JP2016119339A - 太陽電池モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】耐環境耐久性に優れた太陽電池モジュールを提供すること【解決手段】太陽電池素子と封止材と受光面保護材と裏面保護材とを含む太陽電池モジュールであって、該受光面保護材が、該太陽電池素子の受光面に、該太陽電池の受光面側の封止材によって接合されているか、または封止材を介さずに接合されており、該裏面保護材が、該太陽電池素子の裏面に、該太陽電池の裏面側の封止材によって接合されており、該裏面側の封止材が、紫外線吸収剤と無機酸素発生剤とを含み、該裏面保護材が、有機ポリマーシートであり、該無機酸素発生剤が、アルカリ金属の過酸化物、アルカリ土類金属の過酸化物、またはそれらの組み合わせから選択される、太陽電池モジュール。【選択図】図2

Description

本発明は、太陽電池モジュールに関し、特に、太陽電池素子が封止材によって封止され裏面保護材を有する太陽電池モジュールに関する。
地球環境問題、エネルギー問題などが深刻さを増す中、クリーンかつ枯渇のおそれが無い電気エネルギーの生成手段として、太陽光を電気エネルギーに直接変換できる太陽電池が注目されている。一般的に、太陽電池は、建物の屋根部分などの屋外で使用する用途などにおいて、太陽電池モジュールの形で使用される。
太陽電池モジュールは、一般的に、シリコンや化合物半導体などの太陽電池素子を封止材により封止し、さらに封止材の受光面側と裏面側とをそれぞれ透明な受光面保護材と裏面保護材とで保護してパッケージ化した構造を有すものである。
構成部分として有機材料を含むことから、太陽電池用封止材料としては、長期間にわたる透明性や、封止材の受光面保護材および裏面保護材との接着性が良好であることなどが要求されているが、高い発電効率を得るための長期間にわたる透明性は充分とはいえなかった。
特許文献1は、太陽電池素子の受光面側が有機高分子樹脂とその外側の透光性部材とで封止されている太陽電池モジュールにおいて、有機高分子樹脂にヒンダードアミン系光安定化剤と有機過酸化物からなる架橋剤とを含有し、有機高分子樹脂に0.01重量%以下の有機化合物からなる紫外線吸収剤を含むこと、さらに受光面側よりも裏面保護部材側の有機高分子中での紫外線吸収剤の濃度を高くすること(引用文献1、請求項1、4など)などを記載する。
特開2006−066682号公報
しかし、従来の太陽電池モジュールでは、有機高分子である封止材中の紫外線吸収剤の濃度を抑制することによって紫外線吸収剤自体の黄変による光透過率の低下を抑制できても、紫外線吸収剤の濃度が一様に低いと、さらに同じく裏面側にあってより劣化しやすい特に耐水性上重要な裏面保護材の、太陽電池素子の周辺端部および太陽電池間の隙間を通して侵入する紫外光による経時劣化を一時的にしか防ぐことができなかった。
また上記特許文献1が記載するように、裏面側封止材中の紫外線吸収剤の濃度を高めると、今度は時間が経つにつれて、紫外線吸収剤自体が黄変して紫外線吸収能が低下しまっていた。そしてそれによって紫外線吸収剤の濃度が低い場合と同様に紫外線を吸収できず、裏面保護材を劣化させてしまうという問題があった。
本発明者らは、鋭意努力した結果、従来、封止材、紫外線吸収剤などの安定性を失わせると考えられてきた酸素を逆に敢えて用いて、太陽電池モジュールの封止材中に紫外線防止剤と所定の無機酸素発生剤とを共に含有させることによって、驚くべきことに、上記課題を解決することができることを見いだし、本発明に至ったものである。
本発明の態様は、以下のようである。
(1)太陽電池素子と封止材と受光面保護材と裏面保護材とを含む太陽電池モジュールであって、
受光面保護材が、太陽電池素子の受光面に、太陽電池の受光面側の封止材によって接合されているか、または封止材を介さずに接合されており、
裏面保護材が、太陽電池素子の裏面に、太陽電池の裏面側の封止材によって接合されており、
裏面側の封止材が、紫外線吸収剤と無機酸素発生剤とを含み、
裏面保護材が、有機ポリマーシートであり、
無機酸素発生剤が、アルカリ金属の過酸化物、アルカリ土類金属の過酸化物、またはそれらの組み合わせから選択される、太陽電池モジュール、
(2)該受光面保護材が、太陽電池素子の受光面に、太陽電池の受光面側の封止材によって接合されており、
該受光面側の封止材が、0.02重量%以下の紫外線吸収剤を含む、(1)に記載の太陽電池モジュール。
(3)該太陽電池素子が、基板と基板の受光面側上に形成された薄膜太陽電池素子を有する、サブストレート型である、(1)または(2)に記載の太陽電池モジュール。
(4)該無機酸素発生剤が、過酸化カリウムである、(1)〜(3)のいずれか一項に記載の太陽電池モジュール。
本発明の態様に係る太陽電池モジュールは、封止材、紫外線吸収剤のみならず、裏面保護材の劣化を抑制できるだけでなく、さらに驚いたことに、所定の無機酸素発生剤が酸素を徐放することから、封止材、紫外線吸収剤、裏面保護材の劣化を長期間にわたって防止できるという非常に優れた効果を奏するものである。
図1は、本発明の態様に係る太陽電池モジュールの模式断面図を示す。 図2は、本発明の態様に係る太陽電池モジュールの模式断面図を示す。
図1に示すように、本発明の態様に係る太陽電池モジュール1は、太陽電池素子8と、受光面保護材3と、裏面保護材7とを、封止材4によって接合した一般的な構造を有し、また必要に応じて、受光面保護材3と裏面保護材7と封止材4との端部に保護部材としてフレーム2を取り付けた、公知の太陽電池モジュールを、特に制限なく用いることができる。
また、本発明の態様に係る太陽電池モジュール1では、太陽電池素子8と、受光面保護材3との間に封止材4を介さず、太陽電池素子8と受光面保護材3とが直接接合されていてもよい。
ここで、接合とは、製膜、貼着、接着などを含む化学的結合および/または物理的結合によりつなぎ合わせることをいう。
この太陽電池モジュールには、特に制限なく、各構成部材に下記の知られた材料を用いることができる。
すなわち、太陽電池素子としては、単結晶や多結晶の複数のシリコンウェハーを直並列した結晶系太陽電池、受光面保護材の封止材側上に太陽電池素子が製膜されたスーパーストレート型薄膜太陽電池、および図2に示されるような、ガラス・樹脂・金属などの基板6上に、薄膜太陽電池素子5が積層した薄膜太陽電池など一般に用いられているものを特に制限なく使用できる。
なお本明細書中では、受光面保護材の封止材側上に太陽電池素子が製膜されたスーパーストレート型薄膜太陽電池を除く、結晶系太陽電池、薄膜太陽電池において、太陽電池素子より受光面側にある封止材を受光面側封止材といい、太陽電池素子より裏面側にある封止材を裏面側封止材という。
封止材としては、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などのオレフィン系樹脂、エチレンビニルアセテート(EVA)など一般に用いられているものを特に制限なく使用できる。その中でも接合性などの点からEVA、PVBが好ましい。
受光面保護材としては、強化ガラス等のガラス板、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などのポリエステル、ポリカーボネート(PC)、アクリル(PMMA)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)等の透明樹脂板など一般に用いられているものを特に制限なく使用できる。
裏面保護材としては、PET,PBT、PC、PMMA等の有機ポリマーシートもしくは樹脂板または有機ポリマーシートの1種としてアルミ箔をPET樹脂で挟んだバックシートなど一般に用いられているものを特に制限なく使用できる。
太陽電池モジュールの周囲と端部保護部材とを接着する接着剤としては、ブチル系接着剤、シリコーン系接着剤など一般に用いられているものを特に制限なく使用でき、端部保護部材としては、金属、樹脂などのフレーム、アルミテープなど一般に用いられているものを特に制限なく使用できる。
本発明の態様に係る太陽電池モジュールは、紫外線吸収剤を少なくとも裏面側封止材中に含むものである。
紫外線吸収剤としては、紫外線吸収剤自体の着色、分解、変性および封止材、紫外線吸収剤、無機酸素発生剤、その他の添加成分の分解、着色、阻害、変性などの問題を生じなければ、特に制限なく、サリチル酸系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系、トリアジン系など一般に用いられているものを特に制限なく使用できる。
本発明の態様に係る封止材は、下記の無機酸素発生剤を含まない場合、封止材を基準として、紫外線吸収剤を、約0.00001質量%以上、約0.0001質量%以上、約0.0003質量%以上、約0.0005質量%以上、約0.0007質量%以上、約0.001質量%以上、かつ約1.0質量%以下、約0.50質量%以下、約0.10質量%以下、約0.08質量%以下、約0.05質量%以下、約0.03質量%以下、約0.02質量%以下、約0.01質量%以下、約0.008質量%以下、約0.005質量%以下、約0.003質量%以下含むことができる。
この中でも約0.0001質量%以上、約0.02質量%以下であると長期間にわたり封止材の黄変などを抑制でき好ましい。
本発明の態様に係る封止材は、下記の無機酸素発生剤を含む場合、封止材を基準として、紫外線吸収剤を、約0.00001質量%以上、約0.0001質量%以上、約0.0003質量%以上、約0.0005質量%以上、約0.0007質量%以上、約0.001質量%以上、約0.003質量%以上、約0.005質量%以上、かつ約3.0質量%以下、約2.0質量%以下、約1.5質量%以下、約1.0質量%以下、約0.90質量%以下、約0.80質量%以下、約0.50質量%以下、約0.40質量%以下、約0.30質量%以下、約0.20質量%以下、約0.18質量%以下、約0.15質量%以下、約0.10質量%以下含むことができる。
この中でも約0.001質量%以上、約1.0質量%以下であると長期間にわたり封止材の黄変などを抑制でき好ましい。
本発明の態様では、封止材が紫外線吸収剤を含む場合、無機酸素発生剤自体の着色、分解、変性および封止材、紫外線吸収剤、その他の添加成分の分解、着色、阻害、変性などの問題を生じなければ、特に制限なく、封止材中に無機酸素発生剤をさらに含むことができるものである。
無機酸素発生剤としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の過酸化物、具体的には、過酸化リチウム(Li)、過酸化ナトリウム(Na)、過酸化カリウム(K)、過酸化ルビジウム(Rb)、過酸化セシウム(Cs)、過酸化フランシウム(Fr)などのアルカリ金属過酸化物、および過酸化ベリリウム(BeO)、過酸化マグネシウム(MgO)、過酸化カルシウム(CaO)、過酸化ストロンチウム(SrO)、過酸化バリウム(BaO)、過酸化ラジウム(RaO)などのアルカリ土類金属過酸化物が挙げられる。これらは単独でまたは2種以上の混合物として使用できる。
これらの中でも入手のしやすさの点からは、過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、過酸化カルシウムなどが好ましい。
これらの無機過酸化物は、加熱することにより、または(空気中、樹脂中などの)水と反応して酸素を放出することが知られている。メカニズムは不明であるが、この放出された酸素がなんらかの形で紫外線吸収剤に作用し、その結果驚いたことに、下記で説明するように、紫外線吸収剤の黄変を抑制するものと推察される。
これらの無機酸化物では、アルカリ金属またはアルカリ土類金属と酸素とが結合した単純な構造であり、アルカリ金属およびアルカリ土類金属は類似の性質を有することから、金属原子を相互に置き換えても、無機過酸化物自体は類似の性質を有する。
また、アルカリ金属およびアルカリ土類金属のイオン半径(pm)は、Li:59、Na:99、K:138、Rb:149、Cs:170、Mg2+:72、Ca2+:100、Sr2+:116、Ba2+:136などと周期表の下に行く程大きくなる。その結果イオン半径の大きな金属イオンは、結晶格子中で過酸化物イオンO 2−を安定化させて、周期表の下に行く程過酸化物が安定となると考えられる。
そうしたことから、イオン半径の違う過酸化物を組み合わせて、目的とする使用環境(温度、湿度など)における酸素発生の速度を調整してもよい。
無機酸素発生剤は、封止材中に、封止材を基準として、約0.0001質量%以上、約0.001質量%以上、約0.01質量%以上、約0.10質量%以上、約0.30質量%以上、約0.50質量%以上、約0.70質量%以上、約0.90質量%以上、かつ約7.0質量%以下、約5.0質量%以下、約4.0質量%以下、約3.0質量%以下、約2.0質量%以下、約1.5質量%以下、約1.0質量%以下含まれることができる。
この中でも約0.10質量%以上、約2.0質量%以下であると長期間にわたり紫外線吸収剤の黄変などを抑制でき好ましい。
本発明の態様に係る太陽電池において、下記の構成を取ることもできる。すなわち、受光面保護材側には、所定の濃度の紫外線吸収剤を含み無機酸素発生剤を含まない、所望の封止材の全厚の約1/2,約1/3〜約2/3、約1/4〜約3/4、約1/5〜約4/5などの厚さを有する第1の封止材を積層し、さらにその第1の封止材の裏面側上に所望の封止材の全厚となるように所定の濃度の紫外線吸収剤および所定の濃度の無機酸素発生剤を含有させた第2の封止材を積層して、その上に裏面保護材を積層する構成としてもよい。ここで第2の封止材の上に同様なさらなる封止材を積層して所望の封止材の全厚となるようにしてもよく、そして太陽電池素子を第1の封止材と第2の封止材との間など任意の封止材間に配置してもよい。さらに紫外線吸収剤および/または無機酸素発生剤は、それぞれ独立に、それぞれの封止材中において同じ濃度であってもよく、またはそれぞれの封止材中において濃度のグラデーションを有していてもよい。
上記の態様では、受光面保護材の封止材側上に太陽電池素子が製膜されたスーパーストレート型薄膜太陽電池において、例えば、第1、第2の封止材が紫外線吸収剤を含み、第2の封止材が受光面側から裏面側に向かって濃度が上昇するように無機酸素発生剤を含有させて、酸素が太陽電池素子に拡散しにくくすることも可能である。
特に受光面保護材の封止材側上に太陽電池素子が製膜されたスーパーストレート型薄膜太陽電池においては、無機酸素発生剤を受光面保護材から離して配置することにより、太陽電池素子への無機酸素発生剤の影響を抑えることが可能となる。
また、その他の成分自体の着色、分解、変性、および封止材、紫外線吸収剤、無機酸素発生剤の分解、着色、阻害、変性などの問題を生じなければ、特に制限なく、任意選択的に、有機過酸化物などの重合開始剤、架橋剤、光安定化剤などのその他の成分を封止材中にさらに含むことができる。
その他の成分の中でも、封止材の光劣化または熱劣化を抑制するために、ヒンダードアミン系などの知られた光安定化剤を、封止材を基準として、約0.10質量%〜約0.30質量%など、または紫外線吸収剤の添加量が少なく、光劣化の耐久性を高める必要がある場合には、約0.50質量%〜約1.0質量%などの量で、必要に応じて封止材中に含有させてもよい。
本発明の態様に係る太陽電池モジュールは、特に制限なく、公知の製造方法により製造できる。
具体的には、受光面保護材の受光面を下に向けて、受光面保護材の上に、受光面側封止材、基板、裏面側封止材(スーパーストレート型太陽電池の場合は、受光面の反対側上に太陽電池素子が接合された受光面保護材を下に向けて、受光面保護材の上に裏面側封止材の代わりとなる封止材)、裏面保護材を順に積層して配置させる。
次に、この積層体に熱および圧力を掛けてラミネートすることにより、受光面側封止材および裏面側封止材が、それぞれ受光面保護材と基板とを、および基板と裏面保護材とを(スーパーストレート型太陽電池の場合は、封止材が受光面保護材と裏面保護材とを)接合し、太陽電池モジュールが形成される。
さらに必要に応じて、フレームを取り付けても良い。
またこの方法に限らず、特に問題を生じなければ、その他の公知の製造方法を使用しても良い。
下記表1に示すように、裏面側封止材中に紫外線吸収剤が存在しないと、または紫外線吸収剤が存在しても無機酸素発生剤が共存しないと、裏面保護材は、(UV加速試験)後に、ひび割れを起こしてしまい、紫外線に対して非常に耐久性が低いことが確認された(比較例1、2)。
一方、本発明の態様に係る太陽電池モジュールでは、注目すべきことに、受光面側封止材中の紫外線吸収剤の有無にかかわらず、裏面側封止材中に紫外線吸収剤と無機酸素発生剤とを共存させることによって、驚くべきことに、裏面側封止材の黄変などの異常が観察されなかったばかりか、裏面保護材にもひび割れ等の異常が全く観察されなかった(実施例1〜3、参考例1〜2)。
これは、なんらかの理論に拘束されることを望まないが、封止材中において無機酸素発生剤が(その形態は不明であるが)酸素を除放することによって、紫外線吸収剤の黄変を抑制したと推測される。そして、さらに紫外線吸収剤が黄変しなかったことにより、裏面保護材の異常を引き起こす紫外光が裏面保護材まで到達できなかったことによると考えられる。
特に注目すべきは、紫外線吸収剤の量が少ない場合(受光面側封止材:0.02質量%)には封止材、紫外線吸収剤のいずれもが黄変しないものの(実施例2、比較例2)、紫外線吸収剤の量が多い(受光面側封止材:1.00質量%)と紫外線吸収剤自体が黄変してしまうところ(参考例1)、同様に紫外線吸収剤の量が多くても(裏面側封止材:1.00質量%)、無機酸素発生剤を共存していれば、無機酸素発生剤の量が紫外線吸収剤より少ない(裏面側封止材:0.23質量%、実施例1、2、参考例1、2)かまたは多い(裏面側封止材:2.00質量%、実施例3)かに関わらず、封止材、紫外線吸収剤のいずれもが黄変せず、それによって、裏面保護材にも異常が生じなかった点である(実施例1〜3、参考例1〜2)。
このように、本発明の態様に係る太陽電池モジュールでは、紫外線吸収剤と無機酸素発生剤との共存により、封止材、紫外線吸収剤、さらには裏面保護材への経年劣化を起こさせないことが判明した。
そして特に驚くべきことは、従来、熱・紫外線によるラジカルの発生により封止材および紫外線吸収剤が劣化して着色すると考えられており、酸素は悪影響を及ぼすと考えられていたところ、本発明の態様では、敢えて酸素を封止材中に放出させるという、従来の技術常識とは全く逆のことを行うことにより、予想外にも、封止材、紫外線吸収剤のみならず、裏面保護材までもの経年劣化を防止できたことである。
また受光面側封止材について見てみると、受光面側封止材中に、無機酸素発生剤を共存させずに高濃度(1.00wt%)で紫外線吸収剤を加えると紫外線吸収剤の黄変によると考えられる発電出力の低下が見られた(参考例1)。
しかし、興味深いことに、受光面側封止材中に無機酸素発生剤を共存させると、封止材、無機酸素発生剤のいずれもが黄変などの外観異常を呈していなかったにも関わらず、発電出力の低下が観察された(参考例2)。
下記表1の各例では、太陽電池素子として、基板上に薄膜太陽電池素子を設けた太陽電池素子を有する、サブストレート型の太陽電池素子を使用していた。そして上記の結果およびこのことから考察すると、なんらかの理論に拘束されることを望まないが、受光面側封止材中に紫外線吸収剤と無機酸素発生剤とを共存させると、無機酸素発生剤から放出される酸素により紫外線吸収剤の黄変が防止できるものの、一方では無機酸素発生剤から放出された酸素により薄膜太陽電池が酸化などによる劣化を受けてしまい発電出力が低下したものと考えられる(参考例2)。
さらになんらかの理論に拘束されることを望まないが、表1のサブストレート型の太陽電池素子では、裏面側封止材中の無機酸素発生剤により酸素が放出されても、酸素は基板を透過できず、また基板の反対側まで容易に拡散できないために、薄膜太陽電池自体に酸化などによる異常が生じず、その結果発電出力の低下が生じなかったものと考えられる(実施例1〜3)。
このように本発明の態様に係る太陽電池モジュールでは、特に封止材間に太陽電池素子が封止されている場合に、受光面側封止材中では0〜低濃度の紫外線吸収剤のみを含有させることができ、そして/または裏面側封止材中では高濃度の紫外線吸収剤と無機酸素発生剤とを共存させることを可能にしているものである。そしてそれによって、受光面側において、封止材、紫外線吸収剤の黄変などの経年劣化を抑制して高い発電効率を維持できるだけでなく、かつ裏面側において、封止材、紫外線吸収剤の黄変などの経年劣化を抑制し、さらに裏面保護材の経年劣化を抑制できるだけでなく、またさらに太陽電池素子への酸素などの悪影響を排除できるという顕著な効果を奏することができたものである(実施例1〜3)。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(製造法1)
室温下で、受光面保護材として白板強化ガラス板(縦:32cm、横:32cm、厚さ:3.2mm)の受光面を下に向けて、受光面保護材の上に、受光面保護材と同じ縦横寸法の封止材としてエチレンビニールアセテート(厚さ:0.6mm)、その上に薄膜太陽電池素子が製膜されたガラス基板(縦:30cm、横:30cm、厚さ:1.8mm)、受光面側と同じ封止材(厚さ:0.6mm)、受光面保護材と同じ縦横寸法の裏面保護材としてPETからなる有機ポリマー保護シート(厚さ:2.0mm)を順に積層して配置させた。
次に、この積層体にラミネーターを用いて、150℃および100kPaの圧力を6分間掛けてラミネートして、その後、外周部にアルミフレームを取り付けて、試料となる太陽電池モジュールを得た。
(UV加速試験)
試験対象となる太陽電池モジュールの受光面保護材の上方にメタハライドランプを、受光面保護材上面における照射エネルギーが(150mW/cm)となるように配置して、75℃、湿度20%において、700時間照射後、試料のUV加速試験前後での発電出力の低下の有無(試験前後で発電出力の低下が5%未満の場合に出力低下なし、5%以上の場合に出力低下ありとした)、並びに目視による、裏面保護材の異常の有無、および太陽電池モジュールの外観の異常の有無を調べて評価した。
なお、この試験は、日本における太陽光に20年間試料を曝すことに相当する。
実施例1〜3、参考例1〜2、比較例1〜2
紫外線吸収剤としてベンゾフェノン骨格を有する紫外線吸収剤の有無、無機酸素発生剤として過酸化カリウムの有無のみ条件を、封止材中の受光面側および裏面側において変化させた点を除き、後は(製造法1)の手順に従って、実施例1〜比較例3の試料を作製し、(UV加速試験)を行った後で、試料を評価した。
表1中に、条件の違いおよび試験の結果を示す。
Figure 2016119339
表1中の紫外線吸収剤および無機酸素発生剤の量は、封止材を基準とした質量%である。
表1に示すように、発電出力については、0から0.2質量%の紫外線吸収剤の場合(実施例1〜3、比較例1、2)には、出力低下が認められず、紫外線吸収剤を多く用いた場合(参考例1,2)には、紫外線吸収剤の黄変による透光性の低下によると思われる出力低下(参考例1)、および黄変はしないものの出力の低下(参考例2)が観察された。
裏面保護材の異常の有無については、無機酸素発生剤を含まない場合には、いずれも裏面保護材のひび割れが観察された(比較例1、2)。
太陽電池モジュールの外観の異常の有無については、受光面側封止材および裏面側封止材のいずれにおいても、それぞれの中に無機酸素発生剤を含まない場合に黄変が観察された(参考例1、比較例2)。
上記のように、本発明の態様に係る太陽電池モジュールと、比較例などの太陽電池モジュールとの性能差には、受光面側と裏面側での紫外線吸収剤の有無、および無機酸素発生剤を共存させるか否かが、大きく影響することが明らかになった。そして特に裏面側封止材中において紫外線吸収剤と無機酸素発生剤とを共存させると優れた効果を奏することが認められた。
以上のように、本発明の態様に係る太陽電池モジュールは、長期間にわたり、封止材、紫外線吸収剤のみならず、裏面保護材の劣化をも防止できる良好な性能を有するものである。こうしたことから、本発明の態様に係る太陽電池モジュールは、産業用、家庭用を問わず、広い分野において様々な用途に利用することができる。
1 太陽電池モジュール
2 フレーム
3 受光面保護材
4 封止材
5 薄膜太陽電池素子
6 基板
7 裏面保護材
8 太陽電池素子

Claims (4)

  1. 太陽電池素子と封止材と受光面保護材と裏面保護材とを含む太陽電池モジュールであって、
    該受光面保護材が、該太陽電池素子の受光面に、該太陽電池の受光面側の封止材によって接合されているか、または封止材を介さずに接合されており、
    該裏面保護材が、該太陽電池素子の裏面に、該太陽電池の裏面側の封止材によって接合されており、
    該裏面側の封止材が、紫外線吸収剤と無機酸素発生剤とを含み、
    該裏面保護材が、有機ポリマーシートであり、
    該無機酸素発生剤が、アルカリ金属の過酸化物、アルカリ土類金属の過酸化物、またはそれらの組み合わせから選択される、太陽電池モジュール。
  2. 該受光面保護材が、該太陽電池素子の受光面に、該太陽電池の受光面側の封止材によって接合されており、
    該受光面側の封止材が、0.02重量%以下の紫外線吸収剤を含む、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
  3. 該太陽電池素子が、基板と基板の受光面側上に形成された薄膜太陽電池素子を有する、サブストレート型である、請求項1または2に記載の太陽電池モジュール。
  4. 該無機酸素発生剤が、過酸化カリウムである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の太陽電池モジュール。
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