JP2014031305A - 化学強化用ガラス、化学強化ガラス - Google Patents
化学強化用ガラス、化学強化ガラス Download PDFInfo
- Publication number
- JP2014031305A JP2014031305A JP2013090940A JP2013090940A JP2014031305A JP 2014031305 A JP2014031305 A JP 2014031305A JP 2013090940 A JP2013090940 A JP 2013090940A JP 2013090940 A JP2013090940 A JP 2013090940A JP 2014031305 A JP2014031305 A JP 2014031305A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- value
- glass
- light source
- chemical strengthening
- chromaticity
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03C—CHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
- C03C3/00—Glass compositions
- C03C3/04—Glass compositions containing silica
- C03C3/076—Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight
- C03C3/11—Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing halogen or nitrogen
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03C—CHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
- C03C21/00—Treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by diffusing ions or metals in the surface
- C03C21/001—Treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by diffusing ions or metals in the surface in liquid phase, e.g. molten salts, solutions
- C03C21/002—Treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by diffusing ions or metals in the surface in liquid phase, e.g. molten salts, solutions to perform ion-exchange between alkali ions
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03C—CHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
- C03C3/00—Glass compositions
- C03C3/04—Glass compositions containing silica
- C03C3/076—Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight
- C03C3/083—Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing aluminium oxide or an iron compound
- C03C3/085—Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing aluminium oxide or an iron compound containing an oxide of a divalent metal
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03C—CHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
- C03C3/00—Glass compositions
- C03C3/04—Glass compositions containing silica
- C03C3/076—Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight
- C03C3/083—Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing aluminium oxide or an iron compound
- C03C3/085—Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing aluminium oxide or an iron compound containing an oxide of a divalent metal
- C03C3/087—Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing aluminium oxide or an iron compound containing an oxide of a divalent metal containing calcium oxide, e.g. common sheet or container glass
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03C—CHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
- C03C4/00—Compositions for glass with special properties
- C03C4/02—Compositions for glass with special properties for coloured glass
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y10—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
- Y10T—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
- Y10T428/00—Stock material or miscellaneous articles
- Y10T428/31—Surface property or characteristic of web, sheet or block
- Y10T428/315—Surface modified glass [e.g., tempered, strengthened, etc.]
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Geochemistry & Mineralogy (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Glass Compositions (AREA)
- Liquid Crystal (AREA)
- Position Input By Displaying (AREA)
Abstract
【課題】メタメリズムが抑制され、化学強化処理前後の色調変化が小さく、機械的強度に優れた、着色された化学強化用ガラスを提供すること。
【解決手段】 ガラス中の着色成分としてSeをモル%表示で0.001〜5%含有し、下記(1)式で示される、L*a*b*表色系のD65光源による反射光の色度a*値とF2光源による反射光の色度a*値との差Δa*mの絶対値が、1.8以下の化学強化用ガラスである。
Δa*m=a*値(D65光源)−a*値(F2光源) ・・・(1)
【選択図】なし
【解決手段】 ガラス中の着色成分としてSeをモル%表示で0.001〜5%含有し、下記(1)式で示される、L*a*b*表色系のD65光源による反射光の色度a*値とF2光源による反射光の色度a*値との差Δa*mの絶対値が、1.8以下の化学強化用ガラスである。
Δa*m=a*値(D65光源)−a*値(F2光源) ・・・(1)
【選択図】なし
Description
本発明は、電子機器、例えば携帯して使用可能な通信機器や情報機器等の外装部材や装飾品に用いられる化学強化用ガラス、化学強化ガラスに関する。本明細書において、「化学強化用ガラス」とは、化学強化処理によって表面に圧縮応力層を形成可能なガラスであって、化学強化処理前のガラスをいう。また、「化学強化ガラス」とは、化学強化処理によって表面に圧縮応力層が形成されている、化学強化処理済のガラスをいう。
携帯電話等の電子機器の外装部材や装飾品は、装飾性、耐傷性、加工性、コスト等の様々な要因を考慮し、樹脂、金属等の素材から適宜のものが選択され、用いられている。
近年、外装部材の素材として、従来は用いられていなかったガラスを用いる試みがされている(特許文献1)。特許文献1によれば、携帯電話等の電子機器において、外装部材自体をガラスで形成することにより、透明感のある独特の装飾効果を発揮することができるとされている。
携帯電話等の携帯して使用可能な電子機器の外装部材や装飾品は、使用時の落下衝撃による破損や長期間の使用による接触傷を考慮し、高い強度が求められる。
ガラスの強度を高める方法として、ガラス表面に圧縮応力層を形成させる手法が一般的に知られている。ガラス表面に圧縮応力層を形成させる手法としては、風冷強化法(物理強化法)と、化学強化法が代表的である。風冷強化法(物理強化法)は、軟化点付近まで加熱したガラス板表面を風冷などにより急速に冷却して行う手法である。また、化学強化法は、ガラス転移点以下の温度で、イオン交換により、ガラス板表面に存在するイオン半径が小さいアルカリ金属イオン(典型的にはLiイオン、Naイオン)を、イオン半径のより大きいアルカリイオン(典型的にはLiイオンに対してはNaイオンまたはKイオンであり、Naイオンに対してはKイオンである。)に交換する手法である。
例えば、前述したような装飾用ガラスは、通常2mm以下の厚さで使用されることが多い。このように、厚みの薄いガラス板に対して風冷強化法を適用すると、表面と内部の温度差を確保しにくいため、圧縮応力層を形成することが困難である。このため、強化処理後のガラスにおいて、目的の高強度という特性を得ることができない。また、風冷強化では、冷却温度のばらつきにより、ガラス板の平面性を損なう懸念が大きい。特に厚みの薄いガラス板については、平面性が損なわれる懸念が大きく、本発明の目的である質感が損なわれる可能性がある。これらの点から、ガラス板は、後者の化学強化法によって強化することが好ましい。
また、携帯電話等の電子機器の外装部材や装飾品は、機器自体の存在を強く主張せず、なおかつ重厚感、高級感が得られる黒色やグレイ等の暗色系の色調のものも多用されている。中でも、グレイ系の色調は、柔らかい印象を与えるとともに、表面の付着物による汚れが目立ち難いことから、電子機器の外装部材等において、広く適用されている。
化学強化可能であって、かつ暗色を呈するガラスとして、特許文献2に記載のガラスが知られている。特許文献2に記載のガラスは、アルミノケイ酸塩ガラスに高濃度の酸化鉄を含有させたものである。
電子機器の外装部材や装飾品用途では、外観品質として色彩が重要とされる。特許文献2に記載のガラスはいわゆる黒なので、可視域の波長の光が完全に遮蔽される。しかしながら、上述のようなグレイ系の色調は、可視域の波長の光を完全に遮蔽することなく、一定量の可視域の波長の光が透過するため、製造工程における色管理が必要となる。
携帯型の電子機器は、屋外や屋内など異なる波長成分の光の下で使われる。そのため、光源の違いによる色調の変化量、いわゆるメタメリズムが小さいことが好ましい。
携帯型の電子機器は、屋外や屋内など異なる波長成分の光の下で使われる。そのため、光源の違いによる色調の変化量、いわゆるメタメリズムが小さいことが好ましい。
また、電子機器は、消費者の嗜好の多様性を反映し、様々な意匠表現が求められる。意匠表現の中でも色調は、特に重要なもののひとつである。前記電子機器の外装部材に用いられるガラスは、マーケティング活動で得られたデータに基づく色調やデザイナーが決定した色調を忠実に再現することが求められる。
しかしながら、本発明者は、ガラス中の着色成分によっては化学強化処理前後のガラスの色調が変化するという新規な課題を見出した。
しかしながら、本発明者は、ガラス中の着色成分によっては化学強化処理前後のガラスの色調が変化するという新規な課題を見出した。
本発明は、電子機器の外装部材や装飾品用途に好適な特性、すなわち、メタメリズムが抑制され、化学強化処理前後の色調変化が小さく、機械的強度に優れた、グレイ系の色調を有する化学強化用ガラス、化学強化ガラスの提供を目的とする。
本発明者は、種々の検討を行った結果、ガラス中に着色成分としてSe(セレン)を一定量含有することで、光源が相違する際の反射光の色調変化(メタメリズム)や、化学強化処理前後のガラスの色調変化を抑制できることを見出した。
すなわち、本発明の化学強化用ガラスは、ガラス中の着色成分としてSeをモル%表示で0.001〜5%含有し、下記(1)式で示される、L*a*b*表色系のD65光源による反射光の色度a*値とF2光源による反射光の色度a*値との差Δa*mの絶対値が、1.8以下であることを特徴とする。
Δa*m=a*値(D65光源)−a*値(F2光源) ・・・(1)
すなわち、本発明の化学強化用ガラスは、ガラス中の着色成分としてSeをモル%表示で0.05〜5%含有し、下記(1)式で示される、L*a*b*表色系のD65光源による反射光の色度a*値とF2光源による反射光の色度a*値との差Δa*mの絶対値が、1.8以下であることを特徴とする。
Δa*m=a*値(D65光源)−a*値(F2光源) ・・・(1)
すなわち、本発明の化学強化用ガラスは、ガラス中の着色成分としてSeをモル%表示で0.001〜5%含有し、下記(1)式で示される、L*a*b*表色系のD65光源による反射光の色度a*値とF2光源による反射光の色度a*値との差Δa*mの絶対値が、1.8以下であることを特徴とする。
Δa*m=a*値(D65光源)−a*値(F2光源) ・・・(1)
すなわち、本発明の化学強化用ガラスは、ガラス中の着色成分としてSeをモル%表示で0.05〜5%含有し、下記(1)式で示される、L*a*b*表色系のD65光源による反射光の色度a*値とF2光源による反射光の色度a*値との差Δa*mの絶対値が、1.8以下であることを特徴とする。
Δa*m=a*値(D65光源)−a*値(F2光源) ・・・(1)
また、本発明の化学強化用ガラスは、ガラス中の着色成分としてSeをモル%表示で0.001〜5%含有し、下記(1)式で示される、L*a*b*表色系のD65光源による反射光の色度a*値とF2光源による反射光の色度a*値との差Δa*mの絶対値、および下記(2)式で示される、L*a*b*表色系のD65光源による反射光の色度b*値とF2光源による反射光の色度b*値との差Δb*mの絶対値が、いずれも1.8以下であることを特徴とする。
Δa*m=a*値(D65光源)−a*値(F2光源) ・・・(1)
Δb*m=b*値(D65光源)−b*値(F2光源) ・・・(2)
また、本発明の化学強化用ガラスは、ガラス中の着色成分としてSeをモル%表示で0.05〜5%含有し、下記(1)式で示される、L*a*b*表色系のD65光源による反射光の色度a*値とF2光源による反射光の色度a*値との差Δa*mの絶対値、および下記(2)式で示される、L*a*b*表色系のD65光源による反射光の色度b*値とF2光源による反射光の色度b*値との差Δb*mの絶対値が、いずれも1.8以下であることを特徴とする。
Δa*m=a*値(D65光源)−a*値(F2光源) ・・・(1)
Δb*m=b*値(D65光源)−b*値(F2光源) ・・・(2)
Δa*m=a*値(D65光源)−a*値(F2光源) ・・・(1)
Δb*m=b*値(D65光源)−b*値(F2光源) ・・・(2)
また、本発明の化学強化用ガラスは、ガラス中の着色成分としてSeをモル%表示で0.05〜5%含有し、下記(1)式で示される、L*a*b*表色系のD65光源による反射光の色度a*値とF2光源による反射光の色度a*値との差Δa*mの絶対値、および下記(2)式で示される、L*a*b*表色系のD65光源による反射光の色度b*値とF2光源による反射光の色度b*値との差Δb*mの絶対値が、いずれも1.8以下であることを特徴とする。
Δa*m=a*値(D65光源)−a*値(F2光源) ・・・(1)
Δb*m=b*値(D65光源)−b*値(F2光源) ・・・(2)
また、前記化学強化用ガラスを化学強化処理後、化学強化処理温度から300℃までの温度域を30℃/分以上の冷却速度で冷却した場合、下記(3)式で示される、L*a*b*表色系(F2光源)による化学強化処理前の反射光の色度a*値と化学強化処理および冷却後の反射光の色度a*値との差をΔa*i、下記(4)式で示される、L*a*b*表色系(F2光源)による化学強化処理前の反射光の色度b*値と化学強化処理および冷却後の反射光の色度b*値との差をΔb*i、とした場合、下記(5)式で示される色調変化量が1.0以下であることを特徴とする。
Δa*i=a*値(化学強化処理前)−a*値(化学強化処理後) ・・・(3)
Δb*i=b*値(化学強化処理前)−b*値(化学強化処理後) ・・・(4)
√((Δa*i)2+(Δb*i)2) ・・・(5)
Δa*i=a*値(化学強化処理前)−a*値(化学強化処理後) ・・・(3)
Δb*i=b*値(化学強化処理前)−b*値(化学強化処理後) ・・・(4)
√((Δa*i)2+(Δb*i)2) ・・・(5)
本発明の化学強化ガラスは、ガラス中の着色成分としてSeをモル%表示で0.001〜5%含有し、下記(6)式で示される、L*a*b*表色系のD65光源による反射光の色度a*値とF2光源による反射光の色度a*値との差Δa*nの絶対値が1.8以下であり、表面から深さ方向に5〜70μmの表面圧縮応力層を有することを特徴とする。
Δa*n=a*値(D65光源)−a*値(F2光源) ・・・(6)
本発明の化学強化ガラスは、ガラス中の着色成分としてSeをモル%表示で0.05〜5%含有し、下記(6)式で示される、L*a*b*表色系のD65光源による反射光の色度a*値とF2光源による反射光の色度a*値との差Δa*nの絶対値が1.8以下であり、表面から深さ方向に5〜70μmの圧縮応力層を有することを特徴とする。
Δa*n=a*値(D65光源)−a*値(F2光源) ・・・(6)
Δa*n=a*値(D65光源)−a*値(F2光源) ・・・(6)
本発明の化学強化ガラスは、ガラス中の着色成分としてSeをモル%表示で0.05〜5%含有し、下記(6)式で示される、L*a*b*表色系のD65光源による反射光の色度a*値とF2光源による反射光の色度a*値との差Δa*nの絶対値が1.8以下であり、表面から深さ方向に5〜70μmの圧縮応力層を有することを特徴とする。
Δa*n=a*値(D65光源)−a*値(F2光源) ・・・(6)
また、本発明の化学強化ガラスは、ガラス中の着色成分としてSeをモル%表示で0.001〜5%含有し、下記(6)式で示される、L*a*b*表色系のD65光源による反射光の色度a*値とF2光源による反射光の色度a*値との差Δa*nの絶対値、および下記(7)式で示される、L*a*b*表色系のD65光源による反射光の色度b*値とF2光源による反射光の色度b*値との差Δb*nの絶対値が、いずれも1.8以下であり、表面から深さ方向に5〜70μmの表面圧縮応力層を有することを特徴とする。
Δa*n=a*値(D65光源)−a*値(F2光源) ・・・(6)
Δb*n=b*値(D65光源)−b*値(F2光源) ・・・(7)
また、本発明の化学強化ガラスは、ガラス中の着色成分としてSeを酸化物基準のモル%表示で0.05〜5%含有し、下記(6)式で示される、L*a*b*表色系のD65光源による反射光の色度a*値とF2光源による反射光の色度a*値との差Δa*nの絶対値、および下記(7)式で示される、L*a*b*表色系のD65光源による反射光の色度b*値とF2光源による反射光の色度b*値との差Δb*nの絶対値が、いずれも1.8以下であり、表面から深さ方向に5〜70μmの圧縮応力層を有することを特徴とする。
Δa*n=a*値(D65光源)−a*値(F2光源) ・・・(6)
Δb*n=b*値(D65光源)−b*値(F2光源) ・・・(7)
Δa*n=a*値(D65光源)−a*値(F2光源) ・・・(6)
Δb*n=b*値(D65光源)−b*値(F2光源) ・・・(7)
また、本発明の化学強化ガラスは、ガラス中の着色成分としてSeを酸化物基準のモル%表示で0.05〜5%含有し、下記(6)式で示される、L*a*b*表色系のD65光源による反射光の色度a*値とF2光源による反射光の色度a*値との差Δa*nの絶対値、および下記(7)式で示される、L*a*b*表色系のD65光源による反射光の色度b*値とF2光源による反射光の色度b*値との差Δb*nの絶対値が、いずれも1.8以下であり、表面から深さ方向に5〜70μmの圧縮応力層を有することを特徴とする。
Δa*n=a*値(D65光源)−a*値(F2光源) ・・・(6)
Δb*n=b*値(D65光源)−b*値(F2光源) ・・・(7)
また、本発明の化学強化ガラスは、化学強化処理後、化学強化処理温度から300℃までの温度域を30℃/分以上の冷却速度で冷却した場合、下記(3)式で示される、L*a*b*表色系(F2光源)による化学強化処理前の反射光の色度a*値と化学強化処理および冷却後の反射光の色度a*値との差をΔa*i、下記(4)式で示される、L*a*b*表色系(F2光源)による化学強化処理前の反射光の色度b*値と化学強化処理および冷却後の反射光の色度b*値との差をΔb*iとした場合、下記(5)式で示される色調変化量が1.0以下であることを特徴とする。
Δa*i=a*値(化学強化処理前)−a*値(化学強化処理後) ・・・(3)
Δb*i=b*値(化学強化処理前)−b*値(化学強化処理後) ・・・(4)
√((Δa*i)2+(Δb*i)2) ・・・(5)
Δa*i=a*値(化学強化処理前)−a*値(化学強化処理後) ・・・(3)
Δb*i=b*値(化学強化処理前)−b*値(化学強化処理後) ・・・(4)
√((Δa*i)2+(Δb*i)2) ・・・(5)
本発明によれば、メタメリズムが抑制され、化学強化処理前後の色調変化が小さく、機械的強度に優れた、着色された化学強化用ガラス、化学強化ガラスを作製することができる。
本発明の化学強化用ガラス、化学強化ガラス(以下、両者を総称して本発明のガラスということがある)は、ガラス中に着色成分としてSeをモル%表示で0.001〜5%含有することで、メタメリズムを抑制することができる。また、本発明の化学強化用ガラス、化学強化ガラス(以下、両者を総称して本発明のガラスということがある)は、ガラス中に着色成分としてSeをモル%表示で0.05〜5%含有することで、メタメリズムを抑制することができる。また、化学強化処理前後のガラスの色調変化を小さくすることができる。
メタメリズム(条件等色)とは、外光色による、色調または外観色の色変化の度合いを示す指標で、CIE(国際照明委員会)により規格化されたL*a*b*表色系を用いて定義することができる。このメタメリズムが低い程、外光色による色調または外観色の色変化の度合いが小さいことになる。ガラスのメタメリズムが高い場合には、光源の種類が相違するとガラスの見た目の色調が大きく異なったものとなる。例えば、室内におけるガラスの色調と屋外におけるガラスの色調とが大きく異なることになる。
本発明の化学強化用ガラスは、着色成分としてSeを含有することにより、下記(1)式で定義されるΔa*mの絶対値を1.8以下にすることができる。また、前記Δa*mの絶対値および下記(2)式で定義されるΔb*mの絶対値を共に1.8以下にすることができる。これにより、室内におけるガラスの反射色調と屋外におけるガラスの反射色調との相違を小さくすることができる。
Δa*mとは、L*a*b*表色系のD65光源による反射光の色度a*値とF2光源による反射光の色度a*値との差をいう。
Δa*m=a*値(D65光源)−a*値(F2光源) ・・・(1)
Δb*mとは、L*a*b*表色系のD65光源による反射光の色度b*値とF2光源による反射光の色度b*値との差をいう。
Δb*m=b*値(D65光源)−b*値(F2光源) ・・・(2)
なお、化学強化処理前のメタメリズムが抑制されたガラスは、化学強化処理後においても同様の傾向(メタメリズムが抑制される)を示す。
Δa*mとは、L*a*b*表色系のD65光源による反射光の色度a*値とF2光源による反射光の色度a*値との差をいう。
Δa*m=a*値(D65光源)−a*値(F2光源) ・・・(1)
Δb*mとは、L*a*b*表色系のD65光源による反射光の色度b*値とF2光源による反射光の色度b*値との差をいう。
Δb*m=b*値(D65光源)−b*値(F2光源) ・・・(2)
なお、化学強化処理前のメタメリズムが抑制されたガラスは、化学強化処理後においても同様の傾向(メタメリズムが抑制される)を示す。
本発明の化学強化ガラスは、着色成分としてSeを含有することにより、下記(6)式で定義されるΔa*nの絶対値を1.8以下にすることができる。また、前記Δa*nの絶対値および下記(7)式で定義されるΔb*nの絶対値を共に1.8以下にすることができる。これにより、室内におけるガラスの反射色調と屋外におけるガラスの反射色調との相違を小さくすることができる。
Δa*nとは、L*a*b*表色系のD65光源による反射光の色度a*値とF2光源による反射光の色度a*値との差をいう。
Δa*n=a*値(D65光源)−a*値(F2光源) ・・・(6)
Δb*nとは、L*a*b*表色系のD65光源による反射光の色度b*値とF2光源による反射光の色度b*値との差をいう。
Δb*n=b*値(D65光源)−b*値(F2光源) ・・・(7)
Δa*nとは、L*a*b*表色系のD65光源による反射光の色度a*値とF2光源による反射光の色度a*値との差をいう。
Δa*n=a*値(D65光源)−a*値(F2光源) ・・・(6)
Δb*nとは、L*a*b*表色系のD65光源による反射光の色度b*値とF2光源による反射光の色度b*値との差をいう。
Δb*n=b*値(D65光源)−b*値(F2光源) ・・・(7)
L*a*b*表色系において、a*値は赤から緑の色調変化を示し、b*値は黄から青の色調変化を示す。人が色調変化をより敏感に感じるのは、赤から緑の色調変化である。そのため、本発明の化学強化用ガラスは、Δa*mの絶対値を1.8以下とすることで、メタメリズムが抑制されたガラスを得ることができる。また、Δa*mおよびΔb*mの絶対値を共に1.8以下とすることで、メタメリズムがさらに抑制されたガラスを得ることができる。また、本発明の化学強化ガラスは、Δa*nの絶対値を1.8以下とすることで、メタメリズムが抑制されたガラスを得ることができる。また、Δa*nおよびΔb*nの絶対値を共に1.8以下とすることで、メタメリズムがさらに抑制されたガラスを得ることができる。
Seを含有する場合、0.001%未満では、メタメリズムの抑制について有意な効果が得られないおそれがある。好ましくは0.002%以上であり、典型的には0.003%以上である。Seが5%超ではガラスが不安定になり、失透が生じるおそれがある。好ましくは3%以下、典型的には2%以下である。
また、Fe2O3についても、Seと同様にガラスに含有することによりメタメリズムを低くする効果がある。メタメリズムについて有意な効果が得られるFe2O3の含有量は、好ましくは0.01〜5%であり、典型的には0.5〜3%である。
また、Fe2O3についても、Seと同様にガラスに含有することによりメタメリズムを低くする効果がある。メタメリズムについて有意な効果が得られるFe2O3の含有量は、好ましくは0.01〜5%であり、典型的には0.5〜3%である。
化学強化用ガラスにおけるメタメリズムを低くするためには、Δa*mの絶対値が1.5以下が好ましく、1.3以下がより好ましく、1.0以下がさらに好ましい。また、Δa*mおよびΔb*mは、共に絶対値で1.5以下が好ましく、共に絶対値で1.3以下がより好ましく、1.0以下がさらに好ましい。
また、化学強化ガラスにおけるメタメリズムを低くするためには、Δa*nの絶対値が1.5以下が好ましく、1.3以下がより好ましく、1.0以下がさらに好ましい。また、Δa*nおよびΔb*nは、共に絶対値で1.5以下が好ましく、共に絶対値で1.3以下がより好ましく、1.0以下がさらに好ましい。
また、化学強化ガラスにおけるメタメリズムを低くするためには、Δa*nの絶対値が1.5以下が好ましく、1.3以下がより好ましく、1.0以下がさらに好ましい。また、Δa*nおよびΔb*nは、共に絶対値で1.5以下が好ましく、共に絶対値で1.3以下がより好ましく、1.0以下がさらに好ましい。
化学強化処理前後のガラスの色調変化とは、以下に定義される色調変化量をいう。化学強化用ガラスを化学強化処理後、化学強化処理温度から300℃までの温度域を30℃/分以上の冷却速度で冷却する。そして、下記(3)式で示される、L*a*b*表色系(F2光源)による化学強化処理前の反射光の色度a*値と化学強化処理および冷却後の反射光の色度a*値との差をΔa*i、下記(4)式で示される、L*a*b*表色系(F2光源)による化学強化処理前の反射光の色度b*値と化学強化処理および冷却後の反射光の色度b*値との差をΔb*i、とした場合、下記(5)式で示される数値を色調変化量という。
Δa*i=a*値(化学強化処理前)−a*値(化学強化処理後) ・・・(3)
Δb*i=b*値(化学強化処理前)−b*値(化学強化処理後) ・・・(4)
√((Δa*i)2+(Δb*i)2) ・・・(5)
本発明のガラスは、着色成分としてSeを含有することにより、上記(5)式で定義される色調変化量を1.0以下にすることができる。これにより、化学強化処理前後のガラスの反射色調の相違を小さくすることができる。色調変化量は、0.8以下であることが好ましい。
Δa*i=a*値(化学強化処理前)−a*値(化学強化処理後) ・・・(3)
Δb*i=b*値(化学強化処理前)−b*値(化学強化処理後) ・・・(4)
√((Δa*i)2+(Δb*i)2) ・・・(5)
本発明のガラスは、着色成分としてSeを含有することにより、上記(5)式で定義される色調変化量を1.0以下にすることができる。これにより、化学強化処理前後のガラスの反射色調の相違を小さくすることができる。色調変化量は、0.8以下であることが好ましい。
ガラスに含有する着色成分は、典型的に遷移金属元素と呼ばれる成分である。これら遷移金属元素は、複数の原子価を持つ。そのため、遷移金属元素がガラス中に含有された場合にも原子価が異なったものが存在し、それらの間に平衡をもって共存している。また、これら遷移金属元素は、複数の配位数を持つものがある。そのため、原子価と同様に、遷移金属元素がガラス中に含有された場合にも配位数が異なったものが存在し、それらの間に平衡をもって共存している。これら遷移金属元素は、ガラス中に存在する状態、前述した原子価の平衡や配位数の平衡によって呈するガラスの色調が異なる。
ガラス中の着色成分として遷移金属元素でないSeを含有することで、少なくとも化学強化処理温度以下(典型的には500℃以下)の温度域において、前記着色成分の価数や配位数の変化が起こり難く、化学強化処理前後のガラスの色調変化を抑制できると考えられる。
ガラス中の着色成分として遷移金属元素でないSeを含有することで、少なくとも化学強化処理温度以下(典型的には500℃以下)の温度域において、前記着色成分の価数や配位数の変化が起こり難く、化学強化処理前後のガラスの色調変化を抑制できると考えられる。
化学強化処理温度とは、ガラスの化学強化処理時における溶融塩(化学強化処理液)の処理温度を示す。通常、ガラスの化学強化処理は、溶融塩を400℃〜550℃程度に加熱した状態で、溶融塩中にガラスを浸漬し、一定時間保持する。このようにすることで、ガラス表面に存在するアルカリ金属イオン(典型的には、Liイオン、Naイオン)を、溶融塩中の前記アルカリ金属イオンよりイオン半径の大きいアルカリ金属イオン(典型的にはLiイオンに対してはNaイオンまたはKイオンであり、Naイオンに対してはKイオンである。)に交換する。一定時間保持後、化学強化処理が終わったガラスは、溶融塩から取り出し、室温まで冷却する。ガラスを溶融塩から取り出した後から300℃までの温度域の冷却速度を30℃/分以上に制御することで、化学強化処理にて形成したガラスの表面圧縮応力の緩和を抑制し、機械的強度の高い化学強化ガラスを得ることができる。
また、本発明のガラスは、吸光係数の相対値(波長450nmの吸光係数/波長600nmの吸光係数および波長550nmの吸光係数/波長600nmの吸光係数)がいずれも0.6〜1.2の範囲内であることが好ましい。例えば、グレイの色調を呈するガラスを得る場合、ガラス中に含有する着色成分によっては、ガラスが褐色がかったり、青味がかったりすることがある。他の色に見えない所望のグレイの色調をガラスで表現するには、可視域の光の波長における吸光係数のばらつきが少ないガラス、つまり可視域の光を平均的に吸収するガラスが好ましい。
よって、前記吸光係数の相対値の範囲は、0.6〜1.2の範囲内とすることが好ましい。この範囲が、0.6より小さいと、ガラスが青味がかった黒色となるおそれがある。また、この範囲が、1.2超であると、褐色や緑色がかった黒色となるおそれがある。
なお、吸光係数の相対値は、波長450nmの吸光係数/波長600nmの吸光係数および波長550nmの吸光係数/波長600nmの吸光係数の両方が前述の範囲内となることで、他の色に見えないグレイの色調のガラスが得られることを意味する。
よって、前記吸光係数の相対値の範囲は、0.6〜1.2の範囲内とすることが好ましい。この範囲が、0.6より小さいと、ガラスが青味がかった黒色となるおそれがある。また、この範囲が、1.2超であると、褐色や緑色がかった黒色となるおそれがある。
なお、吸光係数の相対値は、波長450nmの吸光係数/波長600nmの吸光係数および波長550nmの吸光係数/波長600nmの吸光係数の両方が前述の範囲内となることで、他の色に見えないグレイの色調のガラスが得られることを意味する。
本発明におけるガラスの吸光係数の算出方法は、以下のとおりである。ガラス板の両面を鏡面研磨し、厚さtを測定する。このガラス板の分光透過率Tを測定する(例えば、日本分光株式会社製、紫外可視近赤外分光光度計V−570を用いる)。そして、吸光係数βを、T=10−βtの関係式を用いて算出する。
また、本発明のガラスは、L*a*b*表色系を用いて定義される明度L*値が20〜80の範囲内であることが好ましい。すなわち、L*値が前記範囲内であると、ガラスの明度が「明るい」〜「暗い」の中間領域であるため、色調変化に対して認識しやすい範囲であり、本発明を用いることがより効果的である。なお、L*値が20未満であるとガラスは濃色を呈するため、ガラスの色調変化を認識し難い。また、L*値が80以上であるとガラスは淡色を呈するため、ガラスの色調変化を認識し難い。L*値は20〜60が好ましく、22〜50がより好ましく、23〜40がさらに好ましい。本発明における明度L*値はF2光源を用い、ガラスの裏面側に白色の樹脂板を設置した場合の反射光を測定したデータに基づくものである。
本発明の化学強化用ガラスは、化学強化用ガラスを厚み1mmのガラス板にしたものの鏡面仕上げ表面に、ビッカース圧子を用いて圧痕を形成した際の、クラックの発生率が50%となるビッカース圧子の押し込み荷重が150gf以上であることが好ましく、200gf以上であることがより好ましく、300gf以上であることがさらに好ましい。前記ビッカース圧子の押し込み荷重が150gf未満であると、化学強化処理前の製造工程や輸送の際に傷が入りやすく、また、化学強化処理を行ったとしても所望の強度が得られないことがある。
なお、ガラスを化学強化処理する方法としては特に限定されない。典型的には後述する方法が適用可能である。
なお、ガラスを化学強化処理する方法としては特に限定されない。典型的には後述する方法が適用可能である。
化学強化処理は、例えば、400℃〜550℃の溶融塩中にガラスを1〜20時間程度浸漬することで行うことができる。化学強化処理に用いる溶融塩としては、カリウムイオンもしくはナトリウムイオンを含むものであれば、特に限定されないが、例えば硝酸カリウム(KNO3)の溶融塩が好適に用いられる。その他、硝酸ナトリウム(NaNO3)の溶融塩や硝酸カリウム(KNO3)と硝酸ナトリウム(NaNO3)とを混合した溶融塩を用いてもよい。
本発明の化学強化ガラスは、ガラスの表面に表面圧縮応力層が形成されている。ガラスの表面に形成される表面圧縮応力層の深さ(DOL)は、5μm以上、10μm以上、20μm以上、30μm以上となるように化学強化処理されていることが好ましい。化学強化ガラスを外装部材に用いる場合、ガラスの表面に接触傷がつく確率が高く、ガラスの機械的強度が低下することがある。そこで、DOLを大きくすれば、化学強化ガラスの表面に傷がついても、割れ難くなる。一方、化学強化処理後にガラスを切断加工しやすくするために、DOLを70μm以下とすることが好ましい。
本発明の化学強化ガラスは、ガラス表面に形成される表面圧縮応力(CS)が、300MPa以上、500MPa以上、700MPa以上、900MPa以上となるように化学強化処理されていることが好ましい。CSが高くなることで化学強化ガラスの機械的強度が高くなる。一方、CSが高くなりすぎると内部の引っ張り応力が極端に高くなるおそれがあるため、CSは1200MPa以下とすることが好ましい。
本発明の化学強化ガラスは、ガラスに対し前述した化学強化処理を行うことで表面から深さ方向に5〜70μmの表面圧縮応力層が形成されたガラスをいう。
次いで、本発明のガラスのガラス組成について説明する。
本発明の第1の実施形態のガラスとしては、下記酸化物基準のモル百分率表示で、SiO2を55〜80%、Al2O3を0.5〜16%、B2O3を0〜12%、Na2Oを5〜20%、K2Oを0〜8%、MgOを0〜15%、CaOを0〜15%、ΣRO(Rは、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn)を0〜18%、Seを0.001〜5%、Fe2O3を0.01〜5%、Co3O4を0〜1%含有するものが挙げられる。
本発明の第1の実施形態のガラスとしては、下記酸化物基準のモル百分率表示で、SiO2を55〜80%、Al2O3を0.5〜16%、B2O3を0〜12%、Na2Oを5〜20%、K2Oを0〜8%、MgOを0〜15%、CaOを0〜15%、ΣRO(Rは、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn)を0〜18%、Seを0.001〜5%、Fe2O3を0.01〜5%、Co3O4を0〜1%含有するものが挙げられる。
以下、本発明のガラスの組成について、特に断らない限りモル百分率表示含有量を用いて説明する。
SiO2は、ガラスの骨格を構成する成分であり必須である。55%未満ではガラスとしての安定性が低下する、または耐候性が低下する。好ましくは60%以上である。より好ましくは65%以上である。SiO2が80%超ではガラスの粘性が増大し溶融性が著しく低下する。好ましくは75%以下、典型的には70%以下である。
Al2O3は、ガラスの耐候性および化学強化特性を向上させる成分であり、必須である。0.5%未満では耐候性が低下する。好ましくは1%以上、典型的には3%以上である。
Al2O3が16%超ではガラスの粘性が高くなり均質な溶融が困難になる。好ましくは14%以下、典型的には12%以下である。
化学強化処理によりガラスの表面に高いCSを形成する場合は、Al2O3は5〜15%(ただし、5%を含まない)とすることが好ましい。また、ガラスの溶融性を高め、安価に製造する場合は、Al2O3は0〜5%とすることが好ましい。
Al2O3が16%超ではガラスの粘性が高くなり均質な溶融が困難になる。好ましくは14%以下、典型的には12%以下である。
化学強化処理によりガラスの表面に高いCSを形成する場合は、Al2O3は5〜15%(ただし、5%を含まない)とすることが好ましい。また、ガラスの溶融性を高め、安価に製造する場合は、Al2O3は0〜5%とすることが好ましい。
B2O3は、ガラスの耐候性を向上させる成分であり、必須ではないが必要に応じて含有することができる。B2O3を含有する場合、4%未満では耐候性向上について有意な効果が得られないおそれがある。好ましくは5%以上であり、典型的には6%以上である。
B2O3が12%超では揮散による脈理が発生し、歩留まりが低下するおそれがある。好ましくは11%以下、典型的には10%以下である。
B2O3が12%超では揮散による脈理が発生し、歩留まりが低下するおそれがある。好ましくは11%以下、典型的には10%以下である。
Na2Oは、ガラスの溶融性を向上させる成分であり、またイオン交換により表面圧縮応力層を形成させるため、必須である。5%未満では溶融性が悪く、またイオン交換により所望の表面圧縮応力層を形成することが困難となる。好ましくは7%以上、典型的には8%以上である。
Na2Oが20%超では耐候性が低下する。好ましくは18%以下、典型的には16%以下である。
Na2Oが20%超では耐候性が低下する。好ましくは18%以下、典型的には16%以下である。
K2Oは、ガラスの溶融性を向上させる成分であるとともに、化学強化におけるイオン交換速度を大きくする作用があるため、必須ではないが含有することが好ましい成分である。K2Oを含有する場合、0.01%未満では溶融性向上について有意な効果が得られない、またはイオン交換速度向上について有意な効果が得られないおそれがある。典型的には0.3%以上である。K2Oが8%超では耐候性が低下する。好ましくは6%以下、典型的には5%以下である。
RO(Rは、Mg、Ca、Sr、Ba、Znを表す)は、ガラスの溶融性を向上させる成分であり、必須ではないが必要に応じていずれか1種以上を含有することができる。その場合ROの含有量の合計ΣRO(ΣROは、MgO+CaO+SrO+BaO+ZnOを表す)が1%未満では溶融性が低下するおそれがある。好ましくは3%以上、典型的には5%以上である。ΣROが18%超では耐候性が低下する。好ましくは15%以下、より好ましくは13%以下、典型的には11%以下である。
MgOは、ガラスの溶融性を向上させる成分であり、必須ではないが必要に応じて含有することができる。MgOを含有する場合、3%未満では溶融性向上について有意な効果が得られないおそれがある。典型的には4%以上である。MgOが15%超では耐候性が低下する。好ましくは13%以下、典型的には12%以下である。
CaOは、ガラスの溶融性を向上させる成分であり、必須ではないが必要に応じて含有することができる。CaOを含有する場合、0.01%未満では溶融性向上について有意な効果が得られない。典型的には0.1%以上である。CaOが15%超では化学強化特性が低下する。好ましくは12%以下、典型的には10%以下である。また、ガラスの化学強化特性を高くする場合は、実質的に含有しないことが好ましい。
化学強化処理によりガラスの表面に高いCSを形成する場合は、CaOは0〜5%(ただし、5%を含まない)とすることが好ましい。また、ガラスの溶融性を高め、安価に製造する場合は、CaOは5〜15%とすることが好ましい。
化学強化処理によりガラスの表面に高いCSを形成する場合は、CaOは0〜5%(ただし、5%を含まない)とすることが好ましい。また、ガラスの溶融性を高め、安価に製造する場合は、CaOは5〜15%とすることが好ましい。
SrOは、溶融性を向上させるための成分であり、必須ではないが必要に応じて含有することができる。SrOを含有する場合、1%未満では溶融性向上について有意な効果が得られないおそれがある。好ましくは3%以上であり、典型的には6%以上である。SrOが15%超では耐候性や化学強化特性が低下するおそれがある。好ましくは12%以下、典型的には9%以下である。
BaOは、溶融性を向上させるための成分であり、必須ではないが必要に応じて含有することができる。BaOを含有する場合、1%未満では溶融性向上について有意な効果が得られないおそれがある。好ましくは3%以上であり、典型的には6%以上である。BaOが15%超では耐候性や化学強化特性が低下するおそれがある。好ましくは12%以下、典型的には9%以下である。
ZnOは、溶融性を向上させるための成分であり、必須ではないが必要に応じて含有することができる。ZnOを含有する場合、1%未満では溶融性向上について有意な効果が得られないおそれがある。好ましくは3%以上であり、典型的には6%以上である。ZnOが15%超では耐候性が低下するおそれがある。好ましくは12%以下、典型的には9%以下である。
ZrO2は、イオン交換速度を大きくする成分であり、必須ではないが1%未満の範囲で含有してもよい。ZrO2が1%超では溶融性が悪化して未溶融物としてガラス中に残る場合が起こるおそれがある。典型的にはZrO2は含有しない。
Seは、ガラスを着色するための必須成分である。Seが0.001%未満では、所望とするグレイ系の色調のガラスが得られない。好ましくは0.002%以上、より好ましくは0.003%以上である。Seが5%超では、ガラスの色調が過度に暗くなり、所望のグレイ系の色調が得られない。また、ガラスが不安定となり失透を生じる。好ましくは3%以下、より好ましくは2%以下である。また、前述のとおり、ガラス中の着色成分としてSeを用いることで、メタメリズムの抑制や化学強化処理前後のガラスの色調変化を小さくすることができる。
Fe2O3は、ガラスを濃色に着色するための必須成分である。Fe2O3で表した全鉄含有量が0.01%未満では、所望とするグレイ系の色調のガラスが得られない。好ましくは0.02%以上、より好ましくは0.03%以上である。Fe2O3が5%超では、ガラスの色調が過度に暗くなり、所望のグレイ系の色調が得られない。また、ガラスが不安定となり失透を生じる。好ましくは4%以下、より好ましくは3%以下である。
この全鉄のうちの、Fe2O3で換算した2価の鉄の含有量の割合(鉄レドックス)が10〜50%、特には15〜40%であることが好ましい。20〜30%であるともっとも好ましい。鉄レドックスが10%より低いとSO3を含有する場合その分解が進まず、期待する清澄効果が得られないおそれがある。50%より高いと清澄前にSO3の分解が進みすぎて期待する清澄効果が得られない、あるいは、泡の発生源となり泡個数が増加するおそれがある。
本明細書では、全鉄をFe2O3に換算したものをFe2O3の含有量として表記としている。鉄レドックスは、メスバウアー分光法によりFe2O3に換算した全鉄中の、Fe2O3に換算した2価の鉄の割合を%表示で示すことができる。具体的には、放射線源(57Co)、ガラス試料(上記ガラスブロックから切断、研削、鏡面研磨した3〜7mm厚のガラス平板)、検出器(LND社製45431)を直線上に配置する透過光学系での評価を行う。光学系の軸方向に対して放射線源を運動させ、ドップラー効果によるγ線のエネルギー変化を起こす。そして室温で得られたメスバウアー吸収スペクトルを用いて、2価のFeと3価のFeの割合を算出し、2価のFeの割合を鉄レドックスとする。
Co3O4は、ガラスを濃色に着色するための着色成分であるとともに、鉄との共存下において脱泡効果を奏する成分であり、必須ではないが1%以下の範囲で含有してもよい。すなわち、高温状態で3価の鉄が2価の鉄となる際に放出されるO2泡を、コバルトが酸化される際に吸収するため、結果としてO2泡が削減され、脱泡効果が得られる。
さらに、Co3O4は、SO3と共存させることにより清澄作用をより高める成分である。すなわち、例えばボウ硝(Na2SO4)を清澄剤として使用する場合、SO3→SO2+1/2O2の反応を進めることで、ガラスからの泡抜けが良くなるため、ガラス中の酸素分圧は低い方が好ましい。鉄を含むガラスにおいて、コバルトが共添加されることで、鉄の還元により生じる酸素の放出を、コバルトの酸化により抑制することができ、SO3の分解が促進される。このため、泡欠点の少ないガラスを作製することができる。
さらに、Co3O4は、SO3と共存させることにより清澄作用をより高める成分である。すなわち、例えばボウ硝(Na2SO4)を清澄剤として使用する場合、SO3→SO2+1/2O2の反応を進めることで、ガラスからの泡抜けが良くなるため、ガラス中の酸素分圧は低い方が好ましい。鉄を含むガラスにおいて、コバルトが共添加されることで、鉄の還元により生じる酸素の放出を、コバルトの酸化により抑制することができ、SO3の分解が促進される。このため、泡欠点の少ないガラスを作製することができる。
また、化学強化のためにアルカリ金属を比較的多量に含むガラスは、ガラスの塩基性度が高くなるため、SO3が分解しにくく、清澄効果が低下する。このように、SO3が分解しにくい化学強化用ガラスにおいて、鉄を含むものでは、コバルトは、SO3の分解を促進するため、脱泡効果の促進に特に有効である。
このような清澄作用を発現させるためには、Co3O4は0.01%以上とされ、好ましくは0.02%以上、典型的には0.03%以上である。0.2%超では、ガラスが不安定となり失透を生じる。好ましくは0.18%以下、より好ましくは0.15%以下である。
このような清澄作用を発現させるためには、Co3O4は0.01%以上とされ、好ましくは0.02%以上、典型的には0.03%以上である。0.2%超では、ガラスが不安定となり失透を生じる。好ましくは0.18%以下、より好ましくは0.15%以下である。
NiOは、ガラスをグレイの色調に着色するための着色成分であるが、ガラス中に含有することで、メタメリズムが生じたり、化学強化処理前後のガラスの色調変化が大きくなるおそれがある。そのため、NiOは0.05%未満とすることが好ましく、より好ましくは0.01%未満、さらに好ましくは実質的に含有しないことである。なお、本明細書において、実質的に含有しないとは、意図して添加しないという意味であり、原料等から不可避的に混入し、所期の特性に影響を与えない程度の含有を排除するものではない。
上記成分以外にも下記の成分をガラス組成中に導入してもよい。
上記成分以外にも下記の成分をガラス組成中に導入してもよい。
SO3は、清澄剤として作用する成分であり、必須ではないが必要に応じて含有することができる。SO3を含有する場合0.005%未満では期待する清澄作用が得られない。好ましくは0.01%以上、より好ましくは0.02%以上である。0.03%以上がもっとも好ましい。また0.5%超では逆に泡の発生源となり、ガラスの溶け落ちが遅くなったり、泡個数が増加するおそれがある。好ましくは0.3%以下、より好ましくは0.2%以下である。0.1%以下がもっとも好ましい。
SnO2は、清澄剤として作用する成分であり、必須ではないが必要に応じて含有することができる。SnO2を含有する場合、0.005%未満では期待する清澄作用が得られない。好ましくは0.01%以上、より好ましくは0.05%以上である。また1%超では逆に泡の発生源となり、ガラスの溶け落ちが遅くなったり、泡個数が増加するおそれがある。好ましくは0.8%以下、より好ましくは0.5%以下である。0.3%以下がもっとも好ましい。
Li2Oは、溶融性を向上させるための成分であり、必須ではないが必要に応じて含有することができる。Li2Oを含有する場合、1%未満では溶融性向上について有意な効果が得られないおそれがある。好ましくは3%以上であり、典型的には6%以上である。Li2Oが15%超では耐候性が低下するおそれがある。好ましくは10%以下、典型的には5%以下である。
ガラスの溶融の際の清澄剤として、前述したSO3、SnO2以外に、塩化物やフッ化物を適宜含有してもよい。
本発明の第2の実施形態のガラスとしては、下記酸化物基準のモル百分率表示で、SiO2を55〜80%、Al2O3を0.5〜16%、B2O3を0〜12%、Na2Oを5〜20%、K2Oを0〜8%、MgOを0〜15%、CaOを0〜15%、ΣRO(Rは、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn)を0〜18%、ZrO2を0〜1%、Seを0.05〜5%、Fe2O3を0.01〜5%、Co3O4を0〜1%含有するものが挙げられる。
本発明の第2の実施形態のガラスとしては、下記酸化物基準のモル百分率表示で、SiO2を55〜80%、Al2O3を0.5〜16%、B2O3を0〜12%、Na2Oを5〜20%、K2Oを0〜8%、MgOを0〜15%、CaOを0〜15%、ΣRO(Rは、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn)を0〜18%、ZrO2を0〜1%、Seを0.05〜5%、Fe2O3を0.01〜5%、Co3O4を0〜1%含有するものが挙げられる。
以下、本発明のガラスの組成について、特に断らない限りモル百分率表示含有量を用いて説明する。
SiO2は、ガラスの骨格を構成する成分であり必須である。55%未満ではガラスとしての安定性が低下する、または耐候性が低下する。好ましくは60%以上である。より好ましくは65%以上である。SiO2が80%超ではガラスの粘性が増大し溶融性が著しく低下する。好ましくは75%以下、典型的には70%以下である。
Al2O3は、ガラスの耐候性および化学強化特性を向上させる成分であり、必須である。0.5%未満では耐候性が低下する。好ましくは1%以上、典型的には3%以上である。
Al2O3が16%超ではガラスの粘性が高くなり均質な溶融が困難になる。好ましくは14%以下、典型的には12%以下である。
化学強化処理によりガラスの表面に高いCSを形成する場合は、Al2O3は5〜15%(ただし、5%を含まない)とすることが好ましい。また、ガラスの溶融性を高め、安価に製造する場合は、Al2O3は0〜5%とすることが好ましい。
Al2O3が16%超ではガラスの粘性が高くなり均質な溶融が困難になる。好ましくは14%以下、典型的には12%以下である。
化学強化処理によりガラスの表面に高いCSを形成する場合は、Al2O3は5〜15%(ただし、5%を含まない)とすることが好ましい。また、ガラスの溶融性を高め、安価に製造する場合は、Al2O3は0〜5%とすることが好ましい。
B2O3は、ガラスの耐候性を向上させる成分であり、必須ではないが必要に応じて含有することができる。B2O3を含有する場合、4%未満では耐候性向上について有意な効果が得られないおそれがある。好ましくは5%以上であり、典型的には6%以上である。
B2O3が12%超では揮散による脈理が発生し、歩留まりが低下するおそれがある。好ましくは11%以下、典型的には10%以下である。
B2O3が12%超では揮散による脈理が発生し、歩留まりが低下するおそれがある。好ましくは11%以下、典型的には10%以下である。
Na2Oは、ガラスの溶融性を向上させる成分であり、またイオン交換により表面圧縮応力層を形成させるため、必須である。5%未満では溶融性が悪く、またイオン交換により所望の表面圧縮応力層を形成することが困難となる。好ましくは7%以上、典型的には8%以上である。
Na2Oが20%超では耐候性が低下する。好ましくは18%以下、典型的には16%以下である。
Na2Oが20%超では耐候性が低下する。好ましくは18%以下、典型的には16%以下である。
K2Oは、ガラスの溶融性を向上させる成分であるとともに、化学強化におけるイオン交換速度を大きくする作用があるため、必須ではないが含有することが好ましい成分である。K2Oを含有する場合、0.01%未満では溶融性向上について有意な効果が得られない、またはイオン交換速度向上について有意な効果が得られないおそれがある。典型的には0.3%以上である。K2Oが8%超では耐候性が低下する。好ましくは6%以下、典型的には5%以下である。
RO(Rは、Mg、Ca、Sr、Ba、Znを表す)は、ガラスの溶融性を向上させる成分であり、必須ではないが必要に応じていずれか1種以上を含有することができる。その場合ROの含有量の合計ΣRO(ΣROは、MgO+CaO+SrO+BaO+ZnOを表す)が1%未満では溶融性が低下するおそれがある。好ましくは3%以上、典型的には5%以上である。ΣROが18%超では耐候性が低下する。好ましくは15%以下、より好ましくは13%以下、典型的には11%以下である。
MgOは、ガラスの溶融性を向上させる成分であり、必須ではないが必要に応じて含有することができる。MgOを含有する場合、3%未満では溶融性向上について有意な効果が得られないおそれがある。典型的には4%以上である。MgOが15%超では耐候性が低下する。好ましくは13%以下、典型的には12%以下である。
CaOは、ガラスの溶融性を向上させる成分であり、必須ではないが必要に応じて含有することができる。CaOを含有する場合、0.01%未満では溶融性向上について有意な効果が得られない。典型的には0.1%以上である。CaOが15%超では化学強化特性が低下する。好ましくは12%以下、典型的には10%以下である。また、ガラスの化学強化特性を高くする場合は、実質的に含有しないことが好ましい。
化学強化処理によりガラスの表面に高いCSを形成する場合は、CaOは0〜5%(ただし、5%を含まない)とすることが好ましい。また、ガラスの溶融性を高め、安価に製造する場合は、CaOは5〜15%とすることが好ましい。
化学強化処理によりガラスの表面に高いCSを形成する場合は、CaOは0〜5%(ただし、5%を含まない)とすることが好ましい。また、ガラスの溶融性を高め、安価に製造する場合は、CaOは5〜15%とすることが好ましい。
SrOは、溶融性を向上させるための成分であり、必須ではないが必要に応じて含有することができる。SrOを含有する場合、1%未満では溶融性向上について有意な効果が得られないおそれがある。好ましくは3%以上であり、典型的には6%以上である。SrOが15%超では耐候性や化学強化特性が低下するおそれがある。好ましくは12%以下、典型的には9%以下である。
BaOは、溶融性を向上させるための成分であり、必須ではないが必要に応じて含有することができる。BaOを含有する場合、1%未満では溶融性向上について有意な効果が得られないおそれがある。好ましくは3%以上であり、典型的には6%以上である。BaOが15%超では耐候性や化学強化特性が低下するおそれがある。好ましくは12%以下、典型的には9%以下である。
ZnOは、溶融性を向上させるための成分であり、必須ではないが必要に応じて含有することができる。ZnOを含有する場合、1%未満では溶融性向上について有意な効果が得られないおそれがある。好ましくは3%以上であり、典型的には6%以上である。ZnOが15%超では耐候性が低下するおそれがある。好ましくは12%以下、典型的には9%以下である。
ZrO2は、イオン交換速度を大きくする成分であり、必須ではないが1%未満の範囲で含有してもよい。ZrO2が1%超では溶融性が悪化して未溶融物としてガラス中に残る場合が起こるおそれがある。典型的にはZrO2は含有しない。
Seは、ガラスを着色するための必須成分である。Seが0.05%未満では、所望とするグレイ系の色調のガラスが得られない。好ましくは0.1%以上、より好ましくは0.15%以上である。Seが5%超では、ガラスの色調が過度に暗くなり、所望のグレイ系の色調が得られない。また、ガラスが不安定となり失透を生じる。好ましくは3%以下、より好ましくは2%以下である。また、前述のとおり、ガラス中の着色成分としてSeを用いることで、メタメリズムの抑制や化学強化処理前後のガラスの色調変化を小さくすることができる。
Fe2O3は、ガラスを濃色に着色するための必須成分である。Fe2O3で表した全鉄含有量が0.01%未満では、所望とするグレイ系の色調のガラスが得られない。好ましくは0.02%以上、より好ましくは0.03%以上である。Fe2O3が5%超では、ガラスの色調が過度に暗くなり、所望のグレイ系の色調が得られない。また、ガラスが不安定となり失透を生じる。好ましくは4%以下、より好ましくは3%以下である。
この全鉄のうちの、Fe2O3で換算した2価の鉄の含有量の割合(鉄レドックス)が10〜50%、特には15〜40%であることが好ましい。20〜30%であるともっとも好ましい。鉄レドックスが10%より低いとSO3を含有する場合その分解が進まず、期待する清澄効果が得られないおそれがある。50%より高いと清澄前にSO3の分解が進みすぎて期待する清澄効果が得られない、あるいは、泡の発生源となり泡個数が増加するおそれがある。
本明細書では、全鉄をFe2O3に換算したものをFe2O3の含有量として表記としている。鉄レドックスは、メスバウアー分光法によりFe2O3に換算した全鉄中の、Fe2O3に換算した2価の鉄の割合を%表示で示すことができる。具体的には、放射線源(57Co)、ガラス試料(上記ガラスブロックから切断、研削、鏡面研磨した3〜7mm厚のガラス平板)、検出器(LND社製45431)を直線上に配置する透過光学系での評価を行う。光学系の軸方向に対して放射線源を運動させ、ドップラー効果によるγ線のエネルギー変化を起こす。そして室温で得られたメスバウアー吸収スペクトルを用いて、2価のFeと3価のFeの割合を算出し、2価のFeの割合を鉄レドックスとする。
Co3O4は、ガラスを濃色に着色するための着色成分であるとともに、鉄との共存下において脱泡効果を奏する成分であり、必須ではないが1%以下の範囲で含有してもよい。すなわち、高温状態で3価の鉄が2価の鉄となる際に放出されるO2泡を、コバルトが酸化される際に吸収するため、結果としてO2泡が削減され、脱泡効果が得られる。
さらに、Co3O4は、SO3と共存させることにより清澄作用をより高める成分である。すなわち、例えばボウ硝(Na2SO4)を清澄剤として使用する場合、SO3→SO2+1/2O2の反応を進めることで、ガラスからの泡抜けが良くなるため、ガラス中の酸素分圧は低い方が好ましい。鉄を含むガラスにおいて、コバルトが共添加されることで、鉄の還元により生じる酸素の放出を、コバルトの酸化により抑制することができ、SO3の分解が促進される。このため、泡欠点の少ないガラスを作製することができる。
さらに、Co3O4は、SO3と共存させることにより清澄作用をより高める成分である。すなわち、例えばボウ硝(Na2SO4)を清澄剤として使用する場合、SO3→SO2+1/2O2の反応を進めることで、ガラスからの泡抜けが良くなるため、ガラス中の酸素分圧は低い方が好ましい。鉄を含むガラスにおいて、コバルトが共添加されることで、鉄の還元により生じる酸素の放出を、コバルトの酸化により抑制することができ、SO3の分解が促進される。このため、泡欠点の少ないガラスを作製することができる。
また、化学強化のためにアルカリ金属を比較的多量に含むガラスは、ガラスの塩基性度が高くなるため、SO3が分解しにくく、清澄効果が低下する。このように、SO3が分解しにくい化学強化用ガラスにおいて、鉄を含むものでは、コバルトは、SO3の分解を促進するため、脱泡効果の促進に特に有効である。
このような清澄作用を発現させるためには、Co3O4は0.01%以上とされ、好ましくは0.02%以上、典型的には0.03%以上である。0.2%超では、ガラスが不安定となり失透を生じる。好ましくは0.18%以下、より好ましくは0.15%以下である。
このような清澄作用を発現させるためには、Co3O4は0.01%以上とされ、好ましくは0.02%以上、典型的には0.03%以上である。0.2%超では、ガラスが不安定となり失透を生じる。好ましくは0.18%以下、より好ましくは0.15%以下である。
NiOは、ガラスをグレイの色調に着色するための着色成分であるが、ガラス中に含有することで、メタメリズムが生じたり、化学強化処理前後のガラスの色調変化が大きくなるおそれがある。そのため、NiOは0.05%未満とすることが好ましく、より好ましくは0.01%未満、さらに好ましくは実質的に含有しないことである。なお、本明細書において、実質的に含有しないとは、意図して添加しないという意味であり、原料等から不可避的に混入し、所期の特性に影響を与えない程度の含有を排除するものではない。?
上記成分以外にも下記の成分をガラス組成中に導入してもよい。
上記成分以外にも下記の成分をガラス組成中に導入してもよい。
SO3は、清澄剤として作用する成分であり、必須ではないが必要に応じて含有することができる。SO3を含有する場合0.005%未満では期待する清澄作用が得られない。好ましくは0.01%以上、より好ましくは0.02%以上である。0.03%以上がもっとも好ましい。また0.5%超では逆に泡の発生源となり、ガラスの溶け落ちが遅くなったり、泡個数が増加するおそれがある。好ましくは0.3%以下、より好ましくは0.2%以下である。0.1%以下がもっとも好ましい。
SnO2は、清澄剤として作用する成分であり、必須ではないが必要に応じて含有することができる。SnO2を含有する場合、0.005%未満では期待する清澄作用が得られない。好ましくは0.01%以上、より好ましくは0.05%以上である。また1%超では逆に泡の発生源となり、ガラスの溶け落ちが遅くなったり、泡個数が増加するおそれがある。好ましくは0.8%以下、より好ましくは0.5%以下である。0.3%以下がもっとも好ましい。
Li2Oは、溶融性を向上させるための成分であり、必須ではないが必要に応じて含有することができる。Li2Oを含有する場合、1%未満では溶融性向上について有意な効果が得られないおそれがある。好ましくは3%以上であり、典型的には6%以上である。Li2Oが15%超では耐候性が低下するおそれがある。好ましくは10%以下、典型的には5%以下である。
ガラスの溶融の際の清澄剤として、前述したSO3、SnO2以外に、塩化物やフッ化物を適宜含有してもよい。
本発明のガラスの製造方法は特に限定されないが、例えば種々のガラス原料を適量調合し、加熱し溶融した後、脱泡、撹拌などにより均質化し、周知のダウンドロー法、プレス法などによって板状等に成形するか、またはキャストして所望の形状に成形する。そして、徐冷後所望のサイズに切断し、必要に応じ研磨加工を施す。または、一旦塊状に成形したガラスを再加熱してガラスを軟化させてからプレス成形し、所望の形状の化学強化用ガラスを得る。このようにして得られた化学強化用ガラスを化学強化処理する。そして、化学強化処理したガラスを冷却し、化学強化ガラスを得る。
本発明のガラスは、化学強化処理によってガラスの強度を高くすることができる。また、メタメリズムが抑制され、化学強化処理前後のガラスの色調変化が少ないため、所望の色調のガラスを容易に得ることができる。そのため、高い強度、耐キズ性、意匠性に優れたガラスが求められる用途、例えば携帯型の通信機器や情報機器の外装部材等に好適に用いることができる。
以上、本発明のガラスについて一例を挙げて説明したが、本発明の趣旨に反しない限度において、また必要に応じて適宜構成を変更することができる。
以下、本発明の実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
表1〜表2の例1〜22(例1〜20および例22は実施例、例21は比較例)について、表中にモル百分率表示で示す組成になるように、酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩等一般に使用されているガラス原料を適宜選択し、ガラスとして100mlとなるように秤量した。なお、表に記載のSO3は、ガラス原料にボウ硝(Na2SO4)を添加し、ボウ硝分解後にガラス中に残る残存SO3であり、計算値である。また、表1〜表2にてモル百分率表示で示す組成は、前記ガラス原料を用いたときに表中に記載の酸化物に換算した場合の各成分の組成割合を示すものである。そのため、表1〜表2にてモル百分率表示で示す組成は、ガラス原料の溶解の前段階である調合組成を示すものである。
ついで、この原料混合物を白金製るつぼに入れ、1500〜1600℃の抵抗加熱式電気炉に投入し、約0.5時間加熱して原料が溶け落ちた後、1時間溶融し、脱泡した。その後、およそ300℃に予熱した、縦約50mm×横約100mm×高さ約20mmの型材に流し込み、約1℃/分の速度で徐冷し、ガラスブロックを得た。このガラスブロックを切断して、サイズが40mm×40mm、厚さ0.8mmになるようにガラスを切り出した後、研削し、最後に両面を鏡面に研磨加工し、板状のガラスを得た。
得られた板状の化学強化用ガラスについて、化学強化処理前の色調を測定した。また、以下に示す化学強化処理を行い、冷却を行った。そして、冷却を行ったガラスを洗浄し、化学強化ガラスを得た。得られた化学強化ガラスについて、色調を測定し、化学強化処理前後の色調変化量を確認した。
化学強化処理は、ガラスを450℃のKNO3(99%)とNaNO3(1%)とからなる溶融塩にそれぞれ6時間浸漬し、化学強化処理した。また、化学強化処理後、ガラスの温度が450℃から300℃まで下がる過程を400℃/分の冷却条件にて冷却した。
化学強化処理は、ガラスを450℃のKNO3(99%)とNaNO3(1%)とからなる溶融塩にそれぞれ6時間浸漬し、化学強化処理した。また、化学強化処理後、ガラスの温度が450℃から300℃まで下がる過程を400℃/分の冷却条件にて冷却した。
各ガラスの色調は、CIEにより規格化されたL*a*b*表色系の反射光の色度を測定した。化学強化処理前および化学強化処理後の色調は、F2光源およびD65光源を用い、それぞれについて、反射光の色度測定をした。また、化学強化処理前後の色調変化量は、F2光源を用い、化学強化処理前後の色調変化(Δa*iおよびΔb*i)を求め、それらから色調変化量√((Δa*i)2+(Δb*i)2)を算出した。L*a*b*表色系の反射光の色度測定は、分光色測計(エックスライト社製、Colori7)を用いて測定した。なお、ガラスの裏面側(光源からの光が照射される面の裏面)には、白色の樹脂板を置いて測定を行った。
化学強化処理後のガラス(例7、例14、例17〜例21)について、表面応力測定装置を用い、表面圧縮応力(CS)および表面圧縮応力層の深さ(DOL)を測定した。表面応力測定装置は、ガラス表面に形成された表面圧縮応力層が、表面圧縮応力層が存在しない他のガラス部分と屈折率が相違することで光導波路効果を示すことを利用した装置である。また、表面応力測定装置では、光源として中心波長が795nmのLEDを用いて行った。
化学強化処理前のガラス(例7、例14、例15)について、CIL(クラック・イニシエーション・ロード)値を測定した。CIL値は、以下の方法で求めた。両面を鏡面研磨した、厚さ1mmの板状のガラスを用意した。ビッカース硬度試験機にて、ビッカース圧子を15秒押し込んだ後にビッカース圧子をはずし、15秒後に圧痕付近を観測した。観測では、圧痕のコーナーからクラックが何本発生しているかを調査した。測定は、50gf、100gf、200gf、300gf、500gf、1kgfのビッカース圧子の押し込み荷重別に、10枚のガラスに対して行った。発生したクラック本数の平均値を荷重ごとに算出した。荷重とクラック本数との関係を、シグモイド関数を用いて回帰計算した。回帰計算結果から、クラック本数が2本となる荷重をガラスのCIL値(gf)とした。
以上の評価結果を表1および表2に示す。なお、表中で「−」と表示しているものは、未測定の項目である。
表1〜表2に示すようにSeを含有する実施例のガラスは、メタメリズムの指標であるΔa*mがいずれも1.8以下であり、メタメリズムを抑制できることがわかる。また、例7、例8、例14〜例20のガラスは、Δa*mおよびΔb*mがいずれも1.8以下であり、メタメリズムを一層抑制できることがわかる。また、例7、例14、例17〜20のガラスは、Δa*nおよびΔb*nがいずれも1.8以下であり、化学強化処理後であってもメタメリズムを抑制できることがわかる。これに対し、Seを含有しない比較例のガラスは、Δa*mが1.8を超えており、メタメリズムを抑制できない。
また、例7、例14、例17〜20のガラスは、化学強化処理前後のガラスの色調変化の指標である色調変化量がいずれも1.0以下であり、化学強化処理前後の色調変化が小さいことがわかる。これに対し、Seを含有しない比較例のガラスは、色調変化量が1.0を超えており、化学強化処理前後の色調変化が大きい。比較例のガラスにおける色調変化は、ガラス中の着色成分であるNiの価数や配位数が化学強化処理前後で変化していることが影響していると考えられる。
上記CIL値の評価結果から、例7、例14、例15のガラスは、傷の入りにくい強度の高いガラスであることがわかる。化学強化処理前のガラスは、製造工程や輸送において傷が入り、それが化学強化後においても破壊起点となりガラスの強度を低下させる要因となる。
一般的なソーダライムガラスのCIL値が、一例として150gf程度に対し、上記各ガラスのCIL値はソーダライムガラスのそれよりも大きく、化学強化処理後においても高い強度を備えたガラスが得られることが推測される。
一般的なソーダライムガラスのCIL値が、一例として150gf程度に対し、上記各ガラスのCIL値はソーダライムガラスのそれよりも大きく、化学強化処理後においても高い強度を備えたガラスが得られることが推測される。
例7、例14、例21のガラスについて、化学強化処理前の吸光係数の相対値(波長550nmの吸光係数/波長600nmの吸光係数、波長450nmの吸光係数/波長600nmの吸光係数)を測定した。測定結果を表3に示す。
吸光係数は、以下の方法で求めた。両面を鏡面研磨した板状のガラスの厚さtを、ノギスで測定した。このガラスの分光透過率Tを、紫外可視近赤外分光光度計(日本分光株式会社製、V−570)を用いて測定した。そして、吸光係数βを、T=10−βtの関係式を用いて算出した。
吸光係数は、以下の方法で求めた。両面を鏡面研磨した板状のガラスの厚さtを、ノギスで測定した。このガラスの分光透過率Tを、紫外可視近赤外分光光度計(日本分光株式会社製、V−570)を用いて測定した。そして、吸光係数βを、T=10−βtの関係式を用いて算出した。
上記吸光係数の評価結果から、各ガラスは、吸光係数の相対値(波長450nmの吸光係数/波長600nmの吸光係数、波長550nmの吸光係数/波長600nmの吸光係数)が、それぞれ0.6〜1.2の範囲にあり、可視域の光を平均的に吸収するガラスであることがわかる。そのため、例えば、褐色がかったグレイや、青味がかったグレイとは異なる特定の色味を備えないグレイの色調のガラスを得ることができる。
次いで、表1〜表2に記載した各実施例の分析値を表4〜表5に示す。本発明の化学強化用ガラス、化学強化ガラスは、ガラス中の着色成分としてSeを含有している。ガラス原料中にSeを含有する場合、ガラス原料を溶融する工程でSeが揮発する。ガラス原料中に投入したSeのうち、ガラス中に残存するSeの割合(以下、「Se残存率」ということがある。)は、ガラス原料の溶融方法によって相違する。例えば、ポット炉にてガラス原料を溶融する場合、溶融の過程で原料中のSeは80〜99%程度揮散することがある。
表4〜表5に示す例3、例4、例14、例19、例20、例22は、表1〜表2に記載された各成分からなるガラス原料を溶融してできたガラスを、湿式分析法にて組成分析した各成分の含有量を示すものである。表4〜表5に示す例1、例2、例5〜例13、例15、例16は、Se含有量のみ、例3、例4、例14のSe残存率の平均値より算出した計算値であり、Se以外の各成分は、表1〜表2と同一である。また、表4〜表5に示す例17、例18は、Se含有量のみ、例19、例20、例22のSe残存率の平均値より算出した計算値であり、Se以外の各成分は、表2と同一である。
Se残存率とは、「Se残存率=(分析値におけるSe含有量/調合組成におけるSe含有量)×100[%]」で表されるように、各実施例の表1〜表2に示す調合組成と表4〜表5に示す分析値とを対比し、調合時のSeの添加量が実際のガラスになった際にどの程度残存しているかを示すものである。例3、例4、例14のSe残存率の平均値は、0.65%である。また、例19、例20、例22のSe残存率の平均値は、3.88%である。Se含有量の分析値を実測していない各実施例のガラスは、表1〜表2に記載のSe含有量に、前記Se残存率を乗じた値を表4〜表5に計算値として記載した。なお、ガラスは、含有成分によってガラス原料の溶融温度が相違する。Se残存率は、ガラス原料の溶融温度に影響されるため、各実施例のガラス原料の溶融温度を考慮して、前述のように2つのグループに分けてSe残存率を算出した。
AV機器・OA機器等の操作パネル、同製品の開閉扉、操作ボタン・つまみ、またはデジタル・フォト・フレームやTVなどの画像表示パネルの矩形状の表示面の周囲に配置される装飾パネル等の装飾品や電子機器用のガラス外装部材などに利用できる。また、自動車用内装部材、家具等の部材、屋外や屋内で用いられる建材等にも利用できる。
Claims (25)
- ガラス中の着色成分としてSeをモル%表示で0.001〜5%含有し、下記(1)式で示される、L*a*b*表色系のD65光源による反射光の色度a*値とF2光源による反射光の色度a*値との差Δa*mの絶対値が、1.8以下であることを特徴とする化学強化用ガラス。
Δa*m=a*値(D65光源)−a*値(F2光源) ・・・(1) - ガラス中の着色成分としてSeをモル%表示で0.05〜5%含有し、下記(1)式で示される、L*a*b*表色系のD65光源による反射光の色度a*値とF2光源による反射光の色度a*値との差Δa*mの絶対値が、1.8以下であることを特徴とする化学強化用ガラス。
Δa*m=a*値(D65光源)−a*値(F2光源) ・・・(1) - ガラス中の着色成分としてSeをモル%表示で0.001〜5%含有し、下記(1)式で示される、L*a*b*表色系のD65光源による反射光の色度a*値とF2光源による反射光の色度a*値との差Δa*mの絶対値、および下記(2)式で示される、L*a*b*表色系のD65光源による反射光の色度b*値とF2光源による反射光の色度b*値との差Δb*mの絶対値が、いずれも1.8以下であることを特徴とする化学強化用ガラス。
Δa*m=a*値(D65光源)−a*値(F2光源) ・・・(1)
Δb*m=b*値(D65光源)−b*値(F2光源) ・・・(2) - ガラス中の着色成分としてSeをモル%表示で0.05〜5%含有し、下記(1)式で示される、L*a*b*表色系のD65光源による反射光の色度a*値とF2光源による反射光の色度a*値との差Δa*mの絶対値、および下記(2)式で示される、L*a*b*表色系のD65光源による反射光の色度b*値とF2光源による反射光の色度b*値との差Δb*mの絶対値が、いずれも1.8以下であることを特徴とする化学強化用ガラス。
Δa*m=a*値(D65光源)−a*値(F2光源) ・・・(1)
Δb*m=b*値(D65光源)−b*値(F2光源) ・・・(2) - 前記化学強化用ガラスを化学強化処理後、化学強化処理温度から300℃までの温度域を30℃/分以上の冷却速度で冷却した場合、
下記(3)式で示される、L*a*b*表色系(F2光源)による化学強化処理前の反射光の色度a*値と化学強化処理および冷却後の反射光の色度a*値との差をΔa*i、下記(4)式で示される、L*a*b*表色系(F2光源)による化学強化処理前の反射光の色度b*値と化学強化処理および冷却後の反射光の色度b*値との差をΔb*iとした場合、下記(5)式で示される色調変化量が1.0以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の化学強化用ガラス。
Δa*i=a*値(化学強化処理前)−a*値(化学強化処理後) ・・・(3)
Δb*i=b*値(化学強化処理前)−b*値(化学強化処理後) ・・・(4)
√((Δa*i)2+(Δb*i)2) ・・・(5) - 前記化学強化用ガラスは、波長550nmの吸光係数/波長600nmの吸光係数および波長450nmの吸光係数/波長600nmの吸光係数が、いずれも0.6〜1.2の範囲内であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の化学強化用ガラス。
- 前記化学強化用ガラスは、L*a*b*表色系(F2光源)による反射光の明度L*値が20〜80の範囲内であることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の化学強化用ガラス。
- 前記化学強化用ガラスは、L*a*b*表色系(F2光源)による反射光の明度L*値が20〜60の範囲内であることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の化学強化用ガラス。
- 前記化学強化用ガラスは、厚み1mmのガラス板にしたものの鏡面仕上げ表面に、ビッカース圧子を用いて圧痕を形成した際のクラックの発生率が50%となるビッカース圧子の荷重が150gf以上であることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の化学強化用ガラス。
- 前記化学強化用ガラスは、下記酸化物基準のモル百分率表示で、SiO2を55〜80%、Al2O3を0.5〜16%、B2O3を0〜12%、Na2Oを5〜20%、K2Oを0〜8%、MgOを0〜15%、CaOを0〜15%、ΣRO(Rは、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn)を0〜18%、Seを0.001〜5%、Fe2O3を0.01〜5%、Co3O4を0〜1%含有することを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の化学強化用ガラス。
- 前記化学強化用ガラスは、下記酸化物基準のモル百分率表示で、SiO2を55〜80%、Al2O3を0.5〜16%、B2O3を0〜12%、Na2Oを5〜20%、K2Oを0〜8%、MgOを0〜15%、CaOを0〜15%、ΣRO(Rは、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn)を0〜18%、ZrO2を0〜1%、Seを0.05〜5%、Fe2O3を0.01〜5%、Co3O4を0〜1%含有することを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の化学強化用ガラス。
- NiOを0〜0.05%含有することを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載の化学強化用ガラス。
- ガラス中の着色成分としてSeをモル%表示で0.001〜5%含有し、下記(6)式で示される、L*a*b*表色系のD65光源による反射光の色度a*値とF2光源による反射光の色度a*値との差Δa*nの絶対値が1.8以下であり、表面から深さ方向に5〜70μmの表面圧縮応力層を有することを特徴とする化学強化ガラス。
Δa*n=a*値(D65光源)−a*値(F2光源) ・・・(6) - ガラス中の着色成分としてSeをモル%表示で0.05〜5%含有し、下記(6)式で示される、L*a*b*表色系のD65光源による反射光の色度a*値とF2光源による反射光の色度a*値との差Δa*nの絶対値が1.8以下であり、表面から深さ方向に5〜70μmの表面圧縮応力層を有することを特徴とする化学強化ガラス。
Δa*n=a*値(D65光源)−a*値(F2光源) ・・・(6) - ガラス中の着色成分としてSeをモル%表示で0.001〜5%含有し、下記(6)式で示される、L*a*b*表色系のD65光源による反射光の色度a*値とF2光源による反射光の色度a*値との差Δa*nの絶対値、および下記(7)式で示される、L*a*b*表色系のD65光源による反射光の色度b*値とF2光源による反射光の色度b*値との差Δb*nの絶対値が、いずれも1.8以下であり、表面から深さ方向に5〜70μmの表面圧縮応力層を有することを特徴とする化学強化ガラス。
Δa*n=a*値(D65光源)−a*値(F2光源) ・・・(6)
Δb*n=b*値(D65光源)−b*値(F2光源) ・・・(7) - ガラス中の着色成分としてSeをモル%表示で0.05〜5%含有し、下記(6)式で示される、L*a*b*表色系のD65光源による反射光の色度a*値とF2光源による反射光の色度a*値との差Δa*nの絶対値、および下記(7)式で示される、L*a*b*表色系のD65光源による反射光の色度b*値とF2光源による反射光の色度b*値との差Δb*nの絶対値が、いずれも1.8以下であり、表面から深さ方向に5〜70μmの表面圧縮応力層を有することを特徴とする化学強化ガラス。
Δa*n=a*値(D65光源)−a*値(F2光源) ・・・(6)
Δb*n=b*値(D65光源)−b*値(F2光源) ・・・(7) - 前記化学強化ガラスは、化学強化処理後、化学強化処理温度から300℃までの温度域を30℃/分以上の冷却速度で冷却した場合、
下記(3)式で示される、L*a*b*表色系(F2光源)による化学強化処理前の反射光の色度a*値と化学強化処理および冷却後の反射光の色度a*値との差をΔa*i、下記(4)式で示される、L*a*b*表色系(F2光源)による化学強化処理前の反射光の色度b*値と化学強化処理および冷却後の反射光の色度b*値との差をΔb*iとした場合、下記(5)式で示される色調変化量が1.0以下であることを特徴とする請求項13ないし請求項16のいずれか1項に記載の化学強化ガラス。
Δa*i=a*値(化学強化処理前)−a*値(化学強化処理後) ・・・(3)
Δb*i=b*値(化学強化処理前)−b*値(化学強化処理後) ・・・(4)
√((Δa*i)2+(Δb*i)2) ・・・(5) - 前記化学強化ガラスは、波長550nmの吸光係数/波長600nmの吸光係数および波長450nmの吸光係数/波長600nmの吸光係数が、いずれも0.6〜1.2の範囲内であることを特徴とする請求項13ないし請求項17のいずれか1項に記載の化学強化ガラス。
- 前記化学強化ガラスは、L*a*b*表色系(F2光源)による反射光の明度L*値が20〜60の範囲内であることを特徴とする請求項13ないし請求項18のいずれか1項に記載の化学強化ガラス。
- 前記化学強化ガラスは、L*a*b*表色系(F2光源)による反射光の明度L*値が20〜60の範囲内であることを特徴とする請求項13ないし請求項18のいずれか1項に記載の化学強化ガラス。
- 前記化学強化ガラスは、300〜1200MPaの表面圧縮応力を有することを特徴とする請求項13ないし請求項20のいずれか1項に記載の化学強化ガラス。
- 前記化学強化ガラスは、下記酸化物基準のモル百分率表示で、SiO2を55〜80%、Al2O3を0.5〜16%、B2O3を0〜12%、Na2Oを5〜20%、K2Oを0〜8%、MgOを0〜15%、CaOを0〜15%、ΣRO(Rは、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn)を0〜18%、Seを0.001〜5%、Fe2O3を0.01〜5%、Co3O4を0〜1%含有することを特徴とする請求項13ないし請求項21のいずれか1項に記載の化学強化ガラス。
- 前記化学強化ガラスは、下記酸化物基準のモル百分率表示で、SiO2を55〜80%、Al2O3を0.5〜16%、B2O3を0〜12%、Na2Oを5〜20%、K2Oを0〜8%、MgOを0〜15%、CaOを0〜15%、ΣRO(Rは、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn)を0〜18%、ZrO2を0〜1%、Seを0.05〜5%、Fe2O3を0.01〜5%、Co3O4を0〜1%含有することを特徴とする請求項13ないし請求項21のいずれか1項に記載の化学強化ガラス。
- NiOを0〜0.05%含有することを特徴とする請求項13ないし請求項23のいずれか1項に記載の化学強化ガラス。
- 外装部材として用いられることを特徴とする請求項13ないし請求項24のいずれか1項に記載の化学強化ガラス。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013090940A JP2014031305A (ja) | 2012-07-11 | 2013-04-24 | 化学強化用ガラス、化学強化ガラス |
US13/938,822 US20140017499A1 (en) | 2012-07-11 | 2013-07-10 | Glass for chemical strengthening and chemical strengthened glass |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012155566 | 2012-07-11 | ||
JP2012155566 | 2012-07-11 | ||
JP2013090940A JP2014031305A (ja) | 2012-07-11 | 2013-04-24 | 化学強化用ガラス、化学強化ガラス |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014031305A true JP2014031305A (ja) | 2014-02-20 |
Family
ID=49914230
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013090940A Pending JP2014031305A (ja) | 2012-07-11 | 2013-04-24 | 化学強化用ガラス、化学強化ガラス |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20140017499A1 (ja) |
JP (1) | JP2014031305A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020040870A (ja) * | 2018-07-03 | 2020-03-19 | Hoya株式会社 | 化学強化された着色ガラスおよびその製造方法 |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104640820B (zh) * | 2012-09-14 | 2017-09-15 | 旭硝子株式会社 | 玻璃和化学强化玻璃 |
WO2014042244A1 (ja) | 2012-09-14 | 2014-03-20 | 旭硝子株式会社 | 化学強化用ガラス及び化学強化ガラス並びに化学強化用ガラスの製造方法 |
CN105143130B (zh) * | 2013-04-25 | 2017-11-14 | 旭硝子株式会社 | 带有涂膜的玻璃、带有涂膜的化学强化玻璃、外部装饰部件和电子设备 |
US10442730B2 (en) | 2013-11-25 | 2019-10-15 | Corning Incorporated | Method for achieving a stress profile in a glass |
FR3045596B1 (fr) * | 2015-12-17 | 2018-01-19 | Saint-Gobain Glass France | Verre mince colore renforce chimiquement |
US11680005B2 (en) | 2020-02-12 | 2023-06-20 | Owens-Brockway Glass Container Inc. | Feed material for producing flint glass using submerged combustion melting |
US11912608B2 (en) | 2019-10-01 | 2024-02-27 | Owens-Brockway Glass Container Inc. | Glass manufacturing |
EP3819268B1 (en) * | 2019-11-08 | 2021-09-29 | Schott AG | Toughenable glass with high hydrolytic resistance and reduced color tinge |
Family Cites Families (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
BE650097A (ja) * | 1963-07-08 | 1965-01-04 | ||
US3357876A (en) * | 1965-01-19 | 1967-12-12 | Pittsburgh Plate Glass Co | Method of strengthening a glass article by ion exchange |
US4119760A (en) * | 1975-08-15 | 1978-10-10 | Ppg Industries, Inc. | Chemical strengthening of glass |
DE4203578C2 (de) * | 1991-02-08 | 2000-10-19 | Nippon Sheet Glass Co Ltd | Glas für Fahrzeuge |
US5403789A (en) * | 1994-02-28 | 1995-04-04 | Corning Incorporated | Ultraviolet absorbing, fixed tint brown sunglass |
AU714878B2 (en) * | 1996-02-16 | 2000-01-13 | Asahi Glass Company Limited | Ultraviolet ray absorbing colored glass |
US5908702A (en) * | 1996-04-02 | 1999-06-01 | Asahi Glass Company Ltd. | Ultraviolet ray absorbing colored glass |
JP2000203877A (ja) * | 1999-01-12 | 2000-07-25 | Nippon Sheet Glass Co Ltd | 紫外線赤外線吸収低透過ガラス |
JP2001316128A (ja) * | 2000-03-02 | 2001-11-13 | Nippon Sheet Glass Co Ltd | 淡色着色高透過ガラスおよびその製造方法 |
FR2886935B1 (fr) * | 2005-06-10 | 2007-08-10 | Saint Gobain | Substrat en verre a faible transmission infrarouge pour ecran de visualisation. |
US8341976B2 (en) * | 2009-02-19 | 2013-01-01 | Corning Incorporated | Method of separating strengthened glass |
-
2013
- 2013-04-24 JP JP2013090940A patent/JP2014031305A/ja active Pending
- 2013-07-10 US US13/938,822 patent/US20140017499A1/en not_active Abandoned
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020040870A (ja) * | 2018-07-03 | 2020-03-19 | Hoya株式会社 | 化学強化された着色ガラスおよびその製造方法 |
JP7372063B2 (ja) | 2018-07-03 | 2023-10-31 | Hoya株式会社 | 化学強化された着色ガラスおよびその製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US20140017499A1 (en) | 2014-01-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5187463B2 (ja) | 化学強化用ガラス | |
JP6233312B2 (ja) | 化学強化用ガラス及び化学強化ガラス並びに化学強化用ガラスの製造方法 | |
JP6060977B2 (ja) | ガラスおよび化学強化ガラス | |
JP5234213B1 (ja) | 化学強化用ガラス及びその製造方法、並びに化学強化ガラス及びその製造方法 | |
JP2014031305A (ja) | 化学強化用ガラス、化学強化ガラス | |
JP5110236B2 (ja) | 着色ガラス筐体 | |
TW201311601A (zh) | 化學強化用玻璃及玻璃框體 | |
JPWO2014175367A1 (ja) | ガラス、化学強化ガラス、外装部材および電子機器 | |
JPWO2014175366A1 (ja) | 塗膜付きガラス、塗膜付き化学強化ガラス、外装部材および電子機器 | |
JPWO2014042175A1 (ja) | 化学強化用ガラスおよび化学強化ガラス | |
WO2015137285A1 (ja) | 化学強化用ガラスおよび化学強化ガラス | |
WO2014007222A1 (ja) | ガラスの製造方法、化学強化ガラス | |
WO2014007224A1 (ja) | ガラスの製造方法、化学強化ガラス | |
JP2012211083A (ja) | ガラスおよび化学強化ガラス |