膜を製造することを特徴とする反射防止膜の製造方法。
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