JP2016120441A - マスキング治具 - Google Patents

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Abstract

【課題】シリンダ装置の処理品質の向上を図ることができるマスキング治具の提供。
【解決手段】筒状のシリンダと、シリンダの端部に設けられるシール部材と、シリンダからシール部材を通って延出するロッドと、を有するシリンダ装置のロッドをマスキングするマスキング治具50であって、開閉可能に連結され閉状態で筒状をなしてロッドを覆う二つのカバー部51,61と、二つのカバー部51,61を開く操作が入力される操作入力部301とを有し、閉状態にある二つのカバー部51,61の係合部102,202および係合部103,203が周方向にラップする。
【選択図】図2

Description

本発明は、マスキング治具に関する。
めっきや塗装等の処理を施す際、処理を施したくない部分にマスキング治具でマスキングする場合がある(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−105313号公報
被塗装体への塗装の際に、被塗装体における特定部位、例えばシリンダ装置のシリンダから延出するロッドに塗料を付着させないようにマスキングするマスキング治具を用いてシリンダ装置を処理する場合にその処理品質の向上を図ることが望まれている。
したがって、本発明は、シリンダ装置の処理品質の向上を図ることができるマスキング治具の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、開閉可能に連結され閉状態で筒状をなしてロッドを覆う二つのカバー部と、前記二つのカバー部を開く操作が入力される操作入力部とを有し、閉状態にある前記二つのカバー部の係合部が周方向にラップする構成とした。
本発明によれば、シリンダ装置の処理品質の向上を図ることができる。
本発明の第1実施形態に係るマスキング治具でマスキングされるシリンダ装置を示す一部を断面とした正面図である。 本発明の第1実施形態に係るマスキング治具を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態に係るマスキング治具の両マスキング部材を示すものであって、(a)は展開正面図、(b)は展開側面図である。 本発明の第1実施形態に係るマスキング治具の両カバー部を示す分解断面図である。 本発明の第1実施形態に係るマスキング治具を示す正面図である。 図5のX−X線に沿う拡大断面図である。 図5のY−Y線に沿う拡大断面図である。 本発明の第2実施形態に係るマスキング治具を示すもので、(a)は正面図、(b)はカバー部の側面図である。
「第1実施形態」
本発明の第1実施形態を図1〜図7を参照して以下に説明する。
まず、図1を参照して第1実施形態に係るマスキング治具でマスキングされて塗装処理が施されるシリンダ装置11について説明する。シリンダ装置11は、円筒状のシリンダ12を有している。以下、シリンダ12の軸方向をシリンダ軸方向と称し、シリンダ12の径方向をシリンダ径方向と称し、シリンダ12の円周方向をシリンダ周方向と称してシリンダ装置11を説明する。
シリンダ装置11は、シリンダ12のシリンダ軸方向の一方の端部の内周側に設けられる円環状のシール部材13と、シリンダ12のこの端部の内周側のシール部材13よりもシリンダ軸方向の内部側に設けられる円環状のロッドガイド14と、ロッドガイド14とシール部材13とを通ってシリンダ12から外方に延出するロッド15と、を有している。ロッド15には、シリンダ12内に配置される端部にシリンダ12の内周面に摺接するピストン16が取り付けられている。ロッド15は、ピストン16およびロッドガイド14を介してシリンダ12と同軸状に支持されており、同軸状を維持したままシリンダ12に対してシリンダ軸方向に移動する。よって、シリンダ軸方向はロッド15の軸方向と、シリンダ径方向はロッド15の径方向と、シリンダ周方向はロッド15の周方向とそれぞれ一致する。
シール部材13は、円環平板状の金属製の剛性部材21と、ロッド15およびシリンダ12に接触するゴム製の本体部材22とが一体化されてなるものである。本体部材22は、剛性部材21を覆う被覆部23と、被覆部23の内周縁部から筒状をなしてシリンダ装置11の外部方向に延出してロッド15に摺接するダストリップ部24と、被覆部23の内周縁部から筒状をなしてシリンダ装置11の内部方向に延出してロッド15に摺接するシールリップ部25とを有している。ダストリップ部24はロッド15に付着した異物のシリンダ12内への進入を規制し、シールリップ部25はシリンダ12内の流体の外部への流出を規制する。
ロッドガイド14は、シリンダ12に、これにシリンダ径方向の内側に突出するように形成された内側凸部31によって固定されている。シール部材13は、シリンダ12のシリンダ軸方向の一端部からシリンダ径方向の内側に延出するカール部32と、ロッドガイド14とでシリンダ径方向の剛性部材21の位置が挟持されることによってシリンダ12に取り付けられている。シリンダ12のカール部32とシール部材13のダストリップ部24との間にはシリンダ径方向の隙間があり、この隙間はシリンダ周方向に円環状に連続している。
シリンダ装置11は、ロッド15のシリンダ12から外部に突出する部分に固定されるキャップ部材35を有している。キャップ部材35は、ロッド15に固定されてロッド15からロッド15の径方向の外方に先端側ほどシリンダ12に近づくように傾斜しつつ延出するテーパ板状の固定部36と、ロッド15に直交する面に配置されるように固定部36の外周縁部からロッド15の径方向外側に延出する平板円環状のベース部37と、ベース部37の外周縁部からシリンダ12側に延出する円筒状の支持部38とを有している。キャップ部材35には、塗装処理後、支持部38に支持部38よりもシリンダ12側に延出するように図示略の筒状のカバー部材が取り付けられることになる。これらキャップ部材35および図示略のカバー部材が、ロッド15と一体に移動してロッド15およびシリンダ12を部分的に覆う保護カバーとなる。
シリンダ装置11は、シリンダ12の他方の端部の内周側に固定されてこの端部を閉塞する閉塞部材41と、閉塞部材41のシリンダ12とは反対側に固定される取付アイ42とを有している。
ロッド15のシリンダ12内に配置される一端には上記したようにピストン16が固定されており、このピストン16がシリンダ12内を二室に区画する。ピストン16は、ロッド15の移動に伴いこれと一体にシリンダ12の内部を摺動して二室の容積を変化させ、その際に生じる流体の流通抵抗で減衰力を発生させる。具体的に、このシリンダ装置11は、自動車用サスペンションを構成する緩衝器となっており、車両の車体側と車輪側とが相対的に振動すると、ロッド15がシリンダ12に対する突出長さを変化させることになり、その結果、ロッド15に固定されたピストン16が、シリンダ12の内部を摺動して二室の容積を変化させ、その際に生じる流体の流通抵抗で上記振動に対して減衰力を発生させる。
シリンダ12内には、高圧の作動流体としての液体および気体が封入されている。ロッド15がシリンダ12を貫通して外部に突出することから、ロッド15に連結されたピストン16は、ロッド15とは反対側の受圧面積がロッド15側の受圧面積よりも大きくなっている。この受圧面積の差でピストン16およびロッド15にはロッド15をシリンダ12から突出させる伸び方向の推進力が発生している。シリンダ装置11には、外力が加わらず、この推進力のみでロッド15がシリンダ12から突出する自然状態で塗装工程に送られて塗装が施される。
ここで、シリンダ12内には、ロッド15の伸び側の移動限界での停止時に生じる衝撃を緩和するコイルスプリングからなる緩衝部材45がピストン16とロッドガイド14との間に設けられている。上記した自然状態からロッド15をさらに引き出せば、この緩衝部材45がさらに縮むことでロッド15がシリンダ12からさらに突出可能となっている。緩衝部材45は、コイルスプリングでなくゴム部材の場合もある。
以上の構成のシリンダ装置11のシリンダ12から突出するロッド15の一部を図2に示す第1実施形態に係るマスキング治具50でマスキングして塗装する。具体的には、ロッド15のうち、シリンダ装置11の作動時に少なくともシール部材13に摺接する可能性がある範囲をマスキング治具50でマスキングすることになる。より具体的には、自然状態にあるシリンダ装置11のシリンダ12から突出するロッド15のシール部材13からキャップ部材35までの範囲を、塗料が付着しないようにマスキング治具50でマスキングする。
マスキング治具50は、図2に示すように、半円筒状のカバー部51を有する合成樹脂製のマスキング部材52と、半円筒状のカバー部61を有する合成樹脂製のマスキング部材62とを有している。カバー部51,61は、互いに係合して円筒状をなす。以下、係合して円筒状をなす係合状態のカバー部51,61の中心線を治具中心線と称し、この円筒の円周方向を治具周方向と称し、この円筒の軸方向を治具軸方向と称し、この円筒の径方向を治具径方向と称して、マスキング治具50を説明する。
図3に示すように、マスキング部材52は、半円筒状のカバー部51と、カバー部51から治具径方向の内方に突出する複数の突出部54と、カバー部51の治具周方向の一端縁部の治具軸方向の中央から治具径方向に沿って延出する操作片部55とからなる一体成形品である。マスキング部材62は、半円筒状のカバー部61と、カバー部61から治具径方向の内方に突出する複数の突出部64と、カバー部61の治具周方向の一端縁部の治具軸方向の中央から治具径方向に沿って延出する、操作片部55と同様の操作片部65とからなる一体成形品である。マスキング部材52とマスキング部材62とが、図2,図5〜図7に示すように組み立てられてマスキング治具50を構成する。
図2に示すように、マスキング部材52,62の操作片部55,65は、係合状態のカバー部51,61の互いに近接する一端縁部側から治具径方向に沿って同方向に延出している。
図3に示すように、マスキング部材52のカバー部51は、治具中心線を中心とする半円筒状の主体部101と、主体部101の周方向における操作片部55側の一端縁部に設けられた基端側係合部102(係合部)と、主体部101の操作片部55とは反対側の他端縁部に設けられた先端側係合部103(係合部)と、主体部101の周方向における中央に設けられたリブ104とを有している。
図3(b)に示すように、基端側係合部102および先端側係合部103は、主体部101よりも治具径方向の外側に突出している。基端側係合部102は主体部101よりも治具径方向の厚さが厚く、先端側係合部103は、基端側係合部102よりも治具径方向の厚さが厚くなっている。また、先端側係合部103は、基端側係合部102よりも治具周方向の長さが長くなっている。基端側係合部102および先端側係合部103は、図3(a)に示すようにカバー部51の治具軸方向の全長にわたって形成されている。
図4に示すように、基端側係合部102は、治具周方向の端面である基端側合わせ面111が治具径方向に沿い且つ治具軸方向に沿う平坦面となっている。基端側係合部102には、この基端側合わせ面111の治具径方向の中間部に基端側合わせ面111よりも治具周方向に凹む基端側凹状部112(凹状部)が形成されている。基端側凹状部112は最も深い位置にある底面113が基端側合わせ面111と平行な平坦面となっており、両側の壁面114が基端側合わせ面111に対し垂直をなす平坦面となっている。基端側凹状部112は、図3(a)に示すように、基端側係合部102の治具軸方向の全長つまりカバー部51の治具軸方向の全長にわたって形成されている。
図4に示すように、先端側係合部103は、治具径方向外側にあって治具周方向の端面となる先端側合わせ面121が治具径方向に沿い且つ治具軸方向に沿う平坦面となっている。先端側合わせ面121と基端側合わせ面111とは治具中心線を含む同一平面に配置されている。先端側係合部103は、治具径方向内側にあって治具周方向の端面となる先端側対向面122が、先端側合わせ面121と平行をなす平坦面となっており、先端側合わせ面121よりも治具周方向の外側に位置している。
先端側係合部103には、先端側合わせ面121と先端側対向面122との治具径方向の間位置に、先端側合わせ面121よりも治具周方向に凹む先端側凹状部123(凹状部)が形成されている。先端側凹状部123は最も深い位置にある底面124が先端側合わせ面121と平行をなす平坦面となっており、治具径方向内側の壁面125が底面124に対し垂直をなす平坦面となっている。また、先端側凹状部123は、治具径方向外側の壁面126が底面124に近づくほど治具径方向内側の壁面125に近づくように傾斜する平坦面となっている。つまり、先端側凹状部123は治具周方向の深さが深くなるほど治具径方向の幅が狭くなっている。先端側凹状部123の治具径方向内側の壁面125は先端側対向面122まで延びている。先端側凹状部123は、図3(a)に示すように、先端側係合部103の治具軸方向の全長つまりカバー部51の治具軸方向の全長にわたって形成されている。
図4に示すように、先端側係合部103には、治具周方向の先端側合わせ面121とは反対側に突出する突出片部127が形成されている。突出片部127は、カバー部51の治具軸方向の両端部を除く中間部の全体に形成されている。突出片部127は、主体部101側に押圧されると先端側凹状部123の治具径方向の幅を拡げるように先端側係合部103を変形させる。
リブ104は、主体部101の内周面130から治具径方向の内方に突出しており、図3(a)に示すようにカバー部51の治具軸方向の両端部および複数の突出部54を除く部分に形成されている。つまり、リブ104は、複数の突出部54を連結するように形成されている。
突出部54は、カバー部51の主体部101の内周面130の治具軸方向の中央および両側の三カ所から治具径方向の内方に突出している。両側の突出部54は、中央の突出部54から等距離の位置に配置されている。三カ所の突出部54は、同形状をなしており、図3(b)に示すように治具軸方向から見て扇状をなしている。突出部54は、治具周方向両側の端面131および端面132が、基端側合わせ面111および先端側合わせ面121を含む面に配置されている。突出部54は、治具周方向の中間部の治具径方向内側の内端面133が治具中心線を中心とする円弧状なしており、この内端面133の半径がロッド15の半径とほぼ同径となっている。突出部54は、基端側係合部102および先端側係合部103よりも径方向内側に突出してロッド15の外周面17に当接する。
図3に示すように、マスキング部材62のカバー部61は、治具中心線を中心とする半円筒状の主体部201と、主体部201の周方向における操作片部65側の一端縁部に設けられた基端側係合部202(係合部)と、主体部201の操作片部65とは反対側の他端縁部に設けられた先端側係合部203(係合部)と、主体部201の周方向における中央に設けられたリブ204とを有している。カバー部61の主体部201は、カバー部51の主体部101に対して、治具軸方向の長さが同等であり、湾曲の半径も同等になっていて、治具径方向の厚さも同等になっている。よって、カバー部51,61は、治具軸方向の長さが同等になっている。
図3(b)に示すように、基端側係合部202および先端側係合部203は、主体部201よりも治具径方向の外側に突出しており、主体部201よりも治具径方向の厚さが厚くなっている。また、先端側係合部203は、基端側係合部202よりも治具周方向の長さが長くなっている。図3(a)に示すように、基端側係合部202および先端側係合部203は、カバー部61の治具軸方向の全長にわたって形成されている。
図4に示すように、基端側係合部202は、治具周方向の端部にある基端側合わせ面211が治具径方向に沿い且つ治具軸方向に沿う平坦面となっている。基端側係合部202には、この基端側合わせ面211の治具径方向の中間部に基端側合わせ面211よりも治具周方向外方に突出する基端側凸状部212(凸状部)が形成されている。基端側凸状部212は、最も突出する側にある頂面213が基端側合わせ面211と平行をなす平坦面となっており、両側の壁面214が基端側合わせ面211に対し垂直をなす平坦面となっている。頂面213は、基端側合わせ面211の頂面213よりも治具径方向外側にある部分よりも治具周方向の外側に位置している。基端側凸状部212は、図3(a)に示すように、基端側係合部202の治具軸方向の全長つまりカバー部61の治具軸方向の全長にわたって形成されている。
図4に示すように、先端側係合部203は、治具径方向外側の治具周方向の端面である先端側合わせ面221が治具径方向に沿い且つ治具軸方向に沿う平坦面となっている。先端側合わせ面221と基端側合わせ面211とは治具中心線を含む同一平面に配置されている。先端側係合部203は、治具径方向内側の治具周方向の端面である先端側対向面222が、先端側合わせ面221と平行をなす平坦面となっており、先端側合わせ面221よりも治具周方向の内側に位置している。
先端側係合部203には、先端側合わせ面221と先端側対向面222との治具径方向の間位置に、先端側合わせ面221よりも治具周方向外方に突出する先端側凸状部223(凸状部)が形成されている。先端側凸状部223は最も突出する側にある頂面224が先端側合わせ面221と平行をなす平坦面となっている。この頂面224は、これよりも治具径方向外側にある先端側合わせ面221よりも治具周方向の外側に位置している。先端側凸状部223は、治具径方向内側の壁面225が頂面224に対し垂直をなす平坦面となっており、治具径方向外側の壁面226が頂面224に近づくほど治具径方向内側の壁面225に近づくように傾斜する平坦面となっている。先端側凸状部223の治具径方向内側の壁面225は先端側対向面222まで延びている。つまり、先端側凸状部223は治具周方向の突出長さが長くなるほど治具径方向の幅が狭くなる先細状をなしている。先端側凸状部223は、図3(a)に示すように、先端側係合部203の治具軸方向の全長つまりカバー部61の治具軸方向の全長にわたって形成されている。
リブ204は、図4に示すように主体部201の治具径方向内側の内周面230から治具径方向の内方に突出しており、図3(a)に示すようにカバー部61の治具軸方向の両端部および複数の突出部64を除く部分に形成されている。つまり、リブ204は、複数の突出部64を連結するように形成されている。
突出部64は、主体部201の内周面230の治具軸方向の中央および両側の三カ所から治具径方向の内方に突出している。両側の突出部64は、中央の突出部64から等距離の位置に配置されている。突出部64は突出部54と同じピッチで配置されている。三カ所の突出部64は、同形状をなしており、図3(b)に示すように治具軸方向から見て扇状をなしている。突出部64は、治具周方向における基端側係合部202側の端面231が基端側合わせ面211および先端側合わせ面221を含む面に配置されている。また、突出部64は、治具周方向における先端側係合部203側の端面232が基端側合わせ面211および先端側合わせ面221を含む面よりも治具周方向の内側に配置されており、先端側対向面222と同一平面に配置されている。突出部64は、治具周方向の中間部の治具径方向内側の内端面233が治具中心線を中心とする円弧状なしており、この内端面233の半径がロッド15の半径とほぼ同等となっている。突出部64は、基端側係合部202および先端側係合部203よりも治具径方向内側に突出してロッド15の外周面17に当接する。
図7に示すように、マスキング部材52の操作片部55は、カバー部51の基端側係合部102よりも基端側合わせ面111とは反対方向に突出するベース部141と、ベース部141の先端からこれとほぼ垂直をなすようにカバー部51とは反対側に延出する本体部142とを有している。操作片部55には、本体部142から基端側合わせ面111の方向に延出する複数具体的には四カ所の図3(a)に示すリブ143,144,145,146が形成されている。
リブ143は、本体部142の治具軸方向の一端縁部に形成されており、リブ144は本体部142の治具軸方向のリブ143よりも他端縁部側に形成されている。リブ145は本体部142の治具軸方向のリブ144よりも他端縁部側に形成されており、リブ146は本体部142の治具軸方向の他端縁部に形成されている。
リブ146は、図3(b)に示すように、カバー部51側の先端面161が、基端側合わせ面111と同一平面に配置されており、この先端面161よりもカバー部51とは反対側にある先端面162が、カバー部51から離れるほど基端側合わせ面111から本体部142側に離れるように傾斜している。
図3(a)に示すリブ143は、リブ146と同様の形状をなしており、カバー部51側の先端面151が、基端側合わせ面111と同一平面に配置されており、この先端面151のカバー部51とは反対側の先端面152が、カバー部51から離れるほど基端側合わせ面111から本体部142側に離れるように傾斜している。
リブ145は、図3(b)に示すように、カバー部51側の先端面165が、基端側合わせ面111と同一平面に配置されて先端面161よりも治具径方向の外方まで延出している。図3(a)に示すリブ144は、リブ145と同様の形状をなしており、カバー部51側の先端面155が、基端側合わせ面111と同一平面に配置されている。
リブ143のリブ144側の面からリブ144までの範囲に、先端面151と先端面152との境界位置に位置を合わせて、図7に示すように先端面151よりも本体部142とは反対側に突出する連係凸部156が形成されている。連係凸部156は本体部142から形成されており、図3(a)に示すリブ143とリブ144と本体部142とを連結している。図7に示すように、連係凸部156は、その先端面157が、治具軸方向から見て円弧状をなして突出している。
図3(a)に示すように、リブ145とリブ146との間には、これらを連結する連結部166が先端面161と先端面162との境界位置に位置を合わせて形成されている。連結部266は本体部142から形成されており、リブ145とリブ146と本体部142とを連結している。この連結部166には、先端面161と先端面162との境界位置に位置を合わせて先端面165よりも本体部142側に凹む円弧状凹部167が形成されている。この円弧状凹部167は、その底面168が図3(b)に示すように治具軸方向から見て円弧状をなして凹んでいる。図3(a)に示すように、リブ145,146間の間隔は、リブ143,144間の間隔よりも広くなっている。
図7に示すように、マスキング部材62の操作片部65は、カバー部61の基端側係合部202よりも基端側合わせ面211とは反対方向に突出するベース部241と、ベース部241の先端からこれとほぼ垂直をなすようにカバー部61とは反対側に延出する本体部242とを有している。操作片部65には、本体部242から基端側合わせ面211の方向に延出する複数具体的には四カ所の図3(a)に示すリブ243,244,245,246が形成されている。
リブ243は、本体部242の治具軸方向の一端縁部に形成されており、リブ244は本体部242の治具軸方向のリブ243よりも他端縁部側に形成されている。リブ245は本体部242の治具軸方向のリブ244よりも他端縁部側に形成されており、リブ246は本体部242の治具軸方向の他端縁部に形成されている。
リブ243は、図3(b)に示すように、カバー部61側の先端面251が、基端側合わせ面211と同一平面に配置されており、この先端面251のカバー部61とは反対側の先端面252が、カバー部61から離れるほど基端側合わせ面211から本体部242側に離れるように傾斜している。
リブ244は、カバー部61側の先端面255が、基端側合わせ面211と同一平面に配置されて、先端面251よりも治具径方向の外側まで延出している。図3(a)に示すリブ245は、リブ244と同様の形状をなしており、カバー部61側の先端面265が、基端側合わせ面211と同一平面に配置されている。
リブ243のリブ244側の面からリブ244まで、先端面251と先端面252との境界位置に位置を合わせて、図3(b)に示すように先端面255よりも本体部242とは反対側に突出する連係凸部256が形成されている。連係凸部256は、その先端面257が治具軸方向から見て円弧状をなして突出している。連係凸部256は本体部242から形成されており、図3(a)に示すリブ243とリブ244と本体部242とを連結している。
図7に示すように、リブ246は、カバー部61側の先端面261が、基端側合わせ面211と同一平面に配置されており、この先端面261よりもカバー部61とは反対側にある先端面262が、カバー部61から離れるほど基端側合わせ面211から本体部242側に離れるように傾斜している。
図3(a)に示すように、リブ245とリブ246との間には、これらを連結する連結部266が先端面261と先端面262との境界位置に位置を合わせて形成されている。図7に示すように連結部266は本体部242から形成されており、図3(a)に示すリブ245とリブ246と本体部242とを連結している。図7に示すように、この連結部266には、先端面261と先端面262との境界位置に位置を合わせて先端面261よりも本体部242側に凹む円弧状凹部267が形成されている。この円弧状凹部267は、その底面268が治具軸方向から見て円弧状をなして凹んでいる。図3(a)に示すように、リブ245,246間の間隔は、リブ243,244間の間隔よりも広くなっている。先端面157,257および底面168,268は円弧の半径が同径となっている。
以上のマスキング部材52とマスキング部材62とが、図5〜図7に示すように組み立てられてマスキング治具50を構成することになる。その際に、図7に示すように、操作片部55の連係凸部156を操作片部65の円弧状凹部267に係合させ、操作片部65の図3(b)に示す連係凸部256を操作片部55の円弧状凹部167に係合させる。これにより、マスキング部材52およびマスキング部材62は、連係凸部156,256および円弧状凹部167,267のそれぞれの円弧の中心を中心に揺動可能に接合される。
ここで、マスキング治具50には、図7に示すように連係凸部156と円弧状凹部267とを係合状態に維持し、且つ、図3(b)に示す連係凸部256と円弧状凹部167とを係合状態に維持するようにマスキング部材52,62を付勢する図示略の金属製のスプリングが設けられている。しかも、このスプリングは、カバー部51,61が図6,図7に示すように係合して閉状態となるように、マスキング部材52,62を付勢する。
マスキング治具50は、操作片部55,65が近接するように押圧操作されると、図7に示すように連係凸部156と円弧状凹部267とを係合状態に維持し、且つ、図3(b)に示す連係凸部256と円弧状凹部167とを係合状態に維持しつつ、図7に示すマスキング部材52,62がスプリングの付勢力に抗して揺動して、カバー部51,61が互いに離間する開状態となる。言い換えれば、マスキング治具50は、クリップタイプとなっており、カバー部51,61は開閉可能に連結されている。操作片部55,65は、二つのカバー部51,61を開く操作が入力される操作入力部301を構成している。
閉状態にあるとき、カバー部51とカバー部61とは、図6に示すように基端側係合部102と基端側係合部202とが係合し、先端側係合部103と先端側係合部203とが係合する。この閉状態にあるとき、基端側凹状部112に基端側凸状部212が嵌合し、先端側凹状部123に先端側凸状部223が嵌合する。このとき、基端側凸状部212の図4に示す両側の壁面214が、基端側凹状部112の両側の壁面114に同時に面接触するとともに、基端側合わせ面111と基端側合わせ面211とが面接触する。その一方で、基端側凸状部212の頂面213と基端側凹状部112の底面113との間には隙間が設けられる。
また、先端側凹状部123に先端側凸状部223が嵌合すると、壁面225が壁面125に、壁面226が壁面126に、それぞれ面接触するとともに、先端側合わせ面121と先端側合わせ面221とが面接触する。その一方で、先端側凸状部223の頂面224と先端側凹状部123の底面124との間、および、先端側対向面122と先端側対向面222との間には、それぞれ隙間が設けられる。
その結果、閉状態にある二つのカバー部51,61は、図6に示すように、基端側係合部102と基端側係合部202とが治具周方向にラップし、先端側係合部103と先端側係合部203とが治具周方向にラップする。つまり、閉状態にある二つのカバー部51,61は、すべての相互係合部が治具周方向にラップする。
また、閉状態にある二つのカバー部51,61は、図3(a)に示す三カ所の突出部54と三カ所の突出部64とが、一カ所ずつ治具軸方向の位置を合わせて対向する。対向する突出部54と突出部64とは、図7に示すように、内端面133と内端面233とが同一円に配置される。
また、閉状態にあるとき、マスキング部材52,62は、図3(a)に示す治具軸方向の位置が合うリブ143の先端面151とリブ246の先端面261とが当接し、リブ146の先端面161とリブ243の先端面251とが当接する。他方で、治具軸方向の位置が近いリブ144,245は、先端面155,265が当接しないように治具軸方向の位置がずらされており、治具軸方向の位置が近いリブ145,244も、先端面165,255が当接しないように治具軸方向の位置がずらされている。
マスキング治具50は、図7に示す操作片部55,65が近接方向に押圧操作されると、連係凸部156と円弧状凹部267とが係合状態を維持し、図3に示す連係凸部256と円弧状凹部167とが係合状態を維持したまま、図示略のスプリングの付勢力に抗して、これらの円弧の中心を中心として揺動し、図7に示すカバー部51とカバー部61とが離れて開状態になる。この開状態では、基端側合わせ面111,211が離れて、基端側凹状部112から基端側凸状部212が抜け出し、先端側合わせ面121,221が離れて先端側凹状部123から先端側凸状部223が抜け出す。
開状態にあるとき、揺動の中心となる連係凸部156および円弧状凹部267よりも遠い側にある先端側係合部103,203間の距離の方が、近い側にある基端側係合部102,202間の距離よりも大きくなる。このとき、先端側係合部103,203間には、ロッド15の外径よりも大きな隙間が形成され、よってこの隙間には、ロッド15が径方向に通過可能となる。
ここで、閉状態から開状態への開作動時に、マスキング部材52,62は、治具軸方向の位置が合うリブ143の先端面152とリブ246の先端面262とが当接し、図3(b)に示すリブ146の先端面162とリブ243の先端面252とが当接するまで揺動する。言い換えれば、図7に示す先端面152,262が当接し、図3(b)に示す先端面162,252が当接すると、リブ143,246およびリブ146,243がそれ以上のマスキング部材52,62の開方向の揺動を規制する。
作業者は、マスキング治具50のシリンダ装置11への取付時に、操作入力部301を手で把持してカバー部51,61を開状態とする。また、作業者は、これと前後して、自然状態にあるシリンダ装置11から、その内部に設けられた緩衝部材45を縮めるようにロッド15を引き出す。そして、作業者は、操作入力部301を手で把持したまま、マスキング治具50を移動させて、上記のように引き出された状態のロッド15のシール部材13とキャップ部材35との間の部分を、開状態とされたカバー部51,61の離間した先端側係合部103,203間に相対的に通して、操作入力部301への押圧を解除する。
すると、マスキング治具50のカバー部51,61は、図示略のスプリングの付勢力で基端側係合部102,202が係合状態になり先端側係合部103,203が係合状態になって閉状態となり、筒状をなしてロッド15のシール部材13とキャップ部材35との間の部分を覆うことになる。それとともに、基端側係合部102,202および先端側係合部103,203よりも径方向内側に突出する複数の突出部54および複数の突出部64が、内端面133,233でロッド15の外周面17に当接し、ロッド15を挟持する。その結果、マスキング治具50がロッド15に取り付けられた状態になる。
操作入力部301への押圧を解除した後、作業者は、ロッド15の引き出しを解除する。すると、マスキング治具50は、キャップ部材35の自然状態への戻りで、カバー部51,61の治具軸方向の一端面が、キャップ部材35のベース部37に全周にわたって当接する状態となり、カバー部51,61の治具軸方向の他端面が、シール部材13のダストリップ部24とシリンダ12のカール部32との間に入り込んで、シール部材13に全周にわたって当接する状態となる。つまり、マスキング治具50は、シール部材13およびキャップ部材35とによって、ロッド15のシール部材13およびキャップ部材35間の部分を覆うことになる。
ここで、マスキング治具50は、治具軸方向の一端側をシール部材13側とし他端側をキャップ部材35側とする姿勢、および、治具軸方向の前記他端側をシール部材13側とし前記一端側をキャップ部材35側とする姿勢のいずれでもロッド15をマスキングすることができる。つまり、マスキング治具50は、取り付けに方向性がないものとなっている。
上記のようにして、マスキング治具50でロッド15がマスキングされた状態のシリンダ装置11に塗装装置で塗料を吹き付けて塗装を行う。このとき、マスキング治具50、シール部材13およびキャップ部材35で覆われた、ロッド15のシール部材13およびキャップ部材35間の部分は塗料が吹き付けられることはない。マスキング治具50のカバー部51,61については、治具径方向外側の表面に塗料が吹き付けられることになるが、治具軸方向の両端面はシール部材13およびキャップ部材35に当接していて塗料が吹き付けられることはない。
塗装後に、作業者は、シリンダ装置11から、その内部に設けられた緩衝部材45を縮めるようにロッド15を引き出しつつ、マスキング治具50の操作入力部301を手で把持しカバー部51,61を開状態とする。そして、作業者は、操作入力部301を手で把持したまま、カバー部51,61の離間した先端側係合部103,203間にロッド15を相対的に通過させてマスキング治具50をシリンダ装置11から取り外す。取り外されたマスキング治具50は、その後、別のシリンダ装置11を塗装する際のロッド15のマスキングに使用される。つまり、マスキング治具50は、繰り返し使用される。
上記した特許文献1には、組み立て前のピストンロッドにメッキ処理を施す場合に、ピストンロッドの非摺動部を円筒状のマスキング治具でマスキングする技術が開示されている。
ところで、組み立てた状態のシリンダ装置に塗料を吹き付けて塗装処理を行う場合に、ロッドのシール部材に摺接する可能性のある部分をマスキングする必要がある。その際に、ロッドにロッドよりも大径の部品が装着されていると、円筒状のマスキング治具を用いることができない。この場合は、円筒状のマスキング治具を半円筒状の二部品に分割しこれら二部品を径方向両側から合わせてロッドをマスキングすることが考えられる。しかしながら、二部品でマスキングすると、その係合部分の隙間に塗料が入り込み、この塗料がロッドに付着してしまう可能性がある。特に、同じマスキング治具を繰り返し使用する場合には、塗装工程の度に塗料の入り込みが進行し、ロッドに付着してしまう可能性が一層高くなる。
これに対し、第1実施形態のマスキング治具50によれば、開閉可能に連結され閉状態で筒状をなしてロッド15を覆う二つのカバー部51,61の基端側係合部102,202および先端側係合部103,203が、閉状態にあるときはいずれも治具周方向にラップするため、基端側係合部102,202間の隙間および先端側係合部103,203間の隙間に治具径方向外側から塗料が入り込むことを抑制することができる。よって、塗装中に、基端側係合部102,202間の隙間および先端側係合部103,203間の隙間を介して塗料が入り込んでロッド15に付着することを抑制することができる。したがって、シリンダ装置11の塗装処理品質の向上を図ることができる。
また、塗装後にロッド15から取り外される際に、マスキング治具50は、先端側係合部103,203の治具径方向の内側部分において最もロッド15に接触しやすい。基端側係合部102,202および先端側係合部103,203が治具周方向にラップして、塗料が治具径方向の内側まで至ることを抑制するため、マスキング治具50の取り外し時にマスキング治具50に付着した塗料がロッド15に転写されてしまうことを抑制できる。
また、マスキング治具50は、二つのカバー部51,61を開く操作が入力される操作入力部301を有しているため、シリンダ装置11への着脱操作が容易になる。その上、安定した姿勢での取り外しが可能となるため、マスキング治具50に付着した塗料が取り外し時にロッド15に転写されてしまう可能性を低減できる。したがって、シリンダ装置11の塗装処理品質の一層の向上を図ることができる。
また、二つのカバー部51,61は、基端側係合部102,202および先端側係合部103,203よりも治具径方向内側に突出してロッド15の外周面17に当接する突出部54,64を有するため、基端側係合部102,202および先端側係合部103,203とロッド15の外周面17との治具径方向の距離を離すことができる。よって、基端側係合部102,202間の隙間および先端側係合部103,203間の隙間を介して塗料が入り込んでロッド15に付着することを一層抑制することができる。したがって、シリンダ装置11の塗装処理品質の一層の向上を図ることができる。
また、基端側係合部102,202は、治具周方向に凹む基端側凹状部112と治具周方向に突出して基端側凹状部112に嵌合する基端側凸状部212とを有しており、先端側係合部103,203は、治具周方向に凹む先端側凹状部123と治具周方向に突出して先端側凹状部123に嵌合する先端側凸状部223とを有している。よって、基端側係合部102,202の隙間および先端側係合部103,203の隙間は、形状が複雑になるとともに閉塞されることになり、これらの隙間を介して塗料が入り込んでロッド15に付着することを一層抑制することができる。したがって、シリンダ装置11の塗装処理品質の一層の向上を図ることができる。
また、閉状態にある二つのカバー部51,61の治具軸方向の一端部が、シール部材13にその全周にわたって連続的に当接するため、マスキング治具50とシール部材13との隙間から塗料が入り込むことを抑制できる。したがって、シリンダ装置11の塗装処理品質の一層の向上を図ることができる。
また、閉状態にある二つのカバー部51,61の治具軸方向の他端部が、キャップ部材35にその全周にわたって連続的に当接するため、マスキング治具50とキャップ部材35との隙間から塗料が入り込むことを抑制できる。したがって、シリンダ装置11の塗装処理品質の一層の向上を図ることができる。
また、先端側係合部103は、治具径方向内側の治具周方向の端面である先端側対向面122が、治具径方向外側の先端側合わせ面121よりも治具周方向の外側に位置しているため、マスキング治具50がロッド15から取り外される際に、先端側係合部103がロッド15に接触したとしても、先端側対向面122が接触して、先端側合わせ面121のロッド15への接触を抑制する。よって、治具径方向外端の先端側合わせ面121に付着した塗料がロッド15に転写されてしまうことを抑制できる。
また、先端側係合部203は、治具径方向内側の治具周方向の端面である頂面224が、治具径方向外側の先端側合わせ面221よりも治具周方向の外側に位置しているため、マスキング治具50がロッド15から取り外される際に、先端側係合部203が例えロッド15に接触したとしても、頂面224が接触して、先端側合わせ面221のロッド15への接触を抑制する。よって、治具径方向外端の先端側合わせ面221に付着した塗料がロッド15に転写されてしまうことを抑制できる。
また、カバー部51の突出片部127が、主体部101側に押圧されると先端側凹状部123の治具径方向の幅を拡げるように先端側係合部103を変形させるため、塗料の粘着力等で先端側凹状部123から先端側凸状部223が抜けにくくなった場合に、作業者は、突出片部127を主体部101側に押圧することで、先端側凹状部123から先端側凸状部223を容易に抜くことができる。
「第2実施形態」
次に、第2実施形態を主に図8に基づいて第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。
第2実施形態では、カバー部51の治具軸方向の端部に、主体部101の外径よりも小径の突出端部401が形成されている。また、カバー部61の治具軸方向の突出端部401と同側の端部にも、主体部201の外径よりも小径の突出端部402が形成されている。
カバー部51,61が閉状態にあるときに、突出端部401の治具周方向の両側の端面405が、突出端部402の治具周方向の両側の端面406に当接して、突出端部401,402が円環状をなす。また、カバー部51,61が閉状態にあるときに、突出端部401の治具径方向内側の内端面407および突出端部402の治具径方向内側の内端面408が同一円上に配置されて図1に示すロッド15の外周面17に当接する。
突出端部401の治具径方向外側の外周面403および突出端部402の治具径方向外側の外周面404は、治具軸方向の外側ほど小径となる同一テーパ面に配置されている。外周面403,404のテーパは、キャップ部材35の固定部36のテーパと同等になっている。第2実施形態のマスキング治具50は、突出端部401,402が形成されることによってカバー部51,61の治具軸方向の一端部が他の部分よりも小径で先細の段差状をなしている。
第2実施形態のマスキング治具50は、例えば、突出端部401,402をキャップ部材35側に向けた姿勢でロッド15に取り付けられる。すると、突出端部401,402は、外周面403,404がキャップ部材35の固定部36に全周にわたって連続するように当接する。
以上の第2実施形態によれば、突出端部401,402が形成されることによってカバー部51,61の治具軸方向の一端部が他の部分よりも小径で先細の段差状をなしているため、作業者は、カバー部51,61の一端部をキャップ部材35の支持部38を避けて支持部38の内側に入り込ませたり、支持部38の外側に移動させたりすることが容易に行えることになる。したがって、マスキング治具50のシリンダ装置11への着脱作業の作業性を向上させることができる。
ここで、上記とは逆に、第2実施形態のマスキング治具50を、突出端部401,402をシール部材13側に向けた姿勢でロッド15に取り付けても良い。その際に、突出端部401,402の先端部をシール部材13のダストリップ部24とロッド15との間に入り込ませても良い。また、カバー部51,61の治具軸方向の両端部それぞれに突出端部401,402を設けても良い。
以上の実施形態は、筒状のシリンダと、該シリンダの端部に設けられるシール部材と、前記シリンダから前記シール部材を通って延出するロッドと、を有するシリンダ装置の前記ロッドをマスキングするマスキング治具であって、開閉可能に連結され閉状態で筒状をなして前記ロッドを覆う二つのカバー部と、前記二つのカバー部を開く操作が入力される操作入力部とを有し、閉状態にある前記二つのカバー部の係合部が周方向にラップすることを特徴とする。このように、二つのカバー部の係合部が、閉状態にあるときはいずれも周方向にラップするため、係合部の隙間に処理剤が入り込むことを抑制することができる。よって、係合部の隙間を介してロッドに処理剤が付着することを抑制することができる。したがって、シリンダ装置の処理品質の向上を図ることができる。
また、前記二つのカバー部は、前記係合部よりも径方向内側に突出して前記ロッドの外周面に当接する突出部を有するため、係合部とロッドとの距離を離すことができる。よって、係合部の隙間を介してロッドに処理剤が付着することを一層抑制することができる。したがって、シリンダ装置の処理品質の一層の向上を図ることができる。
また、前記係合部は、周方向に凹む凹状部と、周方向に突出して前記凹状部に嵌合する凸状部とを有するため、係合部の隙間の形状が複雑になり、この隙間を介して処理剤が入り込んでロッドに付着することを一層抑制することができる。したがって、シリンダ装置の処理品質の一層の向上を図ることができる。
また、閉状態にある前記二つのカバー部は前記シール部材に全周にわたって当接するため、二つのカバー部とシール部材との隙間を介して処理剤が入り込んでロッドに付着することを抑制することができる。したがって、シリンダ装置の処理品質の一層の向上を図ることができる。
11 シリンダ装置
12 シリンダ
13 シール部材
15 ロッド
17 外周面
50 マスキング治具
51,61 カバー部
54,64 突出部
102,202 基端側係合部(係合部)
103,203 先端側係合部(係合部)
112 基端側凹状部(凹状部)
123 先端側凹状部(凹状部)
212 基端側凸状部(凸状部)
223 先端側凸状部(凸状部)
301 操作入力部

Claims (4)

  1. 筒状のシリンダと、
    該シリンダの端部に設けられるシール部材と、
    前記シリンダから前記シール部材を通って延出するロッドと、
    を有するシリンダ装置の前記ロッドをマスキングするマスキング治具であって、
    開閉可能に連結され閉状態で筒状をなして前記ロッドを覆う二つのカバー部と、
    前記二つのカバー部を開く操作が入力される操作入力部とを有し、
    閉状態にある前記二つのカバー部の係合部が周方向にラップすることを特徴とするマスキング治具。
  2. 前記二つのカバー部は、前記係合部よりも径方向内側に突出して前記ロッドの外周面に当接する突出部を有することを特徴とする請求項1記載のマスキング治具。
  3. 前記係合部は、周方向に凹む凹状部と、周方向に突出して前記凹状部に嵌合する凸状部とを有することを特徴とする請求項1または2記載のマスキング治具。
  4. 閉状態にある前記二つのカバー部は前記シール部材に全周にわたって当接することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載のマスキング治具。
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