JP2016047666A - エアバッグ装置 - Google Patents

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Matsuo Nagata
松雄 永田
健作 本田
Kensaku Honda
健作 本田
宏紀 田中
Hiroki Tanaka
宏紀 田中
幸史 柴山
Yukifumi Shibayama
幸史 柴山
暢哉 中野
Nobuya Nakano
暢哉 中野
喜明 後藤
Yoshiaki Goto
喜明 後藤
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Abstract

【課題】膨張用ガスの流出開始タイミング及び流出量を調整しやすくする。
【解決手段】調圧弁70は、副布片71,76において縦区画部60(副布部)の厚み方向に互いに重ね合わされた一対の重ね合わせ部72,77と、両重ね合わせ部72,77の間で一対の副周縁結合部62にて挟まれた箇所に設けられて上流側膨張部の内外を連通させる連通部81とを備える。調圧弁70は、上流側膨張部による乗員拘束前には、重ね合わせ部72,77で連通部81を塞ぐことで、連通部81での膨張用ガスの流通を制限し、上流側膨張部による乗員拘束に伴い加わる外力に応じて、重ね合わせ部72,77を変形させて連通部81を開くことで流通制限を解除する。両重ね合わせ部72,77には、易開部73,78と、それらよりも多くの量重ね合わされることで易開部73,78よりも開きにくくされた難開部74,79とが設けられている。
【選択図】図5

Description

本発明は、衝突等により乗物に衝撃が加わった場合に、乗物用シートに着座している乗員に接近した箇所でエアバッグを展開及び膨張させて、乗員を衝撃から保護するエアバッグ装置に関する。
衝突等により車両に衝撃が加わった場合に乗員をその衝撃から保護する装置として、ガス発生器から膨張用ガスを発生させ、その膨張用ガスにより乗員に接近した箇所でエアバッグを展開及び膨張させて衝撃を緩和するエアバッグ装置が有効である。
上記エアバッグ装置の一形態として、例えば、特許文献1に記載されたものがある。図13に示すように、このエアバッグ装置のエアバッグ101は、一対の主布部102と、両主布部102の間に配置された副布部103とを備えている。
両主布部102は、それらの周縁部に沿って設けた主周縁結合部(図示略)によって相互に結合されている。また、副布部103は、その周縁部に沿って設けた一対の副周縁結合部106によって対応する主布部102に結合されている。両主布部102の間に形成される膨張室は、副布部103によって、上流側膨張部104及び下流側膨張部105に区画されている。
副布部103は、上流側膨張部104及び下流側膨張部105の各内圧を調整する調圧弁107を備えている。この調圧弁107の形成のために、副布部103は、上下方向に並べられた一対の副布片108,109によって構成されている。副布片108,109の端部同士は、副布部103の厚み方向に帯状に重ね合わされている。副布片108,109の重ね合わされた部分は、両主布部102の配列方向(車幅方向)に沿って延びる内結合部111によって結合されている。
調圧弁107は、副布片108,109毎の重ね合わせ部112と、両重ね合わせ部112の間に設けられて上流側膨張部104及び下流側膨張部105を連通させる連通部113とを備える。すなわち、上述した内結合部111は、両主布部102の配列方向の中央部分において両重ね合わせ部112の結合を解除されており、この内結合部111による結合を解除された箇所が連通部113を構成している。
なお、関連する技術として、特許文献2に記載されたエアバッグ装置では、上側の副布片の下端部が上方へ折り返されて重ね合わせ部とされている。また、同特許文献2に記載された別のエアバッグ装置では、1枚の布片によって副布部が構成されている。この布片の中間部分が折り返されることで、副布部の厚み方向に互いに重ね合わされた複数の重ね合わせ部が形成されている。隣り合う一対の重ね合わせ部が内結合部によって結合されて、両重ね合わせ部の境界部分にスリットが形成されている。
特許文献2における上記いずれのエアバッグ装置でも、調圧弁が一対の重ね合わせ部と連通部とを備える点で、上記特許文献1と共通している。
上記特許文献1及び特許文献2に記載されたエアバッグ装置では、調圧弁107は、上流側膨張部104による乗員の拘束前には、両重ね合わせ部112によって連通部113を塞ぐことで、連通部113での膨張用ガスの流通を制限する。また、調圧弁107は、上流側膨張部104による乗員拘束時には、その拘束に伴い上流側膨張部104に加わる外力に応じて、両重ね合わせ部112を変形させて連通部113を開くことで流通制限を解除する。そのため、調圧弁107により、上流側膨張部104及び下流側膨張部105の各内圧を調整し、乗員を好適な内圧で拘束し、衝撃から有効に保護することが可能である。
特開2012−228986号公報 特開2012−30614号公報
ところが、上記特許文献1及び特許文献2に記載されたエアバッグ装置では、内結合部111のうち結合を解除される箇所の長さを変えて連通部113の長さを変更した場合、上流側膨張部104の膨張用ガスが連通部113から流出し始めるタイミング、及び流出する量の両者が変化するため、個別に調整したい場合に、対処することが難しい。
なお、上述した問題は、調圧弁107が、上流側膨張部104の内圧の上昇に伴って連通部113を開くものでも同様に起こり得る。
また、上述した問題は、下流側膨張部105が設けられておらず、調圧弁107が膨張用ガスを上流側膨張部104の外部へ排出させる排気弁として機能するエアバッグ装置でも同様に起こり得る。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、膨張用ガスの流出開始タイミング及び流出量を調整しやすくすることのできるエアバッグ装置を提供することにある。
上記課題を解決するエアバッグ装置は、周縁部に設けた主周縁結合部により相互に結合された一対の主布部と、前記両主布部の間に配置され、かつ周縁部に設けた一対の副周縁結合部により前記各主布部に結合された副布部とにより袋状に構成され、乗員に接近した箇所で膨張用ガスにより展開及び膨張する膨張部を備え、前記副布部は複数の副布片により構成され、かつ前記膨張部の内圧を調整する調圧弁を備え、前記調圧弁は、隣り合う前記副布片であって、前記副布部の厚み方向に互いに重ね合わされた端部により構成された一対の重ね合わせ部と、前記両重ね合わせ部の間において前記両副周縁結合部で挟まれた箇所により構成されて前記膨張部の内外を連通させる連通部とを備え、前記膨張部による乗員の拘束前、又は前記膨張部への膨張用ガスの供給初期には、前記重ね合わせ部で前記連通部を塞ぐことで膨張用ガスの流通を制限し、前記膨張部による乗員拘束に伴い加わる外力に応じて、又は前記膨張部の内圧上昇に応じて、前記重ね合わせ部を変形させて前記連通部を開くことで前記制限を解除するものであり、前記両重ね合わせ部には、易開部と、前記易開部よりも多くの量重ね合わされることで同易開部よりも開きにくく構成された難開部とが設けられている。
上記の構成によれば、乗物への衝撃に応じ、膨張用ガスが膨張部に供給されると、同膨張部が展開及び膨張を開始する。
膨張部によって乗員が拘束される前、又は膨張部に膨張用ガスが供給される初期には、調圧弁では、重ね合わせ部が易開部でも難開部でも重ね合わされる。連通部が塞がれた状態となり、同連通部での膨張用ガスの流通が制限される。そのため、膨張用ガスが膨張部に溜まり、同膨張部の内圧が高くなる。乗員は、このように内圧の高くなった膨張部によって拘束され、衝撃から保護される。
膨張部による乗員拘束に伴い同膨張部に外力が加わると、又は膨張用ガスにより膨張部の内圧が上昇すると、重ね合わせ部が変形させられる。この変形により、重ね合わせ量が少なく難開部よりも開きやすい易開部が難開部よりも先に開く。すると、連通部の易開部に対応した箇所が開放されて、膨張部内の膨張用ガスがその開放部分から流出し始める。易開部に遅れて難開部が開くと、上記易開部のみが開いた場合よりも連通部が多く開放され、膨張部内のより多くの量の膨張用ガスが流出する。そして、膨張用ガスの上記流出により、膨張部の内圧が低下する。
ここで、易開部が開き始めるタイミングが、膨張用ガスが流出を始めるタイミングとなる。しかも、易開部の重ね合わせ量によって、易開部の開きやすさが決定される。従って、易開部の重ね合わせ量を調整することで、両重ね合わせ部が開き始めるタイミング、ひいては膨張部内の膨張用ガスが流出し始めるタイミングを調整することが可能である。
また、易開部の重ね合わせ量と、難開部の重ね合わせ量とによって、連通部の開放量が決定される。開きやすい易開部の重ね合わせ量が少なくなるに従い、また、開きにくい難開部の重ね合わせ量が多くなるに従い、連通部の開放量が少なくなる。一方、連通部の開放量が少なくなるに従い、連通部を通過して流出する膨張用ガスの量が少なくなる。従って、易開部の重ね合わせ量と、難開部の重ね合わせ量とを調整することで、膨張用ガスの流出量を調整することが可能である。
上記エアバッグ装置において、前記易開部は、前記両重ね合わせ部のうち、前記両主布部の配列方向の中央部を含む部分に設けられ、前記難開部は、前記配列方向について前記易開部の両側部に設けられていることが好ましい。
上記の構成によれば、両重ね合わせ部が、その周縁部に設けた副周縁結合部により各主布部に結合されていることから、重ね合わせ部において副周縁結合部に近い部分では、重ね合わせられた状態を維持しようとする力が強い。しかし、この力は、副周縁結合部から遠ざかるに従い小さくなり、両主布部の配列方向の中央部分において最小となる。
この点、上記の構成によるように、易開部が、両重ね合わせ部のうち、両主布部の配列方向の中央部を含む部分に設けられることで、一層開きやすくなる。また、難開部は、上記配列方向について易開部の両側部に設けられることで、一層開きにくくなる。
上記エアバッグ装置において、前記易開部の重ね合わせ量は、前記両主布部の配列方向の中央部で最少に設定され、同中央部から前記配列方向の両側へ遠ざかるに従い多くなるように設定されていることが好ましい。
易開部の重ね合わせ量が上記の条件を満たすように設定されることで、易開部は、両主布部の配列方向の中央部において最も開き易く、中央部から配列方向の両側へ遠ざかるに従い開きにくくなる。
上記エアバッグ装置において、前記難開部の重ね合わせ量は、前記両主布部の配列方向の両端部で最大に設定され、同端部から前記配列方向の中央部側へ遠ざかるに従い少なくなるように設定されていることが好ましい。
難開部の重ね合わせ量が上記の条件を満たすように設定されることで、難開部は、両主布部の配列方向の両端部において最も開き難く、同端部から上記配列方向の中央部側へ遠ざかるに従い開きやすくなる。
上記エアバッグ装置において、前記易開部及び前記難開部の各重ね合わせ量は、前記両主布部の配列方向に一定に設定され、前記易開部及び前記難開部の境界部分での重ね合わせ量は、前記易開部から前記難開部側へ遠ざかるに従い多くなるように設定されていることが好ましい。
上記の構成によれば、易開部は、両主布部の配列方向のどの箇所でも同程度に開きやすくなる。また、難開部は、両主布部の配列方向のどの箇所でも同程度に開きにくくなる。さらに、易開部及び難開部の境界部分は、易開部から難開部側へ遠ざかるに従い開きにくくなる。
上記エアバッグ装置によれば、膨張用ガスの流出開始タイミング及び流出量を調整しやすくすることができる。
エアバッグ装置を車両用のサイドエアバッグ装置に具体化した一実施形態を示す図であり、同装置が設けられた車両用シートを乗員とともに示す側面図。 一実施形態において、車両用シート、エアバッグ、乗員及びボディサイド部の位置関係を示す平断面図。 一実施形態において、車両用シート、エアバッグ、乗員及びボディサイド部の位置関係を示す正断面図。 一実施形態において、エアバッグモジュールが組み込まれたシートバックの側部の内部構造を示す部分平断面図。 一実施形態において、エアバッグの各構成部材を展開させた状態で示す分解斜視図。 一実施形態において、エアバッグ本体が非膨張展開状態にされたエアバッグモジュールの内部構造を乗員及び車両用シートとともに示す部分側断面図。 一実施形態における縦区画部の分解斜視図。 一実施形態における調圧弁の部分正面図。 図4のエアバッグ本体がその一部をシートバック内に残して車両用シートから飛び出して展開及び膨張した状態を示す部分平断面図。 (a)〜(c)は、一実施形態における調圧弁の動作を模式的に示す側断面図。 図8に対応する図であり、調圧弁の変形例を示す部分正面図。 同じく図8に対応する図であり、調圧弁の変形例を示す部分正面図。 従来のエアバッグ装置における調圧弁及びその周辺部分を示す部分斜視図。
以下、エアバッグ装置を車両用のサイドエアバッグ装置に具体化した一実施形態について、図1〜図10を参照して説明する。
なお、以下の記載においては、車両の前進方向を前方として説明し、車両の後進方向を後方として説明する。また、車両の幅方向(車幅方向)についての中央部を基準とし、その中央部に近づく側を「車内側」とし、中央部から遠ざかる側を「車外側」とするものとする。また、車両用シートには、乗員として、標準的な体格を有する大人が、予め定められた適正な姿勢で着座しているものとする。
図1〜図3に示すように、車両10においてボディサイド部11の車内側の近傍には、乗物用シートとして車両用シート12が配置されている。ここで、ボディサイド部11とは、車両10の側部に配置された車両構成部材を指し、主としてドア、ピラー等がこれに該当する。例えば、前席に対応するボディサイド部11は、フロントドア、センターピラー(Bピラー)等である。また、後席に対応するボディサイド部11は、サイドドア(リヤドア)の後部、Cピラー、タイヤハウスの前部、リヤクォータ等である。
車両用シート12は、シートクッション13と、そのシートクッション13の後側から起立し、かつ傾斜角度を調整可能に構成されたシートバック14とを備えている。車両用シート12は、シートバック14が前方を向く姿勢で車室内に配置されている。このように配置された車両用シート12の幅方向は、車幅方向と合致する。
次に、シートバック14における車外側の側部の内部構造について説明する。
シートバック14の内部には、その骨格をなすシートフレームが配置されている。シートフレームの一部は、図4に示すように、シートバック14内の車外側部分に配置されており、この部分(以下「サイドフレーム部15」という)は、金属板を曲げ加工等することによって形成されている。サイドフレーム部15を含むシートフレームの前側には、ウレタンフォーム等の弾性材からなるシートパッド16が配置されている。また、シートフレームの後側には、合成樹脂等によって形成された硬質のバックボード17が配置されている。なお、シートパッド16は表皮によって被覆されているが、図4ではその表皮の図示が省略されている。後述する図9についても同様である。
シートパッド16内において、サイドフレーム部15の車外側近傍には収納部18が設けられている。この収納部18には、サイドエアバッグ装置の主要部をなすエアバッグモジュールAMが組み込まれている。
収納部18の角部からは、斜め前かつ車外側に向けてスリット19が延びている。シートパッド16の前側の角部16cとスリット19とによって挟まれた箇所(図4において二点鎖線の枠で囲んだ箇所)は、後述するエアバッグ40によって破断される破断予定部21を構成している。
エアバッグモジュールAMは、ガス発生器30及びエアバッグ40を主要な構成部材として備えている。次に、これらの構成部材の各々について説明する。
<ガス発生器30>
図4及び図6に示すように、ガス発生器30は、インフレータ31と、そのインフレータ31を覆うリテーナ32とを備えている。ここでは、インフレータ31として、パイロタイプと呼ばれるタイプが採用されている。インフレータ31は略円柱状をなしており、その内部には、膨張用ガスを発生するガス発生剤が収容されている。インフレータ31は、その上端部にガス噴出部(図示略)を有している。また、インフレータ31の下端部には、作動信号の入力配線となるハーネス(図示略)が接続されている。
なお、インフレータ31としては、上記ガス発生剤を用いたパイロタイプに代えて、高圧ガスの充填された高圧ガスボンベの隔壁を火薬等によって破断して膨張用ガスを噴出させるタイプ(ハイブリッドタイプ)が用いられてもよい。
一方、リテーナ32は、膨張用ガスの噴出する方向を制御するディフューザとして機能するとともに、インフレータ31をエアバッグ40と一緒にサイドフレーム部15に締結する機能を有する部材である。リテーナ32の大部分は、金属板等の板材を曲げ加工等することによって略筒状に形成されている。リテーナ32には、これをサイドフレーム部15に取付けるための係止部材として、複数本のボルト33が固定されている。なお、ガス発生器30は、インフレータ31とリテーナ32とが一体になったものであってもよい。
<エアバッグ40>
図1及び図2に示すように、エアバッグ40は、その外殻部分を構成するエアバッグ本体41と、エアバッグ本体41内に設けられた縦区画部60とを備えている。
<エアバッグ本体41>
図5は、エアバッグ本体41及び縦区画部60をそれぞれ展開させた状態で示している。また、図6は、エアバッグ本体41が非膨張展開状態にされたエアバッグモジュールAMの内部構造を示している。ここで、非膨張展開状態とは、エアバッグ本体41が膨張用ガスを充填させることなく平面状に展開させられた状態をいうものとする。
図5及び図6に示すように、エアバッグ本体41は、1枚の布片(基布、パネル布等とも呼ばれる)を、その中央部分に設定した折り線42に沿って前方へ二つ折りして車幅方向に重ね合わせ、その重ね合わされた部分を袋状となるように結合させることにより形成されている。ここでは、エアバッグ本体41について上記の重ね合わされた2つの部分を区別するために、車内側に位置するものを主布部43といい、車外側に位置するものを主布部44というものとする。両主布部43,44は車幅方向に沿って配列されている。表現を変えると、両主布部43,44の配列方向と車幅方向とは合致している。
なお、本実施形態では、布片が折り線42に沿って二つ折りされることによりエアバッグ本体41が形成されているが、エアバッグ本体41は折り線42に沿って分割された2枚の布片からなるものであってもよい。この場合には、エアバッグ本体41は、2枚の布片を車幅方向に重ね合わせ、両布片を、袋状となるように結合させることにより形成される。さらに、主布部43,44の少なくとも一方は、複数枚の布片によって構成されてもよい。
エアバッグ本体41においては、両主布部43,44の外形形状が、折り線42を対称軸として互いに線対称の関係にある。各主布部43,44は、エアバッグ本体41が車両用シート12とボディサイド部11との間で展開及び膨張したときに、その車両用シート12に着座している乗員Pの胸部PTの側方の領域を占有し得る形状及び大きさに形成されている。
上記両主布部43,44としては、強度が高く、かつ可撓性を有していて容易に折り畳むことのできる素材、例えばポリエステル糸、ポリアミド糸等を用いて形成した織布等が適している。
両主布部43,44の上記結合は、それらの周縁部に設けられた主周縁結合部45においてなされている。本実施形態では、主周縁結合部45の大部分は、両主布部43,44の周縁部のうち、後端部(折り線42の近傍部分)を除く部分を、縫製(縫糸で縫合)することにより形成されている。この点は、後述する副周縁結合部62についても同様である。
上記縫製に関し、図6では、2つの線種によって縫製部分が表現されている。一方の線種は、一定長さの太線を断続的に並べて表現した線であり、これは、縫糸を側方から見た状態を示している(副周縁結合部62参照)。他方の線種は、点を一定間隔おきに並べて表現した線であり、これは、縫製部分を通る断面に沿った縫糸の断面を示している(主周縁結合部45参照)。
なお、主周縁結合部45及び副周縁結合部62は、上記縫糸を用いた縫合とは異なる手段、例えば接着剤を用いた接着によって形成されてもよい。
図1及び図6に示すように、両主布部43,44の間であって、主周縁結合部45及び折り線42によって囲まれた箇所は、膨張用ガスによって乗員Pの胸部PTの側方で展開及び膨張することにより、同胸部PTを拘束して衝撃から保護するための膨張室46となっている。
図5及び図6に示すように、二つ折りされたエアバッグ本体41の後端下部には、折り線42に直交する方向へ延びるスリット47が形成されている。両主布部43,44においてスリット47よりも下側部分は、他の部分の内側へ折り曲げた状態で入り込ませられた内折り部48となっている。内折り部48の下端部は、主周縁結合部45によって両主布部43,44の他の部分に対し、共縫いにより結合されている。また、内折り部48の形成に伴いスリット47が開かれて、ガス発生器30の挿入口49が形成されている。
また、主布部43においてスリット47の上方近傍となる複数箇所には、ガス発生器30のボルト33(図4参照)を挿通させるためのボルト孔51があけられている。
膨張室46は、縦区画部60によって2つに区画されている。縦区画部60は、一般的にテザーと呼ばれるものと同様の構成を有している。縦区画部60は特許請求の範囲における副布部に相当する部材であり、上記両主布部43,44の間に配置されている。
<縦区画部60>
エアバッグ本体41が非膨張展開状態(図6参照)にされているときには、縦区画部60は、両主布部43,44の間において、略上下方向に延びる折り線61に沿って前方へ二つ折りされている。二つ折り状態の縦区画部60の上端部及び下端部は、上述した主周縁結合部45によって両主布部43,44に対し、共縫いにより結合されている。
図5に示すように、縦区画部60は、展開させられた状態では、上下方向の寸法が車幅方向の寸法よりも長くなる縦長の形状を有している。
そして、図6及び図9に示すように、縦区画部60は、車幅方向両側の周縁部に沿って上下方向へ延びるように設けられた一対の副周縁結合部62によって、対応する主布部43,44に結合されている。縦区画部60は、上記の結合により、両主布部43,44間に架け渡されている。膨張室46において、縦区画部60よりも後側の部分は、乗員Pの胸部PTの後半部の側方で展開及び膨張する上流側膨張部63を構成している。また、膨張室46において、縦区画部60よりも前側の部分は、胸部PTの前半部の側方で展開及び膨張する下流側膨張部64を構成している。
表現を変えると、縦区画部60は、主布部43,44の各一部(後部)とともに上流側膨張部63の壁部を構成する副布部として機能している。また、縦区画部60は、主布部43,44の各一部(前部)とともに下流側膨張部64の壁部を構成する副布部として機能している。
縦区画部60は、上流側膨張部63及び下流側膨張部64の各内圧を調整する調圧弁70を備えている。より詳しくは、図5及び図7に示すように、縦区画部60は、主布部43,44と同様の素材からなり、かつ上下方向に並べられた2つの副布片71,76によって構成されている。
上側の副布片71の下端部と、下側の副布片76の上端部とは、縦区画部60の厚み方向である前後方向に互いに重ね合わされている。副布片71の下端部は重ね合わせ部72を構成し、副布片76の上端部は重ね合わせ部77を構成している。
両重ね合わせ部72,77の間であって、両副周縁結合部62によって挟まれた箇所は、上流側膨張部63の内外を連通させる、本実施形態では上流側膨張部63と下流側膨張部64とを連通させる連通部81を構成している。
そして、両重ね合わせ部72,77及び連通部81によって調圧弁70が構成されている。この調圧弁70は、上流側膨張部63による乗員Pの拘束前には、重ね合わせ部72,77を互いに接触させて連通部81を塞ぐことで、同連通部81での膨張用ガスの流通を制限する(図10(a))。また、調圧弁70は、上流側膨張部63による乗員拘束に伴い加わる外力に応じて、両重ね合わせ部72,77を変形させて連通部81を開くことで上記流通制限を解除する(図10(c))。
図5及び図8に示すように、両重ね合わせ部72,77には、易開部73,78と、易開部73,78よりも多くの量重ね合わされることで同易開部73,78よりも開きにくく構成された一対の難開部74,79とが、車幅方向に沿って並べられた状態で設けられている。
本実施形態では、易開部73,78は、両重ね合わせ部72,77のうち、車幅方向の中央部を含む部分に設けられ、難開部74,79は、車幅方向について易開部73,78の両側部に設けられている。
より詳しくは、上側の副布片71の重ね合わせ部72には、その下端縁から上方へ凹む円弧状の凹部72aが形成されている。凹部72aの凹みの度合いは、車幅方向の中央部で最大であり、中央部から車幅方向の両側へ遠ざかるに従い小さくなる。また、下側の副布片76の重ね合わせ部77には、その上端縁から下方へ凹む円弧状の凹部77aが形成されている。凹部77aの凹みの度合いは、車幅方向の中央部で最大であり、中央部から車幅方向の両側へ遠ざかるに従い小さくなる。
ここで、両重ね合わせ部72,77において、重ね合わされた箇所の上下方向の寸法を重ね合わせ量とする。すると、上記のように重ね合わせ部72,77に凹部72a,77aが形成されることにより、易開部73,78の重ね合わせ量は、車幅方向の中央部で最少であり、同中央部から車幅方向の両側へ離れるに従い多くなっている。また、難開部74,79の重ね合わせ量は、車幅方向の両端部で最大であり、同端部から同車幅方向の中央部側へ遠ざかるに従い少なくなっている。
ただし、凹部72a,77aがともに円弧状をなしていることから、重ね合わせ量の変化の度合いは、車幅方向の中央部及びその付近で小さく、同車幅方向の端部及びその付近で大きい。
なお、縦区画部60の一部を構成する両重ね合わせ部72,77は、両副周縁結合部62によって、対応する主布部43,44に結合されていることについては上述した通りである。両重ね合わせ部72,77は、これらの副周縁結合部62によって相互に連結されている。両重ね合わせ部72,77は、特許文献1及び特許文献2とは異なり、他の結合部(図13中の内結合部111)によっては相互に結合されていない。
そして、図6に示すように、ガス発生器30が略上下方向へ延びる姿勢にされたうえで、同ガス発生器30の下部を除く多くの部分が、略下方から挿入口49を通じて上流側膨張部63内の後端部に挿入されている。さらに、ボルト33が主布部43のボルト孔51(図5参照)に挿通されることにより、ガス発生器30がエアバッグ本体41に対し位置決めされた状態で係止されている。
なお、ガス発生器30の全体が上流側膨張部63内の後端部に配置され、ボルト33が主布部43のボルト孔51に挿通されてもよい。
ところで、エアバッグモジュールAMは、非膨張展開状態のエアバッグ本体41(図6参照)が折り畳まれることにより、コンパクトな形態(以下「収納用形態」という)にされている。これは、エアバッグモジュールAMを、シートバック14における限られた大きさの収納部18に対し、収納に適したものとするためである。
図4に示すように、エアバッグモジュールAMでは、ガス発生器30から延びて主布部43のボルト孔51に挿通されたボルト33がサイドフレーム部15に挿通され、その挿通状態のボルト33にナット34が締付けられている。この締付けにより、ガス発生器30がエアバッグ本体41と一緒にサイドフレーム部15に取付けられている。
なお、ガス発生器30は、上述したボルト33及びナット34とは異なる部材によってサイドフレーム部15に取付けられてもよい。また、リテーナ32が用いられることなくインフレータ31がサイドフレーム部15に直接取付けられてもよい。
サイドエアバッグ装置は、上述したエアバッグモジュールAMのほかに、図1に示す衝撃センサ91及び制御装置92を備えている。衝撃センサ91は加速度センサ等からなり、車両10のボディサイド部11に設けられており、同ボディサイド部11に外側方から加えられる衝撃を検出する。制御装置92は、衝撃センサ91の検出信号に基づきインフレータ31の作動を制御する。
さらに、車室内には、車両用シート12に着座している乗員Pをその車両用シート12に拘束するためのシートベルト装置が装備されているが、図1〜図3等ではこのシートベルト装置の図示が省略されている。
上記のようにして、本実施形態のサイドエアバッグ装置が構成されている。次に、このサイドエアバッグ装置の作用として、代表的な動作の態様(モード)について説明する。
図10(a)〜(c)は、縦区画部60における調圧弁70及びその周辺部分の形態が、膨張用ガスの供給開始後、時間とともに変化する様子を模式的に示したものであり、細部については図示が省略及び簡略化されている。
本実施形態のサイドエアバッグ装置では、ボディサイド部11に対し側方から衝撃が加わったことが衝撃センサ91によって検出されないときには、制御装置92からインフレータ31に対し、これを作動させるための作動信号が出力されず、膨張用ガスが噴出されない。エアバッグ本体41は、収納用形態で収納部18に収納され続ける。
これに対し、車両10の走行中等に、側突等によりボディサイド部11に所定値以上の衝撃が加わり、そのことが衝撃センサ91によって検出されると、その検出信号に基づき制御装置92からインフレータ31に対し、これを作動させるための作動信号が出力される。この作動信号に応じて、インフレータ31から膨張用ガスが噴出される。膨張用ガスが、収納用形態のエアバッグ本体41の上流側膨張部63に供給されることで、同上流側膨張部63が展開及び膨張を開始する。
縦区画部60が、展開及び膨張する上流側膨張部63によって、車幅方向の両側へ引っ張られる。重ね合わせ部72,77が易開部73,78でも難開部74,79でも重ね合わされる。また、図10(a)に示すように、両重ね合わせ部72,77に対しては、その重なり方向(厚み方向)から内圧PIが加わる。そのため、両重ね合わせ部72,77は、この内圧PIにより面全体で互いに密着し、連通部81での膨張用ガスの流通を規制する自己シール状態となる。
ここで、縦区画部60が、車幅方向よりも上下方向に長く形成されている(図5参照)ことから、縦区画部60では、車幅方向に対し、上下方向に対するよりも強いテンションがかかりやすい。両重ね合わせ部72,77は、この強いテンションのかかりやすい車幅方向に延びているため、閉じられやすい。
そのため、上流側膨張部63内の膨張用ガスは、両重ね合わせ部72,77間の連通部81を通って下流側膨張部64へ流出することを制限される。膨張用ガスが上流側膨張部63に溜まり、同上流側膨張部63の内圧が上昇する。
上記内圧の上昇により、上流側膨張部63が折り状態を解消(展開)しながら膨張していくと、シートバック14のシートパッド16が、上流側膨張部63によって押圧され、破断予定部21(図4参照)において破断される。上流側膨張部63は、図9に示すように、一部を収納部18に残した状態で、破断された箇所を通じてシートバック14から前方へ飛び出す。
図1及び図2に示すように、その後も膨張用ガスの供給される上流側膨張部63は、乗員Pの胸部PTの後半部とボディサイド部11との間を前方へ向けて展開及び膨張する。乗員Pの胸部PTの後半部は上流側膨張部63によって拘束され、側方から加わる衝撃から保護される。
なお、図9に示すように、車幅方向の両側へ引っ張られた縦区画部60は緊張した状態となって、上流側膨張部63の同方向の膨張厚みを規制する。
ボディサイド部11がさらに車内側へ進入することで、乗員Pの胸部PTの後半部が上流側膨張部63によって車内側へ押圧され始める。上流側膨張部63内に膨張用ガスが供給され続ける一方、ボディサイド部11から加わる外力により、調圧弁70が開き始める。
すなわち、上流側膨張部63への膨張用ガスの供給期間の途中からは、胸部PTの後半部の拘束に伴う外力が側方から加わって上流側膨張部63が押圧されて変形する。これに伴い、縦区画部60に対し車幅方向に強くかかっていたテンションが減少する。
また、上記変形に伴い上流側膨張部63の内圧PIがさらに上昇して、縦区画部60が下流側膨張部64側へ押圧されて(図10(b)参照)、同縦区画部60にかかるテンションが変化し、上下方向及び車幅方向のテンションの差が小さくなる。重ね合わせ部72,77の上下方向の変形が許容されるようになる。
この上下方向の変形により、両重ね合わせ部72,77では重ね合わせ量が減少する。そして、重ね合わせ量がなくなると、両重ね合わせ部72,77が開く(図10(c))。本実施形態では、図8に示すように、重ね合わせ量が少なく難開部74,79よりも開きやすい易開部73,78が、重ね合わせ量が多く易開部73,78よりも開きにくい難開部74,79よりも先に開く。
ここで、両重ね合わせ部72,77が、車幅方向の両側の周縁部に設けた副周縁結合部62により各主布部43,44に結合されていることから、重ね合わせ部72,77において副周縁結合部62に近い部分では、重ね合わせられた状態を維持しようとする力が強い。しかし、この力は、副周縁結合部62から遠ざかるに従い小さくなり、車幅方向の中央部分において最小となる。
この点、上述したように、易開部73,78が、両重ね合わせ部72,77のうち、車幅方向の中央部を含む部分に設けられることで、一層開きやすくなる。また、難開部74,79は、上記車幅方向について易開部73,78の両側部に設けられることで、一層開きにくくなる。
連通部81において車幅方向の中央部分が開放されると、上流側膨張部63内の膨張用ガスがその開放部分から下流側膨張部64へ流出し始める。易開部73,78に遅れて難開部74,79が開くと、易開部73,78のみが開いた場合よりも連通部81が多く開放され、上流側膨張部63内のより多くの量の膨張用ガスが連通部81を通じて下流側膨張部64へ流出する。そして、膨張用ガスの上記流出により、上流側膨張部63の内圧が低下し、下流側膨張部64の内圧が上昇する。
下流側膨張部64は、車内側へ進入するボディサイド部11により、乗員Pの胸部PTの前半部に押し付けられ始める。上流側膨張部63による胸部PTの後半部の拘束に加え、胸部PTの前半部が下流側膨張部64によって拘束される。
ここで、易開部73,78が開き始めるタイミングが、両重ね合わせ部72,77が開いて膨張用ガスが流出を始めるタイミングとなる。しかも、易開部73,78の重ね合わせ量によって、易開部73,78の開きやすさが決定される。易開部73,78の重ね合わせ量が少なくなるに従い、同易開部73,78が開きやすくなる。従って、易開部73,78の重ね合わせ量を調整することで、両重ね合わせ部72,77が開き始めるタイミング、ひいては上流側膨張部63内の膨張用ガスが流出し始めるタイミングを調整することが可能である。例えば、易開部73,78の重ね合わせ量を少なくすることで、膨張用ガスの流出開始タイミングが早まる。
また、易開部73,78の重ね合わせ量と、難開部74,79の重ね合わせ量とによって、連通部81の開放量が決定される。開きやすい易開部73,78の重ね合わせ量が少なくなるに従い、また、開きにくい難開部74,79の重ね合わせ量が多くなるに従い、連通部81の開放量が少なくなる。一方、連通部81の開放量が少なくなるに従い、連通部81を通過する膨張用ガスの量(流出量)が少なくなる。従って、易開部73,78の重ね合わせ量と、難開部74,79の重ね合わせ量とを調整することで、連通部81からの膨張用ガスの流出量を調整することが可能である。
さらに、難開部74,79よりも開きやすい易開部73,78のなかでも、開きやすさが車幅方向に異なる。易開部73,78は、車幅方向の中央部において最も開き易く、中央部から車幅方向の両側へ遠ざかるに従い開きにくくなる。
また、易開部73,78よりも開きにくい難開部74,79のなかでも、開きにくさが車幅方向に異なる。難開部74,79は、車幅方向の両端部において最も開きにくく、同端部から上記車幅方向の中央部側へ遠ざかるに従い開きやすくなる。
以上詳述した本実施形態によれば、次の効果が得られる。
(1)上流側膨張部63の一部をなす縦区画部60(副布部)を、端部同士が厚み方向に重ね合わされた一対の副布片71,76によって構成する。縦区画部60における調圧弁70として、一対の重ね合わせ部72,77と連通部81とを備えるものを採用する。一対の重ね合わせ部72,77を、上記重ね合わされた副布片71,76毎の端部によって構成する。連通部81を、両重ね合わせ部72,77の間において両副周縁結合部62で挟まれた箇所により構成し、この連通部81によって上流側膨張部63の内外を連通させる。両重ね合わせ部72,77には、易開部73,78と、それらよりも多くの量重ね合わされることで同易開部73,78よりも開きにくく構成された難開部74,79とを設けている(図5、図8)。
そのため、易開部73,78の重ね合わせ量を調整することで、上流側膨張部63内の膨張用ガスが流出し始めるタイミングを調整することができる。また、易開部73,78の重ね合わせ量と、難開部74,79の重ね合わせ量とを調整することで、膨張用ガスの上流側膨張部63からの流出量を調整することができる。その結果、膨張用ガスの流出開始タイミング及び流出量が、従来のもの(特許文献1及び特許文献2)よりも調整しやすくなる。
(2)易開部73,78を、両重ね合わせ部72,77のうち、車幅方向(両主布部43,44の配列方向)の中央部を含む部分に設ける。また、難開部74,79を、車幅方向について易開部73,78の両側部に設けている(図8)。
そのため、易開部73,78を一層開きやすくし、難開部74,79を一層開きにくくすることができる。
(3)易開部73,78の重ね合わせ量を、車幅方向(両主布部43,44の配列方向)の中央部で最少に設定し、同中央部から車幅方向の両側へ遠ざかるに従い多くなるように設定している(図8)。
そのため、難開部74,79よりも開きやすい易開部73,78のなかでも、開きやすさを車幅方向に異ならせることができ、膨張用ガスの流出開始タイミング及び流出量を一層調整しやすくすることができる。
(4)難開部74,79の重ね合わせ量を、車幅方向(両主布部43,44の配列方向)の両端部で最大に設定し、同端部から車幅方向の中央部側へ遠ざかるに従い少なくなるように設定している(図8)。
そのため、易開部73,78よりも開きにくい難開部74,79のなかでも、開きにくさを車幅方向に異ならせることができ、膨張用ガスの流出量を一層調整しやすくすることができる。
なお、上記実施形態は、これを以下のように変更した変形例として実施することもできる。
<膨張室46について>
・エアバッグ本体41は、その略全体が上記実施形態のように膨張室46からなるものであってもよいが、膨張用ガスが供給されず膨張することのない非膨張部を一部に有するものであってもよい。
・膨張室46は、上流側膨張部63のみによって構成されてもよい。この場合、副布部は、膨張室46を上流側膨張部63と下流側膨張部64とに区画する縦区画部60として機能せず、上流側膨張部63の前壁部として機能するのみである。また、この場合、調圧弁70は、膨張用ガスを上流側膨張部63の外部へ排出させる排気弁として機能する。
<縦区画部60について>
・縦区画部60の車幅方向の両方の周縁部は、主布部43,44に対し、ともに上流側膨張部63内で結合されてもよいし、下流側膨張部64内で結合(図6参照)されてもよい。
また、一方の周縁部が主布部43,44に対し上流側膨張部63内で結合され、他方の周縁部が下流側膨張部64内で結合されてもよい。
・二つ折り状態の縦区画部60は、折り線61を副周縁結合部62よりも下流側膨張部64側に位置させた状態で非膨張展開状態のエアバッグ本体41内に配設されてもよい。
<調圧弁70について>
・調圧弁70として、上記実施形態で説明したものに代え、上流側膨張部63の内圧が所定値を越えることを条件とし、その条件が満たされるまでは実質的に閉じ(若干開いているものを含む)、同条件が満たされることにより開くものが用いられてもよい。
・重ね合わせ部72,77が上記実施形態とは異なる形状に変更されてもよい。図11及び図12は、その一例を示している。
図11に示す変形例では、難開部74,79の重ね合わせ量が、車幅方向(両主布部43,44の配列方向:図11では左右方向)の位置に拘らず一定に設定されている。また、易開部73,78の重ね合わせ量は、車幅方向の中央部で最少に設定され、同中央部から車幅方向の両側へ遠ざかるに従い多くなるように設定されている。
より詳しくは、上側の副布片71の重ね合わせ部72において、その下端縁から上方へ凹むように形成された凹部72aは、三角形状をなしている。凹部72aの凹みの度合いは、車幅方向の中央部で最大であり、中央部から車幅方向の両側へ遠ざかるに従い小さくなる。また、下側の副布片76の重ね合わせ部77において、その上端縁から下方へ凹むように形成された凹部77aは、倒立三角形状をなしている。凹部77aの凹みの度合いは、車幅方向の中央部で最大であり、中央部から車幅方向の両側へ遠ざかるに従い小さくなる。
上記の構成により、難開部74,79は、車幅方向のどの箇所でも同程度に開きにくくなる。また、易開部73,78は、車幅方向の中央部で最も開きやすく、中央部から車幅方向の両側へ遠ざかるに従い開きにくくなる。
また、図12に示す変形例では、易開部73,78の重ね合わせ量が、車幅方向(両主布部43,44の配列方向:図12では左右方向)の位置に拘らず一定に設定されている。また、難開部74,79の重ね合わせ量は、車幅方向の位置に拘らず一定に設定されている。さらに、易開部73,78と難開部74,79との間の境界部分82での重ね合わせ量は、易開部73,78から難開部74,79側へ遠ざかるに従い多くなるように設定されている。
上記の構成により、易開部73,78は、車幅方向のどの箇所でも同程度に開きやすくなる。また、難開部74,79は、車幅方向のどの箇所でも同程度に開きにくくなる。さらに、境界部分82は、易開部73,78から車幅方向の両側へ遠ざかるに従い開きにくくなる。
・副布部は3枚以上の副布片によって構成されてもよい。この場合、調圧弁の一対の重ね合わせ部は、隣り合う副布片であって、副布部の厚み方向に互いに重ね合わされた端部によって構成される。
<エアバッグモジュールAMの収納部18について>
・車両用シート12のシートバック14に代えてボディサイド部11に収納部18が設けられ、ここにエアバッグモジュールAMが組み込まれてもよい。
<その他>
・上記サイドエアバッグ装置は、シートバック14が車両の前方とは異なる方向、例えば側方を向く姿勢で車両用シート12が配置された車両において、その車両用シート12に対し側方(車両の前後方向)から衝撃が加わった場合に、同衝撃から乗員Pを保護するタイプのサイドエアバッグ装置にも適用可能である。
・乗員Pの上半身について上流側膨張部63及び下流側膨張部64によって拘束及び保護される部位が、上記実施形態とは異なる部位に変更されてもよい。
・上記エアバッグ装置は、上述したサイドエアバッグ装置とは異なるタイプのエアバッグ装置にも適用可能である。
・上記エアバッグ装置が適用される車両には、自家用車に限らず各種産業車両も含まれる。
・上記エアバッグ装置は、車両以外の乗物、例えば航空機、船舶等に装備されて、乗物用シートに着座している乗員を衝撃から保護するエアバッグ装置にも適用可能である。
43,44…主布部、45…主周縁結合部、60…縦区画部(副布部)、62…副周縁結合部、63…上流側膨張部(膨張部)、70…調圧弁、71,76…副布片、72,77…重ね合わせ部、73,78…易開部、74,79…難開部、81…連通部、82…境界部分、P…乗員、PI…内圧。

Claims (5)

  1. 周縁部に設けた主周縁結合部により相互に結合された一対の主布部と、前記両主布部の間に配置され、かつ周縁部に設けた一対の副周縁結合部により前記各主布部に結合された副布部とにより袋状に構成され、乗員に接近した箇所で膨張用ガスにより展開及び膨張する膨張部を備え、
    前記副布部は複数の副布片により構成され、かつ前記膨張部の内圧を調整する調圧弁を備え、
    前記調圧弁は、隣り合う前記副布片であって、前記副布部の厚み方向に互いに重ね合わされた端部により構成された一対の重ね合わせ部と、前記両重ね合わせ部の間において前記両副周縁結合部で挟まれた箇所により構成されて前記膨張部の内外を連通させる連通部とを備え、前記膨張部による乗員の拘束前、又は前記膨張部への膨張用ガスの供給初期には、前記重ね合わせ部で前記連通部を塞ぐことで膨張用ガスの流通を制限し、前記膨張部による乗員拘束に伴い加わる外力に応じて、又は前記膨張部の内圧上昇に応じて、前記重ね合わせ部を変形させて前記連通部を開くことで前記制限を解除するものであり、
    前記両重ね合わせ部には、易開部と、前記易開部よりも多くの量重ね合わされることで同易開部よりも開きにくく構成された難開部とが設けられているエアバッグ装置。
  2. 前記易開部は、前記両重ね合わせ部のうち、前記両主布部の配列方向の中央部を含む部分に設けられ、前記難開部は、前記配列方向について前記易開部の両側部に設けられている請求項1に記載のエアバッグ装置。
  3. 前記易開部の重ね合わせ量は、前記両主布部の配列方向の中央部で最少に設定され、同中央部から前記配列方向の両側へ遠ざかるに従い多くなるように設定されている請求項2に記載のエアバッグ装置。
  4. 前記難開部の重ね合わせ量は、前記両主布部の配列方向の両端部で最大に設定され、同端部から前記配列方向の中央部側へ遠ざかるに従い少なくなるように設定されている請求項2又は3に記載のエアバッグ装置。
  5. 前記易開部及び前記難開部の各重ね合わせ量は、前記両主布部の配列方向に一定に設定され、
    前記易開部及び前記難開部の境界部分での重ね合わせ量は、前記易開部から前記難開部側へ遠ざかるに従い多くなるように設定されている請求項2に記載のエアバッグ装置。
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