JP2016120795A - サイドエアバッグ装置 - Google Patents
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Abstract
Description
なお、以下の記載においては、車両の前進方向を前方として説明し、車両の後進方向を後方として説明する。また、車両の幅方向(車幅方向)についての中央部を基準とし、その中央部に近づく側を「車内側」とし、中央部から遠ざかる側を「車外側」とするものとする。また、車両用シートには、衝突試験用のダミーと同様の体格を有する乗員が着座しているものとする。このダミーは、例えば国際統一側面衝突ダミー(WorldSID)のAM50(米国成人男性の50%をカバーするモデル)である。
車両用シート12は、シートクッション13と、そのシートクッション13の後側から起立し、かつ傾斜角度を調整可能に構成されたシートバック14とを備えている。車両用シート12は、シートバック14が前方を向く姿勢で配置されている。このように配置された車両用シート12の幅方向は、車幅方向と合致する。
シートバック14の内部には、その骨格をなすシートフレームが配置されている。シートフレームの一部は、図4に示すように、シートバック14内の車外側部分に配置されており、この部分(以下「サイドフレーム部15」という)は、金属板を曲げ加工等することによって形成されている。サイドフレーム部15を含むシートフレームの前側には、ウレタンフォーム等の弾性材からなるシートパッド16が配置されている。また、シートフレームの後側には、合成樹脂等によって形成された硬質のバックボード17が配置されている。なお、シートパッド16は表皮によって被覆されているが、図4ではその表皮の図示が省略されている。後述する図9についても同様である。
<ガス発生器30>
図4及び図8(a)に示すように、ガス発生器30は、インフレータ31と、そのインフレータ31を覆うリテーナ32とを備えている。ここでは、インフレータ31として、パイロタイプと呼ばれるタイプが採用されている。インフレータ31は略円柱状をなしており、その内部には、膨張用ガスを発生するガス発生剤(図示略)が収容されている。インフレータ31は、その下端部にガス噴出部(図示略)を有している。また、インフレータ31の上端部には、同インフレータ31への作動信号の入力配線となるハーネス(図示略)が接続されている。
<エアバッグ本体41>
図5及び図6は、エアバッグ本体41が膨張用ガスを充填させることなく平面状に展開させられた状態(以下「非膨張展開状態」という)のエアバッグモジュールABMを示している。また、図8(a)は、エアバッグモジュールABMの内部構造を示すべく、図5のエアバッグ本体41が車幅方向の中央部分で切断されたエアバッグモジュールABMを乗員P及び車両用シート12とともに示している。図7は、エアバッグ本体41をはじめとする、エアバッグ40の各構成部材をそれぞれ展開させた状態で示している。
<区画部50>
図7及び図12に示すように、区画部50は、展開させられた状態では、上下方向の寸法が車幅方向の寸法よりも長くなる縦長の形状を有している。
図8(a),(b)及び図10に示すように、布片55の下側の端部57と、布片56の上側の端部58とは重ね合わされている。両布片55,56は、それぞれ帯状をなす一対の重ね合わせ部61と、それ以外の箇所(以下「非重ね合わせ部62」という)との境界部分において、車幅方向に沿って延びる横結合部63によって結合されている。
区画部50には、ガス流れ規制部として連通部64及び調圧弁65が設けられている。
連通部64及び調圧弁65は、上流側膨張部53による乗員拘束に伴い外力が加わることを条件とし、その条件が満たされるまでは閉じた状態又はそれに近い状態となり、同条件が満たされることにより開くものである。連通部64及び調圧弁65は、上流側膨張部53の膨張に伴い緊張させられた区画部50において、車幅方向の略中央部分に設けられている。詳しくは、区画部50における横結合部63は、車幅方向の略中央部分において結合を解除されている。このように、横結合部63による結合を解除された箇所は、車幅方向に延びて、上流側膨張部53と下流側膨張部54とを連通させるスリット状の連通部64を構成している。
<整流布70>
図7及び図8に示すように、整流布70は、インフレータ31下部のガス噴出部から噴出された膨張用ガスを、上方よりも下方へ多く供給されるように分配するためのものである。
また、肩部PSを保護する部位での区画部長をC1Sとし、胸部PTを保護する部位での区画部長をC1Tとし、腹部PBを保護する部位での区画部長をC1Bとする。
そして、区画部長C1S,C1T,C1B及び本体長C2S,C2T,C2Bの組合わせが、上流側膨張部53の上記3つの部位間で異なるように設定されることにより、膨張厚みについての上記大小関係(TT>TB>TS)が設定されている。
本体長C2S,C2T,C2Bが上記の条件を満たすように設定されることで、区画部50がないと仮定した場合には、膨張厚みは、膨張厚みTB、膨張厚みTT及び膨張厚みTSの順に小さくなる。
サイドエアバッグ装置は、上述したエアバッグモジュールABMのほかに、図1に示す衝撃センサ77及び制御装置78を備えている。衝撃センサ77は加速度センサ等からなり、車両10のボディサイド部11に設けられており、同ボディサイド部11に側方から加えられる衝撃を検出する。制御装置78は、衝撃センサ77の検出信号に基づきインフレータ31の作動を制御する。
図11(a)〜(c)は、調圧弁65及び区画部50の形態が、膨張用ガスの供給開始後、時間とともに変化する様子を模式的に示したものであり、細部については省略及び簡略化されている。
(1)上流側膨張部53の膨張厚みを、乗員Pの胸部PTを保護する部位での膨張厚みTT、腹部PBを保護する部位での膨張厚みTB、及び肩部PSを保護する部位での膨張厚みTSの順に小さくなるように設定している(図13(a)〜(c))。
(2)区画部50を一対の縦結合部52によってエアバッグ本体41(本体布部43,44)に結合してなるエアバッグ40にあって、区画部長C1S,C1T,C1B及び本体長C2S,C2T,C2Bの組合わせを、上流側膨張部53の3つの部位の間で異なるように適切に設定している(図13(a)〜(c))。
(5)エアバッグ本体41が非膨張展開状態にされたとき、そのエアバッグ本体41の後縁部が上下方向に沿って直線状に延びるエアバッグ40にあって、区画部50を、下側ほど上記後縁部から前方へ大きく遠ざかるように傾斜した状態で配置している(図8(a))。
なお、上記実施形態は、これを以下のように変更した変形例として実施することもできる。
・エアバッグ本体41は、その略全体が上記実施形態のように膨張部46からなるものであってもよいが、膨張用ガスが供給されず膨張することのない非膨張部を一部に有するものであってもよい。
・上記実施形態において、区画部50の車幅方向における一対の側縁部は、本体布部43,44に対し、ともに上流側膨張部53内で結合されてもよいし、下流側膨張部54内で結合されてもよい。
・重ね合わせ部61において、両弁体部66,67として機能するのは、車幅方向について連通部64に対応する部分である。そのため、上流側膨張部53の展開及び膨張時に、両弁体部66,67の少なくとも一部(例えば、先端部66t,67t)が接触して閉じられるのであれば、重ね合わせ部61において、連通部64に対応しない部分(非近傍部分)の形態が変更されてもよい。例えば、重ね合わせ部61において連通部64に対応しない部分(非近傍部分)については、部分的又は全体的に結合されてもよい。この結合の手段としては、縫合であってもよいし、接着であってもよい。このように変更されることで、重ね合わせ部61において連通部64に対応する部分だけ両弁体部66,67として作動させ、対応しない部分が不要に動く現象、例えば、ばたつく現象を抑制することができる。そのほかにも、重ね合わせ部61において連通部64に対応しない箇所の少なくとも一部に切欠きが入れられてもよい。
・連通部64は、横結合部63において、折り線51から同折り線51に直交する方向へ外れた箇所に設けられてもよい。また、連通部64は、横結合部63の複数箇所に設けられてもよい。これらの場合にも、上記各実施形態と同様に、各連通部64の周りに弁体部66,67が設けられる。
・二つ折り状態の区画部50は、折り線51を両縦結合部52よりも下流側膨張部54側に位置させた状態で非膨張展開状態の膨張部46に配設されてもよい。この場合、両弁体部66,67を含む重ね合わせ部61は、膨張部46が展開及び膨張する前に下流側膨張部54に配置されてもよい。
・整流布70の形状は、インフレータ31のガス噴出部から噴出される膨張用ガスを上方よりも下方へ多く供給されるように整流するものであることを条件に、変更可能である。例えば、整流布70は、インフレータ31の全体を取り囲むものであってもよい。
・図14に示すように、ガス流れ規制部として、上記連通部64及び調圧弁65に代えて、区画部50に開口部81が設けられてもよい。この場合、区画部50は、単一の布片によって構成されてもよいし、上記実施形態と同様に複数の布片によって構成されてもよい。開口部81は、上流側膨張部53及び下流側膨張部54を連通させる孔によって構成され、上流側膨張部53から下流側膨張部54への膨張用ガスの流通を許容するものであってもよい。この場合であっても、膨張用ガスは開口部81を通る際に抵抗を受け、下流側膨張部54へ流入することを規制される。
・車両用シート12のシートバック14に代えてボディサイド部11に収納部18が設けられ、ここにエアバッグモジュールABMが組み込まれてもよい。
・上記サイドエアバッグ装置が適用される車両には、自家用車に限らず各種産業車両も含まれる。
Claims (5)
- 側部がボディサイド部により構成され、かつ前記ボディサイド部には、室内に向けて突出するアームレストが設けられた乗物に適用されるものであり、
前記ボディサイド部に対し側方から加わる衝撃に応じて供給される膨張用ガスにより、乗物用シートに着座している乗員の上半身の少なくとも肩部から腹部にかけての領域と前記ボディサイド部との間で展開及び膨張するエアバッグ本体を備え、
前記エアバッグ本体内は、同エアバッグ本体の上端部から下端部まで延び、かつガス流れ規制部を有する区画部により、同区画部よりも後側に位置して膨張用ガスが供給される上流側膨張部と、前記区画部よりも前側に位置して、前記上流側膨張部及び前記ガス流れ規制部を経た膨張用ガスが供給される下流側膨張部とに区画され、
展開及び膨張した前記上流側膨張部の前記乗物用シートの幅方向の寸法を膨張厚みとした場合、前記膨張厚みが、前記上流側膨張部のうち、乗員の胸部を保護する部位、腹部を保護する部位、及び肩部を保護する部位の順に小さくなるように設定されているサイドエアバッグ装置。 - 前記区画部は、前記乗物用シートの幅方向における一対の側縁部に沿って延びる縦結合部により前記エアバッグ本体に結合されており、
前記上流側膨張部の平断面における周長のうち、前記区画部によるものを区画部長とし、前記エアバッグ本体によるものを本体長とした場合、
前記区画部長及び前記本体長の組合わせが、前記上流側膨張部の3つの前記部位の間で異なるように設定されることにより、前記膨張厚みについての大小関係が設定されている請求項1に記載のサイドエアバッグ装置。 - 前記区画部長は、前記腹部を保護する部位、及び前記肩部を保護する部位で近似し、かつ前記胸部を保護する部位で最長となるように設定され、
前記本体長は、前記腹部を保護する部位、前記胸部を保護する部位、及び前記肩部を保護する部位の順に短くなるように設定されている請求項2に記載のサイドエアバッグ装置。 - 前記区画部長についての長短関係の設定は、各縦結合部の中間部が上下方向に沿って延びる直線状に形成され、各縦結合部の上部及び下部がそれぞれ前方に膨らむ湾曲状に形成されることによりなされている請求項3に記載のサイドエアバッグ装置。
- 前記エアバッグ本体が膨張用ガスを充填されることなく平面状に展開させられた状態では、同エアバッグ本体の後縁部が上下方向に沿って直線状に延びており、
前記本体長についての長短関係の設定は、前記区画部が、下側ほど前記エアバッグ本体の後縁部から前方へ大きく遠ざかるように傾斜した状態で配置されることによりなされている請求項3又は4に記載のサイドエアバッグ装置。
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