JP2016119330A - 樹脂成形体およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱硬化性樹脂部材の表面の一部を熱可塑性樹脂部材で封止してなる樹脂成形体において、熱硬化性樹脂部材と熱可塑性樹脂部材との密着性の向上を図る。【解決手段】電気接続部材40などの被封止部材を熱硬化性樹脂部材10によって封止したのち、官能基を含有する官能基含有添加剤20aが添加された熱可塑性樹脂部材20によって熱硬化性樹脂部材10を封止する樹脂成形体において、熱硬化性樹脂部材10に官能基含有添加剤20aに存在する官能基を活性化させる触媒10cを混入し、熱硬化性樹脂部材10の封止面の少なくとも一部において、最表面に位置する表面層13を除去した表面除去部11aを形成することで触媒10cを露出させる。【選択図】図1

Description

本発明は、熱硬化性樹脂部材の表面の一部を熱可塑性樹脂部材で封止し、熱硬化性樹脂部材の表面の残部を熱可塑性樹脂部材より露出させてなる樹脂成形体、および、そのような樹脂成形体の製造方法に関する。
従来より、部品が実装された基板等よりなる被封止部品と、被封止部品を封止する熱硬化性樹脂よりなる熱硬化性樹脂部材と、熱硬化性樹脂部材の表面を封止する熱可塑性樹脂よりなる熱可塑性樹脂部材とを備える樹脂成形体が提案されている(例えば特許文献1参照)。ここで、熱可塑性樹脂部材は、熱硬化性樹脂部材の表面の一部である封止面を封止し、当該表面の残部である露出面を露出させている。
このような樹脂成形体は、熱硬化性樹脂については、被封止部品に対する高密着性や低応力性の点で好ましく、熱可塑性樹脂については、成形物の寸法精度や靭性がよい、という各利点を生かしたものである。例えば、熱硬化性樹脂としてはエポキシ樹脂等が挙げられ、熱可塑性樹脂としては、PPS(ポリフェニレンサルファイド)やPBT(ポリブチレンテレフタレート)等が挙げられる。
このような樹脂成形体の一般的な製造方法は、次の通りである。まず、被封止部品を、熱硬化性樹脂部材の原料である熱硬化性樹脂素材で被覆し、これを加熱して硬化完了させて熱硬化性樹脂部材を形成する硬化モールド工程、つまり一次成形を行う。
次に、熱可塑性樹脂部材の原料である熱可塑性樹脂素材にて熱硬化性樹脂部材の表面のうちの封止面を被覆するように射出成形を行い、加熱することにより熱可塑性樹脂部材を形成する可塑モールド工程、つまり二次成形を行う。こうして、樹脂成形体ができあがる。
特許第3620184号公報
しかしながら、このような樹脂成形体においては、熱硬化性樹脂に対する熱可塑性樹脂の密着性が悪いため、熱硬化性樹脂部材と熱可塑性樹脂部材との界面で剥離が生じやすい。
この種の樹脂成形体においては、上記したように、熱硬化性樹脂部材の表面の一部である封止面は、熱可塑性樹脂部材で封止されるが、当該表面の残部である露出面は、熱可塑性樹脂部材より露出する。
そのため、上記界面で剥離が発生すると、例えば、上記界面のうち外部に露出する部分、すなわち、上記界面のうち熱硬化性樹脂部材における封止面と露出面との境界に位置する端部から、外部の水分や汚染物質等が、上記界面に沿って樹脂成形体の内部に侵入することになる。
このような上記界面での剥離の問題に対して、上記従来公報では、熱可塑モールド工程後に、上記界面のうち上記封止面と露出面との境界に位置する端部に、別の充填材料を配置することで、上記界面の端部を被覆し、上記界面の剥離を防止するようにしている。しかし、この場合、充填材料を別途用いる必要が生じることから、樹脂成形体の形状の制約やコストアップ等の点で問題がある。
本発明は、上記した問題に鑑みてなされたものであり、熱硬化性樹脂部材の表面の一部を熱可塑性樹脂部材で封止してなる樹脂成形体において、熱硬化性樹脂部材と熱可塑性樹脂部材との密着性の向上を図ることを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1ないし5に記載の発明では、熱硬化性樹脂よりなる熱硬化性樹脂部材(10)と、熱硬化性樹脂部材の表面の一部である封止面(11)を封止する熱可塑性樹脂よりなる熱可塑性樹脂部材(20)と、を備え、熱硬化性樹脂部材の表面の残部である露出面(12)は、熱可塑性樹脂部材より露出する樹脂成形体の製造方法であって、さらに、以下の各工程を備えるものである。
すなわち、請求項1ないし5の製造方法においては、熱硬化性樹脂部材の原料である熱硬化性樹脂材料を用い、熱硬化性樹脂材料を加熱して硬化完了させることにより、熱硬化性樹脂部材を形成する硬化モールド工程と、熱硬化性樹脂部材における封止面の少なくとも一部において、最表面に位置する表面層(13)を除去することで封止面の少なくとも一部を官能基が存在する新生面(14)とする表面層除去工程と、新生面が形成された熱硬化性樹脂部材に対して、熱可塑性樹脂部材の原料である熱可塑性樹脂材料として新生面に存在する官能基と化学結合する官能基を含有する官能基含有添加剤(20a)を添加した材料を射出成形することにより、新生面に存在する官能基と熱可塑性樹脂材料に添加した官能基含有添加剤に存在する官能基とを化学結合させつつ、熱硬化性樹脂部材における封止面を熱可塑性樹脂部材で封止する可塑モールド工程と、を備え、硬化モールド工程では、熱硬化性樹脂材料に官能基含有添加剤に存在する官能基を活性化させる触媒(10c)を添加し、表面層除去工程では、新生面より触媒を露出させることを特徴とする。
このように、熱硬化性樹脂部材における封止面と当該封止面を封止する熱可塑性樹脂部材との界面では、封止面上の汚染物が除去された新生面が形成されるようにしている。そして、この新生面において官能基を介した熱硬化性樹脂部材と熱可塑性樹脂部材との化学結合が実現される。この化学結合によって、熱硬化性樹脂部材と熱可塑性樹脂部材との間において高密着性を得ることができる。そのため、熱硬化性樹脂部材と熱可塑性樹脂部材との密着性の向上が実現できる。
さらに、熱硬化性樹脂部材の表面層を除去して新生面から触媒を露出させている。このため、熱可塑性樹脂部材に添加した官能基含有添加剤の官能基をより活性化させられ、熱硬化性樹脂部材の新生面から露出した官能基と反応して、より高密着性を得ることが可能となる。
また、請求項6または7に記載の発明では、熱硬化性樹脂よりなる熱硬化性樹脂部材(10)と、熱硬化性樹脂部材の表面の一部である封止面(11)を封止する熱可塑性樹脂よりなる熱可塑性樹脂部材(20)と、を備え、熱硬化性樹脂部材の表面の残部である露出面(12)は、熱可塑性樹脂部材より露出している樹脂成形体であって、熱可塑性樹脂部材には官能基を含有する官能基含有添加剤(20a)が添加されていると共に、熱硬化性樹脂部材に官能基含有添加剤に存在する官能基を活性化させる触媒(10c)が添加され、熱硬化性樹脂部材における封止面には該熱硬化性樹脂部材の表面層が除去された表面除去部(11a)より触媒が露出させられることで、官能基含有添加剤に存在する官能基が活性化されて熱硬化性樹脂部材に存在する官能基と化学結合されていることを特徴とする。
このように、熱硬化性樹脂部材に表面除去部を形成し、表面除去部より触媒を露出させることで、官能基含有添加剤に存在する官能基を活性化させている。これにより、活性化させた官能基含有添加剤に存在する官能基と新生面に存在する官能基とを化学結合させた構造にでき、請求項1と同様、熱硬化性樹脂部材と熱可塑性樹脂部材との密着性の向上が実現できる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係の一例を示すものである。
本発明の第1実施形態にかかる樹脂成形体としての半導体装置を示す概略断面図である。 図1中の半導体装置における熱硬化性樹脂部材を模式的に示した外観斜視図である。 図1に示される半導体装置の製造工程中の断面のうち図1中の領域Rを拡大した図である。 図3に続く製造工程中の断面のうち図1中の領域Rを拡大した図である。 図4に続く製造工程中の断面のうち図1中の領域Rを拡大した図である。 図5に続く製造工程中の断面のうち図1中の領域Rを拡大した図である。 上記第1実施形態にかかる半導体装置の製造方法における効果を示すグラフである。 上記第1実施形態にかかる半導体装置の製造方法における効果を示すグラフである。 上記第1実施形態にかかる半導体装置の製造方法における効果を示すグラフである。 表面除去部11aを形成しない場合と形成しつつ段差11bの高さを変えた場合それぞれにおいて、触媒10cの露出状態を測定した結果を示す図である。 本発明の第2実施形態にかかる樹脂成形体としての半導体装置に含まれる熱硬化性樹脂部材を模式的に示した外観斜視図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態にかかる樹脂成形体について、図1、図2を参照して述べる。なお、図1では、後述する熱硬化性樹脂部材10の表面に形成された表面除去部11aの凹凸形状、段差11bの高さについては、わかりやすくするために、大きくデフォルメして示してある。また、図2では、熱硬化性樹脂部材10の表面に形成された表面除去部11aについて、その表面に斜線ハッチングを施して示している。
この樹脂成形体は、例えば自動車などの車両に搭載され、車両用の各種電子装置を駆動するための半導体装置として適用されるものである。本実施形態の樹脂成形体としての半導体装置は、熱硬化性樹脂部材10と熱硬化性樹脂部材10の表面の一部を封止する熱可塑性樹脂部材20とを備えて構成されている。
熱硬化性樹脂部材10は、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂よりなるもので、触媒10cが混入されている。触媒10cは、後述する熱可塑性樹脂部材20に添加された官能基含有添加剤20aの構成材料(構成分子)を不安定な状態、つまり反応し易い状態に変化させて、官能基含有添加剤20aが有する官能基の反応をより活性化する。触媒10cは、官能基含有添加剤20aの構成材料との組み合わせによって決まるが、例えば、官能基含有添加剤20aをエポキシ樹脂によって構成する場合、TPP(トリフェニルホスフィン)などのリン系触媒などとされる。このように、エポキシ樹脂の場合に触媒10cとしてTPPを用いると、エポキシ樹脂が有するエポキシ基が開裂する開環反応が生じ、エポキシ基を官能基として活性化させることができる。熱硬化性樹脂部材10における触媒10cの含有率量については、官能基含有添加剤20aの構成材料や熱可塑性樹脂部材20に含まれる官能基含有添加剤20aの含有量などによって適宜調整される。
また、熱硬化性樹脂部材10には、必要に応じて、当該樹脂中にシリカやアルミナ等の絶縁性材料よりなるフィラーが含有されていてもよい。このような熱硬化性樹脂部材10は、トランスファー成形、コンプレッション成形、あるいは、ポッティング法等による成形および熱硬化処理を行うことで、形成されたものである。
また、熱可塑性樹脂部材20は、PPS(ポリフェニレンサルファイド)やPBT(ポリフェニレンテレフタレート)等の熱可塑性樹脂よりなるもので、熱硬化性樹脂部材10の一部を封止するように射出成形を行うことにより、形成されたものである。この熱可塑性樹脂部材20内には、官能基含有添加剤20aが添加されている。官能基含有添加剤20aは、水酸基、エポキシ基、アミノ基、カルボニル基などのいずれか1つもしくは複数を有するポリマーよりなるものである。この官能基含有添加剤20aが熱硬化性樹脂部材10の表面除去部11aの表面に存在する官能基と化学反応して、高密着性な熱硬化性樹脂−熱可塑性樹脂接合を可能としている。
このような官能基含有添加剤20aが添加された熱可塑性樹脂部材20が熱硬化性樹脂部材10の表面の一部を封止することにより、熱硬化性樹脂部材10の表面の一部は、熱可塑性樹脂部材20により封止された封止面11とされている。そして、熱硬化性樹脂部材10の表面のうち封止面11以外の部分である残部は、熱可塑性樹脂部材20より露出する露出面12とされている。
ここでは、図1および図2に示されるように、熱硬化性樹脂部材10は、直方体状のブロック形状をなすものとして構成されている。そして、この熱硬化性樹脂部材10の長手方向の一端10a側における熱硬化性樹脂部材10の表面の一部が、封止面11とされ、当該長手方向の他端10b側における熱硬化性樹脂部材の表面の残部が、露出面12とされている。
より具体的には、図1、図2に示される熱硬化性樹脂部材10は、長手方向の一端面とこれに対向する他端面、および、長手方向に延びる4個の側面を有する直方体をなしている。そして、熱硬化性樹脂部材10の封止面11は、当該長手方向の一端面と4個の側面のうちの当該長手方向の一端10a側の部位とされ、一方、熱硬化性樹脂部材10の露出面12は、当該長手方向の他端面と4個の側面のうちの当該長手方向の他端10b側の部位とされている。
熱硬化性樹脂部材10は、その内部に、熱硬化性樹脂部材10により封止された半導体素子30、被封止部品としての電気接続部材40を有している。
半導体素子30は、磁気センサや光センサ、あるいは、圧力センサ等に用いられるシリコン半導体等よりなるセンサチップである。このような半導体素子30は、通常の半導体プロセスにより形成されるものである。
例えば、磁気センサ用の半導体素子30の場合、半導体素子30の全体が熱硬化性樹脂部材10により封止されており、半導体素子30は、熱硬化性樹脂部材10を介して外部の磁気を検出するようにしている。
また、光センサや圧力センサ用の半導体素子30の場合、半導体素子30の一部を開口させる図示しない開口部が、熱硬化性樹脂部材10に形成され、半導体素子30は、当該開口部を介して光や圧力を検出するようになっている。
一方、被封止部品である電気接続部材40は、半導体素子30と半導体装置の外部の図示しない配線部材とを電気的に接続するためのものである。ここでは、電気接続部材40は、リードフレーム41とターミナル42によって構成されている。リードフレーム41は、一部が半導体素子30の搭載部41aとされ、残部が熱硬化性樹脂部材10の外部に引き出される端子部41bとされている。搭載部41aおよび端子部41bの一部は熱硬化性樹脂部材10に被覆されており、端子部41bの残部は熱硬化性樹脂部材10における封止面11より突出する。また、ターミナル42は、一端が端子部41bの残部に溶接などによって電気的かつ物理的に接合されており、端子部41bの残部と共に熱硬化性樹脂部材10の外部にて熱可塑性樹脂部材20により封止されている。さらに、ターミナル42の他端が熱可塑性樹脂部材20から露出させられている。
ここで、リードフレーム41の端子部41bは、熱硬化性樹脂部材10内にて、半導体素子30と電気接続されている。この半導体素子30との接続手法は特に限定するものではないが、ここでは、AlやAu等のボンディングワイヤ50により接続されている。
一方、熱可塑性樹脂部材20は、電気接続部材40の端子部41bの残部およびターミナル42の一端を封止しているが、ターミナル42の他端側において熱可塑性樹脂部材20には開口部21が形成されている。そして、この開口部21内においてターミナル42の他端側が熱可塑性樹脂部材20の外部に露出している。
この熱可塑性樹脂部材20の開口部21は、図示しない外部の配線部材、例えばコネクタ部材等が挿入されて接続される部位であり、それにより、この外部の配線部材とターミナル42とが、電気的に接続されるようになっている。
つまり、電気接続部材40は、半導体素子30の検出出力等を行うものとして機能し、半導体素子30は、電気接続部材40を介して、装置の外部との電気的なやり取りを可能としている。このような電気接続部材40として、本実施形態では、CuやAl等の棒状部材よりなるターミナル端子を用いているが、その他、回路基板などを電気接続部材40として用いてもよい。
そして、本実施形態の半導体装置においては、熱硬化性樹脂部材10における封止面11の一部は、表面層除去工程により所定厚さ、例えば50μm以上の厚み分、表面層が除去されることで表面除去部11aが構成されている。本実施形態の場合、表面除去部11aは、表面層除去工程によって粗化された粗化面とされており、表面除去部11aの粗化度合(表面粗さRa)は、表面除去部11a以外の封止面11および露出面12よりも大きくされている。具体的には、この表面除去部11aの表面粗さRaは、数μm以上(例えば3μm以上)とされている。なお、表面粗さRaは、JIS(日本工業規格の略称)に定義されている算術平均粗さRaである。
上述したように、熱硬化性樹脂部材10は、他端10b側において熱可塑性樹脂部材20から露出させられた露出面12とされている。また、リードフレーム41のうちの端子部41bの他端部は、熱硬化性樹脂部材10における封止面11より突出し、熱可塑性樹脂部材20により封止されている。そして、熱硬化性樹脂部材10のうち露出面12と端子部41bの他端部との間に位置する封止面11には、上記した表面除去部11aが、端子部41bの周りに連続した閉環形状をなすように設けられている。
ここでは、図2に示されるように、端子部41bの他端部は、直方体状の熱硬化性樹脂部材10の一端面から突出している。そして、表面除去部11aの配置パターンは、直方体状の熱硬化性樹脂部材10における4個の側面に渡って連続する閉環状のパターンとされている。
また、本実施形態では、図1、図2に示されるように、表面除去部11aは、熱硬化性樹脂部材10における封止面11内にのみ、つまり熱可塑性樹脂部材20の内側にのみ形成されている。このため、表面除去部11aの端部は、熱可塑性樹脂部材20の内側に位置している。
ここで、表面除去部11aは封止面11の表面層13(図3参照)を全面除去した面であり、熱硬化性樹脂部材10の表面のうち表面除去部11a以外の部分に対して表面除去部11aが凹むように、これらの間には段差11bが形成されている。この段差11bの高さは、数μm以上(例えば5μm以上)とされ、好ましくは50μm以上とされている。
次に、本実施形態の半導体装置の製造方法について、図3〜図6も参照して述べる。まず、図3に示される硬化モールド工程では、熱硬化性樹脂部材10の原料である熱硬化性樹脂材料を用い、この熱硬化性樹脂材料を加熱して硬化完了させることにより、熱硬化性樹脂部材10を形成する。
具体的に、この硬化モールド工程では、半導体素子30と端子部41bとをボンディングワイヤ50で接続したものを、トランスファー成形、コンプレッション成形あるいはポッティング等により封止し、さらに、このものを加熱、硬化する。こうして、熱硬化性樹脂部材10ができあがる。
この硬化モールド工程で形成された熱硬化性樹脂部材10の最表面には、汚染物よりなる表面層13が存在する。汚染物は、熱硬化性樹脂部材10の構成材料中に存在するが、加熱成形時に最表面に浮き出てきて、それよりも内側にはあまり存在しない状態となる。ここで、汚染物とは、例えば離型剤や工程中に熱硬化性樹脂部材10の表面に付着した異物等である。離型剤とは、上記成形において型離れ性を確保するために、金型表面に設けられたり、熱硬化性樹脂材料自身に混合されたりするもので、例えばシロキサンや脂肪酸等よりなる。なお、熱硬化性樹脂部材10には触媒10cを混入しているが、熱硬化性樹脂部材10の表面層13にはほとんど触媒10cが存在しておらず、それよりも内側に存在した状態となっている。
次に、図4に示されるように、熱硬化性樹脂部材10に対して表面層除去工程を行う。この工程では、熱硬化性樹脂部材10における封止面11の一部、すなわち封止面11のうちの表面除去部11aを形成する部位において、最表面に位置する表面層13を除去することで当該部位を新生面14とする。
具体的には、封止面11のうちの表面除去部11aの形成予定位置に対して、レーザ照射、ショットブラスト、研磨等の手法を用い、表面層13を除去する。これら手法は、処理表面を削って凹凸を形成するものであり、レーザ照射が最も望ましい手法である。表面除去部11aを形成する際の封止面11の除去深さは、表面層13を除去できる程度で良く、数μm以上(例えば5μm以上)とされていれば良く、好ましくは50μmとされている。
これら手法により、汚染物としての表面層13が除去されて表面除去部11aが形成され、表面除去部11aの表面によって表面層13の下地としての新生面14が形成される。この新生面14は、上記したようにレーザ照射などの手法によって形成されていることから、表面が粗化された粗化面となっている。それによって、新生面14は、アンカー効果が付与されて熱可塑性樹脂部材20との密着性に優れた表面とされる。また、表面除去部11aの表面としての新生面14には、実際には図5に示すように、熱硬化性樹脂部材10を構成する熱硬化性樹脂における水酸基やエポキシ基等のいずれか1つもしくは複数が官能基として存在している。
さらに、熱硬化性樹脂部材10に混入しておいた触媒10cが表面除去部11aの表面となる新生面14から露出した状態となる。上記したように、表面除去部11aを形成していない状態においては、熱硬化性樹脂部材10の表面よりも内側に触媒10cが埋もれた状態になっていて、表面には触媒10cが殆ど露出していない状態となる。しかしながら、本実施形態のように、表面層13を除去して表面除去部11aを形成することによって熱硬化性樹脂部材10の表面のうち触媒10cを覆っている部分が所定厚さ除去され、触媒10cが新生面14より露出させられる。
なお、表面層除去工程においては、特にレーザ照射を用いると、新生面14が焼けて酸化された部分に存在する官能基がさらに化学反応を促進して高密着性を実現することが可能となるため好ましい。また、OH基などの官能基をより新生面14に多く存在させるために、熱硬化性樹脂部材10の新生面14に、コロナ放電処理を施すことも望ましい。
こうして、表面層除去工程を行った後、図6に示される可塑モールド工程を行う。この工程では、官能基が存在する熱硬化性樹脂部材10の新生面14に対して、熱可塑性樹脂部材20の原料である官能基含有添加剤20aを添加した熱可塑性樹脂材料を射出成形する。例えば、官能基含有添加剤20aとなる官能基を有するポリマーを母材となる熱可塑性樹脂材料に混練することにより、官能基含有添加剤20aを添加した熱可塑性樹脂材料を得ることができる。これにより、新生面14に存在する官能基と熱可塑性樹脂材料に含まれる官能基含有添加剤20aに存在する官能基とが化学結合しつつ、熱硬化性樹脂部材10における封止面11が熱可塑性樹脂部材20で封止される。
この可塑モールド工程における化学結合としては、例えば熱硬化性樹脂部材10がエポキシ樹脂である場合、エポキシ樹脂中の水酸基やエポキシ基が官能基含有添加剤20aに存在する水酸基、エポキシ基、アミノ基、カルボニル基と化学結合することになる。そして、水酸基同士の結合やエポキシ基同士の結合などとされる場合、共有結合となるため、より強度の高い化学結合となる。つまり、官能基含有添加剤20aの構成材料として、熱硬化性樹脂部材10の構成材料に含まれる官能基と同じ官能基を少なくとも1つ含む材料を用いることで共有結合を実現できる。
この化学結合により、熱硬化性樹脂部材10における新生面14(つまり表面除去部11a)と熱可塑性樹脂部材20との間の高密着性を得ることができるのである。特に、上記したように、熱硬化性樹脂部材10の表面層13を除去して新生面14から触媒10cを露出させている。このため、熱可塑性樹脂部材20に添加した官能基含有添加剤20aの官能基をより活性化させられ、熱硬化性樹脂部材10の新生面14から露出した官能基と反応して、より高密着性を得ることが可能となる。
また、熱可塑性樹脂部材20に添加する官能基含有添加剤20aの添加量が多いと、熱可塑性樹脂部材20の特性劣化の要因になることから、官能基含有添加剤20aの添加量は少量の方が好ましい。これに対して、本実施形態のように、新生面14から触媒10cを露出させて官能基含有添加剤20aの官能基を活性させてより高密着性を得ることで、熱可塑性樹脂部材20に対する官能基含有添加剤20aの添加量を少なくできる。したがって、官能基含有添加剤20aの添加量の減少による熱可塑性樹脂部材20の特性劣化の抑制を図ることも可能となる。
以上のようにして、本実施形態の樹脂成形体としての半導体装置ができあがる。なお、上記の表面層形成工程以降の各工程は、熱硬化性樹脂部材10の表面の一部に対して選択的に処理を行うものであるため、処理を行わない表面には適宜マスキング等を施したうえで、当該各工程を行うようにする。
ところで、上記製造方法によれば、熱硬化性樹脂部材10における封止面11と当該封止面11を封止する熱可塑性樹脂部材20との界面では、封止面11上の汚染物が除去された新生面14が形成される。この新生面14において上記官能基を介した熱硬化性樹脂部材10と熱可塑性樹脂部材20との化学結合が実現される。
そして、この化学結合によって、熱硬化性樹脂部材10と熱可塑性樹脂部材20との間において高密着性を得ることができる。特に、新生面14から触媒10cを露出させることで官能基含有添加剤20aの官能基をより活性化させられ、より高密着性を得ることが可能となる。そのため、本実施形態によれば、熱硬化性樹脂部材10と熱可塑性樹脂部材20との密着性の向上が実現できる。
また、本実施形態のような熱可塑性樹脂部材20の封止形態では、熱硬化性樹脂部材10と熱可塑性樹脂部材20との界面のうち、封止面11と露出面12との境界に位置する端部から、外部の水分や汚染物等の侵入物質が、当該界面に沿って装置内に侵入するおそれがある。特に、本実施形態のような車載用の半導体装置の場合、例えば使用環境中に存在する水分やオイル等の汚染物が侵入してくるおそれがある。
このとき、本実施形態のように、被封止部品である電気接続部材40のうちの端子部41bなどが熱硬化性樹脂部材10における封止面11より突出して熱可塑性樹脂部材20で封止されている場合、上記の侵入物質が端子部41bに付着し得る。その場合、樹脂成形体によって構成される半導体装置の特性等に悪影響を及ぼす可能性がある。
その点、本実施形態では、熱硬化性樹脂部材10における封止面11のうち、露出面12と封止面11より突出する端子部41bとの間に位置する部位に、表面除去部11aを、上記閉環形状をなすように設けている。
そして、この閉環形状の部分は、上述のように高密着性が得られていて、剥離が防止される部位となる。そのため、本実施形態によれば、上記の侵入物質が、露出面12側から両樹脂部材10、20の界面を介して端子部41bへ到達するのを極力防止することができる。
ここで、上記した表面層13の除去および化学結合による両樹脂部材10、20の密着性向上の効果について、図7〜図9を参照して、より具体的に述べる。なお、この図7〜図9に示される例は、あくまで当該密着性向上の効果を示す一例であり、当該効果は、これに限定されるものではない。
図7〜図9の例では、熱硬化性樹脂部材10に相当する熱硬化性樹脂よりなる矩形板状の試験片と、熱可塑性樹脂部材20に相当する熱可塑性樹脂よりなる矩形板状の試験片とが貼り合わせられた状態となるように、上記製造方法に基づいて、樹脂成形体を作製した。そして、これら両試験片の貼り合わせ部分のせん断強度(単位:MPa)を測定したものである。
図7の例における実験では、まず、熱硬化性樹脂材料として一般的な半導体封止用エポキシ樹脂をトランスファー成形したのち、表面をレーザ照射することで表面除去部11aにて構成される新生面14を形成した。次に、熱可塑性樹脂材料となるPPSを射出成形することで熱可塑性樹脂部材20で熱硬化性樹脂部材10を封止した構造を構成した。そして、このような構造を熱硬化性樹脂材料や熱可塑性樹脂材料に触媒10cや官能基含有添加剤20aとなるエポキシ樹脂を添加した場合と、添加していない場合それぞれについて準備し、せん断強度を評価した。図7は、その評価結果を示している。
この図に示されるように、本実施形態のように触媒10cや官能基含有添加剤20aを添加した場合、これらを添加していない場合と比較して、せん断強度の大幅な向上、つまり両樹脂部材10、20の密着性の飛躍的な向上が確認された。具体的には、触媒10cや官能基含有添加剤20aを添加していない場合にはせん断強度が5MPa程度に留まるのに対して、添加した場合にはせん断強度が27MPaと高強度化していた。このように、触媒10cや官能基含有添加剤20aを添加していない場合は官能基による化学結合がなされず、密着性向上が実現できていないが、添加した場合は官能基による化学結合がなされ、密着性向上ができていたと考えられる。
次に、図8および図9はそれぞれ、表面層除去工程に用いる手法として、レーザ照射を用いた場合の表面除去部11aの表面粗さRa(単位:μm)とせん断強度との関係、加工深さZ(単位:μm)とせん断強度との関係を調査したものである。図中丸印は個々の実験結果、棒印は同じ表面粗さRaもしくは加工深さZのときの実験結果の平均値をそれぞれ表している。なお、加工深さZは、上記段差11bの高さに相当するものである。レーザ照射では、レーザを表面にスキャンすることによって表面層13を除去した。
図8、図9に示されるように、レーザ照射であれば、Ra≧3μm、Z≧5μm、となるように、表面層除去工程において加工を行えば、十分な密着強度が得られるものと推定できる。
また、レーザ照射以外にも、ショットブラストや研磨によって同様の実験を行った。ショットブラストでは、アランダム(アルミナ粉♯80)を表面に吹き付けることによって表面層13を除去した。また、研磨では、研磨紙(♯80)による手研磨(人手による手研磨)によって表面層13を除去した。これらの場合であっても、表面除去工程においてレーザ照射の場合と同様の加工を行うことで、十分な密着強度が得られることが確認された。
また、実験結果によれば、密着性については、レーザ照射>ショットブラスト>研磨の順となった。これは、レーザ照射を用いると、新生面14が焼けて酸化された部分に存在する官能基がさらに化学反応を促進して高密着性を実現することが可能となるためと考えられる。したがって、表面層13が除去可能であれば手法は問わないが、高い密着強度が必要となる場合であれば、レーザ照射が好ましいと言える。また、ショットブラストや研磨についても、レーザ照射と同等の表面粗さRaおよび加工深さZが実現できるならば、採用可能であることはもちろんである。
さらに、本実施形態では、表面除去部11aの段差11bの高さを数μm以上(例えば5μm以上)、好ましくは50μmとしている。これは、触媒10cを新生面14から確実に露出させるためである。実験により、表面除去部11aを形成しない場合と、段差11bの高さを5μm以下とした場合および50〜80μmとした場合それぞれにおいて、触媒10cの露出状態を測定した。具体的には、表面除去部11aを形成しない場合には熱硬化性樹脂部材10の表面、表面除去部11aを形成する場合には形成後の表面をアセトンに浸したのち、IR(赤外線)照射によるピーク測定を行うことで、触媒10cの露出状態を測定した。
その結果、図10に示すように、表面除去部11aを形成していない場合には、触媒10cを由来とするピークが出ていない。また、表面除去部11aを形成したとしても、除去量が少なく段差11bの高さが5μm以下と低い場合には、触媒10cを由来とするピークが小さい。これに対して、表面除去部11aを形成しつつ、除去量が50〜80μmである場合には、触媒10cを由来とするピークが大きく出ていて、触媒10cが確実に露出している状態であることが確認できる。
このように、表面除去部11aを設けることで触媒10cを露出させることが可能となり、かつ、その除去量を数μm以上、好ましくは50μm以上とすることで、より確実に触媒10cを露出させることが可能となる。これにより、触媒10cを露出させることによって得られる上記効果をより確実に得ることが可能となる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態にかかる樹脂成形体としての半導体装置の要部について、図11を参照して述べる。本実施形態は、上記第1実施形態に比べて、熱硬化性樹脂部材10における表面除去部11aの配置パターンを変えたところが相違するものであり、ここでは、その相違点を中心に述べることとする。
上記第1実施形態では、上記図2に示したように、表面除去部11aの配置パターンは、直方体状の熱硬化性樹脂部材10における4個の側面に渡って連続する閉環状パターンとされていた。
これに対して、本実施形態では、図11に示されるように、表面除去部11aは、直方体状の熱硬化性樹脂部材10における一端10a側の端面すなわち一端面のみに配置されている。
この場合も、表面除去部11aの配置パターンは、封止面11である当該一端面より突出する端子部41bの周りを取り囲む閉環形状とされている。そして、この場合も、上記第1実施形態と同様、当該閉環状のパターンによる効果が発揮される。
(他の実施形態)
なお、上記した各実施形態では、上記図1、図2、図11に示したように、表面除去部11aは、熱硬化性樹脂部材10における封止面11の一部に設けられていたが、封止面11の全体に設けられていてもよい。つまり、表面除去部11aは、封止面11の少なくとも一部に設けられたものであればよい。
また、表面除去部11aは、封止面11に加えて露出面12まで形成されていても何ら問題ない。さらに、表面除去部11aは、熱硬化性樹脂部材10の表面全体に形成されていてもよい。
また、表面除去部11aを封止面11の一部に設ける場合、上記したように連続する閉環状の配置パターンが好ましいが、それ以外にも、表面除去部11aを、封止面11に対して島状に配置してもよい。
また、上記図1では、表面除去部11aを封止面11の範囲内に設けた構造としたため、段差11bは、熱可塑性樹脂部材20の内側に封止されたものとされていた。これに対して、表面除去部11aは、熱硬化性樹脂部材10における封止面11を超えて露出面12の一部まで連続して形成された構造であっても良く、その場合、段差11bは、熱可塑性樹脂部材より露出し、目視可能なものとされる。
また、被封止部品としては、熱硬化性樹脂部材10で封止されることが可能なものであればよく、上記した電気接続部材40に限定されるものではなく、半導体素子30や回路基板なども含まれる。
また、熱硬化性樹脂部材10の形状は、上記した直方体状のものに限定されるものではなく、球状、その他、不定形状などであってもよい。また、熱可塑性樹脂部材20の封止形態は、熱硬化性樹脂部材10の表面の一部が封止され残部が露出するものであればよく、上記図示例のような熱硬化性樹脂部材10の一端10a側が封止面11、他端10b側が露出面とされたものに限定するものではない。
また、上記実施形態では、樹脂成形体は半導体装置であり、熱硬化性樹脂部材10の内部には、熱硬化性樹脂部材10で封止された被封止部品となる電気接続部材40などが設けられたものであった。しかし、樹脂成形体としては、このような半導体装置に限定されるものではなく、例えば熱硬化性樹脂部材10として被封止部品を持たない構成のものであってもよい。
また、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能であり、また、上記各実施形態は、上記の図示例に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。
10 熱硬化性樹脂部材
10c 触媒
11 熱硬化性樹脂部材における封止面
11a 表面除去部
12 熱硬化性樹脂部材における露出面
20 熱可塑性樹脂部材
20a 官能基含有添加剤
30 半導体素子
40 電気接続部材
41 リードフレーム
42 ターミナル

Claims (7)

  1. 熱硬化性樹脂よりなる熱硬化性樹脂部材(10)と、
    前記熱硬化性樹脂部材の表面の一部である封止面(11)を封止する熱可塑性樹脂よりなる熱可塑性樹脂部材(20)と、を備え、
    前記熱硬化性樹脂部材の表面の残部である露出面(12)が前記熱可塑性樹脂部材より露出する樹脂成形体の製造方法であって、
    前記熱硬化性樹脂部材の原料である熱硬化性樹脂材料を用い、前記熱硬化性樹脂材料を加熱して硬化完了させることにより、前記熱硬化性樹脂部材を形成する硬化モールド工程と、
    前記熱硬化性樹脂部材における前記封止面の少なくとも一部において、最表面に位置する表面層(13)を除去することで前記封止面の少なくとも一部を官能基が存在する新生面(14)とする表面層除去工程と、
    前記新生面が形成された前記熱硬化性樹脂部材に対して、前記熱可塑性樹脂部材の原料である熱可塑性樹脂材料として前記新生面に存在する官能基と化学結合する官能基を含有する官能基含有添加剤(20a)を添加した材料を射出成形することにより、前記新生面に存在する官能基と前記熱可塑性樹脂材料に添加した官能基含有添加剤に存在する官能基とを化学結合させつつ、前記熱硬化性樹脂部材における前記封止面を前記熱可塑性樹脂部材で封止する可塑モールド工程と、を備え、
    前記硬化モールド工程では、前記熱硬化性樹脂材料に前記官能基含有添加剤に存在する前記官能基を活性化させる触媒(10c)を添加し、
    前記表面層除去工程では、前記新生面より前記触媒を露出させることを特徴とする樹脂成形体の製造方法。
  2. 前記表面層除去工程は、前記熱硬化性樹脂部材における前記封止面の少なくとも一部に対して、レーザ照射することにより前記表面層を除去する工程であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂成形体の製造方法。
  3. 前記硬化モールド工程では、前記熱硬化性樹脂部材の構成材料として、水酸基とエポキシ基のいずれか1つもしくは複数を官能基として含む材料を用い、
    前記可塑モールド工程では、前記官能基含有添加剤の構成材料として、水酸基、エポキシ基、アミノ基、カルボニル基のいずれか1つもしくは複数を官能基として含む材料を用いることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂成形体の製造方法。
  4. 前記硬化モールド工程では、前記熱硬化性樹脂部材の構成材料として、水酸基とエポキシ基のいずれか1つもしくは複数を官能基として含む材料を用い、
    前記可塑モールド工程では、前記官能基含有添加剤の構成材料として、前記熱硬化性樹脂部材の構成材料に含まれる官能基と同じ官能基を少なくとも1つ含む材料を用いることで、前記熱硬化性樹脂部材の構成材料に含まれる官能基と共有結合させることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂成形体の製造方法。
  5. 前記硬化モールド工程では、前記熱硬化性樹脂部材の構成材料としてエポキシ基を官能基として有する材料を用いつつ、前記触媒としてリン系触媒を用い、
    前記可塑モールド工程では、前記官能基含有添加剤の構成材料としてエポキシ基を官能基として有する材料を用いることで、前記熱硬化性樹脂部材のエポキシ基と共有結合させることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂成形体の製造方法。
  6. 熱硬化性樹脂よりなる熱硬化性樹脂部材(10)と、
    前記熱硬化性樹脂部材の表面の一部である封止面(11)を封止する熱可塑性樹脂よりなる熱可塑性樹脂部材(20)と、を備え、
    前記熱硬化性樹脂部材の表面の残部である露出面(12)は、前記熱可塑性樹脂部材より露出している樹脂成形体であって、
    前記熱可塑性樹脂部材に官能基を含有する官能基含有添加剤(20a)が添加されていると共に、前記熱硬化性樹脂部材に前記官能基含有添加剤に存在する前記官能基を活性化させる触媒(10c)が添加され、前記熱硬化性樹脂部材における前記封止面には該熱硬化性樹脂部材の表面層が除去された表面除去部(11a)より前記触媒が露出させられることで、前記官能基含有添加剤に存在する官能基が活性化されて前記熱硬化性樹脂部材に存在する官能基と化学結合されていることを特徴とする樹脂成形体。
  7. 一部が前記熱硬化性樹脂部材に被覆されて、残部が前記熱硬化性樹脂部材における前記封止面より突出する被封止部品(40)が備えられており、
    前記被封止部品の残部は、前記熱可塑性樹脂部材により封止されており、
    前記熱硬化性樹脂部材において、前記露出面と前記被封止部品の残部との間に位置する前記封止面には、前記表面除去部が、前記被封止部品の残部の周りに閉環形状をなすように設けられていることを特徴とする請求項6に記載の樹脂成形体。
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