JP2016047666A - エアバッグ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】調圧弁70は、副布片71,76において縦区画部60(副布部)の厚み方向に互いに重ね合わされた一対の重ね合わせ部72,77と、両重ね合わせ部72,77の間で一対の副周縁結合部62にて挟まれた箇所に設けられて上流側膨張部の内外を連通させる連通部81とを備える。調圧弁70は、上流側膨張部による乗員拘束前には、重ね合わせ部72,77で連通部81を塞ぐことで、連通部81での膨張用ガスの流通を制限し、上流側膨張部による乗員拘束に伴い加わる外力に応じて、重ね合わせ部72,77を変形させて連通部81を開くことで流通制限を解除する。両重ね合わせ部72,77には、易開部73,78と、それらよりも多くの量重ね合わされることで易開部73,78よりも開きにくくされた難開部74,79とが設けられている。
【選択図】図5
Description
上記特許文献1及び特許文献2に記載されたエアバッグ装置では、調圧弁107は、上流側膨張部104による乗員の拘束前には、両重ね合わせ部112によって連通部113を塞ぐことで、連通部113での膨張用ガスの流通を制限する。また、調圧弁107は、上流側膨張部104による乗員拘束時には、その拘束に伴い上流側膨張部104に加わる外力に応じて、両重ね合わせ部112を変形させて連通部113を開くことで流通制限を解除する。そのため、調圧弁107により、上流側膨張部104及び下流側膨張部105の各内圧を調整し、乗員を好適な内圧で拘束し、衝撃から有効に保護することが可能である。
また、上述した問題は、下流側膨張部105が設けられておらず、調圧弁107が膨張用ガスを上流側膨張部104の外部へ排出させる排気弁として機能するエアバッグ装置でも同様に起こり得る。
膨張部によって乗員が拘束される前、又は膨張部に膨張用ガスが供給される初期には、調圧弁では、重ね合わせ部が易開部でも難開部でも重ね合わされる。連通部が塞がれた状態となり、同連通部での膨張用ガスの流通が制限される。そのため、膨張用ガスが膨張部に溜まり、同膨張部の内圧が高くなる。乗員は、このように内圧の高くなった膨張部によって拘束され、衝撃から保護される。
なお、以下の記載においては、車両の前進方向を前方として説明し、車両の後進方向を後方として説明する。また、車両の幅方向(車幅方向)についての中央部を基準とし、その中央部に近づく側を「車内側」とし、中央部から遠ざかる側を「車外側」とするものとする。また、車両用シートには、乗員として、標準的な体格を有する大人が、予め定められた適正な姿勢で着座しているものとする。
シートバック14の内部には、その骨格をなすシートフレームが配置されている。シートフレームの一部は、図4に示すように、シートバック14内の車外側部分に配置されており、この部分(以下「サイドフレーム部15」という)は、金属板を曲げ加工等することによって形成されている。サイドフレーム部15を含むシートフレームの前側には、ウレタンフォーム等の弾性材からなるシートパッド16が配置されている。また、シートフレームの後側には、合成樹脂等によって形成された硬質のバックボード17が配置されている。なお、シートパッド16は表皮によって被覆されているが、図4ではその表皮の図示が省略されている。後述する図9についても同様である。
<ガス発生器30>
図4及び図6に示すように、ガス発生器30は、インフレータ31と、そのインフレータ31を覆うリテーナ32とを備えている。ここでは、インフレータ31として、パイロタイプと呼ばれるタイプが採用されている。インフレータ31は略円柱状をなしており、その内部には、膨張用ガスを発生するガス発生剤が収容されている。インフレータ31は、その上端部にガス噴出部(図示略)を有している。また、インフレータ31の下端部には、作動信号の入力配線となるハーネス(図示略)が接続されている。
図1及び図2に示すように、エアバッグ40は、その外殻部分を構成するエアバッグ本体41と、エアバッグ本体41内に設けられた縦区画部60とを備えている。
図5は、エアバッグ本体41及び縦区画部60をそれぞれ展開させた状態で示している。また、図6は、エアバッグ本体41が非膨張展開状態にされたエアバッグモジュールAMの内部構造を示している。ここで、非膨張展開状態とは、エアバッグ本体41が膨張用ガスを充填させることなく平面状に展開させられた状態をいうものとする。
図1及び図6に示すように、両主布部43,44の間であって、主周縁結合部45及び折り線42によって囲まれた箇所は、膨張用ガスによって乗員Pの胸部PTの側方で展開及び膨張することにより、同胸部PTを拘束して衝撃から保護するための膨張室46となっている。
膨張室46は、縦区画部60によって2つに区画されている。縦区画部60は、一般的にテザーと呼ばれるものと同様の構成を有している。縦区画部60は特許請求の範囲における副布部に相当する部材であり、上記両主布部43,44の間に配置されている。
エアバッグ本体41が非膨張展開状態(図6参照)にされているときには、縦区画部60は、両主布部43,44の間において、略上下方向に延びる折り線61に沿って前方へ二つ折りされている。二つ折り状態の縦区画部60の上端部及び下端部は、上述した主周縁結合部45によって両主布部43,44に対し、共縫いにより結合されている。
そして、図6及び図9に示すように、縦区画部60は、車幅方向両側の周縁部に沿って上下方向へ延びるように設けられた一対の副周縁結合部62によって、対応する主布部43,44に結合されている。縦区画部60は、上記の結合により、両主布部43,44間に架け渡されている。膨張室46において、縦区画部60よりも後側の部分は、乗員Pの胸部PTの後半部の側方で展開及び膨張する上流側膨張部63を構成している。また、膨張室46において、縦区画部60よりも前側の部分は、胸部PTの前半部の側方で展開及び膨張する下流側膨張部64を構成している。
ところで、エアバッグモジュールAMは、非膨張展開状態のエアバッグ本体41(図6参照)が折り畳まれることにより、コンパクトな形態(以下「収納用形態」という)にされている。これは、エアバッグモジュールAMを、シートバック14における限られた大きさの収納部18に対し、収納に適したものとするためである。
図10(a)〜(c)は、縦区画部60における調圧弁70及びその周辺部分の形態が、膨張用ガスの供給開始後、時間とともに変化する様子を模式的に示したものであり、細部については図示が省略及び簡略化されている。
ボディサイド部11がさらに車内側へ進入することで、乗員Pの胸部PTの後半部が上流側膨張部63によって車内側へ押圧され始める。上流側膨張部63内に膨張用ガスが供給され続ける一方、ボディサイド部11から加わる外力により、調圧弁70が開き始める。
(1)上流側膨張部63の一部をなす縦区画部60(副布部)を、端部同士が厚み方向に重ね合わされた一対の副布片71,76によって構成する。縦区画部60における調圧弁70として、一対の重ね合わせ部72,77と連通部81とを備えるものを採用する。一対の重ね合わせ部72,77を、上記重ね合わされた副布片71,76毎の端部によって構成する。連通部81を、両重ね合わせ部72,77の間において両副周縁結合部62で挟まれた箇所により構成し、この連通部81によって上流側膨張部63の内外を連通させる。両重ね合わせ部72,77には、易開部73,78と、それらよりも多くの量重ね合わされることで同易開部73,78よりも開きにくく構成された難開部74,79とを設けている(図5、図8)。
(3)易開部73,78の重ね合わせ量を、車幅方向(両主布部43,44の配列方向)の中央部で最少に設定し、同中央部から車幅方向の両側へ遠ざかるに従い多くなるように設定している(図8)。
<膨張室46について>
・エアバッグ本体41は、その略全体が上記実施形態のように膨張室46からなるものであってもよいが、膨張用ガスが供給されず膨張することのない非膨張部を一部に有するものであってもよい。
・縦区画部60の車幅方向の両方の周縁部は、主布部43,44に対し、ともに上流側膨張部63内で結合されてもよいし、下流側膨張部64内で結合(図6参照)されてもよい。
・二つ折り状態の縦区画部60は、折り線61を副周縁結合部62よりも下流側膨張部64側に位置させた状態で非膨張展開状態のエアバッグ本体41内に配設されてもよい。
・調圧弁70として、上記実施形態で説明したものに代え、上流側膨張部63の内圧が所定値を越えることを条件とし、その条件が満たされるまでは実質的に閉じ(若干開いているものを含む)、同条件が満たされることにより開くものが用いられてもよい。
図11に示す変形例では、難開部74,79の重ね合わせ量が、車幅方向(両主布部43,44の配列方向:図11では左右方向)の位置に拘らず一定に設定されている。また、易開部73,78の重ね合わせ量は、車幅方向の中央部で最少に設定され、同中央部から車幅方向の両側へ遠ざかるに従い多くなるように設定されている。
・車両用シート12のシートバック14に代えてボディサイド部11に収納部18が設けられ、ここにエアバッグモジュールAMが組み込まれてもよい。
・上記サイドエアバッグ装置は、シートバック14が車両の前方とは異なる方向、例えば側方を向く姿勢で車両用シート12が配置された車両において、その車両用シート12に対し側方(車両の前後方向)から衝撃が加わった場合に、同衝撃から乗員Pを保護するタイプのサイドエアバッグ装置にも適用可能である。
・上記エアバッグ装置は、上述したサイドエアバッグ装置とは異なるタイプのエアバッグ装置にも適用可能である。
・上記エアバッグ装置は、車両以外の乗物、例えば航空機、船舶等に装備されて、乗物用シートに着座している乗員を衝撃から保護するエアバッグ装置にも適用可能である。
Claims (5)
- 周縁部に設けた主周縁結合部により相互に結合された一対の主布部と、前記両主布部の間に配置され、かつ周縁部に設けた一対の副周縁結合部により前記各主布部に結合された副布部とにより袋状に構成され、乗員に接近した箇所で膨張用ガスにより展開及び膨張する膨張部を備え、
前記副布部は複数の副布片により構成され、かつ前記膨張部の内圧を調整する調圧弁を備え、
前記調圧弁は、隣り合う前記副布片であって、前記副布部の厚み方向に互いに重ね合わされた端部により構成された一対の重ね合わせ部と、前記両重ね合わせ部の間において前記両副周縁結合部で挟まれた箇所により構成されて前記膨張部の内外を連通させる連通部とを備え、前記膨張部による乗員の拘束前、又は前記膨張部への膨張用ガスの供給初期には、前記重ね合わせ部で前記連通部を塞ぐことで膨張用ガスの流通を制限し、前記膨張部による乗員拘束に伴い加わる外力に応じて、又は前記膨張部の内圧上昇に応じて、前記重ね合わせ部を変形させて前記連通部を開くことで前記制限を解除するものであり、
前記両重ね合わせ部には、易開部と、前記易開部よりも多くの量重ね合わされることで同易開部よりも開きにくく構成された難開部とが設けられているエアバッグ装置。 - 前記易開部は、前記両重ね合わせ部のうち、前記両主布部の配列方向の中央部を含む部分に設けられ、前記難開部は、前記配列方向について前記易開部の両側部に設けられている請求項1に記載のエアバッグ装置。
- 前記易開部の重ね合わせ量は、前記両主布部の配列方向の中央部で最少に設定され、同中央部から前記配列方向の両側へ遠ざかるに従い多くなるように設定されている請求項2に記載のエアバッグ装置。
- 前記難開部の重ね合わせ量は、前記両主布部の配列方向の両端部で最大に設定され、同端部から前記配列方向の中央部側へ遠ざかるに従い少なくなるように設定されている請求項2又は3に記載のエアバッグ装置。
- 前記易開部及び前記難開部の各重ね合わせ量は、前記両主布部の配列方向に一定に設定され、
前記易開部及び前記難開部の境界部分での重ね合わせ量は、前記易開部から前記難開部側へ遠ざかるに従い多くなるように設定されている請求項2に記載のエアバッグ装置。
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JP2012228986A (ja) * | 2011-04-27 | 2012-11-22 | Toyoda Gosei Co Ltd | サイドエアバッグ装置 |
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