JP2016120615A - 液体噴射記録装置のホース継手、液体噴射ヘッドおよび液体噴射記録装置 - Google Patents

液体噴射記録装置のホース継手、液体噴射ヘッドおよび液体噴射記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】金型の構造を簡素化して製造コストを低減しつつ、インク漏れを防止できる液体噴射記録装置のホース継手、液体噴射ヘッドおよび液体噴射記録装置を提供する。【解決手段】インクホースを差込可能な筒状の継手本体102と、継手本体102の外周面全体に渡ってリング状に一体成形される滑り止めリング103,104と、を備え、最もインクホースの受け入れ側に形成された第2滑り止めリング104の最外径部は、成形時のパーティングラインPL1に設定されており、第2滑り止めリング104は、パーティングラインPL1を中心にインクホースの受け入れ側に位置する第1滑り止め片105と、受け入れ側とは反対側に位置する第2滑り止め片106と、が一体成形されたものである。【選択図】図8

Description

この発明は、液体噴射記録装置のホース継手、液体噴射ヘッドおよび液体噴射記録装置に関するものである。
従来から、一方向に走査可能なキャリッジに、液体噴射ヘッド(インクジェットヘッド)を搭載し、被記録媒体に文字や画像を記録する液体噴射記録装置が知られている。液体噴射ヘッドは、ヘッドチップを備えている。
ヘッドチップは、一方向に直交する方向に並べられた複数のノズル孔を有するノズルプレートと、各ノズル孔に連通される複数の長溝が形成されている圧電アクチュエータと、を備えている。
各長溝には、色ごとに設けられた液体タンクに収容されているインクが、ホース等を介して導かれて充填されている。また、各長溝の両側壁には、それぞれ電極が設けられており、これら電極に所定の駆動電極を印加すると側壁が変形し、長溝内の容積が変化する。これにより、ノズル孔からインク滴が被記録媒体に向かって吐出し、被記録媒体に文字や画像が記録される。
ここで、液体タンクからヘッドチップに至る流路の途中で用いられるホースは、液体噴射ヘッド等にホース継手を介して接続される。ホース継手はホースが差し込み可能なように、樹脂成形により円筒状に形成される場合が多い。
特開2010−194833号公報 特開2010−194852号公報
ところで、ホース継手からホースを抜けにくくするために、ホース継手の外周面に凸条の抜け止め(凹凸面)等を形成することが考えられる。このような場合、ホース継手の軸方向に沿って金型を離型させようとすると、凸条部分をアンダーカットにする必要があり、金型の構造が複雑化してしまう。このため、ホース継手の外周面に凸条等を形成する場合、金型のパーティングラインをホース継手の軸方向全体に渡って設定し、金型の離型方向を径方向とすることが考えられる。
一方、金型による成形品は、パーティングラインに対応する箇所にバリが発生したり、パーティングラインを中心に両側の形成位置が僅かにずれたりするおそれがある。このような場合、ホース継手とホースとの接触箇所を周方向でみると、両者が密着している箇所と接触せずにホース継手からホースが浮いてしまう箇所とが発生してしまう。このため、ホース継手の軸方向全体に渡ってパーティングラインが設定されていると、ホース継手とホースとの間の僅かな隙間からインク漏出してしまうという課題がある。
そこで、この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、金型の構造を簡素化して製造コストを低減しつつ、インク漏れを防止できる液体噴射記録装置のホース継手、液体噴射ヘッドおよび液体噴射記録装置を提供するものである。
上記の課題を解決するために、本発明に係る液体噴射記録装置のホース継手は、流路を構成するホースが接続され、金型を用いて形成される液体噴射記録装置のホース継手において、前記ホースを差込可能な筒状の継手本体と、前記継手本体の外周面全体に渡ってリング状に一体成形される少なくとも1つの滑り止め部と、を備え、前記滑り止め部のうち、最も前記ホースの受け入れ側に形成された先端滑り止め部の最外径部は、成形時のパーティングラインに設定されており、前記先端滑り止め部は、前記パーティングラインを中心に前記ホースの前記受け入れ側に位置する第1滑り止め片と、前記受け入れ側とは反対側に位置する第2滑り止め片と、が一体成形されたものであることを特徴とする。
このように構成することで、仮にパーティングラインに対応する箇所にバリが発生したり、パーティングラインを中心に両側の形成位置が僅かにずれたりした場合であっても、継手とホースとが全周に渡って密着する箇所を作ることができる。このため、ホース継手にアンダーカットとなる箇所を設けることなく製造コストを低減でき、かつホース継手とホースとの間からインクが漏出してしまうことを防止できる。
本発明に係る記載の液体噴射記録装置のホース継手において、前記第1滑り止め片の最外径は、前記第2滑り止め片の最外径よりも大きく設定されていることを特徴とする。
このように構成することで、パーティングラインに対応する箇所のバリやパーティングラインを中心にした両側の形成位置のずれ等に関わらず、ホース継手とホースとの密着性を高めることができる。
また、第1滑り止め片と第2滑り止め片との間に段差部が形成されるので、この段差部がホースの先端滑り止め部からの抜け防止として機能させることができる。
本発明に係る液体噴射記録装置のホース継手において、前記先端滑り止め部は、断面半円状に形成されており、前記第1滑り止め片の外周面には、最外径となる箇所に、全周に渡って平坦外周面が形成されており、前記平坦外周面に対応する箇所の外径は、前記第1滑り止め片の最外径と同一径に設定されていることを特徴とする。
このように、最外径となる箇所に平坦外周面を形成することにより、ホース継手とホースとの密着面積を増大させることができる。このため、ホース継手とホースとの間からインクが漏出してしまうことを、より確実に防止できる。
本発明に係る液体噴射記録装置のホース継手は、前記継手本体には、前記先端滑り止め部から前記ホースの前記受け入れ側に向かって延出するガイド筒が設けられていることを特徴とする。
このように構成することで、ホース継手にホースを差し込む際、ガイド筒によって、継手本体にホースが案内されるので、ホース継手へのホースの接続作業を容易化できる。
本発明に係る液体噴射記録装置のホース継手は、前記ガイド筒の先端部には、切欠き部が形成されていることを特徴とする。
このように構成することで、ガイド筒を弾性変形させることが可能になる。このため、ガイド筒を、縮径するように弾性変形させながら、このガイド筒にホースを差し込むことができる。よって、ホース継手へのホースの接続作業を、さらに容易化できる。
本発明に係る液体噴射ヘッドは、上記に記載の液体噴射記録装置のホース継手を備えたことを特徴とする。
このように構成することで、金型の構造を簡素化して製造コストを低減しつつ、インク漏れを防止できる液体噴射ヘッドを提供できる。
本発明に係る液体噴射記録装置は、上記に記載の液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドを走査させるキャリッジと、を備えたことを特徴とする。
このように構成することで、金型の構造を簡素化して製造コストを低減しつつ、インク漏れを防止できる液体噴射記録装置を提供できる。
本発明によれば、仮にパーティングラインに対応する箇所にバリが発生したり、パーティングラインを中心に両側の形成位置が僅かにずれたりした場合であっても、継手とホースとが全周に渡って密着する箇所を作ることができる。このため、ホース継手にアンダーカットとなる箇所を設けることなく製造コストを低減でき、かつホース継手とホースとの間からインクが漏出してしまうことを防止できる。
本発明の実施形態における液体噴射記録装置の斜視図である。 本発明の実施形態における液体噴射ヘッドの斜視図である。 本発明の実施形態における液体噴射ヘッドの一部の部品を取り外した状態を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態におけるダンパユニットの斜視図である。 本発明の第1実施形態におけるケースの正面図である。 図5のA−A線に沿う断面図である。 図5のB矢視図である。 図7のC部拡大図である。 本発明の第1実施形態における分岐ブロックおよびホース継手のパーティングラインを示す説明図である。 本発明の第2実施形態におけるホース継手の側面図である。
次に、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
(液体噴射記録装置)
図1は、液体噴射記録装置1の斜視図である。
液体噴射記録装置1は、紙等の被記録媒体Sを搬送する一対の搬送機構2,3と、被記録媒体Sにインク滴を噴射する液体噴射ヘッド4と、液体噴射ヘッド4にインクを供給する液体供給手段5と、液体噴射ヘッド4を被記録媒体Sの搬送方向(主走査方向)と略直交する方向(副走査方向)に走査させる走査手段6とを備えている。
なお、以下の説明において、副走査方向をX方向、主走査方向をY方向、そしてX方向、およびY方向に共に直交する方向をZ方向として説明する。ここで、液体噴射記録装置1は、X方向、Y方向が水平方向となるように、かつZ方向が重力方向上下方向となるように載置して使用されるようになっている。
すなわち、液体噴射記録装置1を載置した状態では、被記録媒体S上を液体噴射ヘッド4が水平方向(X方向、Y方向)に沿って走査するように構成されている。また、この液体噴射ヘッド4から重力方向下方(Z方向下方)に向かってインク滴が噴射され、このインク滴が被記録媒体Sに着弾するように構成されている。
一対の搬送機構2,3は、それぞれX方向に延びて設けられたグリッドローラ20,30と、グリッドローラ20,30のそれぞれに平行に延びるピンチローラ21,31と、詳細は図示しないがグリッドローラ20,30を軸回りに回転動作させるモータ等の駆動機構とを備えている。そして、一対の搬送機構2,3は、被記録媒体SをY方向に沿って搬送させる。
液体供給手段5は、インクが収容された液体タンク50と、液体タンク50と液体噴射ヘッド4とを接続する液体供給管51とを備えている。液体タンク50は、複数設けられており、例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4種類のインクが収容されたインクタンク50Y,50M,50C,50Bが並べて設けられている。インクタンク50Y,50M,50C,50BのそれぞれにはポンプモータMが設けられており、インクを液体供給管51を通じて液体噴射ヘッド4へ押圧移動できる。液体供給管51は、液体噴射ヘッド4(キャリッジユニット62)の動作に対応可能な可撓性を有するフレキシブルホースから成る。
なお、液体タンク50は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4種類のインクが収容されたインクタンク50Y,50M,50C,50Bに限られるものではなく、さらに多色のインクを収容したインクタンクを備えていてもよい。
走査手段6は、X方向に延びて設けられた一対のガイドレール60,61と、一対のガイドレール60,61に沿って摺動可能なキャリッジユニット62と、キャリッジユニット62をX方向に移動させる駆動機構63とを備えている。駆動機構63は、一対のガイドレール60,61の間に配設された一対のプーリ64,65と、一対のプーリ64,65間に巻回された無端ベルト66と、一方のプーリ64を回転駆動させる駆動モータ67とを備えている。
一対のプーリ64,65は、一対のガイドレール60,61の両端部間にそれぞれ配設されており、X方向に間隔をあけて配置されている。無端ベルト66は、一対のガイドレール60,61間に配設されており、この無端ベルト66に、キャリッジユニット62が連結されている。キャリッジユニット62の基端部62aには、複数の液体噴射ヘッド4が搭載されている。具体的には、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4種類のインクに個別に対応する液体噴射ヘッド4Y,4M,4C,4BがX方向に並んで搭載されている。
(液体噴射ヘッド)
図2は、液体噴射ヘッド4の斜視図である。図3は、液体噴射ヘッド4の一部の部品を取り外した状態を示す斜視図である。
図2、図3に示すように、液体噴射ヘッド4は、キャリッジユニット62に固定される下部ベース71と、下部ベース71にX方向に並んで配置されたヘッドチップ72と、ヘッドチップ72の駆動を制御する制御部73と、下部ベース71のZ方向上方に設けられたダンパユニット74と、を主構成としている。
下部ベース71は、Y方向に沿って長い長方形の板状の部材であって、例えばステンレス等によって形成されている。下部ベース71には、2つの開口部71aが形成されている。2つの開口部71aは、それぞれY方向に沿って長い長方形状に形成され、かつX方向に並んで形成されている。これら2つの開口部71aに、それぞれヘッドチップ72が収納されている。
ヘッドチップ72は、例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)セラミックス基板により構成されており、長溝状の複数のチャネル(不図示)が形成されている。これらチャネルにインクが充填された状態でヘッドチップ72に電圧を印加すると、ヘッドチップ72が変形して各チャネルの容積が変化し、ヘッドチップ72からインクが吐出される。
下部ベース71には、Z方向下端面にヘッドチップ72の各チャネルに連通する複数のノズル孔を有するノズルプレート、およびこのノズルプレートをカバーするノズルガード(何れも不図示)が設けられている。
また、各ヘッドチップ72には、それぞれ流路部材75が接続されている。流路部材75は、各ヘッドチップ72の各チャネルにインクを供給するためのものであって、ヘッドチップ72の形状に対応するように、Y方向に沿って長く形成されている。流路部材75には、Y方向の一端にインクホース10の一端が接続されるホース継手11が一体成形されていると共に、各チャネルを連通する共通インク室(不図示)が形成されている。この共通インク室とホース継手11とが連通されている。そして、インクホース10を介して流路部材75にインクが供給されると、ヘッドチップ72の各チャネルに万遍なくインクが行き渡る。
また、下部ベース71のZ方向上部には、各ヘッドチップ72に対応するようにそれぞれ縦ベース76が立設されている。これら縦ベース76に、各ヘッドチップ72を駆動するためのフレキシブル基板77が固定されている。各フレキシブル基板77は、制御部73を構成しており、それぞれ対応するヘッドチップ72に接続されている。
各フレキシブル基板77は、これらフレキシブル基板77と共に制御部73を構成する後述のエポキシ基板78から出力される駆動制御信号に基づいて、各ヘッドチップ72に所望の電圧を印加する。
なお、本実施形態では、ヘッドチップ72は、複数のノズル孔が2列に形成されるように、例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)セラミックス基板が積層された構造になっている。このため、1つのヘッドチップ72に対して2つのフレキシブル基板77が接続されている。すなわち、液体噴射ヘッド4は、2つのヘッドチップ72が並んで配置されているので、フレキシブル基板77は、合計4つとなる。
以下の説明では、1つのヘッドチップ72に接続されている2つのフレキシブル基板77を1組のフレキシブル基板77と称して説明する。つまり、液体噴射ヘッド4は、2組のフレキシブル基板77を備えていることになる。
また、図3では、説明の都合上、2つのヘッドチップ72のうちの一方のヘッドチップ72のみに1組のフレキシブル基板77が接続されている状態を示している。
フレキシブル基板77と共に制御部73を構成するエポキシ基板78は、2組のフレキシブル基板77のうち、一方のZ方向上部に配置されている。このエポキシ基板78のZ方向下部に、各フレキシブル基板77がそれぞれ接続されている。また、エポキシ基板78には、不図示の外部制御機器と接続可能なコネクタ79が実装されている。このコネクタ79を介し、不図示の外部制御機器から出力された制御信号がエポキシ基板78に入力される。さらに、このエポキシ基板78から、各フレキシブル基板77に駆動制御信号が出力される。
このように構成されたエポキシ基板78は、縦ベース76に取り付けられたステー69に固定されている。さらに、ステー69には、エポキシ基板78を覆うようにヘッドカバー81が固定されている。
なお、フレキシブル基板77やエポキシ基板78は、それぞれ基板の種類を限定するものではなく、フレキシブル基板77をエポキシ基板により構成してもよいし、エポキシ基板78をフレキシブル基板により構成してもよい。また、下部ベース71と縦ベース76とを別々に構成せずに、一体成形としてもよい。
(ダンパユニット)
図4は、ダンパユニット74の斜視図である。
図2、図4に示すように、ダンパユニット74は、2組のフレキシブル基板77のうち、他方のZ方向上部に配置されている。すなわち、ダンパユニット74とエポキシ基板78(ヘッドカバー81)は、X方向で重ね合わさった状態になっている。
ダンパユニット74は、樹脂製のケース82と、ケース82のエポキシ基板78とは反対側の面に設けられた金属製のカバー83と、ケース82とカバー83との間に設けられたフィルム材(不図示)と、により構成されている。
図5は、ケース82の正面図である。図6は、図5のA−A線に沿う断面図である。
図5、図6に示すように、ケース82は、Y−Z平面に面し、かつY方向に長い長方形の板状に形成されたケース本体84を有している。ケース本体84は、ダンパ部85と分岐流路部86とが一体成形されたものである。
ダンパ部85は、ヘッドチップ72に供給されるインクの圧力変動を吸収するためのものであって、カバー83側の面である一側面85aの大部分に、凹部91が形成されている。また、ダンパ部85の分岐流路部86とは反対側で、かつ一側面85aとは反対側の他側面85bには、Z方向上部に筒状の接続部87が一体成形されている。接続部87は、先端の開口がZ方向上部に向くように配置されている。この接続部87に、液体供給管51の一端が接続される。
凹部91と接続部87は、この接続部87からX方向に沿って延在する流入口88を介して連通されている。これにより、凹部91内にインクが流入する。また、凹部91のZ方向上側の内側面91aは、流入口88から分岐流路部86に向かって徐々にZ方向上側に向かうように傾斜形成されている。内側面91aの傾斜勾配は、凹部91内に流入されるインク内に混入する気泡を、凹部91内に滞留させることなく、浮力を利用して分岐流路部86側に排出する役割を有している。
また、ダンパ部85の一側面85aには、凹部91を避けた箇所に空気逃げ部92が形成されている。空気逃げ部92は、凹部91と協働して凹部91内に流入したインクの圧力変動を吸収する役割を有している。なお、ダンパ部85の詳細な作用については後述する。
ダンパ部85と一体成形されている分岐流路部86は、ダンパ部85に流入されたインクを、2つのヘッドチップ72にそれぞれ供給するためのものである。分岐流路部86には、ダンパ部85の一側面85aと同一面となる一側面86aに、ヘッドチップ72の個数に対応するように2つの分岐流路93,94が溝状に形成されている。
また、分岐流路部86のダンパ部85とは反対側で、かつ一側面86aとは反対側の他側面86bには、Z方向下部に分岐ブロック95が一体成形されている。
図4、図6に詳示するように、分岐ブロック95は、X―Z平面に面し、かつ僅かにZ方向に長い直方体状に形成されている。
図5、図6に示すように、2つの分岐流路93,94のうち、第1分岐流路93は、上流口96が凹部91の内側面91aと連続するように形成されている。そして、第1分岐流路93は、上流口96からY方向に沿って延びるY流路93yと、Y流路93yの先端からZ方向下方に向かって屈曲延出する第1Z流路93z1と、第1Z流路93z1のZ方向下端からX方向に屈曲延出するX流路93xと、X流路93xの先端からさらにZ方向下方に向かって屈曲延出する第2Z流路93z2と、が一連に形成されている。
ここで、Y流路93yおよび第1Z流路93z1は、分岐流路部86の一側面86aに溝状に形成されている。一方、X流路93xおよび第2Z流路93z2は、分岐ブロック95に孔状に形成されている。
一方、第2分岐流路94は、上流口97が第1分岐流路93の上流口96のZ方向下方に配置され、凹部91に連通するように形成されている。すなわち、第1分岐流路93の上流口96と、第2分岐流路94の上流口97は、Z方向に並んで配置されている。
そして、第2分岐流路94は、上流口97から第1分岐流路93における第1Z流路93z1の下方に至る間に、平面視略S字に屈曲延出するS字流路94sと、S字流路94sの先端からX方向に屈曲延出するX流路94xと、X流路94xの先端からZ方向下方に向かって屈曲延出するZ流路94zと、が一連に形成されている。
ここで、S字流路94sは、分岐流路部86の一側面86aに溝状に形成されている。一方、X流路94xおよびZ流路94zは、分岐ブロック95に孔状に形成されている。
また、第1分岐流路93の下流口98となる第2Z流路93z2のZ方向下端と、第2分岐流路94の下流口99となるZ流路94zのZ方向下端は、X方向に並んで配置されている。
さらに、第1分岐流路93を、Y流路93y、第1Z流路93z1、X流路93xおよび第2Z流路93z2で構成する一方、第2分岐流路94を、S字流路94s、X流路94xおよびZ流路94zで構成することにより、第1分岐流路93における上流口96から下流口98に至る間の流路長と、第2分岐流路94における上流口97から下流口99に至る間の流路長とが、等しく設定されている。
(ホース継手)
図7は、図5のB矢視図である。図8は、図7のC部拡大図である。なお、図8は、部材の特徴を認識可能とするために、一部の縮尺を変更している。
図7、図8に示すように、分岐ブロック95のZ方向下端面には、それぞれ各下流口98,99に連通するホース継手101が一体成形されている。
ホース継手101は、一端が流路部材75のホース継手11に接続されたインクホース10の他端が接続される(図2参照)。これにより、液体タンク50に収容されたインクを、液体供給管51、ダンパユニット74、インクホース10、および流路部材75を介して各ヘッドチップ72にインクを供給することができる。
ホース継手101は、インクホース10の他端を差込可能な略円筒状の継手本体102と、継手本体102の外周面全体に渡ってリング状に一体成形されている2つの滑り止めリング103,104と、を有している。
2つの滑り止めリング103,104は、ホース継手101からのインクホース10の抜け止めとして機能するものであって、軸方向に並んで配置されている。2つの滑り止めリング103,104のうち、Z方向上側に配置されている第1滑り止めリング103は、断面略半円形状に形成されている。
一方、2つの滑り止めリング103,104のうち、Z方向下側、つまり、インクホース10の受け入れ側に配置されている第2滑り止めリング104は、断面略半円形状に形成されているものの、第1滑り止めリング104とは若干形状が異なる。
すなわち、第2滑り止めリング104は、最外径部Dmaxを中心にZ方向下側に位置する第1滑り止め片105と、Z方向上側に位置する第2滑り止め片106とにより構成される。第2滑り止め片106は、断面略1/4円形状に形成されている。一方、第1滑り止め片105は、最外径部Dmaxと同一径に設定されている平坦外周面105aと、平坦外周面105aのZ方向下端側に位置する1/4円弧外周面105bとにより構成されている。
また、第1滑り止め片105の最外径D1(最外径部Dmax)は、第2滑り止め片106の最外径D2よりも若干大きくなるように設定されている。これにより、平坦外周面105aと第2滑り止め片106との間には、僅かに段差部108が形成される。なお、第2滑り止め片106の最外径D2と第1滑り止めリング103の最外径は、ほぼ同一に設定されている。
さらに、継手本体102には、第2滑り止めリング104のZ方向下側に、ガイド筒107がZ方向下方に向かって延出形成されている。ガイド筒107は、ホース継手101にインクホース10を差し込む際のガイドとして機能するものであって、略円筒状に形成されている。ガイド筒107の外径は、継手本体102の外径とほぼ同一に設定されている。また、ガイド筒107のZ方向下端部には、先端に向かうに従って徐々に先細りとなるように先細り部107aが形成されている。
このような構成のもと、図8、図9に示すように、ケース本体84を樹脂成形するにあたって、分岐ブロック95およびホース継手101を成形するための金型K(K1,K2,K3)のパーティングラインPL(PL1,PL2)は、2箇所設定されている。
すなわち、まず、第1滑り止め片105と第2滑り止め片106との境界、つまり、最外径部Dmax上に第1パーティングラインPL1が設定されている。また、第1パーティングラインPL1よりもZ方向上側では、継手本体102のY方向中心を通るZ方向に沿う直線上に、第2パーティングラインPL2が設定されている。
ところで、ホース継手101のように、円筒状の継手本体102に複数の滑り止めリング103,104を有するような形状では、金型の離型方向を考慮すると、一般的なパーティングラインは以下のようになる。すなわち、一般的なパーティングラインは、図9に示す第2パーティングラインPL2に沿う方向の全体に渡って設定される。
また、金型による成形品は、パーティングラインに対応する箇所にバリが発生したり、パーティングラインを中心に両側の形成位置が僅かにずれたりするおそれがある。このような場合、ホース継手101とインクホース10との接触箇所を周方向でみると、両者101,10が密着している箇所と接触せずにホース継手101からインクホース10が浮いてしまう箇所とが発生する。このため、ホース継手101の軸方向全体に渡ってパーティングラインが設定されていると、ホース継手101とインクホース10との間の僅かな隙間からインク漏出してしまう。
しかしながら、ホース継手101は、インクホース10の受け入れ側に位置する第2滑り止めリング104における最外径部Dmax上に、第1パーティングラインPL1を設定している。すなわち、ホース継手101の軸方向全体に渡ってパーティングラインが設定されない。このため、最外径部Dmaxによって、第2パーティングラインPL2上で起こり得るバリの発生や位置ずれ等を吸収することができる。
ここで、最外径部Dmaxの外径は、第2パーティングラインPL2上で起こり得るバリの発生や位置ずれ等を吸収可能な大きさに設定されている。これにより、第2パーティングラインPL2に対応する位置のホース継手101とインクホース10との密着性が僅かに悪化した場合であっても、第1滑り止め片105の平坦外周面105aとインクホース10との密着面積を増大することができる。
また、平坦外周面105aと第2滑り止め片106との間には、段差部108が形成されているので、この段差部108がインクホース10の第2滑り止めリング104からの抜け防止として機能する。
図4、図5に戻り、ダンパユニット74を構成するカバー83は、ケース本体84の一側面85a,86aに重ね合わさるように設けられている。カバー83は、ケース本体84の形状に対応するように、Y−Z平面に面し、かつY方向に長い長方形の板状に形成されている。これにより、ケース本体84に形成されている凹部91および各分岐流路93,94が閉塞される。ケース本体84に形成されている溝状の各分岐流路93,94は、カバー83によって閉塞されることにより、流路として機能する。
また、カバー83の凹部91に対応する位置には、外側(ケース82とは反対側)に向かって張り出すように膨出部111が形成されている。この膨出部111とケース本体84の凹部91とにより閉塞された部屋が、圧力変動吸収室112となる。
さらに、ケース本体84のダンパ部85とカバー83との間に、凹部91および2つの分岐流路93,94を閉塞するように不図示のフィルム材が設けられている。フィルム材は可塑性フィルムにより形成された可動膜である。フィルム材は、圧力変動吸収室112の内圧変動に応じて内面(凹部91)側に窪んだり外面側に膨出したりすることによって、インクの圧力変動が吸収される。
また、フィルム材の内面側には、不図示の負圧用押え板が設けられている。この負圧用押え板は、ケース本体84の凹部91に設けられた不図示のバネ等の付勢部材によって支持されている。負圧用押え板によって、圧力変動吸収室112の大負圧(減圧)時にフィルム材が一定以上凹部91側に変形してしまうことが防止される。
ここで、フィルム材が外面側に膨出すると、このフィルム材によって仕切られていた凹部91と空気逃げ部92とが連通する。この際、圧力変動吸収室112から流出したインクや空気が空気逃げ部92に流出するので、圧力変動吸収室112が減圧される。これにより、フィルム材が正位置に戻る。
(液体噴射記録装置の動作)
次に、液体噴射記録装置1の動作について説明する。
なお、初期状態として、4つの液体タンク50には、それぞれ異なる色のインク(例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4種類のインク)が十分に収容されているものとする。また、液体タンク50内のインクが液体供給管51、接続部87、および流入口88を介してダンパユニット74の圧力変動吸収室112に供給された状態となっている。圧力変動吸収室112の内部はインクで満たされ、該内部に気泡は存在していない。そして、所定量のインクが、圧力変動吸収室112から分岐流路部86の各分岐流路93,94、インクホース10、および流路部材75を介してヘッドチップ72の各チャネル(不図示)に充填された状態となっている。
このような初期状態のもと、液体噴射記録装置1を作動させると、搬送機構2のグリッドローラ20およびピンチローラ21が回転して被記録媒体Sを搬送方向(Y方向)に向けて搬送する。また、これと同時に駆動モータ67がプーリ64を回転させて無端ベルト66を動かす。これにより、キャリッジユニット62がガイドレール60,61でガイドされながら走査方向(X方向)に往復移動する。
そしてこの間に、各液体噴射ヘッド4のヘッドチップ72より4色のインクを被記録媒体Sに適宜吐出させることで、文字や画像等の記録を行うことができる。
ここで、1つの液体噴射ヘッド4には、2つのヘッドチップ72が設けられており、これら2つのヘッドチップ72からは同色のインクが吐出される。このため、被記録媒体Sに吐出される1色ごとのインク密度が高くなる。
また、ダンパユニット74の分岐流路部86に形成されている各分岐流路93,94の流路長は、それぞれ同一長さに設定されているので、各分岐流路93,94でのインクの圧力損失、流路抵抗が同じになる。このため、各ヘッドチップ72に供給されるインクの供給量が一定になる。換言すれば、各ヘッドチップ72へのインク充填時間が同じになる。よって、各ヘッドチップ72から吐出されるインクの濃度が異なってしまうことが防止される。
さらに、第1分岐流路93の上流口96と、第2分岐流路94の上流口97は、Z方向に並んで配置されている一方、第1分岐流路93の下流口98と、第2分岐流路94の下流口99は、X方向に並んで配置されている。そして、第1分岐流路93(Y流路93y、第1Z流路93z1、X流路93xおよび第2Z流路93z2)と第2分岐流路94(S字流路94s、X流路94xおよびZ流路94z)を3次元的(X方向、Y方向、Z方向の3方向)に形成している。
このため、ダンパユニット74のケース82における他側面85b,86b側にエポキシ基板78等を配置するスペースが形成される。この結果、できる限り2つのヘッドチップ72を近接配置することができる。
(インクホースの接続作業)
次に、ダンパユニット74のホース継手101へのインクホース10の接続作業について説明する。
ホース継手101にインクホース10を接続する際、まず、インクホース10の端部をガイド筒107に差し込み、さらに、継手本体102にインクホース10を差し込む。このとき、ガイド筒107によってインクホース10が案内されるので、継手本体102に容易にインクホース10を差し込むことができる。また、ガイド筒107の先端に先細り部107aが形成されているので、ガイド筒107にインクホース10を差し込む際も、作業が容易である。
継手本体102の奥までインクホース10を差し込んでいくと、インクホース10は、僅かに拡径するように弾性変形して第2滑り止めリング104を乗り上げる。さらに、インクホース10は、第1滑り止めリング103を乗り上げる。
ここで、第2滑り止めリング104に形成されている第1滑り止め片105の最外径D1(最外径部Dmax)は、第2滑り止め片106の最外径D2よりも若干大きくなるように設定されている。このため、第1滑り止めリング103に差し込まれたインクホース10は、確実に第1滑り止めリング103に密着される。
また、第1滑り止め片105に平坦外周面105aが形成されているので、第1滑り止めリング103に対するインクホース10の密着面積が増大する。さらに、平坦外周面105aと第2滑り止め片106との間に、僅かに段差部108が形成されるので、インクホース10の第2滑り止めリング104からの抜けが抑制される。
図2に示すように、ホース継手101にインクホース10を差し込んだ後、ホース継手101に、インクホース10の上からホースクランプ113を取り付ける。ホースクランプ113は、ホース継手101とインクホース10との接続強度を高めるためのものである。
ホースクランプ113を取り付けることにより、ダンパユニット74のホース継手101へのインクホース10の接続作業が完了する。
このように、上述の第1実施形態において、ホース継手101は、インクホース10の受け入れ側に位置する第2滑り止めリング104の最外径部Dmax上に、第1パーティングラインPL1を設定している。すなわち、ホース継手101の軸方向全体に渡ってパーティングラインが設定されない。このため、最外径部Dmaxにおいて、ホース継手101とインクホース10とが全周に渡って密着し、第2パーティングラインPL2上で起こり得るバリの発生や位置ずれ等を吸収することができる。
よって、ホース継手101にアンダーカットとなる箇所を設けることなく製造コストを低減でき、かつホース継手101とインクホース10との間からインクが漏出してしまうことを防止できる。また、第1パーティングラインPL1と最外径部Dmaxとが同一直線上に設定されているので、ホース継手101とインクホース10との密着性を高めることができる。このため、ホース継手101とインクホース10との間からインクが漏出してしまうことを確実に防止できる。
さらに、第1滑り止め片105の最外径D1(最外径部Dmax)は、第2滑り止め片106の最外径D2よりも若干大きくなるように設定されている。これにより、平坦外周面105aと第2滑り止め片106との間には、僅かに段差部108が形成される。この段差部108が、インクホース10の第2滑り止めリング104からの抜け防止として機能するので、ホース継手101からのインクホース10の抜けを確実に防止できる。
また、継手本体102には、第2滑り止めリング104のZ方向下側に、ガイド筒107がZ方向下方に向かって延出形成されている。このため、ガイド筒107によってインクホース10が案内されるので、継手本体102に容易にインクホース10を差し込むことができる。
さらに、第2滑り止めリング104の第1滑り止め片105には、平坦外周面105aが形成されている。そして、この平坦外周面105aの外径は、最外径部Dmaxと同一径に設定されている。このため、第1滑り止め片105とインクホース10との密着面積が増大され、ホース継手101とインクホース10との間からインクが漏出してしまうことを、より確実に防止できる。
また、ダンパユニット74に設けられた分岐流路部86に、第1分岐流路93(Y流路93y、第1Z流路93z1、X流路93xおよび第2Z流路93z2)と第2分岐流路94(S字流路94s、X流路94xおよびZ流路94z)を3次元的(X方向、Y方向、Z方向の3方向)に形成している。
このため、ダンパユニット74のケース82における他側面85b,86b側にエポキシ基板78等を配置するスペースが形成される。この結果、できる限り2つのヘッドチップ72を近接配置することができる。
したがって、1つの液体噴射ヘッド4から吐出されるインク密度を非常に高めることができると共に、適正な濃度を保つことができる。このため、被記録媒体Sに記録される文字や画像等の品質を高めることができると共に、液体噴射ヘッド4を小型化できる。
また、各分岐流路93,94の各々上流口96,97にダンパ部85を設けている。このため、各分岐流路93,94に均一にインクを供給することができ、各ヘッドチップ72からそれぞれ吐出されるインクに濃淡差が生じてしまうことを確実に防止できる。
さらに、1つの下部ベース71に2つのヘッドチップ72を設けているのに対し、ダンパ部85は1つだけであり、このダンパ部85に供給されたインクを、1つの分岐流路部86を介して各ヘッドチップ72に供給するように構成されている。このため、各色の液体噴射ヘッド4を、2つのヘッドチップ72を並べた構成としても、液体噴射ヘッド4全体として小型化できる。そして、隣り合う液体噴射ヘッド4の間隔をできる限り狭めることができる。このため、インクの吐出方向を軸とした回転方向の設置誤差に対して影響を少なくすることができ、被記録媒体Sに記録される文字や画像等の品質をさらに高めることができる。
また、ケース本体84の分岐流路部86に対応する箇所の一側面86aに、溝状の各分岐流路93,94を形成し、この溝をカバー83で閉塞することにより、流路として構成している。このため、分岐流路部86を小型化しつつ、簡素な構造で各分岐流路93,94のレイアウト性を向上できる。
さらに、分岐流路部86は、3次元的に各分岐流路93,94を形成するにあたって、各分岐流路93,94の下流口98,99の周辺のみ、分岐ブロック95を用いてケース本体94に対して直交する方向(X方向)に沿わせている。このため、ケース本体84の他側面85b,86b側の大部分を、エポキシ基板78を配置するためのスペースとして利用することが可能になる。よって、エポキシ基板78等が無駄に張り出すことがなく、隣り合う液体噴射ヘッド4の間隔をできる限り狭めることができる。
また、第1分岐流路93を、Y流路93y、第1Z流路93z1、X流路93xおよび第2Z流路93z2で構成する一方、第2分岐流路94を、S字流路94s、X流路94xおよびZ流路94zで構成されている。このため、流路をできる限り簡素化しつつ、第1分岐流路93の流路長と、第2分岐流路94の流路長とを等しく設定することができる。よって、各分岐流路93,94の圧力損失、抵抗等を最小限に抑えることができる。
(第2実施形態)
次に、図10に基づいて、第2実施形態について説明する。
図10は、第2実施形態におけるホース継手201の側面図である。なお、この第2実施形態において、前述の第1実施形態と同一態様には、同一符号を付して説明を省略する。
この第2実施形態と前述の第1実施形態との相違点は、第2実施形態におけるホース継手201のガイド筒207の形状と、前述の第1実施形態におけるホース継手101のガイド筒107の形状とが異なる点にある。
より詳しくは、第2実施形態におけるガイド筒207は、ホース継手101にインクホース10を差し込む際のガイドとして機能するものであって、略円筒状に形成されている。ガイド筒207は、継手本体102の第2滑り止めリング104のZ方向下側に、Z方向下方に向かって延出形成されている。また、ガイド筒207の外径は、継手本体102の外径とほぼ同一か若干大きい程度に設定されている。
さらに、ガイド筒207には、このガイド筒207の先端部には、軸方向全体に渡って切欠き部215が形成されている。切欠き部215は複数形成されており、周方向に等間隔で配置されている。これにより、ガイド筒207の剛性が弱まり、このガイド筒207を、径方向内側に縮径するように弾性変形させることが可能になる。
このような構成のもと、ホース継手201にインクホース10を接続する際、まず、インクホース10の端部をガイド筒207に差し込み、さらに、継手本体102にインクホース10を差し込む。すると、インクホース10の端部が、第2滑り止めリング104を乗り上げ、さらに、第1滑り止めリング103を乗り上げる。
このとき、ガイド筒207にインクホース10を押し込むと、ガイド筒207が縮径変形する。このため、ガイド筒207にインクホース10を容易に差し込むことができる。
ガイド筒207にインクホース10を押し込んだ後は、ガイド筒207に作用する復元力によりガイド筒207が拡径変形しようとする。このとき、ガイド筒207の外径が、継手本体102の外径よりも若干大きい程度に設定されていると、インクホース10の端部が押し広げられる。このため、インクホース10の端部は、第2滑り止めリング104を容易に乗り上げる。
したがって、上述の第2実施形態によれば、前述の第1実施形態と同様の効果に加え、ガイド筒207を、縮径するように弾性変形させながら、このガイド筒207にインクホース10を差し込むことができる。よって、ホース継手201へのインクホース10の接続作業を、さらに容易化できる。
なお、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば、上述の実施形態では、下部ベース71に2つのヘッドチップ72を設けた場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、下部ベース71に2つ以上の複数のヘッドチップ72を設けてもよい。この場合、分岐流路部86を構成する分岐流路の本数を、ヘッドチップ72の個数に応じて増大すればよい。また、このとき、分岐流路は、それぞれ上流口の軸方向が同一方向に沿うように形成されていると共に、それぞれ下流口の軸方向が同一方向に沿うように形成され、かつ上流口の軸方向と下流口の軸方向が交差するように形成されていればよい。
また、上述の実施形態では、第1分岐流路93を、Y流路93y、第1Z流路93z1、X流路93xおよび第2Z流路93z2で構成する一方、第2分岐流路94を、S字流路94s、X流路94xおよびZ流路94zで構成した場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、少なくとも各分岐流路93,94の下流口98,99が互いに平行で、かつその配列方向がヘッドチップ72の配列方向であるX方向に配置され、これに対し上流口96,97が互いに平行で、かつ下流口98,99に対して3次元的に配置されていればよい。
なお、3次元的に配置とは、下流口98,99が配置されている平面上(例えば、図5におけるX−Z平面上)と同一平面上に上流口96,97を配置するのではなく、立体的に配置(例えば、図5におけるY−Z平面上に配置)することをいう。
さらに、上述の実施形態では、ホース継手101(図8参照)を、ダンパユニット74のインクホース10との接続箇所のみに設けた場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、液体噴射記録装置1に用いられるホースが接続されるさまざまな継手にホース継手101の構成を適用することができる。例えば、流路部材75のホース継手11や、ダンパユニット74の上流側に設けられた接続部87に、ホース継手101の構成を適用することが可能である。
また、上述の実施形態では、ホース継手101,201は、継手本体102に2つのリング状の滑り止めリング103,104が一体成形されている場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、継手本体102に3つ以上の滑り止めリングを設けてもよい。この場合であっても、最もインクホース10の受け入れ側に形成された滑り止めリングの最外径部に、パーティングラインPL1を設定する。
さらに、上述の第2実施形態では、ガイド筒207の先端部に、軸方向全体に渡って複数の切欠き部215が周方向に等間隔で配置されている場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、ガイド筒207の先端部に、少なくとも1つ切欠き部215が形成されていればよい。少なくとも1つ切欠き部215が形成されていれば、ガイド筒207の剛性が弱まり、このガイド筒207を弾性変形させることが可能になる。
1…液体噴射記録装置 4…液体噴射ヘッド 10…インクホース(ホース) 41…下部ベース(ベース) 50…液体タンク 62…キャリッジユニット(キャリッジ) 101,201…ホース継手 102…継手本体 103…第1滑り止めリング(滑り止め部) 104…第2滑り止めリング(先端滑り止め部) 105…第1滑り止め片 105a…平坦外周面 106…第2滑り止め片 107,207…ガイド筒 215…切欠き部 Dmax…最外径部 PL1,PL2…パーティングライン

Claims (7)

  1. 流路を構成するホースが接続され、金型を用いて形成される液体噴射記録装置のホース継手において、
    前記ホースを差込可能な筒状の継手本体と、
    前記継手本体の外周面全体に渡ってリング状に一体成形される少なくとも1つの滑り止め部と、
    を備え、
    前記滑り止め部のうち、最も前記ホースの受け入れ側に形成された先端滑り止め部の最外径部は、成形時のパーティングラインに設定されており、
    前記先端滑り止め部は、前記パーティングラインを中心に前記ホースの前記受け入れ側に位置する第1滑り止め片と、前記受け入れ側とは反対側に位置する第2滑り止め片と、が一体成形されたものであることを特徴とする液体噴射記録装置のホース継手。
  2. 前記第1滑り止め片の最外径は、前記第2滑り止め片の最外径よりも大きく設定されていることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射記録装置のホース継手。
  3. 前記先端滑り止め部は、断面半円状に形成されており、
    前記第1滑り止め片の外周面には、最外径となる箇所に、全周に渡って平坦外周面が形成されており、
    前記平坦外周面に対応する箇所の外径は、前記第1滑り止め片の最外径と同一径に設定されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液体噴射記録装置のホース継手。
  4. 前記継手本体には、前記先端滑り止め部から前記ホースの前記受け入れ側に向かって延出するガイド筒が設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の液体噴射記録装置のホース継手。
  5. 前記ガイド筒の先端部には、切欠き部が形成されていることを特徴とする請求項4に記載の液体噴射記録装置のホース継手。
  6. 請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の液体噴射記録装置のホース継手を備えたことを特徴とする液体噴射ヘッド。
  7. 請求項6に記載の液体噴射ヘッドと、
    前記液体噴射ヘッドを走査させるキャリッジと、を備えたことを特徴とする液体噴射記録装置。
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