JPWO2014042175A1 - 化学強化用ガラスおよび化学強化ガラス - Google Patents
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Abstract
下記酸化物基準のモル百分率表示で、SiO2を55〜80%、Al2O3を3〜16%、B2O3を0〜12%、Na2Oを5〜20%、K2Oを0〜15%、MgOを0〜15%、CaOを0〜3%、ΣRO(Rは、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn)を0〜18%、SO3を0.005〜1%、NiOを0.001〜3%、CuOを0.001〜3%含有する化学強化用ガラスおよび化学強化ガラスである。
Description
本発明は、ガラス組成としてNi(ニッケル)を含有する化学強化用ガラスおよび化学強化ガラスであって、ガラス中に硫化ニッケル(以下、「NiS」と称する)の生成を抑制するガラス組成に関するものである。本明細書において、「化学強化用ガラス」とは、化学強化処理によって表面に圧縮応力層を形成可能なガラスであって、化学強化処理前のガラスをいう。また、「化学強化ガラス」とは、化学強化処理によって表面に圧縮応力層が形成されている、化学強化処理済のガラスをいう。
ガラス中に存在するNiSは、ガラス原料を破砕するステンレス製破砕機等のガラス製造設備から剥離して混入するNi成分と、ガラス原料中に含まれる芒硝(Na2SO4)や硫化物原料のS(硫黄)成分が結合してできるものと考えられている。
NiSは、ガラスの加工工程や製品として出荷した後に、室温環境下において高温で安定なα−NiSから低温で安定なβ−NiSに徐々に相転移し、その際、NiSの体積が4%程度増大して内部応力発生の原因となる。
NiSは、ガラスの加工工程や製品として出荷した後に、室温環境下において高温で安定なα−NiSから低温で安定なβ−NiSに徐々に相転移し、その際、NiSの体積が4%程度増大して内部応力発生の原因となる。
特に、建築物や自動車用の窓ガラスとして使用される熱強化板ガラスは、強化後の板ガラス中に粒径60μm以上のNiSが存在すると、NiSの存在によって熱強化板ガラスが自然破壊することが知られている。
すなわち、熱強化板ガラスは、板ガラスを軟化点近傍まで加熱して急冷することによって、板ガラス表面に圧縮応力を残存させ、板ガラス内部に引張応力を残存させて、例えば、板ガラスに他のものが当接した際、板ガラス表面に生じる引張応力を板ガラス表面に残存する圧縮応力により相殺させることで強化を図っている。
しかし、このような熱強化板ガラス中にNiSが存在すると、上述したNiSの体積増加によってNiS周辺に小さな亀裂が発生し、残存する引張応力により亀裂が進行して自然破壊するおそれがある。
すなわち、熱強化板ガラスは、板ガラスを軟化点近傍まで加熱して急冷することによって、板ガラス表面に圧縮応力を残存させ、板ガラス内部に引張応力を残存させて、例えば、板ガラスに他のものが当接した際、板ガラス表面に生じる引張応力を板ガラス表面に残存する圧縮応力により相殺させることで強化を図っている。
しかし、このような熱強化板ガラス中にNiSが存在すると、上述したNiSの体積増加によってNiS周辺に小さな亀裂が発生し、残存する引張応力により亀裂が進行して自然破壊するおそれがある。
そこで従来、熱強化処理後の板ガラスを再度200〜300℃以下に加熱して所定時間維持し、その後に徐冷する熱処理(一般に「ソーク処理」と称される)が行われている。このソーク処理によって、熱強化板ガラス中に存在するα−NiSを積極的にβ−NiSに転移させて自然破壊を誘発し、ソーク処理により自然破壊しなかった熱強化板ガラスのみを製品として出荷する処置がとられている(例えば、特許文献1)。
しかし、このような従来の方法では、熱強化処理を行った後にNiSの存在を検出する結果となり、熱強化板ガラスの歩留まりが悪くて製造効率が著しく低下することになる。
しかし、このような従来の方法では、熱強化処理を行った後にNiSの存在を検出する結果となり、熱強化板ガラスの歩留まりが悪くて製造効率が著しく低下することになる。
そのため、従来、検出対象となるガラスにマイクロ波を照射した後、そのガラスの温度を測定して測定温度の変化に基づいて、前記ガラス中に存在するNiSの有無を検出する方法や装置(例えば、特許文献2)など、種々の方法や装置が提案されている。
しかしながら、ガラス中に存在するNiSの有無を検出する前述の検出方法を用いると、ガラスの生産性を下げる要因となる。また、ガラスの製造設備からのNi成分の混入を徹底して管理する必要がある。また、ガラスの原材料としてNi成分を使用しない方法も考えられるが、ガラスの原材料として意図してNi成分を使うことができないと、ガラスを着色する場合の色表現に制約が生じる。
本発明は、ガラスにNi成分を含有したとしても、NiSの発生を抑制することができる化学強化用ガラスおよび化学強化ガラスの提供を目的とする。
本発明者は、種々の検討を行った結果、ガラス中にCu(銅)成分を一定量含有することで、ガラス中のNiS生成を抑制できることを見出した。
すなわち、本発明の化学強化用ガラスは、下記酸化物基準のモル百分率表示で、SiO2を55〜80%、Al2O3を3〜16%、B2O3を0〜12%、Na2Oを5〜20%、K2Oを0〜15%、MgOを0〜15%、CaOを0〜3%、ΣRO(Rは、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn)を0〜18%、SO3を0.005〜1%、NiOを0.001〜3%、CuOを0.001〜3%含有することを特徴とする。
すなわち、本発明の化学強化用ガラスは、下記酸化物基準のモル百分率表示で、SiO2を55〜80%、Al2O3を3〜16%、B2O3を0〜12%、Na2Oを5〜20%、K2Oを0〜15%、MgOを0〜15%、CaOを0〜3%、ΣRO(Rは、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn)を0〜18%、SO3を0.005〜1%、NiOを0.001〜3%、CuOを0.001〜3%含有することを特徴とする。
また、本発明の化学強化用ガラスは、SO3を0.005〜1%、NiOを0.01〜3%、CuOを0.01〜3%含有することを特徴とする。
また、本発明の化学強化用ガラスは、下記(1)式で示される、L*a*b*表色系のD65光源による反射光の色度a*とF2光源による反射光の色度a*との差Δa*の絶対値、および下記(2)式で示される、L*a*b*表色系のD65光源による反射光の色度b*とF2光源による反射光の色度b*との差Δb*の絶対値が、いずれも2.0以下であることを特徴とする。
Δa*=a*値(D65光源)−a*値(F2光源) ・・・(1)
Δb*=b*値(D65光源)−b*値(F2光源) ・・・(2)
Δa*=a*値(D65光源)−a*値(F2光源) ・・・(1)
Δb*=b*値(D65光源)−b*値(F2光源) ・・・(2)
本発明の化学強化ガラスは、下記酸化物基準のモル百分率表示で、SiO2を55〜80%、Al2O3を3〜16%、B2O3を0〜12%、Na2Oを5〜20%、K2Oを0〜15%、MgOを0〜15%、CaOを0〜3%、ΣRO(Rは、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn)を0〜18%、SO3を0.005〜1%、NiOを0.001〜3%、CuOを0.001〜3%含有し、表面から深さ方向に10μm〜70μmの表面圧縮応力層を有することを特徴とする。
また、本発明の化学強化ガラスは、SO3を0.005〜1%、NiOを0.01〜3%、CuOを0.01〜3%含有することを特徴とする。
また、本発明の化学強化ガラスは、下記(1)式で示される、L*a*b*表色系のD65光源による反射光の色度a*とF2光源による反射光の色度a*との差Δa*の絶対値、および下記(2)式で示される、L*a*b*表色系のD65光源による反射光の色度b*とF2光源による反射光の色度b*との差Δb*の絶対値が、いずれも2.0以下であることを特徴とする。
Δa*=a*値(D65光源)−a*値(F2光源) ・・・(1)
Δb*=b*値(D65光源)−b*値(F2光源) ・・・(2)
Δa*=a*値(D65光源)−a*値(F2光源) ・・・(1)
Δb*=b*値(D65光源)−b*値(F2光源) ・・・(2)
また、本発明の化学強化ガラスは、300〜1400MPaの表面圧縮応力を有することを特徴とする。
また、本発明の化学強化ガラスは、板厚方向中心部の引張応力(CT)が10MPa以上であることを特徴とする。
また、本発明の化学強化ガラスは、外装部材に用いられることを特徴とする。
本発明によれば、ガラスにNi成分を含有するガラスであって、NiSの発生が抑制された化学強化用ガラスおよび化学強化ガラスを得ることができる。
前述のとおり、通常、ガラス中のNiSは、ガラスの製造設備や原料に起因してガラス成分に混入するNi成分とガラス原料の硫化物のS成分とが、ガラスの溶融工程をとおして結合することでガラス中に生成される。
そのため、本発明者は、ガラスの溶融時におけるNi成分とS成分との反応を抑制することで、NiSの生成を抑制することができると考えた。
そのため、本発明者は、ガラスの溶融時におけるNi成分とS成分との反応を抑制することで、NiSの生成を抑制することができると考えた。
本発明の化学強化用ガラスおよび化学強化ガラスは、ガラス中にNi成分およびS成分とともにCu成分を含有することで、NiSの生成を抑制することができることを見出して、なされたものである。NiSの生成を抑制できる理由は、以下のように考えられる。
後述するガラス組成系において、Niの酸化物と硫化物との平衡状態を熱力学平衡計算によって検討した。すると、前記ガラス組成系の溶融温度域において、Ni成分、S成分、Cu成分とが共存した場合、熱力学計算において、Ni成分は酸化物、Cu成分は硫化物になるのが安定であることがわかった。つまり、Cu成分をNi成分およびS成分と一緒に溶融しガラス化すると、Cu成分の存在によりNiSが生成しがたいことを示すものである。
以下、本発明のガラスの組成について、特に断らない限りモル百分率表示含有量を用いて説明する。
なお、本明細書において、ガラスの各成分の含有量は、ガラス中に存在する各成分が、表示された酸化物として存在するものとした場合の換算含有量を示す。
たとえば「CuOを0.001〜3%含有する」とは、ガラス中に存在するCuが、すべてCuOの形で存在するものとした場合のCu含有量、すなわちCuのCuO換算含有量が0.001〜3%であることを意味するものである。
本発明のガラスとしては、下記酸化物基準のモル百分率表示で、SiO2を55〜80%、Al2O3を3〜16%、B2O3を0〜12%、Na2Oを5〜20%、K2Oを0〜15%、MgOを0〜15%、CaOを0〜3%、ΣRO(Rは、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn)を0〜18%、SO3を0.005〜1%、NiOを0.001〜3%、CuOを0.001〜3%含有するものが挙げられる。
なお、本明細書において、ガラスの各成分の含有量は、ガラス中に存在する各成分が、表示された酸化物として存在するものとした場合の換算含有量を示す。
たとえば「CuOを0.001〜3%含有する」とは、ガラス中に存在するCuが、すべてCuOの形で存在するものとした場合のCu含有量、すなわちCuのCuO換算含有量が0.001〜3%であることを意味するものである。
本発明のガラスとしては、下記酸化物基準のモル百分率表示で、SiO2を55〜80%、Al2O3を3〜16%、B2O3を0〜12%、Na2Oを5〜20%、K2Oを0〜15%、MgOを0〜15%、CaOを0〜3%、ΣRO(Rは、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn)を0〜18%、SO3を0.005〜1%、NiOを0.001〜3%、CuOを0.001〜3%含有するものが挙げられる。
SiO2は、ガラスの骨格を構成する成分であり必須である。55%未満ではガラスとしての安定性が低下する、または耐候性が低下する。好ましくは60%以上である。より好ましくは65%以上である。SiO2が80%超ではガラスの粘性が増大し溶融性が著しく低下する。好ましくは75%以下、典型的には70%以下である。
Al2O3は、ガラスの耐候性および化学強化特性を向上させる成分であり、必須である。3%未満では耐候性が低下する。好ましくは4%以上、典型的には5%以上である。
Al2O3が16%超ではガラスの粘性が高くなり均質な溶融が困難になる。好ましくは14%以下、典型的には12%以下である。
Al2O3が16%超ではガラスの粘性が高くなり均質な溶融が困難になる。好ましくは14%以下、典型的には12%以下である。
B2O3は、ガラスの耐候性を向上させる成分であり、必須ではないが必要に応じて含有することができる。B2O3を含有する場合、4%未満では耐候性向上について有意な効果が得られないおそれがある。好ましくは5%以上であり、典型的には6%以上である。
B2O3が12%超では揮散による脈理が発生し、歩留まりが低下するおそれがある。好ましくは11%以下、典型的には10%以下である。
B2O3が12%超では揮散による脈理が発生し、歩留まりが低下するおそれがある。好ましくは11%以下、典型的には10%以下である。
Na2Oは、ガラスの溶融性を向上させる成分であり、またイオン交換により表面圧縮応力層を形成させるため、必須である。5%未満では溶融性が悪く、またイオン交換により所望の表面圧縮応力層を形成することが困難となる。好ましくは7%以上、典型的には8%以上である。
Na2Oが20%超では耐候性が低下する。好ましくは18%以下、典型的には16%以下である。
Na2Oが20%超では耐候性が低下する。好ましくは18%以下、典型的には16%以下である。
K2Oは、ガラスの溶融性を向上させる成分であるとともに、化学強化におけるイオン交換速度を大きくする作用があるため、必須ではないが含有することが好ましい成分である。K2Oを含有する場合、0.01%未満では溶融性向上について有意な効果が得られない、またはイオン交換速度向上について有意な効果が得られないおそれがある。典型的には0.3%以上である。K2Oが15%超では耐候性が低下する。好ましくは12%以下、典型的には10%以下である。
RO(Rは、Mg、Ca、Sr、Ba、Znを表す)は、ガラスの溶融性を向上させる成分であり、必須ではないが必要に応じていずれか1種以上を含有することができる。その場合、ROの含有量の合計ΣRO(ΣROは、MgO+CaO+SrO+BaO+ZnOを表す)が1%未満では溶融性が低下するおそれがある。好ましくは3%以上、典型的には5%以上である。ΣROが18%超では耐候性が低下する。好ましくは15%以下、より好ましくは13%以下、典型的には11%以下である。
MgOは、ガラスの溶融性を向上させる成分であり、必須ではないが必要に応じて含有することができる。MgOを含有する場合、3%未満では溶融性向上について有意な効果が得られないおそれがある。典型的には4%以上である。MgOが15%超では耐候性が低下する。好ましくは13%以下、典型的には12%以下である。
CaOは、ガラスの溶融性を向上させる成分であり、必須ではないが必要に応じて含有することができる。CaOを含有する場合、0.01%未満では溶融性向上について有意な効果が得られない。典型的には0.1%以上である。CaOが3%超では化学強化特性が低下する。好ましくは2%以下、典型的には1%以下である。また、ガラスの化学強化特性を高くする場合は、実質的に含有しないことが好ましい。
SrOは、ガラスの溶融性を向上させるための成分であり、必須ではないが必要に応じて含有することができる。SrOを含有する場合、1%未満では溶融性向上について有意な効果が得られないおそれがある。好ましくは3%以上であり、典型的には6%以上である。SrOが15%超では耐候性や化学強化特性が低下するおそれがある。好ましくは12%以下、典型的には9%以下である。
BaOは、ガラスの溶融性を向上させるための成分であり、必須ではないが必要に応じて含有することができる。BaOを含有する場合、1%未満では溶融性向上について有意な効果が得られないおそれがある。好ましくは3%以上であり、典型的には6%以上である。BaOが15%超では耐候性や化学強化特性が低下するおそれがある。好ましくは12%以下、典型的には9%以下である。
ZnOは、ガラスの溶融性を向上させるための成分であり、必須ではないが必要に応じて含有することができる。ZnOを含有する場合、1%未満では溶融性向上について有意な効果が得られないおそれがある。好ましくは3%以上であり、典型的には6%以上である。ZnOが15%超では耐候性が低下するおそれがある。好ましくは12%以下、典型的には9%以下である。
ZrO2は、イオン交換速度を大きくする成分であり、必須ではないが必要に応じて含有することができる。ZrO2を含有する場合、5%以下の範囲が好ましく、4%以下の範囲がより好ましく、3%以下の範囲がさらに好ましい。ZrO2が5%超では溶融性が悪化して未溶融物としてガラス中に残るおそれがある。典型的にはZrO2は含有しない。
SO3は、清澄剤として作用する成分であり、必須である。SO3が0.005%未満では期待する清澄作用が得られない。好ましくは0.01%以上、より好ましくは0.02%以上である。0.03%以上がもっとも好ましい。また1%超では逆に泡の発生源となり、ガラスの溶け落ちが遅くなったり、泡個数が増加するおそれがある。好ましくは0.8%以下、より好ましくは0.6%以下である。0.5%以下がもっとも好ましい。
NiOは、ガラスを所望の色調に着色するための着色成分であり必須である。0.001%未満では所望の色調が得られない。好ましくは、0.005%以上、より好ましくは0.01%以上である。しかしながら、ガラス中に含有することで、メタメリズムが生じたり、化学強化処理前後のガラスの色調変化が大きくなるおそれがある。そのため、NiOは3%以下とすることが好ましく、より好ましくは2.5%以下、さらに好ましくは2%以下である。また、ガラスの色調を濃色に着色する場合は、NiOを0.05%以上含有することが好ましい。
CuOは、ガラス中にNiSが生成するのを抑制するための成分であり、必須である。0.001%未満ではNiSの生成を抑制する効果が十分に得られない。好ましくは、0.005%以上、より好ましくは0.01%以上である。しかしながら、多量に含有するとガラスが不安定になり、失透が生じるおそれがある。そのため、CuOは3%以下とすることが好ましく、より好ましくは2.5%以下、さらに好ましくは2%以下である。
また、ガラスの着色成分としてNiOを含有すると、メタメリズムが生じるおそれがある。これに対し、CuOを含有することでメタメリズムを抑制できる。メタメリズムを抑制するためには、CuOを0.03%以上含有することが好ましい。
また、ガラスの着色成分としてNiOを含有すると、メタメリズムが生じるおそれがある。これに対し、CuOを含有することでメタメリズムを抑制できる。メタメリズムを抑制するためには、CuOを0.03%以上含有することが好ましい。
上記成分以外にも下記の成分をガラス組成中に導入してもよい。
SnO2は、清澄剤として作用する成分であり、必須ではないが必要に応じて含有することができる。SnO2を含有する場合、0.005%未満では期待する清澄作用が得られない。好ましくは0.01%以上、より好ましくは0.05%以上である。また1%超では逆に泡の発生源となり、ガラスの溶け落ちが遅くなったり、泡個数が増加するおそれがある。好ましくは0.8%以下、より好ましくは0.5%以下である。0.3%以下がもっとも好ましい。
Li2Oは、溶融性を向上させるための成分であり、必須ではないが必要に応じて含有することができる。Li2Oを含有する場合、1%未満では溶融性向上について有意な効果が得られないおそれがある。好ましくは3%以上であり、典型的には6%以上である。Li2Oが15%超では耐候性が低下するおそれがある。好ましくは10%以下、典型的には5%以下である。
ガラスの溶融の際の清澄剤として、前述したSO3、SnO2以外に、塩化物やフッ化物を適宜含有してもよい。
着色成分として、MpOq(但し、Mは、Fe、Ti、V、Cr、Pr、Ce、Bi、Eu、Mn、Er、Nd、W、Rb、およびAgから選ばれる少なくとも1種であり、pとqはMとOの原子比である)を、必要に応じて含有することができる。これら着色成分は、ガラスを所望の色に着色するための成分であり、着色成分を適宜選択することにより、例えば、青色系、緑色系、黄色系、紫色系、桃色系、赤色系、無彩色等の着色ガラスを得ることができる。
前述のとおり、本発明の化学強化用ガラスおよび化学強化ガラスは、CuOを含有することにより、NiSの生成を抑制する以外に、ガラスのメタメリズムを低くする作用をもたらす。
メタメリズム(条件等色)とは、外光色による、色調または外観色の色変化の度合いを示す指標で、CIE(国際照明委員会)により規格化されたL*a*b*表色系を用いて定義することができる。このメタメリズムが低い程、外光色による色調または外観色の色変化の度合いが小さいことになる。ガラスのメタメリズムが高い場合には、光源の種類が相違するとガラスの見た目の色調が大きく異なったものとなる。例えば、屋内におけるガラスの色調と屋外におけるガラスの色調とが大きく異なることになる。
メタメリズム(条件等色)とは、外光色による、色調または外観色の色変化の度合いを示す指標で、CIE(国際照明委員会)により規格化されたL*a*b*表色系を用いて定義することができる。このメタメリズムが低い程、外光色による色調または外観色の色変化の度合いが小さいことになる。ガラスのメタメリズムが高い場合には、光源の種類が相違するとガラスの見た目の色調が大きく異なったものとなる。例えば、屋内におけるガラスの色調と屋外におけるガラスの色調とが大きく異なることになる。
また、本発明の化学強化用ガラスおよび化学強化ガラスは、Cu成分を含有することで、下記(1)式で定義されるΔa*の絶対値および下記(2)式で定義されるΔb*の絶対値を共に2.0以下にすることができる。これにより、屋内におけるガラスの反射色調と屋外におけるガラスの反射色調との相違を小さくすることができる。
Δa*とは、L*a*b*表色系のD65光源による反射光の色度a*とF2光源による反射光の色度a*との差をいう。
Δa*=a*値(D65光源)−a*値(F2光源) ・・・(1)
Δb*とは、L*a*b*表色系のD65光源による反射光の色度b*とF2光源による反射光の色度b*との差をいう。
Δb*=b*値(D65光源)−b*値(F2光源) ・・・(2)
なお、化学強化処理がされる前のメタメリズムが抑制されたガラスは、化学強化処理後においても同様の傾向(メタメリズムが抑制される)を示す。
Δa*とは、L*a*b*表色系のD65光源による反射光の色度a*とF2光源による反射光の色度a*との差をいう。
Δa*=a*値(D65光源)−a*値(F2光源) ・・・(1)
Δb*とは、L*a*b*表色系のD65光源による反射光の色度b*とF2光源による反射光の色度b*との差をいう。
Δb*=b*値(D65光源)−b*値(F2光源) ・・・(2)
なお、化学強化処理がされる前のメタメリズムが抑制されたガラスは、化学強化処理後においても同様の傾向(メタメリズムが抑制される)を示す。
L*a*b*表色系において、a*は赤から緑の色調変化を示し、b*は黄から青の色調変化を示す。人が色調変化をより敏感に感じるのは、赤から緑の色調変化である。本発明の化学強化用ガラスおよび化学強化ガラスは、Δa*およびΔb*の絶対値を共に2.0以下とすることで、メタメリズムが抑制されたガラスを得ることができる。
本発明の化学強化用ガラスおよび化学強化ガラスは、L*a*b*表色系を用いて定義される明度L*が20〜90の範囲内であることが好ましい。すなわち、L*が前記範囲内であると、ガラスの明度が「明るい」〜「暗い」の中間領域であるため、色調変化に対して認識しやすい範囲であり、本発明を用いることがより効果的である。なお、L*が20未満であるとガラスは濃色を呈するため、ガラスの色調変化を認識し難い。また、L*が90を超えるとガラスは淡色を呈するため、ガラスの色調変化を認識し難い。L*は22〜85が好ましく、23〜80がより好ましく、24〜75がさらに好ましい。上記明度L*はF2光源を用い、ガラスの裏面側に白色の樹脂板を設置した場合の反射光を測定したデータに基づくものである。
本発明の化学強化用ガラスおよび化学強化ガラスは、Cu成分を含有することにより、D65光源を用いた場合のガラスの反射色調とF2光源を用いた場合のガラスの反射色調との差が小さい。これは、Cu成分を含有するガラスは、F2光源の分光分布におけるピークを示す波長の光を吸収する特性を備えることで、光源による分光分布の相違を緩和し、これによりガラスの反射色調の差が小さくなるものと考えられる。
本発明の化学強化ガラスは、化学強化処理することにより得られたガラスである。
ガラスの強度を高める方法として、ガラス表面に圧縮応力層を形成させる手法が一般的に知られている。ガラス表面に圧縮応力層を形成させる手法としては、風冷強化法(物理強化法)と、化学強化法が代表的である。風冷強化法(物理強化法)は、軟化点付近まで加熱したガラス板表面を風冷などにより急速に冷却して行う手法である。また、化学強化法は、ガラス転移点以下の温度で、イオン交換により、ガラス板表面に存在するイオン半径が小さいアルカリ金属イオン(典型的にはLiイオン、Naイオン)を、イオン半径のより大きいアルカリイオン(典型的にはLiイオンに対してはNaイオンまたはKイオンであり、Naイオンに対してはKイオンである。)に交換する手法である。
ガラスの強度を高める方法として、ガラス表面に圧縮応力層を形成させる手法が一般的に知られている。ガラス表面に圧縮応力層を形成させる手法としては、風冷強化法(物理強化法)と、化学強化法が代表的である。風冷強化法(物理強化法)は、軟化点付近まで加熱したガラス板表面を風冷などにより急速に冷却して行う手法である。また、化学強化法は、ガラス転移点以下の温度で、イオン交換により、ガラス板表面に存在するイオン半径が小さいアルカリ金属イオン(典型的にはLiイオン、Naイオン)を、イオン半径のより大きいアルカリイオン(典型的にはLiイオンに対してはNaイオンまたはKイオンであり、Naイオンに対してはKイオンである。)に交換する手法である。
例えば、電子機器の外装部材に用いられるガラスは、通常2mm以下の厚さで使用されることが多い。このように、厚みの薄いガラス板に対して風冷強化法を適用すると、表面と内部の温度差を確保しにくいため、圧縮応力層を形成することが困難である。このため、強化処理後のガラスにおいて、目的の高強度という特性を得ることができない。また、風冷強化では、冷却温度のばらつきにより、ガラス板の平面性を損なう懸念がある。特に厚みの薄いガラス板については、平面性が損なわれる懸念があり、本発明の目的である質感が損なわれる可能性がある。これらの点から、ガラスは、後者の化学強化法によって強化することが好ましい。
化学強化処理は、例えば、400℃〜550℃の溶融塩中にガラスを1〜20時間程度浸漬することで行うことができる。化学強化処理に用いる溶融塩としては、カリウムイオンもしくはナトリウムイオンを含むものであれば、特に限定されないが、例えば硝酸カリウム(KNO3)の溶融塩が好適に用いられる。その他、硝酸ナトリウム(NaNO3)の溶融塩や硝酸カリウム(KNO3)と硝酸ナトリウム(NaNO3)とを混合した溶融塩を用いてもよい。
本発明の化学強化ガラスは、化学強化処理することで、ガラスの表面に表面圧縮応力層を形成し、これにより、機械的強度の高いガラスを得ることができる。ガラスの表面に形成される表面圧縮応力層の深さ(DOL)は、10μm以上、12μm以上、15μm以上なるように強化処理されていることが好ましい。ガラスを外装部材に用いる場合、ガラスの表面に接触傷がつく確率が高く、ガラスの機械的強度が低下することがある。そこで、DOLを大きくすれば、化学強化ガラスの表面に傷がついても、割れ難くなる。一方、強化処理後にガラスを切断加工しやすくするために、DOLを70μm以下とすることが好ましい。
本発明の化学強化ガラスは、ガラス表面に形成される表面圧縮応力(CS)が、300MPa以上、500MPa以上、700MPa以上、900MPa以上となるように化学強化処理されていることが好ましい。CSが高くなることで化学強化ガラスの機械的強度が高くなる。一方、CSが高くなりすぎるとガラス内部の引張応力が極端に高くなるおそれがあるため、CSは1400MPa以下とすることが好ましく、1300MPa以下とすることがより好ましい。
本発明の化学強化ガラスは、ガラスの板厚方向中心の引張応力(CT)が、10MPa以上であることが好ましい。NiSに起因したガラスの自然破損は、ガラス内部の引張応力とNiSの膨張に伴う引張応力との和がガラスの強度を超えることで発生する。また、NiSの膨張に伴う引張応力は、NiSの外径に依存し、粒径が大きいほど引張応力も大きくなる。本発明の化学強化ガラスは、NiSの生成を抑制できるため、CTを10MPa以上に設定することが可能である。これにより、より機械的強度の高い化学強化ガラスが得られる。CTは、好ましくは20MPa以上であり、より好ましくは30MPa以上である。一方、CTが極端に高くなると、小さい粒径のNiSの存在によりガラスが自然破損するリスクが高くなるため、CTは80MPa以下とすることが好ましい。
本発明の化学強化用ガラスおよび化学強化ガラスは、外装部材として用いられることが好ましい。ガラスのNiSの生成が抑制され、またメタメリズムが抑制されているため、外装部材を用いる機器に対して高い機械的強度と美観を付与することができる。また、化学強化ガラスとすることで、衝撃による破損や傷が付き難い高い機械的強度を備えることができる。外装部材とは、例えば電子機器の外表面に設けられるものであるが、電子機器に限らず装飾品、建材、家具、自動車の操作パネル・内装品の外表面に設けられてもよい。また、ガラス自体が物品を構成するものであってもよい。また、ガラスの形状は、平板形状に限らず、平板形状以外の形状を有するものであってもよい。
外装部材としては、特に限定されないが、屋内外で使用することが想定される携帯型電子機器に好適に用いることができる。携帯型電子機器とは、携帯して使用可能な通信機器や情報機器を包含する概念である。例えば、通信機器としては、通信端末として、携帯電話、PHS(Personal Handy−phone System)、スマートフォン、PDA(Personal Data Assistance)、PND(Portable Navigation Device、携帯型カーナビゲーションシステム)があり、放送受信機として携帯ラジオ、携帯テレビ、ワンセグ受信機等が挙げられる。また、情報機器として、デジタルカメラ、ビデオカメラ、携帯音楽プレーヤー、サウンドレコーダー、ポータブルDVDプレーヤー、携帯ゲーム機、ノートパソコン、タブレットPC、電子辞書、電子手帳、電子書籍リーダー、携帯プリンター、携帯スキャナ等が挙げられる。また、据え置き型電子機器や自動車に内装される電子機器にも利用できる。なお、これらの例示に限定されるものではない。
本発明のガラスの製造方法は特に限定されないが、例えば種々のガラス原料を適量調合し、加熱し溶融した後、脱泡、撹拌などにより均質化し、周知のダウンドロー法、プレス法などによって板状等に成形するか、またはキャストして所望の形状に成形する。そして、徐冷後所望のサイズに切断し、必要に応じ研磨加工を施す。または、一旦塊状に成形したガラスを再加熱してガラスを軟化させてからプレス成形し、所望の形状のガラスを得る。また、本発明の化学強化ガラスは、このようにして得られたガラスを化学強化処理する。そして、化学強化処理したガラスを冷却し、化学強化ガラスを得る。
以上、本発明の化学強化用ガラスおよび化学強化ガラスについて一例を挙げて説明したが、本発明の趣旨に反しない限度において、また必要に応じて適宜構成を変更することができる。
以下、本発明を実施例及び比較例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
表1〜2の例1〜例20(例1〜例3、例7〜例20は実施例、例4〜例6は比較例)について、表中にモル百分率表示で示す組成になるように、酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩等一般に使用されているガラス原料を適宜選択し、ガラスとして100mlとなるように秤量した。なお、表に記載のSO3は、ガラス原料にボウ硝(Na2SO4)を添加し、ボウ硝分解後にガラス中に残る残存SO3であり、計算値である。
次いで、この原料混合物を白金製るつぼに入れ、1400℃の溶融温度にてガラスを溶かし、ガラスが溶けたことを確認した上で、1550℃の清澄温度にてガラスを脱泡した。その後、縦約50mm×横約100mm×高さ約20mmの型材に流し込み、約1℃/分の速度で徐冷し、ガラスブロックを得た。
このガラスブロックを切断して、サイズが40mm×40mm、所望の厚さになるようにガラスを切り出した後、研削し、最後に両面を鏡面に研磨加工し、板状の化学強化用ガラスを得た。ここで、切り出したガラスの厚さは、例1〜例7、例15は0.8mm、例8〜13、例16〜例19は1.2mm、例14は0.723mm、例20は0.6mmとした。
例1の化学強化用ガラスについて、化学強化処理を行った上で、ソーク処理(以下、ヒートソーク試験と称する)を実施した。化学強化処理の条件は、ガラスを450℃のKNO3(99%)とNaNO3(1%)とからなる溶融塩に10時間浸漬した。化学強化処理後のガラスは、表面圧縮応力(CS)が728MPa、表面圧縮応力層の深さ(DOL)が56μm、板厚中心部の引張応力(CT)が59MPaであった。例8の化学強化用ガラスについて、化学強化処理(ガラスを400℃のKNO3(99%)とNaNO3(1%)とからなる溶融塩に2時間浸漬した。化学強化処理後のガラスは、表面圧縮応力(CS)が706MPa、表面圧縮応力層の深さ(DOL)が15μmであった。なお、前記の測定は、表面応力測定装置を用いて行った。この装置は、ガラス表面に形成された表面圧縮応力層が、表面圧縮応力層が存在しない他のガラス部分と屈折率が相違することで光導波路効果を示すことを利用した装置である。また、表面応力測定装置では、光源として中心波長が795nmのLEDを用いて行った。
ヒートソーク試験の条件は、ガラスの常温から保持温度までの昇温速度が1.8℃/分、ガラスの保持温度が250〜255℃、保持温度を保持した時間は55分間である。
例1の化学強化ガラスを10000枚用意し、前述のヒートソーク試験を行ったところ、NiSが起因で破損したものは1枚もなかった。よって、本発明のガラスは、NiSの生成を高い確率で抑制できると考えられる。
例1の化学強化ガラスを10000枚用意し、前述のヒートソーク試験を行ったところ、NiSが起因で破損したものは1枚もなかった。よって、本発明のガラスは、NiSの生成を高い確率で抑制できると考えられる。
次いで、得られた板状の化学強化用ガラスについて、化学強化処理前の色調を測定した。
各ガラスの色調は、CIEにより規格化されたL*a*b*表色系の反射光の色度を測定した。光源として、F2光源およびD65光源を用い、それぞれについて、反射光の色度測定をした。L*a*b*表色系の反射光の色度測定は、分光色測計(エックスライト社製、Colori7)を用いて測定した。なお、ガラスの裏面側(光源からの光が照射される面の裏面)には、白色の樹脂板を置いて測定を行った。結果を表1および表2に示す。
各ガラスの色調は、CIEにより規格化されたL*a*b*表色系の反射光の色度を測定した。光源として、F2光源およびD65光源を用い、それぞれについて、反射光の色度測定をした。L*a*b*表色系の反射光の色度測定は、分光色測計(エックスライト社製、Colori7)を用いて測定した。なお、ガラスの裏面側(光源からの光が照射される面の裏面)には、白色の樹脂板を置いて測定を行った。結果を表1および表2に示す。
表1および表2に示すようにCuOを一定量以上(例えば、0.03%以上)含有する実施例のガラスは、メタメリズムの指標であるΔa*およびΔb*がいずれも2.0以下であり、メタメリズムを抑制できることがわかる。これに対し、CuOを含有せず、NiOを含有する比較例のガラスは、Δa*が2.0を超えており、メタメリズムを抑制できないことがわかる。
また、例8〜例10の化学強化用ガラスは、KNO3(99%)とNaNO3(1%)とからなる溶融塩に6時間浸漬して化学強化処理を施し、化学強化ガラスを製造した。ここで、例8では425℃の溶融塩を、例9,10では450℃の溶融塩を使用して処理した。この化学強化処理後の化学強化ガラスの色調について、上記と同様の方法でCIEにより規格化されたL*a*b*表色系の反射光の色度を測定した。その結果を表3に示す。
表3に示すように、CuOを含有する化学強化処理後のガラスは、メタメリズムの指標であるΔa*およびΔb*がいずれも2.0以下を維持しており、メタメリズムを抑制できることがわかる。
AV機器・OA機器等の操作パネル、同製品の開閉扉、操作ボタン・つまみ、またはデジタル・フォト・フレームやTVなどの画像表示パネルの矩形状の表示面の周囲に配置される装飾パネル等の装飾品や電子機器用のガラス外装部材などに利用できる。また、自動車用内装部材、家具等の部材、屋外や屋内で用いられる建材等にも利用できる。
Claims (9)
- 下記酸化物基準のモル百分率表示で、SiO2を55〜80%、Al2O3を3〜16%、B2O3を0〜12%、Na2Oを5〜20%、K2Oを0〜15%、MgOを0〜15%、CaOを0〜3%、ΣRO(Rは、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn)を0〜18%、SO3を0.005〜1%、NiOを0.001〜3%、CuOを0.001〜3%含有することを特徴とする化学強化用ガラス。
- SO3を0.005〜1%、NiOを0.01〜3%、CuOを0.01〜3%含有することを特徴とする請求項1に記載の化学強化用ガラス。
- 下記(1)式で示される、L*a*b*表色系のD65光源による反射光の色度a*とF2光源による反射光の色度a*との差Δa*の絶対値、および下記(2)式で示される、L*a*b*表色系のD65光源による反射光の色度b*とF2光源による反射光の色度b*との差Δb*の絶対値が、いずれも2.0以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の化学強化用ガラス。
Δa*=a*値(D65光源)−a*値(F2光源) ・・・(1)
Δb*=b*値(D65光源)−b*値(F2光源) ・・・(2) - 下記酸化物基準のモル百分率表示で、SiO2を55〜80%、Al2O3を3〜16%、B2O3を0〜12%、Na2Oを5〜20%、K2Oを0〜15%、MgOを0〜15%、CaOを0〜3%、ΣRO(Rは、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn)を0〜18%、SO3を0.005〜1%、NiOを0.001〜3%、CuOを0.001〜3%含有し、表面から深さ方向に10μm〜70μmの表面圧縮応力層を有することを特徴とする化学強化ガラス。
- SO3を0.005〜1%、NiOを0.01〜3%、CuOを0.01〜3%含有することを特徴とする請求項4に記載の化学強化ガラス。
- 下記(1)式で示される、L*a*b*表色系のD65光源による反射光の色度a*とF2光源による反射光の色度a*との差Δa*の絶対値、および下記(2)式で示される、L*a*b*表色系のD65光源による反射光の色度b*とF2光源による反射光の色度b*との差Δb*の絶対値が、いずれも2.0以下であることを特徴とする請求項4または5に記載の化学強化ガラス。
Δa*=a*値(D65光源)−a*値(F2光源) ・・・(1)
Δb*=b*値(D65光源)−b*値(F2光源) ・・・(2) - 前記化学強化ガラスは、300〜1400MPaの表面圧縮応力を有することを特徴とする請求項4ないし6のいずれか1項に記載の化学強化ガラス。
- 前記化学強化ガラスは、板厚方向中心部の引張応力(CT)が10MPa以上であることを特徴とする請求項4ないし7のいずれか1項に記載の化学強化ガラス。
- 外装部材として用いられることを特徴とする請求項4ないし8のいずれか1項に記載の化学強化ガラス。
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