JP2016124773A - ガラス成形体およびガラス成形体の製造方法 - Google Patents

ガラス成形体およびガラス成形体の製造方法 Download PDF

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貴尋 坂上
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弘輝 石橋
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Abstract

【課題】本発明は、複数のガラスを組み合わせても強度等に問題がなく、且つ高い意匠性を有するガラス成形体の提供を目的とする。また、このようなガラス成形体を生産性よく製造する方法を提供することを目的とする。【解決手段】少なくとも2種以上のガラスが表れる面を有するガラス成形体であって、隣り合うガラスとの軟化点の差が100℃以下であり、且つ隣り合うガラスとの界面に、大きさが100μm以上の泡が存在しないことを特徴とするガラス成形体。【選択図】図1

Description

本発明は、複数のガラスを接合して形成されたガラス成形体、およびその製造方法に関する。
携帯電話等の電子機器の筐体や自動車用内装パネルは、装飾性、耐傷性、加工性、コスト等の様々な要因を考慮し、樹脂、金属等の素材から適宜のものが選択され、用いられている。
近年、従来用いられていなかったガラスを筐体の素材として用いる試みがされている(特許文献1)。特許文献1によれば、携帯電話等の電子機器において、筐体本体をガラスで形成することにより、透明感のある独特の装飾効果を発揮することができるとされている。
また、異なるガラスを組み合わせて、一体化ガラスを作る方法も提案されている。(特許文献2)。特許文献2によれば、組成又は色調の異なる第1、第2ガラスについて、第1のガラスを溶融させて、固化状態の第2のガラスと接触させた後に冷却して一体化ガラスを得ている。
特開2009−61730号公報 特開2012−254898号公報
携帯電話等の電子機器の筐体や自動車用内装パネルには高い意匠性が求められる。ガラスをこれら部材に用いる場合、着色剤を含有した有色ガラス、ガラス表面、もしくは裏面に塗料を塗布したガラスにより、所望の色調を呈する部材として用いることが考えられる。さらに、意匠性の面から、特許文献2のように単色ではなく複数のガラスを接合することによって、より高い意匠性を求める場合においても対応が可能である。
ここで、複数のガラスを接合したガラス成形体を、例えば曲線を有する部分等に導入する際に、所望の形状にすることで、より多くの箇所に高い意匠性を有するガラスを導入することが可能となる。しかし、特許文献2のように、溶融状態の異なるガラスを組み合わせた場合、界面に泡が発生しやすくなるため、ガラス同士の界面部分の強度が低くなり、曲面等の成形時に破損しやすくなる等、生産性の点で問題があった。
本発明は、複数のガラスを接合しても強度等に問題がなく、且つ高い意匠性を有するガラス成形体の提供を目的とする。また、このようなガラス成形体を生産性よく製造する方法を提供する。
(1)少なくとも2種以上のガラスが表れる面を有するガラス成形体であって、隣り合うガラスとの軟化点の差が100℃以下であり、且つ隣り合うガラスとの界面に、大きさが100μm以上の泡が存在しないことを特徴とするガラス成形体。
(2)隣り合うガラスとの界面に存在する、大きさが20〜100μm未満の泡の泡密度が20個/cm以下であることを特徴とする(1)のガラス成形体。
(3)前記隣り合うガラスのうち少なくとも1種以上のガラスの波長380〜780nmにおける吸光度の最小値が0.01以上であることを特徴とする(1)又は(2)のガラス成形体。
(4)前記隣り合うガラスの熱膨張係数(0〜300℃)の差が、25×10−7/K以下であることを特徴とする、(1)〜(3)のいずれかのガラス成形体。
(5)前記隣り合うガラスのアルカリ金属酸化物およびRO(RはMg、Ca、Sr、Ba、Zn)の総和(モル%)の差が5.5%以下であることを特徴とする、(1)〜(4)のいずれかのガラス成形体。
(6)前記ガラス成形体に含まれるガラスのうち少なくとも1つは、酸化物基準のモル%表示で、SiOを55〜80%、Alを0.5〜16%、Bを0〜12%、NaOを5〜18%、KOを0〜4%、MgOを0〜15%、CaOを0〜8%、ΣRO(RはMg、Ca、Sr、Ba、Zn)を0〜18%含有することを特徴とする(1)〜(5)のいずれかのガラス成形体。
(7)前記ガラスは、酸化物基準のモル%表示で、着色成分としてM(但し、ここにおいて、Mは、Fe,Se,Co、Cu、V、Cr、Pr、Ce、Bi、Eu、Mn、Er、Ni、Nd、W、Rb、Sn、およびAgから選ばれる少なくとも1種であり、pとqはMとOの原子比である)を0.001〜10%含有する(1)〜(6)のいずれかのガラス成形体。
(8)前記ガラス成形体が、少なくとも一部に曲面を有することを特徴とする、(1)〜(7)のいずれかのガラス成形体。
(9)前記曲面の少なくとも一部が、少なくとも2軸方向以上に曲がっていることを特徴とする、(8)のガラス成形体。
(10)前記曲面のうち、最も曲率半径が大きいところが5000mm以下であることを特徴とする、(8)又は(9)のガラス成形体。
(11)前記ガラス成形体表面に形成された表面圧縮応力が300MPa以上、且つ表面圧縮応力層が5μm以上であることを特徴とする(1)〜(10)のいずれかのガラス成形体。
(12)前記隣り合うガラスの表面圧縮応力の差が400MPa以下、もしくは表面圧縮応力層の差が50μm以下であることを特徴とする(1)〜(11)のいずれかのガラス成形体。
(13)少なくとも2種以上のガラスを用意する工程と、前記ガラスを屈伏点以上の温度で熱処理することにより接合する接合工程と、
研磨及び/又は切断する、加工工程とを備えることを特徴とするガラス成形体の製造方法。
(14)前記ガラス成形体を曲げ板状にする曲げ工程を備えることを特徴とする(13)のガラス成形体の製造方法。
(15)前記ガラス成形体を化学強化する化学強化工程を有することを特徴とする(13)又は(14)のガラス成形体の製造方法。
本発明によれば、複数のガラスを接合しても強度等に問題がなく、且つ高い意匠性を有するガラス成形体を提供できる。また、このようなガラス成形体を生産性よく製造する方法を提供できる。
本発明のガラス成形体の接合パターンの一例である。 本発明のガラス成形体の曲げ形状の一例である。 本発明のガラス成形体の製造プロセスの一例である。 本発明の実施例における接合時の時間と温度変化を示したグラフである。 本発明の実施例において成形したガラス成形体である。 本発明の実施例において成形したガラス成形体の接合面の拡大写真である。
以下、図面を参照しながら、実施形態に係るガラス成形体及びガラス成形体の製造方法について詳細に説明する。
本発明においては、少なくとも2種以上のガラスを用いて、ガラス成形体を形成する。2種以上のガラスとは、組成、物性値、色のいずれか1つ以上が異なっていることを示す。また、ガラスの形状や表面状態等は特に限定されない。所望の模様や形状が表れる面を有することができればよい。例えば図1に示したように、(a)2色のガラスを交互に並べる、(b)2色のガラスを複数合わせて格子模様にする、(c)3色のガラスを並べる、(d)斜めに並べる、など、様々な接合パターンを形成することが可能である。さらに、必要に応じて、接合前に研磨やエッチング等の表面処理を行ってもよい。
前記ガラス成形体を形成するガラスにおいて、隣り合うガラスの界面の強度を維持するために必須なパラメーターについて説明する。ここで、界面とは隣り合うガラスと接する接合面を指す。なお、本発明において、界面の強度は、例えばJISR1601:2008の3点曲げ試験により測定される。
なお、以下の説明において「必要な界面の強度」とは、前記3点曲げ試験で、寸法が5×40×1mmの成形体において、接着後の板の曲げ強度の平均が、接着していない単板のうち、最も曲げ強度値が高いものの50%値以上のことを指す。
前記ガラス成形体を形成するガラスにおいて、隣り合うガラス同士の軟化点の差が100℃以下となるようにする。100℃以下にすると隣り合うガラス同士の粘性が近くなり、接する面積も増えるため、界面に破壊起点となるような隙間が出来にくくなり、必要な界面の強度を維持できる。100℃以上では同じ熱処理温度下においても一方のガラスが他方のガラスよりも粘性が高いため、接する部分に偏りが生じ、隙間や泡等が発生し、界面の強度が低下する。好ましくは80℃以下、より好ましくは50℃以下である。
前記ガラス成形体を形成するガラスにおいて、界面に大きさが100μm以上の泡が存在しないようにする。100μm以上の泡が存在しないと、ガラス成形体に応力が発生した場合に、泡のないガラス成形体と同様に内部に均一に応力がかかるため必要な界面の強度を維持できる。100μm以上の泡が存在すると、ガラス成形体に応力が発生した場合に、ガラス内部の応力にむらが生じ、応力集中がおきやすくなり、界面の強度が低下するおそれがある。80μm以上の泡が存在しないことが好ましく、50μm以上の泡が存在しないことがより好ましい。また、泡の有無は、界面を光学顕微鏡によって観察することで測定する。
前記ガラス成形体を形成するガラスにおいて、好ましいパラメーターについて説明する。
前記ガラス成形体を形成するガラスにおいて、隣り合うガラスとの界面に存在する、大きさが20〜100μm未満の泡の泡密度が20個/cm以下とする。20〜100μm未満の泡の泡密度が20個/cm以下であると、界面強度のばらつきを低減することができる。20〜100μm未満の泡の泡密度が20個/cm超であると、界面強度のばらつきが大きくなる問題がある。20〜100μm未満の泡密度が、15個/cm以下であることが好ましく、10個/cm以下であることがより好ましい。また、泡密度は、ガラスの融着面を所望のサイズに切り出し、界面上に存在する泡個数を光学顕微鏡を用いて測定し、観察面積×最大泡径で割り、単位体積あたりの泡個数を計算することによって測定する。
前記ガラス成形体を形成するガラスは、可視領域の光を一定以上吸収し所望の色調を呈するよう、前記隣り合うガラスのうち少なくとも1種以上の波長380nm〜780nmにおける吸光度の最小値が0.01以上となるように着色性のガラスを用いて形成される。波長380nm〜780nmにおける吸光度の最小値が0.01以上であれば、所望の色調のガラス成形体を得ることができる。
前記隣り合うガラスのうち少なくとも1種以上の波長380nm〜780nmにおける吸光度の最小値が0.01未満である場合、ガラス成形体の可視領域の波長の透過率が高く、所望の色調のガラス成形体を得ることが難しくなるおそれがある。吸光度は、0.02以上が好ましく、0.3以上がより好ましく、0.8以上が特に好ましく、1.0が最も好ましい。また、ガラス成形体の波長380nm〜780nmにおける吸光度の最大値は、6以下が好ましく、5以下がより好ましい。
本発明における吸光度の算出方法は、以下のとおりである。ガラス体の両面を鏡面研磨し、厚さtを測定する。このガラス体の分光透過率Tを測定する(例えば、日本分光株式会社製、紫外可視近赤外分光光度計V−570を用いる)。そして、吸光度AをA=−log10Tの関係式を用いて算出する。
前記ガラス成形体を形成するガラスにおいて、隣り合うガラスの平均熱膨張係数(0〜300℃)の差が25×10−7/K以下であると、ガラス接着時に界面に発生する応力を軽減できる。25×10−7/K超であると、ガラス接着時に界面に発生する応力が大きくなりガラスが破損する可能性がある。好ましくは15×10−7/K以下、より好ましくは10×10−7/K以下である。
前記ガラス成形体を形成するガラスにおいて、隣り合うガラスのアルカリ金属およびRO(RはMg、Ca、Sr、Ba、Zn)の総和(モル%)の差が5.5%以下であると、ガラス同士の平均熱膨張係数差が小さく、接着時もしくは冷却時においてガラス界面に発生する応力を軽減できる点でよい。5.5%超であると、ガラス同士の熱膨張係数の差が大きくなり、接着時もしくは冷却時においてガラス界面に発生する応力が大きくなり、ガラスが破損するおそれがあり、好ましくない。好ましくは4%以下、より好ましくは3%以下である。
次に、本発明のガラス成形体を形成するガラスにおいて、好ましい組成について説明する。
前記ガラス成形体を形成するガラスのうち、少なくとも1つは、下記酸化物基準のモル百分率表示で、SiOを55〜80%、Alを0.5〜16%、Bを0〜12%、NaOを5〜18%、KOを0〜15%、MgOを0〜15%、CaOを0〜15%、ΣRO(Rは、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn)を0〜25%含有するものが挙げられる。
SiOは、ガラスの骨格を構成する成分であり必須である。55%未満ではガラスとしての安定性が低下する、または耐候性が低下する。好ましくは60%以上である。より好ましくは65%以上である。SiOが80%超ではガラスの粘性が増大し溶融性が著しく低下する。好ましくは75%以下、典型的には70%以下である。
Alは、ガラスの耐候性および化学強化特性を向上させる成分であり、必須である。0.5%未満では耐候性が低下する。好ましくは0.7%以上、典型的には1%以上である。
Alが16%超ではガラスの粘性が高くなり均質な溶融が困難になる。好ましくは14%以下、典型的には12%以下である。
化学強化処理によりガラスの表面に高い表面圧縮応力を形成する場合は、Alは5〜16%(ただし、5%を含まない)とすることが好ましい。また、ガラスの溶融性を高め、安価に製造する場合は、Alは0.5〜5%とすることが好ましい。
は、ガラスの耐候性を向上させる成分であり、必須ではないが必要に応じて含有することができる。Bを含有する場合、4%未満では耐候性向上について有意な効果が得られないおそれがある。好ましくは5%以上であり、典型的には6%以上である。
が12%超では揮散による脈理が発生し、歩留まりが低下するおそれがある。好ましくは11%以下、典型的には10%以下である。
NaOは、ガラスの溶融性を向上させる成分であり、またイオン交換により表面圧縮応力層を形成させるため、必須である。5%未満では溶融性が悪く、またイオン交換により所望の表面圧縮応力層を形成することが困難となる。好ましくは6%以上、典型的には7%以上である。
NaOが18%超では耐候性が低下する。好ましくは17%以下、典型的には16%以下である。
Oは、ガラスの溶融性を向上させる成分であるとともに、化学強化におけるイオン交換速度を大きくする作用があるため、必須ではないが含有することが好ましい成分である。KOを含有する場合、0.01%未満では溶融性向上について有意な効果が得られない、またはイオン交換速度向上について有意な効果が得られないおそれがある。典型的には0.3%以上である。KOが15%超では耐候性が低下する。好ましくは13%以下、典型的には10%以下である。
RO(Rは、Mg、Ca、Sr、Ba、Znを表す)は、ガラスの溶融性を向上させる成分であり、必須ではないが必要に応じていずれか1種以上を含有することができる。その場合ROの含有量の合計ΣRO(ΣROは、MgO+CaO+SrO+BaO+ZnOを表す)が1%未満では溶融性が低下するおそれがある。好ましくは3%以上、典型的には5%以上である。ΣROが25%超では耐候性が低下する。好ましくは20%以下、より好ましくは18%以下、典型的には15%以下である。
MgOは、ガラスの溶融性を向上させる成分であり、必須ではないが必要に応じて含有することができる。MgOを含有する場合、3%未満では溶融性向上について有意な効果が得られないおそれがある。典型的には4%以上である。MgOが15%超では耐候性が低下する。好ましくは13%以下、典型的には12%以下である。
CaOは、ガラスの溶融性を向上させる成分であり、必須ではないが必要に応じて含有することができる。CaOを含有する場合、0.01%未満では溶融性向上について有意な効果が得られない。典型的には0.1%以上である。CaOが15%超では化学強化特性が低下する。好ましくは12%以下、典型的には10%以下である。また、ガラスの化学強化特性を高くする場合は、実質的に含有しないことが好ましい。
化学強化処理によりガラスの表面に高い表面圧縮応力を形成する場合は、CaOは0〜5%(ただし、5%を含まない)とすることが好ましい。また、ガラスの溶融性を高め、安価に製造する場合は、CaOは5〜15%とすることが好ましい。
SrOは、溶融性を向上させるための成分であり、必須ではないが必要に応じて含有することができる。SrOを含有する場合、1%未満では溶融性向上について有意な効果が得られないおそれがある。好ましくは3%以上であり、典型的には6%以上である。SrOが15%超では耐候性や化学強化特性が低下するおそれがある。好ましくは12%以下、典型的には9%以下である。
BaOは、溶融性を向上させるための成分であり、必須ではないが必要に応じて含有することができる。BaOを含有する場合、1%未満では溶融性向上について有意な効果が得られないおそれがある。好ましくは3%以上であり、典型的には6%以上である。BaOが15%超では耐候性や化学強化特性が低下するおそれがある。好ましくは12%以下、典型的には9%以下である。
ZnOは、溶融性を向上させるための成分であり、必須ではないが必要に応じて含有することができる。ZnOを含有する場合、1%未満では溶融性向上について有意な効果が得られないおそれがある。好ましくは3%以上であり、典型的には6%以上である。ZnOが15%超では耐候性が低下するおそれがある。好ましくは12%以下、典型的には9%以下である。
上記成分以外にも下記の成分をガラス組成中に導入してもよい。
ZrOは、イオン交換速度を大きくする成分であり、必須ではないが必要に応じて含有することができる。ZrOを含有する場合、5%以下の範囲が好ましく、4%以下がより好ましく、3%以下がさらに好ましい。ZrOが5%超では溶融性が悪化して未溶融物としてガラス中に残る場合が起こるおそれがある。典型的にはZrOは含有しない。
SOは、清澄剤として作用する成分であり、必須ではないが必要に応じて含有することができる。SOを含有する場合0.005%未満では期待する清澄作用が得られない。好ましくは0.01%以上、より好ましくは0.02%以上である。0.03%以上がもっとも好ましい。また0.5%超では逆に泡の発生源となり、ガラスの溶け落ちが遅くなったり、泡個数が増加したりするおそれがある。好ましくは0.3%以下、より好ましくは0.2%以下である。0.1%以下がもっとも好ましい。
SnOは、清澄剤として作用する成分であり、必須ではないが必要に応じて含有することができる。SnOを含有する場合、0.005%未満では期待する清澄作用が得られない。好ましくは0.01%以上、より好ましくは0.05%以上である。また1%超では逆に泡の発生源となり、ガラスの溶け落ちが遅くなったり、泡個数が増加したりするおそれがある。好ましくは0.8%以下、より好ましくは0.5%以下である。0.3%以下がもっとも好ましい。
ガラスの溶融の際の清澄剤として、前述したSO、SnO以外に、塩化物やフッ化物を適宜含有してもよい。
LiOは、溶融性を向上させるための成分であり、必須ではないが必要に応じて含有することができる。LiOを含有する場合、1%未満では溶融性向上について有意な効果が得られないおそれがある。好ましくは3%以上であり、典型的には6%以上である。LiOが15%超では耐候性が低下するおそれがある。好ましくは10%以下、典型的には5%以下である。
本発明のガラス成形体を形成するガラスにおいて、ガラス中の着色成分としてM(但し、ここにおいて、Mは、Fe,Se,Co、Cu、V、Cr、Pr、Ce、Bi、Eu、Mn、Er、Ni、Nd、W、Rb、Sn、およびAgから選ばれる少なくとも1種であり、pとqはMとOの原子比である)を、酸化物基準のモル百分率表示で、0.001〜10%含有ガラスを用いることが好ましい。なお、この含有量は、複数の着色成分を用いた場合は、それらの合計量を示すものである。これら着色成分は、ガラスに対し所望の色を着ける成分であり、前述の可視域の波長の光を吸収する作用を備えるものを用いる。ガラス中の着色成分が、0.01%未満であると、着色ガラスとして認識できなくなるおそれがある。好ましくは、0.2%以上、典型的には1.0%以上、好ましくは1.5%以上、さらに好ましくは2%以上である。また、着色成分が10%を超えるとガラスが不安定となるおそれがある。好ましくは、6%以下、典型的には4%以下、好ましくは3%以下である。
また、ガラス中の着色成分は、酸化物基準のモル百分率表示で、Feを0.01〜6%、Coを0〜6%、NiOを0〜6%、MnOを0〜6%、CuOを0〜6%、CuOを0〜6%、Crを0〜6%、Vを0〜6%、Biを0〜6%からなることが好ましい。さらに、Feを必須成分とし、Co、NiO、MnO、Cr、Vから選ばれる適宜の成分を組み合わせて用いてもよい。Feが0.01%未満であると、所望の遮光性が得られないおそれがある。またFeが6%超であると、ガラスが不安定となるおそれがある。また、その他の成分について、それぞれの含有量が6%超であるとガラスが不安定となるおそれがある。
なお、本明細書において、着色成分の含有量は、ガラス中に存在する各成分が表示された酸化物で存在すると仮定した場合の換算含有量を示す。たとえば、「Feを0.01〜6%含有する」とは、ガラス中に存在するFeがすべてFeの形で存在するとした場合のFe含有量すなわちFeのFe換算含有量が0.01〜6%である、の意である
次に、本発明のガラス成形体を用途にあわせて成形する場合に好ましいパラメーターについて説明する。
本発明のガラス成形体は、図2に示したように少なくとも一部に曲面を有していてもよい。曲面を有することで、使用する形態に合わせた形状とすることができる。曲面を形成する数や位置は限定されない。
前記曲面の少なくとも一部が、少なくとも2軸方向以上に曲がっていてもよい。少なくとも2軸方向以上に曲がっていることで、平坦面と曲面では形成することのできなかった形状のガラス成形体を得ることができ、高い意匠性を有し、使用できる用途を広げることも可能となる。
曲面を有する場合、最も曲率半径の大きい部分でも5000mm以下とする。最も曲率半径が大きい部分で5000mm超であると、曲面部分を認識し辛くなり、ガラスの意匠性が損なわれるおそれがある。好ましくは4000mm以下、より好ましくは3000mm以下である。
また、最も曲率半径が小さい部分でも1mm以上とする。最も曲率半径が小さい部分で1mm未満であると、曲げ工程時にガラスが破損するおそれがある。好ましくは5mm以上、より好ましくは10mm以上である。
本発明のガラス成形体は、その成形体の表面に表面圧縮応力層を有していてもよい。これにより、機械的強度の高いガラス成形体を得ることができる。ガラス成形体の表面に形成される表面圧縮応力層の深さ(以下、DOLという)は、5μm以上、10μm以上、20μm以上、30μm以上となるように強化処理されていることが好ましい。ガラス成形体を電子機器の外装部材に用いる場合、ガラス成形体の表面に接触傷がつく確率が高く、その機械的強度が低下することがある。そこで、DOLを大きくすれば、ガラス成形体の表面に傷がついても、割れ難くなる。一方、強化処理後にガラス成形体を切断加工しやすくするために、DOLを70μm以下とすることが好ましい。
本発明のガラス成形体は、ガラス成形体表面に形成される表面圧縮応力(以下、CSという)が、300MPa以上、500MPa以上、700MPa以上、900MPa以上となるように強化処理されていることが好ましい。CSが高くなることで強化ガラスの機械的強度が高くなる。一方、CSが高くなりすぎるとガラス内部の引張応力が極端に高くなるおそれがあるため、CSは1400MPa以下とすることが好ましく、1300MPa以下とすることがより好ましい。
以上のガラス成形体のCS、DOLについて、本発明においては隣り合うガラスのCSの差が400MPa以下もしくはDOLの差が50μm以下となるようにすると化学強化の過程で、表面の応力分布の差が小さくなり、ガラス成形体表面に発生する引っ張り応力を軽減できる点でよい。CSの差が400MPa超もしくはDOLの差が50μm超となると、表面応力分布の差から生じる引っ張り応力が大きくなりすぎ、化学強化中にガラスが破損するおそれがある。そのため、CSの差を300MPa以下もしくはDOLの差を40μm以下とすることが好ましく、CSの差を200MPa以下、もしくはDOLの差を30μm以下とすることがより好ましい。
次いで、本発明のガラス成形体の製造方法について説明する。
本発明のガラス成形体の製造方法において、まず少なくとも2種以上のガラスを用意する工程を行う。用意するガラスについては、所望の模様を形成する上で隣り合うガラスとの軟化点の差が100℃以下となるように用意することが好ましい。なお、用意するガラスの形状は最終的に所望の模様が現れるような形状であればよく、特に限定されない。また、ガラスの表面処理状態についても特に限定されず、必要に応じて、研磨、エッチング、コート等の処理を行ってもよい。ここで、互いに接合する面の表面状態は、同一であることが好ましい。また、ガラスの状態については固化状態であることが好ましい。ここで、固化状態とは、ガラスの粘度ηがlogη=7.6(軟化点)を含まず、これよりもガラスの粘度ηが低い、つまりガラスが硬い状態のことをいう。
本発明のガラス成形体の製造方法において、前工程で用意した少なくとも2種以上のガラスを屈伏点以上の温度で熱処理することにより接合する、接合工程を行う。ここで、屈伏点以上の温度というのは、2種以上のガラスのうち、屈伏点の高い方のガラスの屈伏点以上の温度のことを指す。熱処理の手段については特に限定されないが、接合するガラス同士は、共に固化状態、又は共に軟化状態とすることが好ましい。ここで軟化状態とは、ガラスの粘度ηがlogη=5.0(作業温度)を含み、これよりもガラスの粘度ηが高い、つまりガラスが柔らかい状態のことをいう。異なる状態であると、接合する界面に発生する泡が増加し、強度が下がってしまう。また、共に軟化状態で接合する時は、ガラスを金型に入れて成形することが好ましい。これにより、接合後のガラス成形体の形状を所望の形状に成形することができる。共に固化状態で接合する時は、接合するガラスを積層した上に重りとなるブロック等を載せることが好ましい。これにより、接合面がより密着した状態で熱処理することができ、界面での泡の発生を防止することができる。
本発明のガラス成形体の製造方法において、ガラスを接合後、研磨及び/又は切断し、ガラス成形体を得ることができる。所望の表面状態を得ることができれば、研磨のみ行ってもよく、切断のみ行ってもよく、研磨と切断の両方を行ってもよい。
研磨方法については特に限定されないが、一般的には、機械研磨が行われる。また薄板化するにはエッチングなどの方法も取られる。研磨後に所望の表面を得ることができればよい。
切断方法については特に限定されないが、一般的にはバンドソーやワイヤーソーでの切断方法が行われることが多い。レーザーを使用した切断方法でもよい。切断する位置や方向についても特に限定されず、接合した複数のガラスが切断面に現れるように切断することができればよい。切断後、必要に応じて研磨加工を施してもよい。
ガラス板に曲面部を形成する工程は、ガラス板を加熱し、次いで圧力差を用いて曲げる方法により行う。圧力差を用いて曲げる方法とは、平坦なガラス板を徐冷点以上に加熱し、ガラス板の片面に金型を接触させて成形するような、ガラス板の片面を押圧状態として変形させる方法が挙げられる。ガラス板の成形において、金型接触面と非接触面とを同時に設けてガラス板の一方の面と他方の面に圧力差を加えることで変形させ、金型形状を転写させることで、所望の形状を有したガラス成形体を成形する手法である。形状を有した金型に接触する面がガラス片面となることから、もう一方のガラス表面は非接触で成形することができ、表面粗さなどのガラス表面品質を高く保つことが出来ることを特徴としている。
また、ガラス板に曲面部を形成する工程は、前述の方法以外に、以下の方法を用いてもよい。
平坦なガラス板を徐冷点以上に加熱し、ガラス板の自重による変形に加えて、一組の金型で挟みこむことで、所望の形状を有したガラス成形体を成形する方法ある。金型により挟み込む力を最小限に制御することで、成形したガラス表面の品質を高く保つことができる。
また、平坦なガラス板を歪点以上に加熱し、ガラスの自重による変形を利用して、金型に接触させることで、所望の形状を有したガラス成形体を成形する方法である。ガラスの自重のみを駆動力にしているため、金型との接触圧力を低く保つことが出来、金型との接触面の表面品質を高く保つことができる。
また、本発明のガラス成形体の製造方法は、加工工程及び/又は曲げ工程に次いで、強化処理によって深さが5μm以上、表面圧縮応力が300MPa以上である表面圧縮応力層を形成する工程を備えてもよい。
ガラス成形体の表面に表面圧縮応力層を形成することで、高い強度を備えるガラス成形体を得ることができる。
ガラス成形体表面に表面圧縮応力層を形成させる手法としては、風冷強化法(物理強化法)や化学強化法を用いることができる。風冷強化法(物理強化法)は、軟化点付近まで加熱したガラス板表面を風冷などにより急速に冷却して行う手法である。また、化学強化法は、ガラス転移点以下の温度で、イオン交換により、ガラス板表面に存在するイオン半径が小さいアルカリ金属イオン(典型的にはLiイオン、Naイオン)を、イオン半径のより大きいアルカリイオン(典型的にはLiイオンに対してはNaイオンまたはKイオンであり、Naイオンに対してはKイオンである。)に交換する手法である。
化学強化法としては、ガラス成形体表層のNaOと溶融塩中のKOとをイオン交換できるものであれば、特に限定されない。たとえば、加熱された硝酸カリウム(KNO)溶融塩にガラスを浸漬する方法が挙げられる。所望の表面圧縮応力を有する化学強化層(表面圧縮応力層)を、ガラス成形体表面に形成するための条件は、ガラス成形体の厚さによっても異なるが、400〜550℃のKNO溶融塩に、ガラスを2〜20時間浸漬させることが典型的である。また、このKNO溶融塩としては、KNO以外に、例えばNaNOを5%程度以下含有するものであってもよい。
表面圧縮応力層を形成する工程において、ガラスの強化処理によって生じる表面圧縮応力層の深さは、5μm以上とされる。その理由は、以下のとおりである。
ガラス成形体の製造においては、ガラス表面を研磨されることがあり、その最終段階の研磨に使用される研磨砥粒の粒径は2〜6μmが典型的である。
このような砥粒によって、ガラス表面には、最終的に最大5μmのマイクロクラックが形成されると考えられる。化学強化処理による強度向上効果を有効なものとするためには、ガラス表面に形成されるマイクロクラックより深い表面圧縮応力層が形成されていることが必要である。このため、化学強化処理によって生じる表面圧縮応力層の深さは5μm以上とされる。また、使用時に表面圧縮応力層の深さを超える傷がつくと、ガラスの破壊につながるため、表面圧縮応力層は厚い方が好ましい。このため、表面圧縮応力層は、より好ましくは8μm以上、さらに好ましくは10μm以上、典型的には13μm以上である。
一方、表面圧縮応力層が深すぎると、内部引張応力が大きくなり、破壊時の衝撃が大きくなる。すなわち、内部引張応力が大きいと、破壊時にガラスが細片となって粉々に飛散する傾向があり、危険性が高まることが知られている。本発明者らによる実験の結果、厚さ2mm以下のガラスでは、表面圧縮応力層の深さが70μmを超えると、破壊時のガラス細片の飛散が顕著となることが判明した。したがって、本発明のガラス成形体を化学強化する場合は表面圧縮応力層の深さは70μm以下とされる。装飾用ガラスとして用いる場合、その用途にもよるが、たとえば、AV機器・OA機器等の載置型の機器の操作パネルに適用する場合に較べて、表面に接触傷がつく確率が高い携帯用機器等の用途等に適用する場合には、安全をみて表面圧縮応力層の深さを薄くしておくことも考えられる。この場合には、表面圧縮応力層の深さは、より好ましくは60μm以下、さらに好ましくは50μm以下、典型的には40μm以下である。また、本発明のガラス成形体を物理強化する場合は、表面圧縮応力層の深さは200μm以下とされる。物理強化の場合は、化学強化に比べて発生する圧縮応力が低いため、化学強化の場合に比べて圧縮応力層の深さを深くできる。この場合には、表面圧縮応力層の深さは、より好ましくは180μm以下、さらに好ましくは150μm以下、典型的には140μm以下である。
また、表面圧縮応力層を形成する工程において、ガラス成形体の強化処理によって生じる表面圧縮応力層の表面圧縮応力は300MPa以上であることが好ましく、500MPa以上であることがより好ましく、700MPa以上であることがさらに好ましい。また、表面圧縮応力層の表面圧縮応力は、典型的には1200MPa以下である。
以上の工程のうち、曲げ工程及び化学強化工程については必要に応じて行うことができる。図3に示したとおり、本発明によれば、曲げ工程も化学強化処理工程も行っていないガラス成形体(A)、化学強化処理工程のみを行っているガラス成形体(B)、曲げ工程のみを行っているガラス成形体(C)、曲げ工程も化学強化処理工程も行っているガラス成形体(D)を形成することが可能である。
以上、本発明の化学強化用ガラスについて一例を挙げて説明したが、本発明の趣旨に反しない限度において、また必要に応じて適宜構成を変更することができる。
以下、本発明の実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
まず、2種類のガラスを各1つずつ用意した。用意したガラスは着色成分以外の組成割合が同一のガラスで、着色成分としてFe及びCoが含有されて黒色を呈しているもの(以下、ガラスAという)と、着色成分含有されていないもの(以下、ガラスBという)である。なお、ガラスA及びガラスBはブロック形状で、表面全体を研磨加工したものである。また、軟化点については、ガラスAとガラスBの軟化点の差が100℃以下のものを○、100℃以上のものを×で示した。
次にガラスAとガラスBを接合した。接合時は、第1のガラスの上に第2のガラスを積層し、その上に100gの耐火レンガ製のブロックをのせた状態で熱処理を行った。熱処理時の温度と処理時間は図4に示した条件で行った。
続いて、接合したガラスを切断して板状にした後、研磨をおこない、20mm×25mm×1.0mmのガラス成形体とした。切断はバンドソーによって行った。また、研磨は固定砥粒による研磨の後、酸化セリウムのスラリーを用いて行い、鏡面とした。
化学強化後のガラス成形体について、表面応力計(折原製作所社製、FSM−6000)を用いてガラス成形体のCS、DOLを測定した。また、接合面の泡について、光学顕微鏡(ニコン社製、ECLIPSE ME600)で拡大し確認した。測定結果は表1に示した。泡については、大きさ100μm以上の泡が存在しないものは○、存在するものは×で示した。
以上の工程を得たガラス成形体について、所望の外観形状を得ているかどうかを確認した。外観を見て、破損している箇所やクラックがないことが確認されたものについては○、破損している箇所やクラックが存在しているものを×で示した。
また、接合面の強度を確認するために、JISR1601:2008の3点曲げ試験を行った。3点曲げ試験は、寸法が5×40×1mmの成形体及び接合前の単板における、曲げ強度の平均を測定した。なお、接合前の単板については、接合する複数の単板のうち最も曲げ強度の平均が高いものを選択した。測定結果を表1に示した。また、表1の強度評価については接合後の曲げ強度の平均が、接合前の単板の曲げ強度の平均の50%値以上であるときは○、50%値未満はであるときは×で示した。
Figure 2016124773
表1に示した実施例において成形したガラス成形体においては、軟化点差及び泡の数を調整した結果、外観に問題がなく、さらに曲げ強度も成形等において必要な界面強度を満たしていることが確認できた。
本願発明のガラス成形体は、例えば、携帯型電子機器に好適に用いることができる。携帯型電子機器とは、携帯して使用可能な通信機器や情報機器を包含する概念である。例えば、通信機器としては、通信端末として、携帯電話、PHS(Personal Handy−phone System)、スマートフォン、PDA(Personal Data Assistance)、PND(Portable Navigation Device、携帯型カーナビゲーションシステム)があり、放送受信機として携帯ラジオ、携帯テレビ、ワンセグ受信機等が挙げられる。また、情報機器として、デジタルカメラ、ビデオカメラ、携帯音楽プレーヤー、サウンドレコーダー、ポータブルDVDプレーヤー、携帯ゲーム機、ノートパソコン、タブレットPC、電子辞書、電子手帳、電子書籍リーダー、携帯プリンター、携帯スキャナ等が挙げられる。
その他、自動車用内装部材や家電製品の意匠部材として用いることができる。
なお、これらに例示に限定されるものではない。

Claims (15)

  1. 少なくとも2種以上のガラスが表れる面を有するガラス成形体であって、隣り合うガラスとの軟化点の差が100℃以下であり、且つ隣り合うガラスとの界面に、大きさが100μm以上の泡が存在しないことを特徴とするガラス成形体。
  2. 隣り合うガラスとの界面に存在する、大きさが20〜100μm未満の泡の泡密度が20個/cm以下であることを特徴とする請求項1に記載のガラス成形体。
  3. 前記隣り合うガラスのうち少なくとも1種以上のガラスの波長380〜780nmにおける吸光度の最小値が0.01以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のガラス成形体。
  4. 前記隣り合うガラスの平均熱膨張係数(0〜300℃)の差が、25×10−7/K以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のガラス成形体。
  5. 前記隣り合うガラスのアルカリ金属酸化物およびRO(RはMg、Ca、Sr、Ba、Zn)の総和(モル%)の差が5.5%以下であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のガラス成形体。
  6. 前記ガラス成形体に含まれるガラスのうち少なくとも1つは、酸化物基準のモル%表示で、SiOを55〜80%、Alを0.5〜16%、Bを0〜12%、NaOを5〜18%、KOを0〜4%、MgOを0〜15%、CaOを0〜8%、ΣRO(RはMg、Ca、Sr、Ba、Zn)を0〜25%含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のガラス成形体。
  7. 前記ガラスのうち少なくとも1つは、酸化物基準のモル%表示で、着色成分としてMpOq(但し、ここにおいて、Mは、Fe,Se,Co、Cu、V、Cr、Pr、Ce、Bi、Eu、Mn、Er、Ni、Nd、W、Rb、Sn、およびAgから選ばれる少なくとも1種であり、pとqはMとOの原子比である)を0.001〜10%含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のガラス成形体。
  8. 前記ガラス成形体が、少なくとも一部に曲面を有することを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載のガラス成形体。
  9. 前記曲面の少なくとも一部が、少なくとも2軸方向以上に曲がっていることを特徴とする、請求項8に記載のガラス成形体。
  10. 前記曲面のうち、最も曲率半径が大きいところで5000mm以下であることを特徴とする、請求項8又は9に記載のガラス成形体。
  11. 前記ガラス成形体表面に形成された表面圧縮応力が300MPa以上、表面圧縮応力層が5μm以上であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のガラス成形体。
  12. 前記隣り合うガラスの表面圧縮応力の差が400MPa以下もしくは表面圧縮応力層の差が50μm以下であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載のガラス成形体。
  13. 少なくとも2種以上のガラスを用意する工程と、前記ガラスを屈伏点以上の温度で熱処理することにより接合する工程と、その後切断及び研磨する加工工程とを備えることを特徴とするガラス成形体の製造方法。
  14. 前記ガラス成形体を曲げ板状にする曲げ工程を備えることを特徴とする請求項13記載のガラス成形体の製造方法。
  15. 前記ガラス成形体を化学強化処理する工程を備えることを特徴とする請求項13又は14記載のガラス成形体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018070438A (ja) * 2017-07-26 2018-05-10 恭子 福田 ガラス造形物の製造方法と該方法によるガラス造形物

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