JP2014132626A - 電子装置およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱硬化性樹脂よりなる一次成形物の外側に熱可塑性樹脂よりなる二次成形物を二次成形してなる電子装置において、電子部品の封止に適したトランスファーモールド法、コンプレッションモールド法等の一次成形手法で、両成形物の密着性を強固に確保できるようにする。
【解決手段】電子部品30を封止する一次成形物10と一次成形物10の外側に二次成形された二次成形物20とを備え、一次成形物10は熱硬化性樹脂とこれに含有された第1の添加物とを含むものよりなり、二次成形物20は熱可塑性樹脂とこれに含有され第1の添加物と化学結合する反応基を有する第2の添加物とを含むものよりなり、一次成形物10と二次成形物20との界面では、第1の添加物と第2の添加物とが共有結合、イオン結合、水素結合、分子間力、分散力、拡散から選ばれる1つ以上の接合作用で接合してなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子部品を一次成形物で封止し、さらに、一次成形物の外側に二次成形物を設けてなる電子装置、および、そのような電子装置の製造方法に関する。
一般に、この種の電子装置は、電子部品と、この電子部品を封止する熱硬化性樹脂よりなる一次成形物と、一次成形物の外側に二次成形された熱可塑性樹脂よりなる二次成形物と、を備えて構成されている。
ここで、一次成形物は、電子部品を外部より封止するため、封止性に優れた熱硬化性樹脂であることが必要であり、一方、二次成形物は、一般にコネクタ等の靭性が必要な成形物である必要があることから、熱可塑性樹脂が採用される。
このような電子装置では、熱硬化性樹脂よりなる一次成形物は、先に成形されて架橋や重合等の硬化反応が終了しているので、その上に熱可塑性樹脂よりなる二次成形物を二次成形する場合、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との密着性が小さく、剥離が生じやすい。
そこで、従来では、二次成形まで行った後、当該両成形物の隙間を埋める介在物として、第3の樹脂を充填するのが通常であった。しかし、この場合、当該両成形物の隙間に介在物を充填する手間がかかっていた。
これに対して、特許文献1に記載のように、熱硬化性樹脂の一次成形物の表面に熱可塑性樹脂を存在させることで、二次成形時に熱可塑性樹脂同士で溶着を行わせ、密着性を向上させる手段が提案されている。
特開2011−166124号公報
しかしながら、上記特許文献1は、プリプレグシートと熱可塑性樹脂(PA)フィルムを積層させ、ヒートプレス成形することで熱可塑性樹脂を表面に有した一次成形物を得る必要があるものであり、部品ダメージの観点から電子部品を封止する手段には適さないものである。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、熱硬化性樹脂よりなる一次成形物の外側に熱可塑性樹脂よりなる二次成形物を二次成形してなる電子装置において、電子部品の封止に適したトランスファーモールド法、コンプレッションモールド法等の一次成形手法で、両成形物の密着性を強固に確保できるようにすることを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、電子部品(30)を封止する一次成形物(10)と、一次成形物の外側に二次成形された二次成形物(20)と、を備え、一次成形物は、熱硬化性樹脂と、これに含有された第1の添加物とを含むものよりなり、二次成形物は、熱可塑性樹脂と、これに含有され第1の添加物と接合反応が可能な反応基もしくは骨格を有する第2の添加物とを含むものよりなり、一次成形物と二次成形物との界面では、第1の添加物と第2の添加物とが共有結合、イオン結合、水素結合、分子間力(ファンデアワールス力)、分散力、拡散から選ばれる1つ以上の接合作用で接合してなることを特徴とする電子装置が提供される。
それによれば、一次成形物を構成する熱硬化性樹脂、二次成形物を構成する熱可塑性樹脂は、それぞれに含有される第1の添加物と第2の添加物とが共有結合、イオン結合、水素結合、分子間力(ファンデアワールス力)、分散力、拡散から選ばれる1つ以上の接合作用で接合したものとなるので、電子部品の封止に適したトランスファーモールド法、コンプレッションモールド法等の一次成形手法で、両成形物の密着性を強固に確保することができる。
ここで、熱硬化性樹脂は、主剤と硬化剤とが化学反応してなるものであるから、請求項2に記載の発明のように、一次成形物10を構成する熱硬化性樹脂の主剤または硬化剤を余剰物としてこれを第1の添加物とすれば、第1の添加物として主剤および硬化剤以外の別材料を用意することなく、簡単な構成とすることができる。
請求項3に記載の発明では、電子部品(30)を封止する一次成形物(10)と、一次成形物の外側に二次成形された二次成形物(20)と、を備える電子装置の製造方法であって、
一次成形物の原料として、熱硬化性樹脂と、これに含有された第1の添加物とを含むものよりなる一次成形材料を用意する第1の用意工程と、二次成形物の原料として、熱可塑性樹脂と、これに含有され第1の添加物と接合反応が可能な反応基もしくは骨格を有する第2の添加物とを含むものよりなる二次成形材料を用意する第2の用意工程と、電子部品を封止するように一次成形材料を熱硬化させて一次成形物を形成する一次成形工程と、一次成形物の外側に二次成形材料を配置することにより、二次成形物を形成するとともに、この二次成形物の成形熱によって、一次成形物と二次成形物との界面にて第1の添加物と第2の添加物とを共有結合、イオン結合、水素結合、分子間力(ファンデアワールス力)、分散力、拡散から選ばれる1つ以上の接合作用で接合する二次成形工程と、を備えることを特徴とする。
それによれば、一次成形物を構成する熱硬化性樹脂、二次成形物を構成する熱可塑性樹脂は、それぞれに含有される第1の添加物と第2の添加物とが共有結合、イオン結合、水素結合、分子間力(ファンデアワールス力)、分散力、拡散から選ばれる1つ以上の接合作用で接合したものとなるので、電子部品の封止に適したトランスファーモールド法、コンプレッションモールド法等の一次成形手法で、両成形物の密着性を強固に確保することができる。
さらに検討を進めた結果、次のような手段を創出するに至った。
請求項4に記載の発明では、電子部品(30)を封止するよりなる一次成形物(10)と、一次成形物の外側に二次成形された熱可塑性樹脂を含む二次成形物(20)と、を備え、一次成形物は、熱硬化性樹脂(11)と、この熱硬化性樹脂中に分散され熱可塑性樹脂よりなる一次側添加樹脂(12)とを含むものより構成されており、一次側添加樹脂は、ガラス転移温度または軟化点が二次成形物の成形温度よりも低く、且つ、熱分解温度が二次成形物の成形温度よりも高いものであり、一次成形物と二次成形物との界面では、一次側添加樹脂と二次成形物を構成する熱可塑性樹脂(21、22)とが溶け合って一体化されていることを特徴とする電子装置が提供される。
それによれば、一次成形物に含有される一次側添加樹脂は、ガラス転移温度または軟化点が二次成形物の成形温度よりも低く、且つ、熱分解温度が二次成形物の成形温度よりも高いので、二次成形時には、一次成形物の表面に存在する一次側添加樹脂が溶融して、二次成形物側の溶融した熱可塑性樹脂と混ざり合い、二次成形後には溶け合って一体化した状態となる。そのため、本発明によれば、電子部品の封止に適したトランスファーモールド法、コンプレッションモールド法等の一次成形手法で、両成形物の密着性を強固に確保することができる。
ここで、請求項5に記載の発明のように、請求項4の電子装置においては、二次成形物は、ベースとなる熱可塑性樹脂よりなるベース樹脂(21)と、このベース樹脂中に分散され一次側添加樹脂と同一の熱可塑性樹脂よりなる二次側添加樹脂(22)とを含むものより構成されており、一次成形物と二次成形物との界面では、一次側添加樹脂と二次側添加樹脂とが溶け合って一体化されているものとしてもよい。
このように、二次成形物に、一次側添加樹脂と同一の熱可塑性樹脂よりなる二次側添加樹脂を含有させることで、両成形物の界面にて両添加樹脂同士が溶融して一体化しやすくなる。
請求項6に記載の発明では、電子部品(30)を封止する一次成形物(10)と、一次成形物の外側に二次成形された熱可塑性樹脂を含む二次成形物(20)と、を備える電子装置の製造方法であって、
一次成形物の原料として、熱硬化性樹脂と、この熱硬化性樹脂中に分散され熱可塑性樹脂よりなる一次側添加樹脂(12)とを含むものであって、当該一次側添加樹脂はガラス転移温度または軟化点が二次成形物の成形温度よりも低く、且つ、熱分解温度が二次成形物の成形温度よりも高いものである一次成形材料を用意する第1の用意工程と、二次成形物の原料として、熱可塑性樹脂を含む二次成形材料を用意する第2の用意工程と、電子部品を封止するように一次成形材料を熱硬化させて一次成形物を形成する一次成形工程と、一次成形物の外側に二次成形材料を配置することにより、二次成形物を形成するとともに、この二次成形物の成形熱によって、一次成形物と前記二次成形物との界面にて、一次側添加樹脂と二次成形物を構成する熱可塑性樹脂(21、22)とを溶融させて一体化する二次成形工程と、を備えることを特徴とする。
それによれば、一次成形物に含有される一次側添加樹脂は、ガラス転移温度または軟化点が二次成形物の成形温度よりも低く、且つ、熱分解温度が二次成形物の成形温度よりも高いので、二次成形工程では、一次成形物の表面に存在する一次側添加樹脂が溶融して、二次成形物側の溶融した熱可塑性樹脂と混ざり合い、二次成形後には溶け合って一体化した状態となる。そのため、本発明によれば、電子部品の封止に適したトランスファーモールド法、コンプレッションモールド法等の一次成形手法で、両成形物の密着性を強固に確保することができる。
なお、特許請求の範囲およびこの欄で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
本発明の第1実施形態にかかる電子装置の概略断面構成を示す図である。 本発明の実施例1における成形品の概略平面構成を示す図である。 本発明の実施例1における成形品の概略断面構成を示す図である。 本発明の第2実施形態にかかる電子装置としての圧力センサの概略断面構成を示す図である。 第2実施形態におけるモールド樹脂の内部を模式的に示す図である。 図5Aに示されるモールド樹脂にコネクタ樹脂部の材料を配置した状態を模式的に示す図である。 第2実施形態におけるモールド樹脂とコネクタ樹脂部との界面近傍を模式的に示す図である。 添加樹脂としてのフェノキシ樹脂の化学構造式を示す図である。 添加樹脂としての熱可塑性エポキシ樹脂の一部の化学構造式を示す図である。 添加樹脂としての熱可塑性エポキシ樹脂の一部の化学構造式を示す図である。 本発明の第3実施形態にかかるモールド樹脂にコネクタ樹脂部の材料を配置した状態を模式的に示す図である。 第3実施形態におけるモールド樹脂とコネクタ樹脂部との界面近傍を模式的に示す図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各図相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、説明の簡略化を図るべく、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る電子装置について、図1を参照して述べる。本実施形態の電子装置は、大きくは、電子部品30を封止する一次成形物10と、一次成形物10の外側に二次成形された二次成形物20と、を備えて構成されている。
まず、電子部品30は、ICチップやコンデンサ等の受動素子等であり、この電子部品30は、図示しないダイボンド材を介してリードフレーム40に搭載されている。ここで、リードフレーム40は、典型的なCuや42アロイ等よりなる板状のものである。また、電子部品30とリードフレーム40とは、金やアルミ等よりなるボンディングワイヤ50により結線され、電気的に接続されている。
一次成形物10は、主として熱硬化性樹脂よりなり、トランスファーモールド法等により形成されたものである。なお、この一次成形物10を構成する熱硬化性樹脂には、線膨張係数を調整する等の点から、シリカ等よりなるフィラーが混合されていてもよい。
ここでは、電子部品30、リードフレーム40、およびボンディングワイヤ50が、一次成形物10により封止されており、リードフレーム40のうち電子部品30とは反対側の部位が一次成形物10より突出している。
このリードフレーム40における一次成形物10からの突出部には、ターミナルピン60の一端側が溶接等により接続されている。このターミナルピン60は、Cu系金属等よりなる棒状のもので、電子部品30およびリードフレーム40と外部とを電気的に接続するためのものである。
二次成形物20は、主として熱可塑性樹脂よりなり、射出成形等により形成されたものである。この二次成形物20は、一次成形物10の一部に対して一次成形物10の外面と直接接触した状態で、当該一次成形物10の外側を封止するように設けられている。
それとともに、二次成形物20は、リードフレーム40とターミナルピン60との溶接部を封止している。このようにして、二次成形物20とターミナルピン60とは、本電子装置において、外部との電気的接続を行うためのコネクタ部材を構成している。
そして、ターミナルピン60の他端側は、二次成形物20に設けられた開口部21にて露出している。この開口部21は、当該コネクタ部材における差し込み口として構成されている。つまり、この開口部21にて二次成形物20が外部の配線部材に取り付けられるとともに、当該外部の配線部材に対してターミナルピン60が接続されるようになっている。
ここで、一次成形物10は、上記した熱硬化性樹脂と、さらに当該熱硬化性樹脂に含有された第1の添加物とを含むものよりなる。そして、二次成形物20は、上記した熱可塑性樹脂と、さらに当該熱可塑性樹脂に含有され第1の添加物と接合反応が可能な反応基もしくは骨格を有する第2の添加物とを含むものよりなる。
そして、一次成形物10と二次成形物20との界面では、第1の添加物と第2の添加物とが共有結合、イオン結合、水素結合、分子間力(ファンデアワールス力)、分散力、拡散から選ばれる1つ以上の接合作用で接合されている。ここで、共有結合等の相互作用とは、共有結合、イオン結合、水素結合、分子間力(ファンデアワールス力)、分散力、拡散から選ばれる1つ以上の接合作用をいう。この接合は、二次成形物20を形成する二次成形時の成形熱によって生じる。
こうして、本電子装置によれば、一次成形物10を構成する熱硬化性樹脂、二次成形物20を構成する熱可塑性樹脂は、それぞれに含有される第1の添加物と第2の添加物とが共有結合、イオン結合、水素結合、分子間力(ファンデアワールス力)、分散力、拡散から選ばれる1つ以上の接合作用で接合してなるので、電子部品の封止に適したトランスファーモールド法、コンプレッションモールド法等の一次成形手法で、両成形物10、20の密着性を強固に確保することができる。
このような本電子装置の製造方法は、次のとおりである。まず、一次成形物10の原料として、熱硬化性樹脂と、これに含有された第1の添加物とよりなる一次成形材料を用意する(第1の用意工程)。
また、二次成形物20の原料として、熱可塑性樹脂と、これに含有され第1の添加物と接合反応が可能な反応基もしくは骨格を有する第2の添加物とよりなる二次成形材料を用意する(第2の用意工程)。
そして、電子部品30を封止するように一次成形材料を熱硬化させて一次成形物10を形成する(一次成形工程)。本実施形態では、リードフレーム40に電子部品30を搭載し、ワイヤボンディングによりボンディングワイヤ50を形成する。そして、このものを、図示しない一次成形用の金型に投入し、トランスファーモールド法等により一次成形物10を成形する。
次に、このリードフレーム40における一次成形物10からの突出部と、ターミナルピン60の一端側とを、溶接等により接続する。そして、このものを、二次成形用の図示しない金型に投入する。
そして、二次成形工程では、一次成形物10の外面に二次成形材料を直接接触させるように、一次成形物10の外側に二次成形材料を配置することにより、二次成形物20を形成する。それとともに、この二次成形物20の成形熱によって、一次成形物10と二次成形物20との界面にて、第1の添加物と第2の添加物とが共有結合、イオン結合、水素結合、分子間力(ファンデアワールス力)、分散力、拡散から選ばれる1つ以上の接合作用で接合する。
こうして、二次成形物20が形成されてコネクタ部材ができあがり、本実施形態の電子装置が完成する。なお、上記した図示しない金型としては、最終的な各成形物10、20の外形に対応したキャビティを有するものを使用することは言うまでもない。
なお、本電子装置においては、電子部品30をいったん熱硬化性樹脂よりなる一次成形物10で封止した後、さらに、熱可塑性樹脂よりなる二次成形物20で封止している。もし、リードフレーム40に搭載されボンディングワイヤ50で接続された電子部品30を、いきなり熱可塑性樹脂で封止すると、高粘度の熱可塑性樹脂によってワイヤ50の流れが発生する等、部品へのダメージが生じやすい。
そのようなことを回避するため、上記部品へのダメージを防止するべく、電子部品30は、まず熱硬化性樹脂よりなる一次成形物10で封止し、その後、その外側を熱可塑性樹脂よりなる二次成形物20で封止するのである。
さらに、一次成形物10を構成する熱硬化性樹脂は、主剤と硬化剤とを反応させてなるものであるから、本実施形態の一次成形物10においては、これら主剤と硬化剤とを当量比(10:10)からずらして混合したものとすることが望ましい。
そうすると、一次成形物10においては、これら主剤および硬化剤のうちの余剰物が、第1の添加物とされる。そして、二次成形物20における第2の添加物は、当該余剰物としての第1の添加物と接合反応が可能な反応基もしくは骨格を有するものであればよい。
この場合、主剤と硬化剤とが化学反応してなる熱硬化性樹脂における当該主剤または硬化剤を余剰物として、これを第1の添加物とすれば、当該主剤および硬化剤以外の別材料を第1の添加物として用意することなく、簡単な構成とすることができる。
たとえば、一次成形物10を構成する熱硬化性樹脂の主剤および硬化剤のうちの主剤が、余剰物としての第1の添加物とされた場合、二次成形物20における第2の添加物としては、当該主剤と反応するものであれば、一次成形物10の主剤と同じ主剤や硬化剤でもよく、さらには、一次成形物10の主剤および硬化剤とは異種の樹脂であってもよい。
また、たとえば、一次成形物10を構成する熱硬化性樹脂の主剤および硬化剤のうちの硬化剤が、余剰物としての第1の添加物とされた場合、第2の添加物としては、当該硬化剤と反応するものであれば、一次成形物10の主剤と同じ主剤でもよく、さらには、一次成形物10の主剤とは異種の樹脂であってもよい。
具体的に、一次成形物10を構成する熱硬化性樹脂の主剤としては、耐湿性、耐薬品性、寸法安定性、電気、機械および熱特性に優れたエポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられる。この中でも、汎用性や封止性等を考慮すると、エポキシ樹脂が好ましい。
また、一次成形物10を構成する熱硬化性樹脂の硬化剤としては、アミノ基(NH基)や水酸基(OH基)を有する通常の化合物が挙げられる。これらの主剤や硬化剤を上記した余剰物として、第1の添加物、第2の添加物として用いてもよい。
また、二次成形物20を構成する熱可塑性樹脂としては、耐湿性、耐薬品性、寸法安定性、電気、機械および熱特性に優れたPPS(ポリフェニレンスルフィド)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PES(ポリエーテルスルフォン)、PC(ポリカーボネート)、フェノキシ樹脂等が挙げられる。
なお、第1の添加物と第2の添加物とは、二次成形物20の成形熱によって互いに化学反応するものであり、当該両添加物の化学反応性を考慮すれば、化学分野の当業者ならば、容易に選択できるものであるから、上記以外にも種々の組み合わせが可能であることはもちろんである。
次に、本第1実施形態について、以下の各実施例に基づいて、より具体的に述べることとする。
(実施例1)
本例では、図2、図3に示されるように、ともに細長板状である一次成形物10としての板片P1と二次成形物20としての板片P2とが、一部にて重なって密着している成形品P1、P2を作製し、剥離試験を行うことで、当該密着部P3の接合強度を確認したものである。
なお、図2および図3においては、板片P1、P2の各部、および、密着部P3の寸法の一例(単位:mm)を、図中に示してある。これら一寸法例を述べておくと、板片P1については長さ49mm、幅12.0mm、厚さ1.5mmであり、板片P2については長さ50mm、幅12.0mm、厚さ3.0mmであり、密着部P3の長さは12mmである。
[一次成形材料の調製] 主剤であるビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量188)とPPS骨格を有するアミン硬化剤(以下、PPS骨格アミンという)とを、当量比が10:10であるのに対し、10:7で混合し、更に平均粒子径10ミクロンの球状シリカを、一次成形材料全体を100wt%としたときシリカ比率が75wt%になるよう混合した。これを、100℃のオープンロールで5分練り、一次成形材料としての熱硬化性組成物を得た。ここで、余剰物であるビスフェノールA型エポキシ樹脂が第1の添加物に相当する。
なお、本例におけるPPS骨格アミンの作成方法は、次の通りである。NN−ジメチルアセトアミドを反応溶媒として、ジチオジフェニレンスルフィドおよび、p−クロロニトロベンゼンを当量比でSH基:Cl基=1:1.1の割合で仕込む。60℃まで昇温の後、炭酸カリウムを当量比でSH:炭酸カリウム=1:1.1の割合で添加した後、120℃で5時間反応させる。反応溶液をイオン交換水に投入して再沈殿を行い、ろ過により固形物を得る。さらに固形物を熱エタノールで洗浄後、乾燥させて両末端にニトロ基を有するフェニレンスルフィドオリゴマーを得た。
次にイソプロピルアルコールを反応溶媒として、ニトロ基を有するフェニレンスルフィドオリゴマーおよびパラジウムカーボン(重量比 ニトロ基を有するフェニレンスルフィドオリゴマー:パラジウムカーボン=1:0.05)を仕込む。70℃に昇温後、水加ヒドラジン(当量比 ニトロ基:水加ヒドラジン=1:4)を1時間かけて添加する。さらに80℃で5時間反応させると末端のニトロ基がアミノ基に還元される。パラジウムカーボンを熱時ろ過により除去した後、冷却することで固形物が析出する。固形物をろ過で取り出した後、乾燥させることで両末端にアミノ基を有するフェニレンスルフィドオリゴマーを得た。この両末端にアミノ基を有するフェニレンスルフィドオリゴマーがPPS骨格アミンである。
[二次成形材料の調製] DIC製PPS Z230(商品名)に対し、新日鐵住金化学製フェノキシ樹脂 YP50(商品名)を、二軸混錬機を用いて290℃、200rpmの条件で5wt%配合し、二次成形材料として熱可塑性組成物を得た。ここで、フェノキシ樹脂が第2の添加物に相当する。
[一次成形] 上記硬化性組成物をトランスファ成形により、図4、図5に示される板片P1の形状に成形した後、これをキュア工程にて180℃で3時間、硬化し、目的とする板片P1を得た。
[二次成形] 上記二次成形材料を用い、板片P1に対して、成形温度:320℃、金型温度:130℃、充填時間:0.5sec(30mm/sec)、射出/冷却:15sec/15sec、保圧:50MPaの条件で二次成形を行った。これにより、本実施例1における板片P1に接合された状態の板片P2を作製した。
[接合強度の確認] 比較例として、図2、図3に示される成形品P1、P2と同じものを、一次成形材料としてビスフェノールA型エポキシ樹脂とPPS骨格アミンとを当量比(=10:10)で混合したものを用いて、作製した。この場合、第1の添加物であるビスフェノールA型エポキシ樹脂と、第2の添加物であるフェノキシ樹脂とが反応するものとなる。
そして、密着部P3の接合強度について、両板片P1、P2の長手方向つまり図2、図3の左右方向への引張り強度により確認したところ、上記比較例のものは、わずかな力で密着部P3に剥離が生じたのに対し、本実施例の成形品では、当該剥離は発生せず、代わりに、板片P1の破壊が生じた。このように、本実施例1では、大幅な強度の向上が確認された。
(実施例2)
一次成形材料として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とPPS骨格アミンとを、当量比が10:10であるのに対し、7:10で混合したものを用いたこと以外は、上記実施例1と同様の手順で成形品P1、P2を作製した。この場合、第1の添加物は余剰物であるPPS骨格アミンであり、これに対して二次成形材料の第2の添加物であるフェノキシ樹脂が反応する。そして、本実施例2によっても、実施例1と同様、大幅な強度向上が確認された。
(実施例3)
上記実施例1、2において、PPS骨格アミンの代わりに、DIC製フェノール系硬化剤(OH当量104) TD2131を用い、更に触媒としてトリフェニルホスフィンを0.2phr加えて板片P1を作製したこと以外は、上記実施例1、2と同様にして成形品P1、P2を作製した。本実施例3によっても、実施例1と同様、大幅な強度向上が確認された。
なお、上記実施例1〜3では、一次成形物10の熱硬化性樹脂として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を用いたが、その代わりに、汎用多官能系エポキシ樹脂を用いてもよく、この場合も強度向上が期待できる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について述べる。本実施形態は電子装置として、車両に搭載される圧力センサS1への適用例を示すものである。この圧力センサS1は、エンジンに吸入される空気の圧力(吸気圧)や、エンジンに供給される燃料の圧力等を検出する。まず、図4を参照して本圧力センサS1について述べる。
図4に示されるように、圧力センサS1は、モールドIC100と、コネクタケース200と、ハウジング300とを備えている。モールドIC100は、電子部品としてのセンサチップ30と、リードフレーム40と、モールド樹脂10とを備え、センサチップ30がモールド樹脂10に一体化されたものである。
センサチップ30は、ダイアフラム等で構成された圧力を検出するもので、当該検出を行う一端側の部位をモールド樹脂10から突出させ、他端側の部位をモールド樹脂10で封止されたものである。
リードフレーム40は、モールド樹脂10の内部にて、図示しないボンディングワイヤ等を介してセンサチップ30と電気的に接続されている。そして、リードフレーム40の一端側部分がモールド樹脂10から露出している。
このモールド樹脂10は、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂で成形された一次成形物であり、トランスファーモールド法やコンプレッションモールド法等の一次成形手法で形成されている。このモールド樹脂10の詳細については、後述する。
そして、モールド樹脂10は、リードフレーム40の大部分を被覆して封止している。また、図示しないが、モールド樹脂10には、電子部品としての信号処理回路用IC等が内蔵されている。
コネクタケース200は、コネクタ樹脂部20をベースとして構成されている。このコネクタ樹脂部20は、二次成形物に相当するもので、PPS(ポリフェニレンサルファイド)やPBT(ポリブチレンテレフタレート)等の熱可塑性樹脂を主成分として含む樹脂よりなる。
そして、コネクタケース20は、コネクタ樹脂部20と、このコネクタ樹脂部20に封止されたターミナルピン60とを備えて構成されている。ターミナルピン60の一端側はモールド樹脂10から露出するリードフレーム40の一端側部分と電気的に接続されている。
そして、このターミナルピン60とリードフレーム40との接続部およびモールド樹脂10の外側は、コネクタ樹脂部20で封止されている。ここで、モールド樹脂10におけるコネクタ樹脂部20による封止部位は、コネクタ樹脂部20と直接接触した状態とされている。また、モールド樹脂10におけるセンサチップ30側は、コネクタ樹脂部20より露出している。
また、ターミナルピン60の他端側は、コネクタ樹脂部20より露出している。この露出するターミナルピン60の他端側は、外部と電気的に接続されるようになっている。
これらモールドIC100およびコネクタケース200は、トランスファーモールド法やコンプレッションモールド法等の型成形法により形成される。詳細は後述するが、具体的には、金型を用いてモールド樹脂10を熱硬化により一次成形した後、金型を用いてモールド樹脂10の外側にコネクタ樹脂部20を熱成形により二次成形する方法が採用される。
ハウジング300は、コネクタケース200に連結された金属製のケースである。ハウジング300は、センサチップ30に圧力媒体を導く圧力導入通路301と、コネクタケース200の一部を収容する収容部302とを有している。圧力導入通路301は、ハウジング300の中空部として構成されたものである。収容部302は、圧力導入通路301と反対側の部位に開口部として構成されたものである。
ハウジング300は、コネクタケース200のモールドIC100側の部分を収容部302に収容した状態で、ハウジング300の一部303が、かしめられることによって、コネクタケース200と連結されている。ハウジング300とコネクタケース200との間には、Oリング304が介在しており、このOリング304によってハウジング300とコネクタケース200との間がシールされている。
本実施形態の圧力センサS1は、さらに、モールド樹脂10とコネクタ樹脂部20とについて、次のような構成を採用している。
図5A、図5Cに示されるように、一次成形物であるモールド樹脂10は、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂11と、この熱硬化性樹脂11中に分散して混合された一次側添加樹脂12とを含むものより構成されている。ここで、熱硬化性樹脂11には、必要に応じて、線膨張係数を調整する等の目的で無機フィラー等が混合されている。
一次側添加樹脂11は、熱可塑性樹脂であり、そのガラス転移温度または軟化点が二次成形物であるコネクタ樹脂部20の成形温度よりも低く、且つ、熱分解温度がコネクタ樹脂部20の成形温度よりも高いものである。たとえば、コネクタ樹脂部20がPPSよりなる場合には、その成形温度は、300〜340℃程度である。
そのような一次側添加樹脂11を構成する熱可塑性樹脂としては、フェノキシ樹脂や熱可塑性エポキシ樹脂等が挙げられる。フェノキシ樹脂は図6Aに示される化学構造を有するものであり、軟化点は65〜160℃程度、熱分解温度は350℃程度である。
また、熱可塑性エポキシ樹脂は、典型的には図6Bに示される成分と図6Cに示される成分とを混合した樹脂である。ここで、図6B、図6C中のR1〜R4は、水素もしくはアルキル基である。この熱可塑性エポキシ樹脂については、軟化点は80〜150℃程度、顕著な熱分解温度は350℃程度である。
モールド樹脂10において、熱硬化性樹脂10と一次側添加樹脂11とは、粉末状態で混練されたり、溶液状態で混合されたりすることにより、上記分散、混合状態とされている。ここで、熱硬化性樹脂10と一次側添加樹脂11との混合比は、重量比で99:1〜1:99であり、特に80:20より一次添加樹脂11が多い配合比では、硬化物の相構造において海島構造の海と島にあたる成分が入れ替わり、海(マトリックス成分)が1次側添加樹脂11となる為、溶着に優位な状態となり好ましい。
そして、図5Cに示されるように、モールド樹脂10とコネクタ樹脂部20との界面では、一次側添加樹脂11とコネクタ樹脂部20を構成する熱可塑性樹脂21とが溶け合って一体化されている。ここで、フェノキシ樹脂や熱可塑性エポキシ樹脂等よりなる一次側添加樹脂11は、PPSやPBT等よりなるコネクタ樹脂部20の熱可塑性樹脂21と相溶性を有するので、成形熱により溶融して当該界面にて熱可塑性樹脂21と一体化されている。
次に、本圧力センサS1の製造方法を述べる。まず、一次成形物であるモールド樹脂10の原料として、熱硬化性樹脂11と、これに分散された一次側添加樹脂12とを含む一次成形材料を用意する(第1の用意工程)。この一次成形材料は、上記した粉末の混練や溶液の混合等により用意される。一方で、二次成形物の原料として熱可塑性樹脂を含む二次成形材料20a(図5B参照)を用意する(第2の用意工程)。
そして、電子部品であるセンサチップ30を封止するように一次成形材料を熱硬化させて一次成形物としてのモールド樹脂10を形成する(一次成形工程)。具体的には、リードフレーム40に電子部品30を搭載し、このものを、図示しない一次成形用の金型に投入し、トランスファーモールド法等によりモールド樹脂10を成形する。こうして図5Aに示されるモールド樹脂10ができあがる。
次に、このリードフレーム40とターミナルピン60とを溶接等により接続したワークを形成し、続いて、図5B、図5Cに示されるように二次成形工程を行う。この二次成形工程では、当該ワークを二次成形用の図示しない金型に投入する。
そして、二次成形工程では、モールド樹脂10およびその他、被覆すべきターミナルピン60等の外側に二次成形材料20aを配置し、これを加熱して成形することにより、二次成形物としてのコネクタ樹脂部20を形成する。
また、この二次成形工程では、成形熱によって、モールド樹脂10中の一次側添加樹脂11、および、コネクタ樹脂部20を構成する熱可塑性樹脂21が溶融する。そのため、図5Cに示されるように、モールド樹脂10とコネクタ樹脂部20との界面において、一次側添加樹脂12とコネクタ樹脂部20を構成する熱可塑性樹脂21とが、液状態にて一体化する。
こうして二次成形工程により、コネクタ樹脂部20が形成されるとともに、モールド樹脂10とコネクタ樹脂部20とが当該両者10、20の界面にて接合される。これにより、本実施形態の圧力センサS1が完成する。
ところで、本実施形態によれば、モールド樹脂10に含有される一次側添加樹脂12は、ガラス転移温度または軟化点がコネクタ樹脂部20の成形温度よりも低く、且つ、熱分解温度がコネクタ樹脂部20の成形温度よりも高いものとしている。
そのため、上記二次成形工程の際には、モールド樹脂10の表面に存在する一次側添加樹脂12が溶融して、コネクタ樹脂部20側の溶融した熱可塑性樹脂21と混ざり合い、当該二次成形後には溶け合って一体化した状態となる。さらに言えば、一次側添加樹脂12は、互いに液体状態にてコネクタ樹脂部20を構成する熱可塑性樹脂21に対して混ざり合うもの、いわゆる相溶性を有するものとされている。
そして、このモールド樹脂10とコネクタ樹脂部20との界面における両樹脂12、21の溶融、一体化により当該界面における接合がなされる。そのため、部品ダメージが無く電子部品の封止に適したトランスファーモールド法、コンプレッションモールド法等の一次成形手法により、両成形物10、20の密着性を強固に確保することができる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態にかかる電子装置の要部について図7A、図7Bを参照して述べる。本実施形態は、上記第2実施形態において二次成形物であるコネクタ樹脂部20を一部変更したところが相違するものであり、この相違点を中心に述べる。
本実施形態においても、上記第2実施形態と同様、コネクタ樹脂部20は熱可塑性樹脂を主成分として含むものである。しかし、本実施形態では、このコネクタ樹脂部20を構成する熱可塑性樹脂を、ベースとなる熱可塑性樹脂よりなるベース樹脂21と、このベース樹脂21中に分散して混合された熱可塑性樹脂よりなる二次側添加樹脂22とを含むものとして構成している点が上記第2実施形態と相違する。
ここで、ベース樹脂21は、上記第2実施形態と同様、PPSやPBT等の熱可塑性樹脂である。また、二次側添加樹脂22は、一次側添加樹脂12と同一の熱可塑性樹脂よりなるものであり、たとえば上記フェノキシ樹脂や熱可塑性エポキシ樹脂等よりなるものである。
そして、図7Bに示されるように、一次成形物であるモールド樹脂10と二次成形物であるコネクタ樹脂部20との界面では、同一樹脂である一次側添加樹脂12と二次側添加樹脂22とが溶け合って一体化されている。
このような本実施形態の圧力センサは、上記第2実施形態に示した製造方法に準じて製造される。ここで、本実施形態では、第2の用意工程にて、二次成形物の原料である熱可塑性樹脂を含む二次成形材料20aとして、ベース樹脂21と、このベース樹脂21中に分散して混合された二次側添加樹脂22とを含むもの(図7A参照)を用意する。この二次成形材料は、粉末の混練や溶液の混合等により用意される。
そして、本実施形態の製造方法においても、上記同様の一次成形工程を行ってモールド樹脂10を成形した後、上記同様に、二次成形工程を行う。この二次成形工程では、まず、図7Aに示されるように、モールド樹脂10およびその他、被覆すべきターミナルピン60等の外側に二次成形材料20aを配置する。そして、二次成形材料20aを加熱、溶融して成形することにより、コネクタ樹脂部20を形成する。
このとき二次成形工程では、ベース樹脂21を溶融させて所望形状のコネクタ樹脂部20を形成するが、この成形熱によって、モールド樹脂10中の一次側添加樹脂11、および、コネクタ樹脂部20を構成する熱可塑性樹脂21が溶融する。
そのため、図7Bに示されるように、モールド樹脂10とコネクタ樹脂部20との界面において、同一の熱可塑性樹脂よりなる一次側添加樹脂12と二次側添加樹脂22とが、液状態にて一体化する。
なお、このとき、当該界面において、一次側添加樹脂12とコネクタ樹脂部20のベース樹脂21とも、液状態にて一体化する。しかし、同一樹脂である一次側添加樹脂12と二次側添加樹脂22との方が、相溶性に優れるため、一次側添加樹脂12と二次側添加樹脂22との一体化の方が優先的に行われる。
こうして本実施形態においても、二次成形工程により、コネクタ樹脂部20が形成されるとともに、モールド樹脂10とコネクタ樹脂部20とが当該両者10、20の界面にて接合される。これにより、本実施形態の圧力センサが完成する。
ところで、本実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の効果を奏する。さらに、二次成形物であるコネクタ樹脂部20に、一次側添加樹脂12と同一の熱可塑性樹脂よりなる二次側添加樹脂22を含有させることで、両成形物10、20の界面にて両添加樹脂12、22同士が溶融して一体化しやすくなる。
(他の実施形態)
なお、上記図1に示される電子装置における一次成形物10および二次成形物20について、上記第2実施形態や上記第3実施形態における構成や製造方法を採用してもよい。また、上記図4に示される電子装置としての圧力センサS1において一次成形物としてのモールド樹脂10および二次成形物としてのコネクタ樹脂部20について、上記第1実施形態における構成や製造方法を採用してもよい。
また、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記実施形態は、上記の図示例に限定されるものではない。また、上記実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。
10 一次成形物
11 一次成形物としてのモールド樹脂の熱硬化性樹脂
12 一次側添加樹脂
20 二次成形物
21 二次成形物としてのコネクタ樹脂部の熱可塑性樹脂(ベース樹脂)
22 二次側添加樹脂
30 電子部品

Claims (6)

  1. 電子部品(30)を封止する一次成形物(10)と、
    前記一次成形物の外側に二次成形された二次成形物(20)と、を備え、
    前記一次成形物は、熱硬化性樹脂と、これに含有された第1の添加物とを含むものよりなり、
    前記二次成形物は、熱可塑性樹脂と、これに含有され前記第1の添加物と接合反応が可能な反応基もしくは骨格を有する第2の添加物とを含むものよりなり、
    前記一次成形物と前記二次成形物との界面では、前記第1の添加物と前記第2の添加物とが共有結合、イオン結合、水素結合、分子間力、分散力、拡散から選ばれる1つ以上の接合作用で接合してなることを特徴とする電子装置。
  2. 前記一次成形物は、前記熱硬化性樹脂における主剤と硬化剤とを当量比からずらして混合したものであって、これら主剤および硬化剤のうちの余剰物が、前記第1の添加物とされており、
    前記第2の添加物は、前記余剰物としての前記第1の添加物と接合反応が可能な反応基もしくは骨格を有するものであることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
  3. 電子部品(30)を封止する一次成形物(10)と、
    前記一次成形物の外側に二次成形された二次成形物(20)と、を備える電子装置の製造方法であって、
    前記一次成形物の原料として、熱硬化性樹脂と、これに含有された第1の添加物とを含むものよりなる一次成形材料を用意する第1の用意工程と、
    前記二次成形物の原料として、熱可塑性樹脂と、これに含有され前記第1の添加物と接合反応が可能な反応基もしくは骨格を有する第2の添加物とを含むものよりなる二次成形材料を用意する第2の用意工程と、
    前記電子部品を封止するように前記一次成形材料を熱硬化させて前記一次成形物を形成する一次成形工程と、
    前記一次成形物の外側に前記二次成形材料を配置することにより、前記二次成形物を形成するとともに、この二次成形物の成形熱によって、前記一次成形物と前記二次成形物との界面にて、前記第1の添加物と前記第2の添加物とを共有結合、イオン結合、水素結合、分子間力、分散力、拡散から選ばれる1つ以上の接合作用で接合する二次成形工程と、を備えることを特徴とする電子装置の製造方法。
  4. 電子部品(30)を封止するよりなる一次成形物(10)と、
    前記一次成形物の外側に二次成形された熱可塑性樹脂を含む二次成形物(20)と、を備え、
    前記一次成形物は、前記熱硬化性樹脂(11)と、この熱硬化性樹脂中に分散され熱可塑性樹脂よりなる一次側添加樹脂(12)とを含むものより構成されており、
    前記一次側添加樹脂は、ガラス転移温度または軟化点が前記二次成形物の成形温度よりも低く、且つ、熱分解温度が前記二次成形物の成形温度よりも高いものであり、
    前記一次成形物と前記二次成形物との界面では、前記一次側添加樹脂と前記二次成形物を構成する熱可塑性樹脂(21、22)とが溶け合って一体化されていることを特徴とする電子装置。
  5. 前記二次成形物は、ベースとなる熱可塑性樹脂よりなるベース樹脂(21)と、このベース樹脂中に分散され前記一次側添加樹脂と同一の熱可塑性樹脂よりなる二次側添加樹脂(22)とを含むものより構成されており、
    前記一次成形物と前記二次成形物との界面では、前記一次側添加樹脂と前記二次側添加樹脂とが溶け合って一体化されていることを特徴とする請求項4に記載の電子装置。
  6. 電子部品(30)を封止する一次成形物(10)と、
    前記一次成形物の外側に二次成形された熱可塑性樹脂を含む二次成形物(20)と、を備える電子装置の製造方法であって、
    前記一次成形物の原料として、熱硬化性樹脂と、この熱硬化性樹脂中に分散され熱可塑性樹脂よりなる一次側添加樹脂(12)とを含むものであって、当該一次側添加樹脂はガラス転移温度または軟化点が前記二次成形物の成形温度よりも低く、且つ、熱分解温度が前記二次成形物の成形温度よりも高いものである一次成形材料を用意する第1の用意工程と、
    前記二次成形物の原料として、熱可塑性樹脂を含む二次成形材料を用意する第2の用意工程と、
    前記電子部品を封止するように前記一次成形材料を熱硬化させて前記一次成形物を形成する一次成形工程と、
    前記一次成形物の外側に前記二次成形材料を配置することにより、前記二次成形物を形成するとともに、この二次成形物の成形熱によって、前記一次成形物と前記二次成形物との界面にて、前記一次側添加樹脂と前記二次成形物を構成する熱可塑性樹脂(21、22)とを溶融させて一体化する二次成形工程と、を備えることを特徴とする電子装置の製造方法。
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