JP2016127014A - 端子の保護部材及び保護部材付き配線部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】本技術は、端子付き電線の端子を一時的に保護し、かつ、容易に取り外すことができる端子の保護部材及び保護部材付き配線部材に関する。【解決手段】端子の保護部材は、本体部1と、スライド部2とを備える。スライド部2は、本体部1に対してスライド可能に形成される。本体部1には、キャビティ11と交差し、かつ、貫通する第1開口が形成される。スライド部2には、キャビティ11と連通可能な第2開口が形成される。スライド部2は、第2開口をキャビティ11と連通させた状態で、抜け止め部が端子4bを抜け止めする第1位置と、抜け止め部が端子4bの抜け止めを解除する第2位置との間で移動可能に嵌め込まれる。【選択図】図7
Description
本技術は、端子の保護部材及び保護部材付き配線部材に関するものである。
自動車などの車両用のワイヤーハーネスは、製造工程の効率化の観点から、搭載される車両によっては不要となる電線又は部品などを含む態様で車両へ搭載される場合がある。
このような搭載の態様は、車両におけるワイヤーハーネスの重量が不必要に増加してしまうため望ましくない。そこで、ワイヤーハーネスが搭載される車両によっては不要となる電線又は部品などを後から別途搭載する方法が提案されている。すなわち、ワイヤーハーネスが搭載される車両間で共通して必要となるワイヤーハーネス(共通ワイヤーハーネス)が車両に搭載された状態で、車両によって要不要が異なるワイヤーハーネス(オプションワイヤーハーネス)をさらに搭載する方法である。
上記の搭載方法では、オプションワイヤーハーネスが車両に搭載されるまでの間、オプションワイヤーハーネスにおける端子付き電線の端子が露出した状態となる。よって、当該端子が外力によって損傷するなどの要因で、オプションワイヤーハーネスが車両に搭載される際に、端子がコネクタなどに適切に挿入できなくなる場合がある。
このような事態を防止する手段として、端子がコネクタなどに挿入されるまでの間、当該端子を一時的に保護する端子の保持部品及びカバーが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
しかし、例えば、特許文献1に示されるような端子の保持部品及びカバーが用いられる場合、これらを端子付き電線の端子から取り外すためには、カバーと端子の保持部品とを固定するためのバンドを外し、さらにカバーを外した後に端子の保持部品を外すなどの作業が必要であった。よって、より容易に端子から取り外すことができる端子の保護部材が求められる。
本技術は、上記のような問題を解決するものであり、端子付き電線の端子を一時的に保護し、かつ、容易に取り外すことができる端子の保護部材及び保護部材付き配線部材に関するものである。
本技術の第1態様に関する端子の保護部材は、電線の端部に接続された端子の保護部材であり、前記端子が挿入されるキャビティを備える本体部と、前記本体部に対してスライド可能に形成されるスライド部とを備え、前記本体部には、前記キャビティと交差し、かつ、貫通する第1開口が形成され、前記スライド部は、前記本体部における前記第1開口に嵌め込まれ、かつ、前記第1開口の軸方向にスライド可能であり、前記スライド部には、前記キャビティと連通可能な第2開口が形成され、前記第2開口の内壁面において、抜け止め部が形成され、前記スライド部は、前記第2開口を前記キャビティと連通させた状態で、前記抜け止め部が前記端子を抜け止めする第1位置と、前記抜け止め部が前記端子の前記抜け止めを解除する第2位置との間で移動可能に嵌め込まれる。
本技術の第2態様に関する端子の保護部材は、第1態様に関する端子の保護部材であって、前記抜け止め部は、前記内壁面に形成された突起であり、前記スライド部は、前記突起が前記端子に引っかかる前記第1位置と、前記突起の前記端子に対する引っかかりが解除される前記第2位置との間で移動可能に嵌め込まれる。
本技術の第3態様に係る端子の保護部材は、第1態様又は第2態様に関する端子の保護部材であって、前記キャビティの延在方向及び前記端子の幅方向の両方に直交する前記端子の厚み方向に沿って前記スライド部がスライド移動可能に構成されている。
本技術の第4態様に関する端子の保護部材は、第1態様から第3態様のいずれか1つに関する端子の保護部材であって、前記端子が前記抜け止め部によって保持された状態、及び、前記端子の保持が解除された状態のいずれか一方の状態において、前記本体部の前記第1開口が形成される第1面と前記スライド部の前記第1開口の前記軸方向と交差する上面とが同一平面上に位置し、かつ、前記本体部の前記第1面の反対側の面である第2面と前記スライド部の前記上面の反対側の面である下面とが同一平面上に位置する。
本技術の第5態様に関する端子の保護部材は、第1態様から第3態様のいずれか1つに関する端子の保護部材であって、前記端子が前記抜け止め部によって保持された状態、及び、前記端子の保持が解除された状態の双方の状態において、前記スライド部の前記第1開口の前記軸方向と交差する上面が前記本体部の前記第1開口が形成される第1面に対して突出して位置する、又は、前記スライド部の前記上面の反対側の面である下面が前記本体部の前記第1面の反対側の面である第2面に対して突出して位置する。
本技術の第6態様に係る端子の保護部材は、第4態様又は第5態様に関する端子の保護部材であって、前記本体部が、前記第1面に対して突出する前記スライド部の前記上面の一部、又は、前記第2面に対して突出する前記スライド部の前記下面の一部、又は、前記上面の一部及び前記下面の一部の両方を覆うように設けられたカバー部を備える。
本技術の第7態様に係る端子の保護部材は、第1態様から第3態様のいずれか1つに関する端子の保護部材であって、前記キャビティの延在方向及び前記端子の厚み方向の両方に直交する前記端子の幅方向に沿って前記スライド部がスライド移動可能に構成されている。
本技術の第8態様に係る端子の保護部材は、第1態様又は第2態様又は第7態様に関する端子の保護部材であって、前記端子が前記抜け止め部によって保持された状態、及び、前記端子の保持が解除された状態のいずれか一方の状態において、前記本体部の前記第1開口が形成される第3面と前記スライド部のうち前記第1開口の前記軸方向と交差する第1側面とが同一平面上に位置し、かつ、前記本体部の前記第3面の反対側の面である第4面と前記スライド部のうち前記第1側面の反対側の面である第2側面とが同一平面上に位置する。
本技術の第9態様に係る端子の保護部材は、第1態様又は第2態様又は第7態様に関する端子の保護部材であって、前記端子が前記抜け止め部によって保持された状態、及び、前記端子の保持が解除された状態の双方の状態において、前記スライド部のうち前記第1開口の前記軸方向と交差する第1側面が前記本体部の前記第1開口が形成される第3面に対して突出して位置する、又は、前記スライド部のうち前記第1側面の反対側の面である第2側面が前記本体部の前記第3面の反対側の面である第4面に対して突出して位置する。
本技術の第10態様に係る端子の保護部材は、第8態様又は第9態様に関する端子の保護部材であって、前記本体部が、前記第3面に対して突出する前記スライド部の前記第1側面の一部、又は、前記第4面に対して突出する前記スライド部の前記第2側面の一部、又は、前記第1側面の一部及び前記第2側面の一部の両方を覆うように設けられたカバー部を備える。
本技術の第11態様に関する保護部材付き配線部材は、電線の端部に端子が接続された端子付き電線と、前記端子が挿入されるキャビティを備える本体部と、前記本体部に対してスライド可能に形成されるスライド部とを備え、前記本体部には、前記キャビティと交差し、かつ、貫通する第1開口が形成され、前記スライド部は、前記本体部における前記第1開口に嵌め込まれ、かつ、前記第1開口の軸方向にスライド可能であり、前記スライド部には、前記キャビティと連通可能な第2開口が形成され、前記第2開口の内壁面において、抜け止め部が形成され、前記スライド部は、前記第2開口を前記キャビティと連通させた状態で、前記抜け止め部が前記端子を抜け止めする第1位置と、前記抜け止め部が前記端子の前記抜け止めを解除する第2位置との間で移動可能に嵌め込まれる。
上記の端子の保護部材及び保護部材付き配線部材によれば、端子付き電線の端子を適切に保護することができる。また、貫通する第1開口の軸方向に外部からスライド部を押してスライド部をスライドさせることにより、容易に端子付き電線の端子から端子の保護部材を取り外すことができる。
特に、第2態様に関する端子の保護部材によれば、貫通する第1開口の軸方向に外部からスライド部を押してスライド部を移動させるだけで、端子の保持及びその解除が容易に実現できる。
特に、第3態様に関する端子の保護部材によれば、端子の厚み方向に沿ってスライド部がスライド移動可能に構成されている。この場合、抜け止め部が上方若しくは下方から端子に近づく方向に移動するため、抜け止め部が端子に引っ掛かる状態を作り易い。
特に、第4態様に関する端子の保護部材によれば、本体部の第1面とスライド部の上面とが同一平面上に位置し、かつ、本体部の下面とスライド部の下面とが同一平面上に位置する状態では、端子付き電線の端子の保持及び当該保持の解除の、外力による意図しない切り替えが生じにくくなる。
特に、第5態様に関する端子の保護部材によれば、ロック状態及びロック解除状態のいずれの状態においても、スライド部の上面が本体部の第1面に対して突出して位置する、又は、スライド部の下面が本体部の第2面に対して突出して位置するため、貫通する第1開口の軸方向に外部からスライド部を押してスライド部をスライドさせる操作がしやすい。
特に、第6態様に関する端子の保護部材によれば、本体部に設けられたカバー部により、想定しない外力がスライド部に加わることを抑制できる。即ち、不意に端子のロック状態が解除されること若しくはロックされることを抑制できる。
特に、第7態様に関する端子の保護部材によれば、端子の幅方向に沿ってスライド部がスライド移動可能に構成されている。この場合、本体部の作業台等に対する設置面が、スライド部をスライドさせた際に変わらない。このため、本体部の作業台等に対する設置面のがたつきを抑制できる。
特に、第8態様に関する端子の保護部材によれば、本体部の第3面とスライド部の第1側面とが同一平面上に位置し、かつ、本体部の第4面とスライド部の第2側面とが同一平面上に位置する状態では、端子付き電線の端子の保持及び当該保持の解除の、外力による意図しない切り替えが生じにくくなる。
特に、第9態様に関する端子の保護部材によれば、ロック状態及びロック解除状態のいずれの状態においても、スライド部の第1側面が本体部の第3面に対して突出して位置する、又は、スライド部の第2側面が本体部の第4面に対して突出して位置するため、貫通する第1開口の軸方向に外部からスライド部を押してスライド部をスライドさせる操作がしやすい。
特に、第10態様に関する端子の保護部材によれば、本体部に設けられたカバー部により、想定しない外力がスライド部に加わることを抑制できる。即ち、不意に端子のロック状態が解除されること若しくはロックされることを抑制できる。
本技術の目的、特徴、局面及び利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
以下、添付の図面を参照しながら実施形態について説明する。なお、図面は模式的に示されるものであり、異なる図面にそれぞれ示されている画像のサイズ及び位置の相互関係は、必ずしも正確に記載されるものではなく、適宜変更され得る。また、以下の説明では、同様の構成要素には同じ符号を付して図示し、それらの名称及び機能も同様のものとする。よって、それらについての詳細な説明を省略する場合がある。
また、以下の説明では、「上」、「下」、「側」、「底」、「表」又は「裏」などの特定の位置及び方向を意味する用語が用いられる場合があるが、これらの用語は、実施形態の内容を理解することを容易にするため便宜上用いられているものであり、実際に実施される際の方向とは関係しない。
<第1実施形態>
<構成>
以下、本実施形態に関する端子の保護部材について説明する。説明の便宜上、まず、保護対象である端子付き電線について説明する。
<構成>
以下、本実施形態に関する端子の保護部材について説明する。説明の便宜上、まず、保護対象である端子付き電線について説明する。
図1は、端子付き電線の構造を示す図である。図1に示されるように、端子付き電線4は、電線4aと、電線4aの端部に接続された端子4bとを備える。
電線4aは、銅又はアルミニウムなどの金属を主成分とする線材である芯線と、芯線の周囲を覆う絶縁被覆とを備える。絶縁被覆は、例えば、ポリエチレン、塩化ビニル又はポリアミド系ナイロンなどを主成分とする合成樹脂の部材である。
端子4bは、電線4aの端部に接続される。端子4bは、例えば、銅又はスズなどの金属を主成分とする金属の部材である。端子4bと電線4aとの接続方法としては、例えば、圧着又は溶接などがある。なお、端子4bは、凹部41を有する。本実施形態においては、4本の端子4bが端子の保護部材に収容されているが、少なくとも1つの端子4bが端子の保護部材に収容されていればよい。
図2及び図3は、本実施形態に関する端子の保護部材の構造を示す斜視図である。
図2及び図3に示されるように、本実施形態に関する端子の保護部材は、端子の保護部材の本体部1と、端子の保護部材の本体部1に対してスライド可能に形成されるスライド部2とを備える。図2では、スライド部2の上面が本体部1の上面と同一平面上に位置している。図3では、スライド部2の上面が本体部1の上面よりも下方に位置し、陥没している。
本体部1は、合成樹脂などからなる。本体部1には、主面から反対側の面に亘って貫通するキャビティ11が形成される。図2及び図3では、簡単のためキャビティ11の本体部1内部の構造については図示が省略されている。キャビティ11は、端子4bを収容できる程度の開口幅を有する。図2及び図3に示される端子の保護部材では、キャビティ11は、主面において4つ配列されるが、このような数及び配置に限られるものではない。また、キャビティ11は、主面にのみ開口を有する場合であってもよい。
また、本体部1には、キャビティ11の深さ方向とは交差する方向において貫通する、スライド部2が嵌め込まれる開口であるスライド開口12が形成される。スライド部2は、スライド開口12の軸方向にスライド可能である。スライド開口12の、本体部1の主面に沿う方向の開口幅は、当該幅方向の少なくとも1つのキャビティ11の、本体部1の主面と沿う方向における幅よりも大きい。スライド開口12とキャビティ11とは、互いに交差する。図2及び図3に示される端子の保護部材では、スライド開口12は本体部1の上面から下面に亘って貫通して形成されている。
スライド開口12は、本体部1の上面における開口部には凹部12aが形成され、また、本体部1の下面における開口部には凹部12bが形成される。凹部12a及び凹部12bは、ともに形成されなくてもよいが、図2及び図3においては、本体部1の上面及び下面の双方において形成されている。凹部12a及び凹部12bが形成された箇所は、他の部分よりもスライド開口12の開口幅が大きい。
図4及び図5は、スライド部2が本体部1から取り外された状態を示す図である。図4は、スライド部2を、スライド部2が本体部1に嵌め込まれた状態における本体部1の主面側から見た図であり、図5は、スライド部2を、スライド部2が本体部1に嵌め込まれた状態における本体部1の主面に対する側面側から見た図である。
スライド部2は、合成樹脂などからなる。そして、スライド部2には、スライド部2が本体部1のスライド開口12に嵌め込まれた状態における、本体部1の主面側からその反対側に亘って貫通する開口であるロック開口21が形成される。ロック開口21は、スライド部2が本体部1のスライド開口12に嵌め込まれた状態において、キャビティ11と繋がって1つの開口を形成する、すなわち、連通状態となることが可能である。また、スライド部2の上面には凸部22aが形成され、また、スライド部2の下面には凸部22bが形成される。凸部22a及び凸部22bは、ともに形成されなくてもよいが、図4及び図5においては、スライド部2の上下面において本体部1の主面側及びその反対側に形成されている。凸部22a及び凸部22bは、上述のスライド開口12における凹部12a及び凹部12bにそれぞれ対応して嵌め込まれ、スライド部2がスライドする際のストッパーとして機能する構造である。凸部22a及び凸部22bは、スライド部2に対して後付けされる部材であってもよい。また、凸部22a及び凸部22bは、凹部12a及び凹部12bとともに、スライド部2の上下面における本体部1の主面に対する側面側に形成されていてもよい。
ロック開口21は、図4及び図5におけるスライド方向としての上下方向の幅が、端子の保護部材内に収容された状態の端子4bの上下方向の幅よりも大きい。スライド部2のスライド方向における動きの幅は、ロック開口21の上下方向の幅に対応する。すなわち、ロック開口21の上下方向の幅と、収容される端子4bの上下方向の幅との差の分だけ、スライド部2が上下方向に移動する(スライドする)ことができる。
ロック開口21は、図4及び図5におけるスライド方向とは交差する方向である左右方向の幅が、収容される端子4bの左右方向の幅よりも大きい。本実施形態においては、4本の端子付き電線4が横方向に配列されて収容される例が記載されているが、この場合には、ロック開口21の左右方向の幅は、端子4bの4つ分の左右方向の幅よりも大きい。
<作用>
次に、図6から図8を参照しつつ、本実施形態に関する端子の保護部材の作用を説明する。図6から図8は、本実施形態に関する端子の保護部材の動作を示す図である。
次に、図6から図8を参照しつつ、本実施形態に関する端子の保護部材の作用を説明する。図6から図8は、本実施形態に関する端子の保護部材の動作を示す図である。
まず、図6に示されるように、凸部22bが凹部12bに嵌め込まれた状態とすることにより、スライド部2を本体部1に対して上方向にスライドさせた状態とする。この状態をロック解除状態ともいう。ここで、ロック開口21の上壁には、突起23が形成される。突起23は、収容された端子4bにおける例えば凹部41に嵌まり、引っかかる構造である。図6に示される突起23は、端子4bの挿入方向に延び出て形成され、かつ、スライド部2のスライド方向の下方向に垂れ下がって形成される。
次に、図7に示されるように、スライド部2の凸部22bが本体部1の凹部12bに嵌め込まれた状態で、端子の保護部材のキャビティ11内に端子付き電線4が挿入される。キャビティ11内に挿入された端子付き電線4は、ロック開口21の下壁に誘導されてキャビティ11奥の特定の位置に配置される。図7に示される場合では、端子付き電線4の端子4bの端部が、スライド部2の下壁に誘導された先の開口幅が狭くなったキャビティ11内に挿入された状態で配置される。このとき、端子4bにおける凹部41は、スライド部2のロック開口21内に配置される。
次に、図8に示されるように、凸部22aが凹部12aに嵌め込まれた状態とすることにより、スライド部2を本体部1に対して下方向にスライドさせた状態とする。当該状態とするためには、スライド部2の上面を下方向に押し下げればよい。このとき、ロック開口21の上壁に形成された突起23は、端子4bにおける凹部41内に挿入される。この状態をロック状態ともいう。
この状態では、端子付き電線4に電線4a側へ引っ張る外力が働いた場合であっても、突起23が凹部41に引っかかることで抜け止めがなされ、端子付き電線4は端子の保護部材内に保持される。よって、端子付き電線4の端子4bは、端子の保護部材内において適切に保護される。
また、端子付き電線4の端子4bから端子の保護部材を取り外す場合には、図7に示された状態に戻すため、スライド部2の下面を上方向に押し上げる。そうすることによって、凸部22bが凹部12bに嵌め込まれた状態となり、スライド部2が本体部1に対して上方向にスライドした状態となる。このとき、ロック開口21の上壁に形成された突起23は、端子4bにおける凹部41内から抜き出される。
この状態では、突起23による抜け止めが解除され、端子付き電線4に電線4a側へ引っ張る外力が働くと、端子付き電線4は端子の保護部材外へ取り出される。よって、端子付き電線4の端子4bから、端子の保護部材を取り外すことができる。
<変形例>
上記のスライド部2は、ロック解除状態で、本体部1のスライド開口12が形成される上面とスライド部2のスライド方向と交差する上面とが同一平面上に位置し、かつ、本体部1の下面とスライド部2の下面とが同一平面上に位置する。
上記のスライド部2は、ロック解除状態で、本体部1のスライド開口12が形成される上面とスライド部2のスライド方向と交差する上面とが同一平面上に位置し、かつ、本体部1の下面とスライド部2の下面とが同一平面上に位置する。
しかし、逆に、ロック状態、すなわち図8の状態で、本体部1のスライド開口12が形成される上面とスライド部2のスライド方向と交差する上面とが同一平面上に位置し、かつ、本体部1の下面とスライド部2の下面とが同一平面上に位置する場合であってもよい。
一方で、ロック解除状態及びロック状態のいずれの状態においても、スライド部の上面及び下面のいずれか一方は本体部と同一平面上に位置しない構造、すなわち、ロック解除状態及びロック状態のいずれの状態においても、スライド部のスライド方向と交差する上面が本体部のスライド開口12が形成される上面に対して突出して位置する、又は、スライド部の下面が本体部の下面に対して突出して位置する構造であってもよい。
図9及び図10は、本変形例に関する端子の保護部材の動作を示す図である。図9及び図10に示される本体部1aには、本体部1における凹部12aとは異なる深さを有する凹部12cが形成される。また、図9及び図10に示されるスライド部2aは、スライド部2における場合よりも、ロック開口21の上方部分の上下方向の厚さが厚く形成される。
まず、図9に示されるように、ロック解除状態においては、凸部22bが凹部12bに嵌め込まれた状態とすることにより、スライド部2aを本体部1aに対して上方向にスライドさせた状態とする。このとき、スライド部2aの下面と本体部1aの下面とが同一平面上に位置している一方で、スライド部2aの上面は本体部1aの上面よりも突出した位置、すなわち高い位置にある。
また、図10に示されるように、ロック状態においては、凸部22aが凹部12cに嵌め込まれた状態とすることにより、スライド部2aを本体部1aに対して下方向にスライドさせた状態とする。このとき、スライド部2aの上面と本体部1aの上面とが同一平面上に位置している一方で、スライド部2aの下面は本体部1aの下面よりも突出した位置、すなわち低い位置にある。
なお、図9及び図10における場合では、凹部12aとは異なる深さを有する凹部12cが示されているが、凹部12aを有する構造で、ロック解除状態及びロック状態のいずれの状態においても、スライド部の上面及び下面のいずれか一方は本体部と同一平面上に位置しない構造が実現されてもよい。すなわち、例えば、図8に示される構造において、スライド部2の上面と本体部1aの上面とが同一平面上に位置するように、スライド部2の上下方向の厚さが厚く形成され、それに伴って凸部22aの上下方向の厚さが厚く形成された構造であれば、凹部12aを有する構造で、ロック解除状態及びロック状態のいずれの状態においても、スライド部の上面及び下面のいずれか一方は本体部と同一平面上に位置しない構造が実現される。
上記のスライド部2は、ロック状態及びロック解除状態それぞれの状態を、スライド開口12とスライド部2のスライド方向に沿う面との間の摩擦力によって保持している。
この変形例として、スライド開口12とスライド部2のスライド方向に沿う面とのそれぞれに、各状態で保持するための引っかかり部を設けることが考えられる。
図11及び図12は、本変形例に関する端子の保護部材の動作を示す図である。図11及び図12に示される本体部1bのスライド開口12の側壁には凹部が形成され、さらにその凹部内に突起13が形成される。図11及び図12に示される場合では、突起13は左右の側壁においてそれぞれ2つずつ形成されている。また、図11及び図12に示されるスライド部2bのスライド方向に沿う面には、突起24が形成される。図11及び図12に示される場合では、突起24はスライド方向に沿う左右の面においてそれぞれ2つずつ形成されている。ここで、突起13及び突起24の少なくとも一方は、弾性変形可能である。
図11に示される状態では、突起24がそれぞれ対応する突起13よりも上方に位置する。そして、突起24が突起13に引っかかることによって、スライド部2bが本体部1bに対して下方にスライドすることが抑制される。なお、スライド部2bに対して下方に外力が加えられる場合には、突起13及び突起24の少なくとも一方が弾性変形することにより、図12に示される状態に切り替わることができる。
図12に示される状態では、突起24がそれぞれ対応する突起13よりも下方に位置する。そして、突起24が突起13に引っかかることによって、スライド部2bが本体部1bに対して上方にスライドすることが抑制される。なお、スライド部2bに対して上方に外力が加えられる場合には、突起13及び突起24の少なくとも一方が弾性変形することにより、図11に示される状態に切り替わることができる。
<効果>
以下に、本実施形態による効果を例示する。
以下に、本実施形態による効果を例示する。
本実施形態によれば、端子の保護部材が、本体部1と、スライド部2とを備える。本体部1は、端子4bが挿入されるキャビティ11を備える。スライド部2は、本体部1に対してスライド可能に形成される。
本体部1には、キャビティ11と交差し、かつ、貫通する第1開口としてのスライド開口12が形成される。スライド部2は、本体部1におけるスライド開口12に嵌め込まれ、かつ、スライド開口12の軸方向にスライド可能である。
スライド部2には、キャビティ11と連通可能な第2開口としてのロック開口21が形成される。また、ロック開口21の内壁面において、抜け止め部としての突起23が形成される。
そして、スライド部2は、ロック開口21をキャビティ11と連通させた状態で、突起23が端子4bを抜け止めする第1位置と、突起23が端子4bの抜け止めを解除する第2位置との間で移動可能に嵌め込まれる。
このような構成によれば、端子付き電線4の端子4bを適切に保護することができる。また、端子付き電線4の端子4bから端子の保護部材を取り外すために、例えば、カバーと端子の保持部品とを固定するためのバンドを外し、さらにカバーを外した後に端子の保持部品を外すなどの作業、又は、端子の保護部材を取り外すための専用の治具などを用いた作業の必要がなく、貫通するスライド開口12の軸方向に外部からスライド部2を押してスライド部2をスライドさせることにより、容易に端子付き電線4の端子4bから端子の保護部材を取り外すことができる。
また、例えば専用の治具を差し込むための空間などを確保する必要がなく、端子の保護部材の小型化が可能である。
なお、これらの構成以外の構成については適宜省略することができるが、本明細書に示される任意の構成を適宜追加した場合でも、上記の効果を生じさせることができる。
また、本実施形態によれば、抜け止め部は、内壁面に形成された突起23である。
そして、スライド部2は、突起23が端子4bに引っかかる第1位置と、突起23の端子4bに対する引っかかりが解除される第2位置との間で移動可能に嵌め込まれる。
このような構成によれば、スライド部2を下方向にスライドさせた場合に、突起23が端子4bに引っかかり端子4bが端子の保護部材内に保持され、スライド部2を上方向にスライドさせた場合に、突起23が端子4bから外れて端子4bの保持が解除される。よって、貫通するスライド開口12の軸方向に外部からスライド部2を押してスライド部2を移動させるだけで、端子4bの保持及びその解除が容易に実現できる。
また、本実施形態によれば、端子付き電線4の端子4bが突起23によって保持された状態(すなわちロック状態)、及び、端子4bの保持が解除された状態(すなわちロック解除状態)のいずれか一方の状態において、本体部1のスライド開口12が形成される第1面としての上面とスライド部2のスライド方向と交差する上面とが同一平面上に位置し、かつ、本体部1の上面の反対側の面である下面とスライド部2の上面の反対側の面である下面とが同一平面上に位置する。
このような構成によれば、本体部1の上面及び下面がスライド部2の上面及び下面と同一平面上に位置する状態では、端子付き電線4の端子4bの保持及び当該保持の解除の、外力による意図しない切り替えが生じにくくなる。よって、端子付き電線4の端子4bが端子の保護部材に保持された状態で移動などを行う場合であっても意図しない保持状態の切り替えが生じにくいため、端子付き電線4の端子4bをより確実に保護できる。
また、本実施形態によれば、ロック状態及びロック解除状態の双方の状態において、スライド部2aのスライド方向と交差する上面が本体部1aのスライド開口12が形成される上面に対して突出して位置する、又は、スライド部2aの下面が本体部1aの下面に対して突出して位置する。
このような構成によれば、ロック状態及びロック解除状態のいずれの状態においても、スライド部2aの上面又は下面が本体部1aの対応する面に対して突出した位置にあるため、貫通するスライド開口12の軸方向に外部からスライド部2aを押してスライド部2aをスライドさせる操作がしやすい。
また、本実施形態によれば、保護部材付き配線部材が、端子付き電線4と、本体部1と、スライド部2とを備える。端子付き電線4は、電線4aの端部に端子4bが接続される。本体部1は、端子4bが挿入されるキャビティ11を備える。スライド部2は、本体部1に対してスライド可能に形成される。
本体部1には、キャビティ11と交差し、かつ、貫通するスライド開口12が形成される。スライド部2は、本体部1におけるスライド開口12に嵌め込まれ、かつ、スライド開口12の軸方向にスライド可能である。
スライド部2には、キャビティ11と連通可能な第2開口としてのロック開口21が形成される。また、ロック開口21の内壁面において、突起23が形成される。
スライド部2がスライド開口12の軸方向下向きにスライドした場合、キャビティ11に挿入される端子付き電線4の端子4bが突起23によって保持される。また、スライド部2がスライド開口12の軸方向上向きにスライドした場合、突起23による端子4bの保持が解除される。
このような構成によれば、端子付き電線4の端子4bを適切に保護することができる。また、端子付き電線4の端子4bから端子の保護部材を取り外すために、例えば、カバーと端子の保持部品とを固定するためのバンドを外し、さらにカバーを外した後に端子の保持部品を外すなどの作業、又は、端子の保護部材を取り外すための専用の治具などを用いた作業の必要がなく、貫通するスライド開口12の軸方向に外部からスライド部2を押してスライド部2をスライドさせることにより、容易に端子付き電線4の端子4bから端子の保護部材を取り外すことができる。
<第2実施形態>
次に、図13,14を参照しつつ、第2実施形態に係る端子の保護部材について説明する。図13は、本実施形態の端子の保護部材を示す断面図である。図14は、本実施形態の端子の保護部材を示す側面図である。図13,14において、図1〜12に示される構成要素と同じ構成要素には、同じ参照符号が付されている。
次に、図13,14を参照しつつ、第2実施形態に係る端子の保護部材について説明する。図13は、本実施形態の端子の保護部材を示す断面図である。図14は、本実施形態の端子の保護部材を示す側面図である。図13,14において、図1〜12に示される構成要素と同じ構成要素には、同じ参照符号が付されている。
本実施形態において、端子の保護部材の端子の保護部材は、端子の保護部材の本体部1cと、スライド部2bと、を備える。スライド部2bは、第1実施形態と同様、キャビティ11の延在方向及び端子4bの幅方向の両方に直交する端子4bの厚み方向に沿ってスライド移動可能に構成されている。従って、ここでは、スライド部2bについては、その説明を省略する。以下、本体部1cについて説明する。
本実施形態では、本体部1cが、第1面(ここでは、上面)に対して突出するスライド部2bの上面の一部、又は、第2面(ここでは、下面)に対して突出するスライド部2bの下面の一部、又は、スライド部の上面の一部及び下面の一部の両方を覆うように設けられたカバー部を備える。ちなみに、ここでは、図13,14に示されるように、本体部1cが、本体部1cの下面に対して突出するスライド部2bの下面の一部を覆うように設けられたカバー部19を備える場合の事例が示されている。以下、カバー部19の詳細について説明する。
図13に示されるように、カバー部19は、凹状に形成され、本体部1cの下面から下方側(本体部1cの上面側に対し反対側)へ突出して形成された突出部191を含む。カバー部19の突出部191の内側には、スライド部2bの下面側の部分が配置される。
そして、突出部191は、スライド部2bの下面の一部を覆う構成とされている。ここでは、ロック開口21に端子付き電線4が挿入される方向における、突出部191の寸法が、スライド部2bの上記方向における寸法よりも小さい構成とされている。これにより、スライド部2bの下面のうち突出部191に覆われない部分が生じる。
また、ここでは、カバー部19は、2つの突出部191を含み、2つの突出部191は、スライド開口12に端子付き電線4が挿入される方向において間隔を空けて並んで形成されている。この場合、スライド部2bの下面のうち2つの突出部191の間の部分は、カバー部19によって覆われない。
第2実施形態でも、上述の第1実施形態と同様、端子付き電線4の端子4bを適切に保護することができる。
また、本実施形態では、本体部1cがカバー部19を備えることで、さらに以下の利点を有する。即ち、カバー部19によって、スライド部2bに外力が加わり、スライド部2bと本体部1cとのロック状態が想定しない外力によって外れてしまうこと及びロックされてしまうことを抑制できる。なお、ここでは、スライド部2bの下面の一部をカバー部19が覆うため、想定されない外力がスライド部2bに対し下方側から加わり、スライド部2bがスライドしてしまうことを抑制できる。
また、本実施形態では、カバー部19は、スライド部2bの下面の一部を覆うため、スライド部2bの下面のうちカバー部19に覆われていない部分を押すことで、簡単にスライド部2bをスライドさせることができる。例えば、ここでは、2つの突出部分191の間の部分を押すことで、簡単にスライド部2bをスライドさせることができる。
即ち、本実施形態では、本体部1cが上記カバー部19を備えることで、スライド部2bのスライド作業を阻害することなく、不意に端子4bのロック状態及び非ロック状態が反転することを抑制できる。
また、ここでは、本体部1cが、第1面(ここでは、上面)及び第2面(ここでは、下面)のうちの一方側(ここでは、下面側)にカバー部19を備える。この場合、以下の利点を有する。
まず、本実施形態において、スライド部2bは、端子4bが抜け止め部によって保持された状態、及び、端子4bの保持が解除された状態の双方の状態において、スライド部2bの第1開口(スライド開口12)の軸方向と交差する上面が本体部1cのスライド開口12が形成される第1面(ここでは、上面)に対して突出して位置する、又は、スライド部2bの上面の反対側の面である下面が本体部1cの第1面の反対側の面である第2面(ここでは、下面)に対して突出して位置する。
即ち、端子4bが抜け止め部によって保持された状態、及び、端子4bの保持が解除された状態のいずれの状態で、スライド部2bの一部が突出する。ここで、本体部がカバー部を含まない場合、この端子の保護部材を一見して、端子4bが抜け止め部によって保持された状態(ロック状態)であるか若しくは端子4bの保持が解除された状態(非ロック状態)であるかを判断することが困難である。
しかしながら、本実施形態では、本体部1cが、第1面(ここでは、上面)及び第2面(ここでは、下面)のうちの一方側(ここでは、下面側)にカバー部19を備える。この場合、カバー部19側にスライド部2bが突出しているか否かを確認し、端子4bが抜け止め部によって保持された状態であるか若しくは端子4bの保持が解除された状態であるかを容易に判断することができる。
即ち、カバー部19側にスライド部2bが突出しているか否かは、一見して容易に確認可能である。このため、例えば、本実施形態のようにカバー部19側にスライド部2bが突出している状態が、端子4bが抜け止め部によって保持された状態である場合、カバー部19側にスライド部2bが突出していれば、端子4bが抜け止め部によって保持された状態であると判断でき、カバー部19側にスライド部2bが突出していなければ、端子4bの保持が解除された状態であると判断できる。
また、第2実施形態の変形例として、カバー部が、本体部の上面側に設けられている場合又は本体部の上面側と下面側との両方に設けられている場合も考えられる。
また、別の例として、カバー部19が、1つの凹状部分を含む場合又は3つ以上の凹状部分を含む場合等も考えられる。
<第3実施形態>
次に図15〜17を参照しつつ、第3実施形態に係る端子の保護部材について説明する。図15は、本実施形態の端子の保護部材及び端子付き電線4を示す斜視図である。図16,17は、本実施形態の端子の保護部材を示す断面図である。図15〜17において、図1〜14に示される構成要素と同じ構成要素には、同じ参照符号が付されている。
次に図15〜17を参照しつつ、第3実施形態に係る端子の保護部材について説明する。図15は、本実施形態の端子の保護部材及び端子付き電線4を示す斜視図である。図16,17は、本実施形態の端子の保護部材を示す断面図である。図15〜17において、図1〜14に示される構成要素と同じ構成要素には、同じ参照符号が付されている。
本実施形態において、端子の保護部材の端子の保護部材は、端子の保護部材の本体部1dと、スライド部2dと、を備える。以下、その構成について説明する。
第3実施形態では、スライド部2dが、キャビティ11の延在方向及び端子4bの厚み方向の両方に直交する端子4bの幅方向に沿ってスライド移動可能に構成されている。即ち、ここでは、本体部1dの一方の側面である第3面53から本体部1dの他方の側面である第4面54に向かってスライド開口12が貫通して形成されている。そして、スライド部2dは、スライド開口12の軸方向(即ち、第3面53と第4面54とが対向する方向)に沿ってスライド可能とされている。なお、第3面53と第4面54とが対向する方向は、本体部1dの上面と下面とが対向する方向と直交する。
ここでは、端子4bは、後述する突起23dと当接する当接部を含む。図1に示されるように、ここでは、その当接部は、箱状に形成され、端子4bの底面側からその反対側へ突出している。そして、端子4bの幅方向とは、上記当接部の突出方向及び端子4bの延在方向との両方に直交する方向である。なお、端子4bの幅方向は、本体部1dの第3面53と第4面54とが対向する方向と一致する方向ともいえる。ちなみに、端子4bの厚み方向とは、上記当接部の突出方向と一致し、本体部1dの上面と下面とが対向する方向と一致する。
そして、ここでは、さらに、図15〜17に示されるように、端子4bが抜け止め部によって保持された状態、及び、端子4bの保持が解除された状態の双方の状態において、スライド部2dのうち第1開口(スライド開口12)の軸方向と交差する第1側面51が本体部1dのうちスライド開口12が形成される第3面53に対して突出して位置する、又は、スライド部2dのうち第1側面51の反対側の面である第2側面52が本体部1dのうち第3面53の反対側の面である第4面54に対して突出して位置する。
また、スライド開口12には、第1実施形態と同様、突起13が形成されている。
また、本実施形態では、本体部1dは、第3面53に対して突出するスライド部2dの第1側面51の一部、又は、第4面54に対して突出するスライド部2dの第2側面52の一部、又は、第1側面51の一部及び第2側面52の一部の両方を覆うように設けられたカバー部を備える。ちなみに、ここでは、図15〜17に示されるように、本体部1dが、本体部1dの第3面53に対して突出するスライド部2dの第1側面51の一部を覆うように設けられたカバー部29を備える場合の事例が示されている。
ここでは、カバー部29は、スライド部2dの第1側面51側の一部が配置される凹状の部分を含み、本体部1dの第3面53から第4面54側に対し反対側に突出して形成された突出部291を含む。カバー部29の突出部291の内側には、スライド部2dの第1側面51側の部分が配置される。
そして、突出部291は、スライド部2dの第1側面51の一部を覆う構成とされている。ここでは、図15に示されるように、スライド部2dのロック開口21に端子付き電線4が挿入される方向における突出部291の寸法が、スライド部2dのロック開口21に端子付き電線4が挿入される方向におけるスライド部2dの寸法よりも小さい構成とされている。これにより、スライド部2dの第1側面51のうち突出部291に覆われない領域が生じる。なお、ここでは、カバー部29は、2つの突出部291を備えている。
カバー部29によって生じるメリットは、第2実施形態で説明しているため、ここでは、その説明を省略する。
次にスライド部2dについて説明する。スライド部2dには、ロック開口21が形成されており、スライド部2dが本体部1dのスライド開口12に嵌め込まれた状態において、キャビティ11と繋がって1つの開口を形成する、すなわち、連通状態となることが可能である。
また、スライド部2dには、突起24が形成されている。第3実施形態においても、突起13及び突起24の少なくとも一方は、弾性変形可能であることが考えられる。
即ち、本実施形態において、図16に示される状態では、突起24がそれぞれ対応する突起13よりも第1側面51側の側方に位置する。そして、突起24が突起13に引っ掛かることによってスライド部2dが本体部1dに対して、第1側面51から第2側面52側に向かう方向にスライドすることが抑制される。なお、スライド部2dに対して第1側面51から第2側面52側に向かう方向に外力が加えられる場合には、突起13及び突起24の少なくとも一方が弾性変形することにより、図17に示される状態に切り替わることができる。
図17に示される状態では、突起24がそれぞれ対応する突起13よりも第2側面52側の側方に位置する。そして、突起24が突起13に引っ掛かることによってスライド部2dが本体部1dに対して、第2側面52から第1側面51側に向かう方向にスライドすることが抑制される。なお、スライド部2dに対して第2側面52から第1側面51側に向かう方向に外力が加えられる場合には、突起13及び突起24の少なくとも一方が弾性変形することにより、図16に示される状態に切り替わることができる。
なお、ここでは、図16に示される状態で端子4bの抜け止めがなされる。即ち、図16に示される状態で、スライド部2dが、第1位置である。一方、図17に示される状態で、端子4bの抜け止めが解除される。即ち、図17に示される状態で、スライド部2dが、第2位置である。なお、第1位置と第2位置との関係が、上記と逆で合ってもよい。
そして、本実施形態では、スライド部2dに抜け止め部として形成された突起23dが、突起23と異なる構造とされている。
ここでは、突起23dは、スライド部2dが第3面53と第4面54との対向方向に沿ってスライド移動することで、ロック開口21に挿通された端子4bに対し当接する。また、これにより、端子4bの位置決めが行われる。
従って、突起23dは、スライド部2dがロック開口21をキャビティ11と連通させた状態の第1位置の際に、端子4bに対し比較的強く当接する形状であり、かつ、スライド部2dが、端子4bの抜け止めを解除する第2位置の際に、端子4bに当接しない若しくは端子4bをキャビティ11から抜くことが可能な比較的弱い力で当接する形状とされていることが考えられる。
以下、上記形状の一例について説明する。ここでは、図16,17に示されるように、突起23dは、ロック開口21の軸方向に沿って見て先端に向かうにつれ徐々にその幅が狭まる形状とされている。そして、本体部1dの上面と下面とが対向する方向における、キャビティ11のうち端子4bの底面に接触する設置面から突起23dの先端までの寸法が、キャビティ11の設置面から端子4bのうち突起23dと接触する箇所の最も上方の部分までの寸法よりも小さい若しくは同じとなるように構成されている。また、本体部1dの上面と下面とが対向する方向における、キャビティ11のうち端子4bの底面に接触する設置面から突起23dの先端以外の部分までの寸法が、キャビティ11の設置面から端子4bのうち突起23dと接触する箇所の最も上方の部分までの上記方向における寸法よりも大きくなるように構成されている。
上記の場合、スライド部2dが第1位置の際(即ち、図16に示される状態では)、突起23dの先端が端子4bに比較的強く接触する。このため、突起23dによって端子4bの位置決めが行われる。
一方、スライド部2dが第2位置の際(即ち、図17に示される状態では)、突起23dの先端が端子4bから外れ、突起23dと端子4bとが接触しない若しくは接触したとしても端子4bの位置決めに寄与しない程の弱い力で当接する。このため、端子4bを、キャビティ11から抜くことが可能となる。
第3実施形態でも、第1実施形態と同様、端子付き電線4の端子4bを適切に保護することができる。
また、本実施形態では、端子4bの幅方向に沿ってスライド部2dがスライド移動可能に構成されている。この場合、本体部1dの下面(例えば、作業台等に設置される面)側にスライド部2dが突出することを抑制できる。この場合、本体部1dと作業台等との設置面にがたつきが生じることを抑制できる。
また、本実施形態では、スライド部2dが、本体部1dの第3面53と第4面54とが対向する方向に沿ってスライド移動するため、突起23dの形状をより簡単な構成とすることができる。即ち、例えば、抜け止め部を、先鋭な突起23dとすることで、突起23のような根元側が撓む等の複雑な構成となることを抑制できる。
また、本実施形態では、突起23dの先端が端子4bから外れることで端子4bの抜け止めが解除されるため、スライド部2dのスライド移動量を小さくすることが可能である。即ち、本体部1dからのスライド部2dの突出量を小さくすることができる。
なお、第3実施形態の別の例として、突起23dが、端子4bの当接部と引っ掛かり可能な、第1実施形態の突起23に置き換えられてもよい。
<変形例>
次に図18を参照しつつ、第3実施形態の変形例について説明する。図18は、第3実施形態の変形例に係る端子の保護部材の断面図である。本例では、端子の保護部材は、本体部1eとスライド部2eとを含む。
次に図18を参照しつつ、第3実施形態の変形例について説明する。図18は、第3実施形態の変形例に係る端子の保護部材の断面図である。本例では、端子の保護部材は、本体部1eとスライド部2eとを含む。
本体部1eは、第3実施形態に比べ、カバー部29が省略された構成とされている。
そして、本例では、端子4bが抜け止め部によって保持された状態、及び、端子4bの保持が解除された状態のいずれか一方の状態において、本体部1eの第1開口(スライド開口12)が形成される第3面53とスライド部2eのうちスライド開口12の軸方向と交差する第1側面51とが同一平面上に位置し、かつ、本体部1eの第3面53の反対側の面である第4面54とスライド部2eのうち第1側面51の反対側の面である第2側面52とが同一平面上に位置している。なお、図18に示される例は、端子4bが抜け止め部によって保持された状態で、本体部1eのスライド開口12が形成される第3面53とスライド部2eのうちスライド開口12の軸方向と交差する第1側面51とが同一平面上に位置し、かつ、本体部1eの第3面53の反対側の面である第4面54とスライド部2eのうち第1側面51の反対側の面である第2側面52とが同一平面上に位置している場合の事例である。
なお、別の例として、端子4bの保持が解除された状態で、本体部1eのスライド開口12が形成される第3面53とスライド部2eのうちスライド開口12の軸方向と交差する第1側面51とが同一平面上に位置し、かつ、本体部1eの第3面53の反対側の面である第4面54とスライド部2eのうち第1側面51の反対側の面である第2側面52とが同一平面上に位置している場合も考えられる。
上記実施形態では、各構成要素の材質、材料、寸法、形状、相対的配置関係又は実施の条件などについても記載している場合があるが、これらはすべての局面において例示であって、本明細書に記載されたものに限られることはない。よって、例示されていない無数の変形例が、本技術の範囲内において想定される。例えば、任意の構成要素を変形する場合、追加する場合又は省略する場合が含まれる。
また、矛盾が生じない限り、上記各実施形態において「1つ」備えられるものとして記載された構成要素は、「1つ以上」備えられていてもよい。さらに、各構成要素は概念的な単位であって、1つの構成要素が複数の構造物から成る場合及び1つの構成要素がある構造物の一部に対応する場合を含む。また、各構成要素には、同一の機能を発揮する限り、他の構造又は形状を有する構造物が含まれる。
また、上記の各実施形態同士を自由に組み合わせること、或いは各実施形態を適宜、変形する又は一部を省略することによって構成されることも可能である。
また、本明細書における説明は、本技術のすべての目的のために参照され、いずれも、従来技術であると認めるものではない。
1,1a,1b,1d,1e 本体部
2,2a,2b,2d,2e スライド部
4 端子付き電線
4a 電線
4b 端子
11 キャビティ
12 スライド開口
12a,12b,12c,41 凹部
13,23,23d,24 突起
21 ロック開口
22a,22b 凸部
2,2a,2b,2d,2e スライド部
4 端子付き電線
4a 電線
4b 端子
11 キャビティ
12 スライド開口
12a,12b,12c,41 凹部
13,23,23d,24 突起
21 ロック開口
22a,22b 凸部
Claims (11)
- 電線の端部に接続された端子の保護部材であり、
前記端子が挿入されるキャビティを備える本体部と、
前記本体部に対してスライド可能に形成されるスライド部とを備え、
前記本体部には、前記キャビティと交差し、かつ、貫通する第1開口が形成され、
前記スライド部は、前記本体部における前記第1開口に嵌め込まれ、かつ、前記第1開口の軸方向にスライド可能であり、
前記スライド部には、前記キャビティと連通可能な第2開口が形成され、
前記第2開口の内壁面において、抜け止め部が形成され、
前記スライド部は、前記第2開口を前記キャビティと連通させた状態で、前記抜け止め部が前記端子を抜け止めする第1位置と、前記抜け止め部が前記端子の前記抜け止めを解除する第2位置との間で移動可能に嵌め込まれる、
端子の保護部材。 - 前記抜け止め部は、前記内壁面に形成された突起であり、
前記スライド部は、前記突起が前記端子に引っかかる前記第1位置と、前記突起の前記端子に対する引っかかりが解除される前記第2位置との間で移動可能に嵌め込まれる、
請求項1に記載の端子の保護部材。 - 前記キャビティの延在方向及び前記端子の幅方向の両方に直交する前記端子の厚み方向に沿って前記スライド部がスライド移動可能に構成されている、
請求項1又は請求項2に記載の端子の保護部材。 - 前記端子が前記抜け止め部によって保持された状態、及び、前記端子の保持が解除された状態のいずれか一方の状態において、
前記本体部の前記第1開口が形成される第1面と前記スライド部の前記第1開口の前記軸方向と交差する上面とが同一平面上に位置し、かつ、前記本体部の前記第1面の反対側の面である第2面と前記スライド部の前記上面の反対側の面である下面とが同一平面上に位置する、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の端子の保護部材。 - 前記端子が前記抜け止め部によって保持された状態、及び、前記端子の保持が解除された状態の双方の状態において、
前記スライド部の前記第1開口の前記軸方向と交差する上面が前記本体部の前記第1開口が形成される第1面に対して突出して位置する、又は、前記スライド部の前記上面の反対側の面である下面が前記本体部の前記第1面の反対側の面である第2面に対して突出して位置する、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の端子の保護部材。 - 前記本体部が、前記第1面に対して突出する前記スライド部の前記上面の一部、又は、前記第2面に対して突出する前記スライド部の前記下面の一部、又は、前記上面の一部及び前記下面の一部の両方を覆うように設けられたカバー部を備える、
請求項4又は請求項5に記載の端子の保護部材。 - 前記キャビティの延在方向及び前記端子の厚み方向の両方に直交する前記端子の幅方向に沿って前記スライド部がスライド移動可能に構成されている、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の端子の保護部材。 - 前記端子が前記抜け止め部によって保持された状態、及び、前記端子の保持が解除された状態のいずれか一方の状態において、
前記本体部の前記第1開口が形成される第3面と前記スライド部のうち前記第1開口の前記軸方向と交差する第1側面とが同一平面上に位置し、かつ、前記本体部の前記第3面の反対側の面である第4面と前記スライド部のうち前記第1側面の反対側の面である第2側面とが同一平面上に位置する、
請求項1又は請求項2又は請求項7に記載の端子の保護部材。 - 前記端子が前記抜け止め部によって保持された状態、及び、前記端子の保持が解除された状態の双方の状態において、
前記スライド部のうち前記第1開口の前記軸方向と交差する第1側面が前記本体部の前記第1開口が形成される第3面に対して突出して位置する、又は、前記スライド部のうち前記第1側面の反対側の面である第2側面が前記本体部の前記第3面の反対側の面である第4面に対して突出して位置する、
請求項1又は請求項2又は請求項7に記載の端子の保護部材。 - 前記本体部が、前記第3面に対して突出する前記スライド部の前記第1側面の一部、又は、前記第4面に対して突出する前記スライド部の前記第2側面の一部、又は、前記第1側面の一部及び前記第2側面の一部の両方を覆うように設けられたカバー部を備える、
請求項8又は請求項9に記載の端子の保護部材。 - 電線の端部に端子が接続された端子付き電線と、
前記端子が挿入されるキャビティを備える本体部と、
前記本体部に対してスライド可能に形成されるスライド部とを備え、
前記本体部には、前記キャビティと交差し、かつ、貫通する第1開口が形成され、
前記スライド部は、前記本体部における前記第1開口に嵌め込まれ、かつ、前記第1開口の軸方向にスライド可能であり、
前記スライド部には、前記キャビティと連通可能な第2開口が形成され、
前記第2開口の内壁面において、抜け止め部が形成され、
前記スライド部は、前記第2開口を前記キャビティと連通させた状態で、前記抜け止め部が前記端子を抜け止めする第1位置と、前記抜け止め部が前記端子の前記抜け止めを解除する第2位置との間で移動可能に嵌め込まれる、
保護部材付き配線部材。
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2015246176A Pending JP2016127014A (ja) | 2014-12-26 | 2015-12-17 | 端子の保護部材及び保護部材付き配線部材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2016127014A (ja) |
-
2015
- 2015-12-17 JP JP2015246176A patent/JP2016127014A/ja active Pending
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