JP2013098103A - 有機発光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】有機発光装置において、空気と基板の界面での全反射により基板内に閉じ込められる光を効率よく空気側へ取り出すことを目的とする。
【解決手段】透明電極と、対向電極と、前記透明電極及び前記対向電極に挟まれて位置する発光層と、前記発光層側と反対側の表面から外部へ前記発光層からの光を出射する前面基板と、前記発光層からの光を反射する拡散反射体と、を有する有機発光装置において、拡散反射体を前記前面基板の側面や表面の所定の位置に設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、有機発光装置、有機発光装置を用いた光源装置に関する。
従来例として、特許文献1には次のような技術が開示されている。即ち、透明基板内を光が導波して、光が透明基板の側面から漏れたり、素子内部で消滅したりすることを防ぐことができ、光の取り出し効率の高い有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することを目的とし、2つの電極間に有機発光層を設けて形成され、両電極間に電圧を印加することによって有機発光層を発光させる発光部を有する有機エレクトロルミネッセンス素子に関し、2つの電極のうち透明な電極を透明基板の表面に形成し、発光部の周囲の位置において透明基板の内部又は端部に光反射部を設け、発光部から発光した光が透明基板の表面と空気との界面で全反射して透明基板内を導波しても、この導波光を光反射部で反射して透明基板の表面から取り出すことができる有機EL発光素子である。
又、特許文献2には次のような技術が開示されている。即ち、有機薄膜EL素子の鏡面性電極が素子の非発光時においても鏡面として視認されにくい有機薄膜EL装置を提供することを目的とし、素子透明基板と、この透明基板の一主表面上に形成された透明性電極の上に少なくとも有機発光層を介在させて鏡面性電極を積層した積層体を備えた有機薄膜EL素子と、透明基板の側面の一部を除いて透明基板と有機薄膜EL素子を覆う反射手段とを有し、有機薄膜EL素子から発せられた光が透明基板の側面のうちで反射手段によって覆われていない部分から外部に出射される有機薄膜EL装置である。
特開2004−146121号公報 特開平8−138870号公報
しかしながら、特許文献1に記載の構成では、基板の側面及び内部のみに反射体を形成しているため、反射体で反射した光の一部は基板の前方へ出射し、光取り出し効率の向上に寄与するが、他方で一部は基板の後方へ伝搬してしまい、そのまま損失となるため、基板に閉じ込められる光を効率よく取り出すことが難しい。また、特許文献2に記載の構成では、光を側面のみに取り出すため、装置内部での伝搬に伴う多重反射損失が大きく、十分な光量を外部に取り出すことが難しい。
本発明は空気と基板の界面での全反射により基板内に閉じ込められる光を効率よく空気側へ取り出すことを目的とする。
上記課題を解決するための本発明の特徴は、以下の通りである。透明電極と、対向電極と、前記透明電極及び前記対向電極に挟まれて位置する発光層と、前記発光層側と反対側の表面から外部へ前記発光層からの光を出射する前面基板と、前記発光層からの光を反射する拡散反射体と、を有する有機発光装置において、拡散反射体を前記前面基板の側面や表面の所定の位置に設ける。
本発明により、有機発光装置及びこれを用いた光源装置において、空気と基板の界面での全反射により基板内に閉じ込められる光を効率よく空気側へ取り出すことができる。上記した以外の課題、構成及び効果は以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の実施形態の一例を示す有機発光装置の図。 図1に示す有機発光装置の比較対象として、従来例相当の構成における光伝搬を説明した図。 本発明の実施の形態の他の一例を示す図。 本発明の一実施例に係る有機発光装置の積層構造例の要部断面図。 本発明の一実施例に係る有機発光装置の積層構造例の要部断面図。 本発明の一実施例に係る有機発光装置の積層構造例の要部断面図。
以下、図面等を用いて、本発明の実施形態について説明する。以下の実施形態は本願発明の内容の具体例を示すものであり、本願発明がこれらの実施形態に限定されるものではなく、本明細書に開示される技術的思想の範囲内において当業者による様々な変更および修正が可能である。また、実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有するものは、同一の符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
図1は本発明の実施形態の一例を示す有機発光装置の図である。図2は図1に示す有機発光装置の比較対象として、従来例相当の構成における光伝搬を説明した図である。前面基板1の表面に透明電極2を陽極として設け、透明電極2の表面に有機発光層3を積層し、さらにこの有機発光層3の表面に対向電極4を陰極として設け、これを基本構成として有機発光素子を形成する。
有機発光素子を構成する各層の材料には、従来から使用されている公知のものを適宜使用することができる。
[前面基板]
上記の前面基板1としては、ソーダライムガラス、無アルカリガラス等の透明ガラス板、アクリル樹脂、PET樹脂、PEN樹脂、シクロオレフィン樹脂、オレフィン樹脂、カーボネート樹脂、ナイロン樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリイミド樹脂、ポリサルフォン樹脂等などの透明プラスチック板などを用いることができる。前面基板1は光透過性であればよく、無色透明の他に多少着色されているものであってもよい。特に、380nm〜780nmの波長範囲の光を透過させるものが望ましい。また前面基板1の屈折率は特に限定されるものではないが、1.6以上のものが好ましい、屈折率が1.6以上の前面基板1を用いることにより、透明電極2と前面基板1との屈折率段差界面で生じる全反射を抑えることができ、透明電極2内で導波して失われる光を前面基板1へ取り出すことができ、基板に閉じ込められる光を空気へ取り出すという本発明の効果を更に向上することができる。高屈折率の前面基板1としては、例えば、アンチモン、亜鉛、ジルコニウム、タンタル、タングステン、鉛等を含有する高屈折率ガラス、塩素、臭素、ヨウ素、硫黄等を導入して屈折率を高めたプラスチック、延伸結晶化によって屈折率を高めたプラスチックなどを挙げることができる。具体的な市販品としては例えば住田光学ガラス製の各種光学ガラスが挙げられる。
[透明電極]
上記の陽極として形成される透明電極2は有機発光層3にホールを注入するための電極であり、この透明電極2(陽極)としては、仕事関数の大きい金属、合金、電気伝導性化合物、あるいはこれらの混合物からなる電極材料を用いるのが好ましく、特に仕事関数が4eV以上の電極材料を用いるのが好ましい。このような電極材料としては、具体的には、金などの金属、CuI,ITO(インジウムチンオキサイド),SnO2,ZnO,IZO(インジウムジンクオキサイド) 等の導電性透明材料が挙げられる。例えばこれらの電極材料を前面基板1の上に真空蒸着法やスパッタリング法、CVD法、イオンプレーティング法、塗布法等の方法で成膜することによって、透明電極2(陽極)を薄膜として作製することができる。透明電極2(陽極)の光透過率は80%以上であることが好ましい。また、透明電極2(陽極)のシート抵抗は数百Ω/□以下であることが好ましく、特に100Ω/□以下であることが好ましい。さらに透明電極2(陽極)の膜厚は、透明電極2(陽極)の透明性、導電性等の特性を上記のように制御するために、材料により異なるが、80〜400nmに設定され、より好ましくは100〜200nmに設定される。
[有機発光層]
上記の有機発光層3は、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、バッファ層などからなる。ただし、少なくとも発光層さえあれば、正孔輸送層、電子輸送層、バッファ層はなくてもよい。また、有機発光層には後述する正孔注入層または電子注入層が含まれる場合がある。
正孔輸送層は、正孔を輸送し、発光層へ注入するものである。そのため、正孔輸送層は正孔移動度が高い正孔輸送性材料からなることが望ましい。また、正孔輸送層として、化学的に安定で、イオン化ポテンシャルが小さく、電子親和力が小さく、ガラス転移温度が高いことが望ましい。正孔輸送層としては、例えば、N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−N,N′−ジフェニル−[1,1′−ビフェニル]−4,4′ジアミン(TPD)、4,4′−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(α−NPD)、4,4′,4″−トリ(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(TCTA)、1,3,5−トリス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)フェニルアミノ]ベンゼン(p−DPA−TDAB)、4,4′,4″−トリス(N−カルバゾール)トリフェニルアミン(TCTA)、1,3,5−トリス[N,N−ビス(2−メチルフェニル)−アミノ]−ベンゼン(o−MTDAB)、1,3,5−トリス[N,N−ビス(3−メチルフェニル)−アミノ]−ベンゼン(m−MTDAB)、1,3,5−トリス[N,N−ビス(4−メチルフェニル)−アミノ]−ベンゼン(p−MTDAB)、4,4′,4″−トリス[1−ナフチル(フェニル)アミノ]トリフェニルアミン(1−TNATA)、4,4′,4″−トリス[2−ナフチル(フェニル)アミノ]トリフェニルアミン(2−TNATA)、4,4′,4″−トリス[ビフェニル−4−イル−(3−メチルフェニル)アミノ]トリフェニルアミン(p−PMTDATA)、4,4′,4″−トリス[9,9−ジメチルフルオレン−2−イル(フェニル)アミノ]トリフェニルアミン(TFATA)、4,4′,4″−トリス(N−カルバゾイル)トリフェニルアミン(TCTA)、1,3,5−トリス−[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)フェニルアミノ]ベンゼン(p−DPA−TDAB)、1,3,5−トリス{4−[メチルフェニル(フェニル)アミノ]フェニル}ベンゼン(MTDAPB)、N,N′−ジ(ビフェニル−4−イル)−N,N′−ジフェニル[1,1′−ビフェニル]−4,4′−ジアミン(p−BPD)、N,N′−ビス(9,9−ジメチルフルオレン−2−イル)−N,N′−ジフェニルフルオレン−2,7−ジアミン(PFFA)、N,N,N′,N′−テトラキス(9,9−ジメチルフルオレン−2−イル)−[1,1−ビフェニル]−4,4′−ジアミン(FFD)、(NDA)PP、4,4′−ビス[N,N′−(3−トリル)アミノ]−3−3′−ジメチルビフェニル(HMTPD)等が望ましく、これらを1種単独、または、2種以上を併用してもよい。
必要に応じて、陽極である透明電極2と正孔輸送層との間には正孔注入層を配置してもよい。陽極と正孔輸送層との注入障壁を下げるため、正孔注入層は適当なイオン化ポテンシャルを有する材料により形成されることが望ましい。また、正孔注入層は下地層の表面の凹凸を埋める役割を果たすことが望ましい。正孔注入層としては、例えば、銅フタロシアニン、スターバーストアミン化合物、ポリアニリン、ポリチオフェン、酸化バナジウム、酸化モリブテン、酸化ルテニウム、酸化アルミニウム等が挙げられる。
また、正孔輸送性材料に酸化剤を含有してもよい。これにより、陽極と正孔輸送層との障壁を低下させる、または、電気伝導度を向上させることができる。酸化剤としては、例えば、塩化第II鉄、塩化アンモニウム、塩化ガリウム、塩化インジウム、五塩化アンチモン等のルイス酸化合物、トリニトロフルオレン等の電子受容性化合物、正孔注入材料として挙げられる酸化バナジウム、酸化モリブテン、酸化ルテニウム、酸化アルミニウムなどを用いることができ、これらを1種単独、または、2種以上を併用してもよい。
発光層に用いる発光性有機化合物としては、公知の任意のものを挙げることができる。例えば、アントラセン、ナフタレン、ピレン、テトラセン、コロネン、ペリレン、フタロペリレン、ナフタロペリレン、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、クマリン、オキサジアゾール、ビスベンゾキサゾリン、ビススチリル、シクロペンタジエン、キノリン金属錯体、トリス(8−ヒドロキシキノリナート) アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−8−キノリナート)アルミニウム錯体、トリス(5−フェニル−8−キノリナート)アルミニウム錯体、アミノキノリン金属錯体、ベンゾキノリン金属錯体、トリ−(p−ターフェニル−4−イル)アミン、1−アリール−2,5−ジ(2−チエニル)ピロール誘導体、ピラン、キナクリドン、ルブレン、ジスチルベンゼン誘導体、ジスチルアリーレン(DSA)誘導体、及びこれらの発光性有機化合物を分子内に有するものであるが、これに限定されるものではない。またこれらの化合物に代表される蛍光色素由来の化合物のみならず、三重項状態からの燐光発光が可能な材料およびこれらからなる基を分子内の一部分に有する化合物も好適に用いることができる。
電子輸送層は、電子を輸送し、発光層へ注入する。そのため、電子輸送層は電子移動度が高い電子輸送性材料からなることが望ましい。電子輸送層としては、例えば、トリス(8−キノリノール)アルミニウム、オキサジアゾール誘導体、シロール誘導体、亜鉛ベンゾチアゾール錯体、バソキュプロイン(BCP)等が望ましく、1種単独、または、2種以上を併用することもできる。
また、電子輸送層は、上記の電子輸送性材料に還元剤を含有して、バッファ層と電子輸送層との障壁を低くすること、または、電子輸送層の電気伝導度を向上させることが望ましい。還元剤としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類酸化物、希土類酸化物、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類ハロゲン化物、希土類ハロゲン化物、アルカリ金属、芳香族化合物等で形成される錯体が挙げられる。特に、好ましいアルカリ金属はCs,Li,Na,Kである。これらの材料に限られず、これらの材料を1種単独、または、2種以上併用してもよい。
また、電子注入層を、対向電極4またはバッファ層と電子輸送層の間に挿入して、電子注入効率を向上させてもよい。電子注入層としては、例えば、弗化リチウム、弗化マグネシウム、弗化カルシウム、弗化ストロンチウム、弗化バリウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム等が望ましい。これらの材料に限られず、これらの材料を1種単独、または、2種以上併用してもよい。
[対向電極]
上記の陰極として形成される対向電極4は、有機発光層3に電子を注入するための電極であり、この対向電極4(陰極)としては、仕事関数の小さい金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物からなる電極材料を用いることが好ましく、仕事関数が5eV以下の電極材料を用いるのが好ましい。このような電極材料としては、アルカリ金属、アルカリ金属のハロゲン化物、アルカリ金属の酸化物、アルカリ土類金属、希土類等や、これらと他の金属との合金などを用いることができるものであり、例えばナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、リチウム、マグネシウム、アルミニウム、マグネシウム−銀混合物、マグネシウム−インジウム混合物、アルミニウム−リチウム合金、Al/Al23混合物、Al/LiF混合物などを例として挙げることができる。対向電極4(陰極)は、例えば上記の電極材料を、真空蒸着法やスパッタリング法等の方法により、薄膜に形成することによって作製することができ、対向電極4(陰極)の光透過率は10%以下にすることが好ましい。対向電極4(陰極)の膜厚は、対向電極4(陰極)の光透過率等の特性を上記のように制御するために、材料により異なるが、通常500nm以下に設定するのが好ましく、好ましくは100〜200nmの範囲とするのがよい。
そして、透明電極2(陽極)に正電圧を、対向電極4(陰極)に負電圧を印加すると、有機発光層3に注入された電子とホールとが有機発光層3内にて再結合して発光が起こる。このように有機発光層3からの発光は、透明電極2(陽極)及び前面基板1を通過して外部取出し光5となる。即ち光は透明電極2、有機発光層3、対向電極4等を積層した基板の一主表面と逆側の一主表面から取り出される。
なお、本実施形態では説明のために透明電極2を陽極とし、対向電極4を陰極としたが、これは逆でもよい。すなわち、透明電極2を陰極とし、対向電極4を陽極としたが、これは逆でもよい。透明電極2を陰極とするには、公知の陰極材料である上記したアルミや銀等を数〜数10nm程度の薄さで形成する方法や、透明電極と有機発光層の間に電子注入層に用いられるアルカリ金属、アルカリ土類金属などの材料を数〜数10nm程度の薄さで形成する方法が挙げられる。また対向電極4を陽極とするには上記したITOなどの透明電極を用い正孔注入性をもたせる方法が挙げられる。
また本明細書中では説明のため、透明電極2及び対向電極4と有機発光装置外の電源との接続を明示していないが、有機発光装置の駆動のために適宜透明電極2及び対向電極4は拡散反射体と基板の間あるいは拡散反射体の非形成領域から外部の電源と接続される。透明電極2及び対向電極4を外部電源と接続するために、拡散反射体の一部に開口部を設けることは必要であるが、この開口部から光が抜けてしまうと発光効率の低下を招くため望ましくない。本願における本有機発光装置は光を基板の主表面からのみ取り出すことを目的としている。
ここで発光領域A及び非発光領域Bを以下のように定義する。発光領域Aとは有機発光装置としての実用上の発光機能を果たす領域である。発光領域Aは略有機発光層が透明電極2、対向電極4に挟まれており、電圧を両電極間に印加した際に発光する領域である。ただし、発光する領域は2つ以上の領域に分割されていてもよく、この場合発光領域Aは発光する領域と隣の発光する領域の間の非発光の領域も含むものとする。他方で、発光領域Aに含まれない領域は非発光領域Bと称す。
本発明はこのような層構成で形成される有機発光素子において、前面基板1の両側面及び上面又は下面の非発光領域Bに拡散反射体6を設けたものである。
図1の実施形態では拡散反射体61a及び拡散反射体61bは前面基板1の側面に形成され、拡散反射体62a及び拡散反射体62bは前面基板1の有機発光層3がある側の一主表面の内、非発光領域Bに形成されている。
そして有機発光層3から発光した光を前面基板1から外部に取り出すにあたり、一部の光は前面基板1の表面と空気との界面で全反射し、前面基板1内を導波した光は拡散反射体61a又は拡散反射体61bで反射され、前面基板1の側面から漏れたり、素子内部で消滅したりすることなく、前面基板1の表面から出射され外部取出し光7となる。ここで拡散反射体61a又は拡散反射体61bだけでは前面基板1の側面で拡散反射した際に略半分の光は外部取出し光5で示すような本来光を出射したい方向ではなく、逆の方向に拡散反射し後方に漏れる光8となってしまう。しかしながら、拡散反射体62a又は拡散反射体62bがあることによりこのような光を再度光出射方向に向けて散乱させ、基板に閉じ込められる光の大部分を外部へ取り出すことができ、従って前面基板1の表面からの光の取り出し効率を高めることができる。
ここで、前面基板1の側面及び有機発光層3がある側の一主表面の内、非発光領域Bに拡散反射体61a,61b,62a及び62bを設ける場合、拡散反射体61a,61b,62a及び62bの作製方法は、前面基板1に反射材料を塗布、貼着、蒸着、接着等の手段で固着することによって拡散反射体61a,61b,62a及び62bを形成する方法の他に、前面基板1の表面を加熱する、或いはエキシマレーザ加工、炭酸ガスレーザ加工、エンドミルによる微細加工、サンドブラスト加工、エッチング加工などの加工法により表面を荒らし拡散透過性を表面に持たせたうえでそこに金属膜を形成する等高反射率の膜を形成し、拡散透過部に高反射膜を組み合わせる形で形成してもよい。表面を荒らした、即ち凹凸を形成したものとしてはすりガラス、マイクロレンズ等が挙げられる。
拡散反射体61a,61b,62a及び62bを構成する反射材料は例えば、表面を荒らしたアルミニウムや金、銀、銅等の金属、その粒子や箔、その他鏡面反射シートや拡散反射シート、誘電体の積層膜からなる反射膜、樹脂粒子やガラス粒子、中空ビーズ、無機物(例えば高屈折率材料として知られるZrO2,BaTiO3,TiO2)微粒子及びこれらの粒子を含有する反射塗料などを用いることができる。又は白色アクリル板、硫酸バリウム圧縮形成白色板、PETフィルムに酸化チタン等のフィラーや気泡を内填したものでもよい。上記粒子の粒径は効率よく可視光を散乱するために可視光の波長に近い値とすることが望ましく、例えば100nm〜10μm、特に200nmから4μmが望ましい。拡散反射体61a,61b,62a及び62bを形成する反射材料は、特に波長380nm〜780nmにおける光の拡散反射率が90%以上であることが好ましい。このような反射材料を用いて拡散反射体61a,61b,62a及び62bの拡散反射率を90%以上に形成することによって、前面基板1内の導波光を効率高く反射させて前面基板1の表面から効率良く取り出すことができる。拡散反射体61a,61b,62a及び62bの反射率は高い程望ましいものであり、反射率が100%であることが理想的である。
また450〜700nmの光の波長域における拡散反射率は90%以上であることが好ましい。更に好ましくは95%以上である。これにより、光反射板として組み付けた製品の輝度を充分に確保することができる。なお、拡散反射率とは、JIS−Z8741に定義される「鏡面反射を除いた拡散的な光の反射率」であって、自己分光光度計により、450〜700nmの光の波長域で測定し、硫酸バリウムの微粉末を固めた白色板の拡散反射率を100%とした相対値として求めた値をいう。
ここで拡散反射体62a及び拡散反射体62bは前面基板1の有機発光層3がある側の一主表面の内、発光領域Aには形成されないことが望ましい。そのような構成にすることにより、発光領域からの光の内、もともと空気と前面基板1の間で全反射することなく空気側に伝搬できる光の進行を妨げることなく、広角側に伝搬する全反射光のみを効率的に拡散反射させ、取り出し効率を向上することができる。
図3は本発明の実施の形態の他の一例を示す図である。
図3は図1に示した実施例の構成に加えて、拡散反射体63a及び拡散反射体63bは前面基板1の光出射方向側(空気側)の一主表面の非発光領域内に形成したものである。この構成ではさらに光の取り出し量が向上する。この理由は現在のところ必ずしも明確ではないが、以下に示す3つの効果が複合しているものと考えられる。
まず第1に、側面に形成した拡散反射体62a及び62bからの拡散反射光を、前面基板1の光出射方向側(空気側)に形成した拡散反射体63a及び63bにより再度拡散反射させることにより、側面に形成した拡散反射体62a及び62bからの比較的広角方向に拡散反射した光を、少なくとも一部は浅い角度に変換できる。これにより発光領域から空気側への発光を増大することができると考えられる。
第2に光が伝搬する基板端部における拡散反射確率(或いは拡散反射回数)を上げることになるために、より確実に光を空気側へ取り出すことができると考えられる。拡散反射確率あるいは拡散反射回数を上げることが、取り出し効率を向上させる理由は以下のとおりである。拡散反射材料は理想的には完全拡散特性を有する。しかしながら、一般的に拡散反射とは言っても完全拡散面にはならず正反射(鏡面反射)の方向に強く拡散する場合が多い。従って1回の拡散反射では十分ではなく、拡散反射領域内で複数回反射することにより、本来端部から抜ける光をより完全拡散に近い形で拡散反射することができ、従って全反射をより効率的に抑制し、光取り出し効率を向上することができると考えられる。
第3に発光領域から伝搬してきた光を、前面基板1の光出射方向側(空気側)に形成した拡散反射体63a及び63bにより拡散反射させ、一部を発光領域に返すことにより、側面に到達するより前に少なくとも一部を発光領域へ返し、取り出すことができる。これにより基板側面へ伝搬する際の部材の吸収の影響を減らすことができる。従って取り出し効率が向上すると考えられる。
また上記のように前面基板1の光出射方向側(空気側)に形成した拡散反射体63a及び63bにより、以下に示す新たな効果も得ることができる。
すなわち、発光領域から伝搬してきた本来透過する光を、上面拡散反射材料により拡散反射させ、側面(下面)拡散反射材料に到達させることにより非発光領域から抜けて非正面方向に抜けていた光を、正面発光領域から取り出すことができ、照明装置にとって有用な正面方向の光を効率良く取り出すことができる。また白色の拡散反射体を用いることにより、発光領域端部の発光協が連続的に0に近づくために、境界が不明瞭な非発光領域を白色体で覆えるために、視認性を悪化させることなく、光を取り出すことができる。
尚、上記の各実施の形態において、前面基板1の光出射面側の一主表面の発光領域は、光を拡散させる形状に変形して形成するようにしてもよい。前面基板1の上記発光領域を変形させる方法は特に限定されるものではないが、例えばサンドブラストによる粗面化、エッチングによる粗面化、拡散層の塗布、拡散シートの接着などの方法などを挙げることができる。このように前面基板1の光出射面側の一主表面の発光領域を光を拡散する面に形成することによって、前面基板1の表面を鏡面に形成した場合には全反射する角度の光を拡散して、前面基板1の表面から出射させることができるものであり、光の取り出し効率が向上するものである。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。
厚さ1.1mmのガラス製の前面基板1上にスパッタリング法によりITOを成膜した。このガラス基板を50mm角の大きさに切断し、ITOを幅2mmの帯状にエッチングして透明電極2(陽極)を形成した。この透明電極2を形成した前面基板1をアセトン、純水、イソプロピルアルコールで15分間超音波洗浄した後、乾燥させ、UVオゾン洗浄した。次に、この透明電極2を設けた前面基板1を真空蒸着装置にセットし、1.33×10−4Paの減圧下、4,4′−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(株式会社同仁化学研究所製:α−NPD)を0.1〜0.2nm/sの蒸着速度で30nm厚に蒸着し、透明電極2の上に正孔輸送層を形成した。次にこの正孔輸送層の上に、発光層としてα−NPDにルブレン(アクロス社製)を1質量%ドープした層を10nm厚で、青色発光層としてジスチリルビフェニル誘導体(出光興産社製「DPVBi」)に末端にカルバゾリル基を有するDSA誘導体(出光興産社製「BCzVBi」)を12質量%ドープした層を50nmで積層することによって、有機発光層3を形成した。次に、この有機発光層3の上にバソフェナントロリン(株式会社同仁化学研究所製)とCsをモル比1:1で200Å厚に共蒸着して電子輸送層を形成し、続いてこの上にAlを1nm/sの蒸着速度で幅2mm、厚み150nmに蒸着して対向電極4(陰極)を形成し、発光面が2mm×2mmの有機発光装置を作製した。
次に拡散反射体61a,61b,62a,62bとして恵和(株)製の反射シート「BS300」を用い、前面基板1の四辺の側面の全て、並びに非発光領域に、反射シートを接着した。具体的には、前面基板1の側面に形成された拡散反射体が図1における61a及び61bに対応する。また前面基板1の有機発光層3側の一主表面の内、非発光領域に形成された拡散反射体が、拡散反射体62a及び拡散反射体62bに対応する。そして、拡散反射体61a及び前記拡散反射体62aで前面基板1の一側面を覆い、拡散反射体61b及び前記拡散反射体62bで前面基板1の上記一側面とは異なる一側面を覆っている。接着剤(図示せず)はJSR社製「KZ9752」を用い、反射シートを前面基板1に密着させた。以上により、図1に対応する試料を作製した。
なお上記反射シート「BS300」の拡散反射率をJIS−Z8741に基づき測定したところ、拡散反射率は90%であった。
実施例1で作製した有機発光装置の前面基板1の光出射面側の非発光領域に実施例1同様の材料を用いて、拡散反射体3a及び拡散反射体3bを形成し、図3に相当する試料を作製した。
実施例1で作製した有機発光装置の前面基板1を波長587.6nmにおける屈折率ndが1.6である基板とした。具体的には、住田光学ガラス製高屈折率ガラス基板「K−PSK300」を用いた。その他の構成は実施例1と同様である。
実施例1で作製した有機発光装置の前面基板1を波長587.6nmにおける屈折率ndが2.0である基板とした。具体的には、住田光学ガラス製高屈折率ガラス基板「K−PSFn2」を用いた。なお、本構成における発光層の波長587.6nmにおける屈折率ndは1.8であった。従って発光層の屈折率よりも基板の屈折率が高い構成になっている。その他の構成は実施例1と同様である。
厚さ1.1mmの、50mm角のガラス製の背面基板9上にAlを1nm/sの蒸着速度で幅2mm、厚み150nmに蒸着して対向電極4(陰極)を形成した。次に、この上にバソフェナントロリン(株式会社同仁化学研究所製)とCsをモル比1:1で200Å厚に共蒸着して電子輸送層を形成した。次に、この上に青色発光層としてジスチリルビフェニル誘導体(出光興産社製「DPVBi」)に末端にカルバゾリル基を有するDSA誘導体(出光興産社製「BCzVBi」)を12質量%ドープした層を50nmで、黄色発光層としてα−NPDにルブレン(アクロス社製)を1質量%ドープした層を10nm厚で、積層することによって、発光層を形成した。次に、この上に1.33×10-4Paの減圧下、4,4′−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(株式会社同仁化学研究所製:α−NPD)を0.1〜0.2nm/sの蒸着速度で30nm厚に蒸着し、正孔輸送層を形成した。最後に、スパッタリング法によりIZOを成膜した。マスクを用いて、IZOを幅2mmの帯状にパターニングして透明電極2(陽極)を形成した。このようにして、発光面が2mm×2mmの有機発光装置を作製した。
次にこの有機発光素子を形成した背面基板9上を大気に曝すことなく、高純度窒素ガスを循環させて高露点を保った封止室に移動させた。
次に拡散反射体61a,61b,62a,62bとして恵和(株)製の反射シート「BS300」を用い、前面基板1の四辺の側面の全て、並びに非発光領域に、反射シートを接着した。具体的には、前面基板1の側面に形成された拡散反射体が図4における61a及び61bに対応する。また前面基板1の有機発光層3側の一主表面の内、非発光領域に形成された拡散反射体が、拡散反射体62a及び拡散反射体62bに対応する。そして、拡散反射体61a及び拡散反射体62aで前面基板1の一側面を覆い、拡散反射体61b及び拡散反射体62bで前面基板1の上記一側面とは異なる一側面を覆っている。接着剤はJSR社製「KZ9752」を用い、反射シートを前面基板1に密着させた。
次に、封止室にこの前面基板1を導入した。この前面基板1は封止基板である。前面基板1のエッジ部分に拡散反射体と重ならないように、周知のシールディスペンサ装置を用いてシール用の光硬化樹脂10を描画した(図示省略)。さらに前面基板1の発光領域Aに対応する部分にエポキシ樹脂製の封止材料11(波長587.6nmにおける屈折率は約1.5)を塗布した。そして封止室内にある真空貼り合わせ装置に導入し、前面基板1と背面基板9とを貼り合わせて圧着させた。次に、前面基板1と背面基板1とを貼り合わせて作成した有機発光装置の有機発光素子全体にUV光が当たらないよう周知の遮光板を置き、前面基板1側からUV光を照射させて光硬化樹脂10を硬化させた。このようにして、図4に対応するトップエミッション型の構成を有する試料を作製した。
実施例1で作製した有機発光装置の拡散反射体の材料を株式会社東レ製の反射シート「ルミラE6SR」として、図1に相当する試料を作製した。
なお上記反射シート「ルミラE6SR」の拡散反射率をJIS−Z8741に基づき測定したところ、拡散反射率は95%であった。
実施例5で作製した有機発光装置の背面基板9に拡散反射体64a,64b,65a,65bとして恵和(株)製の反射シート「BS300」を用い、背面基板9の四辺の側面の全て、並びに非発光領域に、反射シートを接着した。具体的には、背面基板9の側面に形成された拡散反射体が図5における64a及び64bに対応する。また背面基板9の有機発光層3側の逆側の一主表面の内、非発光領域に形成された拡散反射体が、拡散反射体65a及び拡散反射体65bに対応する。そして、拡散反射体64a及び前記拡散反射体65aで背面基板9の一側面を覆い、拡散反射体64b及び前記拡散反射体65bで背面基板9の上記一側面とは異なる一側面を覆っている。接着剤(図示せず)はJSR社製「KZ9752」を用い、反射シートを前面基板1に密着させた。以上により、図5に対応する試料を作製した。
厚さ0.3mmのPET製(波長587.6nmにおける屈折率は約1.5)の前面基板1上にスパッタリング法によりIZOを成膜した。この前面基板を50mm角の大きさに切断し、IZOをマスクを用いてパターニングし、幅2mmの帯状に透明電極2(陽極)を形成した。この透明電極2を形成した前面基板1を純水で15分間超音波洗浄した後、乾燥させた。次に、この透明電極2を設けた前面基板1を真空蒸着装置にセットし、1.33×10-4Paの減圧下、4,4′−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(株式会社同仁化学研究所製:α−NPD)を0.1〜0.2nm/sの蒸着速度で30nm厚に蒸着し、透明電極2の上に正孔輸送層を形成した。次にこの正孔輸送層の上に、発光層としてα−NPDにルブレン(アクロス社製)を1質量%ドープした層を10nm厚で、青色発光層としてジスチリルビフェニル誘導体(出光興産社製「DPVBi」)に末端にカルバゾリル基を有するDSA誘導体(出光興産社製「BCzVBi」)を12質量%ドープした層を50nmで積層することによって、有機発光層3を形成した。次に、この有機発光層3の上にバソフェナントロリン(株式会社同仁化学研究所製)とCsをモル比1:1で200Å厚に共蒸着して電子輸送層を形成し、続いてこの上にAlを1nm/sの蒸着速度で幅2mm、厚み150nmに蒸着して対向電極4(陰極)を形成し、発光面が2mm×2mmの有機発光装置を作製した。
次に、封止室にこの有機発光装置を導入した。さらに前面基板1の発光領域Aに対応する部分に周知のディスペンサ装置を用いて硬化剤を含有したエポキシ樹脂製の封止材料11を塗布した。そして封止室内にある真空貼り合わせ装置に導入し、前面基板1と背面基板9(PET製)とを貼り合わせて圧着させた。前面基板と背面基板の接触する部分は必要に応じて熱圧着を行った。最後に80度の恒温層で封止材料を熱硬化させることにより、封止を完了した。
次に拡散反射体66a,66b,67a,67bとして恵和(株)製の反射シート「BS300」を用い、前面基板1及び背面基板9の四辺の側面の全て、並びに背面基板の非発光領域に、反射シートを接着した。具体的には、前面基板1及び背面基板9の側面に形成された拡散反射体が図6における拡散反射体66a及び拡散反射体66bに対応する。また背面基板9の有機発光層3側と逆側の一主表面の内、非発光領域に形成された拡散反射体が、拡散反射体67a及び拡散反射体67bに対応する。そして、拡散反射体66a及び前記拡散反射体67aで前面基板1及び背面基板9の一側面を覆い、拡散反射体66b及び前記拡散反射体67bで前面基板1及び背面基板9の上記一側面とは異なる一側面を覆っている。接着剤(図示せず)はJSR社製「KZ9752」を用い、反射シートを前面基板1及び背面基板9に密着させた。以上により、図6に対応する試料を作製した。
(比較例1)
実施例1で作製した図1に対応する有機発光装置素子を、拡散反射体61a,61b,62a,62bを形成することなくそのまま用いた。
上記の実施例1〜8及び比較例1の有機発光素子を、電源(KEITHLEY2400)に接続して4.5Vを印加して発光させ、その際の正面輝度を色彩輝度計(トプコン社製「BM−5A」;視野角0.1°、測定距離45cm)で測定することによって評価した。結果を表1に示す。
表1にみられるように、前面基板1又は背面基板9に拡散反射体を設けた各実施例のものは、拡散反射体を設けていない比較例1のものよりも、高い正面輝度を得ることができ、光の取り出し効率が向上していることが確認された。
実施例1、実施例2においては、上記の実施形態にて述べた理由により正面輝度が向上したと考えられる。また接着剤を用いて拡散反射体を接着したことにより、拡散反射体を成膜等の方法で形成する場合に比べ、有機発光装置の生産性が向上し、より簡便に高効率な有機発光装置が得られる。
実施例3,4においては、前面基板1の屈折率を向上させることにより、従来、透明電極2又は有機発光層3に閉じ込められていた光も前面基板に取り出すことができ、更に本構成の拡散反射体により、効率よく前面基板に導入した光を空気側へと取り出すことができたために、高い正面輝度が得られたと考えられる。特に実施例4では発光層の屈折率よりも前面基板1の屈折率を高くしたために、発光層において発生した略全ての伝搬光を空気側へと取り出すことができたために、特に高い正面輝度が得られたと考えられる。
実施例5においては、樹脂製の封止材を用いたトップエミッション構成をとることにより、実施例1のようなボトムエミッション構成でなくても本発明の効果により、効率よく前面基板に導入した光を空気側へと取り出すことができ、高い正面輝度が得られたと考えられる。封止材は光を前面基板へと導入する役割を持っている。これが無い場合には、透明電極と空気の間で全反射を起こすために、比較例1で前面基板に閉じ込められていた光さえ、前面基板1に導入することができず、従って、光を効率よく空気側へ取り出すことができない。
なお封止材は応力緩和及び形成プロセスの観点から樹脂製が望ましい。樹脂材料の一例として、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、シリコン樹脂などからなる光硬化型接着性樹脂、熱硬化型接着性樹脂、2液硬化型接着性樹脂や、エチレンエチルアクリレート(EEA)ポリマー等のアクリル系樹脂、エチレンビニルアセテート(EVA)等のビニル系樹脂、ポリアミド、合成ゴム等の熱可塑性樹脂や、ポリエチレンやポリプロピレンの酸変性物などの熱可塑性接着性樹脂を挙げることができる。封止材を形成する方法の一例として、溶剤溶液法、押出ラミ法、溶融・ホットメルト法、カレンダー法、ノズルウェットコーティング法、スクリーン印刷法、真空ラミネート法、熱ロールラミネート法などを挙げることができる。必要に応じて吸湿性や吸酸素性を有する材料を含有させることもできる。封止材上に形成する樹脂層の厚みは、封止する有機EL素子の大きさや形状により任意に決定されるが、5〜1000μm程度が望ましい。
実施例6においては、拡散反射体の反射率を上げたために、前面基板1内における内部伝搬に伴う吸収損失で光のエネルギーが失われる前に、空気側へと光を出射できたために、本発明の効果が強くなり、効率よく前面基板に導入した光を空気側へと取り出すことができ、高い正面輝度が得られたと考えられる。
実施例7においては、封止材料11や光硬化性樹脂10等を通じて背面基板9側に伝搬してしまう光が有機発光装置の背面側(光出射側と逆の側)に放出されてしまうことを拡散反射体64a,64b,65a,65bが抑制したために、本発明の効果が強くなり、効率よく前面基板に導入した光を空気側へと取り出すことができ、高い正面輝度が得られたと考えられる。
実施例8においては、屈曲性のあるPET製の前面基板1及び背面基板9を用いた際にも、屈折率が1.5程度である前面基板1及び背面基板9や樹脂材料11内を伝搬して側面など及び背面などから失われる光を拡散反射体66a,66b,67a,67bが拡散反射して有機発光装置内に戻したために、本発明の効果により、効率よく前面基板に導入した光を空気側へと取り出すことができ、高い正面輝度が得られたと考えられる。
1 前面基板
2 透明電極
3 有機発光層
4 対向電極
5,7 外部取出し光
6,61a,61b,62a,62b,63a,63b,64a,64b,65a,65b 拡散反射体
8 後方に漏れる光
9 背面基板
10 光硬化樹脂
11 封止材料

Claims (11)

  1. 透明電極と、
    対向電極と、
    前記透明電極及び前記対向電極に挟まれて位置する発光層と、
    前記発光層側と反対側の表面から外部へ、前記発光層からの光を出射する前面基板と、
    前記発光層からの光を反射する拡散反射体と、を有する有機発光装置であって、
    前記拡散反射体は、前記前面基板の側面を覆う第1拡散反射体と、前記前面基板の前記発光層側の表面のうち非発光領域を覆う第2拡散反射体と、を含むことを特徴とする有機発光装置。
  2. 請求項1に記載の有機発光装置であって、
    前記第1拡散反射体及び前記第2拡散反射体の拡散反射率が90%以上であることを特徴とする有機発光装置。
  3. 請求項1に記載の有機発光装置であって、
    前記第1拡散反射体及び前記第2拡散反射体の拡散反射率が95%以上であることを特徴とする有機発光装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の有機発光装置であって、
    前記拡散反射体は、前記前面基板の前記発光層側と反対側の表面のうち非発光領域を覆う第3拡散反射体を含むことを特徴とする有機発光装置。
  5. 請求項4に記載の有機発光装置であって、
    前記第3拡散反射体の拡散反射率が90%以上であることを特徴とする有機発光装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の有機発光装置であって、
    前記前面基板の波長587.6nmにおける屈折率が1.6以上であることを特徴とする有機発光装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の有機発光装置であって、
    前記前面基板の波長587.6nmにおける屈折率が、前記発光層の屈折率以上であることを特徴とする有機発光装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の有機発光装置であって、
    前記前面基板と前記透明電極との間に封止材を有することを特徴とする有機発光装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載の有機発光装置であって、
    前記前面基板と前記拡散反射体との間に接着剤を有することを特徴とする有機発光装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれかに記載の有機発光装置であって、
    前記発光層からみて前記前面基板側と反対側に位置する背面基板を有し、
    前記拡散反射体は、前記背面基板の側面を覆う第4拡散反射体と、前記背面基板の前記発光層側と反対側の表面のうち非発光領域を覆う第5拡散反射体と、を含むことを特徴とする有機発光装置。
  11. 透明電極と、
    対向電極と、
    前記透明電極及び前記対向電極に挟まれて位置する発光層と、
    前記発光層側と反対側の表面から外部へ、前記発光層からの光を出射する前面基板と、
    前記発光層からみて前記前面基板側と反対側に位置する背面基板と、
    前記発光層からの光を反射する拡散反射体と、を有する有機発光装置であって、
    前記拡散反射体は、前記前面基板の側面及び前記背面基板の側面を覆う第6拡散反射体と、前記背面基板の前記発光層側と反対側の表面のうち非発光領域を覆う第7拡散反射体と、を含むことを特徴とする有機発光装置。
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