JP6613451B2 - 太陽電池モジュール - Google Patents

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Description

本発明は、太陽電池モジュールに関する。
太陽電池は、クリーンで無尽蔵に供給される太陽光エネルギーを直接電気エネルギーに変換することができるため、新しいエネルギー源として期待されている。
一般に、太陽電池セルの1枚当りの出力は数ワット程度であり、かつ脆い。従って、家屋やビル等の電源として太陽電池を用いる場合には、複数の太陽電池セルを電気的に接続することによって出力を増大させ、ガラスや樹脂充填材等を用いて太陽電池セルを衝撃から保護するように構成された太陽電池モジュールが用いられる。
太陽電池モジュールに用いられる充填材として現在広く用いられているのが、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)やポリオレフィン類である。これらは、非架橋状態で軟質なシートであり、太陽電池モジュールの製造工程において加熱圧着によって架橋させることにより、十分な硬度を有し、透明な保護層を形成する。特に、太陽電池モジュールのうち太陽光が入射する面側に配置される充填材については、太陽光を可能な限り太陽電池セルに到達させるために、加熱圧着後の状態において透明性が高いことが求められる。
しかしながら、樹脂類は太陽光に含まれている紫外線によって長期的に物性が変化していくことが知られている。太陽電池モジュールでは、約20年を超えて屋外に設置される間に、太陽電池モジュールに用いる樹脂充填材が劣化し、無色透明であった充填材が黄変することが知られている。充填材が黄変すると、太陽電池モジュールに入射した太陽光が黄変した充填材に一部吸収される等の理由から、太陽電池セルに到達する太陽光の総量が減少する。そのため、充填材の劣化を防止する目的で、太陽電池モジュールに用いられる充填材には紫外線吸収剤を含ませることが知られており、更に、紫外線吸収剤そのものが紫外線によって劣化、損傷してしまうのを抑制するために、光安定剤を添加する例も知られている(いずれも特許文献1)。
特開2015−002332
本願発明者らは、紫外線吸収剤及び光安定剤が添加された充填材について、太陽電池モジュールの長期間使用を想定した長期信頼性試験において、充填材と太陽電池モジュールの保護部材、又は充填材と太陽電池セルとの密着性が低下する場合があることを見出した。
本願発明は、このような状況を鑑みてなされたものであり、本願発明によれば、どの様な種類の光安定剤を使用したとしても太陽電池モジュールの密封性を長期間に亘って維持可能な太陽電池モジュールを提供することができる。すなわち本願発明の目的は、長期信頼性に優れた太陽電池モジュールを提供することにある。
表面側保護材と、表面側充填材と、太陽電池セルと、をこの順に備える太陽電池モジュールであって、表面側充填材は紫外線吸収剤及び光安定剤を含み、表面側充填材と太陽電池セルとの界面における光安定剤の濃度、又は表面側保護材と表面側充填材との界面における光安定剤の濃度のうち少なくとも一方が、表面側充填材全体の光安定剤の平均濃度以下である、太陽電池モジュールを提供する。
本発明によれば、信頼性が向上した太陽電池モジュールを提供することができる。
従来の太陽電池モジュール900の断面図である。 第1の実施形態に係る表面側充填材41の断面図である。 第1の実施形態に係る太陽電池モジュール100の断面図である。 第2の実施形態に係る裏面側充填材51の断面図である。 第2の実施形態に係る太陽電池モジュール200の断面図である。 変形例1乃至3−2に係る表面側充填材の加熱架橋前の状態を示す模式図である。
本発明に係る実施形態について図面を用いて説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであって、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法等は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
(太陽電池モジュールの基本構成)
まず、従来の太陽電池モジュール900の全体構造について説明する。図1は、太陽電池モジュールの断面図である。太陽電池モジュール900は、配線材30を用いて複数の太陽電池セル10を電気的に接続してなる太陽電池ストリング、ガラスやアクリル樹脂等の板材からなる表面側保護材60、太陽電池ストリングを封止する表面側充填材40及び裏面側充填材50、ガラスやアクリル樹脂等の板材、又は樹脂シート等からなる裏面側保護材70、を積層して加熱圧着させた積層体である。
表面側保護材60には、光透過性が高いガラス板やアクリル樹脂等が用いられる。表面側充填材40には十分な光透過性と柔軟性を備える樹脂シートが用いられ、現在広く利用されているのがエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)である。裏面側充填材50には、柔軟性を有する樹脂シートが用いられ、現在広く利用されているのがEVAである。裏面側保護材70には、ガラス板、アクリル樹脂板、樹脂シート等が用いられる。なお、表面側充填材40及び裏面側充填材50にはEVA以外の材料を用いてもよく、これ以外にはポリオレフィン類が使用されてもよい。また、表面側充填材40と裏面側充填材50とは同一の材料でもよいし、異なる材料の組み合わせであってもよい。
ここで、太陽電池モジュール900の“おもて面(以後、表面と記載する)”、とは、太陽電池モジュールのうち太陽光が主に入射する面を示す。表面の反対側に位置する面が裏面である。太陽電池モジュール900の裏面からは太陽光が直接入射しないので、太陽電池モジュール900を構成する材料のうち裏面側充填材50及び裏面側保護材70は必ずしも光透過性を備えている必要はない。また、裏面側充填材50としては、太陽電池モジュールの表面から入射した太陽光を拡散させて太陽電池セル10に再入射させるための光拡散粒子等を分散させてもよい。
太陽電池モジュール900の製造工程においては、上記のような積層体が構成されるように、各材料を順次積層した後、加熱圧着によって表面側充填材40及び裏面側充填材50を接着させつつ、両充填材を架橋させて、太陽電池ストリングを封止する。同時に、表面側充填材40と表面側保護材60、裏面側充填材50と裏面側保護材70を接着する。こうして、図1に示す断面構造を有する太陽電池モジュール900が形成される。
(第1の実施形態)
(太陽電池モジュールの作成)
図2は、本願の第1の実施形態に係る表面側充填材41の断面図である。なおこの図は、表面側充填材41を加熱圧着する前の状態を示している。第1の実施形態においては、加熱圧着前の表面側充填材41は、ポリオレフィンを基材とする3層構造の樹脂シートである。
このうち、中央層41aと表層41bとでは、一例として架橋剤の含有量が異なっており、表層41bにおける架橋剤の濃度は、中央層41aにおける架橋剤の濃度よりも低い。すなわち、表面側充填材41は、a)加熱圧着工程によって十分硬化される中央層41aと、b)中央層41aよりも架橋度を低くして流動性を高めた表層41bと、が積層されたものである。つまり、表層41bは、表面側充填材41と太陽電池セル10との密着性、及び表面側充填材41と表面側保護材60の密着性を高めるために設けられている層である。表面側充填材41の基材がポリオレフィンである場合、所望の架橋度を備えさせるために、一例としてシランカップリング剤を添加する。又は、予めシラノール変性させたポリオレフィン樹脂を、化学変性させていないポリオレフィンと所望の割合で混合することによって、所望の架橋度を備えた表面側充填材41を形成する。
第1の実施形態では、中央層41aだけに紫外線吸収剤、光安定剤及び波長変換剤が含まれており、表層41bには含まれていない。また本実施例においては、全体の厚みが約600μmである表面側充填材41を用いており、中央層41aの厚みがおよそ400μm、表層41bの厚みがそれぞれ約100μmである。
表面側充填材41に含まれる紫外線吸収剤は、紫外線を吸収することができる化合物の総称であって、例えばベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤など、さまざまな種類の化合物群を示す。使用される化合物の種類によって、吸収できる紫外線の波長帯が異なっており、必要とされる機能によって任意に選択できる。
紫外線吸収剤は、加熱架橋して硬化した後の表面側充填材41における高分子鎖の開裂や紫外線吸収剤以外の各種添加物の分解を抑制するはたらきがある。しかしながら、紫外線吸収剤そのものも有機物であるため、紫外線に長期間晒されることによって一部が損傷してしまうことがわかっていた。
そのため、表面側充填材41には、紫外線吸収剤に加えて光安定剤が添加される。光安定剤は、紫外線吸収剤が劣化・損傷するのを防ぐために表面側充填材41に加える添加剤であり、ここでは、ヒンダートアミン系光安定剤(HALS)が例示される。HALSという名称は総称であり、分子量や分子構造がさまざまなヒンダートアミン系化合物が含まれる。分子量の観点から見て、重量平均分子量(Mw)が1500を超える程度の高分子型HALSと、高分子型HALSに属さない低分子型HALSとに分類される。これらの中から、HALSが添加される各種樹脂シートの基材との混和性や価格等を考慮して、使用するHALSを選択する。本実施形態においては、低分子型HALSを用いる。
本実施形態における表面側充填材41の中央層41aには、紫外線吸収剤及び光安定剤
のほかに、更に、波長変換剤が含まれていてよい。波長変換剤は、上述の紫外線吸収剤の一種であるが、特に、紫外線領域の波長の光を可視光領域の波長の光に変換する機能を備える材料である。太陽電池セルにおいては、紫外線領域のエネルギーを電子やキャリアへと光電変換する効率が低い。そこで、太陽電池モジュールに入射する太陽光のうち紫外線領域の光を可視光領域の光へと変換することによって、紫外線領域の光が太陽電池セルの光電変換へと寄与できるようにする。このような波長変換剤は、例えば、日立化成株式会社から入手可能である(型番なし、WCPシリーズとして販売)。
図3は、第1の実施形態に係る太陽電池モジュール100の断面図である。加熱架橋前には3層の積層構造が明確であった表面側充填材41は、加熱架橋することによって3層の積層構造の境界部が不明確な樹脂層となる。これは中央層41aと表層41bとの境界で互いの樹脂が混ざり合うためである。
本実施形態において、裏面側充填材50及び裏面側保護材70は、太陽電池モジュールに一般に用いられるものを使用してよい。一例として、裏面側充填材50は、EVAやポリオレフィンの基材に酸化チタン等からなる紫外線吸収・拡散剤を含む白色充填材であり、裏面側保護材70はPET等の材料からなる樹脂シートである。このとき、白色充填材にもHALS等の光安定剤を含むのが好ましい。HALSは、紫外線吸収剤の保護機能のほか、酸化防止剤としても機能するため、白色充填材の基材であるEVAやポリオレフィンを保護する作用もあるからである。もちろん、光透過性を備えた無色透明のEVAやポリオレフィンシートを用いてもよく、その場合にも光安定剤が含まれていてよい。
(長期信頼性試験後の太陽電池モジュール)
第1の実施形態に係る太陽電池モジュール100に対して長期信頼性試験を行うと、表面側充填材41の中央層41aに含まれていた紫外線吸収剤、光安定剤及び波長変換剤は、各層間の濃度差による拡散作用によって、表面側充填材41と表面側保護材60との界面、及び表面側充填材41と太陽電池セル10との界面に向かって拡散する。
いずれの物質も、中央層41a側から、表面側充填材41と表面側保護材60との界面、及び表面側充填材41と太陽電池セル10との界面へと向かって濃度が低くなる形態の濃度分布を有する。しかし、充填材の樹脂中における紫外線吸収剤及び波長変換剤の拡散係数よりも、充填材の樹脂中における光安定剤の拡散係数のほうが小さいために、光安定剤の濃度分布がもっとも顕著なものとなる。このような拡散係数の差は、紫外線吸収剤及び波長変換剤に比べて、光安定剤の分子量が大きいこと、光安定剤の分子構造の方が複雑なものであること、などの理由に起因すると考えられる。
この結果、長期信頼性試験を行った太陽電池モジュール100は、表面側充填材41の厚み方向に沿って紫外線吸収剤、光安定剤、波長変換剤の濃度分布を有し、その濃度分布は、表面側充填材41と表面側保護材60との界面、又は表面側充填材41と太陽電池セル10との界面の少なくとも一方において最も低いものとなる。
なお、ここまでの説明においては、光安定剤として低分子型HALSを用いる例を説明してきたが、高分子型HALSを用いることもできる。高分子型HALSを用いる場合には、長期間の使用においても、中央層41aに含まれていた高分子型HALSが殆ど表層41bまで拡散しない。これは、高分子型HALSの分子量が低分子型HALSよりも更に大きく、分子構造が更に複雑であるために、低分子型HALSと比較しても樹脂層中での拡散係数が著しく低いためであると考えられる。従って、高分子型HALSを使用した太陽電池モジュールにおいては、長期間使用後には、紫外線吸収剤及び波長変換剤が表面側充填材41の全体にほぼ均一に拡散する。その一方で、光安定剤(ここでは高分子型HALS)の濃度は、表面側充填材41と表面側保護材60との界面、又は表面側充填材4
1と太陽電池セル10との界面において、表面側充填材41の中央層と比較して極めて少ないか、またはゼロである太陽電池モジュール100となる。
本実施形態において説明した各物質の濃度分布については、例えばGC−MS等の分析手法を用いて、界面における各物質の濃度を測定することができる。なお本明細書においては、「界面」は2つの材料の界面から数十μ程度の範囲であるものとし、濃度分布を測定する際には表面側充填材41の表面を削り取って濃度を分析するものとする。
(発明の効果)
このように形成した太陽電池モジュール100では、表面側保護材60と表面側充填材41との界面、及び、表面側充填材41と太陽電池セル10の界面の光安定剤の濃度が、表面側充填材41全体の平均濃度よりも低くなっている。表面側充填材41と表面側保護材60、及び表面側充填材41と太陽電池セル10の界面に光安定剤が存在することによって、長期信頼性試験実施時の密着性が低下する理由についてはまだわかっていないが、このような構成によって、太陽光に含まれる紫外線に対する十分な耐性と、密着強度とを長期にわたって両立することができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態にかかる太陽電池モジュール200の基本構成は、第1の実施形態と同様である。ただし、太陽電池モジュール200の裏面側保護材71として、光透過性の材料であるガラス板を用いる。光透過性を備えた裏面側保護材71としては、ガラス板の他に、アクリル樹脂板、各種樹脂シート等を用いてもよい。更に、裏面側充填材として、第1の実施形態の表面側充填材41と同様の構成を有する裏面側充填材51を用いる。
裏面側保護材71及び裏面側充填材51として光透過性の材料を用いることによって、太陽電池モジュール200はその両面で太陽光を受光して発電を行う両面発電型の太陽電池モジュール200となる。この場合、太陽電池セルよりも裏面側に配置される裏面側充填材にも太陽光が入射することとなり、裏面側充填材にも、紫外線吸収剤、波長変換剤及び光安定剤を添加することによって、太陽電池モジュール200の光電変換効率や長期信頼性を高めることができる。
図4は、第2の実施形態に係る裏面側充填材51の断面図である。なお、この図は裏面側充填材51を加熱架橋する前の状態を示している。裏面側充填材51の全体は、表面側充填材41の全体と対応している。つまり、中央層51aは中央層41aに対応しており、表層51bは表層41bに対応している。
図5は、第2の実施形態に係る太陽電池モジュール200の断面図である。太陽電池モジュール200においては、表面側充填材41について、第1の実施形態にて説明した状態となっていることに加え、裏面側充填材51と裏面側保護材71との界面、又は裏面側充填材51と太陽電池セル10との界面の光安定剤の濃度のうち少なくとも一方が、裏面側充填材51の厚み方向の濃度分布においてもっとも低くなる。こうすることによって、裏面側充填材51と各部材との密着性を維持することができ、太陽電池モジュールの信頼性を高めることができる。
次に、図6を参照しながら、第1の実施形態にて説明した表面側充填材41に適用できる変形例について説明する。この変形例は、表面側充填材41及び裏面側充填材51のどちらに適用してもよい。
第1の変形例に係る表面側充填材42の加熱架橋前の断面図を図6(a)に示す。第1の変形例においては、中央層42aの外側に位置する表層42b1と42b2との厚みが
異なっている。それぞれの厚みの設計はさまざまなものが考えられるが、一例としては、例えば表層42b2の厚みが、表面側充填材42の厚みの約50%を占めるものであってよい。この場合、厚みが大きい表層42b2が太陽電池セル10と接触するように、太陽電池モジュールを構成する。
上記のような表面側充填材42を用いることによる利点は2点である。まず1点目に、十分な厚みを有する表層42b2の存在によって、中央層42aに含まれる光安定剤が太陽電池セル10との界面に到達しにくくなる。当然、太陽電池モジュールを長期間使用した後でも、表面側充填材42と表面側保護材60との界面、及び表面側充填材42と太陽電池セル10との界面のどちらも十分な密着性を維持しているのが好ましい。しかし、太陽電池セル10は半導体接合を含む部品であり、表面側充填材42と太陽電池セル10との界面において剥離等が起こると、太陽電池セルの光電変換効率に対して直接的な影響を及ぼしやすい。そのため、光安定剤を含む中間層42aを、太陽電池セル10から出来る限り離れた位置に配置するのが好ましい。
2点目には、厚みの大きい表層42b2を太陽電池セル10と接触させることで、凹凸の大きい太陽電池セル10の表面に表面側充填材42を十分に接着することができる。太陽電池ストリングの形状になった太陽電池セル10は、その表面に、太陽電池セル10同士を電気的に接続するための配線材(厚み数百μm)に起因する凹凸がある。表層42b2は中央層42aと比較して流動性が高いため、配線材の厚みに起因する比較的大きな凹凸があっても、加熱架橋時の圧力を突出部分に局所集中させることがない。表層42b2と表層42b1、ならびに中央層42aそれぞれの厚みの比率は任意であるが、表面側充填材42そのものの強度や太陽電池モジュールにおける各種信頼性の観点から、表面側充填材42全体の厚みは、例えば300μm以上を確保するのが好ましい。
第2の変形例に係る表面側充填材43の加熱架橋前の断面図を図6(b)に示す。第2の変形例においては、表面側充填材43は、紫外性吸収剤、光安定剤及び波長変換剤を含む層43aの片面だけに表層43bを備える、2層構造のシートである。このとき、43aと43bとの厚みの比率は任意である。このような表面側充填材43を用いる場合には、太陽電池セル10と表層43bとが接触するようにして使用する。
このような構成とすることによって、表面側充填材43そのものの製造工程を簡略化しつつ、表面側充填材43と太陽電池セル10との界面へとHALSが拡散するのを防ぐことができる。
第3の変形例に係る表面側充填材44の加熱架橋前の断面図を図6(c)に示す。第3の変形例にいては、中央層44aのみならず、表層44b1及び表層44b2にも、紫外線吸収剤、波長変換剤および光安定剤を含み、表層44b1及び44b2におけるそれぞれの成分の濃度は中央層44aにおけるそれぞれの成分の濃度よりも低い。
このような構成の表面側充填材44を用いることによって、表面側充填材44と表面側保護材60との界面、及び表面側充填材44と太陽電池セル10との界面の光安定剤の濃度を下げて密着性を高めるとともに、紫外線吸収剤、波長変換剤の耐久性を向上させることができる。
第4の変形例に係る表面側充填材45の加熱架橋前の断面図を図6(d)に示す。第4の変形例においては、表層45b1及び表層45b2に含まれる光安定剤の濃度がいずれも中央層45aよりも低く、更に、表層45b1及び表層45b2に含まれる光安定剤の濃度に差がある。表面側充填材45を用いる場合には、表層45b1又は表層45b2のうち光安定剤の濃度が低いほうの面を、太陽電池セル10と接触するように配置して用い
る。
このような構成とすることによって、表面側充填材45と表面側保護材60との界面、及び表面側充填材45と太陽電池セル10との界面の光安定剤の濃度を下げて密着性を高めるとともに、紫外線吸収剤、波長変換剤の耐久性を向上させることができる。
以上、第1〜第4の変形例としてさまざまな形態の表面側充填材について説明してきたが、これらの変形例は、第2の実施例にて説明した裏面側充填材51に対しても適用することができるのは勿論である。また、第2の実施形態のように表面側充填材41と裏面側充填材51を同時に用いる際には、例えば、表面側充填材には変形例1を、裏面側充填材には変形例2を、というように適宜組み合わせて用いてよい。太陽電池セル10と表面側充填材41、及び太陽電池セル10と裏面側充填材51との界面の光安定剤の濃度が低くなるように表面側充填材及び裏面側充填材の形態を設計することによって、太陽電池モジュールの長期信頼性を十分に確保することができる。
以上、実施形態に基づき本願発明を説明したが、本願の発明はこれに限定されるものではない。本願の発明の意図を逸脱しない範囲において様々な変更を加えることができる。例えば、表面側充填材41や裏面側充填材51については、3層構造のものと2層構造のものを説明したが、さらに多くの層が積層された充填材を用いてもよい。この場合も、太陽電池セル10と表面側充填材又は裏面側充填材の界面から、光安定剤を含む層をできるだけ遠ざけることによって、本願の目的を達成することができる。
100,200,900:太陽電池モジュール、10:太陽電池セル、40,41,42,43,44,45:表面側充填材、50,51:裏面側充填材、60:表面側保護材、70,71:裏面側保護材

Claims (6)

  1. 表面側保護材と、
    表面側充填材と、
    太陽電池セルと、
    をこの順に備える太陽電池モジュールであって、
    前記表面側充填材は紫外線吸収剤及び光安定剤及び波長変換剤を含み、
    前記表面側充填材の厚み方向に沿って前記紫外線吸収剤及び前記光安定剤及び前記波長変換剤の濃度分布を有し、
    前記紫外線吸収剤及び前記光安定剤及び前記波長変換剤の濃度分布は、前記表面側充填材と前記太陽電池セルとの界面、又は前記表面側保護材と前記表面側充填材との界面のうち少なくとも一方で、最も低い、
    太陽電池モジュール。
  2. 請求項に記載の太陽電池モジュールであって、
    前記太陽電池セルのうち前記表面側充填材と接する面と反対の面に、裏面側充填材と、裏面側保護材と、をこの順に備え、
    前記裏面側充填材は光安定剤を含み、前記裏面側充填材と前記太陽電池セルとの界面における光安定剤の濃度、又は前記裏面側保護材と前記裏面側充填材との界面における光安定剤の濃度のうち少なくとも一方が、前記裏面側充填材の厚み方向の濃度分布において最も低い、
    太陽電池モジュール。
  3. 請求項に記載の太陽電池モジュールであって、
    前記裏面側充填材は、紫外線吸収剤を更に含み透光性を有する樹脂からなる、
    太陽電池モジュール。
  4. 表面側保護材と、
    紫外線吸収剤及び光安定剤及び波長変換剤を含む表面側充填材と、
    太陽電池セルと、
    をこの順に積層させて加熱圧着する工程と、
    信頼性試験を行う工程と、を含む太陽電池モジュールの製造方法であって、
    前記表面側充填材の厚み方向に沿って前記紫外線吸収剤及び前記光安定剤及び前記波長変換剤の濃度分布を有し、
    前記紫外線吸収剤及び前記光安定剤及び前記波長変換剤の濃度分布は、前記表面側充填材と前記太陽電池セルとの界面、又は前記表面側保護材と前記表面側充填材との界面のうち少なくとも一方で、最も低い、
    太陽電池モジュールの製造方法。
  5. 請求項に記載の太陽電池モジュールの製造方法であって、
    前記表面側充填材は少なくとも3層の樹脂からなる積層構造を有し、
    前記3層の樹脂は、中央層と、前記中央層よりも流動性が高く前記中央層を挟むように配置された2つの表層と、からなり、
    前記2つの表層の厚みが等しい、
    太陽電池モジュールの製造方法。
  6. 請求項に記載の太陽電池モジュールの製造方法であって、
    前記表面側充填材は少なくとも3層の樹脂からなる積層構造を有し、
    前記3層の樹脂は、中央層と、前記中央層よりも流動性が高く前記中央層を挟むように配置された2つの表層と、からなり、
    前記2つの表層のうち厚みが大きいほうの表層が前記太陽電池セルに接触するように配置する、太陽電池モジュールの製造方法。
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