JP2016125695A - 蓄熱式空気調和機 - Google Patents

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修二 藤本
Shuji Fujimoto
修二 藤本
安尾 晃一
Koichi Yasuo
晃一 安尾
柯壁 陳
Kebi Chen
柯壁 陳
拓哉 中尾
Takuya Nakao
拓哉 中尾
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Abstract

【課題】冷房蓄冷運転において冷房能力を確保しつつ蓄熱媒体の循環効率の低下を抑制する。
【解決手段】運転制御部(100)は、室外熱交換器(22)が凝縮器となり室内熱交換器(27)および蓄熱用熱交換器(43)が蒸発器となる冷房蓄冷サイクルが行われるように、冷媒回路(11)を制御する。また、運転制御部(100)は、冷媒回路(11)において冷房蓄冷サイクルが行われる冷房蓄冷運転において、室内熱交換器(27)の冷却負荷が増加するときに蓄熱用熱交換器(43)における冷媒の蒸発温度が予め設定された基準蒸発温度を下回っている場合に、室内熱交換器(27)の冷却負荷の増加に応じて室内膨張弁(26)の開度を増加させる。
【選択図】図1

Description

この発明は、蓄熱式空気調和機に関する。
特許文献1に示すように、蓄熱媒体を冷熱源として利用して室内の空調を行う蓄熱式空気調和機が知られている。特許文献1では、蓄熱媒体を貯留する蓄熱タンクの中に、冷媒が通過する流路を有する蓄熱用熱交換器が配置されており、蓄熱媒体は、冷媒によって冷却される。蓄熱媒体としては、冷却によって包接水和物が生成される蓄熱材(例えば臭化テトラnブチルアンモニウム水溶液)が利用されている。また、特許文献1の蓄熱式空気調和機では、冷熱を蓄熱しつつ冷房を行う冷房蓄冷運転が行われる。
特開2007−17089号公報
ところで、特許文献1に示された蓄熱式空気調和機において、蓄熱用熱交換器を蓄熱タンク(蓄熱槽)の外部に設置し、蓄熱用熱交換器と蓄熱タンクとの間を蓄熱媒体が循環する蓄熱回路を構成することが考えられる。このように構成した場合、冷房蓄冷運転が行われると、蓄熱タンクから蓄熱用熱交換器に流入した蓄熱媒体は、蓄熱用熱交換器を通過する間に蓄熱用熱交換器を流れる冷媒に吸熱されて冷却される。
また、上記のような構成では、冷房蓄冷運転において、室内熱交換器における冷却能力(すなわち、冷房能力)を確保するために、圧縮機の吸入圧力を低下させて室内熱交換器における冷媒の蒸発圧力を低下させることが考えられる。例えば、室内熱交換器のガス端と圧縮機の吸入端との間の圧力損失が大きい場合(具体的には、室内熱交換器のガス端と圧縮機の吸入端との間の配管が長い場合や、室内熱交換器のガス端と圧縮機の吸入端との高低差が大きい場合など)、室内熱交換器における冷媒の蒸発圧力を冷房能力の確保のために必要な蒸発圧力に設定するために、圧縮機の吸入圧力が低めに設定される。また、室内の冷房負荷が増加して冷房能力が不足した場合、室内熱交換器における冷媒の蒸発圧力を低下させるために、圧縮機の吸入圧力が低くなる。
しかしながら、室内熱交換器における冷媒の蒸発圧力を低下させるために圧縮機の吸入圧力を低下させると、その圧縮機の吸入圧力の低下に伴って蓄熱用熱交換器における冷媒の蒸発圧力が低下して冷媒の蒸発温度が低下することになる。そのため、蓄熱用熱交換器において蓄熱媒体が冷却され過ぎて包接水和物(固体成分)が大量に生成され、その結果、蓄熱回路における蓄熱媒体の循環効率が低下するおそれがある。
そこで、この発明は、冷房蓄冷運転において冷房能力を確保しつつ蓄熱媒体の循環効率の低下を抑制することが可能な蓄熱式空気調和機を提供することを目的とする。
第1の発明は、圧縮機(21)と、室外熱交換器(22)と、室内熱交換器(27)と、室内膨張弁(26)と、該室外熱交換器(22)の液端が接続されるとともに該室内熱交換器(27)の液端が該室内膨張弁(26)を介して接続される液冷媒流路(12)と、該室内熱交換器(27)のガス端が接続されるガス冷媒流路(13)と、一端が該液冷媒流路(12)に接続され他端が該ガス冷媒流路(13)に接続されるバイパス流路(14)とを有する冷媒回路(11)と、冷却により固体成分が生成される蓄熱媒体が流れる蓄熱回路(31)と、上記バイパス流路(14)と上記蓄熱回路(31)とに接続され、該バイパス流路(14)を流れる冷媒と該蓄熱回路(31)を流れる蓄熱媒体とを熱交換させる蓄熱用熱交換器(43)と、上記圧縮機(21)の吐出端が上記室外熱交換器(22)のガス端に接続され、該圧縮機(21)の吸入端が上記ガス冷媒流路(13)に接続され、該室外熱交換器(22)が凝縮器となり上記室内熱交換器(27)および上記蓄熱用熱交換器(43)が蒸発器となる冷房蓄冷サイクルが行われるように、上記冷媒回路(11)を制御する運転制御部(100)とを備え、上記運転制御部(100)が、上記冷媒回路(11)において上記冷房蓄冷サイクルが行われる冷房蓄冷運転において、上記室内熱交換器(27)の冷却負荷が増加するときに上記蓄熱用熱交換器(43)における冷媒の蒸発温度が予め設定された基準蒸発温度を下回っている場合に、該室内熱交換器(27)の冷却負荷の増加に応じて上記室内膨張弁(26)の開度を増加させる開度増加動作を行うことを特徴とする蓄熱式空気調和機である。
上記第1の発明では、室内膨張弁(26)の開度を増加させることにより、圧縮機(21)の吸入圧力を低下させることなく、室内熱交換器(27)の冷却能力を増加させることができる。また、圧縮機(21)の吸入圧力を低下させないので、圧縮機(21)の吸入圧力の低下に伴う蓄熱用熱交換器(43)における冷媒の蒸発圧力の低下を抑制することができ、蓄熱用熱交換器(43)における冷媒の蒸発温度が低くなり過ぎることを防止することができる。したがって、蓄熱用熱交換器(43)において蓄熱媒体が冷却され過ぎることを防止することができる。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記室内熱交換器(27)に空気を搬送する室内ファン(27a)をさらに備え、上記運転制御部(100)が、上記冷媒回路(11)において上記冷房蓄冷サイクルが行われているときに、上記室内熱交換器(27)から流出した冷媒の過熱度が予め設定された目標過熱度となるように上記室内膨張弁(26)の開度を調節する過熱度制御動作を行い、上記蓄熱用熱交換器(43)における冷媒の蒸発温度が上記基準蒸発温度を下回る場合に、上記室内熱交換器(27)の冷却負荷の増加に応じて上記室内ファン(27a)の回転数を増加させることによって、上記開度増加動作を行うことを特徴とする蓄熱式空気調和機である。
上記第2の発明では、室内ファン(27a)の回転数を増加させることにより、室内熱交換器(27)における冷媒と室内空気との熱交換が促進され、その結果、室内熱交換器(27)の出口における冷媒の過熱度が増加する。そして、室内熱交換器(27)の出口における冷媒の過熱度が室内側目標過熱度よりも大きくなると、コントローラ(100)は、室内膨張弁(26)の開度を増加させる。これにより、室内熱交換器(27)を流れる冷媒の流量が増加するので、圧縮機(21)の吸入圧力を低下させることなく、室内熱交換器(27)における冷房能力を増加させることができる。
第1および第2の発明によれば、蓄熱用熱交換器(43)において蓄熱媒体が冷却され過ぎることを防止することができるので、冷房蓄冷運転において、室内熱交換器における冷却能力(すなわち、冷房能力)を確保しつつ、蓄熱回路(31)における蓄熱媒体の循環効率の低下を抑制することができる。
図1は、蓄熱式空気調和機の構成図である。 図2は、単純冷房運転時の冷媒の流れを表す図である。 図3は、単純暖房運転時の冷媒の流れを示す図である。 図4は、蓄冷運転時の冷媒および蓄熱媒体の各流れを表す図である。 図5は、利用冷房運転時の冷媒および蓄熱媒体の各流れを表す図である。 図6は、冷房蓄冷運転時の冷媒および蓄熱媒体の各流れを表す図である。 図7は、冷房能力制御について説明するためのフローチャートである。
以下、実施の形態を図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一の符号を付しその説明は繰り返さない。
(蓄熱式空気調和機)
図1は、実施形態による蓄熱式空気調和機(10)の構成例を示している。蓄熱式空気調和機(10)は、室外ユニット(20a)と室内ユニット(20b)と蓄熱ユニット(30)とで構成され、冷媒回路(11)と蓄熱回路(31)と予熱用熱交換器(41)と蓄熱用膨張弁(42)と蓄熱用熱交換器(43)と圧力調節機構(44)とコントローラ(100)とを備えている。
〔冷媒回路〕
冷媒回路(11)には、冷媒が充填されている。そして、冷媒回路(11)では、冷媒が循環することによって冷凍サイクルが行われる。冷媒回路(11)は、圧縮機(21)と、室外熱交換器(22)と、室外膨張弁(23)と、室外側過冷却熱交換器(24)と、蓄熱側過冷却熱交換器(25)と、室内膨張弁(26)と、室内熱交換器(27)と、四方切換弁(28)とを有している。さらに、冷媒回路(11)は、液冷媒流路(12)とガス冷媒流路(13)とバイパス流路(14)と分岐流路(15)とを有している。
室外ユニット(20a)は、室外に設置される。室外ユニット(20a)には、圧縮機(21)と室外熱交換器(22)と室外膨張弁(23)と室外側過冷却熱交換器(24)と四方切換弁(28)とが設けられている。また、室外ユニット(20a)には、室外熱交換器(22)に空気を搬送するための室外ファン(22a)が設けられている。
室内ユニット(20b)は、室内に設置される。室内ユニット(20b)には、室内膨張弁(26)と室内熱交換器(27)とが設けられている。また、室内ユニット(20b)には、室内熱交換器(27)に空気を搬送するための室内ファン(27a)が設けられている。
蓄熱ユニット(30)は、室外ユニット(20a)と室内ユニット(20b)との間に接続され、室外ユニット(20a)の近傍に設置される。蓄熱ユニット(30)には、蓄熱側過冷却熱交換器(25)と蓄熱回路(31)と予熱用熱交換器(41)と蓄熱用膨張弁(42)と蓄熱用熱交換器(43)と圧力調節機構(44)とが設けられている。
〈圧縮機〉
圧縮機(21)は、その吐出端が四方切換弁(28)の第1ポートに接続され、その吸入端が四方切換弁(28)の第2ポートに接続されている。また、圧縮機(21)は、吸入した冷媒を圧縮して吐出する。さらに、圧縮機(21)は、その容量(回転数)を変更可能に構成されている。例えば、圧縮機(21)は、容量可変式の圧縮機によって構成され、図示しないインバータ回路によって回転数(運転周波数)が変更される。
〈室外熱交換器〉
室外熱交換器(22)は、そのガス端が第1冷媒配管(11a)により四方切換弁(28)の第3ポートに接続され、その液端が第2冷媒配管(11b)により液冷媒流路(12)の一端に接続されている。なお、第2冷媒配管(11b)には、室外熱交換器(22)の液端から液冷媒流路(12)の一端へ向けて、室外膨張弁(23)と室外側過冷却熱交換器(24)とが順に設けられている。すなわち、室外熱交換器(22)の液端は、室外膨張弁(23)と室外側過冷却熱交換器(24)と順に介して液冷媒流路(12)に接続されている。また、室外熱交換器(22)は、室外ファン(22a)によって搬送された室外空気と冷媒とを熱交換させる。例えば、室外熱交換器(22)は、クロスフィンアンドチューブ式の熱交換器によって構成されている。
〈室外膨張弁〉
室外膨張弁(23)は、その開度を調節可能に構成され、その開度が調節されることにより冷媒の圧力や流量を調節する。例えば、室外膨張弁(23)は、電子膨張弁(電動弁)によって構成されている。
〈室外側過冷却熱交換器〉
室外側過冷却熱交換器(24)は、高圧側通路(24a)と低圧側通路(24b)とを有している。高圧側通路(24a)は、第2冷媒配管(11b)に直列に挿入(接続)されている。低圧側通路(24b)は、補助配管(24d)に直列に挿入されている。補助配管(24d)は、その一端が第2冷媒配管(11b)の室外膨張弁(23)と室外側過冷却熱交換器(24)との間に位置する中途部に接続され、その他端が圧縮機(21)の吸入端に接続されている。そして、室外側過冷却熱交換器(24)は、高圧側通路(24a)を流れる冷媒と低圧側通路(24b)を流れる冷媒とを熱交換させて高圧側通路(24a)を流れる冷媒を過冷却するように構成されている。なお、補助配管(24d)には、低圧側通路(24b)を流れる冷媒の流量を調節するための室外側過冷却膨張弁(24c)が設けられている。
〈蓄熱側過冷却熱交換器〉
蓄熱側過冷却熱交換器(25)は、液冷媒流路(12)に設けられる。この例では、蓄熱側過冷却熱交換器(25)は、液冷媒流路(12)の他端寄りに配置されている。また、蓄熱側過冷却熱交換器(25)は、高圧側通路(25a)と低圧側通路(25b)とを有している。高圧側通路(25a)は、液冷媒流路(12)に直列に挿入されている。低圧側通路(25b)は、補助配管(25d)に直列に挿入されている。補助配管(25d)は、その一端が液冷媒流路(12)の中途部(液冷媒流路(12)の一端と蓄熱側過冷却熱交換器(25)との間に位置する中途部)に接続され、その他端がガス冷媒流路(13)に接続されている。そして、蓄熱側過冷却熱交換器(25)は、高圧側通路(25a)を流れる冷媒と低圧側通路(25b)を流れる冷媒とを熱交換させて高圧側通路(25a)を流れる冷媒を過冷却するように構成されている。なお、補助配管(25d)には、低圧側通路(25b)を流れる冷媒の流量を調節するための蓄熱側過冷却膨張弁(25c)が設けられている。
〈室内膨張弁〉
室内膨張弁(26)は、液冷媒流路(12)の他端と室内熱交換器(27)の液端とを接続する第3冷媒配管(11c)に設けられる。また、室内膨張弁(26)は、その開度を調節可能に構成され、その開度が調節されることにより冷媒の圧力や流量を調節する。例えば、室内膨張弁(26)は、電子膨張弁(電動弁)によって構成されている。
〈室内熱交換器〉
室内熱交換器(27)は、その液端が第3冷媒配管(11c)により液冷媒流路(12)の他端に接続され、そのガス端が第4冷媒配管(11d)によりガス冷媒流路(13)の一端に接続されている。すなわち、室内熱交換器(27)の液端は、室内膨張弁(26)を介して液冷媒流路(12)に接続されている。また、室内熱交換器(27)は、室内ファン(27a)によって搬送された室内空気と冷媒とを熱交換させる。室内熱交換器(27)において熱交換された室内空気は、再び室内に供給される。例えば、室内熱交換器(27)は、クロスフィンアンドチューブ式の熱交換器によって構成されている。
〈四方切換弁〉
四方切換弁(28)は、蓄熱式空気調和機(10)の運転種類に応じて、第1〜第4ポートの接続状態を第1状態(図1の実線で示す状態)と第2状態(図1の破線で示す状態)とを切換可能に構成されている。なお、四方切換弁(28)の第4ポートは、第5冷媒配管(11e)によりガス冷媒流路(13)の他端に接続されている。
〈バイパス流路〉
バイパス流路(14)は、その一端が液冷媒流路(12)に接続され、その他端がガス冷媒流路(13)に接続されている。また、バイパス流路(14)には、バイパス流路(14)の一端側(すなわち、液冷媒流路(12)側)から他端側(すなわち、ガス冷媒流路(13)側)へ向けて、予熱用熱交換器(41)と蓄熱用膨張弁(42)と蓄熱用熱交換器(43)と圧力調節機構(44)とが順に設けられている。
なお、液冷媒流路(12)では、バイパス流路(14)と液冷媒流路(12)との接続点(第1接続点(P1))は、蓄熱側過冷却熱交換器(25)の補助配管(25d)と液冷媒流路(12)との接続点(第2接続点(P2))よりも、液冷媒流路(12)の一端側(すなわち、第2冷媒配管(11b)側)に位置している。また、この例では、バイパス流路(14)は、第1主配管(14a)と第2主配管(14b)と第3主配管(14c)と第1分岐配管(14d)と第2分岐配管(14e)とを有している。第1主配管(14a)は、液冷媒流路(12)の中途部と予熱用熱交換器(41)とを接続する。第2主配管(14b)は、予熱用熱交換器(41)と蓄熱用熱交換器(43)とを接続する。第3主配管(14c)の一端は、蓄熱用熱交換器(43)に接続される。第1分岐配管(14d)は、第3主配管(14c)の他端とガス冷媒流路(13)とを接続する。第2分岐配管(14e)は、第1分岐配管(14d)と並列に設けられて第3主配管(14c)とガス冷媒流路(13)とを接続する。すなわち、第1分岐配管(14d)は、蓄熱用熱交換器(43)とガス冷媒流路(13)とを接続する配管(第1流路部)を構成している。第2分岐配管(14e)は、第1分岐配管(14d)と並列に設けられて蓄熱用熱交換器(43)とガス冷媒流路(13)とを接続する配管(第2流路部)を構成している。
〈分岐流路〉
分岐流路(15)は、その一端がバイパス流路(14)の中途部(蓄熱用熱交換器(43)と圧力調節機構(44)との間に位置する中途部)に接続され、その他端が液冷媒流路(12)の中途部(第1接続点(P1)と第2接続点(P2)との間に位置する中途部)に接続されている。すなわち、液冷媒流路(12)において、分岐流路(15)と液冷媒流路(12)との接続点(第3接続点(P3))は、第1接続点(P1)と第2接続点(P2)との間に位置している。
〈開閉弁と逆止弁〉
また、冷媒回路(11)には、第1開閉弁(51)と第2開閉弁(52)と第3開閉弁(53)と、第1逆止弁(51a)と第2逆止弁(51b)と第3逆止弁(51c)とが設けられている。例えば、第1開閉弁(51)と第2開閉弁(52)と第3開閉弁(53)は、電磁弁によって構成されている。
第1開閉弁(51)は、液冷媒流路(12)において第1接続点(P1)と第2接続点(P2)との間に設けられている。第1逆止弁(51a)は、第1開閉弁(51)と並列に接続されている。また、第1逆止弁(51a)は、後述する単純暖房運転において蓄熱側過冷却熱交換器(25)側から室外側過冷却熱交換器(24)側に向けて冷媒を流すように構成されている。
第2開閉弁(52)は、蓄熱用膨張弁(42)と並列に接続されている。第2逆止弁(51b)は、第2開閉弁(52)と直列に接続されて蓄熱用膨張弁(42)と並列となっている。また、第2逆止弁(51b)は、予熱用熱交換器(41)側から蓄熱用熱交換器(43)側への冷媒の流れのみを許容する。
第3開閉弁(53)は、分岐流路(15)に設けられている。第3逆止弁(51c)は、分岐流路(15)に設けられ、バイパス流路(14)側から液冷媒流路(12)側への冷媒の流れのみを許容する。
〔予熱用熱交換器〕
予熱用熱交換器(41)は、冷媒回路(11)のバイパス流路(14)と蓄熱回路(31)とに接続され、バイパス流路(14)を流れる冷媒と蓄熱回路(31)を流れる蓄熱媒体とを熱交換させる。具体的には、予熱用熱交換器(41)は、冷媒側通路(41a)と蓄熱側通路(41b)とを有する。冷媒側通路(41a)は、バイパス流路(14)に直列に挿入されている。この例では、冷媒側通路(41a)は、バイパス流路(14)の第1主配管(14a)と第2主配管(14b)との間に接続されている。蓄熱側通路(41b)は、蓄熱回路(31)に直列に挿入されている。そして、予熱用熱交換器(41)は、冷媒側通路(41a)を流れる冷媒と蓄熱側通路(41b)を流れる蓄熱媒体とを熱交換させる。
〔蓄熱用膨張弁〕
蓄熱用膨張弁(42)は、バイパス流路(14)において予熱用熱交換器(41)と蓄熱用熱交換器(43)との間に設けられる。この例では、蓄熱用膨張弁(42)は、バイパス流路(14)の第2主配管(14b)に設けられている。また、蓄熱用膨張弁(42)は、その開度を調節可能に構成され、その開度が調節されることにより冷媒の圧力や流量を調節する。例えば、蓄熱用膨張弁(42)は、電磁膨張弁(電動弁)によって構成されている。
また、蓄熱用膨張弁(42)には、圧力逃がし弁(42a)が並列に接続されている。圧力逃がし弁(42a)は、例えば、蓄熱式空気調和機(10)の運転停止時において蓄熱用熱交換器(43)側の圧力が許容値を超えた場合に、蓄熱用熱交換器(43)側の圧力を放出させるための弁である。
〔蓄熱用熱交換器〕
蓄熱用熱交換器(43)は、冷媒回路(11)のバイパス流路(14)と蓄熱回路(31)とに接続され、バイパス流路(14)を流れる冷媒と蓄熱回路(31)を流れる蓄熱媒体とを熱交換させる。具体的には、蓄熱用熱交換器(43)は、冷媒側通路(43a)と蓄熱側通路(43b)とを有する。冷媒側通路(43a)は、バイパス流路(14)に直列に挿入される。この例では、冷媒側通路(43a)は、バイパス流路(14)の第2主配管(14b)と第3主配管(14c)との間に接続されている。蓄熱側通路(43b)は、蓄熱回路(31)に直列に挿入される。そして、蓄熱用熱交換器(43)は、冷媒側通路(43a)を流れる冷媒と蓄熱側通路(43b)を流れる蓄熱媒体とを熱交換させる。
〔圧力調節機構〕
圧力調節機構(44)は、バイパス流路(14)において蓄熱用熱交換器(43)とガス冷媒流路(13)との間に設けられる。また、圧力調節機構(44)は、蓄熱用熱交換器(43)とガス冷媒流路(13)との間を流れる冷媒の圧力を調節可能に構成されている。
この例では、圧力調節機構(44)は、圧力調節弁(45)と流路開閉弁(46)とを有している。圧力調節弁(45)は、バイパス流路(14)の第1分岐配管(14d)に設けられている。また、圧力調節弁(45)は、その開度を調節可能に構成されている。例えば、圧力調節弁(45)は、電動弁によって構成されている。流路開閉弁(46)は、バイパス流路(14)の第2分岐配管(14e)に設けられている。また、流路開閉弁(46)は、その開閉を切換可能に構成されている。例えば、流路開閉弁(46)は、電磁弁によって構成されている。
〔蓄熱回路〕
蓄熱回路(31)には、蓄熱媒体が充填されている。蓄熱回路(31)では、蓄熱媒体を循環させる循環動作が行われる。蓄熱回路(31)は、蓄熱タンク(32)と循環ポンプ(33)とを備えている。
〈蓄熱タンク〉
蓄熱タンク(32)は、中空の容器であって、蓄熱媒体を貯留する。例えば、蓄熱タンク(32)は、両端が閉塞された円筒状に形成され、その軸方向が上下方向となるように配置されている。蓄熱タンク(32)には、流出口と流入口とが形成されており、流出口は、例えば、流入口よりも上方に位置している。
〈循環ポンプ〉
循環ポンプ(33)は、蓄熱回路(31)において蓄熱タンク(32)と予熱用熱交換器(41)と蓄熱用熱交換器(43)の間で蓄熱媒体を循環させる。蓄熱媒体の循環方向は、次のとおりである。すなわち、蓄熱タンク(32)から流出した蓄熱媒体は、予熱用熱交換器(41)の蓄熱側通路(41b)を通過して循環ポンプ(33)を通過し、その後、蓄熱用熱交換器(43)の蓄熱側通路(43b)を通過して蓄熱タンク(32)に流入する。循環ポンプ(33)の運転のオン/オフや、循環ポンプ(33)によって搬送される蓄熱媒体の流量は、コントローラ(100)によって制御される。
〔蓄熱媒体〕
ここで、蓄熱媒体について説明する。蓄熱媒体には、冷却によって固体成分が生成される蓄熱材(より詳しくは、冷却によって0℃よりも高く20℃よりも低い温度にて固体成分が生成される蓄熱材)が採用される。なお、固体成分とは、その融点において液体から相転移(潜熱変化)し、発熱した状態にある成分を言う。固体成分の具体例としては、包接水和物などが挙げられる。
以下では、冷却によって包接水和物が生成される蓄熱材(すなわち、流動性を有する蓄熱材)を蓄熱媒体として採用する場合を例に挙げて説明する。このような蓄熱媒体の具体例としては、臭化テトラnブチルアンモニウムを含有する臭化テトラnブチルアンモニウム(TBAB:TetraButyl Ammonium Bromide)水溶液、トリメチロールエタン(TME:Trimethylolethane)水溶液、パラフィン系スラリーなどが挙げられる。例えば、臭化テトラnブチルアンモニウム水溶液は、安定的に冷却されてその水溶液の温度が水和物生成温度よりも低くなった過冷却状態でもその水溶液の状態を維持するが、この過冷却状態にて何らかのきっかけが与えられると、過冷却の溶液が包接水和物を含んだ溶液(すなわち、スラリー)へと遷移する。すなわち、臭化テトラnブチルアンモニウム水溶液は、過冷却状態を解消して、臭化テトラnブチルアンモニウムと水分子とからなる包接水和物(水和物結晶)が生成されて粘性の比較的高いスラリー状となる。ここで、過冷却状態とは、蓄熱媒体が水和物生成温度以下の温度となっても包接水和物が生成されずに溶液の状態を保っている状態を言う。逆に、スラリー状となっている臭化テトラnブチルアンモニウム水溶液は、加熱によりその水溶液の温度が水和物生成温度よりも高くなると、包接水和物が融解して流動性の比較的高い液状態(溶液)となる。
この実施形態では、蓄熱媒体として、臭化テトラnブチルアンモニウムを含有する臭化テトラnブチルアンモニウム水溶液を採用している。特に、蓄熱媒体は、調和濃度の近傍の濃度を有する媒体であることが好ましい。調和濃度とは、包接水和物が生成される前後において水溶液の濃度が変化しない濃度を意味する。この実施形態では、調和濃度を約40%とする。この場合の臭化テトラnブチルアンモニウム水溶液の水和物生成温度は、約12℃である。
なお、蓄熱媒体の濃度に応じて、臭化テトラnブチルアンモニウム水溶液の水和物生成温度は変化する。例えば、蓄熱媒体の濃度が約20%である場合、水和物生成温度は、約8.5℃となる。
〔冷媒温度センサ〕
また、蓄熱式空気調和機(10)には、第1冷媒温度センサ(61)と第2冷媒温度センサ(62)とが設けられている。
第1冷媒温度センサ(61)は、蓄熱用熱交換器(43)の一端側(ガス冷媒流路(13)側)における冷媒の温度(第1冷媒温度)を検出する。この例では、第1冷媒温度センサ(61)は、蓄熱用熱交換器(43)の冷媒側通路(43a)の一端の近傍に設置され、設置場所の冷媒温度を第1冷媒温度として検出する。
第2冷媒温度センサ(62)は、蓄熱用熱交換器(43)の他端側(液冷媒流路(12)側)における冷媒の温度(第2冷媒温度)を検出する。この例では、第2冷媒温度センサ(62)は、蓄熱用熱交換器(43)の冷媒側通路(43a)の他端の近傍に設置され、設置場所の冷媒温度を第2冷媒温度として検出する。
〔コントローラ(運転制御部)〕
コントローラ(100)は、蓄熱式空気調和機(10)の各部を制御して蓄熱式空気調和機(10)の運転動作を制御する。この蓄熱式空気調和機では、単純冷房運転と、単純暖房運転と、蓄冷運転と、利用冷房運転と、冷房蓄冷運転とが行われる。
〔単純冷房運転〕
次に、図2を参照して、単純冷房運転について説明する。単純冷房運転とは、冷媒回路(11)の冷凍サイクルによって得られる冷熱のみを用いて室内の冷房を行う運転である。
冷媒回路(11)では、室外熱交換器(22)が凝縮器となり室内熱交換器(27)が蒸発器となる冷凍サイクル(単純冷房サイクル)が行われる。一方、蓄熱回路(31)では、蓄熱媒体が循環しない。
具体的には、四方切換弁(28)が第1状態に設定される。これにより、圧縮機(21)は、その吐出端が室外熱交換器(22)のガス端に接続され、その吸入端がガス冷媒流路(13)に接続される。また、第1開閉弁(51)が開状態に設定され、第2開閉弁(52)と第3開閉弁(53)が閉状態に設定される。室外膨張弁(23)の開度が全開状態に設定され、室内膨張弁(26)の開度が所定の開度(室内熱交換器(27)の出口における冷媒の過熱度が目標過熱度となる開度)に調節され、蓄熱用膨張弁(42)の開度が全閉状態に設定される。室外側過冷却膨張弁(24c)の開度が所定の開度に調節され、蓄熱側過冷却膨張弁(25c)の開度が全閉状態に設定される。圧力調節弁(45)の開度が全閉状態に設定され、流路開閉弁(46)が開状態に設定される。そして、圧縮機(21)と室外ファン(22a)と室内ファン(27a)が駆動状態に設定され、循環ポンプ(33)が停止状態に設定される。なお、これらの設定および調節は、コントローラ(100)による制御に応答して行われる。以下の説明においても同様である。
圧縮機(21)から吐出された冷媒は、室外熱交換器(22)に流入し、室外熱交換器(22)において室外空気に放熱して凝縮する。室外熱交換器(22)から流出した冷媒は、全開状態の室外膨張弁(23)を通過して室外側過冷却熱交換器(24)に流入し、室外側過冷却熱交換器(24)において冷却される。室外側過冷却熱交換器(24)から流出した冷媒は、液冷媒流路(12)において開状態の第1開閉弁(51)と蓄熱側過冷却熱交換器(25)とを順に通過して室内膨張弁(26)に流入し、室内膨張弁(26)において減圧される。室内膨張弁(26)を通過した冷媒は、室内熱交換器(27)に流入し、室内熱交換器(27)において室内空気から吸熱して蒸発する。これにより、室内空気が冷却される。室内熱交換器(27)から流出した冷媒は、ガス冷媒流路(13)を通過して圧縮機(21)に吸入されて再び圧縮される。
なお、圧力調節機構(44)の流路開閉弁(46)が開状態に設定されているので、蓄熱用熱交換器(43)の冷媒側通路(43a)に冷媒が溜まり込むことを防止することができる。
〔単純暖房運転〕
次に、図3を参照して、単純暖房運転について説明する。単純暖房運転とは、冷媒回路(11)の冷凍サイクルによって得られる温熱のみを用いて室内の暖房を行う運転である。
冷媒回路(11)では、室内熱交換器(27)が凝縮器となり室外熱交換器(22)が蒸発器となる冷凍サイクル(単純暖房サイクル)が行われる。一方、蓄熱回路(31)では、蓄熱媒体が循環しない。
具体的には、四方切換弁(28)が第2状態に設定される。これにより、圧縮機(21)は、その吐出端がガス冷媒流路(13)に接続され、その吸入端が室外熱交換器(22)のガス端に接続される。また、第1開閉弁(51)と第2開閉弁(52)と第3開閉弁(53)が閉状態に設定される。室外膨張弁(23)の開度が所定の開度(室外熱交換器(22)の出口における冷媒の過熱度が目標過熱度となる開度)に調節され、室内膨張弁(26)の開度が所定の開度(室内熱交換器(27)の出口における冷媒の過冷却度が目標過冷却度となる開度)に調節され、蓄熱用膨張弁(42)の開度が全閉状態に設定される。室外側過冷却膨張弁(24c)の開度が全閉状態に設定され、蓄熱側過冷却膨張弁(25c)の開度が全閉状態に設定される。圧力調節弁(45)の開度が全閉状態に設定され、流路開閉弁(46)が閉状態に設定される。圧縮機(21)と室外ファン(22a)と室内ファン(27a)が駆動状態に設定され、循環ポンプ(33)が停止状態に設定される。
圧縮機(21)から吐出された冷媒は、ガス冷媒流路(13)を通過して室内熱交換器(27)に流入し、室内熱交換器(27)において室内空気に放熱して凝縮する。これにより、室内空気が加熱される。室内熱交換器(27)から流出した冷媒は、室内膨張弁(26)を通過し、液冷媒流路(12)において蓄熱側過冷却熱交換器(25)と第3接続点(P3)と第1逆止弁(51a)と第1接続点(P1)とを順に通過し、室外側過冷却熱交換器(24)を通過して室外膨張弁(23)において減圧される。室外膨張弁(23)を通過した冷媒は、室外熱交換器(22)に流入し、室外熱交換器(22)において室外空気から吸熱して蒸発する。室外熱交換器(22)から流出した冷媒は、圧縮機(21)に吸入されて再び圧縮される。
〔蓄冷運転〕
次に、図4を参照して、蓄冷運転について説明する。蓄冷運転とは、冷媒回路(11)の冷凍サイクルによって得られる冷熱を蓄熱回路(31)の蓄熱タンク(32)に蓄える運転である。
冷媒回路(11)では、室外熱交換器(22)が凝縮器となり予熱用熱交換器(41)が過冷却器となり蓄熱用熱交換器(43)が蒸発器となる冷凍サイクル(蓄冷サイクル)が行われる。一方、蓄熱回路(31)では、循環動作(蓄熱媒体を循環させる動作)が行われる。
具体的には、四方切換弁(28)が第1状態に設定される。これにより、圧縮機(21)は、その吐出端が室外熱交換器(22)のガス端に接続され、その吸入端がガス冷媒流路(13)に接続される。また、第1開閉弁(51)が開状態に設定され、第2開閉弁(52)と第3開閉弁(53)が閉状態に設定される。室外膨張弁(23)の開度が全開状態に設定され、室内膨張弁(26)の開度が全閉状態に設定され、蓄熱用膨張弁(42)の開度が所定の開度(蓄熱用熱交換器の出口における冷媒の蒸発温度が目標蒸発温度となる開度)に調節される。室外側過冷却膨張弁(24c)の開度が全閉状態に設定され、蓄熱側過冷却膨張弁(25c)の開度が全閉状態に設定される。圧力調節弁(45)の開度が全閉状態に設定され、流路開閉弁(46)が開状態に設定される。圧縮機(21)と室外ファン(22a)が駆動状態に設定され、室内ファン(27a)が停止状態に設定され、循環ポンプ(33)が駆動状態に設定される。なお、圧縮機(21)は、概ね一定の回転数で作動する。
圧縮機(21)から吐出された冷媒は、室外熱交換器(22)に流入し、室外熱交換器(22)において室外空気に放熱して凝縮する。室外熱交換器(22)から流出した冷媒は、全開状態の室外膨張弁(23)と室外側過冷却熱交換器(24)とを順に通過して液冷媒流路(12)に流入する。液冷媒流路(12)に流入した冷媒は、第1接続点(P1)を通過してバイパス流路(14)に流入する。バイパス流路(14)に流入した冷媒は、予熱用熱交換器(41)の冷媒側通路(41a)に流入し、予熱用熱交換器(41)の冷媒側通路(41a)を通過する間に蓄熱側通路(41b)を流れる蓄熱媒体に放熱して冷却される。予熱用熱交換器(41)の冷媒側通路(41a)から流出した冷媒は、蓄熱用膨張弁(42)において減圧されて蓄熱用熱交換器(43)の冷媒側通路(43a)に流入し、蓄熱用熱交換器(43)の冷媒側通路(43a)を通過する間に蓄熱側通路(43b)を流れる蓄熱媒体から吸熱して蒸発する。蓄熱用熱交換器(43)の冷媒側通路(43a)から流出した冷媒は、圧力調節機構(44)の開状態の流路開閉弁(46)とガス冷媒流路(13)とを順に通過し、圧縮機(21)に吸入されて再び圧縮される。
なお、第1開閉弁(51)が開状態に設定されているので、バイパス流路(14)の第1接続点(P1)から室内膨張弁(26)に至る配管部(液管)に液冷媒が溜まり込むことになる。これにより、この配管部における冷媒の状態を単純冷房運転と同様の状態にすることができるので、余剰冷媒の発生を防止することができる。
蓄熱回路(31)では、蓄熱タンク(32)から流出した蓄熱媒体は、予熱用熱交換器(41)の蓄熱側通路(41b)に流入し、予熱用熱交換器(41)の蓄熱側通路(41b)を通過する間に冷媒側通路(41a)を流れる冷媒によって加熱される。予熱用熱交換器(41)の蓄熱側通路(41b)から流出した蓄熱媒体は、循環ポンプ(33)を通過して蓄熱用熱交換器(43)の蓄熱側通路(43b)に流入し、蓄熱用熱交換器(43)の蓄熱側通路(43b)を通過する間に冷媒側通路(43a)を流れる冷媒によって冷却される。蓄熱用熱交換器(43)の蓄熱側通路(43b)から流出した蓄熱媒体は、蓄熱タンク(32)に流入する。このようにして、蓄熱タンク(32)に冷熱が蓄えられる。
〔利用冷房運転〕
次に、図5を参照して、利用冷房運転について説明する。利用冷房運転とは、蓄熱タンク(32)に蓄えられた冷熱と冷媒回路(11)の冷凍サイクルによって得られる冷熱とを用いて室内の冷房を行う運転である。
冷媒回路(11)では、室外熱交換器(22)が凝縮器となり予熱用熱交換器(41)および蓄熱用熱交換器(43)が過冷却器となり室内熱交換器(27)が蒸発器となる冷凍サイクル(利用冷房サイクル)が行われる。一方、蓄熱回路(31)では、循環動作が行われる。
具体的には、四方切換弁(28)が第1状態に設定される。これにより、圧縮機(21)は、その吐出端が室外熱交換器(22)のガス端に接続され、その吸入端がガス冷媒流路(13)に接続される。また、第1開閉弁(51)が閉状態に設定され、第2開閉弁(52)と第3開閉弁(53)が開状態に設定される。室外膨張弁(23)の開度が全開状態に設定され、室内膨張弁(26)の開度が所定の開度(室内熱交換器の出口における冷媒の過熱度が目標過熱度となる開度)に調節され、蓄熱用膨張弁(42)の開度が全開状態に設定される。室外側過冷却膨張弁(24c)の開度が全閉状態に設定され、蓄熱側過冷却膨張弁(25c)の開度が所定の開度に調節される。圧力調節弁(45)の開度が全閉状態に設定され、流路開閉弁(46)が閉状態に設定される。圧縮機(21)と室外ファン(22a)と室内ファン(27a)が駆動状態に設定され、循環ポンプ(33)が駆動状態に設定される。
圧縮機(21)から吐出された冷媒は、室外熱交換器(22)に流入し、室外熱交換器(22)において室外空気に放熱して凝縮する。室外熱交換器(22)から流出した冷媒は、全開状態の室外膨張弁(23)と室外側過冷却熱交換器(24)とを順に通過して液冷媒流路(12)に流入する。液冷媒流路(12)に流入した冷媒は、第1接続点(P1)を通過してバイパス流路(14)に流入する。バイパス流路(14)に流入した冷媒は、予熱用熱交換器(41)の冷媒側通路(41a)に流入し、予熱用熱交換器(41)の冷媒側通路(41a)を通過する間に蓄熱側通路(41b)を流れる蓄熱媒体に放熱して冷却される。予熱用熱交換器(41)の冷媒側通路(41a)から流出した冷媒は、全開状態の蓄熱用膨張弁(42)および開状態の第2開閉弁(52)を通過して蓄熱用熱交換器(43)の冷媒側通路(43a)に流入し、蓄熱用熱交換器(43)の冷媒側通路(43a)を通過する間に蓄熱側通路(43b)を流れる蓄熱媒体に放熱して冷却される。蓄熱用熱交換器(43)の冷媒側通路(43a)から流出した冷媒は、開状態の第3開閉弁(53)と第3逆止弁(51c)とを順に通過して液冷媒流路(12)に流入し、液冷媒流路(12)において第3接続点(P3)と第2接続点(P2)とを順に通過して蓄熱側過冷却熱交換器(25)に流入し、蓄熱側過冷却熱交換器(25)において冷却される。蓄熱側過冷却熱交換器(25)において冷却された冷媒は、室内膨張弁(26)において減圧されて室内熱交換器(27)に流入し、室内熱交換器(27)において室内空気から吸熱して蒸発する。これにより、室内空気が冷却される。室内熱交換器(27)から流出した冷媒は、ガス冷媒流路(13)を通過して圧縮機(21)に吸入されて再び圧縮される。
蓄熱回路(31)では、蓄熱タンク(32)から流出した蓄熱媒体は、予熱用熱交換器(41)の蓄熱側通路(41b)に流入し、予熱用熱交換器(41)の蓄熱側通路(41b)を通過する間に冷媒側通路(41a)を流れる冷媒から吸熱する。予熱用熱交換器(41)の蓄熱側通路(41b)から流出した蓄熱媒体は、循環ポンプ(33)を通過して蓄熱用熱交換器(43)の蓄熱側通路(43b)に流入し、蓄熱用熱交換器(43)の蓄熱側通路(43b)を通過する間に冷媒側通路(43a)を流れる冷媒から吸熱する。蓄熱用熱交換器(43)の蓄熱側通路(43b)から流出した蓄熱媒体は、蓄熱タンク(32)に流入する。このようにして、蓄熱媒体から冷媒へ冷熱が付与される。
〔冷房蓄冷運転〕
次に、図6を参照して、冷房蓄冷運転について説明する。冷房蓄冷運転とは、冷媒回路(11)の冷凍サイクルによって得られた冷熱の一部を用いて室内の冷房を行いながら、残りの冷熱を蓄熱タンクに蓄える運転のことである。すなわち、冷房蓄冷運転では、蓄冷と冷房とが同時に行われる。
冷媒回路(11)では、室外熱交換器(22)が凝縮器となり予熱用熱交換器(41)が過冷却器となり室内熱交換器(27)および蓄熱用熱交換器(43)が蒸発器となる冷凍サイクル(冷房蓄冷サイクル)が行われる。一方、蓄熱回路(31)では、循環動作が行われる。
具体的には、四方切換弁(28)が第1状態に設定される。これにより、圧縮機(21)は、その吐出端が室外熱交換器(22)のガス端に接続され、その吸入端がガス冷媒流路(13)に接続される。また、第1開閉弁(51)が開状態に設定され、第2開閉弁(52)と第3開閉弁(53)が閉状態に設定される。室外膨張弁(23)の開度が全開状態に設定され、室内膨張弁(26)の開度が所定の開度(室内熱交換器の出口における冷媒の過熱度が目標過熱度となる開度)に調節され、蓄熱用膨張弁(42)の開度が所定の開度(蓄熱用熱交換器(43)の出口における冷媒の過熱度が目標過熱度となる開度)に調節される。室外側過冷却膨張弁(24c)の開度が全閉状態に設定され、蓄熱側過冷却膨張弁(25c)の開度が所定の開度に調節される。圧力調節弁(45)の開度が全閉状態に設定され、流路開閉弁(46)が開状態に設定される。圧縮機(21)と室外ファン(22a)と室内ファン(27a)が駆動状態に設定され、循環ポンプ(33)が駆動状態に設定される。
圧縮機(21)から吐出された冷媒は、室外熱交換器(22)に流入し、室外熱交換器(22)において室外空気に放熱して凝縮する。室外熱交換器(22)から流出した冷媒は、全開状態の室外膨張弁(23)と室外側過冷却熱交換器(24)とを順に通過して液冷媒流路(12)に流入する。液冷媒流路(12)に流入して第1接続点(P1)を通過した冷媒は、その一部が開状態の第1開閉弁(51)に流入し、その残部がバイパス流路(14)に流入する。開状態の第1開閉弁(51)を通過した冷媒は、蓄熱側過冷却熱交換器(25)に流入し、蓄熱側過冷却熱交換器(25)において冷却される。蓄熱側過冷却熱交換器(25)において冷却された冷媒は、室内膨張弁(26)において減圧されて室内熱交換器(27)に流入し、室内熱交換器(27)において室内空気から吸熱して蒸発する。これにより、室内空気が冷却される。室内熱交換器(27)から流出した冷媒は、ガス冷媒流路(13)に流入する。一方、バイパス流路(14)に流入した冷媒は、予熱用熱交換器(41)の冷媒側通路(41a)に流入し、予熱用熱交換器(41)の冷媒側通路(41a)を通過する間に蓄熱側通路(41b)を流れる蓄熱媒体に放熱して冷却される。予熱用熱交換器(41)の冷媒側通路(41a)から流出した冷媒は、蓄熱用膨張弁(42)において減圧されて蓄熱用熱交換器(43)の冷媒側通路(43a)に流入し、蓄熱用熱交換器(43)の冷媒側通路(43a)を通過する間に蓄熱側通路(43b)を流れる蓄熱媒体から吸熱して蒸発する。蓄熱用熱交換器(43)の冷媒側通路(43a)から流出した冷媒は、圧力調節機構(44)の流路開閉弁(46)を通過してガス冷媒流路(13)に流入する。ガス冷媒流路(13)では、室内熱交換器(27)を通過した冷媒と圧力調節機構(44)の圧力調節弁(45)を通過した冷媒とが合流して圧縮機(21)に吸入され、再び圧縮される。
蓄熱回路(31)では、蓄熱タンク(32)から流出した蓄熱媒体は、予熱用熱交換器(41)の蓄熱側通路(41b)に流入し、予熱用熱交換器(41)の蓄熱側通路(41b)を通過する間に冷媒側通路(41a)を流れる冷媒によって加熱される。予熱用熱交換器(41)の蓄熱側通路(41b)から流出した蓄熱媒体は、循環ポンプ(33)を通過して蓄熱用熱交換器(43)の蓄熱側通路(43b)に流入し、蓄熱用熱交換器(43)の蓄熱側通路(43b)を通過する間に冷媒側通路(43a)を流れる冷媒によって冷却される。蓄熱用熱交換器(43)の蓄熱側通路(43b)から流出した蓄熱媒体は、蓄熱タンク(32)に流入する。このようにして、蓄熱タンク(32)に冷熱が蓄えられる。
このように、予熱用熱交換器(41)では、冷媒側通路(41a)を流れる冷媒によって蓄熱側通路(41b)を流れる蓄熱媒体が加熱される。これにより、蓄熱タンク(32)から流出した蓄熱媒体に含まれる包接水和物を融解させることができるので、蓄熱回路(31)において包接水和物が大量に生成されて蓄熱媒体の循環効率が低下することを抑制することができる。具体的には、予熱用熱交換器(41)から流出した蓄熱媒体が流れる配管部(蓄熱用熱交換器(43)の蓄熱側通路(43b)を含む)において蓄熱媒体の包接水和物が大量に生成されて蓄熱回路(31)を構成する配管が閉塞することを防止することができる。
〔冷房蓄冷運転における制御〕
次に、図6に示した冷房蓄冷運転における制御(コントローラ(100)による制御)について説明する。冷房蓄冷運転では、コントローラ(100)は、室内側過熱度制御と、蓄熱側過熱度制御と、目標低圧圧力制御と、冷房能力制御とを並行して行う。なお、以下で説明する温度および過熱度は、各種センサ(図示を省略)の検出値に基づいて検出することが可能である。
〈室内側過熱度制御(過熱度制御動作)〉
室内側過熱度制御では、コントローラ(100)は、室内熱交換器(27)の出口における冷媒の過熱度(以下、室内側冷媒過熱度と記載)が予め設定された室内側目標過熱度となるように、室内膨張弁(26)の開度を調節する。具体的には、コントローラ(100)は、室内側冷媒過熱度が室内側目標過熱度よりも大きくなると、室内膨張弁(26)の開度を増加させ、室内側冷媒過熱度が室内側目標過熱度よりも小さくなると、室内膨張弁(26)の開度を減少させる。なお、コントローラ(100)は、室内空気温度と予め設定された目標冷房温度との差(目標冷房温度から室内空気温度を減算して得られる差分値)が大きくなるほど、室内側目標過熱度が小さくなるように、室内側目標過熱度を設定する。
〈蓄熱側過熱度制御〉
蓄熱側過熱度制御では、コントローラ(100)は、蓄熱用熱交換器(43)の出口における冷媒の過熱度(以下、蓄熱側冷媒過熱度と記載)が予め設定された蓄熱側目標過熱度となるように、蓄熱用膨張弁(42)の開度を調節する。具体的には、コントローラ(100)は、蓄熱側冷媒過熱度が蓄熱側目標過熱度よりも大きくなると、室内膨張弁(26)の開度を増加させ、蓄熱側冷媒過熱度が蓄熱側目標過熱度よりも小さくなると、室内膨張弁(26)の開度を減少させる。なお、蓄熱側冷媒過熱度は、第1冷媒温度センサ(61)および第2冷媒温度センサ(62)の検出値に基づいて算出することが可能である。
〈目標低圧圧力制御〉
目標低圧圧力制御では、コントローラ(100)は、冷媒回路(11)における低圧圧力(この例では、圧縮機(21)の吸入圧力)が予め設定された目標低圧圧力となるように、圧縮機(21)の回転数を制御する。具体的には、コントローラ(100)は、圧縮機(21)の吸入圧力が目標低圧圧力よりも高くなると、圧縮機(21)の回転数を増加させ、圧縮機(21)の吸入圧力が目標低圧圧力よりも低くなると、圧縮機(21)の回転数を減少させる。
〈冷房能力制御〉
冷房能力制御では、コントローラ(100)は、室内熱交換器(27)の冷却負荷(室内の冷房負荷、すなわち、目標冷房温度と室内空気温度との差)と蓄熱用熱交換器(43)における冷媒の蒸発温度と基準蒸発温度とに基づいて、目標低圧圧力の設定や室内ファン(27a)の回転数の調節を行う。この例では、コントローラ(100)は、第2冷媒温度センサ(62)の検出値(すなわち、蓄熱用熱交換器(43)の冷媒入口温度)を蓄熱用熱交換器(43)における冷媒の蒸発温度とみなして冷房能力制御を行う。
なお、基準蒸発温度は、下限蒸発温度に所定温度(例えば、1℃)を加算して得られる温度(すなわち、下限蒸発温度よりも高い温度)に設定されている。下限蒸発温度は、蓄熱用熱交換器(43)における蓄熱媒体の冷却に適した冷媒の蒸発温度の温度範囲(以下、蒸発温度の適切範囲と記載)の下限温度に設定されている。ただし、基準蒸発温度は、蒸発温度の適切範囲の上限温度と同一または上限温度よりも低い温度に設定されていることが好ましい。また、蒸発温度の適切範囲は、蓄熱媒体の水和物生成温度と蓄熱用熱交換器(43)の大きさ(熱交換面積)とに基づいて設定することが可能である。例えば、臭化テトラnブチルアンモニウム水溶液を蓄熱媒体として用いる場合、蒸発温度の適切範囲は、約4℃〜7℃の範囲に設定され、下限蒸発温度は、4℃に設定される。
次に、図7を参照して、コントローラ(100)による冷房能力制御について詳しく説明する。コントローラ(100)は、予め設定された処理時間毎に以下の処理を行う。
まず、コントローラ(100)は、冷房負荷が増加している否かを判定する(ステップ(ST11))。具体的には、コントローラ(100)は、今回の冷房負荷が前回の冷房負荷よりも大きくなっている場合に、冷房負荷が増加していると判定する。冷房負荷が増加していると判定すると、コントローラ(100)は、蓄熱用熱交換器(43)における冷媒の蒸発温度が基準蒸発温度よりも低いか否かを判定する(ステップ(ST12))。
冷房負荷が増加している場合に蓄熱用熱交換器(43)における冷媒の蒸発温度が基準蒸発温度を下回っていると判定する(ステップ(ST12)のYES)と、コントローラ(100)は、開度増加動作を行う(ステップ(ST13))。開度増加動作では、コントローラ(100)は、冷房負荷の増加に応じて室内膨張弁(26)の開度を増加させるが、目標低圧圧力を低下させない。具体的には、コントローラ(100)は、冷房負荷が大きくなるほど室内膨張弁(26)の開度が大きくなるように、室内膨張弁(26)の開度を調節する。
なお、この例では、コントローラ(100)は、冷房負荷の増加に応じて室内ファン(27a)の回転数を増加させることによって開度増加動作(室内膨張弁(26)の開度を増加させる動作)を行う。具体的には、コントローラ(100)は、冷房負荷が大きくなるほど室内ファン(27a)の回転数が高くなるように、室内ファン(27a)の回転数を調節する。
一方、冷房負荷が増加している場合に蓄熱用熱交換器(43)における冷媒の蒸発温度が基準蒸発温度を下回っていないと判定する(ステップ(ST12)のNO)と、コントローラ(100)は、冷房負荷の増加に応じて目標低圧圧力を低下させる(ステップ(ST14))。具体的には、コントローラ(100)は、冷房負荷が大きくなるほど目標低圧圧力が低くなるように、目標低圧圧力を設定する。
また、コントローラ(100)は、冷房負荷が減少しているか否かを判定する(ステップ(ST15))。具体的には、コントローラ(100)は、今回の冷房負荷が前回の冷房負荷よりも小さくなっている場合に、冷房負荷が減少していると判定する。そして、冷房負荷が増加していないが減少していると判定する(ステップ(ST15)のYES)と、コントローラ(100)は、冷房負荷の減少に応じて目標低圧圧力を上昇させる(ステップ(ST16))。具体的には、コントローラ(100)は、冷房負荷が小さくなるほど目標低圧圧力が高くなるように、目標低圧圧力を設定する。
なお、冷房負荷が増加も減少もしていない場合(ステップ(ST15)のNO)、コントローラ(100)は、目標低圧圧力を変更せずに維持する。
このように、コントローラ(100)は、冷房負荷が増加するときに蓄熱用熱交換器(43)における冷媒の蒸発温度が基準蒸発温度を下回っていない場合には、冷房負荷の増加に応じて目標低圧圧力を低下させ、冷房負荷が増加するときに蓄熱用熱交換器(43)における冷媒の蒸発温度が基準蒸発温度を下回っている場合には、目標低圧圧力を低下させることなく、冷房負荷の増加に応じて室内膨張弁(26)の開度を増加させる開度増加動作を行う。また、コントローラ(100)は、冷房負荷が減少する場合には、冷房負荷の減少に応じて目標低圧圧力を上昇させる。
〈コントローラによる制御の具体例〉
蓄熱用熱交換器(43)における冷媒の蒸発温度が基準蒸発温度を下回っているときに、冷房負荷が増加して室内熱交換器(27)における冷却能力(すなわち、冷房能力)が不足すると、コントローラ(100)は、目標低圧圧力を低下させることなく、室内ファン(27a)の回転数を増加させる。これにより、目標低圧圧力を低下させない状態で、室内熱交換器(27)における冷媒と室内空気との熱交換が促進され、室内熱交換器(27)の出口における冷媒の過熱度が増加する。室内熱交換器(27)の出口における冷媒の過熱度が室内側目標過熱度よりも大きくなると、コントローラ(100)は、室内膨張弁(26)の開度を増加させる。これにより、室内熱交換器(27)を流れる冷媒の流量が増加するので、圧縮機(21)の吸入圧力を低下させることなく、室内熱交換器(27)における冷房能力を増加させることができる。そして、室内熱交換器(27)の出口における冷媒の過熱度が小さくなって室内側目標過熱度に近づく。また、室内膨張弁(26)の開度を増加させることにより、圧縮機(21)の吸入圧力が上昇する。そして、圧縮機(21)の吸入圧力が目標低圧圧力よりも高くなると、コントローラ(100)は、圧縮機(21)の回転数を増加させる。その結果、圧縮機(21)の吸入圧力が上昇して圧縮機(21)の吸入圧力が目標低圧圧力に近づく。
〔実施形態による効果〕
以上のように、目標低圧圧力を低下させることなく、室内膨張弁(26)の開度を増加させることにより、圧縮機(21)の吸入圧力を低下させることなく、室内熱交換器(27)の冷却能力を増加させることができる。また、圧縮機(21)の吸入圧力を低下させないので、圧縮機(21)の吸入圧力の低下に伴う蓄熱用熱交換器(43)における冷媒の蒸発圧力の低下を抑制することができ、蓄熱用熱交換器(43)における冷媒の蒸発温度が低くなり過ぎることを防止することができる。したがって、蓄熱用熱交換器(43)において蓄熱媒体が冷却され過ぎることを防止することができ、蓄熱回路(31)における蓄熱媒体の循環効率の低下を抑制することができる。この例では、蓄熱用熱交換器(43)において蓄熱媒体が冷却され過ぎて、包接水和物(すなわち、固体成分)が大量に生成されて蓄熱媒体の循環効率が低下すること(具体的には、包接水和物により蓄熱回路(31)の配管が閉塞されてしまうこと)を抑制することができる。このように、蓄熱用熱交換器(43)において蓄熱媒体が冷却され過ぎることを防止することができるので、冷房蓄冷運転において、室内熱交換器における冷却能力(すなわち、冷房能力)を確保しつつ、蓄熱回路(31)における蓄熱媒体の循環効率の低下を抑制することができる。
(その他の実施形態)
なお、以上の説明では、冷房蓄冷運転において、圧力調節弁(45)の開度が全閉状態に設定され、流路開閉弁(46)が開状態に設定される場合を例に挙げたが、冷房蓄冷運転において、流路開閉弁(46)を閉状態に設定し、圧力調節弁(45)の開度を所定の開度に調節してよい。この場合、蓄熱用熱交換器(43)から流出した冷媒は、圧力調節弁(45)において減圧されてガス冷媒流路(13)に流入することになる。このように制御することにより、蓄熱用熱交換器(43)における冷媒の蒸発圧力を圧縮機(21)の吸入圧力よりも高くすることができ、蓄熱用熱交換器(43)における冷媒の蒸発温度が低くなり過ぎることを防止することができる。これにより、蓄熱用熱交換器(43)において蓄熱媒体が冷却され過ぎて、包接水和物が大量に生成されて蓄熱媒体の循環効率が低下することを防止することができる。
また、蓄熱媒体、臭化テトラnブチルアンモニウムを含有する臭化テトラnブチルアンモニウム水溶液以外の蓄熱材であってもよい。蓄熱媒体の濃度は、40%に限定されずともよい。
また、以上の実施形態を適宜組み合わせて実施してもよい。以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、この発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、上述の蓄熱式空気調和機は、蓄熱媒体の蓄熱作用を利用して冷熱を蓄えることが可能な空気調和機として有用である。
10 蓄熱式空気調和機
11 冷媒回路
12 液冷媒流路
13 ガス冷媒流路
14 バイパス流路
14d 第1分岐配管
14e 第2分岐配管
15 分岐流路
20a 室外ユニット
20b 室内ユニット
21 圧縮機
22 室外熱交換器
22a 室外ファン
23 室外膨張弁
24 室外側過冷却熱交換器
25 蓄熱側過冷却熱交換器
26 室内膨張弁
27 室内熱交換器
27a 室内ファン
28 四方切換弁
30 蓄熱ユニット
31 蓄熱回路
32 蓄熱タンク
33 循環ポンプ
41 予熱用熱交換器
42 蓄熱側膨張弁
43 蓄熱用熱交換器
44 圧力調節機構
45 圧力調節弁
46 流路開閉弁(開閉弁)
51 第1開閉弁
52 第2開閉弁
53 第3開閉弁
61 第1冷媒温度センサ
62 第2冷媒温度センサ
100 コントローラ(運転制御部)

Claims (2)

  1. 圧縮機(21)と、室外熱交換器(22)と、室内熱交換器(27)と、室内膨張弁(26)と、該室外熱交換器(22)の液端が接続されるとともに該室内熱交換器(27)の液端が該室内膨張弁(26)を介して接続される液冷媒流路(12)と、該室内熱交換器(27)のガス端が接続されるガス冷媒流路(13)と、一端が該液冷媒流路(12)に接続され他端が該ガス冷媒流路(13)に接続されるバイパス流路(14)とを有する冷媒回路(11)と、
    冷却により固体成分が生成される蓄熱媒体が流れる蓄熱回路(31)と、
    上記バイパス流路(14)と上記蓄熱回路(31)とに接続され、該バイパス流路(14)を流れる冷媒と該蓄熱回路(31)を流れる蓄熱媒体とを熱交換させる蓄熱用熱交換器(43)と、
    上記圧縮機(21)の吐出端が上記室外熱交換器(22)のガス端に接続され、該圧縮機(21)の吸入端が上記ガス冷媒流路(13)に接続され、該室外熱交換器(22)が凝縮器となり上記室内熱交換器(27)および上記蓄熱用熱交換器(43)が蒸発器となる冷房蓄冷サイクルが行われるように、上記冷媒回路(11)を制御する運転制御部(100)とを備え、
    上記運転制御部(100)は、上記冷媒回路(11)において上記冷房蓄冷サイクルが行われる冷房蓄冷運転において、上記室内熱交換器(27)の冷却負荷が増加するときに上記蓄熱用熱交換器(43)における冷媒の蒸発温度が予め設定された基準蒸発温度を下回っている場合に、該室内熱交換器(27)の冷却負荷の増加に応じて上記室内膨張弁(26)の開度を増加させる開度増加動作を行う
    ことを特徴とする蓄熱式空気調和機。
  2. 請求項1において、
    上記室内熱交換器(27)に空気を搬送する室内ファン(27a)をさらに備え、
    上記運転制御部(100)は、上記冷媒回路(11)において上記冷房蓄冷サイクルが行われているときに、上記室内熱交換器(27)から流出した冷媒の過熱度が予め設定された目標過熱度となるように上記室内膨張弁(26)の開度を調節する過熱度制御動作を行い、上記蓄熱用熱交換器(43)における冷媒の蒸発温度が上記基準蒸発温度を下回る場合に、上記室内熱交換器(27)の冷却負荷の増加に応じて上記室内ファン(27a)の回転数を増加させることによって、上記開度増加動作を行う
    ことを特徴とする蓄熱式空気調和機。
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