JP2016119347A - 電子装置の取り付け構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】放熱性が低下することを抑制できる電子装置の取り付け構造を提供すること。【解決手段】ベース基板は、電子装置100が取り付けられる被取付面S4と有している。電子装置100は、パワー半導体素子20が一面S1に実装された回路基板10と、パワー半導体素子20を封止しているモールド樹脂50とを有している。モールド樹脂50は、パワー半導体素子20を囲う環状の凹部53と、パワー半導体素子20に対向した素子対向部54とが形成されている。電子装置100は、モールド樹脂50の縁部全周がベース基板200と密着した状態で、素子対向部54と被取付面S4との間に第1領域が形成されると共に、凹部53と被取付面S4との間の第2領域とが形成される。そして、電子装置100は、第1領域と第2領域とに放熱ゲル300が配置された状態で、ベース基板200に取り付けられている。【選択図】図2
Description
本発明は、発熱回路素子を有した電子装置の取り付け構造に関する。
従来、発熱回路素子を有した電子装置の取り付け構造の一例として、特許文献1に開示されたパワーモジュールの組み付け構造がある。この組み付け構造は、パワーモジュールに装着された放熱板を、放熱ゲル(特許文献1では熱伝導性グリス)を介して放熱ケースに組み付けるものである。この組み付け構造では、放熱板の放熱ケースへの接合面、及び放熱ケースの放熱板への接合面の少なくとも一方に、放熱ゲルが充填されるスリット形成が形成されている。
しかしながら、特許文献1では、パワーモジュールの放熱板に設けられたスリットが、放熱板の端部にまで達している。また、放熱ケースに設けられたスリットは、パワーモジュールと放熱ケースとの対向領域だけでなく、対向領域の周辺にまで達している。このため、特許文献1では、パワーモジュールと放熱板との間から放熱ゲルが抜ける可能性がある。パワーモジュールと放熱板との間から放熱ゲルが抜けた場合、特許文献1では、パワーモジュールと放熱板との間に、放熱ゲルのかわりに空気が入る可能性がある。このため、特許文献1では、放熱性が低下する可能性がある。
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、放熱性が低下することを抑制できる電子装置の取り付け構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、
電子装置が放熱ゲルを介してベース基板に取り付けられる電子装置の取り付け構造であって、
ベース基板は、金属を主成分として構成され、電子装置が取り付けられる被取付面(S4)と有しており、
電子装置は、
動作することで発熱する発熱回路素子(20)が一面(S1)に実装された回路基板(10)と、
電子装置がベース基板に取り付けられた状態で、ベース基板と対向する部位であり、一面及び発熱回路素子を封止しているモールド樹脂(50)と、を有しており、
モールド樹脂は、電子装置がベース基板に取り付けられた状態で、ベース基板との対向面における縁部全周がベース基板と密着するものであり、
密着している部位に囲まれた位置に、発熱回路素子を囲う、周辺よりも凹んだ環状の凹部(53)と、
密着している部位に囲まれた位置に、発熱回路素子に対向した素子対向部(54)と、が形成されており、
電子装置は、縁部全周がベース基板と密着した状態で、素子対向部と被取付面との間に第1領域が形成されると共に、第1領域と連通した凹部と被取付面との間の第2領域とが形成され、第1領域と第2領域とに放熱ゲルが配置された状態で、ベース基板に取り付けられていることを特徴とする。
電子装置が放熱ゲルを介してベース基板に取り付けられる電子装置の取り付け構造であって、
ベース基板は、金属を主成分として構成され、電子装置が取り付けられる被取付面(S4)と有しており、
電子装置は、
動作することで発熱する発熱回路素子(20)が一面(S1)に実装された回路基板(10)と、
電子装置がベース基板に取り付けられた状態で、ベース基板と対向する部位であり、一面及び発熱回路素子を封止しているモールド樹脂(50)と、を有しており、
モールド樹脂は、電子装置がベース基板に取り付けられた状態で、ベース基板との対向面における縁部全周がベース基板と密着するものであり、
密着している部位に囲まれた位置に、発熱回路素子を囲う、周辺よりも凹んだ環状の凹部(53)と、
密着している部位に囲まれた位置に、発熱回路素子に対向した素子対向部(54)と、が形成されており、
電子装置は、縁部全周がベース基板と密着した状態で、素子対向部と被取付面との間に第1領域が形成されると共に、第1領域と連通した凹部と被取付面との間の第2領域とが形成され、第1領域と第2領域とに放熱ゲルが配置された状態で、ベース基板に取り付けられていることを特徴とする。
このように、本発明は、電子装置におけるモールド樹脂の縁部全周がベース基板と密着して、電子装置がベース基板に取り付けられている。このため、第1領域と第2領域とは、密閉された状態となる。よって、本発明は、第1領域と第2領域とに配置された放熱ゲルが、電子装置とベース基板との間から漏れ出すことを抑制できる。
通常、第1領域と第2領域には、これらの領域の体積に応じた量の放熱ゲルが配置される。ところが、放熱ゲルの量は、放熱ゲルの供給誤差やモールド樹脂の設計公差などによって、第1領域と第2領域の体積よりも少なくなることもありうる。この場合、第1領域と第2領域には、空気が入ってしまう。
しかしながら、本発明は、モールド樹脂に、発熱回路素子を囲う環状の凹部が設けられている。よって、本発明は、放熱ゲルの量が第1領域と第2領域の体積容積よりも少なかったとしても、凹部が空気の逃げ場所となり、第1領域に空気が入り込むことを抑制できる。このため、本発明は、第1領域が放熱ゲルで満たされやすくなり、放熱性の低下を抑制できる。
なお、特許請求の範囲、及びこの項に記載した括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、発明の技術的範囲を限定するものではない。
以下において、図面を参照しながら、発明を実施するための形態を説明する。本実施形態は、図2などに示すように、電子装置100が放熱ゲル300を介してベース基板200に取り付けられる電子装置100の取り付け構造に関するものである。なお、図1、図2などにおける符号V1は、モールド樹脂50とベース基板200との間における空気であり、ボイドと言うこともできる。
まず、ベース基板200の構成に関して説明する。ベース基板200は、例えば銅やアルミニウムなどの金属を主成分として構成され、電子装置100が取り付けられる被取付面S4を有している。また、ベース基板200は、ステンレスで形成されていてもよい。このベース基板200は、電子装置100の制御対象である車載機器の筐体や、電子装置100の放熱のための放熱部材などを採用できる。また、ベース基板200としての放熱部材は、放熱板や放熱ブロックなどと言うこともできる。
次に、電子装置100に関して説明する。電子装置100は、例えば、車両に搭載されてなる車載電子装置に適用できる。本実施形態では、電子装置100を車載電子装置に適用した例を採用する。しかしながら、本発明はこれに限定されない。
電子装置100は、図2に示すように、回路基板10と、回路基板10の一面S1に実装された回路素子としてのパワー半導体素子20と、回路基板10の一面S1に設けられてパワー半導体素子20を封止しているモールド樹脂50とを備えて構成されている。なお、以下においては、パワー半導体素子20をパワー素子20とも記載する。
また、電子装置100は、回路素子としての抵抗21が回路基板10の一面S1に実装されていてもよい。この抵抗21は、はんだ40を介して、回路基板10に実装されている。なお、抵抗21は、はんだ40を介して、回路基板10に電気的及び機械的に接続されていると言うこともできる。また、本実施形態は、はんだ40とは異なる導電性の接着剤を用いることもできる。また、回路基板10は、抵抗21とは異なる回路素子、例えばコンデンサなどが一面S1に実装されていてもよい。
回路基板10は、絶縁性の樹脂基材に導電性部材からなる配線が形成されたものである。回路基板10は、例えば、コア層と、コア層に積層されたビルドアップ層とを含む所謂ビルドアップ基板を採用できる。また、回路基板10は、コア層が設けられておらず、複数のビルドアップ層が積層された所謂エニーレイヤー基板であっても採用できる。しかしながら、本発明はこれに限定されない。本発明は、セラミックスに配線が形成された回路基板10であっても採用できる。なお、回路基板10は、一面S1にパワー素子20などの回路素子が実装されるランドが設けられている。このランドは、配線と電気的に接続されている。
回路基板10は、例えば直方体形状を有している。つまり、回路基板10は、一面S1及び一面S1の反対面である裏面S5が矩形形状を有しており、一面S1と裏面S5とに連続して設けられた四つの側面を有している。
更に、回路基板10は、自身の厚み方向に貫通した基板貫通穴が設けられている。基板貫通穴は、一面S1から裏面S5に達する穴である。基板貫通穴は、樹脂基材の壁面に囲まれた空間と言うこともできる。また、この壁面は、回路基板10の内壁面と言うこともできる。
基板貫通穴は、後程説明するモールド樹脂50に形成されたモールド貫通穴51と連続した貫通穴であり、ねじ500が挿入される穴である。基板貫通穴とモールド貫通穴51とは、直線状に形成されている。言い換えると、電子装置100は、回路基板10の裏面S5からモールド反対面に亘って、基板貫通穴とモールド貫通穴51とによる貫通穴が形成されている。そして、回路基板10は、例えば、自身の厚み方向に水平な平面における四隅に基板貫通穴が設けられている。なお、モールド反対面に関しては、後程説明する。
パワー素子20は、回路基板10の一面S1に実装されている回路素子であり、自身が動作することで熱を発するものである。パワー素子20は、特許請求の範囲における発熱回路素子に相当する。パワー素子20は、例えば、MOSFETやIGBTなどを採用できる。
パワー素子20は、例えば、両面に電極が形成されたベアチップ状態の半導体素子である。パワー素子20は、自身の実装面が回路基板10の一面S1と対向した状態ではんだ40を介して回路基板10に実装されている。つまり、パワー素子20は、実装面側の電極がはんだ40と電気的及び機械的に接続されている。そして、はんだ40は、回路基板10の一面S1に設けられたランドと電気的及び機械的に接続されている。なお、パワー素子20は、はんだ40とは異なる導電性の接着剤を介して、回路基板10と電気的及び機械的に接続されていてもよい。
また、パワー素子20は、回路基板10への実装面の反対面である非実装面にヒートシンク31が機械的及び電気的に接続されている。ヒートシンク31は、銅などの金属を主成分とした部材である。ヒートシンク31は、パワー素子20の非実装面に対向する素子側部位と、回路基板10の一面S1に対向する基板側部位と、素子側部位と基板側部位とを連結している連結部位とが一体的に設けられた部材である。ヒートシンク31は、素子側部位がパワー素子20における非実装面側の電極に電気的及び機械的に接続されており、基板側部位が回路基板10のランドに電気的及び機械的に接続されている。ヒートシンク31は、例えば、はんだや、はんだとは異なる導電性の接着剤を介して、パワー素子20及び回路基板10と電気的及び機械的に接続されている。ヒートシンク31は、パワー素子20から発せられた熱を放熱する放熱部材としての機能に加えて、パワー素子20と回路基板10の間における電流経路としての機能を有している。
このように、パワー素子20は、非実装面にヒートシンク31が電気的及び機械的に接続されている。このため、パワー素子20から発せられた熱は、非実装面からヒートシンク31の素子側部位に伝達される。よって、ヒートシンク31は、パワー素子20から発せられた熱が非実装面側から放熱されやすくなるように設けられている、と言うことができる。
なお、ヒートシンク31は、素子側部位がパワー素子20における非実装面の全域と対向しつつ、非実装面側の電極と電気的及び機械的に接続されている。このようにすることで、ヒートシンク31は、素子側部位が非実装面の一部のみに対向している場合よりも放熱性を向上できる。しかしながら、ヒートシンク31は、素子側部位が非実装面の一部のみに対向しつつ、非実装面側の電極と電気的及び機械的に接続されていてもよい。更に、本発明は、ヒートシンク31が設けられていなくても目的を達成できる。つまり、パワー素子20は、ヒートシンク31を介することなく、ワイヤなどで回路基板10と電気的及び機械的に接続されていてもよい。
モールド樹脂50は、例えばエポキシ系などの樹脂に、AL2O3などのフィラ−が混ぜられたものなどからなる。モールド樹脂50は、一面S1に設けられ、パワー素子20を封止している。また、モールド樹脂50は、パワー素子20に加えて、パワー素子20と回路基板10との接続部位、すなわちランドやはんだ40などを一体的に封止している。また、モールド樹脂50は、パワー素子20と共に、ヒートシンク31、及びヒートシンク31とパワー素子20の接続部位、ヒートシンク31と回路基板10との接続部位を一体的に封止している。なお、本実施形態のモールド樹脂50は、パワー素子20と共に、一面S1に実装された抵抗21、及び抵抗21と回路基板10との接続部位、すなわちランドやはんだ40を一体的に封止している。
モールド樹脂50は、回路基板10における一面S1の少なくとも一部に密着しつつ、パワー素子20などを封止していると言うことができる。本実施形態では、回路基板10における一面S1の全域に密着して設けられたモールド樹脂50を採用している。つまり、回路基板10は、一面S1の全域がモールド樹脂50によって封止されている。また、モールド樹脂50は、回路基板10の一面S1や、一面S1に実装されたパワー素子20などを覆っていると言うこともできる。
後程説明するが、電子装置100は、モールド樹脂50がベース基板200と対向した状態で、ベース基板200に取り付けられる。つまり、モールド樹脂50は、電子装置100がベース基板200に取り付けられた状態で、ベース基板200と対向する部位である。なお、上記モールド反対面は、モールド樹脂50におけるベース基板200と対向面、すなわち、一面S1と接する面の反対面である。
モールド樹脂50は、電子装置100がベース基板200に取り付けられた状態で、ベース基板200との対向面における縁部全周がベース基板200と密着するものである。図1に示すように、電子装置100は、例えば、Oリング400を介して密着している。このOリング400は、特許請求の範囲における環状のシール部材に相当する。また、モールド樹脂50は、Oリング400が配置されている部分がベース基板200と密着する部位と言うことができる。また、モールド樹脂50におけるベース基板200と密着している部位は、放熱ゲル300が配置される第1領域及び第2領域の全周を囲っている。
なお、モールド樹脂50は、図2に示すように、Oリング400が配置される環状のシール部52が形成されていると好ましい。このシール部52は、周辺よりも窪んだ部位である。モールド樹脂50は、シール部52が周辺よりも窪んだ形状をなしている。言い換えると、モールド樹脂50は、放熱ゲル300が配置される第1領域及び第2領域を全周に亘って囲う環状の溝であるシール部52が形成されている。本実施形態では、図2に示すように、一例として、断面が三角形状の溝であるシール部52が形成されたモールド樹脂50を採用している。しかしながら、シール部52の溝形状は、これに限定されない。また、本実施形態は、シール部52が設けられていなくてもよい。
モールド樹脂50は、図1や図2に示すように、ベース基板200に密着している部位に囲まれた位置に、パワー素子20を囲う、周辺よりも凹んだ環状の凹部53が設けられている。つまり、凹部53は、後程説明する対向面S3よりも凹んだ部位である。この凹部53は、環状の溝と言うこともできる。なお、凹部53の底部S2は、例えば、平坦に形成されている。
モールド樹脂50は、上記のような凹部53が設けられているため、電子装置100がベース基板200に取り付けられた状態で、凹部53とベース基板200の被取付面S4とが接しない。つまり、モールド樹脂50は、電子装置100がベース基板200に取り付けられた状態で、凹部53と被取付面S4との間に第2領域が形成されることになる。よって、第2領域は、凹部53と被取付面S4との対向領域である。
また、電子装置100は、モールド樹脂50の縁部全周がベース基板200と密着した状態で、凹部53と被取付面S4との間に領域が形成されると言うことができる。なお、本実施形態では、図2に示すように、二段階に凹んだ凹部53を採用している。しかしながら、本発明は、これに限定されない。
モールド樹脂50は、ベース基板200に密着している部位に囲まれた位置に、パワー素子20に対向した素子対向部54が設けられている。詳述すると、素子対向部54は、パワー素子20における非実装面上に設けられている。また、上記のように、本実施形態では、パワー素子20にヒートシンク31が取り付けられている例を採用している。このため、素子対向部54は、ヒートシンク31の素子側部位上に設けられている部位である。つまり、素子対向部54は、モールド樹脂50の一部であり、素子側部位におけるパワー素子20が接続されている側の反対側に設けられている部位である。
この素子対向部54の表面である対向面S3は、電子装置100がベース基板200に取り付けられた状態で、ベース基板200と対向することになる。この対向面S3は、例えば、平坦に形成されている。
更に、本取り付け構造では、電子装置100がベース基板200に取り付けられた状態で、対向面S3が被取付面S4に接しないように構成されている。つまり、電子装置100は、モールド樹脂50の縁部全周がベース基板200と密着した状態で、素子対向部54と被取付面S4との間に第1領域が形成される。よって、第1領域は、素子対向部54と被取付面S4との対向領域である。電子装置100は、例えば、一面S1から対向面S3までの厚みよりも、モールド樹脂50における縁部の厚みを厚くすることで、対向面S3が被取付面S4に接しないようすることができる。この第1領域は、第2領域と連通している。
素子対向部54の厚みは、ヒートシンク31の絶縁性が確保でき、且つ、できるだけ薄い方が好ましい。電子装置100は、ヒートシンク31及びモールド樹脂50を介して、パワー素子20から発せられた熱を放熱するためである。
また、モールド樹脂50は、回路基板10の基板貫通穴に対向する位置に、自身の厚み方向に貫通したモールド貫通穴51が設けられている。モールド貫通穴51は、モールド樹脂50の壁面で囲まれた空間と言うこともできる。なお、この壁面は、モールド樹脂50の内壁面と言うこともできる。以下においては、基板貫通穴と、基板貫通穴に連通しているモールド貫通穴51とからなる貫通穴を装置貫通穴とも記載する。
電子装置100は、このようにモールド樹脂50が設けられているため、一面S1から底部S2までの厚みより、一面S1から対向面S3までの厚みの方が厚くなっている。なお、図2における符号L1は、被取付面S4と対向面S3との間隔を示している。図2における符号L2は、被取付面S4と底部S2との間隔を示している。図2における符号L3は、被取付面S4と一面S1との間隔を示している。これらの間隔は、L3≧L2≧L1の関係を保持している。
また、電子装置100は、パワー素子20などをモールド樹脂50で封止しているので、パワー素子20などに埃などが付着することを抑制できる。また、電子装置100は、パワー素子20と回路基板10との接続部位などを封止しているので、パワー素子20などと回路基板10との接続信頼性を確保できる。
また、電子装置100は、回路基板10の一面S1側だけがモールド樹脂50で封止されている。よって、電子装置100は、ハーフモールドパッケージと言うこともできる。モールド樹脂50は、コンプレッション成型やトランスファー成型によって形成することができる。
ここで、電子装置100の製造方法の一例を説明する。まず、第1工程では、回路基板10の一面S1にパワー素子20などを実装する。つまり、第1工程では、ボンディングなどによって、回路基板10とパワー素子20などとを電気的及び機械的に接続する。その後、第2工程では、回路基板10と、回路基板10に実装されたパワー素子20とにヒートシンク31を取り付ける。この第1工程及び第2工程によって、回路基板10にパワー素子20などが実装された第1構造体が製造される。
その後、第3工程では、パワー素子20などが実装された回路基板10の一面S1にモールド樹脂50を形成する。この第3工程では、モールド成型用の金型に第1構造体をセットしてモールド成型する。また、上記のように、第3工程は、トランスファー成型やコンプレッション成型を採用できる。
第3工程を実施する際には、基板貫通穴にモールド樹脂50が入り込まないようにするために、基板貫通穴を棒状の部材で塞ぎつつモールド成型する。この棒状の部材は、金型における回路基板10の一面S1に対向する面から基板貫通穴に達する長さのものが好ましい。このような棒状の部材を用いることで、第3工程では、基板貫通穴がモールド樹脂50で塞がれることなく、基板貫通穴と連通したモールド貫通穴51を有したモールド樹脂50を形成できる。
また、第3工程で用いる金型は、シール部52、凹部53、素子対向部54を形成するために、回路基板10の一面S1に対向する面が凸状になっている。つまり、金型における回路基板10の一面S1に対向する面は、シール部52、凹部53に対応する位置が周辺よりも突出しており、素子対向部54に対応する位置がモールド樹脂50の縁部に対応する位置よりも突出している。この第3工程によって、第1構造体にモールド樹脂50が形成された第2構造体が製造される。電子装置100は、このようにして製造することができる。
ここで、ベース基板200に対する電子装置100の取り付け構造に関して説明する。本取り付け構造では、図2に示すように、モールド樹脂50のモールド反対面がベース基板200に対向した状態で、電子装置100がベース基板200に取り付けられている。また、電子装置100は、シール部52とベース基板200とでOリング400を挟み込んだ状態でベース基板200に取り付けられている。つまり、電子装置100は、シール部52にOリング400が配置された状態でベース基板200に取り付けられている。しかしながら、本取り付け構造はこれに限定されない。本取り付け構造は、モールド樹脂50とベース基板200との密着性を向上でき、モールド樹脂50とベース基板200との間から放熱ゲル300が漏れるのを抑制できるものであれば、Oリング400とは異なるシール部材でも採用できる。また、本取り付け構造は、モールド樹脂50とベース基板200との間から放熱ゲル300が漏れない程度に、モールド樹脂50とベース基板200とが密着していれば、Oリング400を設ける必要がない。
また、電子装置100は、図1,図2に示すように、ねじ500によってベース基板200に固定されている。ねじ500は、ねじ頭と、ねじ頭から突出して設けられた部位の先端側にねじ溝部が形成されている。ねじ500は、ねじ頭が回路基板10の裏面S5に配置され、ねじ頭から突出して設けられた部位が装置貫通穴に挿入され、且つ、ねじ溝部がモールド樹脂50から突出している。そして、ねじ500は、ねじ溝部がベース基板200にねじ込まれて締結される。このように、電子装置100は、ベース基板200に対して、ねじ500によって、ねじ止めされる。
なお、本取り付け構造は、電子装置100をベース基板200に固定するための固定部材としてねじ500を採用している。しかしながら、本取り付け構造は、これに限定されない。固定部材としては、例えば、回路基板10の裏面に当接される頭部と、ベース基板200に挿入されることで弾性変形する変形部と、頭部と変形部とを繋いでいる部位であり基板貫通穴とモールド貫通穴51に配置される柱状部とを有した固定ピンなどを採用できる。
更に、本取り付け構造は、電子装置100がベース基板200に取り付けられることで、第1領域、及び第1領域に連通した第2領域が形成される。この第1領域と第2領域には、電子装置100から発せられた熱をベース基板200に伝達するための放熱ゲル300が配置されている。このように、本取り付け構造では、第1領域と第2領域とに放熱ゲル300が配置された状態で、電子装置100がベース基板200に取り付けられている。なお、電子装置100とベース基板200に取り付ける際には、予め第1領域及び第2領域に放熱ゲル300を充填しておく。電子装置100から発せられた熱とは、主にパワー素子20から発せられた熱である。
なお、図2は、被取付面S4が地面に対して水平になるように配置されたベース基板200に、鉛直(重力)方向において回路基板10よりもモールド樹脂50が下側になるように、電子装置100が取り付けられている状態を示している。本取り付け構造は、電子装置100とベース基板200とが図2に示す状態で取り付けられていると、放熱ゲル300が第1領域に留まりやすくなり好ましい。
放熱ゲル300は、流動性を有した放熱剤である。この放熱ゲル300は、放熱グリスや放熱接着剤なども含むものである。また、第1領域と第2領域に投入される放熱ゲル300の投入量は、図2に示す状態で、電子装置100がベース基板200に取り付けられている場合、図4の関係を保持すると好ましい。図4は、密閉空間体積(V)と放熱ゲル300の投入量である投入ゲル量(Vgel)との関係を示すグラフである。なお、密閉空間は、第1領域と第2領域を示すものである。よって、密閉空間体積は、第1領域の体積と第2領域の体積とを加算した体積である。投入ゲル量は、第1領域と第2領域に投入する放熱ゲル300の量である。また、図4における実線は、第1領域と第2領域の全領域に放熱ゲル300を投入した場合を示している。一方、図4における破線は、第2領域の空気V1が第1領域に移動しないようにするための最小投入ゲル量(Vgel_min)を示している。本取り付け構造では、図4の関係を保持して、第1領域と第2領域に放熱ゲル300を投入することで、第2領域の空気V1が第1領域に移動することを抑制できる。
例えば、図4において、密閉空間体積が100で、投入ゲル量が100の場合、第1領域と第2領域の全域が放熱ゲル300で満たされる。そして、密閉空間体積が100の場合、放熱ゲル300は、破線で示す最小投入ゲル量であれば、第1領域に空気V1ができるのを抑制できる。この放熱ゲル300の下限量は、対向面S3に沿う仮想平面と被取付面S4との間の全領域を満たす量である。つまり、本取り付け構造は、少なくとも、対向面S3に沿う仮想平面と被取付面S4との間の全領域が放熱ゲル300で満たされていればよい。なお、放熱ゲル300の投入量は、少なくとも図3に示す程度が好ましい。
以上のように、本取り付け構造は、電子装置100におけるモールド樹脂50の縁部全周がベース基板200と密着して、電子装置100がベース基板200に取り付けられている。このため、第1領域と第2領域とは、密閉された状態となる。よって、本取り付け構造は、第1領域と第2領域とに配置された放熱ゲル300が、電子装置100とベース基板200との間から漏れ出すことを抑制できる。つまり、本取り付け構造は、ポンピングなどによって、第1領域及び第2領域から放熱ゲル300が抜けることを抑制できる。
通常、第1領域と第2領域には、これらの領域の体積に応じた量の放熱ゲル300が配置される。ところが、放熱ゲル300の量は、放熱ゲル300の供給誤差やモールド樹脂50の設計公差などによって、第1領域と第2領域の体積よりも少なくなることもありうる。この場合、第1領域と第2領域には、空気V1が入ってしまう。
しかしながら、本取り付け構造は、モールド樹脂50に、パワー素子20を囲う環状の凹部53が設けられている。よって、本取り付け構造は、放熱ゲル300の量が第1領域と第2領域の体積容積よりも少なかったとしても、凹部53が空気V1の逃げ場所となり、第1領域に空気が入り込むことを抑制できる。このため、本取り付け構造は、第1領域が放熱ゲル300で満たされやすくなり、放熱性の低下を抑制できる。
また、モールド樹脂側から電子装置を放熱する取り付け構造では、パワー素子とベース基板との間に空気が入りこむことで十分な放熱性が得られないこともありうる。この場合、電子装置は、パワー素子に機械的に接続されたサーマルビアを回路基板に設け、且つ、サーマルビアに機械的に接続された放熱板を回路基板の裏面に設けることが考えられる。
しかしながら、本取り付け構造では、上記のように放熱性の低下を抑制できるため、サーマルビアや放熱板を設ける必要がない。よって、電子装置100は、裏面S5側にも回路素子を実装できる。つまり、本取り付け構造では、回路基板10に対して回路素子が高密度に実装された電子装置100とすることもできる。言い換えると、本取り付け構造では、両面実装構造の電子装置100とすることができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明した。しかしながら、本発明は、上記した実施形態に何ら制限されることはなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変形が可能である。
10 回路基板、20 パワー半導体素子、21 抵抗、31 ヒートシンク、40 はんだ、50 モールド樹脂、51 モールド貫通穴、52 シール部、53 凹部、54 素子対向部、100 電子装置、200 ベース基板、300 放熱ゲル、400 Oリング、500 ねじ、V1 空気、S1 一面、S2 底部、S3 対向面、S4 被取付面、S5 裏面
Claims (2)
- 電子装置が放熱ゲルを介してベース基板にとりつけられる電子装置の取り付け構造であって、
前記ベース基板は、金属を主成分として構成され、前記電子装置が取り付けられる被取付面(S4)と有しており、
前記電子装置は、
動作することで発熱する発熱回路素子(20)が一面(S1)に実装された回路基板(10)と、
前記電子装置が前記ベース基板に取り付けられた状態で、前記ベース基板と対向する部位であり、前記一面及び前記発熱回路素子を封止しているモールド樹脂(50)と、を有しており、
前記モールド樹脂は、前記電子装置が前記ベース基板に取り付けられた状態で、前記ベース基板との対向面における縁部全周が前記ベース基板と密着するものであり、
前記密着している部位に囲まれた位置に、前記発熱回路素子を囲う、周辺よりも凹んだ環状の凹部(53)と、
前記密着している部位に囲まれた位置に、前記発熱回路素子に対向した素子対向部(54)と、が形成されており、
前記電子装置は、前記縁部全周が前記ベース基板と密着した状態で、前記素子対向部と前記被取付面との間に第1領域が形成されると共に、前記第1領域と連通した前記凹部と前記被取付面との間の第2領域とが形成され、前記第1領域と前記第2領域とに前記放熱ゲルが配置された状態で、前記ベース基板に取り付けられていることを特徴とする電子装置の取り付け構造。 - 前記縁部全周が前記ベース基板とは、環状のシール部材(400)を介して密着していることを特徴とする請求項1に記載の電子装置の取り付け構造。
Priority Applications (1)
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JP2014256898A JP2016119347A (ja) | 2014-12-19 | 2014-12-19 | 電子装置の取り付け構造 |
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JP (1) | JP2016119347A (ja) |
-
2014
- 2014-12-19 JP JP2014256898A patent/JP2016119347A/ja active Pending
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