JP2016122570A - 導電性複合体およびその製造方法 - Google Patents

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友彦 中村
秀和 西野
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秀和 西野
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尚代 岡本
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Kenichi Sato
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Abstract

【課題】抵抗値安定性に優れ、かつ導電性に優れた導電性複合体を提供する。【解決手段】本発明の導電性複合体は、カルボキシメチルセルロースの水酸基が脂肪族エステルに置換された物とカーボンナノチューブを有することを特徴とする。カルボキシメチルセルロース水酸基の脂肪族エステルへの置換は、カルボキシメチルセルロースとカーボンナノチューブを含む複合体形成後であることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は導電性複合体、およびその製造方法に関する。より詳細には、安定性に優れた導電性複合体の製造方法に関する。本発明の導電性複合体は、粘着層の貼り合わせを必要とする静電容量式タッチパネルなどの電極として用いられる。
カーボンナノチューブは実質的にグラファイト1枚面を巻いて筒状にした形状を有したナノ物質であり、1層に巻いたものを単層カーボンナノチューブ、多層に巻いたものを多層カーボンナノチューブ、中でも特に2層に巻いたものを2層カーボンナノチューブという。カーボンナノチューブは、それ自体が優れた真性の導電性を有し、導電性材料として使用されることが期待されている。
カーボンナノチューブの導電性を利用した用途として、例えば、クリーンルーム用部材や、ディスプレイ用部材、自動車用部材などがあり、制電、導電、電波吸収、電磁波遮蔽、近赤外カット性付与に用いられる。カーボンナノチューブはアスペクト比が高く少量で導電パスを形成できるため、従来のカーボンブラック等の導電性微粒子と比べ光透過性、耐脱落性に優れた導電性材料となりうる。例えば、カーボンナノチューブを用いて光学用透明導電性薄膜として用いることが公知である。
光学用透明導電性薄膜は、例えばタッチパネルの透明電極部材として用いられる。タッチパネル内部では、透明電極と補強板となるプラスチックの固定や、透明電極同士の固定に両面粘着シートが用いられており、透明導電性薄膜をタッチパネルとして利用するには粘着層の貼り合わせが必要である。
カーボンナノチューブを用いた導電体を作製するために、カーボンナノチューブを均一に分散媒中に分散する場合は、一般的には分散性に優れたイオン性分散剤を用いる。特に、カルボキシメチルセルロースを用いることで、高濃度のカーボンナノチューブ集合体の分散体を与え得るカーボンナノチューブ集合体が得られ、均一な導電体を作製することができる。
しかし、カルボキシメチルセルロースは親水性基を有するため、高温度・高湿度などの環境変化に影響されやすく、抵抗値安定性が悪い。そのため、高導電性と抵抗値安定性を併せ持つ導電体を作成する際には、分散に用いるカルボキシメチルセルロースに含まれる親水性基を導電体上より取り除く必要がある。
カーボンナノチューブ分散液をフィルム上に塗布後、カルボキシメチルセルロースに含まれるカルボキシル基をエステル化することで、カーボンナノチューブの特性を損なうことなく、かつ耐熱安定性、耐湿熱安定性を向上した導電性フィルム、その製造方法が報告されている(特許文献1)。
特開2012−155989号公報
特許文献1には、カルボキシメチルセルロースの親水性基の1つであるカルボキシル基をエステル化しているものの、もう1つの親水性基である水酸基については処理されていない。また、タッチパネル用途として粘着層を貼り合わせたときの抵抗値安定性については記載が無く、残存する親水性基である水酸基が抵抗値安定化の大きな課題となりうる。
本発明は、上記問題、状況を鑑みてなされたものであり、その解決課題は、タッチパネルなどの透明電極部材としても利用可能である、抵抗値が安定な高導電性複合体およびその製造方法を提供することである。
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、カルボキシメチルセルロースの水酸基アシル化物とカーボンナノチューブを含む導電性複合体は、抵抗値が安定で、表面抵抗値10Ω/□以下の高導電性複合体であることを見出し、本発明に至ったものである。
すなわち本発明は、下記を特徴とする。
<1>カルボキシメチルセルロースの水酸基アシル化物とカーボンナノチューブを含む導電性複合体。
<2>前記カルボキシメチルセルロースの水酸基アシル化物は、カルボキシメチルセルロースの水酸基が脂肪族エステルに置換されたものであることを特徴とする<1>に記載の導電性複合体。
<3>前記カーボンナノチューブ100重量部に対して、カルボキシメチルセルロースの水酸基アシル化物を100〜3000重量部含む<1>または<2>のいずれかに記載の導電性複合体。
<4>カルボキシメチルセルロースとカーボンナノチューブを含む複合体に、アシル化剤を接触させることを特徴とする<1>〜<3>のいずれかに記載の導電性複合体の製造方法。
<5>前記アシル化剤が、酸無水物、カルボン酸エステル、カルボン酸ハロゲン化物およびカルボン酸から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする<4>に記載の導電性複合体の製造方法。
<6>前記アシル化剤100重量部に対し、強酸0.01〜20重量部を併用することを特徴とする<4>または<5>のいずれかに記載の導電性複合体の製造方法。
<7>カルボキシメチルセルロースの水酸基量を基準として、1.1〜1万当量のアシル化剤を接触させる<4>〜<6>のいずれかに記載の導電性複合体の製造方法。
本発明によれば、カーボンナノチューブの分散剤であるカルボキシメチルセルロースの水酸基をアシル化することで、安定性に優れ、かつ透明導電性に優れた導電性複合体を得ることができる。
以下に、本発明について、望ましい実施の形態とともに、詳細に説明する。
本発明に関わる導電性複合体では、カルボキシメチルセルロースの水酸基アシル化物とカーボンナノチューブを含む。この導電性複合体は、いずれかの物質を含まない場合と比較して、抵抗値安定性に優れ、かる透明導電性に優れた導電性複合体を得ることができる。導電性複合体の安定性を向上させる効果は、カルボキシメチルセルロースの親水性基である水酸基をアシル基に置換したことにより、耐湿熱安定性が向上したことで達成されたものと考えられる。さらに、粘着層貼り合わせなどの外部要因に対しても、カルボキシメチルセルロースの水酸基アシル化によってカーボンナノチューブが固定化されたことにより、抵抗値安定性が付与されたものと考えられる。
[カーボンナノチューブ]
本発明では導電性材料としてカーボンナノチューブを用いる。カーボンナノチューブはグラファイトの1枚面を巻いて筒状にした形状を有しており、1層に巻いたものを単層カーボンナノチューブ、2層に巻いたものを2層カーボンナノチューブ、3層以上に巻いたものを多層カーボンナノチューブという。
カーボンナノチューブ分散液およびそれによって得られる導電体には、求められる用途特性に応じて、単層、2層、多層のいずれのカーボンナノチューブも用いることができる。単層〜2層と層数の少ないカーボンナノチューブを用いれば導電性がより高く、光透過性も高い導電体を得ることができ、2層以上のカーボンナノチューブを用いれば光学特性において、光波長依存性の少ない導電体を得ることができる。光透過性の高い導電体を得るには、好ましくは、層数が単層から2層であるカーボンナノチューブが100本中50本以上含まれることが好ましく、特に2層カーボンナノチューブがカーボンナノチューブ100本中50本以上であると導電性ならびに分散性が極めて高く好ましい。3層以上の多層カーボンナノチューブは一般に結晶化度が低く導電性が低いうえ、直径が太く導電層中のカーボンナノチューブ単位量あたりの接点数が小さくなり透明導電性が低くなる。
カーボンナノチューブの層数は、例えば以下のようにサンプルを作成し測定できる。カーボンナノチューブが液などの媒体中に分散した組成物である場合、溶媒が水系の場合は組成物を水で見えやすい濃度に適宜希釈しコロジオン膜上に数μL滴下し風乾させた後、直接透過型電子顕微鏡でコロジオン膜上のカーボンナノチューブを調べる。溶媒が非水系の場合は、一度乾燥により溶媒を除去した後、再度水中で分散させてから適宜希釈してコロジオン膜上に数μL滴下し風乾させた後、透過型電子顕微鏡で観察する。導電体中のカーボンナノチューブの層数は、塗布前の組成物を同様にして観察することができる。導電体からカーボンナノチューブを採取する際は、エポキシ樹脂で包埋した後、ミクロトームなどを用いて0.1μm以下に薄く切断した切片を観察することによって、導電体を透過型電子顕微鏡で調べることができる。また、溶媒でカーボンナノチューブを抽出し、組成物の場合と同様にして高分解能透過型電子顕微鏡で観察することによって調べることもできる。コロジオン膜上に滴下する液のカーボンナノチューブ濃度は、カーボンナノチューブを一本一本観察できる濃度であればよいが、例えば0.001重量%である。
上記カーボンナノチューブの層数の測定は、例えば、次のようにして行う。透過型電子顕微鏡を用いて25万倍で観察し、75nm四方の視野の中で、視野面積の10%以上がカーボンナノチューブである視野中から任意に抽出した100本のカーボンナノチューブについて層数を測定する。一つの視野中で100本の測定ができない場合は、100本になるまで複数の視野から測定する。このとき、カーボンナノチューブ1本とは、視野中で一部カーボンナノチューブが見えていれば1本と計上し、必ずしも両端が見えている必要はない。また視野中で2本と認識されても視野外でつながって1本となっていることもあり得るが、その場合は2本と計上する。
カーボンナノチューブの直径は、特に限定はないが,上記好ましい範囲の層数のカーボンナノチューブの外径の平均値は1nm〜10nmであり、特に1〜3nmの範囲内であるものが好ましく用いられる。この外径の平均値は、上記透過型電子顕微鏡を用いて25万倍で観察し、75nm四方の視野の中で、視野面積の10%以上がカーボンナノチューブである視野中から任意に抽出した100本のカーボンナノチューブについて層数を測定するのと同様の方法でサンプルを観察し、カーボンナノチューブの外径を測定したときの算術平均値である。
カーボンナノチューブは表面や末端が官能基やアルキル基で修飾されていてもよく、また硝酸やアルカリ金属、ハロゲンでドーピングされていてもよい。例えば酸中で加熱することにより、カルボキシル基、水酸基で官能基化させてもよい。ドーピングすることによりカーボンナノチューブの導電性が向上し好ましい。
カーボンナノチューブの長さは特に限定はないが、短すぎると効率的に導電性パスを形成できないため0.5μm以上であることが好ましく、より好ましくは1μm以上である。上限は長すぎると分散性が低下する傾向にあるため10μm以下であることが好ましい。
カーボンナノチューブの長さは、後述するように電界放射走査型電子顕微鏡を用いて調べることができる。組成物の場合には、マイカ基板上に数μL滴下し風乾させた後、電界放射走査型電子顕微鏡で調べることができる。必要により、溶媒やイオンスパッタリングを用いて、あるいは350℃、30分大気雰囲気下で焼成してカーボンナノチューブを露出してから観察することができる。
導電体中のカーボンナノチューブの長さは、塗布前の組成物を上記の組成物の場合と同様にして観察することができる。滴下するカーボンナノチューブ濃度はカーボンナノチューブが一本一本観察できる濃度が好ましく適宜希釈すれば良いが、例えば0.01重量%である。
導電体からカーボンナノチューブを採取する際は、導電体から溶媒を用いてカーボンナノチューブを抽出してから組成物と同様の方法で観察することができる。
カーボンナノチューブの長さについては、上記方法で試料を作成し電界放射走査型電子顕微鏡で観察し、15μm四方の視野の中で10本以上のカーボンナノチューブが含まれるところで写真を撮り、各カーボンナノチューブの長さを測定する。視野中から任意に抽出した100本のカーボンナノチューブの長さを長さ方向に沿って測定する。一つの視野中で100本の測定ができない場合は、100本になるまで複数の視野から測定する。合計100本のカーボンナノチューブについて長さを測定することによって100本中に含まれるカーボンナノチューブの長さとその本数を確認することができる。本発明においては、長さが0.5μm以下の範囲にあるカーボンナノチューブが100本中30本以下であれば、接点抵抗を低減でき、光透過率を向上することができ好ましく、さらに1μm以下の範囲にあるカーボンナノチューブが100本中30本以下であるとより好ましい。さらに、本発明においては、長さが10μm以上の範囲にあるカーボンナノチューブが100本中30本以下であると分散性が向上でき好ましい。カーボンナノチューブの長さが長く、視野内で全体の長さが見えていない場合は、視野内のカーボンナノチューブの長さを測定し、10μm以内であれば測定値の長さと見なし、10μmより大きければ10μm超の長さと見なして0.5〜10μmの範囲にあるカーボンナノチューブの本数を数えることとする。
また、透明導電性に優れた導電体を得るには、結晶化度の高い高品質のカーボンナノチューブを用いることが好ましい。結晶化度の高いカーボンナノチューブは、それ自体電気伝導性に優れる。しかし、このような高品質のカーボンナノチューブは、結晶化度の低いカーボンナノチューブと比べより強固にバンドルや凝集体を形成しているため、一本一本を解し安定に高分散させるのは非常に困難である。そのため、結晶化度の高いカーボンナノチューブを用いて、より導電性の高い導電体を得るには、カーボンナノチューブの分散技術が非常に重要である。
本発明で用いるカーボンナノチューブは、特に限定されないが、直線性があり結晶化度が高いカーボンナノチューブであることが導電性が高く好ましい。直線性のよいカーボンナノチューブとは、欠陥が少なくカーボンナノチューブ結晶化度が高いカーボンナノチューブである。カーボンナノチューブの結晶化度は、ラマン分光分析法により評価が可能である。ラマン分光分析法で使用するレーザー波長は種々あるが、ここでは532nm、633nmを利用する。ラマンスペクトルにおいて1590cm−1付近に見られるラマンシフトは、グラファイト由来のGバンドと呼ばれ、1350cm−1付近に見られるラマンシフトはアモルファスカーボンやグラファイトの欠陥に由来のDバンドと呼ばれる。すなわち、GバンドとDバンドのピーク高さの比であるG/D比が高いカーボンナノチューブほど、直線性、かつ結晶化度が高く、高品質である。
本発明で用いるカーボンナノチューブにおいて、ラマンG/D比を評価するときは波長633nmを用いる。G/D比は高いほど良いが、30以上であれば高品質カーボンナノチューブと言うことができる。好ましくは40以上、さらに好ましくは50以上である。上限は特にないが、通常200以下である。またカーボンナノチューブのような固体のラマン分光分析法はサンプリングによってばらつくことがある。そこで少なくとも3カ所、別の場所をラマン分光分析し、その相加平均をとるものとする。
本発明で用いるカーボンナノチューブは、例えば以下のように製造される。
マグネシアに鉄を担持した粉末状の触媒を、縦型反応器中、反応器の水平断面方向全面に存在させ、該反応器内にメタンを鉛直方向に流通させ、メタンと上記触媒を500〜1200℃で接触させ、カーボンナノチューブを製造した後、カーボンナノチューブを酸化処理することにより得られる。すなわち上記カーボンナノチューブの合成法により、単層〜2層のカーボンナノチューブを含有するカーボンナノチューブを得ることができる。
カーボンナノチューブの酸化処理として硝酸や混酸、過酸化水素で処理することが挙げられる。カーボンナノチューブを過酸化水素で処理するとは、上記カーボンナノチューブを例えば市販の34.5%過酸化水素水中に0.01重量%〜10重量%になるように混合し、0〜100℃の温度にて0.5〜48時間反応させることを意味する。またカーボンナノチューブを混酸で処理するとは、上記カーボンナノチューブを例えば濃硫酸/濃硝酸(3/1)混合溶液中に0.01重量%〜10重量%になるように混合し、0〜100℃の温度にて0.5〜48時間反応させることを意味する。混酸の混合比としては生成したカーボンナノチューブ中の単層カーボンナノチューブの量に応じて濃硫酸/濃硝酸の比を1/10〜10/1とすることも可能である。カーボンナノチューブを硝酸で処理するとは、上記カーボンナノチューブを例えば市販の硝酸40〜80重量%中に0.01重量%〜10重量%になるように混合し、60〜150℃の温度にて0.5〜48時間反応させることを意味する。
また、カーボンナノチューブの酸化処理は、例えば焼成処理する方法により行われる。焼成処理の温度は本発明で用いるカーボンナノチューブが得られる限り、特に限定されないが、通常、300〜1000℃の範囲で選択される。酸化温度は雰囲気ガスに影響されるため、酸素濃度が高い場合には比較的低温で、酸素濃度が低い場合には比較的高温で焼成処理することが好ましい。カーボンナノチューブの焼成処理としては、例えば大気下、カーボンナノチューブの燃焼ピーク温度±50℃の範囲内で焼成処理をする方法が挙げられるが、酸素濃度が大気よりも高い場合はこれよりも低目の温度範囲、低い場合には高めの温度範囲が選択されるのが通常である。特に大気下で焼成処理を行う場合は燃焼ピーク温度±15℃の範囲で行うことが好ましい。
このような酸化処理を行うことで、生成物中のアモルファスカーボンなどの不純物および耐熱性の低い単層CNTを選択的に除去することが可能となり、単層から2層、特に2層カーボンナノチューブの純度を向上することができる。それと同時にカーボンナノチューブの表面が官能基化されることにより、分散媒および添加剤との親和性が向上するため分散性が向上する。これらの酸化処理のなかでも、硝酸を用いて処理することが特に好ましい。
これら酸化処理はカーボンナノチューブ合成直後に行っても良いし、別の精製処理後に行っても良い。例えば触媒として鉄/マグネシアを用いる場合、先に塩酸等の酸により触媒除去のための精製処理を行った後に酸化処理してもよいし、酸化処理を行った後にさらに触媒除去のための精製処理を行っても良い。
[カーボンナノチューブの分散]
本発明において、カーボンナノチューブを含む導電層は、カーボンナノチューブ分散液を塗布して形成することができる。カーボンナノチューブ分散液を得るには、カーボンナノチューブを溶媒とともに、混合分散機や超音波照射装置によって分散処理を行うことが一般的であり、さらに分散剤を添加することが望ましい。
本発明で用いられる分散剤として、いわゆるポリマー系分散剤の使用が好ましい。このとき分子量が小さすぎると、分散剤とカーボンナノチューブの相互作用が弱まるためにカーボンナノチューブのバンドルを十分に解すことができない。一方、分子量が大きすぎると、ポリマー鎖のカーボンナノチューブへの絡みつきが強くなりすぎることで過剰な分散剤の除去工程において分散剤が除去しきれず、導電性悪化の原因となってしまう。分散剤として使用するポリマーの重量平均分子量の範囲は1万以上40万以下であり、特に1万以上25万以下であることが好ましく、さらに好ましくは、1万を超え6万以下である。前記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法を用い、ポリエチレングリコールによる校正曲線と対比させることにより算出された分子量を指す。
カーボンナノチューブ分散液に含まれるカーボンナノチューブのバンドルを十分に解すためには、カーボンナノチューブに対して過剰な量の分散剤を必要とする。この過剰な分散剤は分散液を塗布して導電層を形成したときには導電層界面で膜状に析出してしまうため、本発明のカーボンナノチューブ分散液を用いて導電体を製造する場合は、過剰な分散剤を除去する工程を有することが好ましい。しかし、分散剤が除去しきれないほど過剰である場合には過剰な分散剤による導電阻害が大きすぎ、形成されるカーボンナノチューブ導電層の表面抵抗値は悪くなってしまう。一方、分散液に含まれる分散剤量が少ない場合にはカーボンナノチューブのバンドルを完全に解すことはできない。
すなわち、本発明のカーボンナノチューブ分散液に含まれる分散剤の量はカーボンナノチューブに吸着される以上に過剰であり、かつ導電性を阻害しない量であることが好ましく、具体的にはカーボンナノチューブ100重量部に対して分散剤が100重量部以上3000重量部以下であることが好ましく、さらに200重量部以上1500重量部以下であることが好ましい。
分散剤の種類としては、分散性のよい分散剤を用いることで、カーボンナノチューブのバンドルを解して透明導電性を向上させることができる点から、イオン性官能基を有する多糖類であるカルボキシメチルセルロースおよびその誘導体、およびその塩を使用する。
本発明において、カルボキシメチルセルロースの誘導体の塩を用いる場合、塩を構成するカチオン性の物質としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属のカチオン、カルシウム、マグネシウム、バリウム等のアルカリ土類金属のカチオン、アンモニウムイオン、あるいはモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、エチルアミン、ブチルアミン、ヤシ油アミン、牛脂アミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ポリエチレンイミン等の有機アミンのオニウムイオン、または、これらのポリエチレンオキシド付加物を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明において、カルボキシメチルセルロースのカルボキシメチル置換度としては、0.5〜2.4であることが好ましいが、特に限定されるものではない。また、それらの置換基のうち、末端がカルボン酸であるカルボキシメチル基と、カルボン酸塩であるカルボキシメチル基とを混在していてもよい。
本発明ではカーボンナノチューブ、分散剤および溶媒を用いてカーボンナノチューブ分散液を調製する。この分散液はさらにその他添加剤を含むことができ、液体形状でもペーストやゲルのような半固形状でもかまわないが、液体形状が好ましい。本発明において分散液とは、得られた組成物が目視において沈降物や凝集物がなく、少なくとも24時間静置後においても目視において沈降物や凝集物がない状態の液をいう。また、分散液全体に対するカーボンナノチューブの含有量は0.01重量%以上、20重量%以下であることが好ましく、0.01〜10重量%であることが好ましい。
本発明で用いる水系溶媒は、分散剤が溶解し、カーボンナノチューブが分散するものであれば限定はなく、水および水と混和する溶媒類を用いることができる。溶媒としては、エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチルセロソルブ等)、エーテルアルコール(エトキシエタノール、メトキシエトキシエタノール等)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル等)、ケトン類(シクロヘキサノン、メチルエチルケトン等)、アルコール類(エタノール、イソプロパノール、フェノール等)、低級カルボン酸(酢酸等)、アミン類(トリエチルアミン、トリメタノールアミン等)、窒素含有極性溶媒(N,N−ジメチルホルムアミド、ニトロメタン、N−メチルピロリドン、アセトニトリル等)、硫黄化合物類(ジメチルスルホキシド等)などを用いることができる。
これらのなかでも特に、水、アルコール、エーテルおよびそれらを組み合わせた溶媒を含有することがカーボンナノチューブ分散性から好ましい。カーボンナノチューブ分散液のpHの範囲は弱酸性からアルカリ性であることが好ましく、さらにpH6〜12であることが好ましく、特にpH6〜8であることが好ましい。カーボンナノチューブ分散液のpHは、アレニウスの定義による酸性物質や塩基性物質をカーボンナノチューブ分散液に添加することで調整できる。酸性物質は、例えば、プロトン酸としては、硝酸、塩酸、硫酸、リン酸、ホウフッ化水素酸、フッ化水素酸、過塩素酸等の無機酸や、有機カルボン酸、有機スルホン酸等が挙げられる。さらに、有機カルボン酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、ショウ酸、安息香酸、フタル酸、マレイン酸、フマル酸、マロン酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、コハク酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ニトロ酢酸、トリフェニル酢酸等が挙げられる。有機スルホン酸としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、アルキルナフタレンジスルホン酸、ナフタレンスルホン酸ホルマリン重縮合物、メラミンスルホン酸ホルマリン重縮合物、ナフタレンジスルホン酸、ナフタレントリスルホン酸、ジナフチルメタンジスルホン酸、アントラキノンスルホン酸、アントラキノンジスルホン酸、アントラセンスルホン酸、ピレンスルホン酸などが挙げられる。この中でも好ましいのは、塗布乾燥時に揮発する揮発酸であり、例えば硝酸、塩酸などである。
塩基性物質としては、例えば、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどが挙げられる。この中でも好ましいのは、塗布乾燥時に揮発する揮発塩基であり、例えばアンモニアである。
カーボンナノチューブ分散液のpH調整は、pHを測定しながら、上記酸性物質および/または塩基性物質を所望のpHとなるまで添加することで行う。pH測定法としては、リトマス試験紙などのpH試験紙を用いる方法、水素電極法、キンヒドロン電極法、アンチモン電極法、ガラス電極法などが挙げられるが、この中でもガラス電極法が簡便であり、必要な精度を得られるため好ましい。具体的には、pHメーター(東亜電波工業社製、HM−30S)などにより測定される。また、酸性物質、あるいは、塩基性物質を過剰に添加して所望のpH値を越えてしまった場合には、逆の特性を持つ物質を添加してpHを調整すればよい。かかる調整に適用する酸性物質としては硝酸が、塩基性物質としてはアンモニアが好ましい。
カーボンナノチューブ分散液の調製方法としては、カーボンナノチューブと分散剤および溶媒を塗装製造に慣用の混合分散機(例えば超音波ホモジナイザー、振動ミル、ジェットミル、ボールミル、ビーズミル、サンドミル、ロールミル、ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、超音波装置、アトライター、デゾルバー、ペイントシェーカー等)を用いて混合し、分散液を製造することができる。中でも、超音波を用いて分散することで、カーボンナノチューブの分散性が向上し好ましい。分散させるカーボンナノチューブは乾燥状態であっても、溶媒を含んだ状態でもよいが、精製後乾燥させずに溶媒を含んだ状態で分散させることが、分散性が向上するために好ましい。
カーボンナノチューブ分散液は、上記分散剤、カーボンナノチューブ以外に、例えば界面活性剤や導電性もしくは非導電性高分子など各種高分子材料等をその他の添加剤として含んでいてもかまわない。また、添加剤の含有量は、本発明の効果を阻害しない範囲で添加できる。
[基材]
本発明では、カーボンナノチューブ分散液は後述の方法により塗布して導電体を形成することができる。
本発明のカーボンナノチューブ分散液を塗布して得られる導電体の製造に用いる基材は、カーボンナノチューブ分散液が塗布でき、得られる導電層が固定できれば形状、サイズ、および材質は特に限定されず、目的とする用途によって選択でき、例えばフィルム、シート、板、紙、繊維、粒子状であってもよい。材質は例えば、有機材料であれば、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、アクリル、ポリウレタン、ポリメチルメタクリレート、セルロース、トリアセチルセルロース、非晶質ポリオレフィンなどの樹脂、無機材料であればステンレス、アルミ、鉄、金、銀などの金属、ガラスおよび炭素材料等から選択できる。基材に樹脂フィルムを用いた場合は、接着性、延伸追従性、柔軟性に優れた導電性フィルムを得ることができ好ましい。その際の好ましい基材の厚みは、特に限定されず中程度の厚さから非常に薄い厚さまで種々の範囲をとることができる。例えば、前記基材は約1〜約1000μmの間の厚さとしうる。好ましい実施形態では基材の厚さは約5〜約500μmとなりうる。別の好ましい実施形態では基材の厚さは約10〜約200μmである。
基材は必要に応じ、コロナ放電、グロー放電処理やオゾン処理等の表面親水化処理を施してあってもよい。あるいはアンダーコート層を設けてあっても良い。アンダーコート層の素材としては親水性の高い素材であることが好ましい。
また、基材はカーボンナノチューブを塗布する反対面に耐摩耗性、高表面硬度、耐溶剤性、耐汚染性、耐指紋性等を付与したハードコート処理が施されているものも併せて用いることができる。
また、基材として透明性がある基材を用いることにより透明性・導電性に優れた導電体を得ることができ好ましい。透明性がある基材とは、全光線透過率が50%以上であることを示す。
[カーボンナノチューブ分散液の塗布]
本発明では、カーボンナノチューブ分散液を塗布する方法は特に限定されない。公知の塗布方法、例えばワイヤーバーコーティング、ダイコーティング、グラビアコーティング、マイクログラビアコーティング、ディップコーティング、スプレーコーティング、ロールコーティング、スピンコーティング、ドクターナイフコーティング、キスコーティング、スリットコーティング、スリットダイコーティング、ブレードコーティング、押出コーティングや、スクリーン印刷、グラビア印刷、インクジェット印刷、パット印刷、他の種類の印刷などが利用できる。また塗布は、何回行ってもよく、異なる2種類の塗布方法を組み合わせても良い。最も好ましい塗布方法は、ワイヤーバーコーティング、ダイコーティングである。
塗布厚み(ウェット厚)は塗布液の濃度にも依存するため、望む導電性が得られれば特に規定する必要はない。しかしその中でも0.01μm〜50μmであることが好ましい。さらに好ましくは0.1μm〜20μmである。
塗布厚み(ドライ厚)は導電体断面を観察することで測定でき、例えば、透過型顕微鏡において観察でき、必要であれば染色してもよい。好ましいドライ厚は望む導電性が得られれば規定はないが、好ましくは、0.001μm〜5μmである。さらに好ましくは、0.001〜1μmである。
カーボンナノチューブ分散液が水系分散液であるとき、基材上に塗布する時、組成物中に濡れ剤を添加しても良い。非親水性の基材へは特に界面活性剤やアルコール等の濡れ剤を組成物中に添加することで、基材に組成物がはじかれることなく塗布することができる。中でもアルコールが好ましく、アルコールの中でもメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールが好ましい。メタノール、エタノール、イソプロパノールなどの低級アルコールは揮発性が高いために塗布後の基材乾燥時に容易に除去可能である。場合によってはアルコールと水の混合液を用いても良い。
このようにしてカーボンナノチューブ分散液を基材に塗布した後、風乾、加熱、減圧などの方法により不要な溶媒を除去し、形成される導電層を乾燥させることが好ましい。それによりカーボンナノチューブは、3次元編目構造を形成し基材に固定化される。中でも加熱による乾燥が好ましい。乾燥温度は溶媒が除去可能であり基材の耐熱温度以下であればよく、樹脂製基材の場合は、好ましくは0℃〜250℃であり、さらに好ましくは、15℃〜150℃である。
上記導電層には過剰な分散剤が含まれているため、過剰な分散剤を除去することが好ましい。この操作により、電荷の分散が容易になり導電性複合体の導電性が向上する。過剰な分散剤を除去する方法としては、導電層を乾燥後、溶媒中へ浸漬させる、あるいは溶媒を導電層へ噴霧させるなどして分散剤を洗浄する方法がある。洗浄のための溶媒としては除去したい透明導電性を低下させる成分、例えば添加剤や余剰量の分散剤を溶解し、かつカーボンナノチューブを除去しないものであれば特に制限はない。具体的には水やアルコール類、アセトニトリルが挙げられる。
その他の除去方法としては、過剰な分散剤を吸着することができる分散剤吸着層を予め基材に設けておく方法がある。分散剤吸着層としては、親水性無機酸化物を用いることが好ましい。より好ましくは、シリカ、チタニア、アルミナである。これらの物質は、表面に親水基であるヒドロキシル基を有しており、高い親水性が得られるため好ましい。さらに分散剤吸収層はこれらの無機酸化物と樹脂複合体でも良く、例えばシリカ微粒子とポリシリケートの複合物が挙げられる。分散剤吸着層によって分散剤が除去できる理由は定かではないが、以下のようなことが考えられる。すなわち、カーボンナノチューブの分散剤としてイオン性分散剤のような親水性基を有する分散剤を用いた場合、カーボンナノチューブ自身よりも分散剤の方が分散剤吸着層との親和性が高いため、カーボンナノチューブ分散液を塗布すると同時に過剰な分散剤が分散剤吸着層に選択的に移動するため、カーボンナノチューブの周囲から局所的に分散剤を除去することができるためではないかと考えられる。
本発明では、カーボンナノチューブの分散剤として親水性基を有するカルボキシメチルセルロースを用いるため、高温度・高湿度などの環境変化に影響されやすく、抵抗値安定性が悪いという問題がある。カーボンナノチューブ分散液を基材に塗布して導電体を形成後、アシル化剤と接触させることで、基材上でカルボキシメチルセルロースの親水性基が疎水化され、カーボンナノチューブが高分散状態で固定化されるため、高導電性を維持しつつ長期の抵抗値安定化ができる。
[アシル化剤との接触]
本発明ではカーボンナノチューブ分散液を基材に塗布して導電性複合体を形成後、アシル化剤と接触させることにより、抵抗値安定性を向上できる。アシル化処理は、分散液作製前に行うこともできるが、溶媒に対する溶解性、カーボンナノチューブの分散性が低下する場合があるため、フィルム状の導電性複合体作製後が好ましい。接触させるアシル化剤は、特に限定されないが、酸無水物、カルボン酸エステル、カルボン酸ハロゲン化物およびカルボン酸から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。例えば、酸無水物としては、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸、二硫酸、五酸化二窒素、ピロリン酸などが挙げられる。さらに、カルボン酸エステルとしては、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸tert-ブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、酢酸ヘキシル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸イソプロピル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸イソブチル、プロピオン酸tert-ブチル、プロピオン酸ペンチル、プロピオン酸イソペンチル、プロピオン酸ヘキシル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸プロピル、酪酸イソプロピル、酪酸ブチル、酪酸イソブチル、酪酸tert-ブチル、酪酸ペンチル、酪酸イソペンチル、酪酸ヘキシル、イソ酪酸メチル、イソ酪酸エチル、イソ酪酸プロピル、イソ酪酸イソプロピル、イソ酪酸ブチル、イソ酪酸イソブチル、イソ酪酸tert-ブチル、イソ酪酸ペンチル、イソ酪酸イソペンチル、イソ酪酸ヘキシル、吉草酸メチル、吉草酸エチル、吉草酸プロピル、吉草酸イソプロピル、吉草酸ブチル、吉草酸イソブチル、吉草酸tert-ブチル、吉草酸ペンチル、吉草酸イソペンチル、吉草酸ヘキシル、ピバル酸メチル、ピバル酸エチル、ピバル酸プロピル、ピバル酸イソプロピル、ピバル酸ブチル、ピバル酸イソブチル、ピバル酸tert-ブチル、ピバル酸ペンチル、ピバル酸イソペンチル、ピバル酸ヘキシル、カプロン酸メチル、カプロン酸エチル、カプロン酸プロピル、カプロン酸イソプロピル、カプロン酸ブチル、カプロン酸イソブチル、カプロン酸tert-ブチル、カプロン酸ペンチル、カプロン酸イソペンチル、カプロン酸ヘキシル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸イソプロピル、安息香酸ブチル、安息香酸イソブチル、安息香酸tert-ブチル、安息香酸ペンチル、安息香酸イソペンチル、安息香酸ヘキシルなどが挙げられる。カルボン酸ハロゲン化物としては、例えば、塩化アセチル、臭化アセチル、塩化プロパノイル、臭化プロパノイル、塩化ブタノイル、臭化ブタノイル、塩化ペンタノイル、臭化ペンタノイル、塩化ヘキサノイル、臭化ヘキサノイル、塩化ベンゾイル、臭化ベンゾイルなどが挙げられる。カルボン酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、安息香酸などが挙げられる。この中でも、特にアシル化効果の高い、無水酢酸を用いることが好ましい。
アシル化剤には、アシル化反応促進のために酸を併用することができる。アシル化剤に併用する酸は、特に限定されない。例えば、硫酸、塩酸、硝酸、ホウ酸、ヨウ素酸、過塩素酸、フッ化水素酸、塩素酸、臭素酸、過臭素酸、過マンガン酸、チオシアン酸、燐酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸などが挙げられる。この中でも、特にアシル化反応促進効果の高い、硫酸、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸が好ましい。
本発明において、カーボンナノチューブ分散液を基材に塗布した導電体に接触させるアシル化剤の使用量は、カルボキシメチルセルロースの水酸基量を基準として算出することができる。導電体に接触させるアシル化剤の使用量は、少なすぎるとアシル化反応が進行せず、多すぎると導電体中に残存して外観や性質に影響を及ぼすため良くない。カルボキシメチルセルロースの水酸基量を基準として、1.1〜1万当量のアシル化剤を接触させることが好ましく、さらに好ましくは10〜2000当量である。
本発明において、アシル化剤に併用する酸の使用量は、アシル化剤100重量部に対して酸0.01〜20重量部であることが好ましく、さらに好ましくは、0.1〜5重量部である。
本発明において、アシル化剤の接触方法は、特に限定されない。例えば、アシル化剤溶液へ導電体を浸す方法(浸漬)、アシル化剤溶液を導電体へ塗布する方法(塗布)、アシル化剤溶液を霧状にして導電体へふきつける方法(噴霧)、アシル化剤溶液の蒸気を導電体へあてる方法(蒸気)を用いることがあげられるが、安全上の観点から浸漬法、塗布法を用いることが好ましい。
本発明において、導電体へアシル化剤を接触させる時間は、特に限定されないが、生産性の観点から10秒以上10分以下であることが好ましい。
本発明において、アシル化処理の反応温度は、特に限定されないが、加熱することが好ましい。アシル化処理時のフィルム表面温度は、好ましくは20℃以上であり、より好ましくは40℃以上、さらに好ましくは80℃以上である。
アシル化剤と接触させた後の導電体は、余剰なアシル化剤を除去するために水で洗浄、あるいは加熱によって乾燥しても良い。洗浄方法としては、流水法、浸漬法があげられる。乾燥方法としては、乾燥機での乾燥、ドライヤー等で風をあてての乾燥があげられる。乾燥温度は、特に限定されないが、高温では基材や導電体の変質が考えられるため、基材表面温度が300℃以下であることが好ましい。より好ましくは200℃以下、さらに好ましくは150℃以下である。
[オーバーコート層]
本発明のカーボンナノチューブとカルボキシメチルセルロースを導電層に含む導電体を形成後、アシル化剤と接触させた導電体を有機または無機透明被膜を形成しうるバインダー材料でオーバーコーティングする、もしくはアシル化剤とバインダー材料を混合してオーバーコーティングすることも好ましい。オーバーコーティングすることにより、さらなる電荷の分散や、移動に効果的である。また、上記導電体は、カーボンナノチューブ分散液中に有機または無機透明被膜を形成しうるバインダー材料を含有させ、基材に塗布後、必要により加熱して塗膜の乾燥ないし焼付(硬化)を行っても得ることができる。その際の加熱条件は、バインダー種に応じて適当に設定する。バインダーが光硬化性または放射線硬化性の場合には、加熱硬化ではなく、塗布後直ちに塗膜に光または放射線を照射することにより塗膜を硬化させる。放射線としては電子線、紫外線、X線、ガンマー線等のイオン化性放射線が使用でき、照射線量はバインダー種に応じて決定する。
上記バインダー材料としては、導電性塗料に使用されるものであれば特に制限はなく、各種の無機および有機バインダー、すなわち透明な無機ポリマーまたはその前駆体(以下「無機ポリマー系バインダー」と称する場合もある)または有機ポリマーまたはその前駆体(以下「有機ポリマー系バインダー」と称する場合もある)が使用できる。無機ポリマー系バインダーの例としては、シリカ、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム等の金属酸化物のゾル、あるいは無機ポリマーの前駆体となる加水分解または熱分解性の有機金属化合物(有機リン化合物、有機ボロン化合物、有機シラン化合物、有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物、有機鉛化合物、有機アルカリ土類金属化合物など)がある。加水分解性または熱分解性の有機金属化合物の具体的例は、アルコキシドまたはその部分加水分解物、酢酸塩などの低級カルボン酸塩、アセチルアセトンなどの金属錯体である。
これらの無機ポリマー系バインダーを焼成すると、酸化物または複合酸化物からなるガラス質の無機ポリマー系透明被膜もしくはマトリックスを形成することができる。無機ポリマー系マトリックスは、一般にガラス質であり、高硬度で耐擦過性に優れ、透明性も高い。
有機ポリマー系バインダーは熱可塑性、熱硬化性、あるいは紫外線、電子線などの放射線硬化性のいずれであってもよい。適当な有機バインダーの例としては、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリアミド(ナイロン6、ナイロン11、ナイロン66、ナイロン6,10等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)、シリコーン樹脂、ビニル樹脂(ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリレート、ポリスチレン誘導体、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール等)、ポリケトン、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリアセタール、フッ素樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、セルロース系ポリマー、蛋白質類(ゼラチン、カゼイン等)、キチン、ポリペプチド、多糖類、ポリヌクレオチドなどの有機ポリマー、ならびにこれらのポリマーの前駆体(モノマーまたはオリゴマー)がある。これらは単に溶剤の蒸発により、あるいは熱硬化または光もしくは放射線照射による硬化により、透明被膜もしくはマトリックスを形成することができる。
有機ポリマー系バインダーとして好ましいのは、放射線もしくは光によりラジカル重合硬化可能な不飽和結合を有する化合物であり、これはビニル基ないしビニリデン基を有するモノマー、オリゴマー、あるいはポリマーである。この種のモノマーとしては、スチレン誘導体(スチレン、メチルスチレン等)、アクリル酸もしくはメタクリル酸またはそれらの誘導体(アルキルアクリートもしくはメタクリレート、アリルアクリレートもしくはメタクリレート等)、酢酸ビニル、アクリロニトリル、イタコン酸等がある。オリゴマーあるいはポリマーは、主鎖に二重結合を有する化合物または直鎖の両末端にアクリロイルもしくはメタクリロイル基を有する化合物が好ましい。この種のラジカル重合硬化性バインダーは、高硬度で耐擦過性に優れ、透明度の高い被膜もしくはマトリックスを形成する
ことができる。
バインダーの使用量は、オーバーコートをするのに十分な量、もしくは、液中に配合する場合には塗布に適した粘性を得るのに十分な量であればよい。少なすぎると塗布がうまくいかず、多すぎても導電性を阻害し良くない。オーバーコート層の厚みは1nm以上1000nm以下が好ましく、さらに好ましくは10nm以上500nm以下である。
[粘着層]
本発明では、カーボンナノチューブを導電層に含む導電体を形成後、酸と接触させた導電体の導電層を有する面に、粘着層を貼り合わせることを特徴とする。本発明において、粘着層とは、粘着剤を含み、導電体の導電面を別の光学部材、例えば異なる導電体やカバーガラスなどと、貼り合わせるために用いる。例えばスマートフォンなどに用いられる静電容量式タッチパネルでは、導電体の導電面に透明粘着剤を粘着層として貼り合わせ、その粘着層の導電体と接着していない面に、粘着層を介してさらに導電体を貼り合わせる必要がある。粘着層の厚みは1μm以上1000μm以下が好ましく、さらに好ましくは5μm以上100μm以下である。
本発明で粘着層に用いる粘着剤としては、ビニル重合系、ゴム系、縮合重合系、熱硬化性樹脂系、シリコーン系などの粘着剤を用いることができる。この中で、ビニル重合系の粘着剤としては、アクリル系、スチレン系、酢酸ビニル−エチレン共重合体系、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系などを挙げることができる。ゴム系の粘着剤としては、ブタジエン−スチレン共重合体系(SBR)、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体系(NBR)、クロロプレン重合体系、イソブチレン−イソプレン共重合体系(ブチルゴム)などを挙げることができる。また、縮合重合系の粘着剤としては、ポリエステル系を挙げることができる。さらに熱硬化樹脂系の粘着剤としては、エポキシ樹脂系、ウレタン樹脂系、ホルマリン樹脂系などを挙げることができる。これらの中でも透明性に優れ、耐候性、耐熱性、耐湿熱性、基材密着性等を考慮すると、アクリル系粘着剤が好適に用いられる。さらに、粘着剤成分中に酸が含まれていないものを用いることが好ましい。
[用途]
本発明のカルボキシメチルセルロースの水酸基アシル化物とカーボンナノチューブを含む導電性複合体は、高導電性であり、ドープ抜けや吸湿などによる抵抗値上昇が無く安定であるため、制電靴や、制電板などのクリーンルーム用部材や、電磁波遮蔽、近赤外カット、透明電極、タッチパネル、電波吸収などのディスプレイ用、自動車用部材として使える。中でも主に表面の平滑性が要求されるタッチパネル、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス、電子ペーパーなどのディスプレイ関連の透明電極として特に優れた性能を発揮する。特に光学フィルター用プラスチックフィルムは、貼合することにより、ディスプレイ装置として用いることができる。導電層の完成形態において抵抗値安定性が高いことは極めて重要であり、特に静電容量式タッチパネル用途として優れた性能を発揮する。
以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
以下のようにカーボンナノチューブを得た。
(参考例1)
[カーボンナノチューブ用触媒調製例]
約24.6gのクエン酸鉄(III)アンモニウムをイオン交換水6.7kgに溶解した。この溶液に、酸化マグネシウムを約1kg加え、撹拌機で撹拌処理した後に、懸濁液を10Lのオートクレーブ容器中に導入した。密閉した状態で200℃に加熱し2時間保持した。その後オートクレーブ容器を放冷し、容器からスラリー状の白濁物質を取り出し、過剰の水分を吸引濾過により濾別し、濾取物中に少量含まれる水分は120℃の乾燥機中で加熱乾燥した。得られた固形分は篩い上で、10〜20メッシュの範囲の粒径を回収した。左記の顆粒状の触媒体を電気炉中に導入し、大気下600℃で6時間加熱した。
[カーボンナノチューブ含有組成物製造工程]
上記の触媒を用い、カーボンナノチューブを合成した。固体触媒132gをとり、鉛直方向に設置した反応器の中央部の石英焼結板上に導入することで触媒層を形成した。反応管内温度が約860℃になるまで、触媒体層を加熱しながら、反応器底部から反応器上部方向へ向けて窒素ガスを16.5 L/minで供給し、触媒体層を通過するように流通させた。その後、窒素ガスを供給しながら、さらにメタンガスを0.78 L/minで60分間導入して触媒体層を通過するように通気し、反応させた。メタンガスの導入を止め、窒素ガスを16.5 L/min通気させながら、石英反応管を室温まで冷却して触媒付きカーボンナノチューブ組成物を得た。この触媒付きカーボンナノチューブ組成物を128g用いて4.8 Nの塩酸水溶液400 mL中で1時間撹拌することで触媒金属である鉄とその担体であるMgOを溶解した。得られた黒色懸濁液は濾過した後、濾取物は再度4.8Nの塩酸水溶液400mLに投入し脱MgO処理をし、濾取した。この操作を3回繰り返し、触媒が除去されたカーボンナノチューブ組成物を得た。
[カーボンナノチューブの精製工程:液相酸化処理+アンモニア処理+再硝酸処理]
得られたウェット状態のカーボンナノチューブ含有組成物の乾燥重量分に対して、約300倍の重量の60%濃硝酸を添加した。その後、約140℃に加熱したオイルバスで約24時間攪拌しながら加熱還流した。加熱還流後、室温まで放冷し、カーボンナノチューブ含有組成物を含む硝酸溶液をミリポア社製オムニポアメンブレンフィルターをしいた濾過器を用いて吸引濾過した。イオン交換水で濾取物の懸濁液が中性となるまで水洗後、水を含んだウェット状態のままカーボンナノチューブ組成物を得た。得られたカーボンナノチューブ含有組成物を含むウェットケークを28%アンモニア水溶液0.3Lに添加し、室温下で1時間撹拌した。その後、該溶液をミリポア社製オムニポアメンブレンフィルターをしいた濾過器を用いて吸引濾過した。その後メンブレンフィルター上のウェットケークが中性付近になるまでイオン交換水で洗浄し、水を含んだウェット状態のままカーボンナノチューブ組成物を得た。
得られたカーボンナノチューブ含有組成物の含むウェットケークを60%硝酸水溶液0.3L中に添加した。室温で24時間撹拌した後にミリポア社製オムニポアメンブレンフィルターをしいた濾過器を用いて吸引濾過した。その後メンブレンフィルター上のウェットケークが中性付近になるまでイオン交換水で洗浄した。水を含んだウェット状態のままカーボンナノチューブ含有組成物を保存した。このカーボンナノチューブ含有濾取物の一部を採取し、乾燥後の重量からウェット中のカーボンナノチューブ含有組成物の濃度を算出した。
得られたウェット状態のカーボンナノチューブ含有組成物全体の重量にカーボンナノチューブ含有組成物濃度をかけて算出したカーボンナノチューブ含有組成物の乾燥重量(触媒体100g当たり)は0.257gであった。
カーボンナノチューブ組成物の波長532nmによるラマン分光分析の結果、カーボンナノチューブ含有組成物のG/D比は61であった。また波長633nmによるカーボンナノチューブ含有組成物のG/D比は60であった。
(参考例2)
[分散剤吸着層作製例]
以下の操作によりポリシリケートをバインダーとし、直径30 nmの親水シリカ微粒子が表出する分散剤吸着層を作製した。
約30 nmの親水シリカ微粒子とポリシリケートを固形分濃度で1質量%含むメガアクア親水DMコート((株)菱和社製、DM―30―26G―N1)をシリカ膜作製用塗液として用いた。
ワイヤーバー#4を用いてポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に前記シリカ膜作製用塗液を塗布した。塗布後、120℃の乾燥機内で1分間乾燥させ、アンダーコート層を設けたPETフィルム基材を作製した。
(参考例3)
[カルボキシメチルセルロースの加水分解]
10質量%カルボキシメチルセルロースナトリウム(第一工業製薬(株)社製、セロゲン(登録商標)5A(重量平均分子量:80000、分子量分布(Mw/Mn):1.6、エーテル化度:0.7))水溶液500gをナス型フラスコに加えて、1級硫酸(キシダ化学(株)社製)を用いて、水溶液をpH2に調整した。この容器を120℃に昇温したオイルバス中に移し、加熱還流下で攪拌しながら9時間加水分解反応を行った。ナス型フラスコを放冷後、28%アンモニア水溶液(キシダ化学(株)社製)を用いて、水溶液をpH7に調整し、反応停止した。加水分解後のカルボキシメチルセルロースナトリウムの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法を用い、ポリエチレングリコールによる校正曲線と対比させて分子量を算出した。その結果、重量平均分子量は約35000であり分子量分布(Mw/Mn)は1.5であった。また収率は97%であった。
[カーボンナノチューブ分散液の調製]
カーボンナノチューブ15 mg(乾燥質量換算で15 mgのカーボンナノチューブを含有する参考例1で得られたカーボンナノチューブ組成物)、10質量%カルボキシメチルセルロースナトリウム(第一工業製薬(株)社製、上記で得られたセロゲン5Aの加水分解物(重量平均分子量35000))水溶液38mg(分散剤/カーボンナノチューブ重量比 2.5)を量りとり、蒸留水を加え10 gにし、28質量%アンモニア水溶液(キシダ化学(株)社製)を用いてpH10にあわせ、超音波ホモジナイザー出力20 W、1.5分間で氷冷下分散し、カーボンナノチューブ分散液を調製した。得られた液を高速遠心分離機にて10000G、15分遠心処理し、カーボンナノチューブ分散液9gを得た。上清取得後の残液にも目視でわかる大きさの沈殿は見られなかった。
[カーボンナノチューブ分散液塗布]
前記分散液にイオン交換水を添加して、0.055質量%に調整後、参考例2で得られたアンダーコート層を設けた基材またはPETフィルム基材にワイヤーバー#7を用いて塗布、140℃乾燥機内で1分間乾燥させカーボンナノチューブ組成物を固定化した(以降、カーボンナノチューブ組成物を固定化したフィルムを、カーボンナノチューブ塗布フィルムと記す。)。このとき、フィルム表面温度は90℃であった。なお、カーボンナノチューブの塗布量は5.8mg/mと算出された。
(実施例1)
[アシル化剤の塗布]
参考例3で得られたカーボンナノチューブ塗布フィルムに、ワイヤーバー#3を用いて常温の無水酢酸100重量部に対して硫酸1重量部を含む溶液を塗布し、175℃乾燥機内で1分間乾燥させた。このとき、フィルム表面温度は120℃であった。
[端子電極の作製]
上記カーボンナノチューブ塗布フィルムを50 mm×100 mmにサンプリングした。このサンプルの両短辺に沿って幅5 mm長さ50 mmの範囲で銀ペースト電極(太陽インキ製造(株)製 ECM−100 AF4820)を塗布、90℃、30分乾燥させ端子電極とした。
[粘着層貼合と抵抗値変化観測]
上記フィルムのカーボンナノチューブ塗布面に、光透過性アクリル系粘着剤(3M社製 8146−1)を貼合し、端子電極間抵抗値を測定したところ、252 Ωだった。その後、23℃、50%RHの条件で2週間放置後の端子電極間抵抗値と、放置前の端子電極間抵抗値を比較して抵抗値変化率を算出した。2週間放置前の端子電極間抵抗値をR、放置後端子電極間抵抗値をRとしたときに、(R−R)/Rを抵抗値変化率とした。端子電極間抵抗はカードハイテスター(日置電機(株)製 3244)で測定した。抵抗値変化率は7%だった。同様にして作製したフィルムを60℃、90%RHの条件で3日間放置後の端子電極間抵抗値と、3日間放置前の端子電極間抵抗値を比較して抵抗値変化率を算出した。抵抗値変化率は27%だった。
(実施例2)
参考例3で得られたカーボンナノチューブ塗布フィルムに、ワイヤーバー#3を用いて常温の無水マレイン酸100重量部に対して硫酸10重量部、アセトン1000重量部を含む溶液を塗布し、175℃乾燥機内で1分間乾燥させた。このフィルムを実施例1と同様に50mm×100mmにサンプリングした。このサンプルに実施例1と同様に銀ペースト電極を塗布し、端子電極とした。このフィルムのカーボンナノチューブ塗布面に、光透過性アクリル系粘着剤(3M社製 8146−1)を貼合し、端子電極間抵抗値を測定したところ、197 Ωだった。その後、23℃、50%RHの条件で2週間放置後の端子電極間抵抗値と、2週間放置前の端子電極間抵抗値を比較して抵抗値変化率を算出した。抵抗値変化率は17%だった。同様にして作製したフィルムを60℃、90%RHの条件で3日間放置後の端子電極間抵抗値と、3日間放置前の端子電極間抵抗値を比較して抵抗値変化率を算出した。抵抗値変化率は28%だった。
(実施例3)
参考例3で得られたカーボンナノチューブ塗布フィルムに、ワイヤーバー#3を用いて常温の酢酸tert-ブチル100重量部に対して硫酸1重量部を含む溶液を塗布し、175℃乾燥機内で1分間乾燥させた。このフィルムを実施例1と同様に50mm×100mmにサンプリングした。このサンプルに実施例1と同様に銀ペースト電極を塗布し、端子電極とした。このフィルムのカーボンナノチューブ塗布面に、光透過性アクリル系粘着剤(3M社製 8146−1)を貼合し、端子電極間抵抗値を測定したところ、158 Ωだった。その後、60℃、90%RHの条件で3日間放置後の端子電極間抵抗値と、3日間放置前の端子電極間抵抗値を比較して抵抗値変化率を算出した。抵抗値変化率は27%だった。
(実施例4)
参考例3で得られたカーボンナノチューブ塗布フィルムに、ワイヤーバー#3を用いて常温の酢酸tert-ブチル100重量部に対してp-トルエンスルホン酸1重量部を含む溶液を塗布し、175℃乾燥機内で1分間乾燥させた。このフィルムを実施例1と同様に50mm×100mmにサンプリングした。このサンプルに実施例1と同様に銀ペースト電極を塗布し、端子電極とした。このフィルムのカーボンナノチューブ塗布面に、光透過性アクリル系粘着剤(3M社製 8146−1)を貼合し、端子電極間抵抗値を測定したところ、165 Ωだった。その後、23℃、50%RHの条件で2週間放置後の端子電極間抵抗値と、2週間放置前の端子電極間抵抗値を比較して抵抗値変化率を算出した。抵抗値変化率は17%だった。同様にして作製したフィルムを60℃、90%RHの条件で3日間放置後の端子電極間抵抗値と、3日間放置前の端子電極間抵抗値を比較して抵抗値変化率を算出した。抵抗値変化率は50%だった。
(実施例5)
参考例3で得られたカーボンナノチューブ塗布フィルムに、ワイヤーバー#8を用いて常温の酢酸tert-ブチル100重量部に対して硫酸1重量部を含む溶液を塗布し、175℃乾燥機内で1分間乾燥させた。このフィルムを実施例1と同様に50mm×100mmにサンプリングした。このサンプルに実施例1と同様に銀ペースト電極を塗布し、端子電極とした。このフィルムのカーボンナノチューブ塗布面に、光透過性アクリル系粘着剤(3M社製 8146−1)を貼合し、端子電極間抵抗値を測定したところ、182 Ωだった。その後、60℃、90%RHの条件で3日間放置後の端子電極間抵抗値と、3日間放置前の端子電極間抵抗値を比較して抵抗値変化率を算出した。抵抗値変化率は12%だった。
(実施例6)
参考例3で得られたカーボンナノチューブ塗布フィルムに、ワイヤーバー#3を用いて常温の無水酢酸100重量部に対して硫酸1重量部を含む溶液を塗布し、175℃乾燥機内で1分間乾燥させた。オーバーコート剤として、2%N-103X溶液(コルコート(株)社製)を2-プロパノールで2倍希釈し、1%N-103X溶液を調製した。無水酢酸100重量部に対して硫酸1重量部を含む溶液を塗布したフィルムに、ワイヤーバー#4を用いて常温のオーバーコート剤1%N-103X溶液を塗布し、175℃乾燥機内で1分間乾燥させた。このフィルムを実施例1と同様に50mm×100mmにサンプリングした。このサンプルに実施例1と同様に銀ペースト電極を塗布し、端子電極とした。このフィルムのカーボンナノチューブ塗布面に、光透過性アクリル系粘着剤(3M社製 8146−1)を貼合し、端子電極間抵抗値を測定したところ、210 Ωだった。その後、60℃、90%RHの条件で3日間放置後の端子電極間抵抗値と、3日間放置前の端子電極間抵抗値を比較して抵抗値変化率を算出した。抵抗値変化率は12%だった。
(実施例7)
参考例3で得られたカーボンナノチューブ塗布フィルムに、ワイヤーバー#3を用いて常温の無水酢酸100重量部に対してトリフルオロメタンスルホン酸1重量部を含む溶液を塗布し、175℃乾燥機内で1分間乾燥させた。オーバーコート剤として、2重量%N-103X溶液(コルコート(株)社製)を2-プロパノールで2倍希釈し、1重量%N-103X溶液を調製した。無水酢酸100重量部に対してトリフルオロメタンスルホン酸1重量部を含む溶液を塗布したフィルムに、ワイヤーバー#4を用いて常温のオーバーコート剤1重量%N-103X溶液を塗布し、175℃乾燥機内で1分間乾燥させた。このフィルムを実施例1と同様に50mm×100mmにサンプリングした。このサンプルに実施例1と同様に銀ペースト電極を塗布し、端子電極とした。このフィルムのカーボンナノチューブ塗布面に、光透過性アクリル系粘着剤(3M社製 8146−1)を貼合し、端子電極間抵抗値を測定したところ、170 Ωだった。その後、60℃、90%RHの条件で3日間放置後の端子電極間抵抗値と、3日間放置前の端子電極間抵抗値を比較して抵抗値変化率を算出した。抵抗値変化率は10%だった。
(実施例8)
参考例3で得られたカーボンナノチューブ塗布フィルムに、ワイヤーバー#3を用いて常温の無水マレイン酸100重量部に対して硫酸10重量部、アセトン1000重量部を含む溶液を塗布し、175℃乾燥機内で1分間乾燥させた。2重量%N-103X溶液(コルコート(株)社製)を2-プロパノールで2倍希釈し、1重量%N-103X溶液を調製した。無水マレイン酸100重量部に対して硫酸10重量部、アセトン1000重量部を含む溶液を塗布したフィルムに、ワイヤーバー#4を用いて常温のオーバーコート剤1重量%N-103X溶液を塗布し、175℃乾燥機内で1分間乾燥させた。このフィルムを実施例1と同様に50mm×100mmにサンプリングした。このサンプルに実施例1と同様に銀ペースト電極を塗布し、端子電極とした。このフィルムのカーボンナノチューブ塗布面に、光透過性アクリル系粘着剤(3M社製 8146−1)を貼合し、端子電極間抵抗値を測定したところ、158 Ωだった。その後、60℃、90%RHの条件で3日間放置後の端子電極間抵抗値と、3日間放置前の端子電極間抵抗値を比較して抵抗値変化率を算出した。抵抗値変化率は18%だった。
(実施例9)
参考例3で得られたカーボンナノチューブ塗布フィルムに、ワイヤーバー#3を用いて常温の酢酸tert-ブチル100重量部に対して硫酸1重量部を含む溶液を塗布し、175℃乾燥機内で1分間乾燥させた。オーバーコート剤として、2重量%N-103X溶液(コルコート(株)社製)を2-プロパノールで2倍希釈し、1重量%N-103X溶液を調製した。酢酸tert-ブチル100重量部に対して硫酸1重量部を含む溶液を塗布したフィルムに、ワイヤーバー#4を用いて常温のオーバーコート剤1重量%N-103X溶液を塗布し、175℃乾燥機内で1分間乾燥させた。このフィルムを実施例1と同様に50mm×100mmにサンプリングした。このサンプルに実施例1と同様に銀ペースト電極を塗布し、端子電極とした。このフィルムのカーボンナノチューブ塗布面に、光透過性アクリル系粘着剤(3M社製 8146−1)を貼合し、端子電極間抵抗値を測定したところ、174 Ωだった。その後、60℃、90%RHの条件で3日間放置後の端子電極間抵抗値と、3日間放置前の端子電極間抵抗値を比較して抵抗値変化率を算出した。抵抗値変化率は17%だった。
(実施例10)
オーバーコート剤として、2重量%N-103X溶液(コルコート(株)社製)を無水酢酸100重量部に対して硫酸1重量部を含む溶液で2倍希釈し、無水酢酸100重量部に対して硫酸1重量部、N-103X2重量部を含む溶液を調製した。参考例3で得られたカーボンナノチューブ塗布フィルムに、ワイヤーバー#4を用いて常温のオーバーコート剤1重量%N-103Xである、無水酢酸100重量部に対して硫酸1重量部、N-103X2重量部を含む溶液を塗布し、175℃乾燥機内で1分間乾燥させた。このフィルムを実施例1と同様に50mm×100mmにサンプリングした。このサンプルに実施例1と同様に銀ペースト電極を塗布し、端子電極とした。このフィルムのカーボンナノチューブ塗布面に、光透過性アクリル系粘着剤(3M社製 8146−1)を貼合し、端子電極間抵抗値を測定したところ、170 Ωだった。その後、60℃、90%RHの条件で3日間放置後の端子電極間抵抗値と、3日間放置前の端子電極間抵抗値を比較して抵抗値変化率を算出した。抵抗値変化率は10%だった。
(比較例1)
参考例3で得られたカーボンナノチューブ塗布フィルムを実施例1と同様に50mm×100mmにサンプリングした。このサンプルに実施例1と同様に銀ペースト電極を塗布し、端子電極とした。このフィルムのカーボンナノチューブ塗布面に、光透過性アクリル系粘着剤(3M社製 8146−1)を貼合し、端子電極間抵抗値を測定したところ、229 Ωだった。その後、23℃、50%RHの条件で2週間放置後の端子電極間抵抗値と、2週間放置前の端子電極間抵抗値を比較して抵抗値変化率を算出した。抵抗値変化率は45%だった。同様にして作製したフィルムを60℃、90%RHの条件で3日間放置後の端子電極間抵抗値と、3日間放置前の端子電極間抵抗値を比較して抵抗値変化率を算出した。抵抗値変化率は136%だった。
(比較例2)
オーバーコート剤として、2重量%N-103X溶液(コルコート(株)社製)を2-プロパノールで2倍希釈し、1重量%N-103X溶液を調製した。参考例3で得られたカーボンナノチューブ塗布フィルムに、ワイヤーバー#4を用いて常温のオーバーコート剤1重量%N-103X溶液を塗布し、175℃乾燥機内で1分間乾燥させた。このフィルムを実施例1と同様に50mm×100mmにサンプリングした。このサンプルに実施例1と同様に銀ペースト電極を塗布し、端子電極とした。このフィルムのカーボンナノチューブ塗布面に、光透過性アクリル系粘着剤(3M社製 8146−1)を貼合し、端子電極間抵抗値を測定したところ、176 Ωだった。その後、23℃、50%RHの条件で2週間放置後の端子電極間抵抗値と、2週間放置前の端子電極間抵抗値を比較して抵抗値変化率を算出した。抵抗値変化率は24%だった。同様にして作製したフィルムを60℃、90%RHの条件で3日間放置後の端子電極間抵抗値と、3日間放置前の端子電極間抵抗値を比較して抵抗値変化率を算出した。抵抗値変化率は102%だった。
(比較例3)
参考例3で得られたカーボンナノチューブ塗布フィルムに、エタノール4.5 gに濃硫酸25mgを加えた処理液をワイヤーバー#20を用いてバーコートし、常温で1分間放置後、さらに40℃、2分の乾燥を行い、流水にて水洗、乾燥した(特許文献1:エステル化処理)。このフィルムを実施例1と同様に50mm×100mmにサンプリングした。このサンプルに実施例1と同様に銀ペースト電極を塗布し、端子電極とした。このフィルムのカーボンナノチューブ塗布面に、光透過性アクリル系粘着剤(3M社製 8146−1)を貼合し、端子電極間抵抗値を測定したところ、172 Ωだった。その後、60℃、90%RHの条件で3日間放置後の端子電極間抵抗値と、3日間放置前の端子電極間抵抗値を比較して抵抗値変化率を算出した。抵抗値変化率は86%だった。
(比較例4)
参考例3で得られたカーボンナノチューブ塗布フィルムに、エタノール4.5 gに濃硫酸25mgを加えた処理液をワイヤーバー#20を用いてバーコートし、常温で1分間放置後、さらに40℃、2分の乾燥を行い、流水にて水洗、乾燥した(特許文献1:エステル化処理)。オーバーコート剤として、2重量%N-103X溶液(コルコート(株)社製)を2-プロパノールで2倍希釈し、1重量%N-103X溶液を調製した。エステル化処理を行ったフィルムに、ワイヤーバー#4を用いて常温のオーバーコート剤1重量%N-103X溶液を塗布し、175℃乾燥機内で1分間乾燥させた。このフィルムを実施例1と同様に50mm×100mmにサンプリングした。このサンプルに実施例1と同様に銀ペースト電極を塗布し、端子電極とした。このフィルムのカーボンナノチューブ塗布面に、光透過性アクリル系粘着剤(3M社製 8146−1)を貼合し、端子電極間抵抗値を測定したところ、168 Ωだった。その後、60℃、90%RHの条件で3日間放置後の端子電極間抵抗値と、3日間放置前の端子電極間抵抗値を比較して抵抗値変化率を算出した。抵抗値変化率は35%だった。
Figure 2016122570

Claims (7)

  1. カルボキシメチルセルロースの水酸基アシル化物とカーボンナノチューブを含む導電性複合体。
  2. 前記カルボキシメチルセルロースの水酸基アシル化物は、カルボキシメチルセルロースの水酸基が脂肪族エステルに置換されたものであることを特徴とする請求項1に記載の導電性複合体。
  3. 前記カーボンナノチューブ100重量部に対して、カルボキシメチルセルロースの水酸基アシル化物を100〜3000重量部含む請求項1または2のいずれかに記載の導電性複合体。
  4. カルボキシメチルセルロースとカーボンナノチューブを含む複合体に、アシル化剤を接触させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の導電性複合体の製造方法。
  5. 前記アシル化剤が、酸無水物、カルボン酸エステル、カルボン酸ハロゲン化物およびカルボン酸から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項4に記載の導電性複合体の製造方法。
  6. 前記アシル化剤100重量部に対し、酸0.01〜20重量部を併用することを特徴とする請求項4または5のいずれかに記載の導電性複合体の製造方法。
  7. カルボキシメチルセルロースの水酸基量を基準として、1.1〜1万当量のアシル化剤を接触させる請求項4〜6のいずれかに記載の導電性複合体の製造方法。
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