JP2016128553A - ゴム組成物の製造方法、その製造方法で得られたゴム組成物及びそれを用いたタイヤ - Google Patents

ゴム組成物の製造方法、その製造方法で得られたゴム組成物及びそれを用いたタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】耐オゾン性及び加工性を兼ね備えたゴム組成物の製造方法を提供する。【解決手段】非極性共役ジエン系重合体とオレフィン系重合体と結合剤とカーボンブラックとを含むゴム組成物の製造方法であって、該ゴム組成物を複数段階で混練し、第一段階の混練で、非極性共役ジエン系重合体とオレフィン系重合体とを混練して熱可塑性組成物(A)を調製し、最終段階の混練で、結合剤とを配合することを特徴とするゴム組成物の製造方法である。【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム組成物の製造方法、その製造方法で得られたゴム組成物及びそれを用いたタイヤに関する。
従来から、タイヤ等のゴム製品の耐候性を向上するための種々の試みがなされている。特許文献1では、タイヤのサイドウォール外層を構成するゴム組成物として、エチレン/プロピレン比率が70/30〜80/20のエチレンプロピレンジエンゴムを含むゴム成分を有する、耐候性を向上したゴム組成物が開示されている。
また、特許文献2には、耐候性向上方法として、不飽和結合を有するゴム100質量部に対して、a)炭素数が18〜55である直鎖状あるいは分岐状、環状の炭化水素化合物からなるワックスと、b)平均分子量が1500〜8000であって、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド比が10/90〜80/20であるポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイド共重合体とをそれぞれ外配で1.0〜5.0質量部配合することを特徴とするゴム組成物を用いることが提案されている。
特開平8−231773号公報 特開2007−186565号公報
しかしながら、タイヤ等のゴム製品の耐候性を向上することは依然として要請されている。
本発明者は、タイヤ等のゴム製品の耐候性を向上するためには、ゴム組成物の耐オゾン性を向上することが重要であることに着目した。
本発明は、この着目点からなされたものであり、耐オゾン性の優れたゴム組成物の製造方法、耐オゾン性に優れたゴム組成物、及び耐オゾン性に優れたタイヤを提供することを課題とするものである。
また、本発明は、さらに、配合された結合剤が過剰反応した場合の粘度上昇を抑制するゴム組成物の製造方法を提供することを課題とするものである。
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、非極性共役ジエン系重合体とオレフィン系重合体を混練した後に、結合剤を添加してさらに混練することにより、その課題を解決し得るゴム組成物が得られることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
[1] 非極性共役ジエン系重合体とオレフィン系重合体と結合剤とカーボンブラックとを含むゴム組成物の製造方法であって、該ゴム組成物を複数段階で混練し、第一段階の混練で、非極性共役ジエン系重合体とオレフィン系重合体とを混練して熱可塑性組成物(A)を調製し、最終段階の混練で、結合剤とを配合することを特徴とするゴム組成物の製造方法、
[2] 前記第一段階の混練にて、カーボンブラックを配合する、上記[1]に記載のゴム組成物の製造方法、
[3] 前記結合剤は、フリーラジカル発生剤である、上記[1]又は[2]に記載のゴム組成物の製造方法、
[4] 前記フリーラジカル発生剤は、過酸化物、アゾ系重合開始剤から選ばれる少なくとも1種である、上記[3]に記載のゴム組成物の製造方法、
[5] 前記非極性共役ジエン系重合体が、ポリブタジエン、ブタジエン系共重合体、ポリイソプレン、イソプレン系共重合体から選ばれる1種以上の重合体である、上記[1]〜[4]のいずれかに記載のゴム組成物の製造方法。
[6] 前記オレフィン系重合体が、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体及びエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体から選ばれる1種以上の重合体である、上記[1]〜[5]のいずれかに記載のゴム組成物の製造方法。
[7] 前記複数段階の混練が、第一段階の混練、中間段階の混練、最終段階の混練からなり、そのいずれか1つの混練の工程において、さらに充填材が配合され、
前記充填材が、シリカ、シランカップリング剤、老化防止剤、加硫活性剤から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のゴム組成の製造方法、
[8] 上記[1]〜[7]のいずれかに記載のゴム組成の製造方法で得られたゴム組成物、
[9] 上記[8]に記載のゴム組成物を有する部材を備える、タイヤ
を提供するものである。
本発明によれば、耐オゾン性の優れたゴム組成物の製造方法、耐オゾン性に優れたゴム組成物、及び耐オゾン性に優れたタイヤを提供することができる。
また、本発明によれば、さらに、配合された結合剤が過剰反応した場合の粘度上昇を抑制するゴム組成物の製造方法を提供することができる。
まず、本発明のゴム組成物の製造方法について説明する。
[ゴム組成物の製造方法]
本発明のゴム組成物の製造方法は、非極性共役ジエン系重合体とオレフィン系重合体と結合剤とカーボンブラックとを含むゴム組成物の製造方法であって、該ゴム組成物を複数段階で混練し、第一段階の混練で、非極性共役ジエン系重合体とオレフィン系重合体とカーボンブラックを混練して熱可塑性組成物(A)を調製し、最終段階の混練で、加硫系薬品と結合剤とを配合することを特徴とする。
本発明におけるゴム組成物の混練工程は、結合剤を含まない混練の第一段階と、結合剤及び加硫系薬品を含む混練の最終段階の少なくとも2つの段階を含むものであり、必要に応じ、加硫系薬品を含まない混練の中間段階を含んでもよい。ここで、加硫系薬品とは、加硫に関わる薬品を示し、具体的には加硫剤及び加硫促進剤を示す。
ここで、本明細書では、混練の第一段階を、「マスターバッチ練り」ともいい、混練の最終段階は、加硫系薬品を配合して加硫を行う段階をいい、予備練りは、「前処理工程」ともいう。
なお、本発明における混練の第一段階とは、非極性共役ジエン系重合体とオレフィン系重合体とを混練して熱可塑性組成物(A)を調製する最初の段階をいい、最初の段階で非極性共役ジエン系重合体とオレフィン系重合体以外の充填材とを混練する場合や非極性共役ジエン系重合体とオレフィン系重合体のみを予備練りする場合の段階は含まれない。
本発明において、第一段階、中間段階などの最終段階より前の混練段階とは、非極性共役ジエン系重合体とオレフィン系重合体、無機充填剤、カップリング剤などの、加硫系薬品(加硫剤や加硫促進剤)以外の原材料を配合し、混練する工程であり、少なくとも非極性共役ジエン系重合体とオレフィン系重合体との海島構造を形成するための工程である。本発明では最終段階にて結合剤を配合することにより、また、発明の加硫後のゴム組成物におけるマトリックスとドメインとの間の界面に化学結合が形成され、耐オゾン性が向上する。また、本発明のゴム成分が、非極性共役ジエン系重合体とオレフィン系重合体を有することにより、結合剤の配合前の未加硫のゴム成分の粘度を下げることができる。本発明は、最終段階にのみ結合剤を加えることで、第一段階、中間段階の混練時のゲル発生を抑えることができるため、未加硫時のゴム組成物の粘度上昇が抑制される。
<非極性共役ジエン系重合体>
本発明における非極性共役ジエン系重合体としては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、天然ゴム、スチレン−ブタジエン−ランダム共重合体、スチレン−イソプレン−ランダム共重合体、エチレン−ブタジエン共重合体及びプロピレン−ブタジエン共重合体から選ばれる1種以上の重合体であることが好ましく、ポリブタジエン、ブタジエン系重合体、ポリイソプレン、イソプレン系共重合体から選ばれる1種以上の重合体であることが特に好ましい。
本発明に係る非極性共役ジエン系重合体には、重合開始末端又は重合活性末端で極性基含有化合物により変性された変性非極性共役ジエン系重合体も包含される。
<オレフィン系重合体>
本発明におけるオレフィン系重合体は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−プロピレン共重合体(EPM)及びエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)から選ばれる1種以上の重合体である。ポリエチレン(PE)としては、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)であることが好ましい。
<結合剤>
本発明の加硫後のゴム組成物における、非極性共役ジエン系重合体とオレフィン系重合体との界面に化学結合が存在することが好ましい。ここで、化学結合とは、共有結合、配位結合、水素結合、ファンデルワールス結合等が挙げられるが、結合の安定性が高い共有結合が好ましい。
そこで、本発明における結合剤は、フリーラジカル発生剤であることが好ましい。
フリーラジカル発生剤としては、過酸化物、アゾ系重合開始剤から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
〔過酸化物〕
過酸化物は、無機過酸化物と有機過酸化物とが挙げられるが、タイヤ用のゴム組成物の場合には、有機過酸化物が好ましい。
有機過酸化物としては、
ジクミルペルオキシド;
α,α’−(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン;
t−ブチルクミルペルオキシド;
2,5−ジメチル−2,5−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン;
2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等のジアルキルペルオキシド類、
1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン;
1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン;
4,4−ジ(t−ブチルパーオキシ)吉草酸n−ブチル;
2,2−ジ(t−ブチルパーオキシ)ブタン;
4,4−ジ(t−ブチルパーオキシ)バレリアン酸n一ブチルエステル;
1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン;
2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン)プロパンなどのパーオキシケタール類、
パーオキシネオデカン酸2,2,4−トリメチルペンチル;
パーオキシネオデカン酸α−クミル;
パーオキシネオヘキサン酸t−ブチル;
パーオキシネオピバリン酸t−ブチル;
パーオキシ酢酸t−ブチル;パーオキシラウリル酸t−ブチル;
パーオキシ安息香酸t−ブチル;
パーオキシフタル酸t−ブチル;
パーオキシイソフタル酸t−ブチル;パーオキシ安息香酸t−ヘキシルなどのアルキルパーエステル類などが挙げられる。
これらの有機過酸化物の使用量は、状況に応じて適宜選定すればよいが、ポリマー成分(共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体と、非共役オレフィン重合体の総質量)100質量部に対して0.01〜1.0質量部の範囲が好ましい。
〔アゾ系重合開始剤〕
アゾ系重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル(AMBN)、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル(ADVN)、2,2’−アゾビス−4−アゾビスシアノバレリックアシッド(塩)(ACVA)などが挙げられる。
これらのアゾ系重合開始剤の使用量は、状況に応じて適宜選定すればよいが、ポリマー成分(共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体と、非共役オレフィン重合体の総質量)100質量部に対して0.01〜1.0質量部の範囲が好ましい。
(充填材)
本発明のゴム組成物においては、必要に応じ、充填材を配合することができる。
充填材としては、カーボンブラック及びシリカから1種以上選ばれる充填材が好ましく用いられる。
前記カーボンブラックとしては特に制限はなく、従来ゴムの充填材として使用されているものの中から、任意のものを適宜選択して用いることができる。例えば、SRF、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAFなどが用いられ、特に耐屈曲性及び耐破壊性に優れるFEF、HAF、ISAF、SAF等が好適に挙げられ、窒素吸着比表面積NSA(JIS K 6217−2:2001に準拠する。)が30〜150m/gであることが好ましく、35〜130m/gであることがさらに好ましい。
このカーボンブラックは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
一方、シリカとしては、例えば湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウムなどが挙げられるが、中でも湿式シリカが好ましい。
この湿式シリカのBET比表面積(ISO 5794/1に基づき測定する。)は40〜350m/gであるのが好ましい。BET比表面積がこの範囲であるシリカは、ゴム補強性とゴム成分中への分散性とを両立できるという利点がある。この観点から、BET比表面積が80〜300m/gの範囲にあるシリカが更に好ましい。このようなシリカとしては東ソー・シリカ(株)社製「ニプシルAQ」、「ニプシルKQ」、デグッサ社製「ウルトラジルVN3」等の市販品を用いることができる。
このシリカは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のゴム組成物においては、カーボンブラック及びシリカから1種以上選ばれる充填材の配合量は、ゴム成分(マトリックス及びドメインの総質量)100質量部に対して、20〜120質量部であることが好ましく、35〜100質量部であることがより好ましい。充填材の配合量が20質量部以上であれば、補強効果が発揮され、一方120質量部以下であれば、転がり抵抗が大きくなりすぎることはない。
(シランカップリング剤)
本発明のゴム組成物においては、充填材としてシリカを用いる場合、その補強性をさらに向上させる目的で、シランカップリッグ剤を配合することができる。
このシランカップリング剤としては、例えばビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィドなどが挙げられるが、これらの中で補強性改善効果などの点から、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィドおよび3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアジルテトラスルフィドが好適である。
これらのシランカップリング剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明のゴム組成物においては、好ましいシランカップリング剤の配合量は、シランカップリング剤の種類などにより異なるが、シリカ100質量部に対して、好ましくは2〜20質量部の範囲で選定される。この量が2質量部未満ではカップリング剤としての効果が充分に発揮されにくく、また、20質量部を超えるとゴム成分のゲル化を引き起こすおそれがある。カップリング剤としての効果およびゲル化防止などの点から、このシランカップリング剤の好ましい配合量は、シリカ100質量部に対して、5〜15質量部の範囲である。
(その他の配合剤)
本発明のゴム組成物には、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望により、通常ゴム工業界で用いられる各種薬品、例えば、加硫促進剤、スコーチ防止剤、亜鉛華、ステアリン酸などを含有させることができる。
本発明で使用できる加硫促進剤は、特に限定されるものではないが、例えば、M(2−メルカプトベンゾチアゾール)、DM(ジベンゾチアジルジスルフィド)等のチアゾール系、CZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)、TBBS(N−(tert−ブチル)−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)、DZ(N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)、NOBS(N−オキシジエチレン-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)等のスルフェンアミド系、あるいはDPG(1,3−ジフェニルグアニジン)等のグアニジン系の加硫促進剤等を挙げることができ、その配合量は、ゴム成分(マトリックス及びドメインの総質量)100質量部に対し、0.1〜5.0質量部が好ましく、さらに好ましくは0.2〜3.0質量部である。
老化防止剤は、例えば3C(N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、6C[N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン]、AW(6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン)、ジフェニルアミンとアセトンの高温縮合物等を配合することができる。
また、加硫活性剤としては、例えば、亜鉛華等が挙げられる。
本発明のゴム組成物の製造方法において、通常、ゴム組成物に配合される亜鉛華等の加硫活性剤、老化防止剤等の各種配合剤は、必要に応じ、混練の第一段階又は最終段階、あるいは第一段階と最終段階の中間段階において混練りされる。
本発明の製造方法における混練装置として、バンバリーミキサー、ロール、インテンシブミキサー、ニーダー、二軸押出機等が用いられる。
このようにして調製された本発明のゴム組成物は、タイヤ、特に空気入りタイヤの耐オゾン性を大幅に向上し得る。
[タイヤ]
本発明のタイヤ、特に空気入りタイヤは、前述した本発明のゴム組成物をサイドウォール表層部用部材及びトレッド接地部用部材の少なくとも1種以上の部材に用いることが耐オゾン性を大幅に向上させる観点から好ましい。
本発明のタイヤは、通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて、上記のように各種薬品を含有させた本発明のゴム組成物が未加硫の段階で、サイドウォール表層部用部材及び/又はトレッド用部材に押出し加工され、タイヤ成形機上で通常の方法により貼り付け成形され、生タイヤが成形される。この生タイヤを加硫機中で加熱加圧して、タイヤが得られる。
タイヤ内に充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を変えた空気、又は窒素などの不活性ガスを用いることができる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。なお、各種の測定及び評価法は下記の方法に基づいて行った。
(1)耐オゾン性(耐候性)
JIS K 6259に従って耐オゾン性を測定した。各実施例及び比較例で得られた加硫ゴムのサンプルについて、20mm×100mm×1.0mmの試験片とし、表面をアセトン洗浄した直後に、30%の動的伸張を与えながら、40℃、オゾン濃度50pphmの恒温槽中に48時間放置し、上記処理がなされた試験片を撮影した。
得られた画像から、試料全体に対する亀裂の面積の割合を算出し、比較例1を100として規格化した。亀裂が全くないと0となり、値が小さいほど耐オゾン性が高い。なお、80以下を合格とした。評価結果を表1、2に示す。
(2)粘度
JIS K 6300に準じて、第一段階の混練で得られた未加硫ゴムの粘度を測定し、比較例2を100として規格化した。評価結果を表1、2に示す。
(3)ポリオレフィンの弾性率
使用したポリオレフィンについて、JIS K 6394に準じて粘弾性測定を行い、歪0.1%の時の貯蔵せん断弾性係数を算出した。評価結果を表1、2に示す。
製造例1(エチレン−ブタジエン共重合体 (EBR)の調製)
十分に乾燥した1L耐圧ステンレス反応器に、トルエン溶液200gを添加した後、エチレンを1.5MPaで導入した。一方、窒素雰囲気下のグローブボックス中で、ガラス製容器にビス(2−フェニルインデニル)ガドリニウムビス(ジメチルシリルアミド)[(2−PhCGdN(SiHMe]35.7μmol、ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート[MeNHPhB(C]39μmol、およびジイソブチルアルミニウムハイドライド0.70mLを仕込み、トルエン20mLに溶解させて触媒溶液とした。次にグローブボックスから触媒溶液を取り出し、全量を重合溶液に添加した。その後、1,3−ブタジエンを含むトルエン溶液を1,3−ブタジエン換算で1.4g/minの速度にて260分間連続的に添加したのち、さらに10分間重合を行った。重合後、2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(NS−5)5質量%のイソプロパノール溶液2mLを加えて反応を停止させ、更に大量のメタノールで共重合体を分離し、70℃で真空乾燥し、エチレン−ブタジエン共重合体(EBR)を得た。得られたEBRの収量は92gであった。
得られたEBRについて、エチレン含有率、重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)を下記の方法で測定した。
その結果、得られたEBR中のブタジエン部分のミクロ構造として、シス−1,4結合量は98%、1,2−ビニル結合量は1.2%であった。重量平均分子量Mwは350000であり、分子量分布Mw/Mnは、3.2であった。また、エチレン含有率は22mol%(ブタジエン含有率は78mol%)であった。
ブロックポリエチレン融解温度(DSCピーク温度)は、106℃であり、連鎖構造はブロックであった。
実施例1〜5及び比較例2
表1、2に示す各配合処方に基づき、バンバリーミキサーを用いて、開始温度110℃、回転速度70rpm、で、3分、表1、2に示すマスターバッチ練り工程(混練の第一段階)を行った後、酸化亜鉛、加硫促進剤、硫黄及び結合剤を最終練り工程(混練の最終段階)にて混練りし、各実施例及び比較例のゴム組成物を調製した。
得られた各ゴム組成物を160℃、30分の加硫条件で加硫して所定の試験片を作成した後、耐オゾン性と耐亀裂成長性を評価した。結果を表1、2に示す。
比較例1、3及び4
表2に示す各配合処方に基づき、バンバリーミキサーを用いて、まず、開始温度110℃、回転速度70rpm、で、3分、表2に示す予備練工程(前処理工程)を行った後、開始温度110℃、回転速度70rpm、で、3分、表2に示すマスターバッチ練り工程(混練の第一段階)を行った後、酸化亜鉛、加硫促進剤、硫黄及び結合剤を最終練り工程(混練の最終段階)にて混練りし、各実施例及び比較例のゴム組成物を調製した。
得られた各ゴム組成物を160℃、30分の加硫条件で加硫して所定の試験片を作成した後、耐オゾン性と耐亀裂成長性を評価した。結果を表2に示す。
[注]
※1: ポリブタジエン: JSR株式会社製ポリブタジエンゴム、商品名「BR01」
※2: PE−1;エチレン−プロピレン 共重合体: 日本ポリエチレン株式会社製EPM、商品名「カーネル KS340T」、「カーネル」は登録商標
※3: PE−2;ポリエチレン: 宇部丸善ポリエチレン株式会社製、商品名「ユメリット 613A」、「ユメリット」は登録商標
※4: PE−3;ポリエチレン: 宇部丸善ポリエチレン株式会社製、商品名「ユメリット 0540F」、「ユメリット」は登録商標
※5: カーボンブラック: 東海カーボン株式会社製、商品名「シーストF」
※6:老化防止剤: N−フェニル−N'−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン、大内新興化学工業株式会社)製、商品名「ノクラック6C」
※7: 加硫促進剤: ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラーDM−P」
※8: 加硫促進剤: N−(tert−ブチル)−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラーNS−P」
※9: 有機過酸化物: ジクミルペルオキシド(純度40質量%)、日油株式会社製、商品名「パークミルD−40」
※10: EBR: 製造例1に記載のもの、エチレン含有率は22mol%、重量平均分子量Mwは350000
※11: ニトリルゴム:JSR株式会社製アクリロニトリルブタジエンゴム、商品名「JSR 260S」
※12:変性PE:住友精化株式会社製、商品名「フロービーズ EA209」(エチレン−アクリル酸共重合体、平均粒径10μm)
表1、2に記載の各ポリオレフィンの弾性率は下記に示す通りである。
BRを70質量%とPE−1を30質量%からなるポリオレフィンの弾性率は、3MPaである。
BRを70質量%とPE−2を30質量%からなるポリオレフィンの弾性率は、50MPaである。
BRを70質量%とPE−3を30質量%からなるポリオレフィンの弾性率は、100MPaである。
EBRを70質量%とPE−2を30質量%からなるポリオレフィンの弾性率は、50MPaである。
EBRを70質量%とPE−3を30質量%からなるポリオレフィンの弾性率は、100MPaである。
NBRを70質量%とPE−3を30質量%からなるポリオレフィンの弾性率は、100MPaである。
NBRを70質量%と変性PEを30質量%からなるポリオレフィンの弾性率は、50MPaである。
表1、2から明らかなように、最終段階にて結合剤を配合することにより、また、発明の加硫後のゴム組成物におけるマトリックスとドメインとの間の界面に化学結合が形成され、耐オゾン性が向上する。
また、混練温度が上昇する混練の第一段階に結合剤を配合しないことで、混練時の結合剤の過剰反応を抑制することができ、粘度上昇を抑制させることが分かる。
本発明のゴム組成物は、タイヤ、特に空気入りタイヤの耐オゾン性を大幅に向上させ得るので乗用車用(軽乗用車用も含まれる)、軽トラック用、トラック・バス用及びオフザロードタイヤ用(建設車両用、鉱山車両用)の各種タイヤ、特に空気入りタイヤのサイドウォール表層用部材、トレッド接地部用部材などに好適に用いられ、特に乗用車用空気入りタイヤのサイドウォール表層用部材及びトレッド接地部用部材などに好適に用いられる。

Claims (9)

  1. 非極性共役ジエン系重合体とオレフィン系重合体と結合剤とカーボンブラックとを含むゴム組成物の製造方法であって、該ゴム組成物を複数段階で混練し、第一段階の混練で、非極性共役ジエン系重合体とオレフィン系重合体とを混練して熱可塑性組成物(A)を調製し、最終段階の混練で、結合剤とを配合することを特徴とするゴム組成物の製造方法。
  2. 前記第一段階の混練にて、カーボンブラックを配合する、請求項1に記載のゴム組成物の製造方法。
  3. 前記結合剤は、フリーラジカル発生剤である、請求項1又は2に記載のゴム組成物の製造方法。
  4. 前記フリーラジカル発生剤は、過酸化物、アゾ系重合開始剤から選ばれる少なくとも1種である、請求項3に記載のゴム組成物の製造方法。
  5. 前記非極性共役ジエン系重合体が、ポリブタジエン、ブタジエン系共重合体、ポリイソプレン、イソプレン系共重合体から選ばれる1種以上の重合体である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のゴム組成物の製造方法。
  6. 前記オレフィン系重合体が、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体及びエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体から選ばれる1種以上の重合体である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のゴム組成物の製造方法。
  7. 前記複数段階の混練が、第一段階の混練、中間段階の混練、最終段階の混練からなり、そのいずれか1つの混練の工程において、さらに充填材が配合され、
    前記充填材が、シリカ、シランカップリング剤、老化防止剤、加硫活性剤から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のゴム組成の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のゴム組成の製造方法で得られたゴム組成物。
  9. 請求項8に記載のゴム組成物を有する部材を備える、タイヤ。
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