JP2016124927A - 光塩基発生剤を含む活性光線硬化組成物及び活性光線硬化型インクジェット用インク - Google Patents
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Abstract
Description
そのため、記録後紫外線(UV)光により硬化させるUVインクジェット方式が検討されている。このような課題を解決するために、記録媒体を選ばず、光照射により瞬時に乾燥(硬化)する活性光線硬化型のインク、例えば、紫外線硬化型インクが関心を集めている。
このような活性光線硬化型インクとしては、光ラジカル開始剤とラジカル反応性化合物とを組み合わせたもの、光塩基発生剤とアニオン反応性化合物とを組み合わせたものなどが検討されている。
光照射後も反応が進行することに加えて、弱塩基を用いることができるため、腐食、変性等の問題が生じ難い。しかし、この系は反応速度が小さく、光塩基発生剤の例も少なく、また、反応性、溶解性を満足するものが少ないことから高速硬化が求められる用途では、使い難いという問題があった。
しかしながら、特許文献1に記載された光塩基発生剤では、特に(メタ)アクリレートもしくは(メタ)アクリルアミドである重合性化合物からなる活性光線硬化組成物とすると反応性が不充分となる問題がある。
即ち、上記課題は、次の(1)に記載の「活性光線硬化組成物」により解決される。
(1)「光塩基発生剤と、重合性化合物を含む活性光線硬化組成物において、該光塩基発生剤は、一般式(I)で表わされるホウ素化合物であり、前記重合性化合物は、(メタ)アクリレートもしくは(メタ)アクリルアミドを含むものであることを特徴とする活性光線硬化組成物。
(2)「一般式(I)で表わされる光塩基発生剤のY+がビグアニジンであることを特徴とする前記(1)に記載の活性光線硬化組成物。」
(3)「増感剤を含むことを特徴とする前記(1)または(2)に記載の活性光線硬化組成物。」
(4)「光ラジカル発生剤を含むことを特徴とする前記(1)乃至(3)のいずれかに記載の活性光線硬化組成物。」
(5)「60℃での粘度が15mPa・s以下であることを特徴とする前記(1)乃至(4)のいずれかに記載の活性光線硬化組成物。」
(6)「重合性化合物が単官能である化合物を含むことを特徴とする前記(1)乃至(5)のいずれかに記載の活性光線硬化組成物。」
(7)「前記(1)乃至(6)のいずれかに記載の活性光線硬化組成物を含むことを特徴とする活性光線硬化型インクジェット用インク。」
(8)「インクジェットインクを収容してなるインク収容容器であって、該インクジェットインクが、活性光線硬化組成物を含むものであり、該活性光線硬化組成物は光塩基発生剤と重合性化合物とを含み、該光塩基発生剤は、一般式(I)で表わされるホウ素化合物であり、前記重合性化合物は、(メタ)アクリレートもしくは(メタ)アクリルアミドを含むものであることを特徴とするインク収容容器:
Rは、置換基を有していてもよい炭素数1〜18のアルキル基を表わすが、具体例として、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状のアルキル基、あるいは炭素数3〜8の脂環式構造が好ましい。ここで、置換基とは、水酸基、置換基を有していてもよいアルキル基などが挙げられる。
nは1〜4の整数であり、n=1〜3のいずれかが好ましく、n=1がさらに好ましい。
Arは、置換基を有していてもよいベンゼン環を表わし、置換基とは、水酸基、置換基を有していてもよいアルキル基などが挙げられる。
Y+は、グアニジン類を表わす。ここで、グアニジン類とは、グアニジン骨格を含む化合物であり、例えば、下記(C−1)〜(C−4)に示すグアニジン、ビグアニジン等を含む概念である。
そして、これら光塩基発生剤は、例えば特開平6−41048号公報記載の合成法により合成することができるが、また、市販品を用いることもでき、例えば和光純薬社のWPBGシリーズ等を用いることができる。
即ち、本発明の光塩基発生剤を用いた場合には、反応活性種が酸素による阻害を受けないため、光照射後も反応が進行し(後硬化)、重合性化合物(モノマー)の残留を低減できて良好な硬化物特性が得られ、安全性等に問題を生じることがない。また、反応活性種が有機の塩基であることから、硬化物周辺の腐食や変性等も起きにくい利点がある。
活性光線硬化組成物に延伸性(可撓性や靭性を含む)が求められる場合は、重合性化合物の官能基は、単官能が好ましい。また単官能である重合性化合物は、多官能の重合性化合物と複数または数種類が組み合わさっていてもよい。
例えば、可視光領域に近い紫外線領域(例えば、波長領域350〜400nm)で活性光線照射が求められる場合などには、組成物中に各種の増感剤を添加するのが好ましい。
このような光ラジカル重合開始剤としては各種公知のものを用いることができるが、好ましくは、ベンゾフェノン類、アルキルフェノン類、アシルホスフィンオキシド類、オキシフェニル酢酸エステル類、ベンゾインエーテル類、オキシムエステル類、チオキサントン類等を用いることができる。
具体的には、赤あるいはマゼンタ顔料としては、Pigment Red 3,5,19,22,31,43,48:1、48:2、48:3、48:4、48:5、49:1、53:1、57:1、57:2、58:4、63:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、88、104、108、112、122,123,144,146,149,166,168、169,170,177,178,179,184,185,208,216,226,257、Pigment Violet 3D,19,23,29,30,37,50,88、Pigment Orange 13、16,20,26などが挙げられる。
青またはシアン顔料としては、Pigment Blue 1、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17:1、22,27,28,29,36,60などが挙げられる。
緑顔料としては、Pigment Green 7,26,36,50などが挙げられる。
黄顔料としては、Pigment Yellow 1,3,12、13,14,17、34,35,37、55,74,81、83,93,94、95,97、108,109,110、137,138,139、153、154,155、157,166,167,168,180,185,193などが挙げられる。
黒顔料としては、Pigment Black 7,26,28などが挙げられる。、
白顔料としては、硫酸バリウム等のアルカリ土類金属の硫酸塩、炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属の炭酸塩、微粉ケイ酸、合成ケイ酸塩等のシリカ類、ケイ酸カルシウム、アルミナ、アルミナ水和物、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、クレイ、中空粒子などが挙げられ、これらは目的に応じて使用できる。
例えば、磁性材料や導電性材料などの機能性材料も使用できる。このような機能性材料の使用により、目視で確認可能な情報以外にも多様な印刷が可能である。
表3に示されるM−2のモノマー(アクリル酸2-オキソテトラヒドロフラン−3−イル;日化辞番号=J1.816405A)の100部と、表1に示されるC−4の光塩基発生剤及び表2に示されるA−3からなる複塩(和光純薬工業社製、WPBG−300)とを、下記表7の組成比で配合(重量部)し、実施例1の活性光線硬化組成物1を調整した。
実施例1のモノマーと光塩基発生剤とに代えて、それぞれの重合性化合物(モノマー)と前記光塩基発生剤を下記表7の組成比で配合(重量部)し、それぞれ実施例2〜9及び比較例1及び比較例2の活性光線硬化組成物を調整した。なお、実施例4及び実施例5にはそれぞれ下記の顔料を含む(活性光線硬化型インクジェット用インクに相当する組成)。
CB:チバ・ジャパン株式会社、MICROLITH Black C−K (カーボンブラック顔料)
Blue:チバ・ジャパン株式会社、MICROLITH Blue 4G−K
溶解性については、所定の比率で調整された活性光線硬化組成物をオーブン中に投入し、10℃ずつ温度を上昇し、固形分がなくなる温度を溶解温度とした。なお、室温で溶解する場合を25℃とした。
表面タックは、活性光線照射直後に指触で確認した。
[判定基準]
指触にてベトツキのあるもの;有
指触にてベトツキのないもの;無
硬化せず(未硬化状態(液状))測定が困難なもの;−
内部硬化は、活性光線照射1日後、指で強く押すことにより確認した。
[判定基準]
指で押しても硬く変形しないもの;○
指で押すと柔らかく変形するもの;×
硬化せず(未硬化状態(液状))測定が困難なもの;−
反応性は、特別に設計した活性光線照射が可能なDSC(示差走査熱量測定器)であるPhoto−DSC(表では、P−DSC)を用いて、その熱量の発生時間から数値を求めた。
装置:SIIナノテク製Photo−DSC(PDC−7)
光源:水銀キセノンランプ 200mW/cm2
反応性の大きさは、図1のΔtの数値の大きさで判断した。
評価結果を下記表7に示す。
装置;anton paarmodular conopact rheometer MCR 302、plate径 8mm、Gap 0.1mm
Claims (9)
- 一般式(I)で表わされる光塩基発生剤のY+がビグアニジンであることを特徴とする請求項1に記載の活性光線硬化組成物。
- 増感剤を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の活性光線硬化組成物。
- 光ラジカル発生剤を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の活性光線硬化組成物。
- 60℃での粘度が15mPa・s以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の活性光線硬化組成物。
- 重合性化合物が単官能である化合物を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の活性光線硬化組成物。
- 請求項1乃至6のいずれかに記載の活性光線硬化組成物を含むことを特徴とする活性光線硬化型インクジェット用インク。
- 請求項8に記載のインク収容容器を備えることを特徴とするインクジェット吐出装置。
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