JP2016119231A - 有機エレクトロルミネッセンス装置及び照明装置 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス装置及び照明装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 有機層への水分の侵入を効果的に防止して、発光寿命の長い有機エレクトロルミネッセンス装置を提供する。
【解決手段】 本発明の有機エレクトロルミネッセンス装置1は、支持基板2と、第1吸湿層41と、有機層33を有する有機エレクトロルミネッセンス素子3と、第2吸湿層42と、防湿層5と、をこの順で有し、平面透視において、前記防湿層5が、前記第1吸湿層41の端部41e及び第2吸湿層42の端部42eを越えて設けられている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス装置などに関する。
以下、有機エレクトロルミネッセンスを「有機EL」と記す。
従来、支持基板と、前記支持基板上に設けられた有機EL素子と、を有する有機EL装置が知られている。前記有機EL素子は、第1電極と、第2電極と、前記両電極の間に設けられた有機層と、を有する。
前記有機EL素子は、水分によって劣化し易い。有機EL素子の水分劣化を防止するため、例えば、特許文献1には、支持基板に設けられ且つ有機層を含む有機EL素子と、有機EL素子上に設けられた吸湿膜と、吸湿膜上に設けられたガスバリア膜と、を有する有機EL装置が開示されている。
かかる有機EL装置は、吸湿膜が有機EL素子の表面及び側面に被さり、さらに、ガスバリア膜が前記吸湿膜の表面及び側面に被さっているので、水分を遮断し易い旨が特許文献1に述べられている。
しかしながら、前記構造の有機EL装置は、支持基板を透過した水分或いは支持基板とガスバリア膜との界面を通過した水分が有機層に侵入することを十分に防止できない。かかる有機EL装置は、有機層への水蒸気の侵入を十分に防止できないため、発光寿命が比較的短いという問題点を有している。
特開2011−020335号公報
本発明の目的は、有機層への水分の侵入を効果的に防止して、発光寿命の長い有機EL装置及び照明装置を提供することである。
本発明の有機EL装置は、支持基板と、第1吸湿層と、有機層を有する有機EL素子と、第2吸湿層と、防湿層と、をこの順で有し、平面透視において、前記防湿層が、前記第1吸湿層の端部及び第2吸湿層の端部を越えて設けられている。
本発明の好ましい有機EL装置は、前記第1吸湿層が、平面透視において、前記有機層の端部を越えて設けられている。
本発明の好ましい有機EL装置は、前記第2吸湿層が、平面透視において、前記有機層の端部を越えて設けられている。
本発明の好ましい有機EL装置は、前記第2吸湿層が、前記有機層の表面側及び端面側に被さり、前記防湿層が、前記第2吸湿層の表面側及び端面側に被さっている。
本発明の好ましい有機EL装置は、前記有機エレクトロルミネッセンス素子が、端子を部分的に有し、前記端子を有さない箇所において、前記第1吸湿層と第2吸湿層が直接的に密着されている。
本発明の好ましい有機EL装置は、前記第1吸湿層及び第2吸湿層が、それぞれ独立して、ホウ素化合物又は硫化化合物を含む。
本発明の別の局面によれば、照明装置を提供する。
本発明の照明装置は、前記いずれかの有機EL装置を有する。
本発明の有機EL装置は、防湿層によって内部に水分が侵入することを防止でき、さらに、僅かに侵入した水分も第1及び第2吸湿層に吸収されるので、水分が有機層に侵入することを効果的に防止できる。かかる有機EL装置は、有機EL素子が水分劣化し難く、比較的長期間安定的に発光し得る。
本発明の第1実施形態に係る有機EL装置の平面図。 図1のII−II線で切断し且つ中央部を省略した拡大断面図。 図1のIII−III線で切断した拡大断面図。 第2実施形態に係る有機EL装置の平面図。 図4のV−V線で切断し且つ中央部を省略した拡大断面図。 図4のVI−VI線で切断した拡大断面図。 図4のVII−VII線で切断した拡大断面図。 同有機EL装置を平面透視したときの、第1吸湿層、第1電極、有機層、第2電極、第2吸湿層及び防湿層のそれぞれの端部を表す模式図。 第3実施形態に係る有機EL装置の平面図。 図9のX−X線で切断した拡大断面図。 図9のXI−XI線で切断した拡大断面図。 同有機EL装置を平面透視したときの、第1吸湿層、第1電極、有機層、第2電極、第2吸湿層及び防湿層のそれぞれの端部を表す模式図。 第5実施形態の有機EL装置を、端子を有しない箇所で切断した拡大断面図。 第6実施形態の有機EL装置を、端子を有しない箇所で切断した拡大断面図。 有機EL装置が連続的に繋がった長尺物の平面図。 実施例1及び比較例1で作製した有機EL装置のそれぞれを、端子を有しない箇所で切断した参考拡大断面図。 比較例2及び比較例3で作製した有機EL装置のそれぞれを、端子を有しない箇所で切断した参考拡大断面図。
以下、本発明について、図面を参照しつつ説明する。ただし、各図に表された厚み及び長さなどの寸法は、実際のものとは異なっていることに留意されたい。
本明細書において、表面は、板状の有機EL装置又は各層の一方の面を指し、裏面は、表面とは反対側の面を指す。端面は、有機EL装置又は各層の厚み方向に延在する面を指す。各層は、有機EL装置を構成する部材(支持基板、第1吸湿層、有機EL素子、第2吸湿層、防湿層など)の総称である。本明細書において、用語の頭に、「第1」、「第2」を付す場合があるが、この第1などは、用語を区別するためだけに付加されたものであり、その順序や優劣などの特別な意味を持たない。本明細書において、「PPP〜QQQ」という表記は、「PPP以上QQQ以下」を意味する。
[第1実施形態の有機EL装置の構成]
図1は、第1実施形態の有機EL装置を表面側から見た平面図である。有機EL装置がトップエミッション型である場合には、その表面は、光が出射する面を指し、有機EL装置がボトムエミッション型である場合には、その表面は、光が出射する面とは反対側の面を指す。なお、本発明の有機EL装置は、トップエミッション型、ボトムエミッション型、又は、両面発光型の何れでもよい。
図2は、図1の有機EL装置を、端子を有さない箇所にて第1方向と平行な線で切断した断面を拡大した図であり、図3は、図1の有機EL装置を、端子を有する箇所にて第2方向と平行な線で切断した断面を拡大した図である。なお、図2において、断面構造に変化がない中間部を省略している。
図1乃至図3において、有機EL装置1は、支持基板2と、第1吸湿層41と、有機層33を有する有機EL素子3と、第2吸湿層42と、防湿層5と、をこの順で有する。前記防湿層5は、平面透視において、前記第1吸湿層41及び第2吸湿層42の端部41e,42eをそれぞれ越えて設けられている。有機EL装置1は、湾曲させることができないほどの剛性を有するものでもよいが、好ましくは、湾曲させることができるフレキシブル性を有する。有機EL素子3は、部分的に外部に露出した端子31a,32aを有する。なお、図1において、外部に露出した端子31a,32aを判り易く図示するため、便宜上、その部分に無数のドットを付加している。
前記支持基板2、第1吸湿層41、有機層33を有する有機EL素子3、第2吸湿層42及び防湿層5は、この順で積層されている。厚み方向にこの順で並んでいることを条件として、前記支持基板などの各層2,41,3,33,42,5は、それぞれ直接的に密着した状態で積層されていてもよく、或いは、各層間又は前記各層から任意に選ばれる2層間に任意の機能層が介在した状態で積層されていてもよい。
また、本明細書において、平面透視とは、概念上、有機EL装置の表面に対して視線を垂直にして、その視線の方向にある対象部材を透視することをいう。
図1に示すように、平面透視において、前記第1吸湿層41及び第2吸湿層42は、それらの端部41e,42eが厚み方向において一致している。詳しくは、前記第1吸湿層41及び第2吸湿層42は、平面透視において、同じ面積の所望形状(図示例では、平面視略矩形状)に形成されている。すなわち、前記第1吸湿層41及び第2吸湿層42は、同形同大で且つ厚み方向に重なっている。従って、平面透視したときに、前記第1吸湿層41の端部41eと第2吸湿層42の端部42eは一致している。
前記第1吸湿層41及び第2吸湿層42は、平面透視において、前記有機層33の端部33eを越えて設けられている。詳しくは、前記第1吸湿層41及び第2吸湿層42は、それぞれ有機層33よりも面積が大きい。なお、前記有機層33の形状は、特に限定されず、所望形状に形成でき、図示例では、平面視略矩形状に形成されている。前記第1吸湿層41の端部41eは、平面透視において、有機層33の端部33eよりも外側に位置しており、前記第2吸湿層42の端部42eは、平面透視において、有機層33の端部33eよりも外側に位置している。換言すると、有機層33は、第1吸湿層41及び第2吸湿層42の内側に形成されている。従って、平面透視において、第1吸湿層41は、有機層33の裏面側の全体を覆うように積層され、且つ、第2吸湿層42は、有機層33の表面側の全体を覆うように積層されている。
前記防湿層5は、平面透視において、前記第1吸湿層41の端部41e及び第2吸湿層42の端部42eを越えて設けられている。詳しくは、前記防湿層5は、第1吸湿層41及び第2吸湿層42よりも面積が大きい。なお、前記防湿層5の形状は、特に限定されず、所望形状に形成でき、図示例では、平面視矩形状に形成されている。前記防湿層5の端部5eは、平面透視において、第1吸湿層41の端部41eよりも外側に位置し且つ第2吸湿層42の端部42eよりも外側に位置している。換言すると、第1吸湿層41及び第2吸湿層42は、防湿層5の内側に形成されている。従って、平面透視において、防湿層5は、第1吸湿層41及び第2吸湿層42の表面側の全体を覆うように積層されている。
なお、本明細書において、第1吸湿層41の端部41eは、平面透視において、第1吸湿層41の輪郭線を意味し、第2吸湿層42、有機層33及び防湿層5などの端部も同様に、平面透視において、それらの輪郭線を意味する。
図2及び図3において、有機EL装置1は、支持基板2と、支持基板2上に設けられた第1吸湿層41と、前記第1吸湿層41上に設けられた有機EL素子3と、前記有機EL素子3の上に設けられた第2吸湿層42と、前記第2吸湿層42の上に設けられた防湿層5と、が積層された構造からなる。
前記第1吸湿層41は、支持基板2の面内に設けられている。支持基板2は、第1吸湿層41よりも十分に大きく、従って、支持基板2の端部2eは、第1吸湿層41の端部41eよりも外側に延在している。
前記有機EL素子3は、端子31aを有する第1電極31と、端子32aを有する第2電極32と、前記両電極31,32の間に設けられた有機層33と、を有する。端子31aは、陽極又は陰極の端子であり、端子32aは、その反対極の端子である。例えば、端子31aは、陽極(+)であり、端子32aは、陰極(−)である。
第1電極31は、端子31aを除いて、第1吸湿層41の表面に直接的に密着した状態で積層されている。第1電極31の端子31aは、支持基板2の表面に直接的に密着した状態で積層されている。有機層33は、その第1電極31の表面に直接的に密着した状態で積層されている。第2電極32は、端子32aを除いて、有機層33の表面に直接的に密着した状態で積層されている。第2電極32の端子32aは、支持基板2の表面に直接的に密着した状態で積層されている。第2吸湿層42は、端子32aを除く第2電極32の表面に直接的に密着した状態で積層されている。上述のように、第1吸湿層41及び第2吸湿層42は、それぞれ有機層33の端部33eを越えて設けられている。それ故、第1吸湿層41の端部41e及び第2吸湿層42の端部42eは、それぞれ有機層33の端部33eを越えて延在している。そして、第2吸湿層42は、有機層33の表面側に被さっていると共に有機層33の端面側にも被さっている。このため、有機層33の裏面側は、第1吸湿層41に覆われ、有機層33の表面側及び端面側は、第2吸湿層42に覆われている。
図2に示すように、端子31a,32aを有さない箇所においては、第1吸湿層41と第2吸湿層42は、直接的に密着されている。第1吸湿層41と第2吸湿層42が密着し且つ両層41,42が接合された部分を、符号49で示す。この接合部分49は、第1吸湿層41と第2吸湿層42の界面である。ただし、第1吸湿層41と第2吸湿層42が同一材料で形成されている場合には、前記界面は殆ど確認できず、その場合、第1吸湿層41と第2吸湿層42は、接合部分49にて一体化している。
また、図3に示すように、端子31a,32aを有する箇所においては、第1吸湿層41と第2吸湿層42は、端子31a,32aを介して密着されている。従って、有機層33の周囲は、第1吸湿層41及び第2吸湿層42によって囲まれている。有機層33は、吸湿層(第1吸湿層41及び第2吸湿層42)の内部に封入されているとも言える。
防湿層5は、端子31a,32aを除いて、第2吸湿層42の表面に直接的に密着した状態で積層されている。上述のように、防湿層5は、第1吸湿層41の端部41e及び第2吸湿層42の端部42eを越えて設けられている。防湿層5の端部5eは、第1吸湿層41の端部41e及び第2吸湿層42の端部42eを越えて延在している。そして、防湿層5は、第2吸湿層42の表面側に被さっていると共に第2吸湿層42の端面側にも被さっている。図2に示すように、端子31a,32aを有さない箇所においては、防湿層5は、第1吸湿層41の端面にも被さり、支持基板2の表面に直接的に密着されている。図3に示すように、端子31a,32aを有する箇所においては、第2吸湿層42の端面に密着した防湿層5は、端子31a,32aの基部に密着されている。
前記第1電極31の端子31aは、例えば、有機EL装置の第2方向一方側に配設され、且つ、第2電極32の端子32aは、第2方向反対側に配設されている。図示例では、第1電極31の端子31a及び第2電極32の端子32aは、それぞれ有機EL装置の第1方向に延在されている。前記第1方向は、有機EL装置の任意の1つの方向であり、前記第2方向は、有機EL装置の面内において前記第1方向と直交する方向である。
前記端子31aは、第1電極31の一部分であって、外部に露出した電極部分である。前記端子32aは、第2電極32の一部分であって、外部に露出した電極部分である。第1電極31の端子31a及び第2電極32の端子32aは、防湿層5にて被覆さずに外部に露出している。
なお、支持基板2が導電性を有する場合には、電気的な短絡を防止するため、支持基板2の表面上に絶縁層(図示せず)が設けられる。
前記有機EL素子3の有機層33は、発光層を含み、必要に応じて、正孔輸送層及び電子輸送層などの各種機能層を有する。有機層33の層構成は、後述する。
前記第1電極31及び第2電極32の各端子31a,32aに電源を接続して通電することにより、有機層33が発光する。
前記第1及び第2吸湿層42は、水分を吸収する層である。
前記防湿層5は、有機EL素子3に、水分(水蒸気)などが侵入することを防止するための層である。
なお、本発明の有機EL装置は、上記第1実施形態に限られず、本発明の意図する範囲で適宜設計変更できる。以下、本発明の他の実施形態を説明するが、その説明に於いて、主として上記第1実施形態と異なる構成及び効果について説明し、上記第1実施形態と同様の構成などについては、(それを説明したものとして)用語又は符号をそのまま援用し、その構成の説明を省略する場合がある。
[第2実施形態の有機EL装置の構成]
図4乃至図6において、第2実施形態の有機EL装置1は、第1実施形態と同様に、支持基板2と、第1吸湿層41と、有機層33を有する有機EL素子3と、第2吸湿層42と、防湿層5と、をこの順で有する。前記防湿層5は、平面透視において、前記第1吸湿層41及び第2吸湿層42の端部41e,42eを越えて設けられており、第1吸湿層41及び第2吸湿層42は、有機層33の端部33eを越えて設けられている。
本実施形態では、第2電極32が、有機層33の表面に積層され且つ有機層33に電荷を供給する第2主電極321と、端子32aを有する第2副電極322と、から構成されている。
具体的には、第1電極31は、第1吸湿層41の表面に積層されている。第1電極31は、2つの端子31a,31aを有し、その1つの端子31aは、有機EL装置1の第1方向一方側に配設され、もう1つの端子31aは第1方向反対側に配設されている。有機層33は、端子31aを除いて、その第1電極31の表面に直接的に密着した状態で積層されている。
他方、第2副電極322は、第1電極31と離反して、第2方向一方側において、支持基板2の表面及び第1吸湿層41の表面に跨がって積層されている。第2副電極322は、2つの端子32a,32aを有し、その1つの端子32aは、有機EL装置1の第1方向一方側に配設され、もう1つの端子32aは第1方向反対側に配設されている。また、第2主電極321は、有機層33の表面及び第2副電極322の表面に跨がって積層されている。前記端子32aから供給される電荷は、第2副電極322から第2主電極321を通り、有機層33に供給される。
図6に示すように、端子31a,32aを有さない箇所においては、第1吸湿層41と第2吸湿層42は、直接的に密着されている。第1吸湿層41と第2吸湿層42は、接合部分49にて一体化されている。
また、図5及び図7に示すように、端子31a,32aを有する箇所においては、第1吸湿層41と第2吸湿層42は、端子31a,32aを介して密着されている。従って、本実施形態においても、有機層33の周囲は、第1吸湿層41及び第2吸湿層42によって囲まれている。
防湿層5は、端子31a,32aを除いて、第2吸湿層42の表面に直接的に密着した状態で積層されている。防湿層5は、第2吸湿層42の表面側に被さっていると共に第2吸湿層42の端面側にも被さっている。図6に示すように、端子31a,32aを有さない箇所においては、防湿層5は、第1吸湿層41の端面にも被さり、支持基板2の表面に直接的に密着されている。
図8は、第2実施形態の有機EL装置を平面透視したときの、各層の配置を模式的に示した図である。各層を容易に区別するため、第1電極31の輪郭を一点鎖線で示し、第2電極32の輪郭を二点鎖線で示し、第1及び第2吸湿層41,42の輪郭を破線で示し、有機層33の輪郭を小さい破線で示し、防湿層5の輪郭を実線で示している。
[第3実施形態の有機EL装置の構成]
図9乃至図11において、第3実施形態の有機EL装置1は、第1実施形態と同様に、支持基板2と、第1吸湿層41と、有機層33を有する有機EL素子3と、第2吸湿層42と、防湿層5と、をこの順で有する。前記防湿層5は、平面透視において、前記第1吸湿層41及び第2吸湿層42の端部41e,42eを越えて設けられており、第1吸湿層41及び第2吸湿層42は、有機層33の端部33eを越えて設けられている。
本実施形態では、端子31aを有する第1電極31が複数箇所に設けられている。さらに、第2電極32が、有機層33の表面に積層され且つ有機層33に電荷を供給する複数の第2主電極321と、端子32aを有する複数の第2副電極322と、から構成されている。本実施形態の有機EL装置1は、複数の発光領域が独立して形成される。
具体的には、第1電極31は、独立して複数箇所(例えば4箇所)に設けられている。各第1電極31は、第1吸湿層41の表面に積層されている。各第1電極31は、1つの端子31aを有する。2つの第1電極31の端子31aは、有機EL装置1の第1方向一方側に配設され、もう2つの第1電極31の端子31aは、第1方向反対側に配設されている。有機層33は、端子31aを除いて、各第1電極31の表面に直接的に密着した状態で積層されている。
他方、第2電極32は、例えば、2つの第1主電極321と、2つの第2副電極322と、から構成されている。1つの第2副電極322は、第1電極31と離反して、第2方向一方側において、支持基板2の表面に積層されている。もう1つの第2副電極322は、第1電極31と離反して、第2方向反対側において、支持基板2の表面に積層されている。各第2副電極322は、それぞれ2つの端子32a,32aを有し、その1つの端子32aは、有機EL装置1の第1方向一方側に配設され、もう1つの端子32aは第1方向反対側に配設されている。また、2つの第2主電極321は、互いに離反した状態で、第2方向に延設されている。2つの第2主電極321は、両電極321の間に間隔を有した状態で、有機層33の表面及び2つの第2副電極322の表面に跨がって積層されている。前記各端子32aから供給される電荷は、各第2副電極322から各第2主電極321を通り、有機層33に供給される。
本実施形態の有機EL装置1は、有機層33のうち、4つの第1電極31と2つの第2主電極が重なっている4つの領域が発光する。
なお、本実施形態においても、端子31a,32aを有さない箇所においては、第1吸湿層41と第2吸湿層42は、直接的に密着されている。また、図10に示すように、端子31aを有する箇所においては、第1吸湿層41と第2吸湿層42は、端子31aを介して密着されている。
防湿層5は、端子31a,32aを除いて、第2吸湿層42の表面に直接的に密着した状態で積層されている。防湿層5は、第2吸湿層42の表面側に被さっていると共に第2吸湿層42の端面側にも被さっている。
図12は、第3実施形態の有機EL装置を平面透視したときの、各層の配置を模式的に示した図である。各層を容易に区別するため、第1電極31の輪郭を一点鎖線で示し、第2電極32の輪郭を二点鎖線で示し、第1及び第2吸湿層41,42の輪郭を破線で示し、有機層33の輪郭を小さい破線で示し、防湿層5の輪郭を実線で示している。
[第4実施形態の有機EL装置の構成]
上記第1乃至第3実施形態では、第1吸湿層41の端部41eと第2吸湿層42の端部42eは一致しているが(即ち、第1吸湿層41と第2吸湿層42は同形同大で且つ平面透視で重なっているが)、第1吸湿層41及び第2吸湿層42のうち何れか一方が他方に対して大きくてもよい。
例えば、第1吸湿層41の端部41eが第2吸湿層42の端部42eから外側に延在するように第1吸湿層41が形成されていてもよく、或いは、第2吸湿層42の端部42eが第1吸湿層41の端部41eから外側に延在するように第2吸湿層42が形成されていてもよい(図示せず)。
[第5実施形態の有機EL装置の構成]
上記第1乃至第3実施形態では、第1吸湿層41及び第2吸湿層42が、平面透視において、何れも有機層33の端部33eを越えて設けられているが、第1吸湿層41の端部41e及び第2吸湿層42の端部42eのうち少なくとも何れか一方が、平面透視において、有機層33の端部33eと一致して又は有機層33の端部33eよりも内側に配置されていてもよい。
例えば、図13に示す例では、第1吸湿層41の端部41eは、有機層33の端部33eよりも内側に配置されている。かかる第1吸湿層41は、平面透視において、有機層33の端部33eよりも内側に入り込んでいる。この場合でも、防湿層5が、平面透視において、第1及び第2吸湿層41,42の端部41e,42eを越えて形成されているので、第1及び第2吸湿層41,42の端面から水分が侵入することを防止できる。
もっとも、上記実施形態のように、第1吸湿層41及び第2吸湿層42の何れも有機層33の端部33eを越えて設けられている有機EL装置1は、有機層33が第1及び第2吸湿層41,42に封入されるので好ましい。
[第6実施形態の有機EL装置の構成]
また、図14に示すように、支持基板2の表面に、第2吸湿層42に設けた防湿層5とは別個の防湿層51を積層してもよい。この防湿層51(第2防湿層51という)は、第1吸湿層41の裏面側に設けられ、好ましくは、図示したように、防湿層5と接合できる程度の大きさで設けられ、より好ましくは、支持基板2の表面全体に設けられる。このように防湿層5と第2防湿層51を接合させることにより、水分の侵入を効果的に防止できる。
なお、図13及び図14の有機EL装置は、第1実施形態の構成のものを例示しているが、第2又は第3実施形態の構成に置き換えてもよい。
[支持基板]
前記支持基板は、シート状物であり、好ましくは、フレキシブルなシート状物である。 前記支持基板は、透明又は不透明の何れでもよい。ただし、ボトムエミッション型の有機EL装置を構成する場合には、透明な支持基板が用いられる。トップエミッション型の有機EL装置を構成する場合には、透明な支持基板又は不透明の支持基板の何れを用いてもよい。なお、前記透明は、無色透明又は有色透明を意味する。前記透明の指標としては、例えば、全光線透過率70%以上、好ましくは80%以上が例示できる。ただし、前記全光線透過率は、JIS K7105(プラスチックの光学的特性試験方法)に準拠した測定法によって測定される。
本発明において、支持基板は、水蒸気や酸素などの侵入を防止できるガスバリア性に優れている基板を用いることが好ましい。例えば、支持基板は、例えば、金属シート、樹脂シート、ガラスシート、セラミックシートなどから適宜選択して用いることができる。なお、本明細書において、シートとは、一般にフィルムと呼ばれるものを含む。前記金属シートは、特に限定されないが、例えば、ステンレス、銅、チタン、アルミニウム、合金などからなるフレキシブルな薄板が挙げられる。前記金属シートの厚みは、例えば、10μm〜100μmである。前記樹脂シートは、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系樹脂;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテン(PMP)、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のα−オレフィンをモノマー成分とするオレフィン系樹脂;ポリ塩化ビニル(PVC);酢酸ビニル系樹脂;ポリカーボネート(PC);ポリフェニレンスルフィド(PPS);ポリアミド(ナイロン)、全芳香族ポリアミド(アラミド)等のアミド系樹脂;ポリイミド系樹脂;ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などからなるフレキシブルな合成樹脂シートが挙げられる。前記樹脂シートの厚みは、特に限定されないが、例えば、10μm〜200μmである。良好なガスバリア性を付与できることから、前記樹脂シートの少なくとも一方面に公知のガスバリア層が積層されていてもよい。
また、駆動時に有機EL装置の温度上昇を防止するため、前記支持基板は、放熱性に優れていることが好ましい。なお、支持基板として、導電性基板(金属シートなど)を用いる場合には、対面する電極に対して絶縁するため、前記支持基板の表面に絶縁層が設けられる。なお、支持基板に絶縁層が設けられる場合、第1吸湿層は、その絶縁層の表面上に設けられることが好ましい。
[第1及び第2吸湿層]
第1及び第2吸湿層は、水分を吸収する性質を有する材料を含む。前記水分を吸収する性質を有する材料としては、ホウ素化合物;硫化化合物;アルカリ金属又はアルカリ土類金属の酸化物、フッ化物、硫酸塩、ハロゲン化物、リン酸塩又は過塩素酸塩;アルカリ金属又はアルカリ土類金属の酸化物の粒子を分散させた樹脂;などが挙げられる。第1吸湿層及び第2吸湿層は、それぞれ独立して、前記材料から選ばれる1種又は2種以上を含み、好ましくは、ホウ素化合物又は硫化化合物の少なくとも何れか一方を含む。なお、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の酸化物の粒子を分散させた樹脂からなる吸湿層については、特許文献1(特開2011−020335号)に開示されているので、詳しくはそれを参照されたい。
前記ホウ素化合物は、その分子中にホウ素原子が含まれている化合物であり、真空蒸着法にて吸湿層を形成できることから、含ホウ素無機化合物が好ましい。前記含ホウ素無機化合物としては、例えば、ホウ素の酸化物、ホウ素の酸素酸、ホウ素の臭化物などが挙げられる。前記ホウ素の酸化物としては、酸化ホウ素(B)が挙げられる。前記ホウ素の酸素酸は、ホウ素原子を中心原子とする酸素酸又はその塩である。ホウ素の酸素酸としては、例えば、オルトホウ酸、メタホウ酸、次ホウ酸、四ホウ酸、五ホウ酸、及びそれらのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩などが挙げられる。前記ホウ素の臭化物としては、三臭化ホウ素(BBr)が挙げられる。これらの中では、吸湿性に優れていることから、酸化ホウ素が好ましい。また、酸化ホウ素は、透明性にも優れているので、トップエミッション型の有機EL装置の吸湿層の形成材料として好適である。
前記硫化化合物は、その分子中に硫黄原子が含まれている化合物であり、真空蒸着法にて吸湿層を形成できることから、含硫黄無機化合物が好ましい。前記含硫黄無機化合物としては、例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属などの硫化物が挙げられる。前記硫化物としては、硫化炭素、硫化亜鉛などが挙げられる。
前記アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどが挙げられ、アルカリ土類金属としては、マグネシウム、カルシウム、バリウムなどが挙げられる。前記アルカリ金属の酸化物としては、酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸化カリウムなどが挙げられ、アルカリ土類金属の酸化物としては、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化バリウムなどが挙げられる。前記アルカリ金属などのフッ化物としては、フッ化リチウム、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、フッ化ナトリウムなどが挙げられる。前記アルカリ金属などの硫酸塩としては、硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウムなどが挙げられる。前記アルカリ金属などのハロゲン化物としては、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、臭化カルシウムなどが挙げられる。前記アルカリ金属などのリン酸塩としては、リン酸カルシウムなどが挙げられる。前記アルカリ金属などの過塩素酸塩としては、過塩素酸バリウム、過塩素酸マグネシウムなどが挙げられる。
アルカリ金属又はアルカリ土類金属の酸化物を形成材料として用いた場合には、例えば、その酸化物を蒸着源として真空蒸着する方法、或いは、酸素ガス導入下でアルカリ金属又はアルカリ土類金属を蒸着源として真空蒸着する方法などによって、吸湿層を形成することが考えられる。しかし、前者の方法は困難であり、後者の方法は、酸素ガスの存在により、有機EL素子が劣化するおそれがある。また、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の酸化物の粒子を分散させた樹脂を形成材料として用いた場合には、真空蒸着法によって吸湿層を形成することができない。この点、ホウ素化合物及び硫化化合物は、ホウ素化合物及び硫化化合物を蒸着源として真空蒸着して吸湿層を容易に形成でき、吸湿層の形成時に有機EL素子の劣化も生じ難い。このような理由から、第1及び第2吸湿層の形成材料としては、ホウ素化合物又は硫化化合物を用いることが好ましい。従って、第1吸湿層及び第2吸湿層は、それぞれ独立して、ホウ素化合物又は硫化化合物を含むことが好ましい。特に、吸湿性に優れていることから、第1吸湿層及び第2吸湿層は、ホウ素化合物を含むことがより好ましい。
第1吸湿層及び第2吸湿層は、同一材料から形成されていてもよく、或いは、異なる材料から形成されていてもよい。好ましくは、第1吸湿層及び第2吸湿層は、同一材料で形成される。
第1吸湿層及び第2吸湿層がホウ素化合物を含む場合、それらの吸湿層は、(a)吸湿性を有するホウ素化合物のみを実質的に含む、(b)吸湿性を有するホウ素化合物と吸湿性を有する他の化合物を含む、(c)吸湿性を有するホウ素化合物と吸湿性を有さない他の化合物を含む、(d)吸湿性を有するホウ素化合物と吸湿性を有さない他の化合物と吸湿性を有する他の化合物を含む、場合などが挙げられる。なお、吸湿性とは、物質がその周りから化学的に水分を吸収する性質を言う。また、本明細書で「Aのみを実質的に含む」とは、不可避的に含まれる程度の微量の成分(A以外の成分)の混入は許容され、有意な量の混入は除外されるという意味である。
第1及び第2吸湿層がホウ素化合物と他の化合物を含む場合、ホウ素化合物の量は、特に限定されないが、例えば、ホウ素化合物の量は、それぞれ独立して、吸湿層全体に対して、50質量%以上100質量%未満であり、好ましくは60質量%〜99質量%であり、より好ましくは、80質量%〜99質量%である。
第1及び第2吸湿層の厚みは特に限定されず、それぞれ独立して、例えば、5nm〜500nmであり、好ましくは、30nm〜200nmである。
[防湿層]
防湿層は、水分を遮断する性質(防湿性)を有する材料を含むことを条件として、特に限定されない。防湿性に優れていることから、防湿層の形成材料は、窒素化合物が好ましい。
前記窒素化合物は、その分子中に窒素原子が含まれている化合物であり、真空蒸着法にて防湿層を形成できることから、含窒素無機化合物が好ましい。
前記含窒素無機化合物としては、金属又は半金属の窒化物、金属又は半金属の酸化窒化物、金属又は半金属の炭化窒化物、金属又は半金属の酸化炭化窒化物などが挙げられる。前記金属としては、上記に例示したようなアルカリ金属、アルカリ土類金属の他、これら以外の金属が挙げられる。アルカリ金属及びアルカリ土類金属以外の金属としては、チタン、アルミニウム、亜鉛、ガリウム、インジウムなどが挙げられる。前記半金属は、金属と非金属の中間の性質を示す物質をいう。前記半金属としては、ケイ素、ゲルマニウム、ヒ素、アンチモン、テルル、ポロニウム、アスタチンなどが挙げられる。防湿層は、好ましくは、金属又は半金属の窒化物、酸化窒化物、炭化窒化物及び酸化炭化窒化物から選ばれる少なくとも1種を含み、より好ましくは、ケイ素の窒化物、酸化窒化物、炭化窒化物及び酸化炭化窒化物から選ばれる少なくとも1種を含む。ケイ素の窒化物、酸化窒化物、炭化窒化物及び酸化炭化窒化物は、それぞれ窒化ケイ素、酸化窒化ケイ素、炭化窒化ケイ素、酸化炭化窒化ケイ素が挙げられる。
防湿層は、前記防湿性を有する窒素化合物のみを実質的に含む場合でもよく、前記窒素化合物以外に、他の化合物を含んでいてもよい。好ましくは、防湿層は、前記防湿性を有する窒素化合物のみから形成され、実質的に窒素化合物のみを含む。
防湿層が窒素化合物と他の化合物を含む場合、窒素化合物の量は、特に限定されないが、例えば、窒素化合物の量は、防湿層全体に対して、50質量%以上100質量%未満であり、好ましくは60質量%〜99質量%であり、より好ましくは、80質量%〜99質量%である。
防湿層の厚みは特に限定されず、例えば、50nm〜2000nmであり、好ましくは、100nm〜1000nmである。
[第1電極、有機層及び第2電極を有する有機EL素子]
前記第1電極は、陽極又は陰極のいずれでもよい。例えば、第1電極は陽極である。
前記第1電極(陽極)の形成材料は、特に限定されないが、例えば、インジウム錫酸化物(ITO);酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(ITSO);アルミニウム;金;白金;ニッケル;タングステン;銅;合金;などが挙げられる。ボトムエミッション型の有機EL装置を構成する場合には、透明な第1電極が用いられる。
第1電極の厚みは、特に限定されないが、通常、0.01μm〜1.0μmである。
有機層は、少なくとも2つの層からなる積層構造である。有機層の構造としては、例えば、(A)正孔輸送層、発光層及び電子輸送層の3つの層を含む構造、(B)正孔輸送層、発光層及び電子注入層の3つの層を含む構造、(C)正孔輸送層及び発光層の2つの層を含む構造、(D)発光層及び電子輸送層の2つの層を含む構造、などが挙げられる。
前記(B)及び(C)の有機層は、発光層が電子輸送層を兼用している。前記(D)の有機層は、発光層が正孔輸送層を兼用している。
本発明に用いられる有機層は、前記(A)〜(D)の何れの構造であってもよい。
以下、第1電極が陽極である場合の、前記(A)の構造を有する有機層について説明する。
正孔輸送層は、第1電極の表面に設けられる。もっとも、有機EL素子の発光効率を低下させないことを条件として、第1電極と正孔輸送層の間にこれら以外の任意の機能層が介在されていてもよい。
例えば、正孔注入層が、第1電極の表面に設けられ、その正孔注入層の表面に正孔輸送層が設けられていてもよい。正孔注入層は、陽極層から正孔輸送層へ正孔の注入を補助する機能を有する層である。
正孔輸送層の形成材料は、正孔輸送機能を有する材料であれば特に限定されない。正孔輸送層の形成材料としては、4,4’,4”−トリス(カルバゾール−9−イル)−トリフェニルアミン(略称:TcTa)などの芳香族アミン化合物;1,3−ビス(N−カルバゾリル)ベンゼンなどのカルバゾール誘導体;N,N’−ビス(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン(略称:α-NPD)、N,N’−ビス(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ビス(フェニル)−9,9’−スピロビスフルオレン(略称:Spiro−NPB)などのスピロ化合物;高分子化合物;などが挙げられる。正孔輸送層の形成材料は、1種単独で又は2種以上を併用してもよい。また、正孔輸送層は、2層以上の多層構造であってもよい。
正孔輸送層の厚みは、特に限定されないが、駆動電圧を下げるという観点から、1nm〜500nmが好ましい。
発光層は、正孔輸送層の表面に設けられる。
発光層の形成材料は、発光性を有する材料であれば特に限定されない。発光層の形成材料としては、例えば、低分子蛍光発光材料、低分子燐光発光材料などの低分子発光材料を用いることができる。
低分子発光材料としては、例えば、4,4’−ビス(2,2’−ジフェニルビニル)−ビフェニル(略称:DPVBi)などの芳香族ジメチリデン化合物;5−メチル−2−[2−[4−(5−メチル−2−ベンゾオキサゾリル)フェニル]ビニル]ベンゾオキサゾールなどのオキサジアゾール化合物;3−(4−ビフェニルイル)−4−フェニル−5−t−ブチルフェニル−1,2,4−トリアゾールなどのトリアゾール誘導体;1,4−ビス(2−メチルスチリル)ベンゼンなどのスチリルベンゼン化合物;ベンゾキノン誘導体;ナフトキノン誘導体;アントラキノン誘導体;フルオレノン誘導体;アゾメチン亜鉛錯体、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq)などの有機金属錯体;などが挙げられる。
また、発光層の形成材料として、ホスト材料中に発光性のドーパント材料をドープしたものを用いてもよい。
前記ホスト材料としては、例えば、上述の低分子発光材料を用いることができ、これ以外に、1,3,5−トリス(カルバゾ−9−イル)ベンゼン(略称:TCP)、1,3−ビス(N−カルバゾリル)ベンゼン(略称:mCP)、2,6−ビス(N−カルバゾリル)ピリジン、9,9−ジ(4−ジカルバゾール−ベンジル)フルオレン(略称:CPF)、4,4’−ビス(カルバゾール−9−イル)−9,9−ジメチル−フルオレン(略称:DMFL−CBP)などのカルバゾール誘導体などを用いることができる。
前記ドーパント材料としては、例えば、スチリル誘導体;ペリレン誘導体;トリス(2−フェニルピリジル)イリジウム(III)(Ir(ppy))、トリス(1−フェニルイソキノリン)イリジウム(III)(Ir(piq))、ビス(1−フェニルイソキノリン)(アセチルアセトナト)イリジウム(III)(略称:Ir(piq)(acac))などの有機イリジウム錯体などの燐光発光性金属錯体;などを用いることができる。
さらに、発光層の形成材料には、上述の正孔輸送層の形成材料、後述の電子輸送層の形成材料、各種添加剤などが含まれていてもよい。
発光層の厚みは、特に限定されないが、例えば、2nm〜500nmが好ましい。
電子輸送層は、発光層の表面に設けられる。もっとも、有機EL素子の発光効率を低下させないことを条件として、第2電極と電子輸送層の間にこれら以外の任意の機能層が介在されていてもよい。
例えば、電子注入層が、電子輸送層の表面に設けられ、電子注入層の表面に、第2電極が設けられていてもよい。電子注入層は、前記第2電極から電子輸送層へ電子の注入を補助する機能を有する層である。
電子輸送層の形成材料は、電子輸送機能を有する材料であれば特に限定されない。電子輸送層の形成材料としては、例えば、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(略称:BAlq)などの金属錯体;2,7−ビス[2−(2,2’−ビピリジン−6−イル)−1,3,4−オキサジアゾ−5−イル]−9,9−ジメチルフルオレン(略称:Bpy−FOXD)、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、2,2’,2’'−(1,3,5−フェニレン)−トリス(1−フェニル−1H−ベンズイミダゾール)(略称:TPBi)などの複素芳香族化合物;ポリ(2,5−ピリジン−ジイル)(略称:PPy)などの高分子化合物;などが挙げられる。電子輸送層の形成材料は、1種単独で又は2種以上を併用してもよい。また、電子輸送層は、2層以上の多層構造であってもよい。
電子輸送層の厚みは、特に限定されないが、駆動電圧を下げるという観点から、1nm〜500nmが好ましい。
第2電極は、陰極又は陽極の何れでもよい。例えば、第2電極は陰極である。
前記第2電極の形成材料は、特に限定されないが、トップエミッション型の有機EL素子を構成する場合には、透明な第2電極が用いられる。透明及び導電性を有する第2電極の形成材料としては、インジウム錫酸化物(ITO);酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(ITSO);アルミニウムなどの導電性金属を添加した酸化亜鉛(ZnO:Al);マグネシウム−銀合金などが挙げられる。第2電極の厚みは、特に限定されないが、通常、0.01μm〜1.0μmである。
[有機EL装置の用途及び効果]
本発明の有機EL装置は、その1つ又は複数を組み合わせて、照明装置やディスプレイ装置などの発光パネルとして利用できる。
本発明の有機EL装置は、有機層の裏面側に第2吸湿層が設けられているので、支持基板を透過した水分を第2吸湿層が吸収するようになる。さらに、防湿層が第1吸湿層の端部及び第2吸湿層の端部を越えて設けられているので、第1及び第2吸湿層の端面から水分が侵入し難くなる。本発明の有機EL装置は、前記第2吸湿層を有すること及び防湿層が第1及び第2吸湿層よりも大きいことが相乗して、有機層に水分が侵入することを効果的に防止できる。特に、第1吸湿層と第2吸湿層が直接的に密着して接合されていることにより、有機層への水分の侵入をより効果的に防止できる。かかる有機EL装置は、長期間安定的に発光し続ける。
[有機EL装置の製造方法]
本発明の有機EL装置は、ロールツーロール方式にて複数連続的に製造することもできるし、或いは、個々に製造することもできる。前記個々に製造する方式は、バッチ方式とも呼ばれる。
以下、ロールツーロール方式にて有機EL装置を複数連続的に製造する方法について説明する。
ロールツーロール方式による有機EL装置の製造方法は、フレキシブルな帯状の支持基板を繰り出す繰出し工程と、前記帯状の支持基板上に第1吸湿層を形成する第1吸湿層形成工程、第1吸湿層が形成された支持基板上に複数の有機EL素子を形成する素子形成工程と、前記有機EL素子上に第2吸湿層を形成する第2吸湿層形成工程と、前記第2吸湿層上に防湿層を形成する防湿層形成工程と、帯状の支持基板、第1吸湿層、有機EL素子、第2吸湿層及び防湿層を有する帯状の積層体をロール状に巻き取る巻取り工程と、を有する。本発明の有機EL装置は、第1吸湿層から防湿層までを真空蒸着法により一連に形成することも可能である。
(繰出し工程)
繰出し工程は、ロールに巻かれた帯状の支持基板を製造ラインに送り出す工程である。
前記帯状の支持基板は、細長い長方形状のフレキシブルなシート状物である。前記帯状の支持基板の長さ(長手方向の長さ)は、特に限定されないが、例えば、10m〜1000mであり、その幅(短手方向の長さ)も特に限定されないが、例えば、10mm〜300mmである。
(第1吸湿層形成工程)
前記繰り出した支持基板を、必要に応じて洗浄槽にて洗浄した後、乾燥する。洗浄乾燥後、その支持基板の表面上に第1吸湿層を形成する。上述のようにホウ素化合物などの吸湿性を有する材料を、支持基板の表面の所望領域に付着させることにより、第1吸湿層を形成できる
第1吸湿層の形成方法は、その形成材料に応じて最適な方法を採用できるが、例えば、抵抗加熱蒸着や電子ビーム蒸着などの真空蒸着法、スパッタ法、熱CVD、光CVD、プラズマCVD、MOCVD、原子層堆積法(ALD)などが挙げられる。好ましくは、真空蒸着法を利用して第1吸湿層を形成する。
(素子形成工程)
有機EL素子の形成工程は、従来と同様にして行われる。
簡単に説明すると、前記第1吸湿層を形成した支持基板上に第1電極を形成する。
第1電極の形成方法は、その形成材料に応じて最適な方法を採用できるが、スパッタ法、真空蒸着法、インクジェット法などが挙げられる。例えば、金属によって陽極を形成する場合には、真空蒸着法が用いられる。
前記第1電極の表面上に、その端子を除いて、有機層を形成する。前記第1電極の表面に、例えば、正孔輸送層、発光層及び電子輸送層などを順に形成することによって、有機層を形成できる。正孔輸送層、発光層及び電子輸送層などの形成方法は、その形成材料に応じて最適な方法を採用できるが、例えば、スパッタ法、真空蒸着法、インクジェット法、コート法などが挙げられる。通常、これらは、真空蒸着法によって形成される。
続いて、有機層の表面に、第2電極を形成する。第2電極は、第1電極の端子に重ならないように形成される。第2電極の形成方法は、その形成材料に応じて最適な方法を採用できるが、例えば、スパッタ法、真空蒸着法、インクジェット法などが挙げられる。
前記複数の有機EL素子の間隔は、特に限定されず、適宜設定できる。例えば、前記間隔は、0.5mm〜5mmである。
(第2吸湿層形成工程)
上述のようにホウ素化合物などの吸湿性を有する材料を、2つの電極端子を除く有機EL素子の表面に付着させることにより、第2吸湿層を形成する。
第2吸湿層の形成方法は、その形成材料に応じて最適な方法を採用できるが、例えば、抵抗加熱蒸着や電子ビーム蒸着などの真空蒸着法、スパッタ法、熱CVD、光CVD、プラズマCVD、MOCVD、原子層堆積法(ALD)などが挙げられる。好ましくは、真空蒸着法を利用して第2吸湿層を形成する。
(防湿層形成工程)
上述のように防湿性を有する材料を、端子を除いて第2吸湿層の表面に付着させることにより、防湿層を形成する。
防湿層の形成方法は、その形成材料に応じて最適な方法を採用できるが、例えば、物理気相成長法又は化学気相成長法が挙げられる。これらの中でも、真空蒸着法、特にプラズマ真空蒸着法を利用して防湿層を形成することが好ましい。
前記プラズマは、特に限定されず、例えば、アーク放電プラズマ、グロー放電プラズマなどを用いることができる。グロー放電プラズマなどとは異なり、非常に高い電子密度となることから、アーク放電プラズマを用いることが好ましい。アーク放電プラズマの発生源としては、例えば、圧力勾配型プラズマガン、直流放電プラズマ発生装置、高周波放電プラズマ発生装置などを利用できる。これらの中では、高密度なプラズマを安定的に発生させることが可能であることから、プラズマ源として圧力勾配型プラズマガンを用いることが好ましい。
防湿層を形成するプラズマ蒸着装置は、従来公知のものを使用できる。
簡単に説明すると、プラズマ蒸着装置は、内部を真空に保持できるチャンバーと、帯状の支持基板を連続的に送る搬送装置と、プラズマを発生するプラズマ源と、材料を入れた蒸着源と、前記チャンバー内に反応ガスを供給する反応ガス供給装置と、前記チャンバー内に放電ガスを供給する放電ガス供給装置と、前記チャンバー内を真空状態にする真空ポンプと、を有する。前記蒸着源は、搬送される支持基板と対向するように、通常、チャンバーの底部に設置される。前記蒸着源に入れられた材料を蒸発させる手段としては、前記プラズマを用いることができるが、抵抗加熱や電子ビームを用いてもよい。
金属又は半金属の窒化物、酸化窒化物、炭化窒化物及び酸化炭化窒化物から選ばれる少なくとも1種を含む防湿層を形成する場合、前記蒸着源には、例えば、金属若しくは半金属、又はこれらの窒化物、酸化窒化物、炭化窒化物若しくは酸化炭化窒化物が入れられる。また、蒸着源に金属又は半金属を入れた場合には、反応ガスとして、窒素含有ガス、窒素酸素含有ガス、窒素炭化水素含有ガス又は窒素酸素炭化水素含有ガスを用いることにより、金属又は半金属窒化物などからなる防湿層を形成できる。前記窒素含有ガスとしては、窒素(N)、アンモニア(NH)又は一酸化窒素(NO)などが挙げられる。窒素酸素含有ガスとしては、一酸化窒素(NO)若しくは一酸化二窒素(NO)、又は、窒素(N)と酸素(O)の混合ガスなどが挙げられる。窒素炭化水素含有ガスとしては、前記窒素含有ガスと炭化水素含有ガスの混合ガスなどが挙げられる。前記炭化水素含有ガスとしては、メタン(CH)、エタン(C)、プロパン(C)、ブタン(C10)、エチレン(C)、アセチレン(C)などが挙げられる。窒素酸素炭化水素含有ガスとしては、前記窒素含有ガス、酸素含有ガス及び炭化水素含有ガスの混合ガス、又は、窒素酸素含有ガス及び炭化水素含有ガスの混合ガスなどが挙げられる。
真空ポンプを作動させることにより、チャンバーの内部を真空状態に保つ。チャンバー内の圧力は、0.01Pa〜0.5Paの範囲内であり、好ましくは0.02Pa〜0.15Paである。真空状態のチャンバー内において、プラズマ発生源に放電ガス供給装置から放電ガスを導入してプラズマを発生させる。さらに、チャンバー内に、反応ガス供給装置から反応ガスを導入すると共に、蒸着源から材料を蒸発させることにより、吸湿層上に防湿層を形成できる。
前記反応ガスの導入と前記プラズマの発生は、同時に行ってもよいし、或いは、前記反応ガスの導入後に前記プラズマを発生させてもよいし、或いは、前記プラズマの発生後に反応ガスを導入してもよい。防湿層の形成材料を付着させる前に吸湿層の表面を活性化できることから、プラズマの発生後に反応ガスを導入することが好ましい。
前記蒸着速度は、適宜設定でき、例えば、10〜300nm/分である。
(巻取り工程)
巻取り工程は、前記各工程を経て得られた、帯状の積層体(帯状の支持基板上に第1吸湿層と有機EL素子と第2吸湿層と防湿層が積層されたもの)をロールに巻き取る工程である。
このようにして、ロールツーロール方式にて複数の有機EL装置が繋がった長尺物を得ることができる。図15は、この長尺物10を示す平面図である。この長尺物10を、図15の白抜き矢印で示す箇所で切断することより、図1に示すような個々の有機EL装置を得ることができる。なお、図15では、ロールツーロール方式にて第1実施形態の有機EL装置を製造した場合の長尺物を例示しているが、第2又は第3実施形態の有機EL装置も同様にロールツーロール方式にて製造できる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をさらに説明する。ただし、本発明は、下記実施例のみに限定されない。
[実施例1]
市販のガラス基板の表面の所定範囲に、B(酸化ホウ素)を厚み20nmで真空蒸着(蒸着速度:1nm/秒)することにより、第1吸湿層を形成した。
この第1吸湿層の表面に、アルミニウムを厚み150nmで真空蒸着することにより、陽極を形成した。次に、前記陽極の表面(端子を除く)に、α−NPD(N,N’−ビス(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン)を厚み60nmで真空蒸着することにより、正孔輸送層を形成した。この正孔輸送層の表面に、Alq(トリス(8−キノリノラト)アルミニウム)を厚み40nmで真空蒸着することにより、発光層を形成した。この発光層の表面に、フッ化リチウムを厚み1nmで真空蒸着することにより、電子注入層を形成した。この電子注入層の表面に、ITO(インジウム錫酸化物)を厚み100nmで真空蒸着することにより、陰極を形成した。発光層を含む有機層は、第1吸湿層の端部よりも内側に形成した。
この陰極の表面(端子を除く)に、B(酸化ホウ素)を厚み20nmで真空蒸着(蒸着速度:1nm/秒)することにより、第2吸湿層を形成した。第2吸湿層は、有機層の端部を越えるように形成した。
この第2吸湿層の表面に、SiON(酸化窒化ケイ素)を厚み300nmでプラズマ蒸着することにより、防湿層を形成した。防湿層は、第1及び第2吸湿層の端部を越え且つその第1及び第2吸湿層の端面に被さるように形成した。ただし、防湿層は、端子には形成しなかった。
前記プラズマ蒸着は、プラズマ源として圧力勾配型プラズマガンを用い、蒸着源としてケイ素粒子を用い、反応ガスとして酸素及び窒素の混合ガスを用い、蒸着速度1nm/秒で行った。
このようにして図1乃至図3に示すようなトップエミッション型の有機EL装置を作製した。
実施例1で作製した有機EL装置を説明すると、図16を参照して、第1及び第2吸湿層が有機層よりも外側に延在し、防湿層が前記第1及び第2吸湿層よりも外側に延在している。前記第2吸湿層は、有機層の表面及び端面に被さり且つ密着し、前記防湿層は、第1吸湿層の端面並びに第2吸湿層の表面及び端面に被さり且つ密着している。また、第1吸湿層と第2吸湿層は接合している。
(実施例1の有機EL装置の構成)
防湿層:厚み300nmのSiON
第2吸湿層:厚み20nmのB
陰極:厚み100nmのITO
電子注入層:厚み1nmのLiF
発光層:厚み40nmのAlq
正孔輸送層:厚み60nmのα−NPD
陽極:厚み150nmのAl
第1吸湿層:厚み20nmのB
基板:ガラス基板
[比較例1]
第1吸湿層を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、有機EL装置を作製した。比較例1で作製した有機EL装置の構成を図16に示す。
[比較例2]
第1吸湿層を基板の表面全体に形成して、第1吸湿層を防湿層の端部を越えて形成したこと以外は、実施例1と同様にして、有機EL装置を作製した。
比較例2で作製した有機EL装置は、図17に示すように、第1吸湿層の表面の一部及び端面には、防湿層が被さっていない。
[比較例3]
防湿層を第2吸湿層の表面のみに形成したこと以外は、実施例1と同様にして、有機EL装置を作製した。
比較例3で作製した有機EL装置は、図17に示すように、第1及び第2吸湿層の端面には、防湿層が被さっていない。
[有機EL装置の発光寿命の計測]
実施例及び比較例の有機EL装置のそれぞれを、実験用回路に組み込み、それを60℃、90%RH下に保管し、電圧を印加して長時間連続的に発光させた。そして、その発光初期の輝度を100%としたとき、輝度が70%になるまでの時間を計測した。
その結果を、表1に示す。
Figure 2016119231
表1から明らかなように、実施例1の有機EL装置は、比較的長時間発光した。比較例1乃至3の有機EL装置は、実施例1に比して、極端に発光寿命が短かった。
本発明の有機EL装置は、例えば、照明装置、ディスプレイ装置などとして利用できる。
1 有機EL装置
2 支持基板
3 有機EL素子
33 有機層
33e 有機層の端部
41 第1吸湿層
41e 第1吸湿層の端部
42 第2吸湿層
42e 第2吸湿層の端部
5 防湿層
5e 防湿層の端部
本発明の好ましい有機EL装置は、前記第1吸湿層が、平面透視において、前記有機層の端部を越えて設けられている。
本発明の好ましい有機EL装置は、前記第2吸湿層が、平面透視において、前記有機層の端部を越えて設けられている。
本発明の好ましい有機EL装置は、前記第2吸湿層が、前記有機層の表面側及び端面側に被さり、前記防湿層が、前記第2吸湿層の表面側及び端面側に被さっている。
本発明の好ましい有機EL装置は、前記有機EL素子が、端子を部分的に有し、前記端子を有さない箇所において、前記第1吸湿層と第2吸湿層が直接的に密着されている。
本発明の好ましい有機EL装置は、前記第1吸湿層及び第2吸湿層が、それぞれ独立して、ホウ素化合物又は硫化化合物を含む。
前記第1電極31の端子31aは、例えば、有機EL装置の第2方向一方側に配設され、且つ、第2電極32の端子32aは、第2方向反対側に配設されている。図示例では、第1電極31の端子31a及び第2電極32の端子32aは、それぞれ有機EL装置の第1方向に延在されている。前記第1方向は、有機EL装置の任意の1つの方向であり、前記第2方向は、有機EL装置の面内において前記第1方向と直交する方向である。
前記端子31aは、第1電極31の一部分であって、外部に露出した電極部分である。前記端子32aは、第2電極32の一部分であって、外部に露出した電極部分である。第1電極31の端子31a及び第2電極32の端子32aは、防湿層5にて被覆さずに外部に露出している。
なお、支持基板2が導電性を有する場合には、電気的な短絡を防止するため、支持基板2の表面上に絶縁層(図示せず)が設けられる。
[第2実施形態の有機EL装置の構成]
図4乃至図において、第2実施形態の有機EL装置1は、第1実施形態と同様に、支持基板2と、第1吸湿層41と、有機層33を有する有機EL素子3と、第2吸湿層42と、防湿層5と、をこの順で有する。前記防湿層5は、平面透視において、前記第1吸湿層41及び第2吸湿層42の端部41e,42eを越えて設けられており、第1吸湿層41及び第2吸湿層42は、有機層33の端部33eを越えて設けられている。
本実施形態では、第2電極32が、有機層33の表面に積層され且つ有機層33に電荷を供給する第2主電極321と、端子32aを有する第2副電極322と、から構成されている。
図6及び図7に示すように、端子31a,32aを有さない箇所においては、第1吸湿層41と第2吸湿層42は、直接的に密着されている。第1吸湿層41と第2吸湿層42は、接合部分49にて一体化されている。
また、図5に示すように、端子31a,32aを有する箇所においては、第1吸湿層41と第2吸湿層42は、端子31a,32aを介して密着されている。従って、本実施形態においても、有機層33の周囲は、第1吸湿層41及び第2吸湿層42によって囲まれている。
防湿層5は、端子31a,32aを除いて、第2吸湿層42の表面に直接的に密着した状態で積層されている。防湿層5は、第2吸湿層42の表面側に被さっていると共に第2吸湿層42の端面側にも被さっている。図6及び図7に示すように、端子31a,32aを有さない箇所においては、防湿層5は、第1吸湿層41の端面にも被さり、支持基板2の表面に直接的に密着されている。
図8は、第2実施形態の有機EL装置を平面透視したときの、各層の配置を模式的に示した図である。各層を容易に区別するため、第1電極31の輪郭を一点鎖線で示し、第2電極32の輪郭を二点鎖線で示し、第1及び第2吸湿層41,42の輪郭を破線で示し、有機層33の輪郭を小さい破線で示し、防湿層5の輪郭を実線で示している。
(第1吸湿層形成工程)
前記繰り出した支持基板を、必要に応じて洗浄槽にて洗浄した後、乾燥する。洗浄乾燥後、その支持基板の表面上に第1吸湿層を形成する。上述のようにホウ素化合物などの吸湿性を有する材料を、支持基板の表面の所望領域に付着させることにより、第1吸湿層を形成できる
第1吸湿層の形成方法は、その形成材料に応じて最適な方法を採用できるが、例えば、抵抗加熱蒸着や電子ビーム蒸着などの真空蒸着法、スパッタ法、熱CVD、光CVD、プラズマCVD、MOCVD、原子層堆積法(ALD)などが挙げられる。好ましくは、真空蒸着法を利用して第1吸湿層を形成する。

Claims (7)

  1. 支持基板と、第1吸湿層と、有機層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子と、第2吸湿層と、防湿層と、をこの順で有し、平面透視において、前記防湿層が、前記第1吸湿層の端部及び第2吸湿層の端部を越えて設けられている、有機エレクトロルミネッセンス装置。
  2. 前記第1吸湿層が、平面透視において、前記有機層の端部を越えて設けられている、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
  3. 前記第2吸湿層が、平面透視において、前記有機層の端部を越えて設けられている、請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
  4. 前記第2吸湿層が、前記有機層の表面側及び端面側に被さり、前記防湿層が、前記第2吸湿層の表面側及び端面側に被さっている、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
  5. 前記有機エレクトロルミネッセンス素子が、端子を部分的に有し、
    前記端子を有さない箇所において、前記第1吸湿層と第2吸湿層が直接的に密着されている、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
  6. 前記第1吸湿層及び第2吸湿層が、それぞれ独立して、ホウ素化合物又は硫化化合物を含む、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置を有する照明装置。
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