JP2017041359A - 有機エレクトロルミネッセンス装置 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス装置 Download PDF

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才将 西森
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Toshitaka Nakamura
年孝 中村
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Abstract

【課題】 比較的製品寿命の長く、長期間安定的に発光し得る有機EL装置を提供する。【解決手段】 本発明の有機EL装置は、下側から順に、支持基板と、有機エレクトロルミネッセンス素子と、防湿層と、を有し、前記有機エレクトロルミネッセンス素子と防湿層の間に、下記式(1)で表される化合物を含む中間層が設けられている。【化1】式(1)において、nは、4以上の整数を表し、X及びYは、それぞれ独立して、ベンゼン環を含むエンドキャップ基を表す。【選択図】 図2

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス装置に関する。
以下、有機エレクトロルミネッセンスを「有機EL」と記す。
特許文献1には、支持基板と、前記支持基板上に設けられた有機EL素子と、前記有機EL素子上に設けられたキャップ層と、前記キャップ層上に設けられたプレバリア層(防湿層)と、を有する有機EL装置が開示されている。
前記有機EL素子は、第1電極と、第2電極と、前記両電極の間に設けられた発光層と、を有する。また、前記キャップ層は、三酸化モリブデンなどから形成され、前記プレバリア層は、酸化ケイ素などから形成されている。
前記有機EL装置は、可撓性を有するので、例えば、有機ELを任意に湾曲させて使用することができる。
しかしながら、従来の有機EL装置は、使用しているうちに、有機EL素子の発光層内に水分が侵入し、発光面積が小さくなる或いは輝度が下がるなどの問題点がある。従って、従来の有機EL装置は、製品寿命が比較的短く、その改善が求められている。
特開2013−149594号公報
本発明の目的は、比較的製品寿命の長く、長期間安定的に発光し得る有機EL装置を提供することである。
本発明者らは、上記有機EL装置について、有機EL素子の発光層内に水分が侵入する原因について鋭意研究した。有機EL素子の上面には、上述のように、防湿層が設けられており、これによって有機EL素子内に水分が侵入することを防止している。しかしながら、有機EL装置を湾曲させると、有機EL素子や防湿層に部分的に曲げ応力が加わる。その結果、防湿層自体や防湿層と有機EL素子の層間などにおいてクラックが生じ、或いは、防湿層と有機EL素子などの界面に部分的な浮き上がりが生じることがある。かかるクラックなどから有機EL素子内に水分が侵入し、有機EL素子の発光層を劣化させる。本発明者らは、かかる知見の下、本発明を完成した。
本発明の有機EL装置は、下側から順に、支持基板と、有機エレクトロルミネッセンス素子と、防湿層と、を有し、前記有機エレクトロルミネッセンス素子と防湿層の間に、下記式(1)で表される化合物を含む中間層が設けられている。
式(1)において、nは、4以上の整数を表し、X及びYは、それぞれ独立して、ベンゼン環を含むエンドキャップ基を表す。
本発明の好ましい有機EL装置は、前記式(1)のX及びYが、それぞれ独立して、下記式群(2)で表される何れかである。
式(2)において、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素、又は、置換若しくは無置換のアリール基を表し、A、B及びDは、それぞれ独立して置換基を表し、添え字aは、前記Aの置換数である0〜4の整数を表し、添え字bは、前記Bの置換数である0〜7の整数を表し、添え字dは、前記Dの置換数である0〜5の整数を表す。
本発明の好ましい有機EL装置は、前記式(1)のnが、4〜8の整数である。
本発明の好ましい有機EL装置は、前記有機エレクトロルミネッセンス素子と前記中間層の間に、キャップ層が設けられている。
本発明の好ましい有機EL装置は、前記中間層と防湿層の間に、吸湿層が設けられている。
本発明の好ましい有機EL装置は、前記防湿層の上面に、封止層が設けられている。
本発明の有機EL装置は、有機EL素子が水分劣化し難く、長期間安定的に発光し得る。
本発明の第1実施形態に係る有機EL装置の平面図。 図1のII−II線で切断した横断面図。 図1のIII−III線で切断した縦断面図。 本発明の第2実施形態に係る有機EL装置の横断面図。 本発明の第3実施形態に係る有機EL装置の横断面図。 本発明の第4実施形態に係る有機EL装置の横断面図。 実施例1で使用した式(a)の化合物の合成手順を示す参考図。 実施例及び比較例の試験方法を示す参考斜視図。 実施例及び比較例の有機EL装置の写真図。
以下、本発明について、図面を参照しつつ説明する。ただし、各図に表された厚み及び長さなどの寸法は、実際のものとは異なっていることに留意されたい。
本明細書において、各層の「上面」は、支持基板を基準にして、支持基板から遠い側の面をいい、各層の「下面」は、支持基板から近い側の面をいう。本明細書において、用語の頭に、「第1」、「第2」を付す場合があるが、この第1などは、用語を区別するためだけに付加されたものであり、その順序や優劣などの特別な意味を持たない。本明細書において、「PPP〜QQQ」という表記は、「PPP以上QQQ以下」を意味する。
[有機EL装置の構成]
本発明の有機EL装置は、下側から順に、支持基板2と、有機EL素子3と、中間層と、防湿層と、をこの順で有する。
本発明の有機EL装置は、可撓性を有する。本明細書において、可撓性は、素手による人力で容易に湾曲させることができることをいう。本発明の有機EL装置は、トップエミッション型又はボトムエミッション型のいずれでもよいが、好ましくは、トップエミッション型である。
本発明の有機EL装置は、前記順序で支持基板2などの各層を有することを条件として、任意の適切な他の層が、適宜設けられていてもよい。例えば、他の層が、前記支持基板2の下面に、或いは、前記支持基板2と有機EL素子3の間に、或いは、前記有機EL素子3と中間層の間に、或いは、前記中間層と防湿層の間に、或いは、前記防湿層の上面に、設けられていてもよい。
図1乃至図3は、本発明の第1実施形態の有機EL装置を示す。なお、図3においては、構造上変化がない中間部の図示が省略されている。
第1実施形態の有機EL装置1は、図1乃至図3に示すように、下側から順に、支持基板2と、前記支持基板2の上に設けられた有機EL素子3と、前記有機EL素子3の上に設けられた中間層4と、前記中間層4の上に設けられた防湿層5と、前記防湿層5の上に設けられた封止層6と、を有する。第1実施形態において、図示のように、中間層4の下面は、有機EL素子3の第2電極32の上面に直接接着され、且つ、中間層4の上面は、防湿層5の下面に直接接着されている。
図4乃至図6は、第2乃至第4実施形態の有機EL装置を示す断面図である。図4乃至図6は、第2乃至第4実施形態の有機EL装置を、図1のII−II線と同様の箇所で切断した断面図である。なお、第2乃至第4実施形態の有機EL装置の平面図は、図1と同様なので省略している。
第2実施形態の有機EL装置1は、図4に示すように、下側から順に、支持基板2と、前記支持基板2の上に設けられた有機EL素子3と、前記有機EL素子3の上に設けられた中間層4と、前記中間層4の上に設けられた吸湿層7と、前記吸湿層7上に設けられた防湿層5と、前記防湿層5の上に設けられた封止層6と、を有する。第2実施形態において、図示のように、中間層4の下面は、有機EL素子3の第2電極32の上面に直接接着され、且つ、中間層4の上面は、吸湿層7の下面に直接接着されている。
第3実施形態の有機EL装置1は、図5に示すように、下側から順に、支持基板2と、前記支持基板2の上に設けられた有機EL素子3と、前記有機EL素子3の上に設けられたキャップ層8と、前記キャップ層8上に設けられた中間層4と、前記中間層4上に設けられた防湿層5と、前記防湿層5の上に設けられた封止層6と、を有する。第3実施形態において、図示のように、中間層4の下面は、キャップ層8の上面に直接接着され、且つ、中間層4の上面は、防湿層5の下面に直接接着されている。
第4実施形態の有機EL装置1は、図6に示すように、下側から順に、支持基板2と、前記支持基板2の上に設けられた有機EL素子3と、前記有機EL素子3の上に設けられたキャップ層8と、前記キャップ層8上に設けられた中間層4と、前記中間層4の上に設けられた吸湿層7と、前記吸湿層7上に設けられた防湿層5と、前記防湿層5の上に設けられた封止層6と、を有する。第4実施形態において、図示のように、中間層4の下面は、キャップ層8の上面に直接接着され、且つ、中間層4の上面は、吸湿層7の下面に直接接着されている。
なお、上記各実施形態の有機EL装置1において、中間層4は、有機層33の上面に接触しないように積層されているが、これに限定されず、中間層4が第2電極32の上面及び有機層33の上面に跨がって設けられていてもよい。
また、上記各実施形態の有機EL装置1において、防湿層5は、有機EL素子3の端面側を覆うように設けられているが、これに限定されず、防湿層5が、有機EL素子3の上面側のみを覆うように設けられていてもよい。同様に、吸湿層7や封止層6についても、上記各実施形態においては、有機EL素子3の端面側を覆うように設けられているが、有機EL素子3の上面側のみを覆うように設けられていてもよい。なお、前記端面は、厚み方向の面であり、厚み面又は周面とも呼ばれる。
さらに、上記各実施形態の有機EL装置1は、それぞれ封止層6を有するが、この封止層を省略してもよい。
<支持基板>
前記支持基板2は、シート状物であり、好ましくは、フレキシブルなシート状物である。 前記支持基板2は、透明又は不透明の何れでもよい。ただし、ボトムエミッション型の有機EL装置を構成する場合には、透明な支持基板が用いられる。トップエミッション型の有機EL装置を構成する場合には、透明な支持基板又は不透明の支持基板の何れを用いてもよい。なお、前記透明は、無色透明又は有色透明を意味する。前記透明の指標としては、例えば、全光線透過率70%以上、好ましくは80%以上が例示できる。ただし、前記全光線透過率は、JIS K 7361(プラスチック−透明材料の全光線透過率の試験方法)に準拠した測定法によって測定される。
前記支持基板2は、水分や酸素などの侵入を防止できるガスバリア性に優れている基板を用いることが好ましい。例えば、支持基板2は、例えば、金属シート、樹脂シート、ガラスシート、セラミックシートなどから適宜選択して用いることができる。なお、本明細書において、シートとは、一般にフィルムと呼ばれるものを含む。前記金属シートは、特に限定されないが、例えば、ステンレス、銅、チタン、アルミニウム、合金などからなるフレキシブルな薄板が挙げられる。前記金属シートの厚みは、例えば、10μm〜100μmである。前記樹脂シートは、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系樹脂;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテン(PMP)、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のα−オレフィンをモノマー成分とするオレフィン系樹脂;ポリ塩化ビニル(PVC);酢酸ビニル系樹脂;ポリカーボネート(PC);ポリフェニレンスルフィド(PPS);ポリアミド(ナイロン)、全芳香族ポリアミド(アラミド)等のアミド系樹脂;ポリイミド系樹脂;ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などからなるフレキシブルな合成樹脂シートが挙げられる。前記樹脂シートの厚みは、特に限定されないが、例えば、10μm〜200μmである。良好なガスバリア性を付与できることから、前記樹脂シートの少なくとも一方面に公知のガスバリア層が積層されていてもよい。
また、駆動時に有機EL装置の温度上昇を防止するため、前記支持基板2は、放熱性に優れていることが好ましい。なお、支持基板2として、金属シートなどの導電性基板を用いる場合には、対面する電極に対して絶縁するため、前記支持基板2の上面に絶縁層が設けられる(図示せず)。
<有機EL素子>
前記有機EL素子3は、図2乃至図6に示すように、端子31aを有する第1電極31と、端子32aを有する第2電極32と、前記両電極31,32の間に設けられた有機層33と、を有する。両端子31a,32aは、外部電源のリード線を接続する部分である。両端子31a,32aから有機層33に電荷が供給されることにより、発光層が発光する。
例えば、前記第1電極31の端子31aは、図1に示すように、前記有機層33を基準にして第1方向第1側に配設され、且つ、第2電極32の端子32aは、第1方向第2側に配設されている。前記第1側と第2側は、相反する側である。両端子31a,32aは、それぞれ支持基板2の第2方向に延びて設けられている。前記キャップ層8、中間層4、吸湿層7、防湿層5及び封止層6などは、これらの端子31a,32aを除いて、有機EL素子3の上面側に設けられている。
具体的には、前記有機EL素子3は、例えば、平面略長方形状に形成されている。もっとも、有機EL素子3の平面形状は、略長方形状に限られず、例えば、略正方形状又は円形状などに形成されていてもよい。
前記有機EL素子3の有機層33は、発光層を含み、必要に応じて、正孔輸送層及び電子輸送層などの各種機能層を有する。有機層33の層構成は、後述する。
第1電極31の端子31aを形成するため、有機層33は、第1電極31の端子31aを除いて、第1電極31の上面上に積層されている。
また、有機層33の上面上には、有機層33の上面を被覆するように第2電極32が積層されている。もっとも、第2電極32の端子32aを形成するため、第2電極32の端部(端子32a)は、有機層33の端部から第2側に延出されている。
前記第1電極31は、陽極又は陰極のいずれでもよい。例えば、第1電極31は陽極である。
前記第1電極(陽極)の形成材料は、特に限定されないが、例えば、インジウム錫酸化物(ITO);酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(ITSO);アルミニウム;金;白金;ニッケル;タングステン;銅;合金;などが挙げられる。ボトムエミッション型の有機EL装置を構成する場合には、透明な第1電極が用いられる。
第1電極31の厚みは、特に限定されないが、通常、10nm〜1.0μmであり、好ましくは50nm〜200nmである。
第1電極の形成方法は、その形成材料に応じて最適な方法を採用できるが、スパッタ法、真空蒸着法、インクジェット法などが挙げられる。
有機層33は、少なくとも2つの層からなる積層構造である。ただし、有機層の積層構造は図示しない。有機層33の構造としては、例えば、(A)正孔輸送層、発光層及び電子輸送層の、3つの層からなる構造、(B)正孔輸送層及び発光層の、2つの層からなる構造、(C)発光層及び電子輸送層、の2つの層からなる構造、などが挙げられる。
前記(B)の有機層は、発光層が電子輸送層を兼用している。前記(C)の有機層は、発光層が正孔輸送層を兼用している。
本発明に用いられる有機層は、前記(A)〜(C)の何れの構造であってもよい。
以下、第1電極が陽極である場合の、前記(A)の構造を有する有機層について説明する。
正孔輸送層は、第1電極の上面に設けられる。もっとも、有機EL素子3の発光効率を低下させないことを条件として、第1電極と正孔輸送層の間にこれら以外の任意の機能層が介在されていてもよい。
例えば、正孔注入層が、第1電極の上面に設けられ、その正孔注入層の上面に正孔輸送層が設けられていてもよい。正孔注入層は、陽極層から正孔輸送層へ正孔の注入を補助する機能を有する層である。
正孔輸送層の形成材料は、正孔輸送機能を有する材料であれば特に限定されない。正孔輸送層の形成材料としては、4,4’,4”−トリス(カルバゾール−9−イル)−トリフェニルアミン(略称:TcTa)などの芳香族アミン化合物;1,3−ビス(N−カルバゾリル)ベンゼンなどのカルバゾール誘導体;N,N’−ビス(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン(略称:α-NPD)、N,N’−ビス(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ビス(フェニル)−9,9’−スピロビスフルオレン(略称:Spiro−NPB)などのスピロ化合物;高分子化合物;などが挙げられる。正孔輸送層の形成材料は、1種単独で又は2種以上を併用してもよい。また、正孔輸送層は、2層以上の多層構造であってもよい。
正孔輸送層の厚みは、特に限定されないが、駆動電圧を下げるという観点から、1nm〜100nmが好ましい。
発光層は、正孔輸送層の上面に設けられる。
発光層の形成材料は、発光性を有する材料であれば特に限定されない。発光層の形成材料としては、例えば、低分子蛍光発光材料、低分子燐光発光材料などの低分子発光材料を用いることができる。
低分子発光材料としては、例えば、4,4’−ビス(2,2’−ジフェニルビニル)−ビフェニル(略称:DPVBi)などの芳香族ジメチリデン化合物;5−メチル−2−[2−[4−(5−メチル−2−ベンゾオキサゾリル)フェニル]ビニル]ベンゾオキサゾールなどのオキサジアゾール化合物;3−(4−ビフェニルイル)−4−フェニル−5−t−ブチルフェニル−1,2,4−トリアゾールなどのトリアゾール誘導体;1,4−ビス(2−メチルスチリル)ベンゼンなどのスチリルベンゼン化合物;ベンゾキノン誘導体;ナフトキノン誘導体;アントラキノン誘導体;フルオレノン誘導体;アゾメチン亜鉛錯体、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq)などの有機金属錯体;などが挙げられる。
また、発光層の形成材料として、ホスト材料中に発光性のドーパント材料をドープしたものを用いてもよい。
前記ホスト材料としては、例えば、上述の低分子発光材料を用いることができ、これ以外に、1,3,5−トリス(カルバゾ−9−イル)ベンゼン(略称:TCP)、1,3−ビス(N−カルバゾリル)ベンゼン(略称:mCP)、2,6−ビス(N−カルバゾリル)ピリジン、9,9−ジ(4−ジカルバゾール−ベンジル)フルオレン(略称:CPF)、4,4’−ビス(カルバゾール−9−イル)−9,9−ジメチル−フルオレン(略称:DMFL−CBP)などのカルバゾール誘導体などを用いることができる。
前記ドーパント材料としては、例えば、スチリル誘導体;ペリレン誘導体;トリス(2−フェニルピリジル)イリジウム(III)(Ir(ppy))、トリス(1−フェニルイソキノリン)イリジウム(III)(Ir(piq))、ビス(1−フェニルイソキノリン)(アセチルアセトナト)イリジウム(III)(略称:Ir(piq)(acac))などの有機イリジウム錯体などの燐光発光性金属錯体;などを用いることができる。
さらに、発光層の形成材料には、上述の正孔輸送層の形成材料、後述の電子輸送層の形成材料、各種添加剤などが含まれていてもよい。
発光層の厚みは、特に限定されないが、例えば、2nm〜100nmが好ましい。
電子輸送層は、発光層の上面に設けられる。もっとも、有機EL素子の発光効率を低下させないことを条件として、第2電極と電子輸送層の間にこれら以外の任意の機能層が介在されていてもよい。
例えば、電子注入層が、電子輸送層の上面に設けられ、電子注入層の上面に、第2電極が設けられていてもよい。電子注入層は、前記第2電極から電子輸送層へ電子の注入を補助する機能を有する層である。
電子輸送層の形成材料は、電子輸送機能を有する材料であれば特に限定されない。電子輸送層の形成材料としては、例えば、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(略称:BAlq)などの金属錯体;2,7−ビス[2−(2,2’−ビピリジン−6−イル)−1,3,4−オキサジアゾ−5−イル]−9,9−ジメチルフルオレン(略称:Bpy−FOXD)、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、2,2’,2’'−(1,3,5−フェニレン)−トリス(1−フェニル−1H−ベンズイミダゾール)(略称:TPBi)などの複素芳香族化合物;ポリ(2,5−ピリジン−ジイル)(略称:PPy)などの高分子化合物;などが挙げられる。電子輸送層の形成材料は、1種単独で又は2種以上を併用してもよい。また、電子輸送層は、2層以上の多層構造であってもよい。
電子輸送層の厚みは、特に限定されないが、駆動電圧を下げるという観点から、1nm〜100nmが好ましい。
前記正孔輸送層、発光層及び電子輸送層などの形成方法は、その形成材料に応じて最適な方法を採用できるが、例えば、スパッタ法、真空蒸着法、インクジェット法、コート法などが挙げられる。
第2電極32は、陰極又は陽極の何れでもよい。例えば、第2電極32は陰極である。
前記第2電極の形成材料は、特に限定されないが、トップエミッション型の有機EL素子3を構成する場合には、透明な第2電極が用いられる。透明及び導電性を有する第2電極の形成材料としては、インジウム錫酸化物(ITO);酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(ITSO);アルミニウムなどの導電性金属を添加した酸化亜鉛(ZnO:Al);マグネシウム−銀合金などが挙げられる。第2電極32の厚みは、特に限定されないが、通常、10nm〜1.0μmであり、好ましくは50nm〜200nmである。
前記第1電極の上面上に、その端子を除いて、有機層を形成する。前記第1電極の上面に、例えば、正孔輸送層、発光層及び電子輸送層などを順に形成することによって、有機層を形成できる。通常、これらは、真空蒸着法によって形成される。
前記第2電極の形成方法は、その形成材料に応じて最適な方法を採用できるが、例えば、スパッタ法、真空蒸着法、インクジェット法などが挙げられる。
<キャップ層>
キャップ層8は、有機EL層における光取り出し(アウトカップリング)設計に用いられる層である。また、第2電極を含む有機EL素子を保護するための層としても機能する。特に、前記中間層4を第2電極32の上面に直接形成すると、その形成時に、中間層4の形成材料が第2電極32に直接当たってその電極に悪影響を与えるおそれがある。
キャップ層8の形成材料は、特に限定されないが、例えば、特許文献1に記載のような化合物を用いることができる。例えば、キャップ層は、4,4’,4”−トリス(カルバゾール−9−イル)−トリフェニルアミン(略称:TcTa)などの芳香族アミン化合物;N,N’−ビス(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ビス(フェニル)−9,9’−スピロビスフルオレン(略称:Spiro−NPB)などのスピロ化合物;三酸化モリブデン(MoO)や五酸化二バナジウム(V)などの無機化合物;などを用いて形成できる。
前記キャップ層の形成方法は、その形成材料に応じて最適な方法を採用できるが、例えば、スパッタ法、真空蒸着法などが挙げられる。
<中間層>
中間層4は、有機EL素子3と防湿層5の間に介在され、防湿層5などにクラックが生じることを防止する層である。
中間層4は、下記式(1)で表される化合物を含んでいる。以下、式(1)で表される化合物に含まれるものを、特定化合物という場合がある。
式(1)において、nは、4以上の整数を表し、X及びYは、それぞれ独立して、ベンゼン環を含むエンドキャップ基を表す。
式(1)のnは、4以上であれば特に限定されないが、余りにn数が多いと(つまり、ベンゼン環数が多いと)、特定化合物が配向し難いおそれがある。かかる観点から、式(1)のnは、12以下が好ましく、8以下がより好ましく、6以下がさらに好ましく、5以下が最も好ましい。
式(1)のX及びYは、その構造中にベンゼン環を含んでいることを条件として、同じでもよく、或いは、互いに異なっていてもよい。
前記X及びYは、ベンゼン環が単独の形態で含まれていてもよく、或いは、ナフタレンやアントラセンなどのように2以上のベンゼン環が縮合した形態で含まれていてもよい。
好ましくは、前記X及びYは、それぞれ独立して、ベンゾイミダゾール基、ナフチル基又はフェニル基を含む。
例えば、前記式(1)のX及びYは、それぞれ独立して、下記式群(2)で表される何れかである。
式群(2)において、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素、又は、置換若しくは無置換のアリール基を表す。
前記アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、及び、フェナントレニル基などが挙げられる。
前記置換若しくは無置換は、置換基を有する若しくは置換基を有さないという意味である。
前記アリール基が置換基を有する場合、その置換基としては、ハロゲノ基、ニトロ基、シアノ基、ジヒドロキシプロピル基、フェニルアミノ基、−OM、−COOM、−SOM、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルアミノ基、炭素数1〜6のアシルアミノ基などが挙げられる。
式群(2)のエンドキャップ基の具体例は、例えば、下記式群(3)で表される。
式群(2)及び(3)において、A、B及びDは、それぞれ独立して、置換基を表し、添え字aは、前記Aの置換数である0〜4の整数を表し、添え字bは、前記Bの置換数である0〜7の整数を表し、添え字dは、前記Dの置換数である0〜5の整数を表す。なお、a、b又はdが零の場合には、A、B又はDを有さない(つまり、全て水素原子である)。
例えば、前記A、B及びDは、それぞれ独立して、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のチオアルキル基、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基、炭素数1〜6のアルキルアミノ基、炭素数1〜6のカルボン酸アミド基、ハロゲノ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、アセトアミド基、カルボン酸基、水酸基、又は、−CONH基を表す。
好ましくは、中間層4は、下記式(4)で表される特定化合物を含む。
式(4)において、nは、式(1)と同様であり、好ましくは、4〜8の整数である。また、式(4)において、R及びRは、式群(2)と同様であり、A及びB並びに添え字a及びbも、式群(2)と同様である。
具体的には、中間層4は、下記式群(5)及び(6)で表される何れかの特定化合物を含んでいる。
式群(5)において、R及びRは、式群(2)と同様であり、式群(5)及び(6)において、A及びB並びに添え字a及びbも、式群(2)と同様である。
中間層は、実質的に特定化合物のみからなることが好ましいが、特定化合物を含んでいることを条件として、他の成分を含んでいてもよい。
中間層が特定化合物以外の成分を含む場合、その成分の量は、中間層の10体積%以下であり、好ましくは5体積%以下である。
ここで、本明細書において、「実質的に〜のみからなる」とは、不可避的に含まれる程度の微量のその他の成分の混入は許容され、有意な量の混入は除外されるという意味である。
中間層の厚みは、特に限定されないが、例えば、10nm〜300nmであり、好ましくは30nm〜200nmである。
中間層の形成方法は、適宜最適な方法を採用できるが、例えば、真空蒸着法などが挙げられる。
<吸湿層>
吸湿層7は、水分を吸収する性質(吸湿性)を有する層である。吸湿層7の形成材料は、吸湿性を有する成分が含まれていれば特に限定されない。以下、吸湿性を有する成分を「吸湿成分」という。前記吸湿成分としては、例えば、ホウ素化合物;硫化物;アルカリ金属又はアルカリ土類金属の酸化物;アルカリ金属又はアルカリ土類金属のフッ化物、硫酸塩、ハロゲン化物、リン酸塩又は過塩素酸塩;などが挙げられる。
真空蒸着法を用いて容易に吸湿層を形成することができることから、吸湿成分は、ホウ素化合物及び硫化物の少なくとも一方が好ましく、ホウ素化合物又は硫化物がより好ましい。
前記ホウ素化合物は、その分子中にホウ素原子が含まれている化合物であり、例えば、ホウ素の酸化物、ホウ素の酸素酸、ホウ素の臭化物などが挙げられる。前記ホウ素の酸化物としては、酸化ホウ素(B)が挙げられる。前記ホウ素の酸素酸は、ホウ素原子を中心原子とする酸素酸又はその塩である。ホウ素の酸素酸としては、例えば、オルトホウ酸、メタホウ酸、次ホウ酸、四ホウ酸、五ホウ酸、及びそれらのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩などが挙げられる。前記ホウ素の臭化物としては、三臭化ホウ素(BBr)が挙げられる。これらの中では、吸湿性に優れていることから、酸化ホウ素が好ましい。また、酸化ホウ素は、透明性にも優れているので、トップエミッション型の有機EL装置の吸湿層7の形成材料として好適である。
前記硫化物としては、硫化亜鉛などが挙げられる。
アルカリ金属又はアルカリ土類金属としては、Li、Na、K、Rb、Cs、Fr、Be、Mg、Ca、Sr、Baなどが挙げられる。アルカリ金属又はアルカリ土類金属の酸化物としては、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化マグネシウムなどが挙げられる。アルカリ金属などのフッ化物としては、フッ化リチウム、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、フッ化ナトリウムなどが挙げられる。アルカリ金属などの硫酸塩としては、硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウムなどが挙げられる。アルカリ金属などのハロゲン化物としては、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、臭化カルシウムなどが挙げられる。アルカリ金属などのリン酸塩としては、リン酸カルシウムなどが挙げられる。アルカリ金属などの過塩素酸塩としては、過塩素酸バリウム、過塩素酸マグネシウムなどが挙げられる。
前記吸湿層は、実質的に吸湿成分のみからなることが好ましいが、吸湿成分を含んでいることを条件として、吸湿性を有さない成分が含まれていてもよい。
吸湿層7が吸湿性を有さない成分を含む場合、その成分の量は、吸湿層7の10体積%以下であり、好ましくは5体積%以下である。
吸湿層の厚みは特に限定されず、例えば、5nm〜500nmであり、好ましくは、20nm〜200nmであり、より好ましくは、30nm〜200nmである。
<防湿層>
防湿層5は、有機EL素子3に水分などが侵入することを防止する性質(防湿性)を有する層である。防湿層5の形成材料は、防湿性を有する成分が含まれていれば特に限定されない。以下、防湿性を有する成分を「防湿成分」という。前記防湿成分としては、例えば、金属又は半金属を含む化合物などが挙げられる。前記金属としては、例えば、上記のアルカリ金属、アルカリ土類金属の他、これら以外の金属が挙げられる。アルカリ金属及びアルカリ土類金属以外の金属としては、チタン、アルミニウム、亜鉛、ガリウム、インジウム、マグネシウムなどが挙げられる。半金属としては、ケイ素、ゲルマニウム、ヒ素、アンチモンなどが挙げられる。防湿層内におけるネットワーク構造(網目状の構造)を緻密に形成でき、水蒸気及び酸素などのガスバリア性の向上できることから、前記防湿成分は、炭素及び窒素の少なくとも何れか一方を含むことが好ましい。さらに、透明性に優れた防湿層を形成できることから、前記防湿成分は、酸素を含むことが好ましい。
従って、前記防湿成分は、金属又は半金属の窒化物、金属又は半金属の炭化物、金属又は半金属の酸化窒化物、金属又は半金属の酸化炭化物、金属又は半金属の炭化窒化物及び金属又は半金属の酸化炭化窒化物から選ばれる少なくとも1種が好ましく、金属又は半金属の酸化窒化物、金属又は半金属の酸化炭化物、金属又は半金属の炭化窒化物及び金属又は半金属の酸化炭化窒化物から選ばれる少なくとも1種がより好ましい。例えば、防湿成分としては、ケイ素の窒化物、ケイ素の酸化窒化物、ケイ素の酸化炭化物、ケイ素の炭化窒化物及びケイ素の酸化炭化窒化物から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。ケイ素の窒化物、酸化窒化物、炭化窒化物及び酸化炭化窒化物は、それぞれ窒化ケイ素、酸化窒化ケイ素、炭化窒化ケイ素、酸化炭化窒化ケイ素が挙げられる。
前記防湿層は、実質的に防湿成分のみからなることが好ましいが、防湿成分を含んでいることを条件として、他の成分が含まれていてもよい。
防湿層が他の成分を含む場合、その成分の量は、防湿層5の10体積%以下であり、好ましくは5体積%以下である。
防湿層の厚みは特に限定されず、例えば、50nm〜2000nmであり、好ましくは、100nm〜1000nmである。
前記防湿層の形成方法は、その形成材料に応じて最適な方法を採用できるが、例えば、真空蒸着法などが挙げられる。
<封止層>
封止層6は、水分の侵入を防止すると共に、防湿層5を保護する層である。
封止層6の形成材料は、防湿性を有するものが好ましい。例えば、封止層として、エチレンテトラフルオロエチル共重合体(ETFE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、延伸ポリプロピレン(OPP)、ポリスチレン(PS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、延伸ナイロン(ONy)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド、ポリエーテルスチレン(PES)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などの合成樹脂フィルムなどを用いることができる。
封止層の厚みは、特に限定されないが、前記のような合成樹脂フィルムを用いる場合には、その厚みは、例えば、10μm〜50μmである。
また、封止層は、好ましくは透明であり、より好ましくは無色透明である。このような封止層は、その形成材料及び厚みを適宜変更することにより形成することができる。
封止層が合成樹脂フィルムの場合、その封止層6は接着剤を用いて防湿層5の上面に接着される。前記接着剤としては、例えば、熱硬化型接着剤又は光硬化型接着剤を用いることができる。熱硬化型接着剤としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、又はメラミン樹脂などを主成分とする接着剤が挙げられる。光硬化型接着剤としては、代表的には、紫外線硬化型の接着剤を用いることができる。
[有機EL装置の製造方法]
本発明の有機EL装置は、従来に準じて作製することができる。
簡単に説明すると、支持基板の上面に、例えば、真空蒸着法などで、第1電極、有機層及び第2電極を順次積層して有機EL素子を形成する。必要に応じて、その有機EL素子の上面に、真空蒸着法などでキャップ層を形成する。前記有機EL素子の上面(キャップ層が形成されている場合には、キャップ層の上面)に、真空蒸着法などで、中間層を形成する。必要に応じて、その中間層の上面に、真空蒸着法などで吸湿層を形成する。前記中間層の上面(吸湿層が形成されている場合には、吸湿層の上面)に、プラズマ真空蒸着法などで、防湿層を形成する。必要に応じて、その防湿層の上面に、封止層を積層する。このようにして、上記第1乃至第4実施形態の有機EL装置を得ることができる。
本発明の有機EL装置は、ロールツーロール方式又はバッチ方式のいずれでも作製できる。ロールツーロール方式は、長尺帯状の支持基板を製造ラインに搬送している間に、その支持基板に有機EL素子などを複数連続的に形成する方式である。バッチ方式は、枚葉状の支持基板に1つの有機EL素子などを形成する方式である。
[本発明の有機EL装置の用途及び効果]
本発明の有機EL装置は、照明装置やディスプレイ装置などとして利用できる。例えば、本発明の有機EL装置をそのまま照明装置として利用することができ、或いは、有機EL装置に任意の装飾部材又は機能部材を組み合わせて照明装置として利用することができる。
上記有機EL装置は、第1電極の端子及び第2電極の端子に、外部電源に繋がった配線部材を接続して通電することにより、発光層の発光領域が発光する。
本発明の有機EL装置は、可撓性を有するので、任意の曲面に取り付けて使用できる。また、前記有機EL装置は、曲面に取り付け且つ取り外しを繰り返しながら使用することもできる。
本発明の有機EL装置は、長期間使用しても、発光面積の減少や輝度低下などを生じ難く、安定的に発光し得る。これは、前記特定化合物を含む中間層を、有機EL素子と防湿層の間に介在させたためである。前記中間層が有機EL装置の発光特性の低下を防止する理由は、明確ではないが、本発明者らは次の2つのうちの何れか一方又は双方ではないかと推定している。
第1の推定事項は、弾性率差に関する。すなわち、有機EL装置を湾曲させると、有機EL素子や防湿層に曲げ応力が加わる。防湿層の弾性率と第2電極の弾性率は、通常、同じではなく、その弾性率差によって、防湿層などに部分的に曲げ応力が加わる。この曲げ応力が強く加わった箇所でクラックなどが生じ、そのクラックから水分が侵入し、有機EL素子の発光層が劣化する。この点、前記特定化合物を含む中間層を有機EL素子と防湿層の間に介在させることにより、有機EL素子の第2電極と防湿層との弾性率差を中間層が緩和すると推定される。その結果、前記曲げ応力が部分的に加わり難くなり、防湿層などにクラックなどが発生することを防止できる。
第2の推定事項は、特定化合物の配向に関する。すなわち、式(1)で表される特定化合物は、両端のエンドキャップ基の間に、n個(4個以上)のベンゼン環が連結した部分を有する。この4個以上のベンゼン環が連なった部分は、1つの方向に延びている。この方向を特定化合物の長軸という。その特定化合物の長軸が第2電極の上面と略平行な状態となって、特定化合物が配向することにより、中間層が構成されていると推定される。さらに、前記4個以上のベンゼン環が成す平面も第2電極の上面と略平行な状態となって、特定化合物が配向していると推定される。或いは、エンドキャップ基に含まれるベンゼン環が成す平面が第2電極の上面と略平行な状態となって、特定化合物が配向していると推定される。このように特定化合物が中間層内で配向していることにより、防湿層などにクラックなどが発生することを防止できる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をさらに説明する。ただし、本発明は、下記実施例のみに限定されない。
[実施例1]
下記式(a)で表される化合物を、図7に示す手順で合成した。
縦100mm、横30mm、厚み50μmのステンレス基板(SUS304)の上面に、アクリル樹脂(JSR(株)製、商品名「JEM−477」)を塗工することにより、厚み3μmの絶縁層を形成した。この絶縁層を有するステンレス基板を支持基板として用いた。
この支持基板の上面に、アルミニウムを厚み80nmで真空蒸着することにより、陽極を形成した。次に、前記陽極の上面に、HAT−CN(1,4,5,8,9,12−ヘキサアザトリフェニレンヘキサカルボニトリル)を厚み10nmで真空蒸着することにより、正孔注入層を形成した。この正孔注入層の上面に、NPB(N,N’−ビス(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ビス(フェニル)−ベンジジン)を厚み50nmで真空蒸着することにより、正孔輸送層を形成した。この正孔輸送層の上面に、Alq(トリス(8−キノリノラト)アルミニウム)を厚み50nmで真空蒸着することにより、発光層を形成した。この発光層の上面に、フッ化リチウムを厚み1nmで真空蒸着することにより、電子注入層を形成した。この電子注入層の上面に、Mg(マグネシウム)とAg(銀)を共蒸着することにより、厚み5nm/15nmのMg/Agからなる陰極を形成した。さらに、この陰極の上面に、下記式(a)で表される化合物を厚み80nmで真空蒸着することにより、中間層を形成した。これらの一連の真空蒸着は、MBraun社製の真空蒸着機を用いて行った。なお、有機EL素子を、100mm×30mmの支持基板の上面の略全面に形成した。
次に、中間層まで形成した支持基板を前記真空蒸着機から取り外し、ヒラノ光音(株)製のプラズマアシスト蒸着装置のキャンロールに貼り付けた。このキャンロールは、半径310mmの円柱状であり、支持基板の短手方向がドラムの周方向となるようにして支持基板の下面をドラムの周面に貼り付けた。このプラズマアシスト蒸着装置を用いて、前記中間層の上面に、SiON(酸化窒化ケイ素)を厚み400nmでプラズマアシスト真空蒸着することにより、防湿層を形成した。プラズマ源として圧力勾配型プラズマガンを用い、蒸発源としてケイ素粒子を用い、反応ガスとして窒素(N)と酸素(O)を用いた。
このようにしてトップエミッション型の有機EL装置を作製した。
(実施例1の有機EL装置の構成)
防湿層:厚み400nmのSiON
中間層:厚み80nm
陰極:厚み5nm/15nmのMg/Ag
電子注入層:厚み1nmのLiF
発光層:厚み50nmのAlq
正孔輸送層:厚み50nmのNPB
正孔注入層:厚み10nmのHAT−CN
陽極:厚み80nmのAl
支持基板:絶縁層付きステンレス基板
[実施例2]
中間層の形成材料として、下記式(b)で表される化合物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、有機EL装置を作製した。この化合物は、US2011/0251401A1(Appl.No.US13/166246)に開示の方法に従い得ることができる。
[比較例1]
中間層の形成材料として、下記式(c)で表される化合物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、有機EL装置を作製した。この化合物は、US2011/0140093A1(Appl.No.US13/033473)に開示の方法に従い得ることができる。
[比較例2]
中間層の形成材料として、下記式(d)で表されるTPBi(Luminescence Technology社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、有機EL装置を作製した。
[比較例3]
中間層の形成材料として、下記式(e)で表されるNPB(Luminescence Technology社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、有機EL装置を作製した。
[有機EL装置の評価]
各実施例及び比較例の有機EL装置を、それぞれプラズマアシスト蒸着装置のドラムから取り外した後、図8に示すように、それぞれ半径310mmの円柱状のドラムに、粘着テープを用いて貼り付けた。なお、支持基板の短手方向がドラムの周方向となるようにして有機EL装置を貼り付けた。貼り付け後、40分間放置した後、その有機EL装置をドラムから引き剥がした。図9は、剥がした後の各実施例及び比較例の有機EL装置を上面側から撮影した写真図である。
図9から明らかなように、実施例1及び2の有機EL装置は、クラックや浮き上がりなどが生じることなく、良好な状態であった。一方、比較例1乃至3の有機EL装置は、複数のクラックや部分的な浮き上がりなどが生じ、かかる有機EL装置は、発光不良を生じることは明らかであった。
本発明の有機EL装置は、例えば、照明装置、画像表示装置などとして利用できる。
1 有機EL装置
2 支持基板
3 有機EL素子
4 中間層
5 防湿層
6 封止層
7 吸湿層
8 キャップ層

Claims (6)

  1. 下側から順に、支持基板と、有機エレクトロルミネッセンス素子と、防湿層と、を有し、
    前記有機エレクトロルミネッセンス素子と防湿層の間に、下記式(1)で表される化合物を含む中間層が設けられている、有機エレクトロルミネッセンス装置。
    nは、4以上の整数を表し、X及びYは、それぞれ独立して、ベンゼン環を含むエンドキャップ基を表す。
  2. 前記式(1)のX及びYが、それぞれ独立して、下記式群(2)で表される何れかである、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
    、R及びRは、それぞれ独立して、水素、又は、置換若しくは無置換のアリール基を表し、A、B及びDは、それぞれ独立して置換基を表し、添え字aは、前記Aの置換数である0〜4の整数を表し、添え字bは、前記Bの置換数である0〜7の整数を表し、添え字dは、前記Dの置換数である0〜5の整数を表す。
  3. 前記式(1)のnが、4〜8の整数である、請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
  4. 前記有機エレクトロルミネッセンス素子と前記中間層の間に、キャップ層が設けられている、請求項1乃至3にいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
  5. 前記中間層と防湿層の間に、吸湿層が設けられている、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
  6. 前記防湿層の上面に、封止層が設けられている、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
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