JP2016125352A - 点火制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関の気筒内の状態に応じて点火を制御し、混合気に確実に着火させることができる点火制御装置を提供する。【解決手段】電力を供給する電源40と、電源40から供給される電力を用いて気筒50内において点火を行う点火プラグ31と、電源40及び点火プラグ31を制御するECU30と、を備え、ECU30は、気筒50内の温度が低い場合は、気筒50内の温度が高い場合に比べて電源40から点火プラグ31に供給させる電力を大きくする。【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関の気筒内における点火を制御する点火制御装置に関する。
内燃機関の燃費向上や、排出ガス中の有害物質の低減等を目的として、気筒内における燃焼を最適なものに制御しようとする検討が進められている。
例えば、下記特許文献1には、点火時期を制御する内燃機関の制御装置が記載されている。詳細には、下記特許文献1の制御装置は、吸排気バルブの動作量を変更する可変バルブ機構を備えた内燃機関において、当該内燃機関が置かれる条件が種々変化した場合に、点火時期をそれぞれの条件に応じて演算するものである。点火時期を最適なものとすることにより、吸排気バルブの動作状態に応じて変化するノック挙動を考慮して、内燃機関の気筒内の混合気に着火(発火)させることができる。
特開2011−12551号公報
近年の内燃機関では、燃焼制御の更なる高度化、複雑化が進んでいる。例えば、気筒内において、混合気をリーンバーン状態で燃焼させる内燃機関が広く普及しており、燃費向上に寄与している。
また、EGR(Exhaust Gas Recirculation)技術が採用された内燃機関の普及も進んでいる。EGR技術では、気筒内における燃焼によって生成された排出ガスの一部を、内燃機関の吸気側に取り込む。これにより、燃費を向上させるとともに、窒素酸化物の発生を抑制することが可能となる。
しかしながら、混合気をリーンバーン状態で燃焼させる内燃機関では、燃料ガスが理論空燃比よりも希薄な状態となる。したがって、点火プラグによる火花点火では、混合気が理論空燃比である場合とは異なる条件、つまり筒内環境に適応したもので行うことが好ましい。また、EGR技術を採用した内燃機関では、気筒内に取り込まれる排出ガスの性状や量が変化するため、気筒内の状態の変化も複雑なものとなる。
前述した点火時期を制御する手法のみでは、リーンバーン状態のようにそもそも混合気中の燃料ガスの量が不十分な場合等に、その燃焼を最適なものとすることができない。このように、近年の高度化、複雑化した内燃機関では、混合気に確実に着火させて、内燃機関の性能を最大限に引き出すように点火を制御することが困難だという課題があった。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、内燃機関の気筒内の状態に応じて点火を制御し、混合気に確実に着火させることができる点火制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る点火制御装置は、内燃機関(1)の気筒(50)内における点火を制御する点火制御装置(100,100A)であって、電力を供給する電力供給部(40)と、電力供給部から供給される電力を用いて気筒内において点火を行う点火部(31)と、電力供給部及び点火部を制御する制御部(30)と、を備える。制御部は、気筒内の温度が低い場合は、気筒内の温度が高い場合に比べて電力供給部から点火部に供給させる電力を大きくする。
本発明では、制御部は、気筒内の温度に応じて電力供給部から点火部に供給させる電力を変化させる。すなわち、制御部は、気筒内の温度が低い場合は、気筒内の温度が高い場合に比べて電力供給部から点火部に供給させる電力を大きくする。これにより、気筒内の温度が低く、混合気が比較的着火し難い状態にある場合でも、大きな電力を点火部に供給して当該電力を用いて点火を行い、その結果、混合気に確実に着火させることが可能となる。
本発明によれば、内燃機関の気筒内の状態に応じて点火を制御し、混合気に確実に着火させることができる点火制御装置を提供することが可能となる。
本発明の第1実施形態に係る点火制御装置を適用した車両のエンジンの概略構成図である。 図1に示されている点火制御装置を示す概略構成図である。 図1に示されている点火制御装置とその変形例のECUによる処理の流れを示すフローチャートである。 図1に示されている点火制御装置とその変形例の点火動作を示すタイムチャートである。 本発明の第2実施形態に係る点火制御装置とその変形例のECUによる処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る点火制御装置とその変形例の点火動作を示すタイムチャートである。 本発明の第3実施形態に係る点火制御装置を示す概略構成図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
まず、図1を参照しながら、本発明の第1実施形態に係る点火制御装置100が適用される車両のエンジン1について説明する。まず、エンジン1の構成について説明する。
エンジン1は、筒内噴射式の内燃機関であり、複数の気筒50を有している。図1では、便宜上1つの気筒50のみを図示しているが、実際には紙面奥行方向に複数の気筒50が並べて配置されている。各気筒50の内部には、上下方向に往復運動するピストン56が配置されている。各気筒50の上部内壁面とピストン56との間には、燃焼室54が形成されている。エンジン1は、吸気ポート51に接続され外部から燃焼用の空気を吸入する吸気管12と、排気ポート52に接続されエンジン1から排出される排出ガスを外部に導く排気管23と、を有している。
吸気管12の最上流部には、通過する空気から異物を取り除くフィルタ状のエアクリーナ13が設けられている。また、このエアクリーナ13の下流側には、吸気管12の内部の流路を流れる空気の流量を検出するエアフロメータ14が設けられている。
エアフロメータ14の下流側には、吸気管12の内部の流路を開閉するスロットルバルブ16が設けられている。スロットルバルブ16はDCモータ15によって駆動され、その開度(スロットル開度)を調整可能とされている。スロットル開度は、スロットルセンサ17によって検出される。
スロットルバルブ16の下流側には、サージタンク18が設けられている。このサージタンク18には、吸気管圧力を検出する吸気管圧力センサ19が設けられている。サージタンク18と各気筒50の吸気ポート51との間には、各気筒50に空気を導入する吸気マニホールド20が接続されている。
吸気マニホールド20には、上流側CO2センサ61が設けられている。上流側CO2センサ61は、吸気マニホールド20の内部の流路を通過するガスの二酸化炭素濃度を検出する。
エンジン1は、吸気ポート51と燃焼室54との間を開閉する吸気バルブ57を有している。また、エンジン1は、その排気ポート52と燃焼室54との間を開閉する排気バルブ58を有している。吸気バルブ57は、そのバルブタイミングを調整する可変バルブタイミング機構59が取り付けられている。また、排気バルブ58は、そのバルブタイミングを調整する可変バルブタイミング機構60が取り付けられている。
エンジン1の各気筒50の吸気バルブ57の近傍には、燃焼室54に臨むようにして燃料噴射弁21が取り付けられている。燃料噴射弁21は、図示しない燃料タンクから供給される燃料を、各気筒50内の燃焼室54に直接噴射する。
一方、エンジン1の排気管23には、気筒50内における燃料の燃焼によって生じた排出ガスを浄化する触媒ユニット25が設けられている。また、触媒ユニット25の上流側には、排出ガスの二酸化炭素濃度を検出する下流側CO2センサ64と、排出ガスの空燃比を検出するA/Fセンサ24が設けられている。
各気筒50内の燃焼室54の上部には、点火プラグ31と、コイルユニット32と、が設けられている。
点火プラグ31は、気筒50ごとに設けられ、その下端が燃焼室54に臨むようにして設けられている。点火プラグ31は、後述するように、その下端に電極部31a,31bを有している(図2参照)。点火プラグ31は、外部から電力の供給を受けることで、その電極において火花放電を生じさせて点火を行い、各気筒50内の燃料ガスと空気からなる混合気に着火させる。
コイルユニット32は、点火プラグ31の上方に設けられる。コイルユニット32は、外部の電源40(図2参照)及び点火プラグ31と電気的に接続されている。電源40から供給される電力は、コイルユニット32を介して点火プラグ31に供給される。
エンジン1のシリンダブロックには、冷却水温センサ26と、ノックセンサ27と、クランク角センサ29と、油温センサ62と、が取り付けられている。冷却水温センサ26は、シリンダブロック内を流れてエンジン1を冷却する冷却水の温度を検出し、その検出値に対応する信号を出力する。また、ノックセンサ27は、エンジン1のノッキングを検出し、その検出値に対応する信号を出力する。クランク角センサ29は、エンジン1のクランク軸28の回転を所定のクランク角毎に検出し、その検出値に対応する信号を出力する。油温センサ62は、シリンダブロック内に封入される潤滑油の温度を検出し、その検出値に対応する信号を出力する。
ECU30は、スロットルセンサ17、吸気管圧力センサ19、上流側CO2センサ61、下流側CO2センサ64、A/Fセンサ24、冷却水温センサ26、ノックセンサ27、クランク角センサ29、及び、油温センサ62と電気的に接続されており、各センサから出力された信号を受信する。また、ECU30は、DCモータ15、燃料噴射弁21、コイルユニット32、及び、可変バルブタイミング機構59,60とも電気的に接続されており、制御信号を送信して各要素の制御を行う。
さらに、ECU30は、排気工程で気筒50内から排出される排出ガスの一部を吸気ポート51に流入させるとともに、吸気工程で当該排出ガスを気筒50内に戻す公知の内部EGRを、エンジン1に行わせることが可能である。具体的には、ECU30は、吸気バルブ57のバルブタイミングを進角側に変化させるとともに、排気バルブ58のバルブタイミングを遅角側に変化させるように、可変バルブタイミング機構59,60を調整する。
次に、図2を参照しながら、点火制御装置100について詳述する。図2は、点火制御装置100周辺の回路構成を示している。
点火プラグ31は、金属材料によって形成された一対の電極部31a,31bを有している。これら電極部31aと電極部31bとの間には、ギャップ31cが形成されている。電極部31a,31b間に点火コイル70によって放電電圧V2が印加されることにより、ギャップ31cは絶縁が破壊されて通電状態となる。ギャップ31cが通電状態となることにより、火花放電が生じて点火が行われる。
コイルユニット32は、1次側コイル71と、2次側コイル72と、イグナイタ73と、を有している。
1次側コイル71は、軟磁性体によって円柱状に形成された中心コアに、エナメル銅線を円筒状に巻回することにより形成されている。1次側コイル71は、その一端が外部の電源40に接続され、他端がイグナイタ73を介して接地されている。1次側コイル71は、電源40から供給される電力を通電させることができる。
2次側コイル72は、樹脂材料によって円筒状に形成されたボビンに、エナメル銅線を円筒状に巻回することにより形成されている。2次側コイル72においてエナメル銅線が巻回されている回数は、1次側コイル71においてエナメル銅線が巻回されている回数よりも多い。ボビンの内部には1次側コイル71が収容されている。2次側コイル72は、1次側コイル71と磁気的に結合されることにより、1次側コイル71とともに磁気回路を形成している。2次側コイル72は、その一端が点火プラグ31に接続され、他端がダイオードを介して接地されている。
イグナイタ73は、ECU30と電気的に接続されており、ECU30から受信する点火信号Gに基づいて、電源40から1次側コイル71に供給される電力を制御する。イグナイタ73は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)74等のスイッチング素子を実装した回路基板を、絶縁性の樹脂材料によってモールドすることにより形成されている。IGBT74のエミッタは、外部のグラウンドと繋がる配線と接続されることによって、接地されている。
次に、図2、図3及び図4を参照しながら、点火制御装置100による点火の制御について説明する。図3は、ECU30によって実行されるルーチンを示しており、エンジン1が始動すると、ECU30は当該ルーチンを所定周期(例えば10msec周期)で繰り返し実行する。
ECU30は、まず、図3に示されるステップS101で、気筒50内の空燃比であるA/F値が、閾値AF1よりも大きいか否かを判定する。具体的には、A/Fセンサ24から受信した信号に基づいて気筒50内のA/F値を算出するとともに、その算出したA/F値と閾値AF1との大小関係を比較する。A/F値が閾値AF1以下である場合(S101:NO)、ECU30は、ステップS106に進む。
次に、ECU30は、ステップS106で、通常制御により点火プラグ31に点火を行わせる。以下、この通常制御について具体的に説明する。
図4に示されるように、ECU30は、時刻t1で、イグナイタ73に対し点火信号Gの送信を開始する。これにより、電源40から1次側コイル71への1次電流I1(1次電圧V1)の通電は、IGBT41によってオフ状態からオン状態に切り換えられる。
次に、ECU30は、点火信号Gの送信開始から時間Tg1が経過した時刻t2で、点火信号Gの送信を停止する。これにより、電源40から1次側コイル71への1次電流I1の通電は、IGBT41によってオン状態からオフ状態に切り換えられる。1次側コイル71に流れる1次電流I1が遮断されることにより、1次電流I1の通電時に磁気回路に蓄積された磁気エネルギが、2次側コイル72に誘導される。
このような相互誘導作用によって2次側コイル72に誘導された磁気エネルギは、1次側コイル71よりもエナメル銅線の巻き数の多い2次側コイル72にて、1次側コイル71を流れる1次電流I1の電圧から昇圧される。時刻t3で、この電圧は、点火プラグ31に火花放電を生じさせる放電電圧V2として、2次側コイル72から点火プラグ31に出力される。この放電電圧V2は最大値がV21であり、時間の経過とともに漸次減少する。
放電電圧V2が印加された点火プラグ31は、そのギャップ31cの絶縁が破壊される。これにより、ギャップ31cに放電電流I2が流れ、火花放電が生じて点火が行われる。この放電電流I2は最大値がI21であり、時間の経過とともに漸次減少する。点火プラグ31が時間Ts1に亘って放電して点火することにより、気筒50内の燃焼室54では、混合気に着火され、燃焼が行われる。
ECU30は、A/F値が閾値AF1以下である間、以上のように、時間Tgに亘る点火信号Gの送信と、時間Ts1に亘る放電とを交互に行う通常制御により、点火プラグ31に点火を行わせる。
一方、図4に示される時刻t4以降のように、A/F値が閾値AF1よりも大きくなった場合(S101:YES)、ECU30は、図3に示されるステップS102に進む。
ここで、A/F値が閾値AF1よりも大きい場合、気筒50内に存在する燃料ガスが比較的少なく、そのため、混合気の燃焼により十分な燃焼熱が発生せず、気筒50内の温度が低下していると推定できる。すなわち、気筒50内は、点火プラグ31が点火を行っても、混合気が着火し難い状態にあると推定できる。この傾向は、燃料ガス以外の全てのガスと、燃料ガスとの質量比であるG/F値についても同様である。
次に、ECU30は、ステップS102で、A/F値と閾値AF1との差分(A/F値−閾値AF1)を算出する。すなわち、ECU30は、A/F値と閾値AF1との乖離量を算出する。ステップS102の処理を終えたECU30は、ステップS103に進む。
次に、ECU30は、ステップS103で、複数の周期で算出したA/F値と閾値AF1との差分から、その加重平均値を算出する。ステップS103の処理を終えたECUは、ステップS104に進む。
次に、ECU30は、ステップS104で、加重平均値が閾値MAF1よりも大きいか否かを判定する。加重平均値が閾値MAF1以下である場合(S104:NO)、ECU30は、ステップS106に進み、前述した通常制御により点火プラグ31に点火を行わせる。
一方、図4に示される時刻t5以降のように、加重平均値が閾値MAF1よりも大きくなった場合(S104:YES)、ECU30は、ステップS105に進む。
次に、ECU30は、ステップS105で、増加補正制御により点火プラグ31に点火を行わせる。増加補正制御は、点火プラグ31に供給する電力を、前述した通常制御に比べて増加するように補正し、点火プラグ31に当該増加した電力を用いた点火を行わせるものである。以下、この増加補正制御について具体的に説明する。
図4に示されるように、ECU30は、加重平均値がMAF1よりも大きくなった後の時刻t6で、イグナイタ73に対し点火信号Gの送信を開始する。これにより、電源40から1次側コイル71への1次電流I1の通電は、IGBT41によってオフ状態からオン状態に切り換えられる。
次に、ECU30は、点火信号Gの送信開始から時間Tg2が経過した時刻t7で、点火信号Gの送信を停止する。この時間Tg2は、前述した通常制御の時間Tg1よりも長時間に設定されている。これにより、1次電流I1の通電時に磁気回路に蓄積された磁気エネルギは、通常制御時よりも大きなものとなり、当該磁気エネルギが2次側コイル72に誘導される。
2次側コイル72に誘導された磁気エネルギは、2次側コイル72にて、1次側コイル71を流れる1次電流I1の電圧から昇圧される。時刻t8で、この電圧は、点火プラグ31に火花放電を生じさせる放電電圧V2として、2次側コイル72から点火プラグ31に出力される。この放電電圧V2の最大値V22は、通常制御時の最大値V21よりも大きなものとなる。
放電電圧V2が印加された点火プラグ31は、そのギャップ31cの絶縁が破壊される。これにより、ギャップ31cに最大値I22の放電電流I2が流れ、火花放電が生じて点火が行われる。この放電電流I2の最大値I22は、通常制御時の最大値I21よりも大きなものとなる。点火プラグ31は、時間Ts1よりも長時間の時間Ts2に亘って放電して点火することにより、気筒50内の燃焼室54では、混合気に着火され、燃焼が行われる。
以上のように、増加補正制御時は、通常制御時よりも大きな電力を点火プラグ31に供給することで点火を行う。これにより、増加補正制御時に点火プラグ31から気筒50内の混合気に投入されるエネルギは、通常制御時よりも大きなものとなる。したがって、気筒50内の温度が低下している状態でも、混合気に確実に着火させることが可能となる。
また、第1実施形態の変形例として、A/F値に代えて、気筒50内の燃料ガス以外の全てのガスと、燃料ガスとの質量比であるG/F値に基づいて、気筒50内の温度低下を推定する方法を採用することができる。当該G/F値は、前述した内部EGRを行った場合に特に大きく上昇する値であり、A/Fセンサ24に加えて、上流側CO2センサ61及び下流側CO2センサ64が検出する値を用いてECU30が算出する。
この場合、図3及び図4の括弧内に示すように、ステップS101で、G/F値が閾値GF1よりも大きいか否かを判定する。さらに、図4に示される時刻t4以降のように、G/F値が閾値GF1よりも大きくなった場合に、G/F値と閾値GF1との差分やその加重平均値を算出する。そして、図3に示されるステップS104で、当該加重平均値が閾値MGF1よりも大きい場合に、増加補正制御を行うように構成する。これにより、A/F値に基づいて気筒50内の温度低下を推定する場合と同様の効果を得ることが可能となる。
続いて、図5及び図6を参照しながら、本発明の第2実施形態とその変形例について説明する。本第2実施形態では、A/F値ではなく冷却水の温度又は潤滑油の温度を用いて制御を行う点で、前述した第1実施形態と異なるが、他の部分は共通である。そのため、第1実施形態と共通する部分については同一の符号を用いるなどして、適宜説明を省略する。
図5は、ECU30によって実行されるルーチンを示しており、エンジン1が始動すると、ECU30は当該ルーチンを所定周期(例えば10msec周期)で繰り返し実行する。
ECU30は、まず、図5に示されるステップS201で、エンジン1を冷却する冷却水の温度が、閾値Tc1よりも低いか否かを判定する。具体的には、冷却水温センサ26から受信した信号に基づいて冷却水の温度を算出するとともに、その算出した冷却水温と閾値Tc1との大小関係を比較する。冷却水温が閾値Tc1以上である場合(S201:NO)、ECU30は、ステップS206に進む。ECU30は、ステップS206で、前述した通常制御により点火プラグ31に点火を行わせる。
一方、図6に示される時刻t4以降のように、冷却水温が閾値Tc1よりも低くなった場合(S201:YES)、ECU30は、ステップS202に進む。
ここで、冷却水温及び潤滑油温は、エンジン1の温度と相関を有している。冷却水温が閾値Tc1よりも小さい場合、エンジン1の気筒50内の温度が比較的低い状態にあると推定できる。すなわち、気筒50内は、点火プラグ31が点火を行っても、混合気が着火し難い状態にあると推定できる。この傾向は、潤滑油温についても同様である。
次に、ECU30は、ステップS202で、冷却水温と閾値Tc1との差分を算出する。すなわち、ECU30は、冷却水温と閾値Tc1との乖離量を算出する。ステップS202の処理を終えたECU30は、ステップS203に進む。
次に、ECU30は、ステップS203で、複数の周期で算出した冷却水温と閾値Tc1との差分(冷却水温−閾値Tc)から、その加重平均値を算出する。ステップS203の処理を終えたECU30は、ステップS204に進む。
次に、ECU30は、ステップS204で、加重平均値が閾値MTc1よりも小さいか否かを判定する。加重平均値が閾値MTc1以上である場合(S204:NO)、ECU30は、ステップS206に進む。ECU30は、ステップS206で、前述した通常制御により点火プラグ31に点火を行わせる。
一方、図6に示される時刻t5以降のように、加重平均値が閾値MTc1よりも小さくなった場合(S204:YES)、ECU30は、ステップS205に進む。
次に、ECU30は、ステップS205で、増加補正制御により点火プラグ31に点火を行わせる。前述したように、増加補正制御は、点火プラグ31に供給する電力を、前述した通常制御に比べて増加するように補正し、点火プラグ31に当該増加した電力を用いた点火を行わせる。
以上のように、第2実施形態では、冷却水温に基づいて気筒50内が温度低下していることを推定するとともに、増加補正制御を行う。これにより、気筒50内の温度が低下している状態でも、混合気に確実に着火させることが可能となる。
また、第2実施形態の変形例として、図5及び図6の括弧内に示すように、冷却水温に代えて潤滑油温に基づいて気筒50内の温度低下を推定する方法を採用することができる。この場合、前述した図5のステップS201で、油温センサ62によって検出される潤滑油温が閾値To1よりも低いか否かを判定する。さらに、図6に示される時刻t4以降のように、潤滑油温が閾値To1よりも低くなった場合に、潤滑油温と閾値To1との差分やその加重平均値を算出する。そして、図5に示されるステップS204で、当該加重平均値が閾値MTo1よりも小さい場合に、増加補正制御を行うように構成する。これにより、冷却水温に基づいて気筒50内の温度低下を推定する方法と同様の効果を得ることが可能となる。
続いて、図7を参照しながら、本発明の第3実施形態に係る点火制御装置100Aについて説明する。図7は、点火制御装置100A周辺の回路構成を示している。第3実施形態に係る点火制御装置100Aは、前述した点火制御装置100の各構成に加えて、追加電源40Aを有している。第1実施形態と共通する部分については同一の符号を用いるなどして、適宜説明を省略する。
追加電源40Aは、1次側コイル71と電気的に接続される。点火制御装置100AのECU30は、イグナイタ73に対し点火信号Gを送信することで、1次側コイル71への通電のオフ状態とオン状態とを切り替える。
ECU30は、1次側コイル71への通電のオン状態において、電源40のみから電力を供給する状態と、電源40及び追加電源40Aから同時に電力を供給する状態とを切り替えることができる。電源40に加えて追加電源40Aからも電力を供給することで、1次側コイル71への1次電流I1を大きくすることができる。
ECU30は、前述した通常制御において、電源40のみから電力を供給させて通電することで、点火プラグ31に点火を行わせる。一方、増加補正制御では、電源40及び追加電源40Aから同時に電力を供給させて通電することで、点火プラグ31に点火を行わせる。これにより、気筒50内の温度が低下している状態でも、気筒50内の混合気に投入されるエネルギを大きくし、混合気に確実に着火させることが可能となる。また、増加補正制御を行う場合のみ用いる追加電源40Aを、電源40と別個に設けることにより、使用頻度が高い電源40の劣化を抑制することが可能となる。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素およびその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
前述した実施形態では、点火プラグ31による点火を例にとって説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、高周波電源を用いたストリーマ放電による点火や、マイクロ波により発生させたプラズマによる点火や、レーザー励起による点火など、点火プラグ31に代えて他の点火方式を採用することも可能である。
1:エンジン(内燃機関)
24:A/Fセンサ(ガス比センサ)
26:冷却水温センサ
30:ECU(制御部)
31:点火プラグ(点火部)
40:電源(第1電力供給部)
40A:追加電源(第2電力供給部)
50:気筒
62:油温センサ
100,100A:点火制御装置

Claims (5)

  1. 内燃機関(1)の気筒(50)内における点火を制御する点火制御装置(100,100A)であって、
    電力を供給する電力供給部(40)と、
    前記電力供給部から供給される電力を用いて前記気筒内において点火を行う点火部(31)と、
    前記電力供給部及び前記点火部を制御する制御部(30)と、を備え、
    前記制御部は、前記気筒内の温度が低い場合は、前記気筒内の温度が高い場合に比べて前記電力供給部から前記点火部に供給させる電力を大きくすることを特徴とする点火制御装置。
  2. 前記電力供給部は、第1電力供給部(40)及び第2電力供給部(40A)を有し、
    前記制御部は、前記気筒内の温度が低い場合は、前記第1電力供給部のみから前記点火部に電力を供給させる一方で、前記気筒内の温度が高い場合は、前記第1電力供給部及び前記第2電力供給部から前記点火部に電力を供給させることを特徴とする請求項1に記載の点火制御装置。
  3. 前記気筒内の混合気における燃料ガス以外のガスと燃料ガスとの比であるガス比を検出するガス比センサ(24)を備え、
    前記制御部は、前記ガス比が大きい場合は、前記ガス比が小さい場合に比べて前記電力供給部から前記点火部に供給する電力を大きくすることを特徴とする請求項1又は2に記載の点火制御装置。
  4. 前記内燃機関を冷却する冷却水の温度を検出する冷却水温センサ(26)を備え、
    前記制御部は、前記冷却水の温度が低い場合は、前記冷却水の温度が高い場合に比べて前記電力供給部から前記点火部に供給する電力を大きくすることを特徴とする請求項1又は2に記載の点火制御装置。
  5. 前記内燃機関の潤滑を行う潤滑油の温度を検出する油温センサ(62)を備え、
    前記制御部は、前記潤滑油の温度が低い場合は、前記潤滑油の温度が高い場合に比べて前記電力供給部から前記点火部に供給する電力を大きくすることを特徴とする請求項1又は2に記載の点火制御装置。
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