JP2016124381A - 車両用ドアのドアトリム - Google Patents

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Abstract

【課題】側突による衝撃を受けた場合に、ガーニッシュがドアトリム本体の膨出部から外れることを防止することができる車両用ドアのドアトリムを提供する。【解決手段】膨出部12の上面に開口16が形成されているドアトリム本体と、開口16にはめ込まれる上面部材17と、膨出部12の車室内側W1の開口周縁部に取り付けられるガーニッシュ18とを有し、上面部材17の車室内側W1の側部に第1係合部28が設けられ、ドアトリム本体の膨出部12の車室内側W1の開口周縁部に第1被係合部12H1が設けられ、ガーニッシュ18に、第1係合部28を挿通させる挿通孔45が形成され、第1係合部28は挿通孔45に挿通されてから第1被係合部12H1に係合し、上面部材17の車室内側W1の側部24Bとドアトリム本体の膨出部12の車室内側W1の開口周縁部とがガーニッシュ18を挟持している。【選択図】図3

Description

本発明は、車両用ドアのドアトリムに関する。
特許文献1に開示されているように、一般に、車両用ドアのドアトリムでは、フィニッシャ部材50(上面部材)に複数の下向きの係合部(ツメ58B)が突設されている。そして、この係合部が、ドアトリム本体の膨出部の開口周縁部に設けられた被係合部に係合している。
このようなドアトリムには、ドアトリム本体の膨出部の車室内側の開口周縁部に車両長さ方向に沿うガーニッシュが取り付けられることがある。すなわち、ガーニッシュに複数の下向きの第2の係合部が突設され、この第2の係合部が前記膨出部の開口周縁部の第2の被係合部に係合される。
2008−273456号公報
上記のガーニッシュは、前記第2の係合部が前記第2の被係合部に単に係合しているだけであるために、自動車が側突した場合、衝撃によって、第2の係合部と第2の被係合部の係合が解除されやすかった。その結果、ドアトリム本体の膨出部とガーニッシュの間に隙間が形成されたり、ガーニッシュがドアトリム本体の膨出部から外れやすいという問題があった。
例えば、ガーニッシュと、ドアの車室内側の座席に設けられたサイドエアバッグの展開エリアとが車幅方向に重なっていると、側突時には車室内側と車室外側の両方からの荷重によって、ガーニッシュに双方向からの荷重が加わるために、側突による衝撃で上記の問題がより生じやすくなる。通常、ガーニッシュは意匠効果を高めるために車両前後方向(ドア前後方向)に細長く形成されていることから、上記の問題を解消する手段として、ガーニッシュと前記膨出部との固定部を増やすことは困難である。
本発明の目的は、側突による衝撃を受けた場合に、ガーニッシュとドアトリム本体の膨出部との間に隙間が形成されることや、ガーニッシュがドアトリム本体の膨出部から外れることを防止することができる車両用ドアのドアトリムを提供する点にある。
本発明の特徴は、
車室内側に膨出する膨出部を有し、前記膨出部の上面に開口が形成されているドアトリム本体と、
前記膨出部の開口にはめ込まれる上面部材と、
前記膨出部の車室内側の開口周縁部に取り付けられる車両長さ方向に沿うガーニッシュとを有し、
前記上面部材の車室内側の側部に第1係合部が設けられ、
前記ドアトリム本体の膨出部の車室内側の開口周縁部に第1被係合部が設けられている車両用ドアのドアトリムであって、
前記ガーニッシュに、前記上面部材の第1係合部を挿通させる挿通孔が形成され、
前記第1係合部は前記挿通孔に挿通されてから前記第1被係合部に係合し、
前記上面部材の車室内側の側部と前記ドアトリム本体の膨出部の車室内側の開口周縁部とが前記ガーニッシュを挟持している点にある。(請求項1)
この構成によれば、前記第1係合部は前記挿通孔に挿通されてから前記第1被係合部に係合し、前記上面部材の車室内側の側部と前記ドアトリム本体の膨出部の車室内側の開口周縁部とが前記ガーニッシュを挟持しているから、側突による衝撃が加わった場合、ガーニッシュがドアトリム本体の膨出部から外れることを防止することができる。
また、ドアトリム本体の膨出部に対するガーニッシュの固定部を増やさなくても、ガーニッシュをドアトリム本体の膨出部に確実に固定することができる。従って、ガーニッシュの形状や配置など、レイアウトの自由度を向上させることができ、結果的に意匠性を向上させることができる。(請求項1)
本発明において、
前記ドアトリム本体は、サイドエアバッグを有する車両用座席の車室外側に位置し、
前記サイドエアバッグの展開エリアと前記ガーニッシュとが車幅方向において少なくとも一部重なっていると、次の作用を奏することができる。(請求項2)
サイドエアバッグの展開エリアと車幅方向において重なるドアトリム部分には、側突時に、車室外側から車室内側への衝撃と、車室内側から車室外側へのサイドエアバッグの展開による衝撃とが加わる。そのため、ドアトリムに設けられるガーニッシュには、車室内側・車室外側からの荷重が加わり、ガーニッシュがドアトリム本体の膨出部から外れてしまう可能性がある。
そこで、このようなガーニッシュに前記挿通孔を設け、上面部材に設けた第1係合部を前記挿通孔に挿通させ、前記上面部材の車室内側の側部と前記ドアトリム本体の膨出部の車室内側の開口周縁部とに前記ガーニッシュを挟持させている。これにより、サイドエアバッグの展開エリアとガーニッシュとが車幅方向において少なくとも一部重なっている場合でも、ドアトリム本体の膨出部からのガーニッシュの外れを確実に防止することができる。
(請求項2)
本発明において、
前記サイドエアバッグの展開エリアよりも車両前方側のガーニッシュ部分に第2係合部が設けられ、
前記ドアトリム本体の膨出部の車室内側の開口周縁部に第2被係合部が設けられ、
前記第2係合部が前記第2被係合部に係合することで、前記ガーニッシュが前記ドアトリム本体の膨出部に固定され、
前記サイドエアバッグの展開エリアよりも車両前方側の上面部材部分の車室内側の側部に第3係合部が設けられ、
前記ガーニッシュに第3被係合部が設けられ、
前記第3係合部が前記第3被係合部に係合することで、前記上面部材が前記ガーニッシュに固定されていると、次の作用を奏することができる。(請求項3)
組み付け手順としては、ドアトリム本体の膨出部の車室内側の開口周縁部にガーニッシュを重ねてから上面部材をドアトリム本体の膨出部に取り付ける。この手順にすると、最初に前記ガーニッシュ部分の第2係合部をドアトリム本体の膨出部の第2被係合部に係合させることにより、ドアトリム本体に対してガーニッシュの位置を決めることができる。
その結果、上面部材の第1係合部をガーニッシュの挿通孔に挿通させてドアトリム本体の膨出部の第1被係合部に係合させる際に、前記膨出部に対するガーニッシュの位置ずれを防止することができ、前記挿通孔と第1被係合部の位置を合わせことができて、ガーニッシュの取り付け作業の作業性を向上させることができる。結果的に、ガーニッシュの組み付け性を向上させることができる。
サイドエアバッグの展開エリアよりも車両前方側の第1ドアトリム部分には、側突時に車両外側(車室外側)からの衝撃が加わるが、車両内側(車室内側)からのサイドエアバッグによる衝撃は加わらない。そのため、前記第1ドアトリム部分に加わる衝撃荷重は、サイドエアバッグの展開エリアと車幅方向で重なる第2ドアトリム部分に加わる衝撃荷重に比べて小さくなる。従って、サイドエアバッグの展開エリアよりも車両前方側においては、上面部材の第1係合部をガーニッシュの挿通孔に挿通させてドアトリム本体の第1被係合部に係合させる手段を採用しなくても済む。その結果、構造を簡素化することができ、組み付け作業の作業性を向上させることができる。(請求項3)
本発明において、
前記ドアトリム本体の膨出部の上方にドアオーナメントが設けられ、
前記ドアオーナメントは、前記サイドエアバッグの展開エリアと車幅方向で重なる領域において、前記ガーニッシュと前記上面部材とにそれぞれ固定されていると、次の作用を奏することができる。(請求項4)
ガーニッシュと上面部材との間に隙間が形成されることを抑えることができる。(請求項4)
本発明において、
前記ガーニッシュは、前記膨出部の車室内側の開口周縁部を飾る車両長さ方向に細長い部品であると、次の作用を奏することができる。(請求項5)
一般的に、車両長さ方向に細長いガーニッシュの場合、ドアトリム本体の膨出部との固定部を増やしにくく、荷重が加わるとドアトリム本体の膨出部から外れて、ドアトリム本体の膨出部との合わせ部に隙間ができやすい。しかしながら、本発明の構成によれば、前記ガーニッシュに、前記上面部材の第1係合部を挿通させる挿通孔が形成され、前記第1係合部は前記挿通孔に挿通されてから前記第1被係合部に係合し、前記上面部材の車室内側の側部と前記ドアトリム本体の膨出部の車室内側の開口周縁部とが前記ガーニッシュを挟持しているから、車両長さ方向に細長いガーニッシュであっても、前記固定部を増やすことなく確実にガーニッシュを固定することができ、ガーニッシュの形状や配置など、レイアウトの自由度を向上できる。結果的に意匠性を向上できる。(請求項5)
本発明によれば、
側突による衝撃を受けた場合に、ガーニッシュとドアトリム本体の膨出部との間に隙間が形成されることや、ガーニッシュがドアトリム本体の膨出部から外れることを防止することができる車両用ドアのドアトリムを提供することができた。
ドアトリムを車室内側から見た図 図1のA−A断面図 ドアトリムのアームレストの分解斜視図 ガーニッシュの斜視図 上面部材(スイッチベゼル)とガーニッシュとドアトリム本体の連結構造を車室外側下方から見た斜視図 サイドエアバッグの展開模式図
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
図1,図2に、自動車の車体の側部に開閉自在に設けられるフロントドアのドアトリム1を示してある。このドアトリム1は、窓用開口が上部に形成されたドアパネル2(図2参照)を車室内側W1から覆っている。
サイドエアバッグ3はシートバック6に内蔵され、自動車が側突した場合、図6に示すように、フロントシート4(車両用座席に相当)に着座した乗員Mとフロントドアとの間にサイドエアバッグ3が瞬時に膨張展開して乗員Mを保護する。図1に示す符号Aはエアバッグ3の展開エリア、図6の符号5はシートクッション、7はヘッドレスト、8はシートベルト、白抜き矢印Bはサイドエアバッグ3の膨張展開方向を示している。
[ドアトリム1の構造]
前記ドアトリム1は、フロントシート4(図6参照)の車室外側W2に位置する樹脂製のドアトリム本体11を備え、このドアトリム本体11に、乗員の腕を載せるアームレスト9が設けられている。ドアトリム1は、アームレスト9の上方に位置する加飾部品としての樹脂製のドアオーナメント10を備えている。
[アームレスト9の構造]
図3に示すように、アームレスト9は、車室内側W1に膨出するアームレスト本体12(膨出部に相当)を備えている。アームレスト本体12はドア前後方向(車両前後方向であり車両長さ方向でもある)に長く形成され、ドア後方側Rr(車両後方側)の後部15の上部が切り欠かれている。これにより、前記後部15が、ドア前方側Fr(車両前方側)の前部13とドア前後方向の中間部14とに対して一段下がっている。そして、アームレスト本体12の上面に、平面視でドア前後方向に長い長方形状の開口16が形成されている。
前記開口16には、スイッチベゼル17(上面部材に相当)が上側からはめ込まれる。また、アームレスト本体12の車室内側W1の開口周縁部に、車両長さ方向(ドア前後方向)に沿うガーニッシュ18が取り付けられる。つまり、アームレスト9は、互いに別体のアームレスト本体12とスイッチベゼル17とガーニッシュ18とから成る。アームレスト本体12とスイッチベゼル17とガーニッシュ18は樹脂製であり、互いに異なった色に設定されて、意匠効果が高められている。ドアオーナメント10もこれらとは異なった色に設定されて、より意匠効果が高められている。
図2,図3に示すように、前記アームレスト本体12の車室内側W1の開口周縁部に、車室外側W2に張り出す取り付けフランジ48が形成されている。そして、この取り付けフランジ48の後部に複数の長方形状の第1係合孔12H1(第1被係合部に相当)が、ドア前後方向に間隔を空けて形成されている。また、前記取り付けフランジ48の前部及びドア前後方向中間部に、複数の長方形状の第2係合孔12H2(第2被係合部に相当)が、ドア前後方向に間隔を空けて形成されている。
[スイッチベゼル17の構造]
図3に示すように、スイッチベゼル17は、ドア前後方向に長い長方形板状のベゼル本体19を備えている。このベゼル本体19は、車幅方向から見てアームレスト本体12の上端部に沿うように、ドア前後方向の後半部がクランク状に下方に屈曲している。すなわち、ベゼル本体19の後半部に、後ろ下がりに傾斜した縦壁21と、縦壁21の下端部からドア後方側Rrに延びる下壁32(図2,図5参照)とを備えている。
前記縦壁21と下壁32はドア後方側Rrになるにつれて次第に幅狭になるように設定されている。そして、下壁32の車室外側W2の側部から外側側壁20が立ち上がり、外側側壁20の前端部が縦壁21の車室外側W2の側部に接続している。
また、図2,図3に示すように、下壁32の車室内側W1の側部から内側側壁24が立ち上がっている。この内側側壁24は縦断面において略逆V字状に形成され、一方の側壁部分24Aの下端部が下壁32の車室内側W1の側部に接続し、他方の側壁部分24Bが前記一方の側壁部分24Aよりも車室内側W1に位置して、他方の側壁部分24Bの下端部が開放されている。
両方の側壁部分24A,24Bのドア前方側Frの端部は前記縦壁21に接続している(図3参照)。さらに、図5に示すように、下壁32のドア後方側Rrの端部から後壁25が立ち上がり、後壁25の一対の側部が、内側側壁24の一方の側壁部分24A(図2参照)と外側側壁20に各別に接続している。前記下壁32と縦壁21と後壁25と内側側壁24と外側側壁20とで、上側が開放した箱形状のプルハンドル22を構成している。前記他方の側壁部分24Bは、後壁25よりもドア後方側Rrに張り出している(図3,図5参照)
図2,図5に示すように、前記プルハンドル22を下方から受け止め支持する支持ブラケット23がスクリューSによりドアパネル2に取り付け固定されている。支持ブラケット23は略L字状に形成され、プルハンドル22に下側から当接する。そして、プルハンドル22の下壁32が支持ブラケット23の底部23TにスクリューSにより固定されている。乗員は、プルハンドル22を把持し、車室の内外方向に押し引きすることで、フロントドアを開閉することができる。
図3に示すように、ベゼル本体19の前半部には、ドア前後方向に並ぶ複数の開口部26や凹部27が形成されている。これらの開口部26や凹部27には、ドアロックや電動開閉式ウインドウを操作するためのスイッチアセンブリが組み付けられる。
図2,図3に示すように、プルハンドル22を構成する内側側壁24の他方の側壁部分24B(上面部材の車室内側の側部に相当)の下端部に、下方に突出する複数の第1係合爪28(第1係合部に相当)が、ドア前後方向に間隔を空けて設けられている。さらに、プルハンドル22を構成する外側側壁20の上端部に、車室外側W2に張り出すフランジ53(図3参照)が設けられ、このフランジ53に、下方に突出する複数の第2係合爪29(図5参照)が、ドア前後方向に間隔を空けて設けられている。
また、図3に示すように、サイドエアバッグ3の展開エリアA(図1参照)よりもドア前方側Frに位置するベゼル本体19の前半部の車室内側W1の側部に、下方に突出する複数の第3係合爪30(第3係合部に相当)が、ドア前後方向に間隔を空けて設けられている。そして、ベゼル本体19の前半部の車室外側W2の側部に、下方に突出する下方突出部35が、ドア前後方向に間隔を空けて設けられている。
[ガーニッシュ18の構造]
図3,図4に示すように、ガーニッシュ18は、アームレスト本体12の車室内側W1の開口周縁部を飾る車両長さ方向に細長い部品である。このガーニッシュ18は、車幅方向から見てアームレスト本体12の上端部に沿うように、ドア前後方向の後半部がクランク状に下方に屈曲している。すなわち、ガーニッシュ18の後半部は、後ろ下がりに傾斜した傾斜部40と、傾斜部40の下端部からドア後方側Rrに延びる後部41(図3,図4参照)とから成る。ガーニッシュ18の前端部42は車室外側W2に折曲して、アームレスト本体12のドア前方側Frの開口周縁部に沿っている。ガーニッシュ18の意匠面となる車室内側W1の側面18M(図2,図3参照)は、下側ほど車室内側W1に位置するように傾斜している。
前記ガーニッシュ18のドア後方側Rrの後部41に、スイッチベゼル17の複数の第1係合爪28を各別に挿通させる長方形状の複数の挿通孔45が形成されている。また、サイドエアバッグ3の展開エリアA(図1参照)よりもドア前方側Frのガーニッシュ部分(ガーニッシュ18の前半部)に、下方に突出する複数のガーニッシュ側係合爪46(第2係合部に相当)が、ガーニッシュ18の長手方向に間隔を空けて設けられている。さらに、ガーニッシュ18の前半部に、複数のガーニッシュ側被係合部47(第3被係合部に相当)が長手方向に間隔を空けて設けられている。ガーニッシュ側被係合部47は、互いに隣り合う一対のガーニッシュ側係合爪46の間に位置する(図4参照)。
前記サイドエアバッグ3の展開エリアA(図1参照)とガーニッシュ18とは車幅方向において一部が重なっている。
[アームレスト本体12とスイッチベゼル17とガーニッシュ18との組み付け構造]
図2,図3に示すように、スイッチベゼル17の第1係合爪28が、ガーニッシュ18の挿通孔45に挿通されてから、アームレスト本体12の第1係合孔12H1に係合している。そして、スイッチベゼル17のプルハンドル22を構成する内側側壁24の他方の側壁部分24Bと、アームレスト本体12の車室内側W1の開口周縁部とがガーニッシュ18を挟持している。
図5に示すように、スイッチベゼル17の第2係合爪29は、ドアオーナメント10の下端部に形成された係合孔10H1に係合している。
図3に示すように、スイッチベゼル17の第3係合爪30は、ガーニッシュ18のガーニッシュ側被係合部47に係合し、これにより、ベゼル本体19がガーニッシュ18に固定されている。
スイッチベゼル17の下方突出部35にはパワーウインドスイッチやミラースイッチの取り付け孔が設けられている。
また、図5に示すように、ドアオーナメント10の下端部の取り付け片57に形成されたスクリュー挿通孔10H3にスクリューSが挿通されている。そして、前記スイッチベゼル17の内側側壁24の他方の側壁部分24Bに設けられたスクリュー穴にスクリューSが螺合している。
図5に示すように、前記他方の側壁部分24Bのドア前方側Frの端部には、ドア前方側Frに張り出す取り付け片59が設けられ、取り付け片59にスクリュー挿通孔59Hが形成されている。そして、スクリュー挿通孔59Hに挿通されたスクリューSが、アームレスト本体12の開口周縁部に形成されたスクリュー穴に螺合している。
図4,図5に示すように、ガーニッシュ18の後端部に、裏側(車室外側W2)に突出するボス18Bが形成され、このボス18Bにスクリュー穴18Hが形成されている。一方、ドアオーナメント10の下端部の取り付け片57にスクリュー挿通孔10H2が形成されている。そして、このスクリュー挿通孔10H2に挿通されたスクリューSが前記スクリュー穴18Hに螺合している。
上記のように、ドアオーナメント10は、サイドエアバッグ3の展開エリアAと車幅方向で重なる領域において、ガーニッシュ18とスイッチベゼル17とにそれぞれ固定されている。その結果、ガーニッシュ18とスイッチベゼル17との間に隙間が形成されることを抑えることができる。
図4に示すように、ガーニッシュ18の前端部にも、裏側(車室外側W2)に突出するボス18Bが形成され、このボス18Bにスクリュー穴18Hが形成されている。また、ドアオーナメント10の下端部に、前記スクリュー穴18Hに対応するスクリュー挿通孔が形成されている。そして、このスクリュー挿通孔に挿通されたスクリューが前記スクリュー穴18Hに螺合している。
図3に示すように、ガーニッシュ18のガーニッシュ側係合爪46がアームレスト本体12の第2係合孔12Hに係合することで、ガーニッシュ18がアームレスト本体12に固定されている。
本発明の構成によれば、
(1) スイッチベゼル17の第1係合爪28が、ガーニッシュ18の挿通孔45に挿通されてから、アームレスト本体12の第1係合孔12H1に係合しており、さらに、スイッチベゼル17の車室内側W1の側部(前記内側側壁24の他方の側壁部分24B)とアームレスト本体12の車室内側W1の開口周縁部とがガーニッシュ18を挟持しているから、側突による衝撃が加わった場合、ガーニッシュ18がアームレスト本体12から外れることを防止することができる。
また、アームレスト本体12に対するガーニッシュ18の固定部を増やさなくても、ガーニッシュ18をアームレスト本体12に確実に固定することができる。従って、ガーニッシュ18の形状や配置など、レイアウトの自由度を向上させることができ、結果的に意匠性を向上させることができる。
(2) サイドエアバッグ3の展開エリアAと車幅方向において重なるドアトリム部分には、側突時に、車室外側W2から車室内側W1への衝撃と、車室内側W1から車室外側W2へのサイドエアバッグ3による衝撃とが加わる。そのため、ドアトリム1に設けられるガーニッシュ18には、車室内側W1・車室外側W2からの荷重が加わり、ガーニッシュ18がアームレスト本体12から外れてしまう可能性がある。
そこで、このようなガーニッシュ18に前記挿通孔45を設け、スイッチベゼル17に設けた第1係合爪28を前記挿通孔45に挿通させ、スイッチベゼル17の車室内側W1の側部とアームレスト本体 12の車室内側W1の開口周縁部とにガーニッシュ18を挟持させている。これにより、サイドエアバッグ3の展開エリアAとガーニッシュ18とが車幅方向において少なくとも一部重なっている場合でも、アームレスト本体12からのガーニッシュ18の外れを確実に防止することができる。
(3) 組み付け手順としては、アームレスト本体12の車室内側W1の開口周縁部にガーニッシュ18を重ねてからスイッチベゼル17をアームレスト本体12に取り付ける。この手順にすると、最初に前記ガーニッシュ部分のガーニッシュ側係合爪46をアームレスト本体12の第2係合孔12H2に係合させることにより、アームレスト本体12に対してガーニッシュ18の位置を決めることができる。
その結果、スイッチベゼル17の第1係合爪28をガーニッシュ18の挿通孔45に挿通させてアームレスト本体12の第1係合孔12H1に係合させる際に、アームレスト本体12に対するガーニッシュ18の位置ずれを防止することができ、前記挿通孔45と第1係合孔12H1の位置を合わせことができて、ガーニッシュ18の取り付け作業の作業性を向上させることができる。結果的に、ガーニッシュ18の組み付け性を向上させることができる。
サイドエアバッグ3の展開エリアAよりもドア前方側Frの第1ドアトリム部分には、側突時に車両外側(車室外側W2)からの衝撃が加わるが、車両内側(車室内側W1)からのサイドエアバッグに3よる衝撃は加わらない。そのため、前記第1ドアトリム部分に加わる衝撃荷重は、サイドエアバッグ3の展開エリアAと車幅方向で重なる第2ドアトリム部分に加わる衝撃荷重に比べて小さくなる。従って、サイドエアバッグ3の展開エリアAよりもドア前方側Frにおいては、スイッチベゼル17の第1係合爪28をガーニッシュ18の挿通孔45に挿通させてアームレスト本体12の第1係合孔12H1に係合させる手段を採用しなくても済む。その結果、構造を簡素化することができ、組み付け作業の作業性を向上させることができる。
(4) 一般的に、車両長さ方向に細長いガーニッシュ18の場合、アームレスト本体12との固定部を増やしにくく、荷重が加わるとアームレスト本体12から外れて、アームレスト本体12との合わせ部に隙間ができやすい。しかしながら、本発明の構成によれば、前記ガーニッシュ18に、前記スイッチベゼル17の第1係合爪28を挿通させる挿通孔45が形成され、前記第1係合爪28は前記挿通孔45に挿通されてから前記第1係合孔12H1に係合し、スイッチベゼル17の車室内側W1の側部とアームレスト本体12の車室内側W1の開口周縁部とがガーニッシュ18を挟持しているから、車両長さ方向に細長いガーニッシュ18であっても、前記固定部を増やすことなく確実にガーニッシュ18を固定することができ、ガーニッシュ18の形状や配置など、レイアウトの自由度を向上できる。結果的に意匠性を向上できる。
前記ガーニッシュ18は、車幅方向から見てアームレスト本体12の上端部に沿うように、ドア前後方向の後半部がクランク状に下方に屈曲しているから、ガーニッシュ18の剛性を向上させることができ、ガーニッシュ18の耐久性を向上させることができる。
3 サイドエアバッグ
4 車両用座席
10 ドアオーナメント
11 ドアトリム本体
12 膨出部(アームレスト本体)
12H1 第1被係合部(第1係合孔)
12H2 第2被係合部(第2係合孔)
16 開口
17 上面部材(スイッチベゼル)
18 ガーニッシュ
24B 上面部材の車室内側の側部(内側側壁の他方の側壁部分)
28 第1係合部(第1係合爪)
30 第3係合部(第3係合爪)
45 挿通孔
46 第2係合部(ガーニッシュ側係合爪)
47 第3被係合部(ガーニッシュ側被係合部)
A サイドエアバッグの展開エリア
Fr 車両前方側(ドア前方側)
W1 車室内側

Claims (5)

  1. 車室内側に膨出する膨出部を有し、前記膨出部の上面に開口が形成されているドアトリム本体と、
    前記膨出部の開口にはめ込まれる上面部材と、
    前記膨出部の車室内側の開口周縁部に取り付けられる車両長さ方向に沿うガーニッシュとを有し、
    前記上面部材の車室内側の側部に第1係合部が設けられ、
    前記ドアトリム本体の膨出部の車室内側の開口周縁部に第1被係合部が設けられている車両用ドアのドアトリムであって、
    前記ガーニッシュに、前記上面部材の第1係合部を挿通させる挿通孔が形成され、
    前記第1係合部は前記挿通孔に挿通されてから前記第1被係合部に係合し、
    前記上面部材の車室内側の側部と前記ドアトリム本体の膨出部の車室内側の開口周縁部とが前記ガーニッシュを挟持している車両用ドアのドアトリム。
  2. 前記ドアトリム本体は、サイドエアバッグを有する車両用座席の車室外側に位置し、
    前記サイドエアバッグの展開エリアと前記ガーニッシュとが車幅方向において少なくとも一部重なっている請求項1記載の車両用ドアのドアトリム。
  3. 前記サイドエアバッグの展開エリアよりも車両前方側のガーニッシュ部分に第2係合部が設けられ、
    前記ドアトリム本体の膨出部の車室内側の開口周縁部に第2被係合部が設けられ、
    前記第2係合部が前記第2被係合部に係合することで、前記ガーニッシュが前記ドアトリム本体の膨出部に固定され、
    前記サイドエアバッグの展開エリアよりも車両前方側の上面部材部分の車室内側の側部に第3係合部が設けられ、
    前記ガーニッシュに第3被係合部が設けられ、
    前記第3係合部が前記第3被係合部に係合することで、前記上面部材が前記ガーニッシュに固定されている請求項2記載の車両用ドアのドアトリム。
  4. 前記ドアトリム本体の膨出部の上方にドアオーナメントが設けられ、
    前記ドアオーナメントは、前記サイドエアバッグの展開エリアと車幅方向で重なる領域において、前記ガーニッシュと前記上面部材とにそれぞれ固定されている請求項2又は3記載の車両用ドアのドアトリム。
  5. 前記ガーニッシュは、前記膨出部の車室内側の開口周縁部を飾る車両長さ方向に細長い部品である請求項1〜4のいずれか一つに記載の車両用ドアのドアトリム。
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